JPH09226546A - アンチロックブレーキシステム - Google Patents

アンチロックブレーキシステム

Info

Publication number
JPH09226546A
JPH09226546A JP3829996A JP3829996A JPH09226546A JP H09226546 A JPH09226546 A JP H09226546A JP 3829996 A JP3829996 A JP 3829996A JP 3829996 A JP3829996 A JP 3829996A JP H09226546 A JPH09226546 A JP H09226546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle body
wheel
speed
wheel speed
output signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3829996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3520885B2 (ja
Inventor
Yoshiro Irie
喜朗 入江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP03829996A priority Critical patent/JP3520885B2/ja
Publication of JPH09226546A publication Critical patent/JPH09226546A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3520885B2 publication Critical patent/JP3520885B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 登坂路においても車体停止状態を安定的に維
持することができるアンチロックブレーキシステムを提
供すること。 【解決手段】 車輪速センサからの出力信号および車体
加速度センサからの出力信号に基づいて推定車体速度を
算出し、車輪速センサからの出力信号に基ずいて算出し
た車輪速と推定車体速度とに基づいて車輪のスリップ関
連量を算出した後、スリップ関連量が所定値以下になる
ようにブレーキ油圧回路のホイールシリンダの増減圧制
御を行う制御手段を備えたアンチロックブレーキシステ
ムにおいて、制御手段が車体の停止を判定する手段を備
えており、ブレーキ操作中に車体停止判定手段が車体停
止と判定した時にはホイールシリンダの油圧を車体停止
可能な圧力に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体制動時の車輪
ロックを防止するためのアンチロックブレーキシステム
(ABS)に関するものであり、特に、車輪速センサお
よび車体加速度センサからの出力信号に基づいて制御を
実行するABSに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ABSは一般に、車輪速と推定車体速度
に基づいて車輪のスリップ関連量を算出し、このスリッ
プ関連量が所定値以下になるようにブレーキ油圧回路の
ホイールシリンダの増減圧制御を行うものである。推定
車体速度の算出には、車輪速と車体加減速度から推定車
体速度を算出するものがある。従動輪を備えた車両の場
合には、従動輪の車輪速から車体速度を比較的精度よく
推定することが可能である。これに対して、全輪が駆動
輪である4輪駆動方式の車両(4WD車)の場合には、
全輪にエンジン・パワートレイン系のイナーシャが加わ
るために路面のμによっては全輪がスリップ状態になる
ことが考えられる。そのため、この種の車両に対するA
BSは、車輪速から推定した車体速度に車体加速度セン
サ出力に基づく制限を設ける、すなわち、車輪速と車体
加減速度から推定車体速度を算出することが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、車輪速と車
体加減速度から推定車体速度を算出するABSが搭載さ
れている車両の場合には、登坂路において緩制動操作を
行って停止しようとしたときに、僅かなずり下がりが生
じることがあった。
【0004】図5は、この従来のABSが搭載されてい
る車両のずり下がり現象を示すタイミングチャートであ
る。同図において、実線1は加速度センサ出力に基づく
加減速度値Gを示し、実線2は車両加減速度を示し、実
線3はABSが作動中か否かを示し、実線4は車輪速を
示し、破線5は推定車体速度を示している。また座標は
横軸に時間をとり、縦軸に速度vをとっている。なお、
実線1の加減速度値Gは、低G、中G、高Gの3段階の
値をとり、加速・減速の区別がない。また、実線4の車
輪速については前進・後退の区別がない。
【0005】この図は、坂道を登坂している車両が時刻
t1において緩制動を開始した場合を示しており、車両
加減速度を示す実線2から判るように時刻t1から減速
状態に入り、加速度センサ出力1が中Gから低Gに移
る。時刻t2では車輪速4と推定車体速度5との差がA
BS作動しきい値6を越えたため、実線3で示すように
ABSがオンして、ホイールシリンダの油圧を減圧する
制御が開始される。その後ホイールシリンダの減圧制御
が行われつつも登坂であるために時刻t3では車輪速が
零となるが、推定車体速度5は未だ高い値を示している
ためABSの作動状態が維持される。そのため、車体が
後退し後退速度と推定車体速度とが一致する時刻t4で
ABSがオフされる。そして、時刻t5で停止する。
【0006】このように、時刻t3から時刻t5おい
て、車体の僅かなずり下がりが生じるのは、推定車体速
度が実際の車体速度と遊離して緩制動であるにもかから
わずABSが誤って作動してしまうことに起因し、この
遊離が生じるのは、加速度センサが坂道走行のためにG
sinθ(但し、Gは重力加速度であり、θは坂道の登り
角度)だけオフセットするからである。図6は、推定車
体速度と実際の車体速度とが遊離する理由を説明するた
めの図である。車輪速に基づく時刻t7における推定車
体速度10が時刻t6での加速度センサの出力値に基づ
く下限13および上限14の範囲内であれば、それがそ
のまま推定車体速度として採用される。なお、加速度セ
ンサが高Gを示せば下限13と上限14による範囲角度
は広く設定され、低Gを示せば狭く設定される。また、
登坂走行の場合にも、加速度センサによる制限値はオフ
セットにより狭く設定され、下限13が下限15に、上
限14が下限16にそれぞれ誤ってしまう。これにより
推定車体速度10は推定車体速度12に補正され、実際
の車体速度と遊離してしまうのである。
【0007】このような問題に対して、特開昭64−6
3456号の発明では、前後Gセンサの出力を常時所定
値だけ補正している。しかし、この方法では、坂路によ
るオフセット分を正確に検出できないため、実際には車
体が停止してるにも拘らず車体速算出値が零とならない
ことがあり、この場合に減圧制御されるとずり下がりを
防止できない。
【0008】本発明は、車輪速センサからの出力信号お
よび車体加速度センサからの出力信号に基づいて推定車
体速度を算出するABSにおいて、その搭載車両が登坂
路における緩制動による停止を行った場合でも、車両の
ずり下がりが生じないABSを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のアンチロックブ
レーキシステムは、車輪速センサからの出力信号および
車体加速度センサからの出力信号に基づいて推定車体速
度を算出し、車輪速センサからの出力信号に基ずいて算
出した車輪速と前記推定車体速度とに基づいて車輪のス
リップ関連量を算出した後、スリップ関連量が所定値以
下になるようにブレーキ油圧回路のホイールシリンダの
増減圧制御を行う制御手段を備えたアンチロックブレー
キシステムにおいて、制御手段が車体の停止を判定する
手段を備えており、ブレーキ操作中に車体停止判定手段
が車体停止と判定した時にはホイールシリンダの油圧を
車体停止可能な圧力に制御するものである。
【0010】登坂路においては車体加速度センサがオフ
セットされているため、緩制動を行った場合でもABS
が作動し、車体が停止状態に至っても作動し続ける場合
があるが、車体停止判定手段が車体停止と判定した時に
はホイールシリンダの油圧を車体停止可能な圧力に制御
するので、車体の停止状態が維持される。
【0011】車体停止判定手段は、車輪速センサからの
出力信号に基づく車輪速が実質的に零であり、車体加速
度センサの出力信号に基づく加減速度値が所定値以上で
ある場合に車体停止と判定するものであることが望まし
い。この車体停止判定手段によれば、既存のセンサ、す
なわち、車輪速センサおよび加速度センサの出力によっ
て車体停止を判定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明のABSの一実施形
態を示す構成図である。このABSは、コントローラ1
00と加速度センサ200と油圧回路300とから構成
される。なお、このコントローラ100と油圧回路30
0は、加速操作時の駆動輪のスリップを防止するトラク
ションコントロール(TRC)も併せて行うように構成
されている。
【0013】油圧回路300は、ブレーキペダル301
の動作に伴う圧力を直接受け、その圧力に応じたブレー
キ油圧を発生するマスタシリンダ370と前後左右の車
輪の各ディスクブレーキ用ロータにそれぞれ設けられた
ホイールシリンダ302〜305との間を油圧パイプで
連結したものであり、その間にコントローラ100によ
って制御されるABSアクチュエータ320とTRCア
クチュエータ340とが介在している。ABSアクチュ
エータ320は、4つの3ポジションソレノイドバルブ
322〜325を備え、ソレノイドバルブ322はフロ
ント左ホイールシリンダ302に、ソレノイドバルブ3
23はフロント右ホイールシリンダ303に、ソレノイ
ドバルブ324はリア左ホイールシリンダ304に、そ
してソレノイドバルブ325はリア右ホイールシリンダ
305にそれぞれ接続されている。ABSアクチュエー
タ320はさらに、フロント用のポンプ326、リザー
バー327、バルブ328、329と、リア用のポンプ
330、リザーバー331、バルブ332、333とを
備えている。
【0014】TRCアクチュエータ340は、2つの2
ポジションソレノイドバルブ341、342と3つのバ
ルブ343、344、345とを備えている。また、T
RCアクチュエータ340の他にTRC用の要素とし
て、TRCポンプ351、リザーバータンク351が設
けられている。
【0015】この油圧回路300の各ソレノイドバル
ブ、各ポンプ等はすべてコントローラ100により制御
される。なお、油圧回路300に含まれるものではない
が、各車輪のロータには、車輪速センサ362、36
3、364、365がそれぞれ設けられており、その出
力センサパルスはコントローラ100に送られる。
【0016】つぎに、この油圧回路300の動作を、A
BS・TRC非作動時、ABS作動時、TRC作動時の
3つに分けて簡単に説明する。両制御非作動時には、ソ
レノイドバルブ322、323、324、325、34
1、342がそれぞれ図示の状態になっており、この状
態でブレーキペダル301が踏まれると、マスタシリン
ダ370の油圧が上昇し、フロントホイール系ではブレ
ーキフルードがマスタシリンダ370からソレノイドバ
ルブ322、323を経てホイールシリンダ302、3
03に至り、フロントホイールのロータを締め付ける。
同時に、リアホイール系ではブレーキフルードがマスタ
シリンダ370からソレノイドバルブ341、ソレノイ
ドバルブ324、325を経てホイールシリンダ30
4、305に至る。ブレーキペダル301が解放される
と、踏み込み時と逆のルートでブレーキフルードがマス
タシリンダ370に戻る。
【0017】ABS作動時の減圧モードでは、ソレノイ
ドバルブ322〜325のマスタシリンダ側のポートが
閉じてリザーバー側のポートが開くため、各ホイールシ
リンダのブレーキフルードが対応するソレノイドバルブ
を経てリザーバー327、331に至り、各ホイールシ
リンダの圧力が減じる。リザーバー327、331に溜
まったブレーキフルードはそれぞれポンプ326、33
0によってマスタシリンダ370に戻される。ABS保
持モードでは、ソレノイドバルブ322〜325のマス
タシリンダ側とリザーバー側の2つのポートが閉じるた
め、各ホイールシリンダの油圧が保持される。ABS増
圧モードでは、ソレノイドバルブ322〜325の状態
は非作動時と同じとなり、マスタシリンダ370のブレ
ーキフルードがホイールシリンダ302、303、30
4、305に送られる。このとき、リザーバー327、
331にブレーキフルードが残っていればポンプ32
6、330でブレーキフルードをマスタシリンダ370
に汲み上げる。
【0018】TRC作動時の増圧モードでは、ソレノイ
ドバルブ341のマスタシリンダ370側のポートが閉
じTRCポンプ351側のポートが開き、ソレノイドバ
ルブ341のポートは開いて、TRCポンプ351が作
動状態となる。ABSアクチュエータ320のリアホイ
ール側のソレノイドバルブ324、325はリザーバー
311側が閉じマスタシリンダ370側が開いている。
これにより、ブレーキフルードはTRCポンプ351か
らソレノイドバルブ341、ソレノイドバルブ324、
325を経てホイールシリンダ304、305に送ら
れ、ロータが締め付けられる。TRCポンプ351の吐
出圧はバルブ343により一定に調整されている。TR
C保持モードでは、TRCアクチュエータ340および
TRCポンプ351が増圧モードと同じ状態であり、A
BSアクチュエータ320のソレノイドバルブ324、
325がABSのときと同じ保持状態となる。これによ
り、ホイールシリンダ304、305の油圧は保持され
る。TRC減圧モードでは、ソレノイドバルブ341の
TRCポンプ351側ポートが開きマスタシリンダ37
0側ポートが閉じ、ソレノイドバルブ342のポートが
開く。また、ABSアクチュエータ320のソレノイド
バルブ324、325はソレノイドバルブ341側ポー
トが閉じホイールシリンダ304、305側ポートが開
く。これにより、ブレーキフルードはホイールシリンダ
304、305からソレノイドバルブ324、325、
ソレノイドバルブ342を経てマスタシリンダリザーバ
ー352に送られる。
【0019】加速度センサ200の代表的な構造を、振
り子式下限速度センサを例に挙げて図2に示す。この加
速度センサは、半径20mm程度の扇型のアルミ板20
1を備えている。アルミ板201は軸202に揺動自在
に取り付けられており、軸202が車体の左右方向に向
くように配置されることにより、車体の水平前後方向の
加速・減速に応じて矢印207の方向に揺れる。アルミ
板201の外周部には、半径方向に複数のスリットが切
り込まれている。また、アルミ板201の片側には2つ
の受光素子203と204が配置され、反対側には受光
素子203と204にそれぞれ対向する発光素子205
と206が配置されている。このような構成において、
加速・減速が為されると、アルミ板201が加減速に応
じて傾く。アルミ板201には複数のスリットが設けら
れているため、アルミ板201の傾斜角度に応じて受光
素子203、204に発光素子205、206からの光
が入射されたり、入射されなかったりする。この光の入
射の有無が受光素子203、204で電気信号に変換さ
れ、コントローラ100に伝達される。この受光素子2
03、204の出力パターンの組み合わせにより、車体
の加減速度が零、低G、中G、高Gのいずれかの加減速
度値に置換される。
【0020】コントローラ100はマイクロコンピュー
タを内蔵し、各車輪に設けられた車輪速センサ362〜
365からのセンサ出力信号と加速度センサ200から
のセンサ出力信号とから推定車体速度を算出し、制御対
象である車輪の車輪速が、推定車体速度値に対して所定
値以下の値になったときにABS作動状態に入る。これ
により、ABSアクチュエータ320がホイールシリン
ダ302〜305の油圧を減少するように制御される。
【0021】また、コントローラ100は、ABS作動
中において車体停止判定を行う。図3はABSのメイン
ルーチン処理に対して、所定時間間隔で行われる割り込
みルーチン処理を示すフローチャートである。まず、加
速度センサ200の出力値が中Gまたは高Gであるか否
かの判断を行う(ステップ31)。車体停止直前を含む
車体停止時には加減速度はほぼ零となり、水平路走行時
は加速度センサ出力もほぼ零となる。しかし、登坂路に
おいては、加速度センサ200は坂道によるオフセット
のために加速側に約G sinθの値を示す。すなわち、登
坂路で車体停止した時には加速度センサは必ずG sinθ
程度の値を示す。そこで、この車体停止判定ルーチンに
おいては加速度センサ出力が中Gまたは高Gであること
で、G sinθであることを推定し、ステップ32に移行
する。もし、中Gまたは高Gでなければ、割り込みルー
チンを抜けてABSのメインルーチンに戻る。
【0022】ステップ32では、4輪中の最大車輪速V
wmax が零か否かを判断する。最大車輪速Vwmax が零
であれば、4輪すべての車輪速が零、すなわち、4輪す
べてが停止していることになる。判断31の肯定は、通
常走行時の加速・減速によっても生じる状態であるが、
さらにこの判断32で最大車輪速Vwmax が零である場
合は、登坂路での車体停止以外に考えられない。判断3
2で肯定と判断した場合は、ステップ33に移行してA
BSアクチュエータ320を制御し、ホイールシリンダ
302〜305の油圧を増圧する。通常のABS作動は
この時点で終了させる。
【0023】なお、登坂路での停止時に加速度センサが
約G sinθを示すことは上述した通りであるが、この値
は当然に坂道の登り角度θの値によって変化する。本実
施形態では、中G=G sinθを満足する角度θ1以上の
登り角度をもつ坂路でのずり下がりを防止するものであ
るが、この判断での加速度センサ出力値のしきい値は適
宜設定すればよい。
【0024】つぎに本実施形態のABSを搭載した車両
が登坂走行中に緩制動をかけた場合の動作を図4のタイ
ミングチャートを用いて説明する。同図において、実線
401は加速度センサ200の出力に基づく加減速度値
を示し、実線402はABSが作動中か否かを示し、実
線403は車輪速を示し、破線404は推定車体速度を
示している。また座標は横軸に時間をとり、縦軸に速度
vをとっている。なお、実線401の加減速度値は、低
G、中G、高Gの3段階の値をとり、加速・減速の区別
がない。
【0025】時刻t10において、緩制動を開始すると
車輪速403は徐々に減速するが、加速度センサの制限
のために推定車体速度404はあまり下がらない。その
ため、時刻t11において、車輪速403と推定車体速
度404との差がABS作動開始のしきい値以上とな
り、ABSが作動する。その後ホイールシリンダの減圧
制御が行われつつも登坂であるために時刻t12では車
体は停止し、車輪速が零を示す。この車体停止の直前か
ら、加速度センサ200の出力に基づく加減速度値40
1は、坂路によるオフセットのために中G(ただし加速
度側の値)を示すため、図3に示す車体停止判定ルーチ
ンによって、ホイールシリンダの油圧を強制的に増圧し
て車輪の回転を止め、ABSはこの時点で作動が終了す
る。これにより、車体の後退が防止できる。
【0026】本実施形態では、車体停止判定手段として
ABSのメインルーチン処理の中に所定時間間隔で割り
込む車体停止判定ルーチンを用いている。これは、通常
のABSのためのセンサ、すなわち、車輪速センサおよ
び加速度センサの出力によって車体停止を判定すること
ができるからであるが、これに代えて、ドップラセンサ
のような車体停止を直接検出できるセンサを用いてもよ
い。
【0027】また、車体停止判定における最大車輪速V
wmax が零か否かの判断は、車体の停止を車輪速に基づ
いて推定するものであるから、最大車輪速に限定される
ものではない。例えば、本実施形態では4輪の中の最も
速い車輪速が零か否か、すなわち、4輪の車輪速がすべ
て零か否かを判断しているが、これに代えて、車両制動
時に最大車輪速となると思われる車輪を予め決めてお
き、その車輪速が零か否かを判断するものでもよいし、
判定前に最大車輪速となると思われる車輪を推定し、そ
の該当車輪速が零か否かを判断するものでもよい。さら
に、4輪のうちのたとえば2つの車輪速が零か否かを判
断するものでもよい。
【0028】また、本実施形態では、登坂路での車体停
止と判定したときにホイールシリンダの油圧を強制的に
増圧しているが、車体停止可能な圧力に制御すればよ
い。したがって、例えば、車体停止判定時のホイールシ
リンダの油圧状態が車体停止可能な圧力となっていれ
ば、増圧に代えて単に保持するだけでもよい。
【0029】さらに、ホイールシリンダ油圧の強制増圧
を行うために、本実施形態ではABS制御を停止させた
が、車体停止判定後に推定車体速度を小さめに補正した
り、制御開始基準を低くしたりして、ABS制御条件を
厳しくすることで、強制増圧を行ってもよい。また、本
実施形態のようにTRCシステムを搭載している場合に
は、TRCアクチュエータを用いてホイールシリンダの
油圧を強制的に上昇させることも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のABSに
よれば、車輪速センサからの出力信号および車体加速度
センサからの出力信号に基づいて推定車体速度を算出す
るABSであっても、その搭載車両が登坂路における緩
制動による停止を行った場合に、車両のずり下がりが生
じることがなく、停止状態を安定的に確保することがで
きる。また、車輪速センサからの出力信号に基づく車輪
速が実質的に零であり、車体加速度センサの出力信号に
基づく加減速度値が所定値以上である場合に車体停止と
判定すれば、通常のABS用のセンサ、すなわち、車輪
速センサおよび加速度センサの出力を利用することがで
きるため、車体停止判定手段を極めて安価に構成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるABSの構成を示す
ブロック図。
【図2】本実施形態における加速度センサの構造を示す
斜視図。
【図3】本実施形態における車体停止判定ルーチンを示
すフローチャート。
【図4】本実施形態の動作を示すタイミングチャート。
【図5】従来のABSの動作を示すタイミングチャー
ト。
【図6】ABSにおける推定車体速度の算出方法を示す
図。
【符号の説明】
100…コントローラ、200…加速度センサ、300
…油圧回路、320…ABSアクチュエータ、ホイール
シリンダ…302〜305。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速センサからの出力信号および車体
    加速度センサからの出力信号に基づいて推定車体速度を
    算出し、前記車輪速センサからの出力信号に基ずいて算
    出した車輪速と前記推定車体速度とに基づいて車輪のス
    リップ関連量を算出した後、前記スリップ関連量が所定
    値以下になるようにブレーキ油圧回路のホイールシリン
    ダの増減圧制御を行う制御手段を備えたアンチロックブ
    レーキシステムにおいて、 前記制御手段は車体の停止を判定する手段を備え、ブレ
    ーキ操作中に前記車体停止判定手段が車体停止と判定し
    た時には前記ホイールシリンダの油圧を車体停止可能な
    圧力に制御することを特徴とするアンチロックブレーキ
    システム。
  2. 【請求項2】 前記車体停止判定手段は、前記車輪速セ
    ンサからの出力信号に基づく車輪速が実質的に零であ
    り、前記車体加速度センサの出力信号に基づく加減速度
    値が所定値以上である場合に車体停止と判定することを
    特徴とする請求項1に記載のアンチロックブレーキシス
    テム。
JP03829996A 1996-02-26 1996-02-26 アンチロックブレーキシステム Expired - Fee Related JP3520885B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03829996A JP3520885B2 (ja) 1996-02-26 1996-02-26 アンチロックブレーキシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03829996A JP3520885B2 (ja) 1996-02-26 1996-02-26 アンチロックブレーキシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09226546A true JPH09226546A (ja) 1997-09-02
JP3520885B2 JP3520885B2 (ja) 2004-04-19

Family

ID=12521439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03829996A Expired - Fee Related JP3520885B2 (ja) 1996-02-26 1996-02-26 アンチロックブレーキシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3520885B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004512205A (ja) * 2000-05-17 2004-04-22 ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト 車両ブレーキを自動的に操作するための方法および装置
JP2007168693A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Toyota Motor Corp 駆動系にトルクコンバータを備えた車輌の制駆動力制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004512205A (ja) * 2000-05-17 2004-04-22 ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト 車両ブレーキを自動的に操作するための方法および装置
JP2007168693A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Toyota Motor Corp 駆動系にトルクコンバータを備えた車輌の制駆動力制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3520885B2 (ja) 2004-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3215414B2 (ja) 車輪滑り制御装置
JPH04262952A (ja) アンチロック制御又はトラクション滑り制御に使用する回路
JPH03292247A (ja) 車両の制動制御装置
JPH03153456A (ja) アンチロック制御装置
JP2500857B2 (ja) アンチスキツド制御装置
JPH0443153A (ja) 車両の制動力制御装置
JPH09226546A (ja) アンチロックブレーキシステム
JP3079857B2 (ja) 車輪スリップ制御装置
JP4953507B2 (ja) エンジンブレーキ作用を維持する方法
JP4440459B2 (ja) ブレーキ力分配の制御または調整方法および装置
JP3772486B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPS6050061A (ja) アンチスキッド制御方法
JP3599245B2 (ja) ブレーキ制御方法
KR100293676B1 (ko) 트랙션제어시스템의목표속도설정방법
JPH0433656B2 (ja)
KR100401876B1 (ko) 차량용 안티브레이크시스템의 작동방법
JP2777991B2 (ja) 車両の制動制御装置
US6305761B1 (en) Traction control system for vehicle
JP2902772B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2704770B2 (ja) 車両のトラクション制御方法
KR100365700B1 (ko) 차량의 트랙션 제어장치 및 그 제어방법
JPH0431159A (ja) 車両の制動力制御装置
JPH05105057A (ja) ハイドロプレーン検出装置
JP2007153278A (ja) 車両の制動力制御装置
JPH1029521A (ja) 車両用アンチロックブレーキ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040114

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040127

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees