JPH09227112A - 活性炭製造設備 - Google Patents

活性炭製造設備

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JPH09227112A
JPH09227112A JP8033961A JP3396196A JPH09227112A JP H09227112 A JPH09227112 A JP H09227112A JP 8033961 A JP8033961 A JP 8033961A JP 3396196 A JP3396196 A JP 3396196A JP H09227112 A JPH09227112 A JP H09227112A
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activated carbon
carbonization
furnace
crushed material
furnace body
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JP8033961A
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Kazuteru Shinohara
一照 篠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃タイヤや廃プラスチック等の高分子系廃棄
物から、従来に比べてより簡単な工程で、高収率かつ経
済的に、大きさや品質の揃った、高品質の活性炭を製造
しうる、新規な活性炭製造設備を提供する。 【解決手段】 炭化前の高分子系廃棄物P1を、破砕装
置1によって、製造する活性炭Aに対応する大きさに破
砕し、この破砕物中に含まれる燃えない不純物P3を撰
別装置2で除去し、不純物P3が除去された破砕物P4
を、炭化炉3で炭化した後、炭化物を、賦活装置4で賦
活して活性炭Aを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば廃タイ
ヤや廃プラスチック等の高分子系廃棄物から、活性炭を
製造するための製造設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記高分子系廃棄物を、これまでのよう
にただ単に投棄したり焼却したりするのではなく、有効
な資源として再利用するために各種の研究が行われてお
り、そのうちの一つに、上記高分子系廃棄物を炭化した
のち賦活させることで、吸着剤等として有用な活性炭を
製造する技術がある。
【0003】たとえば、高分子系廃棄物である廃タイヤ
から活性炭を製造するには、まず当該廃タイヤをそのま
まの形で、あるいは100mm角程度の大きさに切断し
た状態で、乾留炉に入れて加熱し、乾留させて、乾留ガ
スや油分を取り出すとともに、炭化させる。つぎに、乾
留後に残った固形物残渣を乾留炉から取り出し、製造す
る活性炭に対応する大きさとするために破砕機によって
破砕し、さらにスチールワイヤ等の燃えない不純物を磁
撰機等を用いて取り除く。
【0004】この状態の固形物残渣は、完全に炭化した
炭化物から、炭化が不完全なタール分まで、種々の炭化
状態のものを含むため、つぎに上記固形物残渣を、炭化
炉内で、約800℃に加熱して再び炭化処理して、その
全体を完全に炭化させる。そして、上記炭化処理によっ
てえられた炭化物を、賦活装置を用いて、水蒸気を含
み、約900℃程度に加熱された熱風と接触させて賦活
させると、活性炭が製造される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の工程で活性炭を
製造する場合には、下記のような問題点がある。まず乾
留炉による乾留工程は、高分子系廃棄物を完全燃焼させ
るのに必要な空気量よりも極端に少ない空気を供給しつ
つ、除々に行われるため、本来的に反応速度が遅く、長
時間を要する上、反応終了後の乾留炉を、安全のため
に、炉内に火種が残らない状態となるまで空気を遮断し
た状態で長時間(実績で6時間以上)、放置して冷却す
る必要もあり、これらのことが活性炭の生産性を低下さ
せる原因となる。
【0006】炉内に撒水して強制的に冷却することも考
えられるが、この場合には、固形物残渣が、およそ90
%以上という多量の水を含むことになるので、炭化工程
の前に乾燥工程が必要となり、その設備費や燃料費等が
かさんで経済的でない上、工程が増えるために活性炭の
収率が低下するという問題もある。工程の増加による活
性炭の収率の低下は、工程の種類にかかわらず、1工程
増えるごとにおよそ5〜10%程度である。
【0007】また、たとえば廃タイヤは、前述したよう
にそのままの形で、あるいは切断したとしても100m
m角程度の大きな状態で乾留されるため、表面は炭化さ
れても内部まで十分に炭化されない。このため、乾留後
の炉内に残る固形物残渣のうち、スチールワイヤ等の燃
えない不純物以外の成分は100%の炭化物ではなく、
先の製造工程の説明でも述べたように、完全に炭化した
炭化物から、炭化が不完全なタール分まで、種々の炭化
状態のものを含んでおり、とくに炭化が不十分なタール
分は、およそ50%程度も残っている場合がある。
【0008】そしてこのタール分は、そのままでは活性
炭の原料として使用できないので、これを完全に炭化す
べく、従来の技術では、前述したように炭化炉による再
炭化の工程が必要で、その設備費や燃料費等がかさんで
経済的でなく、しかも工程が増える分、やはり活性炭の
収率が5〜10%程度も低下してしまう。またタール分
は粘着性を有するので、破砕工程において破砕機に付着
して、当該破砕機の機能を阻害したり、あるいは磁撰機
等による燃えない不純物の除去を阻害したりする。
【0009】このため従来は、燃えない不純物を除去す
るために、まず炭化物とタール分とを手作業で撰別し、
炭化物は磁撰機にかけるが、タール分については、さら
に手作業で燃えない不純物を除去しているため、作業効
率がきわめて悪いという問題もある。一方、炭化物はも
ろいので、破砕、撰別、炭化および賦活の各工程で外力
や熱等を受けると、製造する活性炭に対応する大きさを
維持できずに粉状となるものが多量に発生する。とく
に、炉内に撒水して強制的に冷却した場合の炭化物は、
通常よりもさらにもろいため、そのほとんどが粉状にな
ってしまう。
【0010】このため、製造される活性炭は、粒径が一
定しないという問題がある。しかも上記活性炭の原料で
ある乾留後の固形物残渣の破砕物は、再炭化前の状態で
すでに粒径が一定でない上、前述したように種々の炭化
状態のものを含むため、炭化の状態にばらつきを生じ、
したがってこの炭化物を賦活させた活性炭は品質が一定
しないという問題もある。
【0011】この発明の目的は、たとえば廃タイヤや廃
プラスチック等の高分子系廃棄物から、従来に比べてよ
り簡単な工程で、高収率かつ経済的に、大きさや品質の
揃った、高品質の活性炭を製造しうる、新規な活性炭製
造設備を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の活性炭製造設備は、炭化前の高分子系廃
棄物を、製造する活性炭に対応する大きさに破砕する破
砕装置と、破砕装置でえた破砕物中に含まれる燃えない
不純物を除去する撰別装置と、不純物が除去された破砕
物を炭化する炭化炉と、炭化炉でえた炭化物を賦活して
活性炭化する賦活装置とを備えることを特徴としてい
る。
【0013】上記構成からなる、この発明の活性炭製造
設備によれば、下記のような利点がある。まず、この発
明の活性炭製造設備においては、炭化してもろくなる前
の高分子系廃棄物に対して、破砕装置による破砕と、撰
別装置による燃えない不純物の除去の2つの処理を行っ
ているので、えられた破砕物は粉状のもの等を含まず、
その大きさがほぼ一定している。
【0014】しかも上記破砕物は、前述したように製造
する活性炭に対応する大きさ(およそ5mm角程度)ま
で細かく破砕されている。このため上記破砕物は、炭化
炉による1回の炭化処理により、その内部まで完全に炭
化されるとともに、各炭化物の炭化状態がほぼ一定して
おり、上記炭化物を賦活して製造される活性炭は、大き
さや品質が揃った高品質のものとなる。
【0015】また上記のように、破砕物の炭化は炭化炉
による1回の炭化処理で完了するため、この発明によれ
ば、炭化のために乾留と再炭化の2工程を要する従来法
に比べて、工程を1つ削減できる。しかも、上記炭化処
理に要する時間は、前記のように破砕物の大きさが小さ
いため、従来の乾留処理にくらべて大幅に、およそ6時
間程度は短縮できる。また、破砕物の大きさが小さいた
め、相対的に炭化炉や賦活装置の容量を大きくとること
ができ、両装置を余裕をもって運転できるので、装置の
運転性能が安定し、このことも、活性炭の品質の安定や
向上に貢献する。
【0016】したがって、設備費や燃料費等を削減でき
て経済的であるとともに、活性炭の収率および品質が向
上し、しかもトータルの処理時間も短縮できる。よっ
て、この発明の活性炭製造設備によれば、たとえば廃タ
イヤや廃プラスチック等の高分子系廃棄物から、従来に
比べてより簡単な工程で、高収率かつ経済的に、大きさ
や品質の揃った、高品質の活性炭を製造することが可能
となる。
【0017】なお上記炭化炉としては、軸線をほぼ水平
に向けた筒状の炉本体を備え、この炉本体を、上記軸線
を中心として回転させることで、当該炉本体内に供給さ
れた破砕物をかく拌してその融着を防止しつつ、炉本体
の一端から他端へ搬送しながら、当該炉本体内に送り込
まれた熱風と接触させて連続的に炭化させるロータリー
キルンを使用するのが好ましい。
【0018】かかるロータリーキルンを使用した場合に
は、破砕物の融着を防止しつつ、当該破砕物を連続的に
炭化処理できるので、さらに製造効率が向上する。なお
この発明でいう、炭化前の高分子系廃棄物を、製造する
活性炭に対応する大きさに破砕するとは、目的とする大
きさの活性炭を製造するために、炭化前の高分子系廃棄
物を、これ以上、破砕の必要のない大きさに、あらかじ
め破砕することをいう。
【0019】またこの発明においては、炭化炉での破砕
物の炭化により発生した排ガス中から可燃性の成分を回
収する排ガス処理装置を設け、かかる排ガス処理装置で
回収された可燃性の成分を燃料として、炭化炉および賦
活装置を運転するようにするのが好ましい。かかる構成
によれば、設備の起動時以外はほとんど外部から燃料を
補給することなく、活性炭を製造できるという利点があ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の活性炭製造設
備の実施の形態を、その一例を示す図面を参照しつつ説
明する。図1の活性炭製造設備は、主に廃タイヤP1を
原料として活性炭を製造するためのものであって、上記
廃タイヤP1を、製造する活性炭に対応する大きさに破
砕する破砕装置1と、この破砕装置1でえた、タイヤP
1の破砕物P2から、スチールワイヤ等の燃えない不純
物P3を除去する撰別装置としての磁撰機2と、磁撰機
2で燃えない不純物P3を除去した破砕物P4を炭化す
る炭化炉3と、この炭化炉3でえた炭化物を賦活して活
性炭Aを製造する賦活装置4と、炭化炉3での破砕物P
4の炭化により発生した排ガス中から可燃性の成分を回
収するとともに、上記炭化炉3および賦活装置4から出
る排ガスを処理した後、大気中へ放出するための排ガス
処理装置5とを備えている。
【0021】上記のうち破砕装置1は、廃タイヤP1を
受けるホッパ11と、このホッパ11の下方に配置され
た、互いに逆方向に回転して廃タイヤP1を破砕するた
めの、一対の破砕輪12,12とを備えている。また磁
撰機2は、上記破砕装置1でえた破砕物P2を搬送する
ベルト21と、このベルト21の上方に配置された電磁
石22とを備えており、ベルト21上を搬送される破砕
物P2から、電磁石22によって、スチールワイヤ等の
燃えない不純物P3を吸引除去して破砕物P4をえるも
のである。
【0022】上記破砕物P4を炭化させる炭化炉3はい
わゆるロータリーキルンであって、図2にも示すよう
に、軸線をほぼ水平に向けた筒状の炉本体31と、この
炉本体31の一端開口31aをふさぐように配置された
第1の枠体32と、上記炉本体31の他端開口31bを
ふさぐように配置された第2の枠体33とを備えてい
る。
【0023】また、第1の枠体32には、上記炉本体3
1に、一端開口31a側から破砕物P4を供給するため
の供給機34が設けられており、第2の枠体33には、
炉本体31に、他端開口31b側から熱風を送り込むた
めの熱源としての、バーナB1を備えた熱風室35が接
続されている。上記のうち第1および第2の枠体32,
33は、ともに図示しない基台上に固定されており、第
1の枠体32の上部には、破砕物P4を炭化させる際に
発生する揮発分や熱分解物等を含む排ガスを、排ガス処
理装置5へ送るための排気口32aが形成されている。
また第2の枠体33の下部には、処理後の炭化物を装置
外へ排出するための吐出口33aが設けられており、こ
の吐出口33aが、弁V1を介して、後述する賦活装置
4の供給機44と接続されている。
【0024】炉本体31は、その外周面の2個所に設け
た環状のタイヤ36,36を、前記基台上に回転自在に
配置されたローラ37,37に当接させることで、当該
ローラ37,37上に回転自在に載置されており、図示
しない動力源によって、軸線を中心として回転駆動され
る。また、上記炉本体31の内周面には、当該炉本体3
1の回転時に、一端開口31a側から供給機34によっ
て供給された破砕物P4をかく拌しつつ、他端開口31
b側へ連続的に搬送するためのらせん状の突状31c
が、両端開口31a,31b間に亘って形成されてい
る。
【0025】バーナB1は主に、炭化炉3での破砕物P
4の炭化により発生した排ガス中から、排ガス処理装置
5によって回収された可燃性の成分を燃料として運転さ
れる。ただし設備の起動時等において、上記可燃性の成
分が不足する場合を考慮して、バーナB1は、通常の石
油系燃料でも運転可能とするのが好ましい。上記炭化炉
3においては、まず炉本体31を一定速度で回転させる
とともに、バーナB1に着火する。図1,2中の符号f
1はバーナB1の炎を示している。
【0026】つぎに、供給機34によって、一端開口3
1a側から破砕物P4を炉本体31に供給すると、当該
破砕物P4は、前記らせん状の突条31cによってかく
拌されつつ、他端開口31b側へ搬送され、その際に、
前記バーナB1の炎によって熱風室35内で発生して、
炉本体31内に送り込まれた熱風と接触して、連続的に
炭化される。
【0027】そして、上記の炭化処理によってえられた
炭化物は、第2の枠体33の吐出口33aから、弁V1
を通して、次工程である賦活装置4に送られ、炭化の際
に発生した揮発分や熱分解物等を含む排ガスは、第1の
枠体32の排気口32aから、排ガス処理装置5へ送ら
れる。上記炭化炉3による炭化処理の条件はとくに限定
されないが、破砕物P4を炭化するための熱風の温度
は、炭化が不十分でタール分が発生するのを防止すると
ともに、炭化が進行しすぎて灰分が増加するのを防止す
べく、平均で800℃程度であるのが好ましい。
【0028】また上記熱風の温度は、より詳しくは、熱
風の入口でかつ炭化物の出口である炉本体31の他端開
口31bの近傍で900℃程度、炉本体31の中央部か
ら、熱風の出口でかつ破砕物P4の入口である一端開口
31aの近傍にかけての範囲で800℃程度とするのが
好ましい。このように、炭化物の出口である炉本体31
の他端開口31bの近傍をより高温にすれば、破砕物P
4の炭化をより一層確実に行えるという利点がある。
【0029】熱風の温度を調整するには、バーナB1の
火力および送風量を調整すればよい。また上記熱風は、
破砕物P4が燃焼して灰化するのを防止すべく、その余
剰酸素濃度が5%以下であるのが好ましい。熱風の余剰
酸素濃度を調整するには、バーナB1によって燃料を燃
焼させて熱風を発生させる際に供給する酸素量を調整す
ればよい。
【0030】さらに、上記熱風との接触による破砕物P
4の炭化時間は、炭化が不十分でタール分が発生するの
を防止するとともに、炭化が進行しすぎて灰分が増加す
るのを防止すべく、およそ30〜60分程度とするのが
好ましい。炭化時間を調整するには、炉本体31の回転
速度を調整するか、あるいは炉本体31の内面の突条3
1cの、らせんの角度を変更すればよい。
【0031】上記炭化炉3でえた炭化物を賦活させる賦
活装置4は、基本的には、炭化炉3と同様のロータリー
キルンである。すなわち図3にも示すように、軸線をほ
ぼ水平に向けた筒状の炉本体41と、この炉本体41の
一端開口41aをふさぐように配置された第1の枠体4
2と、上記炉本体41の他端開口41bをふさぐように
配置された第2の枠体43とを備えている。
【0032】また、第1の枠体42には、上記炉本体4
1に、一端開口41a側から炭化物を供給するための供
給機44が設けられており、第2の枠体43には、炉本
体41に、他端開口41b側から、上記炭化物を賦活さ
せるための、水蒸気を含む熱風を送り込むための熱源と
しての、バーナB2を備えた熱風室45が接続されてい
る。
【0033】上記のうち第1および第2の枠体42,4
3は、ともに図示しない基台上に固定されており、第1
の枠体42の上部には、炭化物を賦活させる際に発生す
る、気化物や熱分解物等を含む排ガスを、排ガス処理装
置5へ送るための排気口42aが形成されている。また
第2の枠体43の下部には、処理後の活性炭Aを、弁V
2を介して装置外へ排出するための吐出口43aが設け
られている。
【0034】炉本体41は、その外周面の2個所に設け
た環状のタイヤ46,46を、前記基台上に回転自在に
配置されたローラ47,47に当接させることで、当該
ローラ47,47上に回転自在に載置されており、図示
しない動力源によって、軸線を中心として回転駆動され
る。また、上記炉本体41の内周面には、当該炉本体4
1の回転時に、一端開口41a側から供給機44によっ
て供給された炭化物をかく拌しつつ、他端開口41b側
へ連続的に搬送するためのらせん状の突状41cが、両
端開口41a,41b間に亘って形成されている。
【0035】バーナB2は、炭化炉3のバーナB1と同
様に、主として、炭化炉3での破砕物P4の炭化により
発生した排ガス中から、排ガス処理装置5によって回収
された可燃性の成分を燃料として運転されるが、やはり
可燃性の成分が不足する場合を考慮して、通常の石油系
燃料でも運転可能とするのが好ましい。上記賦活装置4
の、炭化炉3との相違点は、炭化物を賦活させるための
水蒸気の元になる熱水を供給する配管48が、熱風室4
5に接続されている点である。
【0036】なお上記配管48は、図1に示すように排
ガス処理装置5に接続されており、後述するように、こ
の排ガス処理装置5において排ガスを処理する際に発生
する熱によって加熱された熱水が、配管48を通して熱
風室45に供給される。上記賦活装置4においては、ま
ず炉本体41を一定速度で回転させるとともに、バーナ
B2に着火する。そして、配管48から熱水を供給する
と、この熱水がバーナB2の炎f2と接触して、水蒸気
を含む熱風が発生する。
【0037】つぎに、供給機44によって、一端開口4
1a側から炭化物を炉本体41に供給すると、当該炭化
物は、前記らせん状の突条41cによってかく拌されつ
つ、他端開口41b側へ搬送され、その際に、前記熱風
室45内で発生して、炉本体41内に送り込まれた、水
蒸気を含む熱風と接触する。そして、炭化物粒子の表面
の約15〜30%が上記水蒸気と反応して気化して、当
該表面が多孔質化することで、炭化物が賦活される。
【0038】そして、上記の賦活処理によってえられた
活性炭Aは、第2の枠体43の吐出口43aから、弁V
2を通して装置外へ排出されて製品として回収され、賦
活の際に発生した気化物や熱分解物等を含む排ガスは、
第1の枠体42の排気口42aから、排ガス処理装置5
へ送られる。上記賦活装置4による賦活処理の条件はと
くに限定されないが、炭化物を賦活するための、水蒸気
を含む熱風の温度は、賦活が不十分になるのを防止すべ
く、平均で900℃程度であるのが好ましい。
【0039】また上記熱風の温度は、より詳しくは、水
蒸気を含む熱風の入口でかつ活性炭の出口である炉本体
41の他端開口41bの近傍で1000℃程度、炉本体
41の中央部から、水蒸気を含む熱風の出口でかつ炭化
物の入口である一端開口41aの近傍にかけての範囲で
900℃程度とするのが好ましい。このように、活性炭
の出口である炉本体41の他端開口41bの近傍をより
高温にすれば、炭化物の賦活をより一層確実に行えると
いう利点がある。
【0040】熱風の温度を調整するには、バーナB2の
火力および送風量を調整すればよい。熱風中に含まれる
水蒸気の量は、十分な賦活作用をえるために50%以上
であるのが好ましい。水蒸気の量を調整するには、配管
48から供給される熱水の量と、バーナB2火力および
送風量とを調整すればよい。
【0041】また上記熱風は、炭化物が燃焼して灰化す
るのを防止すべく、その余剰酸素濃度が5%以下である
のが好ましい。熱風の余剰酸素濃度を調整するには、バ
ーナB2によって油を燃焼させて熱風を発生させる際に
供給する酸素量を調整すればよい。さらに、上記熱風と
の接触による炭化物の賦活時間は、賦活が不十分になる
のを防止すべく、およそ30〜50分程度とするのが好
ましい。
【0042】賦活時間を調整するには、炉本体41の回
転速度を調整するか、あるいは炉本体41の内面の突条
41cの、らせんの角度を変更すればよい。前記炭化炉
3、および上記賦活装置4で発生した排ガスを処理する
ための排ガス処理装置5は、図4に示すように、炭化炉
3での破砕物P4の炭化により発生した排ガスを冷却水
によって冷却して、当該排ガス中から、可燃性の成分で
ある油分Jを回収するための冷却器51と、冷却器51
で回収された油分Jを貯蔵するための貯油槽52と、油
分を回収した後の排ガスを空気と混合して燃焼させると
ともに、この燃焼の炎によって、賦活装置4で発生した
排ガスを燃焼させた後、煙突53bを通して大気中に放
出する二次炉53とを備えている。
【0043】上記のうち貯油槽52に貯蔵された油分J
は、前記のように炭化炉3および賦活装置4のバーナB
1、B2に燃料として供給される。二次炉53は、炉本
体53aと、冷却器51で油分を回収した後の排ガスを
送風機b1からの空気と混合して、上記炉本体53a内
で燃焼させるバーナB3と、煙突53bとを備えてお
り、上記のうちバーナB3での燃焼により、炭化炉3に
おいて破砕物P4から発生した揮発分や熱分解物のう
ち、冷却器51で回収されずに排ガス中に残留した成分
が分解、除去される。
【0044】また賦活装置4で発生した排ガスは、図に
示すように二次炉53の炉本体53a内に供給され、バ
ーナB3の炎と接触して燃焼されて、当該排ガス中に含
まれる、炭化物賦活の際に発生する気化物や熱分解物が
分解、除去される。そして、上記二次炉53での燃焼に
より無害化された排ガスは、図中、白矢印で示すように
煙突53bを通って大気中に放出される。
【0045】また、上記煙突53bの途中には、水を、
当該煙突53b内を通る排気の熱によって加熱するため
の加熱器54が設けられており、この加熱器54で加熱
された熱水が、前述したように、炭化物を賦活させる水
蒸気を発生させるべく、賦活装置4の熱風室45に供給
される。図1の活性炭製造設備は、当該設備を構成する
上記各部がいずれもバッチ式でなく、連続式のものであ
るため、活性炭を連続的に製造できるという利点があ
る。ただしこの発明の活性炭製造設備を構成する破砕装
置、撰別装置、炭化炉、および賦活装置は、バッチ式で
あっても構わない。
【0046】その他、この発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の設計変更を施すことができる。
【0047】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の活性炭
製造設備によれば、たとえば廃タイヤや廃プラスチック
等の高分子系廃棄物から、従来に比べてより簡単な工程
で、高収率かつ経済的に、大きさや品質の揃った、高品
質の活性炭を製造できる。したがってこの発明は、上記
高分子系廃棄物の、有用な資源としての再利用を可能と
するという、特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の活性炭製造設備の、実施の形態の一
例を示すブロック図である。
【図2】図1の活性炭製造設備を構成する炭化炉の、断
面図である。
【図3】図1の活性炭製造設備を構成する賦活装置の、
断面図である。
【図4】図1の活性炭製造設備を構成する排ガス処理装
置のブロック図である。
【符号の説明】
1 破砕装置 2 撰別装置 3 炭化炉 31 炉本体 4 賦活装置 5 排ガス処理装置 P1 高分子系廃棄物 P3 不純物 P4 破砕物 A 活性炭

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子系廃棄物を炭化し、さらに賦活させ
    て活性炭を製造する活性炭製造設備であって、炭化前の
    高分子系廃棄物を、製造する活性炭に対応する大きさに
    破砕する破砕装置と、破砕装置でえた破砕物中に含まれ
    る燃えない不純物を除去する撰別装置と、不純物が除去
    された破砕物を炭化する炭化炉と、炭化炉でえた炭化物
    を賦活して活性炭化する賦活装置とを備えることを特徴
    とする活性炭製造設備。
  2. 【請求項2】炭化炉が、軸線をほぼ水平に向けた筒状の
    炉本体を備え、この炉本体を、上記軸線を中心として回
    転させることで、当該炉本体内に供給された破砕物をか
    く拌してその融着を防止しつつ、炉本体の一端から他端
    へ搬送しながら、当該炉本体内に送り込まれた熱風と接
    触させて連続的に炭化させるロータリーキルンである請
    求項1記載の活性炭製造設備。
  3. 【請求項3】炭化炉での破砕物の炭化により発生した排
    ガス中から、可燃性の成分を回収する排ガス処理装置を
    備えており、この排ガス処理装置で回収された可燃性の
    成分を燃料として、炭化炉および賦活装置が運転される
    請求項1記載の活性炭製造設備。
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