JPH09230624A - トナーの製造法及び現像剤の製造法 - Google Patents

トナーの製造法及び現像剤の製造法

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JPH09230624A
JPH09230624A JP8034896A JP3489696A JPH09230624A JP H09230624 A JPH09230624 A JP H09230624A JP 8034896 A JP8034896 A JP 8034896A JP 3489696 A JP3489696 A JP 3489696A JP H09230624 A JPH09230624 A JP H09230624A
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toner
weight
acid
organic solvent
aqueous solution
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JP8034896A
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English (en)
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Osamu Higashida
修 東田
Takeo Kudo
武男 工藤
Tetsuya Fujii
徹也 藤井
Yugo Kumagai
雄五 熊谷
Chiaki Okada
千秋 岡田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色調再現性、清掃性及びトナー粒子の安定性
に優れ、画像濃度が高いトナーの製造法及び現像剤の製
造法を提供する。 【解決手段】 結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含むト
ナー母液並びに界面活性剤及び平均粒子径が0.1〜2
μmの無機分散剤を含有する水溶液を混合した後、該有
機溶媒及び水を除去することを特徴とするトナーの製造
法、結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含むトナー母液並
びに界面活性剤及び無機分散剤を含有する水溶液を混合
した後、さらに無機分散剤を添加し、該有機溶媒及び水
を除去することを特徴とするトナーの製造法並びにこの
製造法により製造されたトナーにキャリアを添加するこ
とを特徴とする現像剤の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電荷像現像に有
用であるトナーの製造法及び現像剤の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真は、光導電性物質を利用した感
光体上へ一様な静電荷を与える帯電工程、光を照射して
感光体上に静電潜像を形成させる露光工程、感光体上の
静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成させる現
像工程、トナー像を支持体に転写させる転写工程、支持
体上のトナー像を熱、圧力、フラッシュ光等で支持体に
固着させる定着工程、感光体上に残存したトナーを除去
する清掃工程及び感光体上の静電荷を除いて初期状態に
戻す除電工程からなる複写又は記録技術であり、これら
の工程が繰り返されて幾枚もの印刷物を作製することが
できる(米国特許第2,297,691号公報、英国特
許第1,165,406号公報及び英国特許第1,16
5,405号公報)。
【0003】電子写真に使用される静電荷像現像用トナ
ーとしては、ビスフェノール骨格を有するグリコールと
多塩基酸とを縮合反応させて得られるポリエステル樹脂
を用いたトナー(特開昭61−7874号公報)、ポリ
スチレン樹脂を用いたトナー(特公昭44−16118
号公報)、スチレン・メタクリル酸ブチル共重合樹脂を
用いたトナー(特公平4−73444号公報)及びビス
フェノールとエピクロルヒドリンを反応させて得られる
ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いたトナー(特開昭
57−96354号公報)等が知られている。
【0004】近年、これまでのモノクロトナーによる作
像にかわって、カラートナーによる作像が要求されるよ
うになってきた。一方、情報の高密度化の動きに対応し
ては、解像度の高い、すなわち微細な表現が可能な、小
粒子径のトナーが要求されるようになってきた。このよ
うな要求に対しては、これまでは、色調再現性に優れる
低分子量ポリエステル樹脂に、着色剤及びその他の添加
剤を添加し、溶融混練した後に粉砕する、いわゆる粉砕
法で製造されたトナーが利用されてきた。しかしなが
ら、このトナーは、以下に述べる問題があった。 (1)溶融混練時に着色剤及びその他の添加剤の分散が
不十分となり、定着した画像の色調が充分でない。ま
た、トナーの組成が不均質になり、画像品質が充分でな
い。 (2)現像機による撹拌の際に微粉砕粒子が生じ易く、
印刷時の画像品質が低下したり、トナーが飛散して周囲
の環境を汚染することがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、色調再現性、清掃性及びトナー粒子の安定性に優
れ、画像濃度が高いトナーの製造法を提供するものであ
る。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果
に加え、トナー粒子の安定性にさらに優れるトナーの製
造法を提供するものである。請求項3記載の発明は、色
調再現性、清掃性及びトナー粒子の安定性に優れ、画像
濃度が高いトナーの製造法を提供するものである。請求
項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明の効果に
加え、かぶりやトナー飛散が抑制されたトナーの製造法
を提供するものである。請求項5記載の発明は、色調再
現性、清掃性及びトナー粒子の安定性に優れ、画像濃度
が高い現像剤の製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(5)に関するものである。 (1)結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含むトナー母液
並びに界面活性剤及び平均粒子径が0.1〜2μmの無
機分散剤を含有する水溶液を混合した後、該有機溶媒及
び水を除去することを特徴とするトナーの製造法。 (2)結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含むトナー母液
並びに界面活性剤及び平均粒子径が0.1〜2μmの無
機分散剤を含有する水溶液を混合した後に、さらに平均
粒子径が0.1〜2μmの無機分散剤を添加する前記
(1)記載のトナーの製造法。 (3)結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含むトナー母液
並びに界面活性剤及び無機分散剤を含有する水溶液を混
合した後、さらに無機分散剤を添加し、該有機溶媒及び
水を除去することを特徴とするトナーの製造法。 (4)水溶液に含有される無機分散剤の量と添加する無
機分散剤の量の総量が、トナ−母液に対して1〜16重
量%である、前記(2)又は(3)記載のトナーの製造
法。 (5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造法に
より製造されたトナーにキャリアを添加することを特徴
とする現像剤の製造法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いる結着樹脂として
は、例えば、ポリエステル樹脂、重合性ビニル単量体を
重合して得られるビニル系重合体などが挙げられる。ポ
リエステル樹脂は、アルコール成分と酸成分を原材料と
し、公知の合成法で製造することができる。
【0008】アルコール成分としては、例えば、一般式
(I)
【化1】 (式中、R1及びR2はエチレン基又はプロピレン基であ
り、x及びyは各々1以上の整数であり、xとyの和は
4〜14である)で表されるジオール〔ポリオキシプロ
ピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン
(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等〕、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、イソペンチルグリコー
ル、水添ビスフェノールA、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、キ
シリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ビス−(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレート、トリス−(β−ヒド
ロキシエチル)イソシアヌレート、2,2,4−トリメ
チロールペンタン−1,3−ジオールなどが挙げられ
る。
【0009】これらのアルコール成分の中では、定着強
度、耐オフセット性などの安定性の点から、3価以上の
アルコールが好ましいが、その配合量は全アルコール成
分の40モル%以下である。上記アルコール成分は単独
で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0010】酸成分としては、例えば、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、ダイマー酸、アジピン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチ
ルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタ
ル酸モノメチルエステル、テトラヒドロフタル酸、メチ
ルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ジメ
チルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒド
ロフタル酸、ナフタレンテトラカルブン酸、ジフェノー
ル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン
酸、シクロペンタンジカルボン酸、3,3´,4,4´
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸、2,2−ビス−(4−カルボ
キシフェニル)プロパン、これらの酸の無水物(無水マ
レイン酸、無水トリメリット酸等)、無水トリメリット
酸と4,4−ジアミノフェニルメタンから得られるジイ
ミドカルボン酸、トリス−(β−カルボキシエチル)イ
ソシアヌレート、イソシアヌレート環含有ポリイミドカ
ルボン酸、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート又はイソホロンジイソシアネートの三量化
反応物と無水トリメリット酸から得られるイソシアネー
ト環含有ポリイミドカルボン酸などが挙げられる。
【0011】これらの酸成分の中では、定着強度、耐オ
フセット性などの安定性の点から、3価以上のカルボン
酸が好ましいが、その配合量は全酸成分の40モル%以
下である。上記酸成分は単独で又は2種類以上を組み合
わせて使用される。
【0012】上記アルコール成分と酸成分の他にヒドロ
キシカルボン酸成分(p−オキシ安息香酸、バニリン
酸、ジメチロールプロピオン酸、リンゴ酸、酒石酸、5
−ヒドロキシイソフタル酸等)を添加することもでき、
ヒドロキシカルボン酸成分を添加する場合、その配合量
は全単量体成分の0.7〜17モル%である。ポリエス
テル樹脂は上記アルコール成分と酸成分(場合により、
さらに上記ヒドロキシカルボン酸成分)を常法に従って
縮合反応させることによって製造することができ、例え
ば、上記アルコール成分と酸成分を反応容器に配合し、
不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜190℃
で5〜6時間加熱し、副生する低分子化合物を連続的に
反応系外に除去し、更に温度200〜250℃で6〜8
時間加熱し、反応物を取得することによって製造するこ
とができる。アルコール成分と酸成分は、常法で用いら
れている範囲で配合することができるが、通常、水酸基
/カルボキシル基がモル比で1/2〜2/1となる割合
で配合する。得られるポリエステル樹脂の酸価は、特に
制限されるものではないが、通常、1〜20とされる。
【0013】ポリエステル樹脂を製造する際には、触媒
を添加してもよい。使用するカルボン酸成分がエステル
基を含まない遊離のカルボン酸である場合は、触媒とし
ては、例えば、エステル化触媒(ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチル
チタネート等の金属アルコキシドなど)を使用すること
ができ、その配合量は、原材料の配合量の総量に対して
0.1〜1重量%とすることが好ましい。また、カルボ
ン酸成分が低級アルキルエステルである場合は、触媒と
しては、例えば、エステル交換触媒(酢酸亜鉛、酢酸
鉛、酢酸マグネシウム等の金属酢酸塩、酸化亜鉛、酸化
アンチモン等の金属酸化物、テトラブチルチタネート等
の金属アルコキシドなど)を使用することができ、その
配合量は、原材料の配合量の総量に対して0.005〜
0.05重量%とすることが好ましい。
【0014】ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、3
5〜100℃であることが好ましく、貯蔵安定性とトナ
ーの定着性のバランスの点から、50〜90℃であるこ
とがより好ましい。ガラス転移温度が35℃未満である
と、トナーが貯蔵中又は現像機中でブロッキング(トナ
ーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向
にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、
トナーの定着に多くの熱エネルギーが必要となる傾向に
ある。上記ポリエステル樹脂は、単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0015】ビニル系重合体を得るために用いられる重
合性ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、スチ
レン誘導体(α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p
−t−ブチルスチレン等)、アクリル酸アルキルエステ
ル(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸
ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、ア
クリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ド
デシル等)、メタクリル酸アルキルエステル(メタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノ
ニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、
メタクリル酸ドデシル等)が挙げられる。上記重合性ビ
ニル系単量体は、単独で又は2種類以上を組み合わせて
使用される。
【0016】また、上記重合性ビニル系単量体と、これ
ら以外の他のビニル系単量体(後述)を併用してもよ
い。上記重合性ビニル系単量体の使用量は、全単量体に
対して50重量%以上とすることが好ましく、70重量
%以上とすることがより好ましい。
【0017】他のビニル系単量体としては、例えば、1
分子中に1個のビニル基を有するビニル系単量体、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエ
ステル以外のアクリル酸誘導体(アクリル酸グリシジ
ル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキシ
エチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキ
シジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレ
ングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコー
ル、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アク
リル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フ
ェノキシエチル、アクリル酸フェノキシジエチレングリ
コール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコー
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシク
ロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエ
チル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒド
ロキシ−3−フェニルオキシプロピル、アクリル酸グリ
シジル、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド
等)、メタクリル酸アルキルエステル以外のメタクリル
酸誘導体(メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メト
キシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリ
ル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレン
グリコール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコー
ル、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタク
リル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸
メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノ
キシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコ
ール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコー
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル
酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニ
ルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリ
ドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミド、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−
3−フェニルオキシプロピル、ビニルピリジンなどが挙
げられる。上記他のビニル系単量体は、単独で又は2種
類以上を組み合わせて使用される。
【0018】また、1分子中に2個以上のビニル基を有
する単量体を併用してもよく、これは架橋剤として使用
される。1分子中に2個以上のビニル基を有する単量体
としては、定着強度、耐オフセット性などの安定性の点
から、1分子中に2個のビニル基を有する単量体が好ま
しい。このような単量体としては、例えば、ジビニルベ
ンゼン、グリコールとメタクリル酸又はアクリル酸との
反応生成物(エチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレング
リコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,
5−ペンタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタ
ンジオールジメタクリレート等)が挙げられる。これら
の単量体の使用量は、全単量体に対して20重量%以下
とすることが好ましい。
【0019】ビニル系重合体としては、各種特性のバラ
ンスの点から、スチレンを全単量体に対して50重量%
以上用い、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸
アルキルエステルのいずれか又はこれらの混合物を、総
量で残りの単量体に対して50重量%以上用いて得られ
る重合体が好ましい。
【0020】上記ビニル系単量体の重合方法としては、
例えば、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等の
公知の重合法を用いることができる。溶液重合では、例
えば、冷却管、撹拌機、窒素ガス導入管及び温度計を取
り付けた反応装置にキシレン等の有機溶媒を入れ、これ
にビニル系単量体及び重合開始剤を含む溶液を滴下し、
加熱して単量体を重合させ、その後溶剤を除去すること
によりビニル系重合体を得ることができる。懸濁重合で
は、例えば、冷却管、撹拌機、窒素ガス導入管及び温度
計を取り付けた反応装置を用い、ビニル系単量体及び重
合開始剤の混合物を、分散剤を配合した溶媒中に添加し
て分散状態とし、加熱して単量体を重合させればよい。
加熱温度は、重合開始剤の10時間半減温度より10〜
20℃高い温度とすることが好ましい。また、重合開始
剤は、加熱途中にその一部を加えても良い。重合体が形
成された後、通常の脱水、乾燥を行うことによりビニル
系重合体を得ることができる。
【0021】ビニル系重合体の重量平均分子量(Mw)
は、2,500〜150,000とすることが好まし
く、3,000〜45,000とすることがより好まし
い。重量平均分子量が2,500未満であると、トナー
が印刷時に破砕されやすい傾向にあり、150,000
を超えると、定着性が低下する傾向にあり、また、色調
再現性も劣る傾向にある。なお、この重量平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定
し、標準ポリスチレン換算で表された値である。
【0022】また、ビニル系重合体のガラス転移温度
は、35〜100℃であることが好ましく、50〜90
℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が35℃
未満であると、トナーが貯蔵中又は現像機中でブロッキ
ング(トナー粒子が凝集して塊になる現象)を起こしや
すい傾向にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超
えると、トナーの定着に多くの熱エネルギーが必要とな
る傾向にある。上記ビニル系重合体は、単独で又は2種
類以上を組み合わせて使用される。
【0023】結着樹脂としては、樹脂自体の着色が抑制
され、着色剤による着色を効率よく行う点から、ポリエ
ステル樹脂のみからなる樹脂やビニル系重合体のみから
なる樹脂が好ましいが、ポリエステル樹脂やビニル系重
合体に他の樹脂を加えた混合物であってもよい。他の樹
脂としては、例えば、アミド樹脂、ウレタン樹脂、尿素
樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、キシレン樹脂、
ジエン系樹脂、スチレン樹脂(但し、上述したビニル系
重合体に含まれない化合物)、アクリル樹脂(但し、上
述したビニル系重合体に含まれない化合物)、スチレン
・アクリル樹脂(但し、上述したビニル系重合体に含ま
れない化合物)、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマ
リン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタ
ン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。
【0024】アミド樹脂は、例えば、カプロラクタムを
重合させたり、二塩基性酸類(テレフタル酸、イソフタ
ル酸、アジピン酸、マレイン酸、コハク酸、セバチン
酸、チオグリコール酸等)とジアミン類(エチレンジア
ミン、ジアミノエチルエーテル、1,4−ジアミノベン
ゼン、1,4−ジアミノブタン等)を縮重合させて得る
ことができる。ウレタン樹脂は、例えば、ジイソシアネ
ート類(p−フェニレンジイソシアネート、p−キシレ
ンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシ
アネート等)とグリコール類(エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等)を付加反応させて得ることができ
る。
【0025】尿素樹脂は、例えば、ジイソシアネート類
(p−フェニレンジイソシアネート、p−キシレンジイ
ソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネー
ト等)とジアミン類(エチレンジアミン、ジアミノエチ
ルエーテル、1,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジア
ミノブタン等)から常法に従って得ることができる。ま
た、エポキシ樹脂は、例えば、アミン類(エチルアミ
ン、ブチルアミン等)、アクリル酸もしくはメタクリル
酸誘導体(アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド等)、ビニルエーテル類(ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエー
テル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等)、
N−ビニル化合物(N−ビニルピロール、N−ビニルカ
ルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリ
ドン等)、ビニルナフタリン類などから常法に従って得
ることができる。
【0026】上記の他の樹脂の配合量は、結着樹脂の全
量に対して、50重量%以下とすることが好ましい。他
方、上記の他の樹脂の配合量は、トナー母液を得るため
に有機溶媒に添加する全ての成分(以下、トナー成分と
いう)に対して30重量%以下とすることが好ましい。
【0027】結着樹脂の配合量は、トナー像の支持体に
対する結着力とトナー像の隠蔽力のバランスの点から、
トナー成分に対して60〜95重量%とすることが好ま
しく、80〜95重量%とすることがより好ましく、8
5〜90重量%とすることがさらに好ましい。この配合
量が60重量%未満であると、トナー像の支持体に対す
る結着力が弱くなって、トナー像の支持体を折り曲げた
りこすったりした際にトナー像の欠落が起こって情報が
失われやすくなる傾向にある。一方、95重量%を超え
ると、トナー像の隠蔽力が不足して貧印字品質になる傾
向にある。
【0028】着色剤は、得ようとするトナーが黒色トナ
ーであるか、カラートナーであるかによって種々選択さ
れ、種々の有機顔料、無機顔料及び染料を使用すること
ができる。黒色トナーを得る場合に使用する着色剤とし
ては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラッ
ク、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック等が挙
げられ、その中ではカーボンブラックが好ましい。カラ
ートナーを得る場合に使用する着色剤としては、例え
ば、黄色着色剤、赤色着色剤、青色着色剤、橙色着色
剤、紫色着色剤、緑色着色剤等が挙げられる。
【0029】黄色着色剤としては、例えば、ナフトール
エローS(C.I.10316)、ハンザエロー10G(C.
I.11710)、ハンザエロー5G(C.I.1166
0)、ハンザエローG(C.I.11680)、ハンザエロ
ーR(C.I.12710)、ピグメントエローL(C.I.1
2720)、ベンジジンエローG(C.I.21095)、
パーマネントエローNCG(C.I.20040)、バルカ
ンファーストエロー5G(C.I.21220)、キノリン
エロー(C.I.47005)、パーマネントエローFGL
(C.I.11767)、パーマネントエローHR(C.I.2
1108)等が挙げられる。
【0030】赤色着色剤としては、例えば、パーマネン
トレッド4R(C.I.12070)、パラレッド(C.I.1
2120)、ブリリアントファストスカーレット(C.I.
12315)、ブリリアントカーミンBS(C.I.123
51)、パーマネントレッドF4R(C.I.1233
5)、バルカンファーストルビンB(C.I.1232
0)、ライトファーストレッドトーナーB(C.I.124
50)、レーキレッドC(C.I.15585:1)、ブリ
リアントカーミン6B(C.I.15850:1)、ローダ
ミンレーキB(C.I.45170:2)等が挙げられる。
【0031】青色着色剤としては、例えば、コバルトブ
ルー(C.I.77346)、アルカリブルーレーキ(C.I.
42750:1)、ビクトリアブルーレーキ(C.I.44
045:2)、無金属フタロシアニンブルー(C.I.74
100)、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、
ファーストスカイブルー(C.I.74180:1)等が挙
げられる。橙色着色剤としては、例えば、パーマネント
オレンジ(C.I.12075)、バルカンファーストオレ
ンジGG(C.I.21165)、インダンスレンブリリア
ンオレンジRG(C.I.59300)等が挙げられる。紫
色着色剤としては、例えば、ファーストバイオレットB
(C.I.12321)、メチルバイオレットレーキ(C.I.
42535)等が挙げられる。緑色着色剤としては、例
えば、ピグメントグリーンB(C.I.10006)、アシ
ッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン(C.I.7
4260)等が挙げられる。
【0032】上記着色剤は、単独でまたは2種類以上を
組み合わせて使用される。上記着色剤の配合量は、トナ
ーの隠蔽力と定着力のバランスの点から、トナー成分に
対して0.1〜15重量%とすることが好ましく、1〜
10重量%とすることがより好ましく、3〜5重量%と
することがさらに好ましい。着色剤の配合量が0.1重
量%未満であると、隠蔽力が不足して貧印字品質になる
傾向にあり、15重量%を超えると、定着力が低下する
傾向にある。
【0033】有機溶媒としては、結着樹脂を溶解させる
ことができるものであれば特に限定されないが、例え
ば、炭化水素(トルエン、キシレン、ヘキサン等)、ハ
ロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、ジク
ロロエタン、ジクロロエチレン等)、アルコール又はエ
ーテル(エタノール、ブタノール、ベンジルアルコール
エチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等)、
エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸
イソプロピル等)、ケトン又はアセタール(アセトン、
メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジメチルオ
キシド、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メ
チルシクロヘキサノン等)などが挙げられる。有機溶媒
の使用量は、トナ−母液が水溶液中で造粒可能となる範
囲であれば特に制限されないが、トナーの造粒し易さ及
びトナーの収率の点から、トナー母液に対して50〜9
0重量%とすることが好ましく、60〜80重量%とす
ることがより好ましく、70〜75重量%とすることが
さらに好ましい。
【0034】有機溶媒には、得ようとするトナーの用途
に応じて、上記結着樹脂及び着色剤の他に種々の添加剤
を加えることもできる。添加剤としては、例えば、磁性
又は磁化性材料、オフセット防止剤、正電荷性又は負電
荷性の荷電制御剤、シリカ粉末等が挙げられる。磁性又
は磁化性材料は、磁性を有する静電荷像現像用トナーを
得るために添加され、このような材料としては、例え
ば、鉄、コバルト、ニッケルなどの酸化物(ヘマタイ
ト、マグネタイト等)が挙げられる。上記磁性又は磁化
性材料は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用
される。
【0035】上記磁性又は磁化性材料の配合量は、得よ
うとするトナーを磁性トナーにするか又は非磁性トナー
とするかによって適宜選択されるが、非磁性トナーの場
合、トナーの飛散を抑制する点から、トナー成分に対し
て0.5〜5重量%とすることが好ましく、1〜4重量
%とすることがより好ましく、2〜3重量%とすること
がさらに好ましい。この配合量が0.5重量%未満であ
ると、トナーの飛散を抑制する効果がほとんど得られな
い傾向にあり、5重量%を超えると、定着性が低下する
傾向にある。
【0036】オフセット防止剤としては、例えば、脂肪
酸の低級アルコールエステル(ステアリン酸ブチル、ス
テアリン酸プロピル等)、脂肪酸の高級アルコールエス
テル(カスタワックス、ダイヤモンドワックス等)、高
級アルコールエステル(パームアセチ、ヘキストワック
スE、ヘキストワックスOP、カルナウバワックス
等)、アルキレンビス脂肪酸アミド化合物(ビスアマイ
ドブラストフロー、アマイド6L、7S、6H、ヘキス
トワックスC等)、オレフィン単量体(エチレン、プロ
ピレン、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネ
ン、デセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−2
−ペンテン、3−プロピル−5−メチル−2−ヘキセン
等)の重合体又はこれらのオレフィン単量体とアクリル
酸、メタクリル酸、酢酸ブチル等との共重合体などが挙
げられる。これらのオフセット防止剤の中では、電子写
真の様々な条件に対応できる点から、ポリプロピレンが
好ましい。上記オフセット防止剤は、単独でまたは2種
類以上を組み合わせて使用される。
【0037】上記オフセット防止剤の配合量は、オフセ
ット防止効果とトナーの粉体流動性のバランスの点か
ら、トナー成分に対して0.1〜10重量%とすること
が好ましく、0.1〜5重量%とすることがより好まし
い。この配合量が0.1重量%未満であると、充分なオ
フセット防止効果が発揮されにくい傾向にあり、10重
量%を超えると、トナーの粉体流動性が低下して現像性
が劣ったり、トナーの透明性が低下して目的の色調が得
られにくくなる傾向にある。
【0038】正荷電性の荷電制御剤としては、例えば、
アジン化合物のニグロシン系染料(ボントロン03(オ
リエント化学工業(株)商品名)等)、第四級アンモニウ
ム塩(ボントロンP−51(オリエント化学工業(株)商
品名)等)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体(T
P−302(保土谷化学工業(株)商品名)、TP−41
5(保土谷化学工業(株)商品名)等)、第四級アンモニ
ウム塩(コピーチャージ(Copy Charge)PSY VP
2038(ヘキスト(Hoechst)社商品名)等)、トリ
フェニルメタン誘導体(コピーブルー(Copy Blue)P
R(ヘキスト(Hoechst)社商品名)、LRA−901
(日本カーリット(株)商品名)等)などが挙げられる。
これらの正荷電性の荷電制御剤の中では、帯電安定性に
優れる点から、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体が
好ましい。
【0039】負荷電性の荷電制御剤としては、例えば、
含金属アゾ染料(ボントロンS−34(オリエント化学
工業(株)商品名)等)、オキシナフトエ酸系金属錯体
(E−82(オリエント化学工業(株)商品名)等)、サ
リチル酸系金属錯体(E−84(オリエント化学工業
(株)商品名)等)、フェノール系縮合物(E−89(オ
リエント化学工業(株)商品名)等)、第四級アンモニウ
ム塩(コピーチャージ(Copy Charge)NEG VP2
036、コピーチャージ NX VP434(いずれも
ヘキスト社商品名)等)、ホウ素錯体(LR−147
(日本カーリット(株)商品名)等)などが挙げられる。
これらの負荷電性の荷電制御剤の中では、帯電安定性に
優れる点から、ホウ素錯体が好ましい。これらの正荷電
性又は負荷電性の荷電制御剤は、単独でまたは2種類以
上を組み合わせて使用され、2種類以上を組み合わせる
場合、正荷電性荷電制御剤どうしの組合せ、負荷電性荷
電制御剤どうしの組合せ及び正荷電性荷電制御剤と負荷
電性荷電制御剤の組合せのいずれの組合せであってもよ
い。
【0040】これらの荷電制御剤は、定着されるトナー
像の色調を阻害しない範囲で使用されるが、その配合量
は、トナー成分に対して、0.5〜5.0重量%とする
ことが好ましく、0.5〜3重量%とすることがより好
ましく、1〜3重量%とすることがさらに好ましい。こ
の配合量が0.5重量%未満であると、帯電効果が得ら
れにくくなる傾向にあり、一方、この配合量が5重量%
を超えると、初期から帯電量が高くなり、それゆえ、印
字濃度が低い、感光体からトナー支持体への転写性が劣
る、感光体に付着している転写残りのトナーの清掃性が
劣る等の問題が生じる傾向にある。
【0041】シリカ粉末としては、公知のものを使用す
ることができる。このようなシリカ粉末としては、例え
ば、アエロジル(Aerosil)R972、R974、シリ
カ(Silica)D−17、T−805、R−812、RA
200、HRX−C(いずれも日本アエロジル(株)商品
名)、タラノックス500(タルコ社商品名)、Cab
−o−Sil M−5、MS−7、MS−75、HS−
5、EH−5、S−17、TS−72(いずれもキャボ
ット(Cabot)社商品名)等が挙げられる。これらのシ
リカ粉末の中では、流動性と帯電安定性に優れる点か
ら、RA200が好ましい。上記シリカ粉末は、単独で
または2種類以上を組み合わせて使用される。これらの
シリカ粉末を配合する場合、その配合量は、トナー成分
に対して0.5〜3重量%とすることが好ましく、0.
5〜1重量%とすることがより好ましい。この配合量が
0.5重量%未満であると、流動性を向上させる効果が
ほとんど得られない傾向にあり、3重量%を超えると、
トナーの定着性が低下する傾向にある。
【0042】上記の結着樹脂及び着色剤、並びに(必要
に応じて)添加剤を有機溶媒に添加してトナー母液を調
製する。このとき、高粘度用撹拌機ヘイドンスリワンモ
ーター600G(新東科学(株)製、商品名)等を用い、
ローターの回転の周速が0.75〜1.7m/秒である
撹拌条件で撹拌することが好ましい。トナ−母液の粘度
は、水溶液中のトナ−母液の分散の点から、25℃のず
り速度76.8m/sでE型粘度計による測定値として、
1〜30mPa・sとすることが好ましく、20〜30mPa・s
とすることがより好ましい。この粘度が1mPa・s10cp
未満であったり30mPa・sを超えると、分散が不充分に
なり、粒子径が3〜20μmであるトナーの収率が低下
する傾向にある。
【0043】トナー母液は、界面活性剤及び無機分散剤
を含有する水溶液と混合されるが、界面活性剤としては
公知のものが使用でき、例えば、陰イオンタイプ、陽イ
オンタイプ、ノニオンタイプの界面活性剤が挙げられ
る。陰イオンタイプの界面活性剤としては、例えば、ア
ルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィン
スルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウ
ム等が挙げられる。陽イオンタイプの界面活性剤として
は、例えば、アルキルアミン塩(ステアリルアミン塩酸
塩、ジオレイルアミン硫酸塩等)、4級アルキルアンモ
ニウム塩(ステアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド等)、アミンオキサイド(ラウリルジメチルアミンオ
キサイド等)などが挙げられる。ノニオンタイプの界面
活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル(ポリオキシエチレンラウリルエーテル等)、
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル(ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル等)、ソルビタン
脂肪酸エステル(ソルビタンモノラウレート等)などが
挙げられる。
【0044】これらの界面活性剤の中では、油滴の安定
性に優れる点から、陰イオンタイプのものが好ましく、
無機分散剤と組み合わせて使用する場合のトナーの安定
性と解像度の点から、特にアルキルベンゼンスルホン酸
ナトリウムが好ましい。これらの界面活性剤は、単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの界
面活性剤の配合量は、トナーの粒径分布と洗浄力のバラ
ンスの点から、トナー母液に対して1×10-5〜0.1
重量%であることが好ましい。この配合量が1×10-5
重量%未満であると、トナーの粒径分布が広くなる傾向
にあり、0.1重量%を超えると、洗浄力が低下する傾
向にある。なお、トナー母液を添加後に、さらに、これ
らの界面活性剤を上記水溶液に添加してもよい。添加す
る時期は、トナー粒子の分散途中であっても、分散終了
後であってもよい。
【0045】無機分散剤としては、例えば、リン酸三カ
ルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸
化チタン、シリカ粉末等が挙げられる。これらの無機分
散剤の中では、造粒性及びその安定性、得られるトナー
の特性に対する悪影響が極めて少ない点から、リン酸三
カルシウム及びヒドロキシアパタイトが好ましい。無機
分散剤の平均粒子径は、0.1〜2μmであることが好
ましい。平均粒子径が0.1μm未満であると、得られ
るトナーの粒径が小さくなりすぎる傾向にあり、2μm
を超えると、得られるトナーの粒径が大きくなりすぎる
傾向にある。
【0046】なお、ここで言う平均粒子径は、レ−ザ散
乱による光子相関法、サブミクロンパ−ティクルアナラ
イザ−コ−ルタ−(SUB−MICRON PARTI
CLE ANALYZER,モデルN4MD,コ−ルタ
−エレクトロニクス(COULTER ELECTRO
NICS)社製)を用いて、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム10ppm溶液に分散した状態でSDPIN
TENSITY RESULTSモードで測定した平均
粒子径である。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
10ppm溶液への分散は、周波数40kHzの超音波分
散機を用い、1分間分散処理したものである。
【0047】無機分散剤は、トナ−母液を添加する水溶
液中に事前に分散させておくが、トナー粒子の安定性が
優れ、それにより、色調再現性や清掃性が優れ、トナー
飛散が抑制できる点から、トナー母液を添加後に、さら
に、これらの無機分散剤を上記水溶液に添加することが
好ましい。添加する時期は、トナー粒子の分散途中であ
っても、分散終了後であってもよい。ここで、分散終了
後とは、後述する有機溶媒及び水の除去時も含む。無機
分散剤の配合量は、トナ−母液を水溶液中で造粒させる
時の粒子径に応じて適宜決められるが、トナー粒子の造
粒と収率のバランスの点から、その配合量の総量は、ト
ナ−母液に対して1〜16重量%であることが好まし
い。この配合量の総量が1重量%であると、造粒が充分
に行われにくく、凝集物が生成する傾向にあり、16重
量%を超えると、不必要な微細粒子が発生して、目的の
粒子が高収率で得られにくい傾向にある。
【0048】無機分散剤を事前に水溶液中に分散させて
おくときの無機分散剤の配合量は、粒径分布の範囲を狭
くする点から、トナ−母液に対して0.5〜8重量%と
することが好ましく、3〜6重量%とすることがより好
ましい。この配合量が0.5重量%未満であると、分散
粒子の粒子径が大きくなる傾向にあり、8重量%を超え
ると、粒子径分布が広くなる傾向にある。トナー母液の
添加後に添加する無機分散剤の配合量は、粒径分布の範
囲を狭くする点から、トナ−母液に対して0.5〜8重
量%とすることが好ましく、3〜6重量%とすることが
より好ましい。この配合量が0.5重量%未満である
と、凝集物が生成する傾向にあり、8重量%を超える
と、目的の粒子が高収率で得られにくい傾向にある。粒
径分布を狭くする点から、無機分散剤は、トナー母液を
添加する水溶液中に、事前に、トナ−母液に対して0.
5〜8重量%分散させておき、トナー粒子の分散途中又
は分散終了後(即ち、トナー粒子の造粒後)に、さらに
トナ−母液に対して0.5〜8重量%添加するのが好ま
しい。
【0049】前記トナー母液は、界面活性剤及び無機分
散剤を含有する水溶液と混合されるが、このとき、高速
剪断機構を備えた装置等を用いて高速剪断下で撹拌する
ことが好ましい。高速剪断機構を備えた装置としては各
種の高速分散機が挙げられ、高速分散機としては、例え
ば、ホモジナイザーが挙げられる。ここで、ホモジナイ
ザーとは、互いに相溶しない物質をケーシング(固定
板)と高速回転するロータとの狭い間隙を通過させ、そ
れにより、ある液体中に、その液体とは相溶しない物質
を微粒子状に分散させる装置をいう。本発明において、
互いに相溶しない物質は、無機分散剤及び界面活性剤を
含有する水溶液とトナー母液が相当する。このようなホ
モジナイザーとしては、例えば、TKホモミキサー、ラ
インフローホモミキサー(いずれも特殊機化工業(株)商
品名)、シルバーソンホモジナイザー(シルバーソン社
商品名)、ポリトロンホモジナイザー(キネマチカ(KI
NEMATICA)AG社商品名)などが挙げられる。ホモジナ
イザーを用いて撹拌する場合は、ロータの羽根の周速は
8m/秒以上とすることが好ましい。この周速が8m/
秒未満であると、微粒子化が不十分となる傾向にある。
【0050】上記撹拌操作により、水溶液中にトナー母
液の油滴が造粒されるが、その体積平均粒子径は4〜1
0μmであることが好ましい。この体積平均粒子径が4
μm未満であると、流動性が悪化し画質が低下する傾向
にあり、10μmを超えると、フルカラートナーの製造
の際、三原色が混合して中間色を発現させるときに、溶
融、混合性が不十分となって中間色がでにくく、高解像
度化が困難となったりする傾向にある。さらに、得られ
るトナーの帯電安定性とトナー粒子の流動性の点から、
粒子径が3μm以下である微粒子の量を、得られるトナ
ー粒子の総量に対して7体積%以下とし、また、粒子径
が20μmを超える粗粒子の量をできるだけ少なく(好
ましくは0体積%に)することが好ましい。なお、これ
らの粒子径は、コ−ルターカウンターTA−II(日科機
社商品名)を用いて測定したものである。
【0051】トナー粒子の造粒後は、有機溶媒及び水を
除去し、トナーを得る。有機溶媒を除去する操作は、例
えば、常温・常圧で有機溶媒を気化してもよいが、有機
溶媒の除去に要する時間を短縮するため、温度を、使用
した有機溶媒の沸点より低く、かつ沸点との差が80℃
以下の範囲に設定し、かつ、真空度146×102〜4
80×102Paで気化することが好ましい。
【0052】有機溶媒を除去した後は、トナー本来の組
成にして特性を向上させる観点から、水溶液のpHが1〜
3になるように水溶液中に酸(塩酸、硫酸、ギ酸、酢酸
等)を添加し、水溶液を撹拌して、トナー粒子の表面に
残存する無機分散剤を除去することが好ましい。トナー
を含有する水溶液から水を除去するためには、例えば、
水溶液を遠心分離機を用いて脱水し、真空乾燥機を用い
て40〜50℃で乾燥させればよい。トナーの残存水分
量は、得られたトナーの総量に対して0.3重量%以下
とすることが好ましい。
【0053】得られたトナーは、静電荷像現像用に使用
することができる。このトナーには、さらに流動性や帯
電性等の物理特性を改良するために、外添剤として、微
粒子(前述のシリカ微粉末、ビニル系の重合体又は共重
合体、ステアリン酸亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン等)をトナーに添加混合し、これにより、トナー粒子
表面にこれらの微粒子を付着させてもよい。これらの外
添剤の添加量は、トナーの帯電安定性と流動性のバラン
スの点から、トナーに対して総量で0.05〜5重量%
とすることが好ましく、0.2〜0.5重量%とするこ
とがより好ましい。
【0054】得られたトナーは、キャリアと混合して現
像剤とすることができる。キャリアの種類は特に制限が
なく、酸化鉄粉、各種フェライト、マグネタイト等の周
知の材料を用いることができる。トナーとキャリアの混
合割合に特に制限はなく、周知の混合割合を用いること
ができるが、通常、現像剤に対してトナーを1〜10重
量%使用する。本発明の製造法により得られたトナー及
び現像剤を用いる場合の電子写真作成の各工程、即ち、
帯電工程、露光工程、転写工程、定着工程、清掃工程及
び除電工程は、いずれも、公知の各工程を用いることが
できる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、表1〜4及び表6〜9において、原材料の配
合量の単位は、いずれも重量部である。 実施例1〜8及び比較例1 (1)ポリエステル樹脂の製造 表1に示す酸成分とアルコール成分を反応容器に仕込
み、窒素ガスを吹き込みながら徐々に温度を上げて18
0℃で5時間縮合反応を進め、その後230℃で反応を
完結させた。得られた樹脂のガラス転移温度も表1に示
す。
【0056】
【表1】
【0057】(2)トナ−の製造 ボールミルを用い、表2に示す結着樹脂、着色剤(顔
料)、有機溶媒及び添加剤を顔料粒子がサブミクロンに
なるまで撹拌して、トナー母液を製造した。
【0058】
【表2】
【0059】ホモジナイザーを用い、得られたトナー母
液を、表3に示す条件で、無機分散剤及び界面活性剤を
含有する水溶液に添加し、ローターの周速を11〜19
m/秒、温度を35℃として撹拌し、さらに、分散終了
後にも無機分散剤及び界面活性剤を添加した。この時の
粒子径を表3に示す。なお、表3において、ヒドロキシ
アパタイト5重量%水溶液は、リン酸三ナトリウム12
水和物391重量部及び水酸化ナトリウム13重量部を
溶解した水溶液中に、塩化カルシウム166重量部を溶
解した水溶液を滴下し、20〜30℃で撹拌させて得た
ものであり、撹拌速度及び反応温度を調節し、ヒドロキ
シアパタイトの平均粒子径が、それぞれ、0.02μ
m、0.1μm、0.6μm、0.8μm、1.0μ
m、1.2μm及び6μmである各種ヒドロキシアパタ
イト5重量%水溶液を得た。
【0060】
【表3】
【0061】分散終了後、溶媒の沸点より低く、沸点と
の差が80℃以下になるような温度条件で、常圧又は減
圧下で有機溶媒を留去した。溶媒にトルエンを使用した
場合は、温度60〜75℃、真空度237×102〜3
84×102Paとし、塩化メチレンを使用した場合は、
温度20〜30℃、常圧下で、メチルエチルケトンを使
用した場合は、温度50〜70℃、真空度237×10
2〜384×102Paとした。有機溶媒除去後、トナーが
含まれる水溶液を冷却し、この水溶液にpHが2になるま
で35%濃塩酸加えて撹拌し、トナーを水洗し、これに
より無機分散剤を洗い流した。残った水溶液を乾燥、分
級して、体積平均粒子径が4〜8μmの範囲にある固形
のトナーを得た。有機溶媒にトルエンを用いた場合に得
られたトナ−の残留トルエン量は、ガスクロマトグラフ
ィ−法で測定した結果、トナ−に対し0.1質量%であ
った。得られたトナー100重量部に対し、さらに表4
に示すトナー外添剤を加え、ヘンシェルミキサーで撹拌
混合し、外添剤を含むトナーを得た。
【0062】
【表4】
【0063】(3)評価 アクリル樹脂変性シリコ−ン樹脂で被覆された平均粒子
径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%
にトナー5重量%を添加して現像剤を得た。この現像剤
を用い、毎分A4サイズの用紙を8枚印刷できるフルカ
ラ−プリンタQMSColor Scriput La
ser1000(QMS社商品名)を使用して、25
℃、相対湿度60%の環境で連続印刷した。得られた印
刷物を下記の基準で評価し、表5に示した。
【0064】(a)色調再現性 OHP(オーバーヘッドプロジェクタ)紙に印刷し、そ
れをOHPでカラー画像の再現性を調べ、次の基準で評
価した。 極めて良好:有彩色が発現し、かつ、中間色も発現して
いる。 良好:「極めて良好」と「劣る」の中間。 劣る:有彩色が発現しない。 (b)画像濃度、かぶり及び解像度 画像濃度とかぶりは、マクベス反射濃度計RD514型
(A division kollmorgen Corp.商品名)を用いて測定し
た。解像度は、電子写真学会チャ−トNo.5−2の画像
を複写し、画像を10倍に拡大して1mmあたり何本の等
幅、等間隔の線(line pair/mm)が解像しているかを
目視で判定した。
【0065】(c)トナー飛散 目視によりトナー飛散の有無を判定した。 (d)清掃性 清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーを、スコッ
チテープ(住友スリーエム(株)商品名)で白紙に移し、
それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブラ
ンクとの差を調べた。差が0.04以下のものを「極め
て良好」、それに準ずる清掃性を有するものを「良
好」、これらに該当しないものを「劣る」と評価した。
【0066】実施例9 トナーとして、表2の実施例1、2及び3で得られたも
のを用い、前記割合でキャリアと配合し、現像剤を得
た。これらのトナー及び現像剤を用い、コニカ デジタ
ル フルカラー9028型複写機(コニカ社製)に入
れ、初期画を調整した後、印刷を行ったところ、中間色
も正確に再現され良好な画像品質であった。
【0067】比較例2 表2の実施例1の結着樹脂、着色剤及び添加剤をヘンシ
ェルミキサーで予備混合した後、二軸ニーダーで溶融混
練した。次いで、この混練物を冷却し、ピンミル及びジ
ェットミルで粉砕し、平均粒子径が8μmの不定形トナ
ーを得た。更に、このトナーに、アエロジル R972
(日本アエロジル(株)商品名)をトナー量に対して0.
2重量%添加し、ヘンシェルミキサーで混合して実施例
9と同様に評価した。評価は初期と1万頁印刷後の両方
について行った。結果を表5に示す。また、トナーの収
率は、実施例1〜8のトナーの収率が80〜90重量%
であったのに対し、60重量%と低かった。
【0068】比較例3 表3の実施例1の無機分散剤を含有する水溶液を、ポリ
ビニルアルコール(デンカポバールW−24(電気化学
工業(株)商品名))3重量%含有水溶液に変更した以外
は、実施例1と全く同様の操作をし、平均粒子径が6μ
mの真球状トナーを得た。得られたトナーの性能を実施
例9と同様に評価した。評価は初期と2千頁印刷後の両
方について行った。結果を表5に示す。トナーの収率は
20重量%と極めて低かった。また、このトナーは環境
に対して安定性がなかった。
【0069】
【表5】
【0070】実施例10〜17及び比較例4 (1)結着樹脂の製造 加圧反応容器に溶剤としてキシレン300gを仕込み、
130℃に昇温し、このキシレン中に、表6に示す重合
性ビニル系単量体100gと重合開始剤を3時間かけて
滴下した。6時間反応を進めて反応を完結させた後、減
圧蒸留でキシレンを約90重量%を取り除き、反応容器
から取り出した。次いで、真空乾燥機で133.3Pa以
下の減圧下で180℃の温度で12時間脱溶剤を続け、
ビニル系重合体を得た。表6に、得られた樹脂のガラス
転移温度と分子量(重量平均分子量(Mw)、数平均分
子量(Mn)、分子量分散度(Mw/Mn))を合わせ
て示す。なお、表6の重量平均分子量及び数平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定
し、標準ポリスチレン換算で表わされた値である。
【0071】
【表6】
【0072】(2)トナーの製造 上記「実施例1〜8及び比較例1」の「(2)トナーの
製造」に準じた。但し、結着樹脂、着色剤(顔料)、有
機溶媒及び添加剤の組成は表7に、分散条件は表8に、
外添剤の組成は表9に、それぞれ従った。また、ヒドロ
キシアパタイトは平均粒子径が0.1μmのものを使用
した。
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【0076】(3)評価 上記「実施例1〜8及び比較例1」の「(3)評価」に
準じ、結果を表10に示した。但し、複写機としては、
毎分4サイズの用紙を65枚印刷できるリコピーFT7
570((株)リコー 商品名)を使用し、35℃、相対
湿度70%の環境で連続印刷した。
【0077】実施例18 トナーとして表8の実施例10〜12で得られたものを
用いた以外は実施例9に従った。その結果、印刷物は、
中間色も正確に再現され、良好な画像品質であった。
【0078】比較例5 表7の実施例10の結着樹脂、顔料及び荷電制御剤を用
いた以外は比較例2に従った。但し、評価は初期と5万
頁印刷後の両方について行った。結果を表10に示す。
また、トナーの収率は、実施例10〜17のトナーの収
率が80重量%以上であったのに対し、60重量%と低
かった。
【0079】比較例6 無機分散剤として表8の実施例10に示したものを使用
した以外は比較例3に従った。但し、評価は初期と5千
頁印刷後の両方について行った。結果を表10に示す。
また、トナーの収率は20重量%と極めて低かった。ま
た、このトナーは環境に対して安定性がなかった。
【0080】
【表10】
【0081】表5に示されるように、実施例7及び8で
得られたトナーを使用した場合、3万頁印刷しても色調
再現性、解像度、清掃性に良好であり、画像濃度が高
く、トナー飛散が少なく、かぶりも少なかった。さら
に、実施例1〜6で得られたトナーを使用した場合、3
万頁印刷しても色調再現性、解像度、清掃性に極めて優
れ、画像濃度が極めて高く、トナー飛散がなく、かぶり
もほとんどなかった。これに対し、比較例2で得られた
トナーを使用した場合、1万頁印刷しただけで色調再現
性が劣り、解像度が低く、トナー飛散が多く、かぶりも
多かった。さらに、比較例3で得られたトナーを使用し
た場合、2千頁印刷しただけで色調再現性が劣り、解像
度が低く、トナー飛散が多く、清掃性も劣っていた。ま
た、表3に示されるように、比較例1では油滴合一が生
じ、トナー粒子の造粒ができなかった。
【0082】一方、表10に示されるように、実施例1
6及び17で得られたトナーを使用した場合、5万頁印
刷しても色調再現性、解像度、清掃性に良好であり、画
像濃度が高く、トナー飛散が少なく、かぶりも少なかっ
た。さらに、実施例10〜15で得られたトナーを使用
した場合、5万頁印刷しても色調再現性、解像度、清掃
性に極めて優れ、画像濃度が極めて高く、トナー飛散が
なく、かぶりもほとんどなかった。これに対し、比較例
5で得られたトナーを使用した場合、5万頁印刷すると
色調再現性が劣り、解像度が低く、トナー飛散が多かっ
た。さらに、比較例6で得られたトナーを使用した場
合、5千頁印刷しただけで色調再現性が劣り、解像度が
低く、トナー飛散が多く、清掃性も劣っていた。また、
表8に示されるように、比較例4では油滴不良が生じ、
トナー粒子の造粒ができなかった。
【0083】
【発明の効果】請求項1記載のトナーの製造法は、色調
再現性、清掃性及びトナー粒子の安定性に優れ、画像濃
度が高いトナーの製造に好適である。請求項2記載のト
ナーの製造法は、請求項1記載の発明の効果を奏し、ト
ナー粒子の安定性にさらに優れるトナーの製造に好適で
ある。請求項3記載のトナーの製造法は、色調再現性、
清掃性及びトナー粒子の安定性に優れ、画像濃度が高い
トナーの製造に好適である。請求項4記載のトナーの製
造法は、請求項2又は3に記載の発明の効果を奏し、さ
らに、かぶりやトナー飛散が抑制されたトナーの製造に
好適である。請求項5記載の現像剤の製造法は、色調再
現性、清掃性及びトナー粒子の安定性に優れ、画像濃度
が高い現像剤の製造に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊谷 雄五 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 岡田 千秋 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含むト
    ナー母液並びに界面活性剤及び平均粒子径が0.1〜2
    μmの無機分散剤を含有する水溶液を混合した後、該有
    機溶媒及び水を除去することを特徴とするトナーの製造
    法。
  2. 【請求項2】 結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含むト
    ナー母液並びに界面活性剤及び平均粒子径が0.1〜2
    μmの無機分散剤を含有する水溶液を混合した後に、さ
    らに平均粒子径が0.1〜2μmの無機分散剤を添加す
    る請求項1記載のトナーの製造法。
  3. 【請求項3】 結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含むト
    ナー母液並びに界面活性剤及び無機分散剤を含有する水
    溶液を混合した後、さらに無機分散剤を添加し、該有機
    溶媒及び水を除去することを特徴とするトナーの製造
    法。
  4. 【請求項4】 水溶液に含有される無機分散剤の量と添
    加する無機分散剤の量の総量が、トナ−母液に対して1
    〜16重量%である、請求項2又は3記載のトナーの製
    造法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造法
    により製造されたトナーにキャリアを添加することを特
    徴とする現像剤の製造法。
JP8034896A 1996-02-22 1996-02-22 トナーの製造法及び現像剤の製造法 Pending JPH09230624A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11268905A (ja) * 1998-03-24 1999-10-05 Maruo Calcium Co Ltd 無機分散剤、懸濁重合用安定剤、重合体粒子、不飽和ポリエステル樹脂組成物及びトナー組成物
US7285367B2 (en) 2004-03-05 2007-10-23 Sharp Kabushiki Kaisha Method of manufacturing a toner
US7608379B2 (en) 2005-08-18 2009-10-27 Sharp Kabushiki Kaisha Toner and manufacturing method thereof
US7741001B2 (en) 2005-04-04 2010-06-22 Sharp Kabushiki Kaisha Toner for electrostatic image development and process for preparing the same

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