JPH09230186A - 光ファイバケーブルの端末構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な可撓性を有し、かつ、密封性をも具備
してなる光ファイバケーブルの端末構造を提供する。 【解決手段】 本発明に係る光ファイバケーブル１の端
末構造は、ケーブル外被２から延出されたテンションメ
ンバ３及び光ファイバ心線４を一括収納し、かつ、ケー
ブル外被２の端部に対して一端部が外嵌される中空管５
と、テンションメンバ３の外端部に取り付けられたう
え、中空管５がネジ止め固定される連結用ブロック体６
と、中空管５の他端部に対して内嵌され、かつ、中空管
５がネジ止め固定される牽引用ブロック体７とを備えて
おり、中空管５は、嵌合し合う断面略溝形状の成形部材
同士を螺旋状に連結して構成された可撓管９と、この可
撓管９の外周面上を覆って配置された金属網体１０とを
具備したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバケーブ
ルの端末構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、光通信システムを構築する際
には、図示省略しているが、予め布設済みとなったケー
ブル配管の一方側開口から光ファイバケーブルを牽引し
ながら引き込むことによって光ファイバケーブルをケー
ブル配管内に布設した後、ケーブル配管の他方側開口か
ら外部に引き出されてきた光ファイバケーブルの端末を
所要の機器類や他の光ファイバケーブルなどとコネクタ
を用いたうえで接続することが行われている。そして、
ここでの光ファイバケーブルは、テンションメンバの周
囲に沿って複数本の光ファイバ心線が配設されたもので
あり、この光ファイバケーブルの端末構造としては図３
で示すような構成が採用されている。

【０００３】すなわち、この際における光ファイバケー
ブル２１の端末構造は、ケーブル外被２２から延出され
たテンションメンバ（図示せず）及び光ファイバ心線２
４を一括収納してなる中空管２５と、テンションメンバ
へのカシメ付けや溶接付けでもって取り付けられた金属
製の連結用ブロック体２６とを備えている。そして、こ
こでの中空管２５は、断面波形状となった金属製の可撓
管２７と、その外周面上を全面的に覆って配置されたう
えで抗張力体として機能する金属網体２８とから構成さ
れている。

【０００４】また、可撓管２７及び金属網体２８からな
る中空管２５の一端側には金属製の肉厚管２９が溶接付
けされる一方、これらの他端側には金属からなる牽引用
ブロック体３０が溶接付けされている。さらにまた、こ
の肉厚管２９はケーブル外被２２の端部に外嵌されたう
え、この肉厚管２９の周方向に沿って等分配置され、か
つ、その厚み方向に沿って挿通したネジ３１などを用い
ることによって連結用ブロック体２６の外周面に対して
固定されている。一方、中空管２５と溶接付けされた牽
引用ブロック体３０の外端部には貫通孔３０ａが形成さ
れており、この貫通孔３０ａに対して架け渡された牽引
用ロープ（図示せず）をケーブル配管の他方側開口から
引っ張ることによって中空管２５と一体化された光ファ
イバケーブル２１はケーブル配管内に引き込まれること
になっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来例に係
る光ファイバケーブル２１の端末構造では、可撓管２７
及び金属網体２８を重ね合わせてなる中空管２５の端部
それぞれに対して肉厚管２９及び牽引用ブロック体３０
を溶接付けすることが行われているため、溶接作業に伴
うコストアップを招くばかりか、これら肉厚管２９及び
牽引用ブロック体３０でもって両端部が拘束された中空
管２５の有する可撓性が損なわれて曲がり難くなるとい
う不都合が生じていた。また、前記従来例においては、
継ぎ目のない状態で一体化された波付きの可撓管２７を
用いることによって中空管２５内の密封性を確保するこ
とが図られているが、十分な防水機能を発揮する密封性
を必ずしも確保することはでき難いため、より確実な密
封性の確保を要望されているのが実情であった。

【０００６】本発明は、これらの不都合に鑑みて創案さ
れたものであって、十分な可撓性を有し、かつ、密封性
をも具備してなる光ファイバケーブルの端末構造を提供
することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
光ファイバケーブルの端末構造は、ケーブル外被から延
出されたテンションメンバ及び光ファイバ心線を一括収
納し、かつ、ケーブル外被の端部に対して一端部が外嵌
される中空管と、テンションメンバの外端部に取り付け
られたうえ、中空管がネジ止め固定される連結用ブロッ
ク体と、中空管の他端部に対して内嵌され、かつ、中空
管がネジ止め固定される牽引用ブロック体とを備えてお
り、中空管は、嵌合し合う断面略溝形状の成形部材同士
を螺旋状に連結して構成された可撓管と、この可撓管の
外周面上を覆って配置された金属網体とを具備したもの
であることを特徴としている。

【０００８】そして、請求項２に係る光ファイバケーブ
ルの端末構造は、ケーブル外被の端部及び牽引用ブロッ
ク体と、これら間に配設された中空管との外周面上を、
熱収縮チューブでもって全面的に被覆していることを特
徴とする。また、請求項３に係る光ファイバケーブルの
端末構造では、テンションメンバ及び連結用ブロック体
と、光ファイバ心線とを、ケーブル外被の端部に対して
密着固定された袋体でもって一括的に包み込んでいるこ
とを特徴としている。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面に基づいて説明する。

【００１０】図１は本実施の形態に係る光ファイバケー
ブルの端末構造を簡略化して示す縦断面図、図２はその
変形例を示す縦断面図であり、これらの図における符号
１は光ファイバケーブルである。

【００１１】本実施の形態に係る光ファイバケーブル１
の端末構造は、ケーブル外被２を除去して延出されたテ
ンションメンバ３及び光ファイバ心線４のそれぞれを一
括収納し、かつ、ケーブル外被２の端部に対して一端部
が外嵌される中空管５と、従来例よりも長く延出された
テンションメンバ３の外端部に対するカシメ付けやネジ
止めなどによって取り付けられる連結用ブロック体６
と、中空管５の他端部に対して内嵌される牽引用ブロッ
ク体７とを備えている。そして、これらの連結用ブロッ
ク体６及び牽引用ブロック体７は金属を用いることによ
って作製されており、連結用ブロック体６の外周面上に
は、先端部にコネクタ８が取り付けられた光ファイバ心
線４のそれぞれが挿通する凹溝（図示せず）が等分配置
状として形成されている。

【００１２】また、この際における中空管５は、図１中
で要部構造を拡大して示すように、互いに嵌合し合う断
面略溝形状の成形部材同士を螺旋状に連結してなる構成
を有し、インタロック管といわれる可撓管９と、この可
撓管９の外周面上を覆って配置された金属網体１０、つ
まり、金属細線を網組してなる金属網体１０とを組み合
わせて構成されたものであり、これら可撓管９及び金属
網体１０の各々はステンレス鋼やＢｅ−Ｃｕ合金などの
ような耐腐食性及び機械的強度に優れた金属を用いるこ
とによって作製されている。なお、ここでの金属網体１
０は可撓管９に対して固定されておらず、光ファイバケ
ーブル１の牽引時における抗張力体としての機能を果た
すものとなっている。

【００１３】さらに、ケーブル外被２の端部に対して外
嵌された中空管５の一端部近くの所要箇所は、中空管５
を構成する可撓管９及び金属網体１０の周方向に沿って
等分配置され、かつ、厚み方向に沿って貫通したうえで
連結用ブロック体６の外周面上に当接して締め付け保持
される複数本のネジ１１を用いることによって連結用ブ
ロック体６に対してネジ止め固定されている。一方、牽
引用ブロック体７が内嵌された中空管５の他端部も、可
撓管９及び金属網体１０の周方向に沿って等分配置さ
れ、かつ、厚み方向に沿って貫通したうえで牽引用ブロ
ック体７の外周面上に当接して締め付け保持される複数
本のネジ１２を用いたうえで牽引用ブロック体７に対し
てネジ止め固定されている。

【００１４】また、この牽引用ブロック体７の外端面上
には環状体１３が一体として取り付けられており、この
環状体１３に対しては牽引用ロープ（図示せず）が架け
渡されることになっている。なお、図１中の符号１４は
押さえ金具であり、これらの押さえ金具１４はネジ１
１，１２の挿通に伴って金属網体１０を可撓管９に向か
って押さえ付け保持するものとなっている。そこで、本
実施の形態に係る中空管５においては、互いに重ね合わ
された可撓管９及び金属網体１０同士が機械的には拘束
されていないことになり、金属網体１０でもって覆われ
ているにも拘わらず可撓管９が十分な可撓性を発揮し得
るので、中空管５は可撓性を確保したうえで自由に屈曲
できることとなる。

【００１５】さらに、この中空管５は、光ファイバケー
ブル１のテンションメンバ３に取り付けられた連結用ブ
ロック体６及び牽引用ブロック体７のそれぞれと一体化
されており、牽引用ブロック体７は、中空管５及び連結
用ブロック体６を介したうえで光ファイバケーブル１の
テンションメンバ３と一体に接続されている。その結
果、予め布設されたケーブル配管（図示せず）内を挿通
したうえで一方側開口から引き出された牽引用ロープを
環状体１３に対して架け渡した後、この牽引用ロープを
利用したうえで牽引用ブロック体７をケーブル配管の他
方側開口から牽引することにより、中空管５及び連結用
ブロック体６が取り付けられた光ファイバケーブル１を
ケーブル配管内に引き込んだうえで布設することが可能
となる。

【００１６】さらにまた、本実施の形態に係る光ファイ
バケーブル１の端末構造では、図１で示すように、ケー
ブル外被２の端部及び牽引用ブロック体６と、これら間
に配設された中空管５との外周面上を、熱収縮チューブ
１５でもって全面的に被覆することが行われている。そ
して、このような構成を採用した際においては、熱収縮
チューブ１５の有する防水機能によって中空管５内の密
封性を確保し得ることとなる。なお、図１中の符号１６
は高分子吸水体のような吸水材を含んでなる不織布など
を用いて作製された吸水性テープを示しており、これら
の吸水性テープ１６は熱収縮チューブ１５の開放端側に
配置されている。

【００１７】ところで、図１においては、熱収縮チュー
ブ１５を用いることによって端末構造全体の外側から防
水機能を確保することとしているが、このような構成に
限られることはなく、図２の変形例で示すような端末構
造の採用も可能である。すなわち、この変形例では、テ
ンションメンバ３及び連結用ブロック体６と、光ファイ
バ心線４とを、ケーブル外被２の端部に対して密着固定
されたポリエチレン製などの袋体１７でもって一括的に
包み込むことが行われており、水分の侵入を避けるべき
中空管５の内部における防水機能が確保されている。そ
して、この際における袋体１７の開放端は、接着剤や接
着テープ１８を用いたうえで固定されることとなってお
り、必要によっては上記同様の吸水性テープ（図示せ
ず）を介装しておくことも行われる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
に係る光ファイバケーブルの端末構造においては、抗張
力体として機能する金属網体と可撓管とによって中空管
を構成しており、かつ、この中空管と連結用ブロック体
及び牽引用ブロック体とを溶接付けしていないので、溶
接作業に伴うコストアップを招くことなく、中空管の有
する可撓性を十分に確保できるという効果が得られる。
また、請求項２または請求項３に係る光ファイバケーブ
ルの端末構造によれば、中空管内の密封性を確保して十
分な防水機能を発揮し得るという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態に係る光ファイバケーブルの端末
構造を簡略化して示す縦断面図である。

【図２】その変形例を示す縦断面図である。

【図３】従来例に係る光ファイバケーブルの端末構造を
示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 光ファイバケーブル ２ ケーブル外被 ３ テンションメンバ ４ 光ファイバ心線 ５ 中空管 ６ 連結用ブロック体 ７ 牽引用ブロック体 ９ 可撓管 １０ 金属網体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大泉 晴郎 兵庫県伊丹市池尻４丁目３番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 辻 貢司 兵庫県伊丹市池尻４丁目３番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テンションメンバの周囲に複数本の光ファ
   イバ心線が配設されてなる光ファイバケーブルの端末構
   造であって、 ケーブル外被から延出されたテンションメンバ及び光フ
   ァイバ心線を一括収納し、かつ、ケーブル外被の端部に
   対して一端部が外嵌される中空管と、 テンションメンバの外端部に取り付けられたうえ、中空
   管がネジ止め固定される連結用ブロック体と、 中空管の他端部に対して内嵌され、かつ、中空管がネジ
   止め固定される牽引用ブロック体とを備えており、 中空管は、嵌合し合う断面略溝形状の成形部材同士を螺
   旋状に連結して構成された可撓管と、この可撓管の外周
   面上を覆って配置された金属網体とを具備したものであ
   ることを特徴とする光ファイバケーブルの端末構造。
2. 【請求項２】請求項１に記載した光ファイバケーブルの
   端末構造であって、 ケーブル外被の端部及び牽引用ブロック体と、これら間
   に配設された中空管との外周面上を、熱収縮チューブで
   もって全面的に被覆していることを特徴とする光ファイ
   バケーブルの端末構造。
3. 【請求項３】請求項１に記載した光ファイバケーブルの
   端末構造であって、 テンションメンバ及び連結用ブロック体と、光ファイバ
   心線とを、ケーブル外被の端部に対して密着固定された
   袋体でもって一括的に包み込んでいることを特徴とする
   光ファイバケーブルの端末構造。