JPH10130816A - 有機質基材表面への金属膜形成方法 - Google Patents

有機質基材表面への金属膜形成方法

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JPH10130816A
JPH10130816A JP28357396A JP28357396A JPH10130816A JP H10130816 A JPH10130816 A JP H10130816A JP 28357396 A JP28357396 A JP 28357396A JP 28357396 A JP28357396 A JP 28357396A JP H10130816 A JPH10130816 A JP H10130816A
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JP
Japan
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metal film
substrate
treatment
organic substrate
thiochol
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JP28357396A
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English (en)
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Kouichi Kusumura
浩一 楠村
Takao Hayashi
隆夫 林
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/14Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using spraying techniques to apply the conductive material, e.g. vapour evaporation
    • H05K3/146By vapour deposition
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/381Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the substrate

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  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機質基材の表面に凹凸を形成したり、所望
の金属膜以外の材料をプリコートしたりすることなく、
平滑な有機質基材の表面に気相成長法によって、金属膜
を十分に密着力高く形成することのできる有機質基材表
面への金属膜形成方法を提供。 【解決手段】 有機質基材表面に結合を活性化させる波
長の光の照射処理またはプラズマ処理を行う活性化処理
を施し、さらに液状チオコール処理を行った後、この有
機質基材表面に気相成長法によって金属膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機質基材表面
に密着力の高い金属膜を気相成長法により形成する有機
質基材表面への金属膜形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機質基材表面への気相成長法による金
属膜形成技術は、装飾品、フレキシブルプリント基板な
どの電子機器部品、包装用フィルムをはじめ、幅広く利
用される技術である。しかしながら、有機質基材表面へ
の気相成長法による金属膜形成技術における大きな問題
点として、有機質基材と金属膜との密着性が挙げられ、
有機質基材表面に強固に密着した金属膜を得ることは非
常に難しい。
【0003】従来、この問題を解決するために様々な方
法がとられている。一つには酸、アルカリ等による表面
処理を行って有機質基材表面に凹凸を形成し、アンカー
効果等により、金属膜の密着性を高める方法が行われて
いる。しかし、この方法では、金属膜表面に凹凸が生じ
るため、金属光沢がでなく、高周波用回路基板に使う場
合には凹凸による表皮抵抗が生じて電気特性に悪影響が
あり、凹凸形成のために工程が複雑になるなどの問題が
ある。
【0004】また、金属膜を形成する前に、有機質基材
表面にチタンまたはクロム等をプリコートすることによ
り、金属膜の密着性を高める方法も行われている。しか
し、この方法では、回路基板として金属膜をパターンエ
ッチングして使用する際のエッチング性に問題が生じ
る。つまり、上層となる金属膜をパターンエッチングし
て使用する際に、下層となるチタンまたはクロム等のプ
リコート層が残るという問題が生じるのである。 ま
た、特開昭63−270455公報には、アルゴンガス
等の不活性ガスまたは酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化
炭素などの活性ガスを用いて、これらの単独または混合
ガスのプラズマで表面処理を行った後、金属膜を形成す
る方法が提案されている。このような表面処理では、有
機質基材表面を活性化させるとともに、−OH等の官能
基形成が行われる。−OH等の官能基は金属との親和性
が高く、金属膜の密着性を高める働きをするというので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
プラズマによる前処理によっても、十分に良好な有機質
基材と金属膜との密着性が得られるというまでには至ら
ない。
【0006】また、有機質基材と金属膜との密着力低下
の要因として、有機質基材と金属膜との内部応力の違い
という問題がある。すなわち、金属と比較すると有機質
基材の方が内部応力が大きいため、その内部応力の違い
によって界面での密着力が低下するのである。
【0007】この発明は、上記事情に鑑み、有機質基材
の表面に凹凸を形成したり、所望の金属膜以外の材料を
プリコートしたりすることなく、平滑な有機質基材の表
面に気相成長法によって、金属膜を十分に密着力高く形
成することのできる有機質基材表面への金属膜形成方法
を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、有機質基材表面に結合を活性化させ
る波長の光の照射処理またはプラズマ処理を行う活性化
処理を施し、さらに液状チオコール処理を行った後、こ
の有機質基材表面に気相成長法によって金属膜を形成す
ることを特徴として構成している。
【0009】このような有機質基材表面への金属膜形成
方法によれば、照射する光の波長によって定まるエネル
ギーを、有機質基材表面のC=O、C−H、C−C等の
化学結合のエネルギーと略一致させることによって、化
学結合を励起させて、この有機質基材表面を活性化させ
ることができる。また、プラズマ処理によっては、有機
質基材表面を、化学結合を励起させて活性化させるのみ
ならず、この有機質基材表面に−OH等の官能基を形成
させることができる。
【0010】こののち、さらに有機質基材表面に液状チ
オコール処理を行うことにより、有機質基材表面の−O
H等の官能基と液状チオコール溶液の反応によって有機
質基材表面に液状チオコールを付着させることができ、
有機質基材表面にメルカプト基(−SH)を形成するこ
とができる。このメルカプト基は金属との反応性に優れ
ているので、この有機質基材表面に気相形成した金属膜
が強く密着することになる。また、液状チオコールを付
着させることにより、有機質機材表面の低応力化を図る
ことができ、この有機質機材表面に気相形成した金属膜
が強く密着することになる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、液状チオコール溶液を塗布した後に、さら
に熱処理を行うことを特徴として構成している。
【0012】このような有機質基材表面への金属膜形成
方法では、熱処理を行うことによって、液状チオコール
の付着反応が促進される。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、液状チオコール溶液を塗布した後に、さら
にプラズマ処理を行うことを特徴として構成している。
【0014】このような有機質基材表面への金属膜形成
方法では、プラズマ処理を行うことによって、液状チオ
コールの付着反応がさらに促進される。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、プラズマ処理を、酸素、窒素、アルゴンガ
スのうち少なくとも一つを用いたガスプラズマによって
行うことを特徴として構成している。 このような有機
質基材表面への金属膜形成方法では、酸素、窒素、アル
ゴンガスのうち少なくとも一つを用いたガスプラズマに
よる処理によって、液状チオコールの付着反応がより確
実に促進される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。
【0017】この実施の形態における有機質基材表面へ
の金属膜形成方法では、まず有機質基材表面に結合を活
性化させる波長の光の照射処理またはプラズマ処理を行
う活性化処理を施す。この活性化処理は、有機質基材表
面における化学結合のエネルギーに相当する波長の光の
照射処理、またはプラズマ処理として行われる。次に、
液状チオコール溶液を塗布するなどの液状チオコール処
理を行った後、この有機質基材表面に気相成長法によっ
て金属膜を形成するのである。
【0018】有機質基材としては、エポキシ樹脂、ポリ
イミド樹脂、PET樹脂などの様々な合成樹脂材料を用
いることができ、板状、フィルム状のものなど様々な形
状のものを使用することができる。
【0019】また、活性化処理として照射する結合を活
性化する波長の光としては、レーザ光等を例示すること
ができるが、これに限定されず、様々な種類の光を照射
することができる。つまり、照射する光の波長によって
定まるエネルギーの値が、有機質基材を構成する活性化
させたい結合の結合エネルギーと略一致するような光を
選択することによって、有効に有機質基材表面のC=
O、C−H、C−C等の化学結合を励起させ、活性化さ
せることができる。
【0020】また、活性化処理として行うプラズマ処理
としては、アルゴンガス等の不活性ガスまたは酸素、窒
素、一酸化炭素、二酸化炭素などの活性ガスを用いて、
これらの単独または混合ガスのプラズマによる処理を行
うことができる。
【0021】また、液状チオコール処理に用いる液状チ
オコールとしては、チオコールLP−2、チオコールL
P−3等を例示をすることができる。このような、液状
チオコールを単独またはメタノールなどに溶かして塗布
することよって、液状チオコール処理を行うことができ
る。このような塗布方法としては、上記液状チオコール
溶液に有機質基材を浸漬する方法や、有機質基材に液状
チオコール溶液をスプレーする方法などがあるが、これ
らに限定されることはない。また、液状チオコール溶液
塗布量は特に制限されるものでないが、液状チオコール
をメタノールに溶かして用いる場合には、液状チオコー
ルの濃度が0.1重量%以上のメタノール溶液に有機質
基材を浸漬して、液状チオコールを付着させるのが好ま
しい。
【0022】また、気相成長法としては、スパッタリン
グ法や真空蒸着法などを代表的に例示することができ
る。また、金属膜としては、銅膜が代表的なものである
が、特定の金属膜に限らないことは言うまでもない。金
属膜の厚みも特に制限されないが、0.01〜数十μm
程度の一般的な厚みに形成することができる。
【0023】また、活性化処理を行い、液状チオコール
溶液の塗布を行った後、さらに熱処理をするようにして
もよい。この場合の熱処理は、温度50〜100℃、時
間0.5〜2時間程度の条件が特に好ましい。
【0024】また、上記のように活性化処理を行い、液
状チオコール溶液の塗布を行った後、有機質基材をプラ
ズマ処理するようにしてもよい。プラズマは酸素、窒
素、アルゴンガスを単独で、あるいは複数を併用して用
いたガスプラズマであることが好ましい。
【0025】
【実施例】以下に具体的な実施例を説明する。
【0026】(実施例1)基板ホルダーに有機質基材と
してポリイミド基板を取り付け、真空チャンバー内に配
置した。この真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気した。酸素ガスを導入し、プラズマを
発生させ、ポリイミド基板表面の活性化処理を行った。
【0027】次に、液状チオコール処理として、このポ
リイミド基板の表面をチオコールLP−3の1重量%メ
タノール溶液に浸漬させ、ポリイミド基板を70℃で1
時間熱処理を行った。
【0028】この後、ガス成分アルゴン、ガス圧2.0
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧−500
Vの条件によるマグネトロンスパッタリング法で、ポリ
イミド基板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0029】(比較例1)実施例1において、チオコー
ルLP−3溶液の塗布の処理を行わない他は、実施例1
と全く同様にしてポリイミド基板の表面に厚み0.2μ
mの銅膜を形成した。
【0030】(実施例2)基板ホルダーに有機質基材と
してポリイミド基板を取り付け、真空チャンバー内に配
置した。この真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気した。酸素ガスを導入し、プラズマを
発生させ、ポリイミド基板表面の活性化処理を行った。
【0031】次に、液状チオコール処理として、このポ
リイミド基板の表面をチオコールLP−3の1重量%メ
タノール溶液に浸漬させた。再び基板ホルダーにポリイ
ミド基板を取り付け、真空チャンバー内に配置し、この
真空チャンバー内にアルゴンガスを導入してアルゴンガ
ス圧101325Pa(常圧)、放電電力100W、周
波数15kHzの条件で1分間、ポリイミド基板の表面
をアルゴンガスプラズマ処理した。
【0032】この後、ガス成分アルゴン、ガス圧2.0
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧−500
Vの条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイ
ミド基板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0033】(比較例2)実施例2において、チオコー
ルLP−3溶液の塗布の処理を行わない他は、実施例2
と全く同様にしてポリイミド基板の表面に厚み0.2μ
mの銅膜を形成した。
【0034】(実施例3)基板ホルダーに有機質基材と
してポリイミド基板を取り付け、真空チャンバー内に配
置した。この真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気した後、ハロゲンヒーターでポリイミ
ド基板を100℃に予備加熱し、吸着した水分等を除去
した。
【0035】次に、ポリイミド基板表面の活性化処理と
して、C=O結合のエネルギー179kcal/mol
に相当する波長(およそ150〜160nm)のレーザ
光をポリイミド基板の表面に照射した。
【0036】レーザ光照射終了後、液状チオコール処理
として、上記ポリイミド基板表面をチオコールLP−3
の1重量%メタノール溶液に浸漬させ、このポリイミド
基板を70℃で1時間熱処理を行った。
【0037】この後、ガス成分アルゴン、ガス圧2.0
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧−500
Vの条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイ
ミド基板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0038】(比較例3)実施例3において、チオコー
ルLP−3溶液の塗布の処理を行わない他は、実施例3
と全く同様にしてポリイミド基板の表面に厚み0.2μ
mの銅膜を形成した。
【0039】(実施例4)基板ホルダーに有機質基材と
してポリイミド基板を取り付け、真空チャンバー内に配
置した。この真空チャンバー内を1×10-3Pa以下に
なるまで真空排気した後、ハロゲンヒーターでポリイミ
ド基板を100℃に予備加熱し、吸着した水分等を除去
した。
【0040】次に、ポリイミド基板表面の活性化処理と
して、C=O結合のエネルギー179kcal/mol
に相当する波長(およそ150〜160nm)のレーザ
光をポリイミド基板の表面に照射した。
【0041】レーザ光照射終了後、液状チオコール処理
として、この表面をチオコールLP−3の1重量%メタ
ノール溶液に浸漬させた。再び基板ホルダーにこのポリ
イミド基板を取り付け、真空チャンバー内に配置し、こ
の真空チャンバー内にアルゴンガスを導入してアルゴン
ガス圧101325Pa(常圧)、放電電力100W、
周波数15kHzの条件で1分間、ポリイミド基板の表
面をアルゴンガスプラズマ処理した。
【0042】この後、ガス成分アルゴン、ガス圧2.0
×10-1Pa、基板温度室温、ターゲット電圧−500
Vの条件によるマグネトロンスパッタリング法でポリイ
ミド基板の表面に厚み0.2μmの銅膜を形成した。
【0043】(比較例4)実施例4において、チオコー
ルLP−3溶液の塗布の処理を行わない他は、実施例4
と全く同様にしてポリイミド基板の表面に厚み0.2μ
mの銅膜を形成した。
【0044】上記の実施例1〜4および比較例1〜4に
述べた方法によって、有機質基材の表面に形成した銅膜
について、密着性を評価するために碁盤目試験を行っ
た。この試験は銅膜に2mm間隔に碁盤目状の切り目を
ナイフで入れた後、この表面にセロハンテープを貼って
剥がすことによって行い、銅膜が剥離しなければ「○」
と評価し、また碁盤目状の切り目を入れなくとも剥離す
れば「×」と評価し、碁盤目状の切り目を入れた場合の
み剥離すれば「△」と評価した。この結果を以下の表1
に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1の実施例1〜4と比較例1〜4とを対
比すると、液状チオコール溶液を塗布する処理を実施し
た各実施例のものでは、銅膜の密着性が高いのに対して
液状チオコール溶液を塗布していない各比較例のものは
密着性が低く、液状チオコール処理による金属膜の密着
性の向上の効果が確認される。
【0047】以上の結果から、光の照射処理またはプラ
ズマ処理を行った後、液状チオコール処理を行うことに
よって、金属膜の密着性の向上の効果が確認された。
【0048】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、有機質基材表
面に結合を活性化させる活性化処理を施し、さらに液状
チオコール溶液を塗布する処理によって、金属膜を強く
有機質基材に密着させることができる。このような前処
理は、従来の微細な凹凸形成による前処理に比較して工
程が簡単であって、容易に行うことができるものであ
る。
【0049】また、有機質基材の表面に凹凸を形成する
必要がないので、形成した金属膜に金属光沢が得られ、
装飾用、反射鏡用などの用途にも有用である。また、高
周波用回路基板に使う場合を想定すると、凹凸による表
皮抵抗が生じる心配がなく、電気特性の良好な高周波用
回路基板を製造することができる。
【0050】また、所望の金属膜の下層にチタンまたは
クロム等のプリコート層を存在させる必要がないもので
ある。したがって、電子材料用途の回路基板などに用い
る場合、導体回路となる金属層のエッチングに悪影響を
与えることがなく、回路形成が容易であって、有機質基
材をベースとした回路板の製造に好適に用いられる金属
膜形成方法になっている。
【0051】請求項2記載の発明では、熱処理を行うこ
とによって、液状チオコールの付着によるメルカプト基
の形成反応および有機質基材表面の低応力化を促進する
ことによって、より金属膜の密着力が向上する。
【0052】請求項3記載の発明では、プラズマ処理を
行うことによって、液状チオコールの付着によるメルカ
プト基の形成反応および有機質基材表面の低応力化を促
進することによって、より金属膜の密着力が向上する。
【0053】請求項4記載の発明では、酸素、窒素、ア
ルゴンガスのうち少なくとも一つを用いたガスプラズマ
による処理によって、液状チオコールの付着によるメル
カプト基の形成反応および有機質基材表面の低応力化を
促進することによって、金属膜の密着力を確実に向上さ
せることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機質基材表面に結合を活性化させる波
    長の光の照射処理またはプラズマ処理を行う活性化処理
    を施し、さらに液状チオコール処理を行った後、この有
    機質基材表面に気相成長法によって金属膜を形成するこ
    とを特徴とする有機質基材表面への金属膜形成方法。
  2. 【請求項2】 液状チオコール溶液を塗布した後に、さ
    らに熱処理を行うことを特徴とする請求項1記載の有機
    質基材表面への金属膜形成方法。
  3. 【請求項3】 液状チオコール溶液を塗布した後に、さ
    らにプラズマ処理を行うことを特徴とする請求項1記載
    の有機質基材表面への金属膜形成方法。
  4. 【請求項4】 プラズマ処理を、酸素、窒素、アルゴン
    ガスのうち少なくとも一つを用いたガスプラズマによっ
    て行うことを特徴とする請求項3記載の有機質基材表面
    への金属膜形成方法。
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