JPH09227973A - 高耐食性ジルコニウム合金および合金管 - Google Patents

高耐食性ジルコニウム合金および合金管

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JPH09227973A
JPH09227973A JP8029106A JP2910696A JPH09227973A JP H09227973 A JPH09227973 A JP H09227973A JP 8029106 A JP8029106 A JP 8029106A JP 2910696 A JP2910696 A JP 2910696A JP H09227973 A JPH09227973 A JP H09227973A
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JP
Japan
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alloy
zircaloy
tube
corrosion resistance
zirconium alloy
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JP8029106A
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Hiroyuki Anada
博之 穴田
Kiyoko Takeda
貴代子 竹田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高温の水中または高温高圧の水蒸気中にてすぐ
れた耐食性を有するジルコニウム合金の提供、および従
来よりもはるかに長い期間使用に耐える耐食性にすぐれ
た原子炉の燃料被覆管等に適用できるジルコニウム合金
管の提供。 【解決手段】(1) 重量%にて、Fe:0.10〜0.35%、C
r:0.02〜0.14%、N:0.0040%以下、Si: 0.008〜
0.018 %、Nb: 1.0%以下、Ni: 0.1%以下および
O(酸素):0.16%以下を含み、かつ含有量の比Cr
(%)/Fe(%)が0.06〜 0.4で、残部がZrおよび
不可避的不純物からなるジルコニウム合金、および、
(2) 管体の外周層と内周層とが異る化学組成からなる二
層ジルコニウム合金管であって、内周層はO(酸素):
0.09〜0.16%、Si:0.0080〜0.0120%を含有するジル
カロイ−2相当またはジルカロイ−4相当の合金とし、
外周層は上記(1) に示した合金からなり、かつ外周層の
厚さが管体の肉厚の 5〜25%であることを特徴とする高
耐食性ジルコニウム合金管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として原子炉燃
料用の被覆管および構造部材として用いる耐食性のすぐ
れたジルコニウム合金、およびその合金を適用した燃料
被覆管などのジルコニウム合金管に関する。
【0002】
【従来の技術】発電用原子炉の燃料被覆管に使用される
ジルコニウム合金には、主として沸騰水型原子炉(BW
R)に適用されるジルカロイ−2(JIS-H-4751:ZrTN-8
02-D相当合金)と、加圧水型原子炉(PWR)に適用さ
れるジルカロイ−4(JIS-H-4751:ZrTN-804-D相当合
金)とがある。どちらの合金も燃料被覆管として長年の
実績があり、現在の使用条件下では問題なく使用するこ
とができる。原子炉の稼働は、核燃料物質の入った被覆
管を束にした核燃料集合体の状態にして炉心に挿入し、
一定燃焼度に達した後あるいは一定期間燃焼した後、こ
の燃料集合体を取りだすということを繰り返しながらお
こなわれる。近年、発電効率の向上のため核燃料の燃焼
度をより一層大きくする計画があるが、そのためには燃
料集合体の炉内滞留期間が更に長期にわたることが要求
される。
【0003】燃料被覆管や燃料集合体を構成する上記の
ジルカロイ−2やジルカロイ−4のジルコニウム合金
は、耐食性がすぐれているとはいえ、長期の使用期間中
に原子炉内の高温高圧冷却水との反応により腐食が進行
し、黒色で均一な酸化被膜が表面で成長していく。この
ような腐食のほか、ノジュラー腐食と呼ばれる白色のこ
ぶ状酸化膜が黒色均一酸化膜の上に局所的に発生してく
ることがある。しかし、長期の使用に耐えるには、まず
均一な腐食、すなわち黒色被膜の酸化による成長を抑制
する必要がある。さらに、燃料被覆管にはこのような耐
食性に加え、長期間の中性子照射による性質の劣化も含
めて、その使用温度における十分な機械的強度も具備し
ていなければならない。
【0004】このようなジルカロイ−2やジルカロイ−
4合金は、耐食性だけを考えれば、より長期の使用に必
ずしも十分耐えうるとはいえないが、中性子照射による
劣化まで配慮した機械的性質では、これまですでに十分
な実績を有している。そこで、高温高圧の冷却水に接触
する外周層部はより耐食性のすぐれた合金とし、燃料被
覆管としての機械的性質を受け持つ管の内周層部は、ジ
ルカロイ−2やジルカロイ−4合金とする二層管が提案
された。
【0005】たとえば特開昭 62-39589 号公報では、管
の全肉厚の 5〜20%に相当する外周層部(以下、外管と
略記する)を 1%までのFe、V、Pt、または 1〜 3
%のCuを含むジルコニウム合金とし、残りの内周層部
(以下内管と略記する)をジルカロイ−2、またはジル
カロイ−4とした燃料被覆管の発明を提示している。
【0006】また特開昭 64-39589 号公報には、外管を
Fe、Ni、CrおよびSnの合計含有量が 0.4〜 1%
のジルコニウム合金としたもの、さらに、特開平 2-271
291 号公報には外管がSnを0.35〜0.65%とこれにF
e、Nb、O、V等を少量添加したジルコニウム合金と
したもの、等の発明がそれぞれ開示されている。
【0007】しかしながら、これらの二層合金管におい
ては、外管のジルコニウム合金が目標とする耐食性を有
しているかどうか、あるいは外管と内管との結合が十分
おこなわれているかどうか、という課題が十分未解決の
まま残されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第一
に高温の水中または高温高圧の水蒸気中にて従来使用さ
れている、ジルカロイ−2やジルカロイ−4よりもすぐ
れた耐食性を有するジルコニウム合金の提供であり、第
二は、その耐食性がすぐれた合金を外管とし内管にジル
カロイ−2やジルカロイ−4相当の合金とする二層管の
提供である。このような二層管を原子炉の燃料被覆管に
適用することにより、従来よりもはるかに長い期間使用
に耐える核燃料集合体を得ることが可能になる。
【0009】
【課題を解決するための手段】現在、原子炉に汎用され
ているジルカロイ−2やジルカロイ−4は、開発されて
からすでに数十年以上の使用実績があり、安定して使用
できる合金である。しかしながら、その間に原料の処理
技術、精練技術、あるいは製造技術は幾多の改良がおこ
なわれ、不純物の含有量なども大幅に低減されてきた。
不純物組成や製造条件が変ると、ことに耐食性に対して
は添加元素の効果が変化してくると考えられる。そこ
で、ジルカロイ−2やジルカロイ−4よりもとくに耐食
性がすぐれていることに開発の重点を置き、合金成分の
効果に関しての再検討を種々おこなった。
【0010】その結果、まずNによる耐食性阻害を抑止
するため添加が必須とされてきたSnは、Nの含有量が
ある程度以下に低下してくると含有させてもさせなくて
も耐食性に対しては相違がなくなり、添加量によっては
逆に耐均一腐食性を悪くすることが明らかになった。
【0011】次に、FeとCrは通常同程度の量添加さ
れ、いずれも耐食性向上に有効とされてきた。しかしな
がら、上記のN量が低く、Snを添加しない合金系にお
いては、Feの含有は耐食性向上に有効であったが、C
rの含有は必ずしも効果が認められないことがわかっ
た。長期にわたる使用においては、ジルコニウム合金の
Crの含有は、わずかではあるが耐食性を劣化させる傾
向があるともいわれている。ところが、FeとCrの両
方を添加し、その上で両者の含有量比Cr(%)/Fe
(%)を変えてみると、特定の比の範囲で著しく耐食性
が向上する。すなわち、Fe含有量に関連させて少量の
Crを添加すると、Fe添加により向上した合金の耐食
性がさらに顕著に向上することがわかったのである。
【0012】またこのようにCr/Feの比を規制する
ことにより、ノジュラー腐食の発生も抑止されることも
明らかになった。
【0013】この理由は次のように考えられる。少量添
加されるFeおよびCrは、いずれも高温ではZr中に
固溶しているが、常温ないしは原子炉内での使用温度程
度ではどちらの元素も固溶限がほとんどなく、析出して
ZrFe2 やZrCr2 の金属間化合物を作る。ただ
し、FeはZr中での拡散速度が速く、ZrFe2 の粒
子が粗大に発達しやすい。ZrFe2 粒子の粗大化は、
微視的にはFeの局所的偏在を意味している。これに対
し、CrはFeよりも拡散速度が遅いので、ZrCr2
は相対的に微細かつ均一に析出する傾向にあり、その
上、ZrFe2 よりも高温から析出が始まる。したがっ
てFeとCrの両方を含有させ高温から冷却していく
と、まずZrCr2 が析出し、そこへFeが固溶する形
で析出してくる。この場合、Crを含まないFe−Zr
金属間化合物は形成し難くなり、結果として、耐食性に
有効なFeがZrの地の中に均一に分散した状態とな
る。これにより、高温水中に曝された場合、表面に均一
かつ緻密な酸化被膜が形成され、腐食の進行を抑止する
効果が増大される。
【0014】このようにCrはFeの均一分散に関与す
るため、Fe含有量に対する効果的なCrの含有量があ
り、特定のCr/Fe比の範囲で耐食性が著しく向上す
るのであろう。またFeを均一かつ微細に分散させたた
め、局所的な腐食の進行よるノジュラー腐食も抑止でき
たものと思われる。
【0015】ジルカロイ−2やジルカロイ−4では、不
純物としてSi含有量が規制されている。ところが、規
制されている量の上限に近いSiの含有は、耐食性向上
に有効であった。その上、2重管の場合、外管と内管と
を製造工程途中で密着させなければならないが、この程
度の量のSiの存在は、外管と内管との合金同志の密着
性向上にも有効であることがわかった。
【0016】少量のSiの存在が何故密着性向上に有効
であるのか理由は必ずしも明らかではないが、約 870℃
以下のZr、すなわちβ相においてSiは拡散速度が大
きく、これが熱間押出しあるいは冷間圧延後の焼鈍の過
程での、内外管の接触面での金属結合を促進させるので
はないかと思われる。
【0017】以上のような各合金元素に関して新たに見
出した知見に基づき、さらに組成範囲を明確化して、次
のような耐食性にすぐれたジルコニウム合金の発明を完
成させた。
【0018】すなわち、第一の発明は、重量%にて、F
e:0.10〜0.35%、Cr:0.02〜0.14%、N:0.0040%
以下、Si: 0.008〜 0.018%、Nb: 1.0%以下、お
よびO(酸素):0.16%以下を含み、かつ含有量の比C
r(%)/Fe(%)が0.06〜 0.4で、残部がZrおよ
び不可避的不純物からなることを特徴とする耐食性にす
ぐれたジルコニウム合金である。
【0019】ジルカロイ−2やジルカロイ−4に添加さ
れるSn、Fe、Cr等の合金元素は、いずれも合金の
強度向上にも役立っている。ところが、上記発明の合金
は、耐食性においては明らかにすぐれているが、ジルカ
ロイ−2やジルカロイ−4に比し、FeやCrの含有量
は同程度ではあってもSnを添加しないので、燃料被覆
管を対象とする場合、どうしてもその分は強度面で不足
になる。そこで、外管に上記発明の合金を用いて高温高
圧水での耐食性を向上させ、内管に既に十分使用実績の
ある在来のジルカロイ−2やジルカロイ−4ないしはそ
れに近い合金を用いて機械的性能を維持させた2重管と
すれば、耐食性が大幅に向上した従来と同程度の機械的
性質を有する合金管がえられる。
【0020】そこで、外管の合金厚さを必要最小限と
し、合金管全体の肉厚は従来と同じとした場合に同じ機
械的性能の得られるよう内管の合金成分を補正し、さら
に内管と外管のと密着性が十分であるようにした二層管
の検討をおこない、次のような合金管の発明を完成し
た。
【0021】すなわち、第二の発明は、管体の外管と内
管とが異る化学組成からなる二層ジルコニウム合金管で
あって、内管はO:0.09〜0.16%、Si:0.0080〜0.01
20%を含有するジルカロイ−2相当またはジルカロイ−
4相当の合金とし、外管は上記第一の発明に記述した合
金からなり、かつ外管の厚さが管体の全肉厚の 5〜25%
であることを特徴とする高耐食性ジルコニウム合金管で
ある。
【0022】なお、ここでジルカロイ−2相当合金とい
うのは、JIS-H-4751にてZrTN-802-Dで示されるSn:1.
20〜1.70%、Fe:0.07〜0.20%、Cr:0.05〜0.15
%、Ni:0.03〜0.08%で、Fe+Cr+Ni:0.28〜
0.38%、残部がZrおよび不可避的不純物からなる合金
であり、ジルカロイ−4相当合金というのは、JIS-H-47
51にてZrTN-804-Dで示されるSn:1.20〜1.70%、F
e:0.18〜0.24%、Cr:0.07〜0.13%で、Fe+C
r:0.28〜0.37%、残部がZrおよび不可避的不純物か
らなる合金である。
【0023】
【発明の実施の形態】耐食性にすぐれたジルコニウム合
金の組成を限定した理由を以下に説明する。
【0024】(1) Fe Feはすぐれた耐食性を得るために重要な元素である。
含有量が0.10%未満ではその効果が小さく、多く含有さ
せると冷間加工性が劣化し、外面疵の原因になる。そこ
で含有範囲は0.10〜0.35%とする。
【0025】(2) Cr 耐食性向上に有効なFeを均一かつ微細に合金中に分散
させ、より一層その効果を発揮させるためにCrを添加
する。含有量が少なすぎると分散させる効果が不十分で
あり、多すぎても効果が飽和し、逆に多少耐食性を劣化
させることもあるため、0.02〜0.14%に限定する。
【0026】ただしその場合、Crの添加をより一層効
果的にする最適のCrの含有量があり、Feの含有量と
の比Cr(%)/Fe(%)の範囲を0.06〜 0.4とする
必要がある。Cr/Feが 0.4を超えると、耐食性向上
効果が小さくなってしまう。
【0027】これは金属間化合物にがFe取り込まれて
しまい、Crの効果にFeの効果が取り込まれてしまう
のではないかと思われる。また、0.06%未満であれば、
これもまた耐食性が不十分となるが、これはZr−Fe
系の金属間化合物が粗大に析出し、Feが不均一に分布
してしまうためと考えられる。
【0028】(3) Si Siの少量含有は耐食性向上に効果があり、その上、内
管と外管との密着性を向上させる効果がある。その含有
量は少ない場合は効果が現われず、多すぎると逆に耐食
性を悪くする傾向があるので、 0.008〜0.018 とする。
【0029】(4) Nb Nbは含有させなくてもよいが、耐食性向上効果があ
り、必要に応じて添加する。ただし、含有させる場合、
1.0%までとする。これは 1.0%を超えると加工性を悪
くするためである。なお、添加する場合は少なければ効
果があらわれないので、0.08%以上が望ましく、その場
合は0.08〜1.0 %とする。
【0030】(5) Ni Niは含有させなくてもよいが、耐食性改善効果がある
ため必要に応じ添加する。耐食性向上の効果を得るため
に望ましい含有量は0.01%以上であるが、多くなると水
素吸収を助長し、これが合金を脆化させるので、その含
有量は多くても0.1%までとする。
【0031】(6) O(酸素) 不純物として混入してくる元素であり、通常はできるだ
け少なくするが、少量添加により強度を向上させること
ができるので必要により含有させる。多すぎると加工性
を劣化させるので、含有させる場合は多くても0.16%ま
でとする。ただし、添加して強度を上げるのに望ましい
のは0.05%以上である。
【0032】次に、請求項2に記載の、請求項1に記載
し上に詳述した合金を外管とした二層管における内管の
ジルカロイ−2またはジルカロイ−4相当の合金に係る
化学組成、および外管の肉厚の限定理由を説明する。
【0033】(7) 内管用合金のO(酸素) 化学組成を JIS規格のZrTN-802-D(ジルカロイ−2)ま
たはZrTN-804-D(ジルカロイ−4)に規定のものと同じ
とすると、内管に適用するには強度が不足する傾向にあ
るので、Oを添加し強度不足を補う。その含有量は0.09
〜0.16%とする。これは0.09%未満の含有では、強度上
昇の効果が小さく、0.16%を超えると冷間加工性が劣化
し、製管などが困難になるためである。
【0034】(8) 内管用合金のSi JIS規格では、ジルカロイ−2またはジルカロイ−4の
いずれにおいても、Siは不純物元素でありその含有量
は0.012 %以下と規定されている。しかしながら、二層
管の内管に使用する場合、内管と外管の密着性向上に少
量のSiの存在は有効である。そこで、不純物の含有量
規制値の範囲内ではあるが、Siの含有範囲を 0.008〜
0.012 %に規制する。これは、含有量が 0.008%を下回
ると、密着性が不十分になる危険性があり、 0.012%を
超えて含有させても、効果は飽和するためである。
【0035】その他、内管用の合金の化学組成は JIS規
格と同じでよいが、強度が不足する場合、FeおよびC
rについてはその規格値の上限を超え、望ましくはFe
では0.50%まで、Crでは0.30%まで含有させてもよ
い。
【0036】(9) 外管の肉厚 外管の肉厚は、使用期間の増大にともなう腐食の進行が
内管に達しない範囲であればよいが、製造工程による厚
さの変動や、加工時の安定性から最終製品にて管全体の
5%以上とする。また厚くなりすぎると、管としての機
械的性質が維持できなくなるので厚くても25%までとす
る。
【0037】請求項1に記載の合金により、例えば管を
製造する場合は、図1に細線で示す通常の工程にて、消
耗電極式アーク溶解炉で成分調整して鋳塊を得、熱間鍛
造後β処理をおこなって、所定形状のビレットに切削加
工後熱間押出しして素管とし、冷間圧延および焼鈍を繰
り返して最終製品に仕上げる。
【0038】二層管を製造する場合は、図1に工程の一
例を太線で示すように、外管とする請求項1の合金と、
内管とするジルカロイ−2またはジルカロイ−4相当合
金とをそれぞれ別に溶解して、熱間鍛造およびβ処理を
おこない、内管となるビレットの外側に外管となるビレ
ットをはめ込んで端部をレーザまたは電子ビームにて真
空溶接し、これを熱間押出しして素管を製造する。その
後は、通常の場合と同様、冷間圧延および焼鈍を繰り返
して最終製品とする。
【0039】
【実施例】消耗電極式真空アーク溶解炉により、表1に
示す合金A〜Lを溶製した。合金A〜Eについては、図
1の細線に示す工程により、熱間鍛造して 190mmのビレ
ットとし、β処理後、 630℃加熱により熱間押出しした
後、冷間圧延および焼鈍を3回繰り返して外径 9.5mm、
管の肉厚 0.6mmの通常の単管を製造した。また、内管は
合金A、BまたはC、外管は合金F〜Lとする二層管
を、図1の太線に示す工程にて熱間押出し前のビレット
の段階にて二重に合わせ、押出し後は通常の単管と同様
な工程および条件にて、上記単管と同一寸法に仕上げ
た。この場合、外管の肉厚はいずれも全肉厚の20%とし
た。
【0040】
【表1】
【0041】得られた各合金管より、長さ50mmの試験片
をそれぞれ 3本切り出し、 420℃、圧力10.3MPaの循
環水蒸気中にて 200日間の腐食試験をおこなった。試験
後、外面の腐食被膜厚さを試験片断面の光学顕微鏡観察
により測定し、耐食性を評価した。また、二層管の外管
と内管の密着性については、熱間押出し直後の管の横断
面を15面、光学顕微鏡にて観察し、不密着部が1ヶ所で
も見出されたものは不可と判定した。これらの試験評価
の結果も併せて表1に示す。
【0042】合金Aはジルカロイ−4、BおよびCはジ
ルカロイ−2に相当する。腐食被膜厚さを管の外表面で
測定しており、また腐食はいずれも外管肉厚の範囲にと
どまっていたので、二層管の腐食被膜厚さは単層管と同
じとして評価できる。これらの結果から、試験No.4〜 9
の本発明の合金は、従来の合金あるいは本発明の範囲外
の合金よりも腐食被膜厚さが小さく、耐食性にすぐれて
いることが明らかである。また、外管または内管の合金
中のSi含有量が、本発明で定める範囲より小さい試験
No.10 および11では層間剥離が見出された。このよう
に、本発明の定める範囲の合金組成にて二層管を製造す
れば、耐食性にすぐれかつ他の性能は在来の実績のある
ジルカロイ−2やジルカロイ−4と同等の、ジルコニウ
ム合金管が得られることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明による高耐食性ジルコニウム合金
およびジルコニウム合金管は、高温水または高温高圧の
水蒸気環境においてすぐれた耐食性を有し、例えば原子
炉燃料用の被覆管および構造部材として効果的に活用で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジルコニウム合金の単管および二層管の製造工
程の概略を示す説明図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にて、Fe:0.10〜0.35%、Cr:
    0.02〜0.14%、N:0.0040%以下、Si: 0.008〜 0.0
    18%、Nb: 1.0%以下、Ni: 0.1%以下、O(酸
    素):0.16%以下を含み、かつ含有量の比Cr(%)/
    Fe(%)が0.06〜 0.4で、残部がZrおよび不可避的
    不純物からなる耐食性にすぐれたジルコニウム合金。
  2. 【請求項2】管体の外周層と内周層とが異る化学組成か
    らなる二層ジルコニウム合金管であって、内周層はO
    (酸素):0.09〜0.16%、Si:0.0080〜0.0120%を含
    有するジルカロイ−2相当またはジルカロイ−4相当の
    合金、外周層は請求項1に記載した合金からなり、かつ
    外周層の厚さが管体の肉厚の 5〜25%であることを特徴
    とする高耐食性ジルコニウム合金管。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100334252B1 (ko) * 1999-11-22 2002-05-02 장인순 니오븀이 첨가된 핵연료피복관용 지르코늄 합금의 조성물

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KR100334252B1 (ko) * 1999-11-22 2002-05-02 장인순 니오븀이 첨가된 핵연료피복관용 지르코늄 합금의 조성물

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