JPH09228026A - 有機質基材表面への金属膜形成方法 - Google Patents

有機質基材表面への金属膜形成方法

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JPH09228026A
JPH09228026A JP3413496A JP3413496A JPH09228026A JP H09228026 A JPH09228026 A JP H09228026A JP 3413496 A JP3413496 A JP 3413496A JP 3413496 A JP3413496 A JP 3413496A JP H09228026 A JPH09228026 A JP H09228026A
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JP
Japan
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organic base
metal film
coupling agent
silane coupling
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JP3413496A
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English (en)
Inventor
Kouichi Kusumura
浩一 楠村
Takao Hayashi
隆夫 林
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/381Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機質基材の表面に凹凸を形成したり、所望
の金属膜以外の材料をプリコートしたりすることなく、
平滑な有機質基材の表面に気相成長法によって、金属膜
を十分に密着力高く形成することのできる有機質基材表
面への金属膜形成方法を提供。 【解決手段】 有機質基材表面に結合を活性化させる波
長の光の照射処理またはプラズマ処理を行う活性化処理
を施し、X−Si−(OR)3 (式中、Xは硫黄原子を
含む有機反応基、Rは−CH3 または−CH2 −CH3
である。)で表される硫黄原子含有シランカップリング
剤およびHO−〔Si(CH3 2 O−〕 n Hで表され
る両末端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布し
た後、この有機質基材表面に気相成長法によって金属膜
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気相成長法による
有機質基材表面への金属膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 有機質基材表面への気相成長法による
金属膜形成技術は、装飾品、フレキシブルプリント基板
などの電子機器部品、包装用フィルムをはじめ、幅広く
利用される技術である。しかしながら、有機質基材表面
への気相成長法による金属膜形成技術における大きな問
題点として、有機質基材と金属膜との密着性が挙げら
れ、有機質基材表面に強固に密着した金属膜を得ること
は非常に難しい。
【0003】従来、この問題を解決するために様々な方
法がとられている。一つには酸、アルカリ等による表面
処理を行って有機質基材表面に凹凸を形成し、アンカー
効果等により、金属膜の密着性を高める方法が行われて
いる。しかし、この方法では、金属膜表面に凹凸が生じ
るため、金属光沢がでなく、高周波用回路基板に使う場
合には凹凸による表皮抵抗が生じて電気特性に悪影響が
あり、凹凸形成のために工程が複雑になるなどの問題が
ある。
【0004】また、金属膜を形成する前に、有機質基材
表面にチタンまたはクロム等をプリコートすることによ
り、金属膜の密着性を高める方法も行われている。しか
し、この方法では、回路基板として金属膜をパターンエ
ッチングして使用する際のエッチング性に問題が生じ
る。つまり、上層となる金属膜をパターンエッチングし
て使用する際に、下層となるチタンまたはクロム等のプ
リコート層が残るという問題が生じるのである。
【0005】また、特開昭63−270455公報に
は、アルゴンガス等の不活性ガスまたは酸素、窒素、一
酸化炭素、二酸化炭素などの活性ガスを用いて、これら
の単独または混合ガスのプラズマで表面処理を行った
後、金属膜を形成する方法が提案されている。このよう
な表面処理では、有機質基材表面を活性化させるととも
に、−OH等の官能基形成が行われる。−OH等の官能
基は金属との親和性が高く、金属膜の密着性を高める働
きをするというのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
プラズマによる前処理によっても、十分に良好な有機質
基材と金属膜との密着性が得られるというまでには至ら
ない。
【0007】また、有機質基材と金属膜との密着力低下
の要因として、有機質基材と金属膜との内部応力の違い
という問題がある。すなわち、金属と比べると有機質基
材の内部応力が大きいため、その内部応力の違いによっ
て界面での密着力が低下するのである。
【0008】この発明は、上記事情に鑑み、有機質基材
の表面に凹凸を形成したり、所望の金属膜以外の材料を
プリコートしたりすることなく、平滑な有機質基材の表
面に気相成長法によって、金属膜を十分に密着力高く形
成することのできる有機質基材表面への金属膜形成方法
を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、有機質基材表面に結合を活性化させ
る波長の光の照射処理またはプラズマ処理を行う活性化
処理を施し、下記(1)式で表される硫黄原子含有シラ
ンカップリング剤および下記(2)式で表される両末端
ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布した後、こ
の有機質基材表面に気相成長法によって金属膜を形成す
ることを特徴として構成している。
【0010】 X−Si−(OR)3 (1) (式中、Xは硫黄原子を含む有機反応基、Rは−CH3
または−CH2 −CH3である。) HO−〔Si(CH3 2 O−〕n H (2) このような有機質基材表面への金属膜形成方法によれ
ば、照射する光の波長によって定まるエネルギーが、有
機質基材表面の結合の結合エネルギーと略一致するの
で、結合を励起させて活性化させることができる。また
は、プラズマ処理によって、有機質基材表面を活性化さ
せるとともに、−OH等の官能基を形成させることがで
きる。さらに有機質基材表面に硫黄原子含有シランカッ
プリング剤および両末端ジオールシリコーン重合体の混
合溶液を塗布する処理を行うことにより、有機質基材表
面の−OH等の官能基と硫黄原子含有シランカップリン
グ剤の反応によってメルカプト基(−SH)を形成する
ことができるとともに、シランカップリング剤と両末端
ジオールシリコーン重合体の反応によって、有機質基材
表面に両末端ジオールシリコーン重合体を付着させるこ
とができる。このメルカプト基は金属との反応性に優れ
ているので、この有機質基材表面に気相形成した金属膜
が強く密着することになる。また、有機質機材表面に両
末端ジオールシリコーン重合体を付着させることによ
り、有機質機材表面の低応力化を図ることができ、この
有機質機材表面に気相形成した金属膜が強く密着するこ
とになる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、硫黄原子含有シランカップリング剤および
両末端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布した
後に、さらに熱処理を行うことを特徴として構成してい
る。
【0012】このような有機質基材表面への金属膜形成
方法では、熱処理を行うことによって、メルカプト基の
形成反応およびシランカップリング剤と両末端ジオール
シリコーン重合体の反応が促進される。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、硫黄原子含有シランカップリング剤および
両末端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布した
後に、さらにプラズマ処理を行うことを特徴として構成
している。
【0014】このような有機質基材表面への金属膜形成
方法では、プラズマ処理を行うことによって、メルカプ
ト基の形成反応およびシランカップリング剤と両末端ジ
オールシリコーン重合体の反応がさらに促進される。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、プラズマ処理を、酸素、窒素、アルゴンガ
スのうち少なくとも一つを用いたガスプラズマによって
行うことを特徴として構成している。
【0016】このような有機質基材表面への金属膜形成
方法では、酸素、窒素、アルゴンガスのうち少なくとも
一つを用いたガスプラズマによる処理によって、メルカ
プト基の形成反応およびシランカップリング剤と両末端
ジオールシリコーン重合体の反応がより確実に促進され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。
【0018】この実施の形態は、まず有機質基材表面に
結合を活性化させる波長の光の照射処理またはプラズマ
処理を行う活性化処理を施す。次に、硫黄原子含有シラ
ンカップリング剤および両末端ジオールシリコーン重合
体の混合溶液を塗布した後、この有機質基材表面に気相
成長法によって金属膜を形成する有機質基材表面への金
属膜形成方法である。
【0019】有機質基材としては、エポキシ樹脂、ポリ
イミド樹脂、PET樹脂などの様々な合成樹脂材料を用
いることができ、板状、フィルム状のものなど様々な形
状のものを使用することができる。
【0020】また、活性化処理として照射する結合を活
性化する波長の光としては、レーザ光等を例示すること
ができるが、これに限定されず、様々な種類の光を照射
することができる。照射する光の波長によって定まるエ
ネルギーの値が、有機質基材を構成する活性化させたい
結合の結合エネルギーと略一致するような光を選択する
ことによって、有効に有機質基材表面の結合を活性化さ
せることができる。
【0021】また、活性化処理として行うプラズマ処理
としては、アルゴンガス等の不活性ガスまたは酸素、窒
素、一酸化炭素、二酸化炭素などの活性ガスを用いて、
これらの単独または混合ガスのプラズマによる処理を行
うことができる。
【0022】また、硫黄原子含有シランカップリング剤
としては、下記(1)式で示される硫黄原子含有シラン
カップリング剤を用いることができ、また、両末端ジオ
ールシリコーン重合体としては下記(2)式で示される
両末端ジオールシリコーン重合体を用いることができ
る。
【0023】 X−Si−(OR)3 (1) (式中、Xは硫黄原子を含む有機反応基、Rは−CH3
または−CH2 −CH3である。) HO−〔Si(CH3 2 O−〕n H (2) これらの混合溶液を単独またはメタノールなどに溶かし
て塗布することができる。このような塗布方法として
は、上記混合溶液に有機質基材を浸漬する方法や、有機
質基材に混合溶液をスプレーする方法などがあるが、こ
れらに限定されることはない。また、混合溶液塗布量は
特に制限されるものでないが、混合溶液をメタノールに
溶かして用いる場合には、硫黄原子含有シランカップリ
ング剤の濃度が0.1重量%以上のメタノール溶液に有
機質基材を浸漬して、硫黄原子含有シランカップリング
剤および両末端ジオールシリコーン重合体を付着させる
のが好ましい。また、両末端ジオールシリコーン重合体
の配合割合は、(1)式中のアルコキシ基OR量と
(2)式中の水酸基OH量との比(OR/OH)が0.
5〜3.0になるように調整することが推奨される。
【0024】また、気相成長法としては、スパッタリン
グ法や真空蒸着法などを代表的に例示することができ
る。また、金属膜としては、銅膜が代表的なものである
が、特定の金属膜に限らないことは言うまでもない。金
属膜の厚みも特に制限されないが、0.01〜数十μm
程度の一般的な厚みに形成することができる。
【0025】また、活性化処理を行い、硫黄原子含有シ
ランカップリング剤および両末端ジオールシリコーン重
合体の混合溶液の塗布を行った後、さらに熱処理をする
ようにしてもよい。この場合の熱処理は、温度100〜
140℃、時間0.5〜2時間程度の条件が特に好まし
い。
【0026】また、上記のように活性化処理を行い、硫
黄原子含有シランカップリング剤および両末端ジオール
シリコーン重合体の混合溶液の塗布を行った後、有機質
基材をプラズマ処理するようにしてもよい。プラズマは
酸素、窒素、アルゴンガスを単独で、あるいは複数を併
用して用いたガスプラズマであることが好ましい。
【0027】
【実施例】以下に具体的な実施例とこれらの実施例に対
応する比較例を説明する。
【0028】(実施例1)基板ホルダーに有機樹脂基材
としてポリイミド基板を取り付け、真空チャンバー内に
配置し、この真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気した。そして、酸素ガスを導入し、プ
ラズマを発生させ、ポリイミド基板の活性化処理を行っ
た。
【0029】次に、硫黄原子含有シランカップリング剤
として3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを用
い、また、両末端ジオールシリコーン重合体として上記
(2)式においてn=40であるものを用い、これらを
硫黄原子含有シランカップリング剤のOR量と両末端ジ
オールシリコーン重合体のOH量との比が1(3−メル
カプトプロピルトリメトキシシランと両末端ジオールシ
リコーン重合体の質量比が4.4対95.6)となるよ
うに調整し、シランカップリング剤の濃度が1重量%と
なるメタノール溶液に前記ポリイミド基板の表面を浸漬
させて、硫黄原子含有シランカップリング剤および両末
端ジオールシリコーン重合体の混合溶液の塗布を行っ
た。さらに、ポリイミド基板を120℃で1時間熱処理
を行った。
【0030】この後、気相成長法による金属膜の形成
を、ガス成分アルゴン、ガス圧を2.0×10-1Pa、
ポリイミド基板の温度を室温、ターゲット電圧を−50
0Vとした条件によるマグネトロンスパッタリング法
で、上記のポリイミド基板の表面に厚み0.2μmの銅
膜を形成した。
【0031】(比較例1)実施例1における、ポリイミ
ド基板に硫黄原子含有シランカップリング剤および両末
端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布する処理
を行わない他は、全く同様にしてポリイミド基板の表面
に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0032】(実施例2)実施例1と全く同様にして、
ポリイミド基板に対する処理を、硫黄原子含有シランカ
ップリング剤および両末端ジオールシリコーン重合体の
混合溶液の塗布までを行い、加熱処理を行わずに以下の
工程を実施した。
【0033】真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気し、真空チャンバー内にアルゴンガス
を導入して、アルゴンガス圧101325Pa(常
圧)、放電電力100W、周波数15kHzの条件で1
分間、ポリイミド基板の表面をアルゴンガスプラズマ処
理を行った。
【0034】この後、実施例1と同様の処理を行って、
気相成長法による金属膜の形成を行いポリイミド基板の
表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0035】(比較例2)実施例2における、ポリイミ
ド基板に硫黄原子含有シランカップリング剤および両末
端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布する処理
を行わない他は、全く同様にしてポリイミド基板の表面
に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0036】(実施例3)実施例1の酸素ガスのプラズ
マによる活性化処理の代わりに、1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気した真空チャンバー内で、ハロゲンヒ
ーターでポリイミド基板を100℃に予備加熱を行って
吸着水分を除去し、この後、C=O結合のエネルギー1
79kcal/molに相当する波長(150〜160
nm)のレーザ光をポリイミド基板表面に照射して活性
化処理をし、以下、実施例1と同様の処理を行って、気
相成長法による金属膜の形成を行いポリイミド基板の表
面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0037】(比較例3)実施例3における、ポリイミ
ド基板に硫黄原子含有シランカップリング剤および両末
端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布する処理
を行わない他は、全く同様にしてポリイミド基板の表面
に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0038】(実施例4)実施例3と全く同様にして、
ポリイミド基板に対する処理を、硫黄原子含有シランカ
ップリング剤および両末端ジオールシリコーン重合体の
混合溶液の塗布までを行い、加熱処理を行わずに以下の
工程を実施した。
【0039】真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気し、真空チャンバー内にアルゴンガス
を導入して、アルゴンガス圧101325Pa(常
圧)、放電電力100W、周波数15kHzの条件で1
分間、ポリイミド基板の表面をアルゴンガスプラズマ処
理を行った。
【0040】この後、実施例3と同様に処理を行って、
気相成長法による金属膜の形成を行いポリイミド基板の
表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0041】(比較例4)実施例4における、ポリイミ
ド基板に硫黄原子含有シランカップリング剤および両末
端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布する処理
を行わない他は、全く同様にしてポリイミド基板の表面
に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0042】上記の実施例1〜4および比較例1〜4に
述べた方法によって、有機質基材の表面に形成した銅膜
について、密着性を評価するために碁盤目試験を行っ
た。この試験は銅膜に2mm間隔に碁盤目状の切り目を
ナイフで入れた後、この表面にセロハンテープを貼って
剥がすことによって行い、銅膜が剥離しなければ「○」
と評価し、また碁盤目状の切り目を入れなくとも剥離す
れば「×」と評価し、碁盤目状の切り目を入れた場合の
み剥離すれば「△」と評価した。この結果を以下の表1
に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1の実施例1〜4と比較例1〜4とを対
比すると、硫黄原子含有シランカップリング剤および両
末端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布する処
理を実施した各実施例のものでは、銅膜の密着性が高い
のに対して、硫黄原子含有シランカップリング剤および
両末端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布して
いない各比較例のものは密着性が低く、硫黄原子含有シ
ランカップリング剤および両末端ジオールシリコーン重
合体の混合溶液の塗布による金属膜の密着性の向上の効
果が確認される。
【0045】以上の結果から、光の照射処理またはプラ
ズマ処理を行った後、硫黄原子含有シランカップリング
剤および両末端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を
塗布することによって、金属膜の密着性が向上している
ことが確認される。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、有機質基材表
面に結合を活性化させる活性化処理を施し、さらに硫黄
原子含有シランカップリング剤および両末端ジオールシ
リコーン重合体の混合溶液を塗布する処理によって、金
属膜を強く有機質基材に密着させることができる。この
ような前処理は、従来の微細な凹凸形成による前処理に
比較して工程が簡単であって、容易に行うことができる
ものである。
【0047】また、有機質基材の表面に凹凸を形成する
必要がないので、形成した金属膜に金属光沢が得られ、
装飾用、反射鏡用などの用途に有用である。また、高周
波用回路基板に使う場合を想定すると、凹凸による表皮
抵抗が生じる心配がなく、電気特性の良好な高周波用回
路基板を製造することができる。
【0048】また、所望の金属膜の下層にチタンまたは
クロム等のプリコート層を存在させる必要がないもので
ある。したがって、電子材料用途の回路基板などに用い
る場合、導体回路となる金属層のエッチングに悪影響を
与えることがなく、回路形成が容易であって、有機質基
材をベースとした回路板の製造に好適に用いられる金属
膜形成方法になっている。
【0049】請求項2記載の発明では、熱処理を行うこ
とによって、硫黄原子含有シランカップリング剤の塗布
によるメルカプト基の形成反応を促進しながら、なおか
つ、両末端ジオールシリコーン重合体とシランカップリ
ング剤の反応による有機質機材表面への両末端ジオール
シリコーン重合体の付着による低応力化を促進すること
によって、より金属膜の密着力が向上する。
【0050】請求項3記載の発明では、プラズマ処理を
行うことによって、硫黄原子含有シランカップリング剤
の塗布によるメルカプト基の形成反応を促進しながら、
なおかつ、両末端ジオールシリコーン重合体とシランカ
ップリング剤の反応による有機質機材表面への両末端ジ
オールシリコーン重合体の付着による低応力化を促進す
ることによって、より金属膜の密着力が向上する。
【0051】請求項4記載の発明では、酸素、窒素、ア
ルゴンガスのうち少なくとも一つを用いたガスプラズマ
による処理によって、硫黄原子含有シランカップリング
剤の塗布によるメルカプト基の形成反応を促進しなが
ら、なおかつ、両末端ジオールシリコーン重合体とシラ
ンカップリング剤の反応による有機質機材表面への両末
端ジオールシリコーン重合体の付着による低応力化を促
進することによって、金属膜の密着力を確実に向上させ
ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 X−Si−(OR)3 (1) (式中、Xは硫黄原子を含む有機反応基、Rは−CH3
または−CH2 −CH3である。) HO−〔Si(CH3 2 O−〕n H (2) このような有機質基材表面への金属膜形成方法によれ
ば、照射する光の波長によって定まるエネルギーが、有
機質基材表面の結合の結合エネルギーと略一致するの
で、結合を励起させて活性化させることができる。また
は、プラズマ処理によって、有機質基材表面を活性化さ
せるとともに、−OH等の官能基を形成させることがで
きる。さらに有機質基材表面に硫黄原子含有シランカッ
プリング剤および両末端ジオールシリコーン重合体の混
合溶液を塗布する処理を行うことにより、有機質基材表
面の−OH等の官能基と硫黄原子含有シランカップリン
グ剤の反応によってメルカプト基(−SH)を形成する
ことができるとともに、シランカップリング剤と両末端
ジオールシリコーン重合体の反応によって、有機質基材
表面に両末端ジオールシリコーン重合体を付着させるこ
とができる。このメルカプト基は金属との反応性に優れ
ているので、この有機質基材表面に気相形成した金属膜
が強く密着することになる。また、有機質基表面に両
末端ジオールシリコーン重合体を付着させることによ
り、有機質基表面の低応力化を図ることができ、この
有機質基表面に気相形成した金属膜が強く密着するこ
とになる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】請求項2記載の発明では、熱処理を行うこ
とによって、硫黄原子含有シランカップリング剤の塗布
によるメルカプト基の形成反応を促進しながら、なおか
つ、両末端ジオールシリコーン重合体とシランカップリ
ング剤の反応による有機質材表面への両末端ジオール
シリコーン重合体の付着による低応力化を促進すること
によって、より金属膜の密着力が向上する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】請求項3記載の発明では、プラズマ処理を
行うことによって、硫黄原子含有シランカップリング剤
の塗布によるメルカプト基の形成反応を促進しながら、
なおかつ、両末端ジオールシリコーン重合体とシランカ
ップリング剤の反応による有機質材表面への両末端ジ
オールシリコーン重合体の付着による低応力化を促進す
ることによって、より金属膜の密着力が向上する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】請求項4記載の発明では、酸素、窒素、ア
ルゴンガスのうち少なくとも一つを用いたガスプラズマ
による処理によって、硫黄原子含有シランカップリング
剤の塗布によるメルカプト基の形成反応を促進しなが
ら、なおかつ、両末端ジオールシリコーン重合体とシラ
ンカップリング剤の反応による有機質材表面への両末
端ジオールシリコーン重合体の付着による低応力化を促
進することによって、金属膜の密着力を確実に向上させ
ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機質基材表面に結合を活性化させる波
    長の光の照射処理またはプラズマ処理を行う活性化処理
    を施し、下記(1)式で表される硫黄原子含有シランカ
    ップリング剤および下記(2)式で表される両末端ジオ
    ールシリコーン重合体の混合溶液を塗布した後、この有
    機質基材表面に気相成長法によって金属膜を形成するこ
    とを特徴とする有機質基材表面への金属膜形成方法。 X−Si−(OR)3 (1) (式中、Xは硫黄原子を含む有機反応基、Rは−CH3
    または−CH2 −CH3である。) HO−〔Si(CH3 2 O−〕n H (2)
  2. 【請求項2】 硫黄原子含有シランカップリング剤およ
    び両末端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布し
    た後に、さらに熱処理を行うことを特徴とする請求項1
    記載の有機質基材表面への金属膜形成方法。
  3. 【請求項3】 硫黄原子含有シランカップリング剤およ
    び両末端ジオールシリコーン重合体の混合溶液を塗布し
    た後に、さらにプラズマ処理を行うことを特徴とする請
    求項1記載の有機質基材表面への金属膜形成方法。
  4. 【請求項4】 プラズマ処理を、酸素、窒素、アルゴン
    ガスのうち少なくとも一つを用いたガスプラズマによっ
    て行うことを特徴とする請求項3記載の有機質基材表面
    への金属膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010046335A (ko) * 1999-11-11 2001-06-15 이병철 플라스틱과 코팅되는 금속박막의 밀착성을 향상시키는 방법

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