JPH09228000A - オーステナイト系ステンレス鋼板 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼板

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JPH09228000A
JPH09228000A JP3221996A JP3221996A JPH09228000A JP H09228000 A JPH09228000 A JP H09228000A JP 3221996 A JP3221996 A JP 3221996A JP 3221996 A JP3221996 A JP 3221996A JP H09228000 A JPH09228000 A JP H09228000A
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良和 河端
Kazuhide Ishii
和秀 石井
Susumu Sato
佐藤  進
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面研削や高弗酸濃度の硝弗酸酸洗で表面を溶
解するなどの後工程を必要とせずに、No.2B、BA
板等に仕上げた時の色調むらが小さい冷延母板を提供す
る。 【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼をスラブ加
熱温度:1100〜1200℃、スラブ加熱時間:1〜
4h、衝突圧:25kgf/cm2 以上の超高圧デスケ
ーリング処理する熱延を行った後、酸洗する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面品質を向上さ
せたオーステナイト系ステンレス鋼板に関し、さらに、
詳しくは、No.2B、BA板等に仕上げた時の色調む
らが小さい熱延焼鈍酸洗板(以下、冷延母板)を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板のNo.2B、BA板は
美麗な表面を有し、かつ、耐食性に優れるため、むくの
ままで外装材として用いられる場合が多い。このような
用途では、鋼板の色調が均一で、模様がないことが重要
である。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼板で
は、均一な色調を得ることが難しく、特に幅方向に色白
度が高い部分と低い部分が交互に現れて縞模様となるこ
とが多い。この縞模様の発生原因は、必ずしも明らかで
はないが、No.2B、BA板の縞模様の白色度が高い
部分は、冷延母板の微細な表面欠陥が多い部分であると
考えられており、このような観点から、縞模様対策とし
ては、特開平3−23001号公報に開示されているよ
うにRa≦0.2μmになるまで、又は、特開昭57−
35687号公報に開示されているように白色度が70
±2になるまで、表面欠陥を減少させることが行われ
る。しかし、前者の技術では、Raを小さくするため
に、グラインダ工程を付加することが開示されている
が、グラインダの焼付や、グラインダにより著しく硬化
した表面が、冷延時に割れを生じて、別の模様を発生さ
せることが多く、模様対策としては十分な効果が得られ
ない。一方、後者の技術では、白色度を大きくするため
に、酸の濃度を高くしたり、酸洗時間を長くすることが
開示されているが、酸の濃度を高くした場合は、リンス
後の酸残りによる(酸)模様の発生が多くなり、模様対
策としては十分な効果が得られない。また、通常の酸洗
液で酸洗時間を長くしても、必ずしも表面の凸凹は小さ
くならず、板厚だけが減少し、模様対策としては十分な
効果が得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
情に鑑み、表面研削や高弗酸濃度の硝弗酸酸洗で表面を
溶解するなどの後工程を必要とせずに、No.2B、B
A板等に仕上げた時の色調むらが小さい冷延母板を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】はじめに、本発明者ら
は、前述の知見に基づき、冷延母板の表面欠陥とNo.
2B板の表面欠陥の関係について検討を行った。その結
果、冷延母板の表面には深さ十μm程度の凹みが多く存
在する部分があること、この欠陥はNo.2B板でも残
留し、この欠陥が多い部分は、光を乱反射して白色度が
高くなることが判明した。さらに、本発明者らが、冷延
母板の表面欠陥の密度とNo.2B板の色調の関係につ
いて調査を行った結果、冷延母板の表面欠陥の密度はJ
ISB8729に準拠して測定した冷延母板の白色度L
* でよく整理できること、冷延母板の白色度の差を5以
下にすると、No.2B板で色調むらが生じないことを
発見した。
【0005】次に、本発明者らは、冷延母板の表面欠陥
の発生原因について検討した。その結果、冷延母板の表
面欠陥のほとんどは熱延板の状態で既に存在しているこ
と、そして、熱延板の表面欠陥は熱延時のスケールの噛
み込みによるものであることが判明した。さらに、本発
明者らは、熱延時のスケールの噛み込みの発生機構につ
いて検討を行った。その結果、オーステナイト系ステン
レス鋼では、スラブ加熱時に楔状のスケールが著しく発
達するために、圧延前に高圧水を吹きつけるデスケーリ
ング処理を行っても、スケールが部分的に残り、この残
ったスケールが、圧延時に噛み込んで、圧延方向に伸び
た縞状の表面欠陥が発生することが判明した。
【0006】そこで、発明者らは、オーステナイト系ス
テンレス鋼の熱延時のスケールの噛み込みを防止する方
法について検討を行った。その結果、種々の温度、時間
で加熱したSUS304のスラブに種々の衝突圧でデス
ケーリングを行い、加熱時に生じたスケールの残存率を
調査した図1〜図4に示すように、加熱温度が1200
℃以下で、加熱時間が4h以下で、衝突圧が25kgf
/cm2 以上のデスケーリングを行うとスケールの残存
率が著しく小さくなることを発見した。そして、この条
件で熱延板を製造し、酸洗を行った結果、スケールの噛
み込みがほとんど観察されない冷延母板を製造すること
が可能となった。このような冷延母板は、表面欠陥の密
度を表わすパラメータである鋼帯の幅方向の白色度の最
大と最小の差が5以下となる。また、このような冷延母
板は、グラインダや高濃度の酸で酸洗を行っていないの
で、極めて均一な色調が得られる。
【0007】本発明は、以上の知見に基づいて完成され
たものである。本発明は、鋼帯の幅方向の白色度の最大
と最小の差が5以下であることを特徴とするオーステナ
イト系ステンレス鋼板を提供するものである。本発明に
おいて白色度とは、JISB8729に準拠して測定し
た冷延母板の白色度L* である。
【0008】また、本発明は、C:0.005〜0.1
wt%、Si:0.05〜0.5wt% Mn:0.1〜1.5wt%、P:≦0.06wt%、
S:0.003〜0.01wt%、Sol.Al:≦
0.005wt%,Cr:12〜30wt%、Ni:5
〜20wt%、N:0.005〜0.1wt%を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる組成を有
し、かつ鋼帯の幅方向の白色度の最大と最小の差が5以
下であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス
鋼板である。
【0009】このオーステナイト系ステンレス鋼板は、
成分としてさらに、次の(A)、(B)、(C)からな
る群から選ばれた1又は2以上を含有するものとすれば
好適である。 (A)Mo:0.1〜5wt%、W:0.1〜5wt%
の1種または2種以上 (B)Ti:0.01〜0.5wt% (C)Cu:0.1〜1.5wt% また、本発明は、スラブ加熱温度:1100〜1200
℃、スラブ加熱時間:1〜4h、衝突圧:25kgf/
cm2 以上の超高圧デスケーリング処理を特徴とする熱
延を行った後、酸洗して製造した鋼帯の幅方向の白色度
の最大と最小との差が5以下であることを特徴とするオ
ーステナイト系ステンレス鋼板である。
【0010】なお、本発明において、衝突圧とは 実際
に鋼板に衝突している水の圧力を云い、圧力センサを実
際の鋼板の位置に挿入することによって測定することが
できる。そしてさらに、本発明は、C:0.005〜
0.1wt%、Si:0.05〜0.5wt% Mn:0.1〜1.5wt%、P:≦0.06wt%、
S:0.003〜0.01wt%、Sol.Al:≦
0.005wt%,Cr:12〜30wt%、Ni:5
〜20wt%、N:0.005〜0.1wt%を含有
し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる組成を有
し、スラブ加熱温度:1100〜1200℃、スラブ加
熱時間:1〜4h、衝突圧:25kgf/cm2 以上の
超高圧デスケーリング処理を特徴とする熱延を行った
後、酸洗して製造した鋼帯の幅方向の白色度の最大と最
小の差が5以下であることを特徴とするオーステナイト
系ステンレス鋼板を提供する。
【0011】この場合にも成分として、さらに、次の
(A)、(B)、(C)からなる群から選ばれた1又は
2以上を含有することとすれば好適である。 (A)Mo:0.1〜5wt%、W:0.1〜5wt%
の1種または2種以上 (B)Ti:0.01〜0.5wt% (C)Cu:0.1〜1.5wt% 次に本発明の限定理由を説明する。
【0012】C:Cは強力なオーステナイト化元素で
0.005wt%以上添加されるが、0.1wt%を越
えると溶接時にブローホールが発生しやすくなる。よっ
て、本発明では、0.005〜0.1wt%とした。 Si:Siは溶製時に脱酸剤として0.05wt%以上
添加される。図5に、0.05wt%C−1.0wt%
Mn−0.03wt%P−0.04wt%S−0.00
2wt%Al−18wt%Cr−8.3wt%Ni−
0.03wt%N−0.3wt%CuをベースにSi量
を変化させて、SUS304のスラブをコークスガス燃
焼雰囲気中で1150℃で4h加熱し、30kgf/c
2 の衝突圧でデスケーリングした時の加熱スケールの
残存率を調査した結果を示した。Siの添加量が0.5
wt%を越えると熱延時のデスケーリングが著しく困難
になる。よって、Siは、0.05〜0.5wt%に限
定した。
【0013】Mn:Mnはオーステナイトを安定化する
とともに、Sを固定して熱間加工性を向上させるため
に、0.1wt%以上添加される。図6に、0.05w
t%C−0.5wt%Si−0.03wt%P−0.0
04wt%S−0.002wt%Al−18wt%Cr
−8.3wt%Ni−0.03wt%N−0.3wt%
CuをベースにMn量を変化させたSUS304のスラ
ブをコークスガス燃焼雰囲気中で1150℃で4h加熱
し、35kgf/cm2 の衝突圧でデスケーリングした
時の加熱スケールの残存率を調査した結果を示した。M
nの添加量が1.5wt%を越えると熱延時のデスケー
リングが著しく困難になる。よって、Mnは0.1〜
1.5wt%とする。
【0014】P:Pは耐食性を低下させる元素であり、
少ないことが望ましい。しかし、その量を極端に低減す
ることは技術的に困難で経済的な不利を生じるため、本
発明では、その上限を0.06wt%とした。 S:Sは熱間加工を低下させ、耐食性を低下させる元素
であり、少ないことが望ましい。図7に、0.05wt
%C−0.5wt%Si−1.0wt%Mn−0.03
wt%P−0.002wt%Al−18wt%Cr−
8.3wt%Ni−0.03wt%N−0.3wt%C
uをベースにS量を変化させたSUS304のスラブを
コークスガス燃焼雰囲気中で1150℃で4h加熱し、
40kgf/cm2 の衝突圧でデスケーリングした時の
加熱スケールの残存率を調査した結果を示した。Sが
0.003wt%より少なくなると熱延時のデスケーリ
ングが著しく困難になる。よって、本発明では、0.0
03〜0.01wt%とした。
【0015】Sol.Al:Alは溶製時に必要に応じ
て脱酸剤として添加される。しかし、0.05wt%C
−0.5wt%Si−1.0wt%Mn−0.03wt
%P−0.003wt%S−18wt%Cr−8.3w
t%Ni−0.03wt%N−0.3wt%Cuをベー
スにAl量を変化させたSUS304のスラブをコーク
スガス燃焼雰囲気中で1150℃で4h加熱し、30k
gf/cm2 の衝突圧でデスケーリングした時の加熱ス
ケールの残存率を調査した図8に示すように、その添加
量が0.005wt%を超えると熱延時のデスケーリン
グが著しく困難になる。よって、本発明では、その上限
を0.005wt%とした。
【0016】Cr:Crは耐食性、耐酸化性向上させる
元素で、ステンレス鋼では、12wt%以上添加され
る。しかし、その添加量が30wt%を超えると鋼が脆
化しやすくなるという問題がある。よって、本発明で
は、12〜30wt%とした。 Ni:Niはオーステナイトを安定化するとともに、靭
性、耐食性を向上させる元素であり、5wt%以上添加
される。しかし、その添加量が20wt%を超えても、
これらの効果が飽和する。よって、本発明では、5〜2
0wt%とした。
【0017】Mo、Wの一種または二種:Mo、Wは耐
食性を向上させる元素であり、それぞれ、0.1wt%
以上添加される。しかし、その添加量が、それぞれ5w
t%を超えると鋼が脆化しやすくなるという問題があ
る。よって、本発明では、0.1〜5wt%とした。 Ti:Tiは溶接熱影響部にCr炭窒化物が生成するこ
とを抑制し、溶接熱影響部の粒界腐食感受性を向上させ
るために0.01wt%以上添加される。しかし、その
添加量が0.5wt%を超えると大型介在物が生成して
靭性が著しく劣化する。よって、本発明では、0.01
〜0.5wt%とした。
【0018】Cu:Cuはオーステナイトを安定化する
とともに、耐食性を向上させる元素であり、0.1wt
%以上添加される。しかし、その添加量が1.5wt%
を超えると、高温で低融点相を生じて熱間加工性が低下
する。よって、本発明では0.1〜0.5wt%とし
た。
【0019】スラブ加熱温度、加熱時間:オーステナイ
ト系ステンレス鋼は、スラブ加熱時にスケールが楔状に
成長してデスケーリング性が著しく劣る。このスケール
の成長を抑制して、熱延時のデスケーリング性を向上さ
せるためには、スラブ加熱温度を1200℃以下に、加
熱時間を4h以下にすることが必要である。しかし、加
熱温度が1100℃より低く、加熱時間が1hより短く
なると変形抵抗が大きくなって熱延が困難になる。よっ
て、本発明では、スラブ加熱温度を1100〜1200
℃、スラブ加熱時間を1〜4hとした。
【0020】超高圧デスケーリング:オーステナイト系
ステンレス鋼は、スラブ加熱時にスケールが楔状に成長
してデスケーリング性が著しく劣る。そのため、本発明
のように化学成分、スラブ加熱温度、加熱時間を制限し
た場合でも、スラブ加熱時に生成したスケールを除去す
るためには、衝突圧が25kgf/cm2 以上の超高圧
デスケーリングが必要である。よって、本発明では、衝
突圧を25kgf/cm2 以上とした。
【0021】白色度:冷延母板の白色度は、表面欠陥の
密度を示すパラメータであり、大きいほど欠陥が少ない
ことを示す。鋼帯の幅方向の白色度の最大と最小の差が
5以下であれば、30%以上の冷延を行い、No.2
D、No.2B、BA板に仕上げた時に目視で色調差を
生じない。よって、本発明では、白色度の差を5以下に
限定した。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施例−1 以下に、実施例に基づいて本発明を説明する。表1に示
す化学成分を有するオーステナイト系ステンレス鋼を、
通常の転炉法で溶製し、連続鋳造で厚さが200mmの
スラブとした。
【0023】このスラブについて、スラブ加熱炉で、コ
ークスガス燃焼雰囲気中、表1に示した加熱温度、加熱
時間で加熱を行った後、抽出し、粗圧延直前に、表1に
示した衝突圧を生ずる高圧水を用いてデスケーリングを
行い、粗圧延、仕上げ圧延を行って、巻取温度650℃
で板厚4mmの熱延鋼板に仕上げた。この熱延鋼板につ
いて、連続焼鈍炉で、コークスガス燃焼雰囲気中、11
50℃×30secの焼鈍を行い、ショットブラストで
予備脱スケール処理を行った後、24%硫酸に80℃で
30sec、15%硝酸と3%弗酸の混合酸に60℃で
30sec浸漬して、冷延母板に仕上げ、コイル内の白
色度の最大と最小の差を調査した。結果を表1にあわせ
て示す。
【0024】この冷延母板について、ロール径が250
mmのタンデム圧延機で板厚が1.5mmの冷延板に仕
上げ、脱脂を行った後、コークスガス燃焼雰囲気中、1
100℃×30secの焼鈍を行い、20%Na2 SO
4 水溶液中で80℃で50C(クーロン)/dm2 の電
解を行い、5%硝酸と3%弗酸の混合酸に50℃で30
sec浸漬し、10%硝酸中で50℃で40C/dm2
の電解を行ってNo.2B板に仕上げ、色調むらの発生
を目視で調査した。その結果を表1にあわせて示す。
【0025】本発明の範囲である実施例の試料No.1
〜9の冷延母板では、No.2B板に仕上げた時に色調
むらが目視で確認できなかったのに対し、化学成分が外
れている比較例の試料No.10〜13、加熱温度が外
れている試料No.14、加熱時間が外れている試料N
o.15、衝突圧が外れている試料No.16の冷延母
板は、No.2B板に仕上げた時に目視で色調むらが確
認された。
【0026】実施例−2 表2に示す化学成分を有するオーステナイト系ステンレ
ス鋼を、通常の転炉法で溶製し、連続鋳造によって厚さ
200mmのスラブとした。このスラブについて、スラ
ブ加熱炉で、コークスガス燃焼雰囲気中、表2に示した
加熱温度、加熱時間で加熱を行った後、抽出し、粗圧延
直前に、4kgf/cm2 の通常の衝突圧でデスケーリ
ングを行い、粗圧延後、さらに、仕上圧延直前に、表2
に示した衝突圧でデスケーリングを行い、仕上げ圧延を
行って、巻取温度650℃で板厚4mmの熱延鋼板に仕
上げた。
【0027】この熱延鋼板について、ショットブラスト
で予備脱スケール処理を行った後、24%硫酸に80℃
で40sec、15%硝酸と3%弗酸の混合酸に60℃
で40sec浸漬して、冷延母板に仕上げ、コイル内の
白色度の最大と最小の差を調査した。結果を表2に併せ
て示す。この冷延母板について、ロール径が70mmの
ゼンジマー圧延機で板厚が0.8mmの冷延板に仕上
げ、脱脂を行った後、アンモニア分解ガス中、1100
℃×30secの焼鈍を行い、BA板に仕上げ、色調む
らの発生を目視で調査した。結果を表2に併せて示す。
【0028】本発明の範囲である試料No.21〜29
の冷延母板では、BA板に仕上げた時に色調むらが目視
できなかったのに対し、化学成分が外れている試料N
o.30〜33、加熱温度が外れている試料No.3
4、加熱時間が外れている試料No.35、衝突圧が外
れている試料No.36の冷延母板は、BA板に仕上げ
た時に目視で色調むらが確認された。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明のオーステナイト系ステンレス鋼
冷延母板を用いれば、グラインダや高濃度の酸を用いる
ことなく、色調の均一なNo.2B、BA板等が得られ
る。さらに、本発明の冷延母板を用いたNo.2B、B
A板は表面欠陥が少ないため、研磨性に優れ、光沢が高
いという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の温度、時間で加熱したSUS304のス
ラブに30kgf/cm2 の衝突圧でデスケーリングを
行った時の加熱時に生じたスケールの残存率を調査した
図である。
【図2】種々の温度、時間で加熱したSUS304のス
ラブに25kgf/cm2 の衝突圧でデスケーリングを
行った時の加熱時に生じたスケールの残存率を調査した
図である。
【図3】種々の温度、時間で加熱したSUS304のス
ラブに20kgf/cm2 の衝突圧でデスケーリングを
行った時の加熱時に生じたスケールの残存率を調査した
図である。
【図4】種々の温度、時間で加熱したSUS304のス
ラブに5kgf/cm2 の衝突圧でデスケーリングを行
った時の加熱時に生じたスケールの残存率を調査した図
である。
【図5】0.05wt%C−1.0wt%Mn−0.0
3wt%P−0.04wt%S−0.002wt%Al
−18wt%Cr−8.3wt%Ni−0.03wt%
N−0.3wt%CuをベースにSi量を変化させたS
US304のスラブをコークスガス燃焼雰囲気中で11
50℃で4h加熱し、30kgf/cm2 の衝突圧でデ
スケーリングした時の加熱スケールの残存率を調査した
グラフである。
【図6】0.05wt%C−0.5wt%Si−0.0
3wt%P−0.004wt%S−0.002wt%A
l−18wt%Cr−8.3wt%Ni−0.03wt
%N−0.3wt%CuをベースにMn量を変化させた
SUS304のスラブをコークスガス燃焼雰囲気中で1
150℃で4h加熱し、35kgf/cm2 の衝突圧で
デスケーリングした時の加熱スケールの残存率を調査し
たグラフである。
【図7】0.05wt%C−0.5wt%Si−1.0
wt%Mn−0.03wt%P−0.002wt%Al
−18wt%Cr−8.3wt%Ni−0.03wt%
N−0.3wt%CuをベースにS量を変化させたSU
S304のスラブをコークスガス燃焼雰囲気中で115
0℃で4h加熱し、40kgf/cm2 の衝突圧でデス
ケーリングした時の加熱スケールの残存率を調査したグ
ラフである。
【図8】0.05wt%C−0.5wt%Si−1.0
wt%Mn−0.03wt%P−0.003wt%S−
18wt%Cr−8.3wt%Ni−0.03wt%N
−0.3wt%CuをベースにAl量を変化させたSU
S304のスラブをコークスガス燃焼雰囲気中で115
0℃で4h加熱し、30kgf/cm2 の衝突圧でデス
ケーリングした時の加熱スケールの残存率を調査したグ
ラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯の幅方向の白色度の最大と最小の差
    が5以下であることを特徴とするオーステナイト系ステ
    ンレス鋼板。
  2. 【請求項2】 C:0.005〜0.1wt%、 Si:0.05〜0.5wt% Mn:0.1〜1.5wt%、 P:≦0.06wt%、 S:0.003〜0.01wt%、 Sol.Al:≦0.005wt%, Cr:12〜30wt%、 Ni:5〜20wt%、 N:0.005〜0.1wt% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる組
    成を有し、かつ鋼帯の幅方向の白色度の最大と最小の差
    が5以下であることを特徴とするオーステナイト系ステ
    ンレス鋼板。
  3. 【請求項3】 成分としてさらに、下記(A)、
    (B)、(C)からなる群から選ばれた1又は2以上を
    含有することを特徴とする請求項2記載のオーステナイ
    ト系ステンレス鋼板。 (A) Mo:0.1〜5wt%、 W:0.1〜5wt% の1種または2種以上 (B) Ti:0.01〜0.5wt% (C) Cu:0.1〜1.5wt%
  4. 【請求項4】 スラブ加熱温度:1100〜1200
    ℃、スラブ加熱時間:1〜4h、衝突圧:25kgf/
    cm2 以上の超高圧デスケーリング処理を特徴とする熱
    延を行った後、酸洗して製造した鋼帯の幅方向の白色度
    の最大と最小との差が5以下であることを特徴とするオ
    ーステナイト系ステンレス鋼板。
  5. 【請求項5】 C:0.005〜0.1wt%、 Si:0.05〜0.5wt% Mn:0.1〜1.5wt%、 P:≦0.06wt%、 S:0.003〜0.01wt%、 Sol.Al:≦0.005wt%, Cr:12〜30wt%、 Ni:5〜20wt%、 N:0.005〜0.1wt% を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる組
    成を有し、スラブ加熱温度:1100〜1200℃、ス
    ラブ加熱時間:1〜4h、衝突圧:25kgf/cm2
    以上の超高圧デスケーリング処理を特徴とする熱延を行
    った後、酸洗して製造した鋼帯の幅方向の白色度の最大
    と最小の差が5以下であることを特徴とするオーステナ
    イト系ステンレス鋼板。
  6. 【請求項6】 成分としてさらに、下記(A)、
    (B)、(C)からなる群から選ばれた1又は2以上を
    含有することを特徴とする請求項5記載のオーステナイ
    ト系ステンレス鋼板。 (A) Mo:0.1〜5wt%、 W:0.1〜5wt% の1種または2種以上 (B) Ti:0.01〜0.5wt% (C) Cu:0.1〜1.5wt%
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