JPH09227910A - 高炉の炉底側壁保護方法 - Google Patents

高炉の炉底側壁保護方法

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JPH09227910A
JPH09227910A JP5998696A JP5998696A JPH09227910A JP H09227910 A JPH09227910 A JP H09227910A JP 5998696 A JP5998696 A JP 5998696A JP 5998696 A JP5998696 A JP 5998696A JP H09227910 A JPH09227910 A JP H09227910A
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Japan
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tracer
blast furnace
tuyere
furnace
blowing
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JP5998696A
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English (en)
Inventor
Kenji Katayama
賢治 片山
Takanobu Inada
隆信 稲田
Toshinobu Ootsuki
年伸 大槻
Satoru Wakabayashi
悟 若林
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高炉炉下部で局部的にレンガ損耗が進行する
懸念のある箇所を早期に予測して適正なレンガ損耗抑制
対策を迅速に実施し得る安価な方法を確立する。 【構成】 高炉炉底の側壁温度が局部的に上昇した際、
“該温度上昇部位を挟んで互いに高炉中心角にて90°
以上離れた2つの出銑口”と“その2つの出銑口間の中
央付近に位置する羽口”とを選択し、前記2つの出銑口
で同時出銑を行うと共に前記羽口からトレ−サ−を一定
量吹き込み、この吹き込み開始からトレ−サ−が前記2
つの出銑口より排出され始めるまでの時間をそれぞれ測
定してその時間差を比較することで高炉の炉下部におけ
る周方向溶銑流速の偏差を推定し、炉底側壁付近の溶銑
流速が増加してると推定された部位にはその近傍羽口よ
りTi源を吹き込む。この際、特定の実験式に基づいた対
策を施すことが推奨される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高炉炉底レンガの局
部侵食を的確に抑制して高炉寿命の延長を図るための、
高炉の炉底側壁保護方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、高炉炉体の補修技術が進
歩し、羽口より上の部分については定期的にあるいは休
風時に必要に応じて補修を行うことで炉体維持が可能と
なってきた。しかしながら、羽口より下部に位置する高
炉炉下部については、湯溜まり部分に溶銑・溶滓が存在
することや、この部位の内容物を取り除くことが実際的
に困難であることから、同部位(特に内面側)の損傷に
対する稼働中の抜本的補修は現在に至るも不可能であ
る。そこで、この高炉炉下部における損傷の程度が高炉
の寿命を決定することになり、該部位の損傷抑止は高炉
寿命延長において最も重要な問題であると言える。な
お、ここで言う「高炉炉下部の損傷抑止」とは「炉内面
に接する耐火レンガの溶銑による損耗抑制」を意味して
いる。
【0003】ところで、高炉の炉底底部及び炉底側壁部
(即ち高炉炉下部の炉底部及び側壁部)のレンガ損耗機
構は複雑であるが、その主たる原因はレンガ面に溶銑が
接触して流動することにより起きる溶損にあるとされて
おり、溶銑流動の活発な部位でレンガ損耗が進行するこ
とが明らかになっている。
【0004】即ち、高炉炉下部の内部は、通常、コ−ク
ス充填層とその空隙を満たす溶銑で大部分が構成されて
いるが、時として炉下部の一部において殆どコ−クスが
存在せずに溶銑だけで満たされた領域が偏在することが
知られている。そのため、この領域の通液性はコ−クス
充填層部と比較して大幅に増加するので、溶銑はこの領
域を選択的に通過することとなり、またこの領域では溶
銑流速も増加することになる。従って、該“コ−クスが
殆ど存在せずに溶銑のみで満たされた領域”でレンガ損
耗がより進行する。それ故、炉底底部,炉底側壁部のレ
ンガ損耗抑制のためには、この部位の溶銑流動を早期に
推定し、溶銑流動が活発な部分には直ちにレンガ損耗抑
制対策を実施する必要がある。
【0005】従来、炉底底部や炉底側壁部のレンガ損耗
抑制対策を実施するか否かの判断に当っては、炉底底
部,炉底側壁部のレンガ内に設置された温度計による測
温値が基準とされていた。それは、レンガ損耗が進むと
その部位における測定温度が上昇するからである。
【0006】そして、操業中におけるレンガ内温度計の
測定温度あるいは昇温速度が予め設定しておいた管理値
(レンガ損耗抑制対策の実施に踏みきる指標)を超えた
場合には、 a) 含Ti鉄源原料の装入あるいは含Ti鉱石の羽口からの
吹き込みを行い、これによる溶銑粘度上昇によって溶銑
流速を低下させ炉底を保護する, b) 炉底冷却を強化してレンガ表面に凝固層を形成さ
せ、レンガを保護する, c) 羽口径の制御あるいは熱風制御弁により送風量を調
整し、これによって炉底温度を制御する, 等のレンガ損耗抑制対策が実施された。
【0007】しかし、従来のこのようなレンガ損耗抑制
対策では実施効果が現れるまでに時間がかかってコスト
増加となる場合が多く、また対策の実施が高炉の安定操
業を阻害する要因となったりするなど、幾つかの問題点
が指摘されてもいた。
【0008】そのため、最近、高炉の羽口の1つから熱
風と共にCo, Ni, Cuあるいはそれらの酸化物を含有する
粉体を吹き込んで(以降、 吹き込み物質を“トレ−サ
−”と呼ぶ)その排出時間から炉底における溶銑流の異
常(流速増加)をいち早く推定し、この判断に基づいて
効果的にTi源を投入しようという技術が提案された(特
開平4−297511号公報参照)。しかしながら、上
記提案技術では、特定箇所で長期にわたり何度もトレ−
サ−の追跡を続けることにより初めて溶銑流の異常(コ
−クスが殆ど存在せずに溶銑だけで満たされた領域の発
生)を感知することができるものであって、レンガ損耗
が進む箇所を極く早期に的確に予測することは困難で、
経済的で安定した成果を期待するには今一つ満足できる
ものではなかった。
【0009】このようなことから、本発明が目的とした
のは、高炉炉下部で局部的にレンガ損耗が進行する懸念
のある箇所を早期にかつ的確に予測し、適正なレンガ損
耗抑制対策を迅速に実施することができる安価な方法を
確立することであった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、「高炉炉下部の局
部的温度上昇の検知やトレ−サ−吹込みによる溶銑流の
測定は確かにレンガ損耗の発生を予測する有用な手段で
あり、 またTi源の吹込みは局部的レンガ損耗箇所の保護
に極めて有効な手段ではあるものの、 単にこれらの手立
てを漫然と採用するだけでは前述した如く満足できる効
果は期待できないが、 前記トレ−サ−追跡法に工夫を凝
らすと共に、 これと高炉炉下部の局部的温度上昇検知法
及びTi源吹込みによるレンガ損耗抑制対策を好適タイミ
ングで組み合わせて適正箇所で実施した場合には、 レン
ガ損耗の進行が懸念される箇所の早期かつ的確な予測と
効果的なレンガ損耗の抑制とを低コストの下で行えるよ
うになる」との新規知見を得ることができた。
【0011】本発明は、上記知見事項等に基づいてなさ
れたものであって、「高炉炉底の側壁温度が局部的に上
昇した際、 “該温度上昇部位を挟んで互いに高炉中心角
にて90°以上離れた2つの出銑口”と“その2つの出
銑口間の中央付近に位置する羽口”とを選択し、 前記2
つの出銑口で同時出銑を行うと共に前記羽口からトレ−
サ−を一定量吹き込み、 この吹き込み開始からトレ−サ
−が前記2つの出銑口より排出され始めるまでの時間を
それぞれ測定してその時間差を比較することで高炉の炉
下部における周方向溶銑流速の偏差を推定し、 炉底側壁
付近の溶銑流速が増加してると推定された部位にはその
近傍羽口よりTi源を吹き込んで炉底レンガの損耗抑制を
図ることによって高炉の炉底側壁を保護するようにした
点」に大きな特徴を有している。
【0012】ここで、前記「Ti源の吹き込み」は、 TR :トレ−サ−が羽口より右側の出銑口から排出され
始めるまでの時間(min), TL :トレ−サ−が羽口より左側の出銑口から排出され
始めるまでの時間(min), k: 定数(>0), M: 従来吹き込みしていたTi分の量(kg/pigT) とした場合に数3なる状態となった時に実施し、かつTi
源の吹き込み量M′(kg/pigT) を式数4に従って決定す
るようにすれば、より効果的かつ低コストで高炉炉底側
壁の保護を図ることができる。
【数3】
【数4】
【0013】上述のように、本発明は、高炉炉底側壁温
度の局部的上昇を検知して溶銑流の状況を推定する部位
を特定し、該部位近傍の羽口からトレ−サ−を炉内に吹
き込むと共に、前記特定した部位の近傍に位置する出銑
口から排出される溶銑のトレ−サ−物質濃度を分析する
ことにより溶銑流動の状況を推定し、それにより得られ
た情報により適切な対策(熱風と共にTiあるいはその酸
化物を含有する粉体を吹き込んで炉底レンガの局部的侵
食を抑制する)を早期にかつ局所的実施することで、炉
底側壁部の損耗抑制を効果的に行えるようにしたもので
あるが、以下、本発明をその作用と共により詳細に説明
する。
【0014】
【作用】先にも述べたように、高炉炉下部においては、
溶銑流動が活発化するに伴ってその近傍の凝固層厚が減
少し、そのため該部位のレンガが局部的に温度上昇する
ようになる。そして、この傾向が更に強まると前記部位
においてレンガの損耗が進み、その結果としてレンガの
局部的昇温が一層顕著となる。そこで、高炉炉底の側壁
温度を複数の位置で継続的に測定し続け、局部的な昇温
現象を捕らえられれば、溶銑流動が活発化して流速が増
しレンガの損耗が局部的に加速される現象が起き始めて
いることや、不確かではあるがその概括的な位置を知る
ことができる。
【0015】そこで、本発明にあっては、レンガの損耗
が懸念される箇所のより正確な位置と該懸念の度合いを
推定するため、直ちに羽口からトレ−サ−の吹込みを実
施する。なお、トレ−サ−としては、公知のCo, Ni, Cu
あるいはそれらの酸化物を含有する粉体を適用すれば良
い。
【0016】さて、羽口から高炉内へ吹き込まれたトレ
−サ−は、レ−スウェイ内で溶融し湯溜まりまで滴下し
ていく。そして、溶銑に溶解したトレ−サ−は溶銑流に
乗り出銑口に向かって流れ、出銑口から炉外に排出され
るが、この時のトレ−サ−の炉内滞留時間は主に移動経
路と溶銑流速に大きく影響されると考えられる。従っ
て、高炉操業中に出銑口から排出された溶銑中のトレ−
サ−物質濃度は、炉底側壁部に溶銑流の局所的活発流れ
が形成されると局所的活発流れが形成されていない場合
に比べてより早い時間に上昇する筈である。
【0017】この側壁近傍を流れる溶銑の流速は、トレ
−サ−吹き込み羽口の位置と出銑口とがなす角θと炉の
半径rとから計算されるところの“羽口から吹き込まれ
て出銑口から排出されるまでのトレ−サ−の移動距離L
(=2πr・θ/360)”と、“吹き込み開始から出銑さ
れた溶銑中のトレ−サ−物質濃度が上昇を開始するまで
の時間(吹き込み開始からトレ−サ−が出銑口より排出
され始めるまでの所要時間)”とより推定することがで
きる。
【0018】しかし、トレ−サ−濃度上昇開始までの時
間は出銑量等により大きく変化するので、異なった時期
での測定結果を単純に比較することで溶銑流速の異常を
判断することは、誤った判定につながる危険性が大き
い。この危険を回避してある時点における溶銑流速の円
周方向偏差を的確に知るためには、前記特開平4−29
7511号公報所載の如き「1つの出銑口を使ってのト
レ−サ−追跡試験」ではなくて、比較する範囲を同時に
測定できる試験を行う必要がある。
【0019】そのため、本発明では、前記局部的温度上
昇が検知された部位の両側に位置する2つの出銑口から
同時に出銑を行うと共に、この同時出銑中の2つの出銑
口の中央に位置する羽口からトレ−サ−を吹き込み、こ
のトレ−サ−が前記2つの出銑口から排出し始めるのに
要する時間の時間差を比較する手法を採用する。本発明
者等は、これによって高炉の炉下部における周方向溶銑
流速の偏差を「1つの出銑口を使ってのトレ−サ−追跡
試験」よりも一段と早期にかつ的確に推定し得ることを
実験的に確認している。
【0020】ここで、“該温度上昇部位を挟んで互いに
高炉中心角にて90°以上離れた2つの出銑口”と“そ
の2つの出銑口間の中央付近に位置する羽口”とを選択
してトレ−サ−追跡試験を行う理由は、選択する出銑口
の位置が高炉中心角で90°以上離れていないと“溶銑
流動が活発化している部位”と“そうでない部位”とを
十分にカバ−することができないために適正な周方向溶
銑流速の偏差を測定することができず、またトレ−サ−
吹き込み羽口として“2つの出銑口間の中央付近に位置
する羽口”を選ばない場合にも周方向溶銑流速の偏差測
定精度が上がらないためである。
【0021】そして、前記トレ−サ−追跡試験の結果、
「トレ−サ−の吹き込み開始から出銑口より排出され始
めるまでの時間が指標値(実験的に求められる)よりも
短くなっていて(溶銑流速が増加していて)溶銑流によ
るレンガ損耗が懸念される部位」が特定されると、その
近傍羽口よりTi源が吹き込まれ、溶銑粘度上昇による溶
銑流速低下が図られて該部位の保護が図られる。
【0022】なお、Ti源としては従来から使用されてき
た含Ti鉄源原料や含Ti鉱石等が適用される。そして、こ
のTi源の吹き込みタイミングは前述したように実験的に
求めた“トレ−サ−の吹き込み開始から出銑口より排出
され始めるまでの時間に関する指標値”を基準に決定す
れば良いが、実測値からして、数5となった場合に実施
するようにすれば対策の無駄が省かれ、より適切な炉管
理を行えることが確認されている。
【数5】
【0023】また、トレ−サ−が前記2つの出銑口から
排出し始めるのに要する時間の時間差から“懸念される
レンガ損耗の度合い”も推定できるので、Ti源の形でTi
分を吹き込む量M′(kg/pigT) は数6なる式に従って決
定し制御するのが炉底温度上昇を抑える上で効果的であ
り、Ti源の過剰吹き込みによるコストアップを防止する
上でも好ましいことが数多くの実炉試験によって明らか
となっている。
【数6】
【0024】ここで、Mは「従来吹き込みしていたTi分
の量(kg/pigT) 」であるが、これは一般に各高炉毎に好
適値が異なっており、これまでその高炉に採用されてき
た好適値とする。また、kは0より大きい定数であり、
後述する実施例の欄でも説明するが、やはり適用高炉等
に応じて実験的に決定すれば良い。
【0025】このように、炉底側壁部の温度上昇部位で
の溶銑流動を適切に推定すると共にその対策の規模を決
定し、損耗進行部位への局所的な対策を短期に実施する
ことは、対策コスト抑制のために極めて重要でありかつ
効果的なことである。続いて、本発明を実施例により説
明する。
【0026】
【実施例】本発明法の効果を検証すべく、操業中の実高
炉(炉容積4800m3 )での炉底側壁保護試験を行った。
なお、この試験ではトレ−サ−としてCo系酸化物を選択
し、これを羽口より1回につき50kg吹き込むこととし
た。
【0027】さて、上記高炉の操業中、炉底側壁のレン
ガ内に設置された温度計により図1で示したDの部位で
局部的温度上昇が観察された。そこで、この温度上昇部
位Dを挟んで互いに高炉中心角で90°以上離れた2つ
の出銑口A,Bより同時に出銑を行い、その約10分後
に出銑口A,B間のちょうど中間に位置する羽口Cより
トレ−サ−の吹き込みを開始した。そして、上記2つの
出銑口A,Bを閉塞するまでの間、3分毎に出銑された
溶銑のサンプリングを実施した。この時の、出銑口A,
Bから出銑された溶銑中のトレ−サ−物質濃度を逐次測
定した結果を図2に示す。
【0028】上記図2からすると、“出銑口Bから出銑
された溶銑”の方が“出銑口Aから出銑された溶銑”よ
りも6分早くトレ−サ−物質濃度の上昇が起きている。
従って、温度上昇部位Dを挟むC−B間の経路で溶銑流
動が活発化していて、この部位でレンガ損耗の懸念が生
じていることが直ちに推定される。
【0029】そこで、羽口からTi源(粉末状の含Ti鉱
石)の吹き込みを行って炉底側壁のレンガの保護を図っ
たが、Ti源の羽口吹き込みは、出銑口Aの使用時はCB
間に位置する羽口で、また出銑口Bの使用時はCD間に
位置する羽口よりそれぞれ実施した。そして、この処置
により、Dの部位に認められた局部的温度上昇は解消さ
れ、温度は下降した。
【0030】また、これとは別に、高炉炉底側壁の局部
的温度上昇が検知されたためにトレ−サ−吹き込みを行
ったところ、トレ−サ−が羽口Cより右側の出銑口Aか
ら排出され始めるまでの時間TR とトレ−サ−が羽口C
より左側の出銑口Bから排出され始めるまでの時間TL
とがほぼ同じケ−ス(TR ≒TL のケ−ス)も認められ
た。しかし、この場合には、図3からも分かるように局
部的温度上昇は自然に治まり、間もなく温度は降下し
た。
【0031】この局部的温度上昇が自然に治まるか否か
を実験から評価したところ、その境界は数7の値により
評価すると 0.1であり、数8の場合に局部的温度上昇が
自然に治まることが確認された。従って、上記式の値が
0.1未満の場合は対策を採る必要のないことが分かる。
【数7】
【数8】
【0032】次に、トレ−サ−吹き込み調査後のTi源吹
き込み処置に関し、数9と効果が得られるTi分吹き込み
量との関係を調査し、その結果を図4及び図5に整理し
て示した。
【数9】
【0033】なお、図4は数10の場合におけるデ−タ
を集めたもので、図5は数11の場合におけるデ−タを
集めたものである。
【数10】
【数11】
【0034】即ち、Ti源の吹き込みはコスト面から効率
良く実施する必要があるが、この観点からすると、炉底
側壁温度が元に戻るまでの時間は、数12の場合には
“吹き込みTi量M′”と“従来のTi分吹き込み量Mkg/p
igT(各高炉により異なる)”との比M′/Mが1.25を境
として勾配(傾き)が大きく変化し、1.25以上ではほぼ
横ばいとなっている。
【数12】 そのため、少ないTi源吹き込み量で効率良く炉底側壁温
度上昇を抑制するためには、吹き込み量増加の効果が薄
くなってくる「M′/M=1.25」の比率が最適と判断さ
れる。
【0035】同様に、数13の場合には「M′/M=1.
5 」が最適と判断される。
【数13】
【0036】しかし、前述したように局部的温度上昇が
自然に治まる境界は数14であり、数15となった時に
Ti源の吹き込みを行うのが適当であると判断されること
からして数16の場合に最適なTi分の吹き込み量M′は
「M′/M=1.25」の比率で表されるから、数17と置
き、「M′=1.25M」を代入すると、k=5が得られ
る。
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【0037】従って、今回の試験条件では、Ti分の吹き
込み量M′を、前記式を使用しk=5として算出するの
が適当であると言える。なお、デ−タ数が多い場合に
も、着目高炉についてkの値を平均するなどの処置を採
ってTi分の吹き込み量M′を決定すれば良いと考えられ
る。
【0038】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、高炉の炉下部側壁レンガの損耗進行が加速されがち
な箇所を早期に特定し、レンガ損耗抑制対策を迅速・適
正に実施することが可能となるなど、産業上有用な効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の実施要領に係る説明図である。
【図2】出銑口から出銑される溶銑中のトレ−サ−物質
濃度の推移を示したグラフである。
【図3】“炉底側壁温度が元に戻る効果”に及ぼすTi源
吹き込みの有無と数18の値との影響を示したグラフで
ある。
【数18】
【図4】“Ti分吹き込み量”と“炉底側壁温度が元に戻
るまでの時間”との関係を整理して示したグラフであ
る。
【図5】“Ti分吹き込み量”と“炉底側壁温度が元に戻
るまでの時間”との関係を整理して示した別例に係るグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 悟 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉炉底の側壁温度が局部的に上昇した
    際、“該温度上昇部位を挟んで互いに高炉中心角にて9
    0°以上離れた2つの出銑口”と“その2つの出銑口間
    の中央付近に位置する羽口”とを選択し、前記2つの出
    銑口で同時出銑を行うと共に前記羽口からトレ−サ−を
    一定量吹き込み、この吹き込み開始からトレ−サ−が前
    記2つの出銑口より排出され始めるまでの時間をそれぞ
    れ測定してその時間差を比較することで高炉の炉下部に
    おける周方向溶銑流速の偏差を推定し、炉底側壁付近の
    溶銑流速が増加してると推定された部位にはその近傍羽
    口よりTi源を吹き込んで炉底レンガの損耗抑制を図るこ
    とを特徴とする、高炉の炉底側壁保護方法。
  2. 【請求項2】 Ti源の吹き込みを数1なる状態となった
    時に実施し、かつTi源の吹き込み量M′(kg/pigT) を式
    数2に従って決定することを特徴とする、請求項1記載
    の高炉の炉底側壁保護方法。 但し、TR :トレ−サ−が羽口より右側の出銑口から排
    出され始めるまでの時間(min), TL :トレ−サ−が羽口より左側の出銑口から排出され
    始めるまでの時間(min), k: 定数(>0), M: 従来吹き込みしていたTi分の量(kg/pigT) 。 【数1】 【数2】
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100432160B1 (ko) * 2000-09-08 2004-05-20 주식회사 포스코 고로의 철광석 환원속도에 의한 노저측벽 부하감소 방법

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100432160B1 (ko) * 2000-09-08 2004-05-20 주식회사 포스코 고로의 철광석 환원속도에 의한 노저측벽 부하감소 방법

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