JP2001089120A - 活性炭のマイクロ波加熱装置 - Google Patents

活性炭のマイクロ波加熱装置

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JP2001089120A
JP2001089120A JP26847499A JP26847499A JP2001089120A JP 2001089120 A JP2001089120 A JP 2001089120A JP 26847499 A JP26847499 A JP 26847499A JP 26847499 A JP26847499 A JP 26847499A JP 2001089120 A JP2001089120 A JP 2001089120A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイクロ波を利用してリアクター内に被活性炭
を再生する場合、再生活性炭に焼きむらが出来、品質が
均一にならず、歩留まりが悪い欠点がある。 【解決手段】マイクロ波が入射する出力窓と対応する円
筒形状のリアクター5内に被活性炭6を配置しない空ス
ペースを設けて、被活性炭6に均一にマイクロ波を照射
して、焼きむらが無い、均一な品質の再生活性炭を生産
することが出来るようになり、再生活性炭の歩留が向上
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境衛生上の対策
から水処理プロセスで活性炭を投入してろ過する工程に
おいて、汚れた活性炭を抜き出して再生加熱し活性炭を
リサイクル利用に関し、特に上下水道プロセスに使用す
る活性炭のマイクロ波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上下水道では、河川などからの取水源よ
り集水しろ過して浄水供給する上水道施設、或いは有機
物処理して河川へ放流する下水道施設により、24時間
運転が一般的である。ここに、上水道施設で見ると、全
体プロセスのろ過池では粒状活性炭を用いて不純物をろ
過して浄化し、塩素殺菌処理して送水することになる。
【0003】従来、粒状活性炭ろ過池では、通水中に不
純物が蓄積して目詰まりを生ずるので、約1週間程度毎
に逆洗して不純物を取除く工程を有しているが、通水〜
逆洗サイクルを繰返しても1〜2年で不純物の除去率が
低下する。
【0004】従来の加熱再生設備構成を図7〜8で説明
する。
【0005】吸着設備15に活性炭15−1があって、
水処理ろ過を行っている。使用済活性炭19−1は、ホ
イストクレーン16で搬出し、水切り槽19で水をと
り、搬出トラック18で運搬し、加熱再生装置20で処
理する。加熱再生時の減量分を新炭21で追加し、再生
活性炭22として搬入トラック17により、再度吸着設
備15にて再使用する。
【0006】図8は加熱再生装置20の都市ガスによる
例である。使用済炭ホッパー23aは希釈水23bで混
合し、スラリー移送ポンプ23cで圧送して、スクリュ
ー脱水機23dで略々水切り後、再生加熱炉24の上部
より入れる。多段炉の側で中央の回転リンク24cで、
各段の回転アームで掻き寄せられて順次下の段に移動さ
せて、都市ガス24aを用いて燃料弁24bで加熱し、
上段より乾燥⇒炭化⇒賦活の順により、蒸気24eで賦
活処理して、クエンチタンク24fに落下させ、スラリ
ー移送ポンプ24gで再生炭タンク24hに貯蔵する。
炉の排ガスは2次燃焼炉25で再加熱し、プレクーラ2
6で冷却しスクラバー27で不純物を除去し、排ガスフ
ァン28により煙突29より排出する。軸冷却ファン2
4dは回転軸の冷却保持用である。
【0007】以上から判るように、従来の都市ガスによ
る被活性炭の加熱再生設備では、 (1)、設備面積が大きい。
【0008】(2)、都市ガスの燃焼により活性炭を加
熱する時に有害ガス(例えばNOXなどの窒素酸化物ガ
ス)も排煙されるので、環境対策のガス処理付帯設備が
大きく高価である。
【0009】(3)、従来の多段炉のように回転しなが
らかき落して、被活性炭を加熱しながら下段で蒸気賦活
させているので、被活性炭が高熱でかきまわされ破損
し、活性炭量は約1割程度減量するから、再生歩留まり
が悪かった。
【0010】その他の公知の外部加熱再生法としては、
例えば、日本水道協会(昭和63年3月発行)の「高度
上水施設技術資料(活性炭処理施設)」により、再生加
熱法が詳述されており、加熱源は都市ガスなどの燃料あ
るいは、電気炉による加熱が採用されている。
【0011】加熱源として都市ガスを用いる場合では、
前述の如く活性炭を外部加熱する為に均一化するのに回
転機構が必要となり、且つ2次燃焼器を外部に設けてス
クラバーで不純物のガス分離を行ってから排煙させる方
法で、付帯設備が大規模となっている。電気炉法では活
性炭間に電極を設け通電して、活性炭の抵抗により生ず
るジュール熱により、活性炭を加熱するもので、付帯設
備は小さくなるが、加熱効率が悪い欠点があった。
【0012】従来の都市ガスによる外部加熱再生設備で
は、設備面積が大きく特に排ガス処理の付帯設備も大き
い。また、被活性炭を機械的にかき落とす加熱工程構造
となっているため、粒状(約φ1mm程度)の活性炭が
摩耗して粉末化するので、再生歩留まりが悪い。
【0013】一方、特開昭50−152994号公報特
開昭53−9293号公報、特開平6−31163号公
報には、被活性炭を容器に収納し、容器の外側に設けた
マイクロ波発振器からのマイクロ波を被活性炭に照射
し、被活性炭の微粒子の分子振動による発熱で温度上昇
させ、被活性炭の汚染を炭化させて、再生活性炭として
使用する案が提案されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
マイクロ波加熱装置では再生活性炭にむらのある加熱に
なり、品質が均一にならず、しかも歩留まりが悪くなる
と考えられる。
【0015】本発明の目的は、再生活性炭の均一な品質
と歩留まりを向上した活性炭のマイクロ波加熱装置を提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載した活性炭のマイクロ波加
熱装置は、被活性炭を収納し、且つ内部にマイクロ波を
共振する形状を有するリアクターと、リアクターの出力
窓からリアクター内にマイクロ波を照射するマイクロ波
発振器とを備え、出力窓と対応するリアクター内に被活
性炭を置かない空スペースを設けることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項2に記載した活性炭のマイ
クロ波加熱装置は、出力窓と対応するリアクター内に被
活性炭を置かない空スペースを設け、この空スペースに
断熱材から成る賦活用水タンク容器を配置し、賦活用水
タンク容器の水を被活性炭に吹き付けるすることを特徴
とする。
【0018】本発明の請求項3に記載した活性炭のマイ
クロ波加熱装置は、出力窓と対応するリアクター内に被
活性炭を置かない空スペースと、この空スペース以外に
被活性炭を収納した活性炭収納断熱ケースを配置し、活
性炭収納断熱ケース内の排気ガスをリアクターに設けた
排気穴から別置きした賦活用水タンク内の水を温め、マ
イクロ波発振器が停止した時に吐出弁が開いて、温水を
加熱した被活性炭に吹き付けることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項4に記載した活性炭のマイ
クロ波加熱装置は、被活性炭を収納した活性炭収納断熱
ケースを被活性炭に付着している水分を排水するように
傾斜させて配置することを特徴とする。
【0020】本発明の請求項5に記載した活性炭のマイ
クロ波加熱装置は、出力窓をリアクターの一方端側に設
けることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記
載にある。
【0021】本発明の請求項6に記載した活性炭のマイ
クロ波加熱装置は、出力窓と対応するリアクター内に賦
活用水タンクを設け、賦活用水タンクの反対側に被活性
炭の収納手段を設けることを特徴とする請求項1から3
のいずれか1項記載にある。
【0022】本発明の請求項7に記載した活性炭のマイ
クロ波加熱装置は、活性炭収納断熱ケース及び活性炭収
納断熱ケースを開閉する蓋との材質は活性炭を加熱した
熱がリアクターに伝達されるのを少なくする断熱材とマ
イクロ波を透過する透過性とを兼ね備えていることを特
徴とする請求項3又は4記載にある。
【0023】本発明の請求項8に記載した活性炭のマイ
クロ波加熱装置は、賦課用水タンクを配置し、賦活用水
タンクの水を被活性炭に吹き付ける位置より高い位置に
配置することを特徴とする請求項2又は3記載にある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1〜
6により説明する。
【0025】マイクロ波の発生原理は、基本的には高圧
電源1によりAC200VよりDC20〜25kVに変
換し、マイクロ波発振器2に給電し、電子銃で中空電子
ビームを発生させて、共振空洞で高周波電磁界と相互作
用させ電子ビームをコレクターで回収し、発生した電磁
波を導波管3により、ガイドしてリアクター5の出力窓
4よりマイクロ波をリアクター5内に導くものである。
【0026】身近なマイクロ波源は家庭用電子レンジが
普及しており、2.45GHz管を用いている。我々の
実験では、2.45GHz、500Wのマイクロ波加熱
は可能であるが、活性炭は電気の良導体であることか
ら、粒子同士の接触具合によりアーク放電が生ずるの
で、分散配置が必要である。マイクロ波加熱の原理はミ
リ波電波エネルギーを熱エネルギーに転換するもので、
対象物の固有の誘電体損(tanδ)が大きい程熱エネ
ルギー変換量が多い。
【0027】活性炭はtanδ≒0.1前後であったの
で、誘電体中で熱変換される電力損失P0は、
【0028】
【数1】 P0=(1/1.8)×周波数(f)×電界強さ(V2)×比誘電率(εr) ×tanδ×10~10(W/cm3)…(数1) で与えられるから、f=28GHzで湿潤活性炭を加熱
テストしたところ、2kWマイクロ波出力では、約40
分で950℃に均一昇温させることができた。よって、
リアクター内の電界が均一な部分に対象の活性炭を置け
ば均一加熱されることが判った。
【0029】
【数2】 尚、電力半減深度D≒3.32×107/(f・√εr・tanδ)(m)…( 数2) となり、f=28GHz一定として、tanδ≒0.1
の活性炭の均一加熱する為には、テストによりD≦20
0mmであった。このことは、リアクター内にD>20
0mmの活性炭深さとすると、均一に加熱されないこと
を示し、ケース内に活性炭を実装配置寸法に制限がある
ことを示していることが判った。
【0030】図1において、リアクター5は、共振形状
より円筒形となり、中央Y−Y’とX−X’とでマイク
ロ波の電界強度(W/cm2)を説明すると、出力窓4
の直下部分(X−X’の左側)が高い電界強度となり、
右側に移るに従い均一の電界強度分布となる。従って、
被活性炭6は電界強度が均一の領域に設けることで、加
熱再生温度制御が容易となり、被活性炭の再生加熱条件
が均一となって、再生品質が安定する(被活性炭6の温
度は、温度計9により実測している)。収納ケース6−
1の上部空間より被活性炭6の排ガスは、上昇して排気
口5−3にて取出される。出力窓4の下部領域は電界強
度が高く、被活性炭6を設置できない空スペース5Xと
なっている。
【0031】このように本発明では、空スペース5Xに
被活性炭6を配置した場合に比べて、被活性炭6には、
均一の電界強度が透過されから、被活性炭6は均一に加
熱され、加熱むらがなく、品質が均一になり、再生活性
炭の製品歩留まりも向上した。
【0032】又、空スペース5Xに賦活用水タンク7を
配置し、再生工程の終段で蒸気賦活させる温水として用
いると、賦活時間を長くできるので、良く被活性炭を清
掃できる。賦活用水タンク7の温水は、水取出し口5−
4より外部に一度引き出して後述する弁制御を介して、
再び水送出口5−5より入れて、収納ケース6−1内の
底部に配置した細孔水パイプ6−2に与えて賦活蒸気化
させるものである。
【0033】尚、マイクロ波出力は高圧電源1内の直流
電源の電流を増減して行うが、賦活用水タンク7のマイ
クロ波電力消費を減らす為に、リアクター5の外部にお
いても、同様の賦活用水タンクとなり、内部に電気ヒー
タで加熱して温水としておいても同じ効果が得られる。
【0034】図2は本発明のマイクロ波加熱装置の全体
構成説明図である。リアクター5内に被活性炭6と賦活
用水タンク7とを収納配置する。被活性炭6を収納ケー
ス内6−1に入れ、下端側に複数個の細孔水パイプ6−
2を配置し、開閉扉5−1側が手前側に開く、開閉蓋6
−3により収納されていることと、上蓋6−4とで断熱
して排ガスすることができる。図2及び図4(a)では
賦活用水タンク7と収納ケース内6−1とは同じ高さに
記載されているが、実際には賦活用水タンク7の水位は
収納ケース内6−1の水位より高く、賦活用水タンク7
の温水が収納ケース内6−1に流れる落差を有する。
【0035】賦活用水タンク7は外部からの補給水の為
の給水弁7−1と下部より外部に引出した配管により、
吐出弁7−2を介して、細孔水パイプ6−2に給水す
る。再生活性炭6の温度は、温度計9により測温し、監
視制御部12に入力して、高圧電源1の直流発生部にて
電流制御し、マイクロ波出力の増減制御をフィードバッ
ク自動制御させるものである。
【0036】被活性炭6の投入は、リアクター上部の活
性炭ホッパー10に充填しておき、投入弁10−1を開
すると、ガイド10−2より上蓋6−4を経由して、内
部に自然落下させる。加熱に伴う排ガス類は、排気口5
−3の外側で分岐して排ガス処理装置11により無害化
して外部放出させる。つまり、排気ガスはオゾンガス
(OZNより)を混合(MIX)して、酸化反応して無
害化してから、オゾン側熱交換器11Aにより低温ガス
化してファン(F)により、外部へ吸引排出する。オゾ
ン濃度計(M)は、0.05ppm以下となるようにオ
ゾン発生器(OZN)へ入力して、自動的にオゾン発生
量を増減して、最適量のオゾンを(MIX)で混合反応
させる。
【0037】次に、図3の被活性炭6の物理的状況を説
明した再生順序工程(A〜E)順に従い図2のシーケン
シャル制御を監視制御部12で行う場合を説明する。
【0038】即ち、工程(A)では、マイクロ波発振器
2よりマイクロ波出力例えばPo=1kWをONする
と、排気ガス処理装置11が運転開始する。図1に示す
ように空スペース5X以外には均一なマイクロ波が被活
性炭6に照射される。被活性炭6の温度は温度計9によ
り測温されている。
【0039】工程Aでは、マイクロ波加熱されていても
被活性炭の付着含有水分が蒸発しているので、TA=1
00℃で水分蒸発が進行する。水分蒸発がなくなると、
急激に温度上昇してゆくが、T1=500℃となるよう
に後述の制御部でマイクロ波出力を制御しているので、
活性炭に含有している湿潤水分が蒸発し終わるまで、1
00℃となっている。
【0040】蒸気水分がなくなると急に、温度上昇しT
1=500℃となったら、監視制御部12によりマイク
ロ波出力Poは自動制御に入って、T1=500℃一定
となるようマイクロ波出力が増減する状態となる。
【0041】工程Bでは、TB=500℃となり被活性
炭6の表面付着物、特に低沸点有機物の炭化、脱離が生
じ炭化蒸発してゆく。つまり、工程(B)では、活性炭
に付着した有機物などの成分が脱着、脱離、炭化して、
一部が排ガスとして排気する。
【0042】次に、工程(C)では、マイクロ波出力例
えばPo=2kWに上昇すると、温度T2が850±5
0℃となる。温度一定制御に入ると活性炭付着物は酸化
ガスとして排気されるが、活性炭粒子内部の細孔内は排
気されにくい。つまり、マイクロ波出力を増加して、T
2=850℃とすることで、工程Cでは更に内孔付着物
も炭化脱離して重縮合して炭化蒸発してゆく。
【0043】工程(D)では、監視制御部12よりマイ
クロ波発振器2を停止すると共に、吐出弁7−2を開と
し、Po=0とすると、既にマイクロ波加熱で賦活用水
タンク7の水が高温水となり、直ちに収納ケース6−1
の下部側の細孔水パイプ6−2より噴出した高温水を、
加熱された活性炭6に吹き付けると、直ちに水蒸気化し
て粒状の活性炭内を噴出上昇し乍ら、活性炭粒内の細孔
内で(Cn+H2O)反応して、排ガスされるので賦活
化できる。
【0044】即ち、工程Dではマイクロ波出力を零とし
て、直ちに賦活用水タンク7からの温水を与えると、即
蒸気吹込みとなり被活性炭6の粒子間を上昇して、排気
口5−3に排ガスされる時に被活性炭6の表面や内孔の
炭化付着物を脱離して、H2O、CO2ガスとして排出
し、蒸気清掃脱離が行われるので、品質の良い再生活性
炭を生産することができる。つまり、被活性炭6はマイ
クロ波出力の零と細孔水パイプ6−2より噴出した高温
水とにより冷却され、高温水が内孔に浸入しやすくな
り、内孔に浸入した高温水は高温水のため、すぐに蒸発
し、その蒸気圧で蒸発水が噴射し、内孔の炭化付着物を
一緒に外部に排出するので、内孔を清掃した品質の良い
再生活性炭を生産することができる。被活性炭6に吹き
付けるのは水でもよいが、被活性炭6はマイクロ波出力
の零で下からの高温水により冷却され、温度が低下する
が、高温水は直ちに内孔で蒸発しやすいから、水より高
温水の方が余分に低下せずに賦活時間が長くなるので、
清掃脱離に好適となる。
【0045】更に工程Dでは、吐出弁7−2を閉とする
と、水蒸気化が止まり乾燥のままの被活性炭が100℃
以上として保持できる。なお乾燥したままの被活性炭と
して搬出する場合で、多少の水分が残留してもよい時
は、マイクロ波出力Poがoffと同時に、一定時間後
(RTとなるまで)に吐出弁7−2を閉としてもよい。
【0046】工程(E)の冷却工程では、まだ高温の賦
活化された活性炭であるので、開閉扉5−1より危険で
搬出できないので、強制的に空気圧タンク8の室温空気
を用いて、給気弁8−1を開(吐出弁7−2は閉)する
と、細孔水パイプ6−1より冷却空気が活性炭内を拡散
上昇して冷却し、付着ガスを排気し、室温(RT)にな
る。その後、開閉扉5−1を開けてから、ケースの開閉
板6−3を手前側に開いて活性炭6を搬出装置13にか
き出すことになる(尚、給水弁7−1を開のまま室温ま
でにしても良いが、その時は排水弁5−2を開として不
要な水を外部へ排水しても良い)。つまり、室温(R
T)まで被活性炭6を冷却する為に空冷して室温RTと
なると、再生活性炭を完成品として取出すことができ
る。
【0047】図4(a)の実施例はリアクター5の外側
に賦活用水タンク7を配置し、賦活用水タンク7には排
気口5−3からの高温のH2O、CO2ガス等の排気ガス
を排気弁10−4より、高温の排気ガスを熱交換器7A
で低温化し、外部冷水の為のドレン生成は排気函7−4
で補集する。排気函7−4は排気ガスとオートドレン弁
7−5で通常外部に捨てる水とに分離している。
【0048】その結果、賦活用水は温水と成って、吐出
弁7−2により細孔水パイプ6−2を介して収納ケース
6−1内に送水する。又賦活用水タンク7をリアクター
5の外側に配置して、マイクロ波の対策を必要としない
ようにし、断熱材たとえばセラミク材などの高価な材料
でなく普通の材料例えば鉄板を使用できるようにしたか
ら、経済的であるばかりか、また賦活用水タンク7の製
作が容易である。更に、排気ガスは賦活用水タンク7で
冷却されているから、オゾン側熱交換器11Aは容量の
小さい機器を使用できる。オゾン側熱交換器11Aから
の排気ガスはオゾン(OZN)で臭気をなくす為に、ミ
キサー11Bで混合して、外部に排気して公害にならな
いようにしている。
【0049】更に、賦活用水タンク7の底面が細孔水パ
イプ6−2よりも高く(Δh)設けることにより、賦活
工程時吐出弁7−2を開して細孔水パイプ6−2に温水
を供給するが、自然落差で無くなるまで、温水を供給す
ることができるから、一定量の温水をその都度計量する
ことなく供給できるので、吐出弁7−2の制御は簡単と
なる。
【0050】図4(b)はリアクター5内に3個の収納
ケース6−1a,6−1b,6−1cを配置した場合、
中央の収納ケース6−1aに被活性炭6が集中しないよ
うに調整ロッド10−3を設けて、各収納ケース6−1
aに被活性炭6が均一に収納出来るようにしている。ま
た再生活性炭6a,6b,6cの真上にガイド10−2
を設け、均等に再生活性炭を落下させる。均等3分流す
る為に中間部の調整ロッド10−3を上下して通路面積
を換えて調整する。
【0051】尚、投入弁10−1と排気弁10−4とを
分岐して排気ガス処理装置11へ接続することにより、
活性炭の投入口と排気ガスの為の排気口とを共有する構
造例により、リアクタータンクのフランジ数を減少する
効果が得られた。
【0052】図5(a),(b),(c)は、リアクタ
ー5内の被活性炭6の配置を示したものである。図5
(b)のA−A’視図は円筒形状リアクターの上部より
みた平面図で3分割に収納ケース6−1a、6−1b、
6−1cとして配列し、各収納ケース6−1の下端側に
2本の細孔水パイプ6−2が配置され、計6本がケース
左側で一括して外部に導き吐出弁7−2端に至るように
接続される。
【0053】図5(c)のB−B’視図は、円筒形状リ
アクターの開閉扉5−1側よりみた断面図で3分割の収
納ケース6−1a、6−1b、6−1cとして配列され
る。ここに、活性炭の深さは、前述の電力半減深度D
(式2)よりD=200mmとしなければならないの
で、B−B’視図のように段差ある配置となる。また巾
と長さ寸法はリアクター寸法において、電界強度が均一
の範囲まで許容されるから、収納ケース6−1を1ヶと
して3ヶに分割しなくてもよい。尚、賦活用水タンク7
は、マイクロ波電力消費を軽減する為にスペース上リア
クター5の外部においても差しつかえない。
【0054】図6(a),(b)は、被活性炭6の収納
ケース6−1形状を説明するもので、低誘電損失tan
δの小さい材料(例えば、テフロン・石英・ポリエチレ
ン・アルミナ材)としてケース類を断熱構成する。収納
ケース6−1の右側は可動できる開閉蓋6−3があっ
て、蝶番6−5により前後方向に可動できる。収納ケー
ス6−1の下側には細孔水パイプ6−2が複数本配置
し、細孔からは温水(賦活水蒸気化用のため)或いは空
気(冷却用のため)が排出するパイプであって、収納ケ
ース6−1外は配管として取出し、図4(a)の外部に
ある吐出弁7−2側に接続される。
【0055】細孔水パイプ6−2はマイクロ波を反射す
る材料で、例えばSUS材であってもよい。この収納ケ
ース6−1は傾斜させて(傾斜角度θ)配置する。傾斜
は収納ケース6−1が傾斜する台を配置したり、或いは
収納ケース6−1を傾斜させる昇降自在な支持棒をリア
クター5内に設ける。いずれもステンレス材を使用す
る。傾斜角度θにより被活性炭6が湿潤状態のとき自然
に水きりされて排出するが、蝶番6−5と開閉蓋6−3
との隙間より漏水するので、収納ケース6−1内には水
が溜まらないので、加熱時に余分な温水がなく、早く昇
温させることができた。本発明は電気消費料も水切りを
しない場合に比べ、安く出来る。上蓋6−4aは断熱性
があって、被活性炭6との空間スペースで排ガスの為の
エリアを設けている。尚、冷却時に上蓋6−4aを上部
にあげる構造として冷却しても良い。
【0056】リアクター5は図2、図4(a)のように
下部において排水弁5−2を設けて、収納ケース6−1
からの漏水を外部に捨てることができる。また、賦活用
水タンク7の底面が細孔水パイプ6−2よりも高く(Δ
h)設けることにより、賦活工程時に吐出弁7−2を開
いて、細孔水パイプ6−2に温水を供給するが、自然落
差で無くなるまで、温水を供給することができるから、
一定量の温水をその都度計量することなく供給できるの
で、吐出弁7−2の制御は簡単となる。また、賦活用水
タンク7の温水が上昇し、水蒸気圧が過大となるとき
は、安全弁7−3を外部に設けて安全対策する。
【0057】更に、本発明の実施例による効果を挙げる
と、次のようなことが考えられる。
【0058】(1)リアクターとマイクロ波発振器だけ
で活性炭を再生できるから、従来の活性炭再生装置に比
べて大幅に設備面積を縮小出来るばかりか、また再生活
性炭のランニングコストを安くすることができる。
【0059】(2)マイクロ波の出力窓をリアクターの
一方端側に設けることにより、リアクター内でマイクロ
波が広がる範囲を広く出来るから、出力窓をリアクター
の中央に設けた場合に比べて、再生活性炭を多く生産で
きる。
【0060】(3)出力窓と対応するリアクター内に賦
活用水タンクを設け、賦活用水タンクの反対側に被活性
炭の収納手段を設けることにより、リアクターの片端か
らの被活性炭の出入が容易にできるので、再生活性炭の
作業能率がよい。
【0061】(4)リアクターに排ガス口と賦活用水口
とを設けることにより、活性炭を加熱時に発生するガス
と、被活性炭内を清掃する時の発生するガスとを逃す排
気口をもうけないと、リアクター内の蒸気圧が高くな
り、リアクターの機械的強さを増さなければならず、コ
スト高となる。
【0062】(5)活性炭収納ケース及び活性炭収納ケ
ースを開閉する蓋との材質は活性炭を加熱した熱がリア
クターに伝達されるのを少なくする断熱性と、マイクロ
波を透過する透過性とを兼ね備えていることにより、前
記材質を使用しないと、活性炭収納ケースにマイクロ波
が吸収されて、被活性炭の温度を再生に必要なレベルに
上昇させることが出来ない。
【0063】(6)被活性炭に付着している水分を排水
するために活性炭収納ケースを傾斜して配置することに
より、被活性炭に付着した水分を排水しやすくして、排
水した分だけマイクロ波発振器の電力消費量を少なくで
きる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、マイク
ロ波を入射するリアクターの出力窓と対応するリアクタ
ー内に被活性炭を設置しない空スペースを設けたので、
被活性炭に均一なマイクロ波を入射出来るようになり、
空スペースを設けない場合に較べて、本発明の再生活性
炭は焼きむらが無く、品質の均一な再生活性炭を歩留ま
り良く生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す活性炭のマイクロ波加
熱装置の側断面図。
【図2】図1の被活性炭の再生加熱工程の構成図。
【図3】ろ過池に使用する活性炭のリサイクルの為の再
生加熱順を説明する図。
【図4】(a)及び(b)は被活性炭の再生加熱工程の
構成図及び同図(a)のA−A´線断面図。
【図5】(a)と(b)及び(c)は被活性炭の再生加
熱工程の構成図及び同図(a)のA−A´線断面図及び
同図(a)のB−B´線断面図。
【図6】(a)及び(b)と(c)は図1に使用した収
納ケースの側断面図及び同図6(a)を傾けた時の側断
面図と同図(b)の部分側断面図。
【図7】従来のろ過池に使用する活性炭のリサイクル順
を説明する再生加熱装置の説明図。
【図8】従来の再生加熱装置(都市ガス利用法)の構成
を説明する構成図。
【符号の説明】
1…高圧電源、2…マイクロ波発振器、3…導波管、4
…出力窓、5…リアクター、5−1…開閉扉、5−2…
排水弁、5−3…排気口、5−4…水取出口、5−5…
水送出口、5X…空スペース、6…被活性炭、6−1…
収納ケース、6−2…細孔水パイプ、6−3…開閉蓋、
6−4…上蓋、6−5…蝶番、7…賦活用水タンク、7
−1…給水弁、7−2…吐出弁、7−3…安全弁、8…
空気圧タンク、8−1…給気弁、9…温度計、10…活
性炭ホッパー、10−1…投入弁、10−2…ガイド、
10−3…調整ロッド、10−4…排気弁、11…排ガ
ス処理装置、12…監視制御部、13…搬送装置、15
…吸着設備、15−1…活性炭、16…ホイストクレー
ン、17…搬入トラック、18…搬出トラック、19…
水切り槽、19−1…使用済活性炭、20…加熱再生装
置、21…新炭、22…再生活性炭、23…使用済炭処
理装置、23a…使用炭ホッパー、23b…希釈水、2
3c…スラリー移送ポンプ、23d…スクリュウー脱水
機、24…再生加熱炉、24a…都市ガス、24b…燃
焼弁、24c…回転リンク、24d…軸冷却ファン、2
4e…蒸気、24f…クエンチタンク、24g…スラリ
ー移送ポンプ、24h…再生炭タンク、25…2次燃焼
炉、26…プレクーラ、27…スクラバー、28…排ガ
スファン、29…煙突。
フロントページの続き (72)発明者 中沢 正光 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分事業所内 (72)発明者 山下 正幸 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分事業所内 (72)発明者 塩野 繁男 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分事業所内 (72)発明者 尾谷 正彦 大阪府大阪市中央区谷町2丁目3番4号 大阪府水道部内 Fターム(参考) 4D024 AA04 AA05 BA02 DB06 DB10 4G046 HC15 HC18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被活性炭を収納し、且つ内部にマイクロ
    波を共振する形状を有するリアクターと、リアクターの
    出力窓からリアクター内にマイクロ波を照射するマイク
    ロ波発振器とを備え、出力窓と対応するリアクター内に
    被活性炭を置かない空スペースを設けることを特徴とす
    る活性炭のマイクロ波加熱装置。
  2. 【請求項2】 被活性炭を収納し、且つ内部にマイクロ
    波を共振する形状を有するリアクターと、リアクターの
    出力窓からリアクター内にマイクロ波を照射するマイク
    ロ波発振器とを備え、出力窓と対応するリアクター内に
    被活性炭を置かない空スペースを設け、この空スペース
    に水の入った賦活用水タンクを配置し、賦活用水タンク
    の水を被活性炭に吹き付けることを特徴とする活性炭の
    マイクロ波加熱装置。
  3. 【請求項3】 被活性炭を収納し、且つ内部にマイクロ
    波を共振する形状を有するリアクターと、リアクターの
    出力窓からリアクター内にマイクロ波を照射するマイク
    ロ波発振器とを備え、出力窓と対応するリアクター内に
    被活性炭を置かない空スペースと、この空スペース以外
    に被活性炭を収納した活性炭収納断熱ケースを配置し、
    活性炭収納断熱ケース内の排気ガスをリアクターに設け
    た排気穴から別置きした賦活用水タンク内の水を温め、
    マイクロ波発振器が停止した時に吐出弁が開き、温水を
    加熱した被活性炭に吹き付けることを特徴とする活性炭
    のマイクロ波加熱装置。
  4. 【請求項4】 被活性炭を収納し、且つ内部にマイクロ
    波を共振する形状を有するリアクターと、リアクターの
    出力窓からリアクター内にマイクロ波を照射するマイク
    ロ波発振器とを備え、被活性炭を収納した活性炭断熱収
    納ケースを被活性炭に付着している水分を排水するよう
    に傾斜させて配置することを特徴とする活性炭のマイク
    ロ波加熱装置。
  5. 【請求項5】 出力窓をリアクターの一方端側に設ける
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の
    活性炭のマイクロ波加熱装置。
  6. 【請求項6】 出力窓と対応するリアクター内に賦活用
    水タンクを設け、賦活用水タンクの反対側に被活性炭の
    収納手段を設けることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれか1項記載の活性炭のマイクロ波加熱装置。
  7. 【請求項7】 活性炭収納ケース及び活性炭収納ケース
    を開閉する蓋との材質は活性炭を加熱した熱がリアクタ
    ーに伝達されるのを少なくする断熱性とマイクロ波を透
    過する透過性とを兼ね備えていることを特徴とする請求
    項3又は4記載の活性炭のマイクロ波加熱装置。
  8. 【請求項8】 賦活用水タンクを配置し、賦活用水タン
    クの水を被活性炭に吹き付ける位置より高い位置に配置
    することを特徴とする請求項2又は3記載の活性炭のマ
    イクロ加熱装置。
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