JPH09226094A - 印刷ドット評価方法とその装置 - Google Patents

印刷ドット評価方法とその装置

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JPH09226094A
JPH09226094A JP8038169A JP3816996A JPH09226094A JP H09226094 A JPH09226094 A JP H09226094A JP 8038169 A JP8038169 A JP 8038169A JP 3816996 A JP3816996 A JP 3816996A JP H09226094 A JPH09226094 A JP H09226094A
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dot
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halftone
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JP8038169A
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Hideyuki Hanabusa
秀行 花房
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Futec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハーフトーンを構成するドット印刷領域の色調
の評価を、短時間に正確に下し得て実用性が高い印刷ド
ット評価方法を提供することにある。 【解決手段】ハーフトーンを構成するドット印刷領域を
含むカラー印刷が施された網版印刷物の前記印刷領域の
任意の注目箇所を抽出して拡大撮像するカラーカメラ21
a 〜21c のカラー撮像信号から、色変換回路25で抽出さ
れた前記注目箇所内の各ドットを、そのインク色ごとに
弁別する。弁別された各インク色ごとのドットのサイズ
をドットサイズ演算回路27で演算して被評価データを得
る。前記注目箇所に対応する基準の網版印刷物について
のドット印刷領域中の注目箇所についての各インク色ご
とのドットのサイズからなるマスタデータと、このデー
タに対応する被評価データとを各インク色ごとに個別に
比較器29で比較する。この比較結果についてそれが許容
値内にあるかどうかを判定回路30で判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直交する2つの方
向に一定ピッチで規則正しい網目状に配列された微小な
インク色の点、すなわちドット(網点)によりハーフト
ーン(ミドルトーンとも称される。)を構成するドット
印刷領域を少なくとも一部に含むカラー印刷について、
前記ハーフトーンの色調(色合い)を自動計測により評
価する印刷ドット評価方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷やグラビア印刷は、Y
(黄)のインク、M(マゼンタ)のインク、C(シア
ン)のインク、K(黒)のインクを基本インク色として
採用し、これに必要に応じて特色(調色とも称され、複
数の基本インク色を調合して任意の色調とした特定のイ
ンク色)を加えてカラー印刷を行うものである。そし
て、カラー印刷された印刷画像がハーフトーンを含むも
のにおいて、前記ハーフトーンをなすドット印刷領域の
色調は、前記各インク色のドットの大きさや密度のバラ
ンスの違いにより表現されている。
【0003】ところで、印刷は量産の技術であるから、
製品である印刷物が均質であることが要求されている。
しかし、実際には、印刷中の温度上昇によるインク粘度
の低下、それによるドットゲインの変動(具体的にはド
ットの大きさや濃度が大きくなる現象。)、湿し水量の
変動、印圧の変動、紙等の被印刷体の不均一性、および
被印刷物へのインクの転位性等の種々の条件によって、
ドットの大きさ等が変動するから、それに従い印刷色は
変動する。
【0004】そこで、こうした印刷色階調の変動を少な
くするために、一般的には、印刷機で印刷されて刷り上
がった印刷物について、オペレータによって例えば 300
枚〜500枚につき1枚ずつ定期的に抜き取るサンプリン
グを行い、それを検視台のライテングボードにセット
し、校正基準と目視比較して、または色差計で計測し
て、ハーフトーンの色調が適当であるからどうかを判定
し、その検視結果をもとに印刷機でのインク量の調整等
のフィードバックをかけて、適正な印刷色となるような
修正作業を施している。
【0005】また、最近ではこうした手作業に代えて以
下の対策も試みられている。この対策では、被印刷体の
余白部に各インクごとのベタ濃度(ドット率 100%)印
刷、いわゆるベタ印刷を行い、それをカラーテレビカメ
ラで撮像し、こうして検出される色を電子回路での信号
処理によってマスタの色と定期的に比較して、マスタ色
に対する変化量を自動計測して、その変化量が許容値を
上回ったり下回ったりした場合に、それをもとに印刷機
にフィードバックをかけて印刷色を修正している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記検視によ
る対策では、同じ校正基準とサンプルとを比較しても作
業者による格差があって、同じ評価を得ることは非常に
困難である。また、この検視において色差計を用いる場
合にあっても、周囲の明るさ等の環境の影響を受けるの
で、計測値のばらつきが結構大きい。このように従来は
ハーフトーンを構成するドット印刷領域の検視による評
価の信頼性が低いものである。しかも、いずれも場合に
も、検視結果(評価)を出すまでにかなりの時間を必要
とするために、通常毎時10000 枚程度の速度で印刷をす
る印刷機の刷り出し量には対応し切れず、検視の間に多
くの不良印刷物が印刷されてしまい易いという問題があ
る。
【0007】また、前記後者のカラーテレビカメラを用
いる対策はその評価が早く出る点で優れている。しか
し、テレビカメラで検出される色情報は、実際のハーフ
トーンの印刷領域ではなく、そのインキ色のベタ印刷で
ある。ところで、ベタ印刷の階調画像に変化があるとい
うことは、それよりも数倍以上の階調変化がハーフトー
ンの印刷領域において生じているから、こうした間接的
な色調変化をもとに評価をしても、その正確性に欠ける
という問題があり、実用性が低いものである。
【0008】したがって、本発明が解決しようとする第
1の課題は、ハーフトーンを構成するドット印刷領域の
色調の評価を、短時間に正確に下すことができて実用性
が高い印刷ドット評価方法とその装置を提供することに
ある。
【0009】また、本発明が解決しようとする第2の課
題は、前記第1の課題を解決しつつ、その評価の信頼性
をより向上できる印刷ドット評価装置を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために、請求項1の発明に係る印刷ドット評価方法
は、ハーフトーンを構成するドット印刷領域を少なくと
も一部に含むカラー印刷が施された網版印刷物の前記ド
ット印刷領域の任意な注目箇所を抽出して拡大撮像する
光−電変換形のカラーカメラのカラー撮像信号から、前
記注目箇所内の各ドットを、そのインク色ごとに弁別
し、弁別された各インク色ごとのドットのサイズまたは
面積を演算して被評価データを得、基準となる網版印刷
物についての前記注目箇所内の各インク色ごとのドット
のサイズまたは面積からなり予め設定されたマスタデー
タと、評価しようとする網版印刷物についての前記注目
箇所内の各インク色ごとの前記被評価データとを、各イ
ンク色ごとに個別に比較し、この比較結果についてそれ
が許容値内にあるかどうかを判定することを特徴とする
ものである。
【0011】この請求項1の発明方法においては、カラ
ー印刷物のハーフトーンを構成するドット印刷領域の任
意な注目箇所をカラーカメラで拡大撮像して得たカラー
撮像信号、言い換えれば、RGB画像情報を、このRG
B画像を構成する各インク色のドットごとに弁別する。
それにより、RGB画像情報の各色成分をなすドットが
どの基本インク色Y,M,C,Kで作られているのかと
いうことが区別されて、前記RGB画像のドットが基本
インク色ごとに分解される。そして、基準となる網版印
刷物の注目箇所について、以上ように弁別して得た各イ
ンク色ごとのドットサイズまたはドット面積を演算し
て、その結果をマスタデータとして保存する。
【0012】こうしたマスタデータの保存後に、評価し
ようとする網版印刷物の注目箇所に対して既述の拡大撮
像をして、その出力であるRGB画像をドットごとに基
本インク色に分解し、次に、この分解された各インク色
ごとのドットサイズまたはドット面積を演算して、被評
価データを得る。なお、前記各撮像により抽出される注
目箇所は、基準の網版印刷物と評価しようとする網版印
刷物とにおいて互いに対応する箇所であるとともに、前
記ドットサイズまたはドット面積の演算においては少な
くとも一つのドットに注目して行うものである。
【0013】次に、各インク色ごとのドットについての
マスタデータと被評価データとを比較し、マスタデータ
に対して被評価データが許容値以上または許容値以下で
あるのかを判定する。この判定結果が許容値外の場合に
は、判定されたインク色のドットに異常があるとしてド
ット異常出力が発せられる。
【0014】このような印刷ドット評価方法において
は、カラー撮像信号を電子回路で処理してドット評価を
することができるので、人為的な資質等のばらつきが評
価が影響することがなく、リアルタイムで客観的な評価
を下すことができ、印刷速度の上昇にも対応できる。そ
して、実際のドット印刷領域内の注目箇所についてのカ
ラー撮像信号を処理して評価するため、その評価が直接
的である。さらに、各インク色ごとのドットについて評
価するから、基本インク色のどのインク色にドット異常
があるのかということを識別できる。
【0015】また、前記第1の課題を解決するために、
請求項2の発明に係る印刷ドット評価装置は、ハーフト
ーンを構成するドット印刷領域を少なくとも一部に含む
カラー印刷が施された網版印刷物の前記ドット印刷領域
の任意な注目箇所を抽出して拡大撮像する光−電変換形
のカラーカメラと、このカメラで得たカラー撮像信号か
ら前記注目箇所内の各ドットを、そのインク色ごとに弁
別する色変換手段と、この色変換手段で弁別された各イ
ンク色ごとのドットのサイズの演算を少なくとも一つ以
上のドットについて行って被評価データを得、または前
記弁別された各インク色ごとのドットの面積の演算を少
なくとも一つ以上のドットについて行って被評価データ
を得る被評価データ演算手段と、基準となる網版印刷物
についての前記注目箇所内のインク色ごとのドットにつ
いてのサイズまたは面積がマスタデータとして各インク
色ごとに保存されるマスタ記録手段と、この記録手段に
保存されたマスタデータとそれに対応する前記被評価デ
ータとを各インク色ごとに個別に比較する比較手段と、
この比較結果についてそれが許容値内にあるかどうかを
判定する判定手段とを具備したものである。
【0016】この請求項2の発明において、カラーカメ
ラは、ハーフトーンを構成するドット印刷領域を少なく
とも一部に含むカラー印刷が施された網版印刷物の前記
ドット印刷領域の任意な注目箇所を抽出して拡大撮像
し、その注目箇所の網点画像情報を、その光強度に応じ
て光−電変換し、RGBカラー撮像信号として出力す
る。色変換手段は、カラー撮像信号から前記注目箇所内
の各ドットを、そのインク色ごとに弁別する。この弁別
は、RGB画像情報の各色成分をなすドットがどの基本
インク色Y,M,C,Kで作られているのかということ
を区別するものであって、それにより、前記RGB画像
のドットを基本インク色ごとに分解するものである。被
評価データ演算手段は、色変換手段で弁別された各イン
ク色ごとのドットのサイズの演算を少なくとも一つ以上
のドットについて行って被評価データを得る。もしく
は、前記弁別された各インク色ごとのドットの面積の演
算を少なくとも一つ以上のドットについて行って被評価
データを得る。マスタ記録手段は、注目箇所に対応する
基準の網版印刷物についてのドット印刷領域中の注目箇
所内のドットについて演算されたドットサイズまたはド
ット面積を、マスタデータとして各インク色ごとに保存
する。比較手段は、マスタ記録手段に保存されたマスタ
データとそれに対応する前記被評価データとを各インク
色ごとに個別に比較する。判定手段は比較結果について
それが許容値内にあるかどうかを判定する。
【0017】そして、この請求項2の発明装置は前記請
求項1の発明方法を実施して印刷ドットを自動的に評価
する。すなわち、カラーカメラでカラー印刷物のハーフ
トーンを構成するドット印刷領域の任意な注目箇所を拡
大撮像して得たカラー撮像信号、言い換えれば、RGB
画像情報を、色変換手段により、RGB画像を構成する
各インク色のドットごとに弁別する。それにより、RG
B画像情報の各色成分をなすドットがどの基本インク色
Y,M,C,Kで作られているのかということが区別さ
れて、前記RGB画像のドットが基本インク色ごとに分
解される。そして、基準の網版印刷物の注目箇所につい
て、以上ようにして弁別して得た各インク色ごとのドッ
トサイズまたはドット面積を被評価データ演算手段によ
り演算して、その結果をマスタデータとしてマスタ記録
手段に保存する。
【0018】こうしたマスタデータの保存後に、評価し
ようとする網版印刷物の注目箇所に対して既述の拡大撮
像をカラーカメラにより行い、その出力であるRGB画
像を色変換手段によりドットごとに基本インク色に分解
し、次に、この分解された各インク色ごとのドットのサ
イズまたは面積を被評価データ演算手段により演算し
て、被評価データを得る。
【0019】次に、各インク色ごとのドットについての
マスタデータと被評価データとを比較手段により比較
し、マスタデータに対して被評価データが許容値以上ま
たは許容値以下であるのかを判定手段により判定する。
この判定結果が許容値外の場合には、判定されたインク
色のドットに異常があるとしてドット異常出力を発す
る。
【0020】このような印刷ドット評価装置において
も、前記評価方法と同様にカラー撮像信号を電子回路で
処理してドット評価をすることができるので、人為的な
資質等のばらつきに評価が影響されることがなくなり、
リアルタイムで客観的な評価を下すことができ、印刷速
度の上昇にも対応できる。そして、実際のドット印刷領
域内の注目箇所についてのカラー撮像信号を処理して評
価するため、その評価が直接的である。さらに、各イン
ク色ごとのドットについて評価するから、基本インク色
のどのインク色にドット異常があるのかということを識
別できる。
【0021】また、前記第1の課題を解決するために、
請求項3の発明に係る印刷ドット評価装置は、ハーフト
ーンを構成するドット印刷領域を少なくとも一部に含む
カラー印刷が施された網版印刷物の前記ドット印刷領域
の任意な注目箇所を抽出して拡大撮像する光−電変換形
のカラーカメラと、このカメラで得たカラー撮像信号か
ら前記注目箇所内の各ドットを、そのインク色ごとに弁
別する色変換手段と、この色変換手段で弁別された各イ
ンク色ごとのドットのサイズの演算を少なくとも一つ以
上のドットについて行って被評価データを得、または前
記弁別された各インク色ごとのドットの面積の演算を少
なくとも一つ以上のドットについて行って被評価データ
を得る被評価データ演算手段と、基準となる網版印刷物
についての前記注目箇所内のインク色ごとのドットにつ
いてのサイズまたは面積がマスタデータとして各インク
色ごとに保存されるマスタ記録手段と、この記録手段に
保存されたマスタデータとそれに対応する前記被評価デ
ータとを各インク色ごとに個別に比較する比較手段と、
この比較結果についてそれが許容値内にあるかどうかを
判定する判定手段と、この判定手段により許容値外であ
ると判定された前記被評価データについて、その外れた
値の前記マスタデータに対する増加または減少の割合を
演算する色変動演算手段とを具備したものである。
【0022】この請求項3の発明装置において、カラー
カメラ、色変換手段、被評価データ演算手段、マスタ記
録手段、比較手段、および判定手段は、前記請求項2の
ものと同じである。そして、色変動演算手段は、判定手
段により許容値外であると判定された被評価データにつ
いて、その外れた値のマスタデータに対する増加または
減少の割合を演算する。
【0023】したがって、請求項3の発明装置は、前記
請求項2と同じに(なお、その説明は重複するので省略
する。)印刷ドット評価を行って第1の課題を解決でき
る他、ドット異常と判定されたインク色が基準に対して
どのような割合で色変動をしているのかという情報を得
ることができる。そのため、この色変動情報の印刷機へ
のフィードバックにより、異常を生じているドットが正
常に復するように当該インク色の量を加減する等の対策
を速やかに採用させることができる。
【0024】また、前記第2の課題を解決するために、
請求項4の発明に係る印刷ドット評価装置は、前記被評
価データ演算手段が、前記色変換手段により弁別された
各インク色ごとのドットのすべてに対してその面積を求
めるとともに、その求められた面積の総和を取って前記
注目箇所に対する各インク色ごとの占有面積を求め、前
記被評価データを得るものであることを特徴としてい
る。
【0025】この請求項4の発明装置において、被評価
データ演算手段により演算して得る被評価データが、ド
ッチ印刷領域中の任意な注目箇所内のすべてのドットの
総面積であるから、ドットサイズをもって被評価データ
とする場合に比較して、ドッドサイズが極少である場合
でも、その測定誤差の影響を最小に抑えることができ
る。そのため、印刷ドットの評価の信頼性をより向上で
きる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本発
明の第1の実施の形態を説明する。図1に概略的構成を
示されるオフセット印刷機11は、給紙部としての給紙
機12と、印刷部としての印刷機本体13と、排紙部と
しての排紙機14とを備えていて、これら各部12〜1
4を互いに連結するように連ねて一連の印刷ラインを形
成している。図1中15は用紙Aを給紙機12から印刷
機本体13に導く受け渡しガイドである。
【0027】給紙機12は、枚葉の用紙Aが水平の姿勢
で積み重ねられたパレットを乗せる昇降台12aを備え
ているとともに、前記パレット上の用紙Aをその最も上
側に位置されるものから一枚ずつ順に印刷機本体13に
送り出す図示しない用紙送り出し機構を備えている。昇
降台12aは、所定枚数の用紙Aが送り出されるたび
に、図示しない昇降機構の動作により所定寸法ずつ上昇
される。
【0028】印刷機本体13は、これに供給される用紙
Aに対して例えば5色刷りのオフセット印刷を施すため
に第1〜第5の印刷処理部13a〜13eを備えてい
る。これら印刷処理部13a〜13eは、印刷版が外周
面に着脱自在に巻き付けられる版胴16と、この版胴1
6に転接されたブランケット胴17と、このブランケッ
ト胴17に接離される圧胴18と、インク供給部から版
胴16にインクを供給するインク練りローラ群(図示し
ない)と、湿し水供給部から版胴16に湿し水を供給す
る湿しローラ群(図示しない)とを備えてなる。圧胴1
8は、それとブランケット胴17との間に用紙Aが通過
する際にブランケット胴17に転接されて、用紙Aをブ
ランケット胴17に押し付けるものである。また、図1
中19は圧胴8間に転接配置されて、これら圧胴18と
同期して同一周速度で回転される用紙搬送用の中間胴で
ある。
【0029】第1〜第4の印刷処理部13a〜13dは
基本インク色でオフセット印刷を行う処理部であって、
例えば第1印刷処理部13aはK(黒)のインクを用い
て印刷を分担し、第2印刷処理部13bはC(シアン)
のインクを用いて印刷を分担し、第3印刷処理部13c
はM(マゼンタ)のインクを用いて印刷を分担し、第4
印刷処理部13dはY(黄)のインクを用いて印刷を分
担する。第5印刷処理部13eは調合された特色のイン
クを用いて印刷を分担するものである。
【0030】この印刷機本体13では、その印刷処理部
13a〜13eの各版胴16に、夫々異なる色の水性ま
たは油性のインクと水とをインク供給部と湿し水供給部
とから夫々供給させ、こうして供給されたインク等をブ
ランケット胴17に夫々転写させ、さらに、これらの胴
17から圧胴18の周面に巻く付くようにグリップされ
た用紙Aに対して転写させて、それにより、5色刷りの
オフセット印刷を施すようになっている。このカラー印
刷において、用紙Aの少なくとも一部には網点印刷によ
るハーフトーンが構成され、このトーンは前記各インク
の少なくとも一色を用いたドット印刷領域で作られてい
る。なお、こうした印刷物を本明細書では網版印刷物B
と称する。
【0031】印刷機本体13は、その出口側に、この本
体13の最終胴、つまり、図1の場合には第5印刷処理
部13eが備える圧胴18の下部に前端が連続される受
け渡し用のチェンコンベア20を備えている。このコン
ベア20は、5色刷りのオフセット印刷が施された用紙
である網版印刷物Bを、前記最終胴をなす圧胴18から
受け取って、印刷面を上向きにして搬送する。
【0032】排紙機14は、チェンコンベア20の後端
部の真下に配置され、網版印刷物Bを受けて水平に積み
重ねるパレットを載せる昇降台14aを備えている。こ
の昇降台14aは、所定枚数の網版印刷物Bを受け取る
たびに、図示しない昇降機構の動作により所定寸法ずつ
降下される。
【0033】なお、本発明は、第5印刷処理部13eを
省略したオフセット印刷機、または前記基本インクを
Y,M,Cとして、印刷処理部として前記3色の基本イ
ンクに対応する3つの印刷処理部のみを備えるオフセッ
ト印刷機、或いは図1に示された版数より多くの版を重
ねるオフセット印刷機、またはこれらと同様なグラビヤ
印刷機等で印刷されるカラー印刷物(網版印刷物)の評
価に適用できる。
【0034】次に、前記印刷機11でカラー印刷された
網版印刷物Bについてその印刷ドットの評価を電子回路
での処理により行って、網版印刷物Bの色調管理をする
ために採用される本発明の印刷ドット評価方法および装
置20について説明する。この評価方法を実施する装置
20は、カラーカメラと、電子回路で形成される処理装
置22とを備えている。
【0035】カラーカメラは、前記印刷機11に組み込
まれ、その最終胴(第5印刷処理部13eが備える圧胴
18)を計測胴として利用し、この胴18の周面と対向
し、かつ、この周面の一部を視野として配置されてい
る。なお、印刷機11が、網版印刷物Bに対して透明ニ
スを塗ったり、粗面加工をしたりする表面処理部を最終
印刷処理部に連続して備えている場合においては、その
表面処理部が備えるコーター胴等の処理胴を計測胴とし
て用いてもよい。或いは、こうした処理胴があったとし
ても、最終印刷処理部例えば前記第5印刷処理部13e
が備える圧胴18を計測胴として用いてもよい。
【0036】カラーカメラは一台でも差支えないが、こ
の第1の実施の形態では、網版印刷物Bの幅方向の色調
の変化についての印刷ドット評価精度を高めるために、
図2に示されるように網版印刷物Bの搬送方向と直交す
るに幅方向に間隔を置いて複数台、好ましくは前記幅方
向の色調の変化についての印刷ドット評価精度をより高
めるために3台並設されている。説明の都合上、搬送さ
れる網版印刷物Bの幅方向左側部に対向して配置された
ものを第1カラーカメラ21a、同じく幅方向右側に対
向して配置されたものを第3カラーカメラ21c、同じ
く幅方向中央部に対向して配置されたものを第2カラー
カメラ21bとする。
【0037】これらのカラーカメラ21a〜21cは、
その受光部にエリア形のCCDカラーイメージセンサを
有したものであって、この受光部において、そこに入射
された光エネルギーを光−電変換作用により光強度に応
じたRGBの電気信号に変換し、それを例えばディジタ
ルのRGBカラー撮像信号として出力する。このRGB
カラー撮像信号は、多値のA/D変換処理により例えば
256段階の階調で画像表現を行うようになっている。
【0038】各カメラ21a〜21bは図示しないスト
ロボ発光器と高速シャッターとを備えており、そのスト
ロボ発光と同調して前記最終胴に巻かれて搬送される網
版印刷物Bにおいてハーフトーンをなしたドット印刷領
域中の任意の注目箇所をズームアップして超拡大撮像
し、それにより抽出された前記注目箇所の静止画情報を
得るものである。
【0039】前記ズームアップにより拡大される視野つ
まり前記注目箇所は、例えば縦横夫々1mm〜2mm程度の
極小視野であり、それを図2中Cで例示し、この注目箇
所Cを含めてその周囲はドット印刷領域である。前記高
速シャッターには1/500000秒以上の高速シャッター性能
を有するものを使用する。このシャッターは、網版印刷
物Bが通常毎時10000 枚(毎分約 180m)の速度で印刷
されるので、それに対応して前記超拡大撮像による静止
画情報を得るために用いたものである。
【0040】この第1の実施の形態において、前記3台
のカラーカメラ21a〜21cが一枚の網版印刷物Bに
ついて撮像する注目箇所C、言い換えれば、ハーフトー
ン評価のサンプリング点は、図2に示されるように各カ
メラ21a〜21cについて網版印刷物Bの搬送方向
(すなわち、流れ方向であって、矢印で示される。)に
夫々3か所設定される。最先の注目箇所Cは網版印刷物
Bのくわえ端側であり、最後の注目箇所Cは網版印刷物
Bの尻端側であり、残りの注目箇所Cは網版印刷物Bの
流れ方向中央部であり、これらの注目箇所Cの中心は図
2中に夫々描いた「+」の印の交点で表示されている。
【0041】このように網版印刷物Bの搬送方向に3か
所の注目箇所Cを定めることは、夫々の箇所での評価の
違いと傾向を判定回路30で判定できるので、網版印刷
物Bの搬送方向の色調の変化についての印刷ドット評価
精度をより高める上で優れている。しかし、これに代え
て使用するカメラ台数に拘らず、前記くわえ端側と尻側
のみに注目箇所Cを設定してもよい。そうしても、網版
印刷物Bの搬送方向両端部での色調の変化の様子を大ま
かにとらえることが可能となり、搬送方向の色調の変化
についての印刷ドット評価精度を高め得るが、本発明に
おいては使用するカメラ台数に拘らず、その注目箇所C
を搬送方向に一か所のみとしてもよい。
【0042】図3に示されるように前記処理装置22
は、バッファメモリ23と、ゲイン補正回路24と、色
変換回路25と、YMCKメモリ26と、ドットサイズ
演算回路27と、マスタメモリ28と、比較器29と、
判定回路30と、アラーム31と、色変動演算回路32
とを備えている。これらの構成はいずれも電子回路から
なる。
【0043】各カラーカメラ21a〜21cの各出力端
に接続されたバッファメモリ23は、各カラーカメラ2
1a〜21cから出力されるカラー撮像信号をゲイン補
正回路24の動作速度に対応して一時的に保存するもの
である。したがって、このメモリ23には前記各注目箇
所Cについてのカラー撮像信号が次々に供給されて、そ
れは時系列的に並べられて保存記録領域に蓄えられる。
【0044】正規化処理手段としてのゲイン補正回路2
4は、バッファメモリ23に一次保存されたカラー撮像
信号を正規化してレベル補正をする。つまり、例えば網
版印刷物Bにばたつきが生じると、その影響により撮像
レベルが変動し、それを放置して以後の処理を行うと印
刷ドットの評価の信頼性が損なわれるので、前記レベル
変動を相殺して信号のレベルを適正化する処理を行うも
のである。
【0045】色変換手段としての色変換回路25にはゲ
イン補正回路24により正規化されたカラー撮像信号が
供給される。この回路25では、受け入れたRGBカラ
ー撮像信号をインク色ごとに分解する処理、言い換えれ
ば、RGBカラー撮像信号から、前記注目箇所C内の各
ドットを、そのインク色ごとに違いを見出だして区別す
る弁別処理を行うものである。
【0046】そして、このような弁別は、ある一定の変
換条件を設定して、それに従いRGBの色信号を変換す
ることにより可能であり、そのために、この第1の実施
の形態においては図4に示されるテーブルを用いてい
る。このテーブル中、Y,M,C,Kは基本インク色、
Wは印刷紙Aの地色、R,G,Bは夫々光の3原色、ま
た、数値は前記256階調の段階をあらわしている。こ
のテーブルに従う色変換回路25でのYMCK変換(色
分解)は、例えばあるドットをなすR,G,B3原色の
夫々の階調の値がいずれも60以上である場合には、そ
のドットがYのインクで印刷されたものであるとの弁別
をするものである。
【0047】なお、こうした弁別において地色Wの弁別
を設けることは、この地色Wを他の基本インク色と区別
でき、それにより基本インク色の弁別誤差を少なくでき
る点で優れているが、この地色Wの弁別は省略してもよ
い。
【0048】YMCK記録手段としてのYMCKメモリ
26には、色変換回路25で弁別されたドットのインク
色データが供給され、そのデータはメモリ26に一時的
に保存される。こうしてYMCKメモリ26は供給され
たドットについての基本インク色データを、そのインク
色ごとに分けて記録する。
【0049】そのために、この第1の実施の形態では、
YMCKメモリ26に4台のメモリ26a〜26dを使
用しており、メモリ26aはYのインク色で印刷された
ドットについてのインク色データを専用に保存し、メモ
リ26bはMのインク色で印刷されたドットについての
インク色データを専用に保存し、メモリ26cはCのイ
ンク色で印刷されたドットについてのインク色データを
専用に保存し、メモリ26cはKのインク色で印刷され
たドットについてのインク色データを専用に保存する。
なお、こうした個別メモリに代えて、一つのメモリをア
ドレスを付けてY,M,C,Kの夫々に個別に対応する
メモリ領域に分けて、これらの領域に各基本インク色の
データを個別に保存するように使用してもよい。
【0050】被評価データ演算手段としてのドットサイ
ズ演算回路27には、YMCKメモリ26に保存された
基本インク色データ、言い換えれば、弁別された各イン
ク色ごとのドットについてデータが供給され、このデー
タについてそのドットのサイズを前記演算回路27は演
算するものである。その演算結果は被評価データとして
用いられる。
【0051】この回路27での演算は、一つの注目ドッ
トについて、または複数のドットについて行うものであ
る。この第1の実施の形態の場合同色の基本インク色の
すべてのドットについてそのサイズを求める演算を行う
ものであり、あわせて、求められたドッドサイズの最小
値と最大値、および平均値を求める演算を行い、それら
の演算データを被評価データとするようになっている。
特に、前記平均値を求めて被評価データを得る演算を行
うことは、ばらつきを平均化して、データ精度を向上で
きる点で優れている。
【0052】マスタ記録手段としてのマスタメモリ28
には、ドットサイズ演算回路27で得たデータが供給さ
れ、このデータは前記メモリ28に保存される。この保
存は基準のマスタデータについて行われる、このマスタ
データは、良品であると判定される基準の網版印刷物B
について、前記カメラ21a〜21cで取込んだカラー
撮像情報を、前記各回路24〜27で処理して得たデー
タである。
【0053】比較手段としての比較器29には、前記ド
ットサイズ演算回路27での演算処理により得た被評価
データが供給されるとともに、このデータに対応するマ
スタデータがタイミングを合わせてマスタメモリ28か
ら供給される。そして、この比較器29は、同期して供
給されたマスタデータと被評価データとを比較して、そ
の異同を求める。
【0054】判定手段としての判定回路30には比較器
29の比較結果が供給される。この回路30にはマスタ
データに対して被評価データが異なっている場合、言い
換えれば、印刷色が適正色から変動を来している場合
に、そのデータ差が許容される差であるのかないのかと
いうことを判定する許容値が予め定められている。した
がって、判定回路30はそれに供給された比較結果が前
記許容値内にあるかどうかの判定を行う。この回路30
にはアラーム31が接続されており、おり、前記判定が
許容値外である場合にはアラーム31には動作信号が与
えられて、このアラーム31はドット異常を報知する。
【0055】色変動演算手段としての色変動演算回路3
2には判定回路30の判定出力が供給される。この回路
32は供給された判定出力、つまり、前記許容値から外
れた被評価データについて、その外れた値の前記マスタ
データに対する増加または減少の割合を演算する回路で
ある。
【0056】次に、本発明方法を実施する前記構成の印
刷ドット評価装置の評価動作について説明する。オフセ
ット印刷機11に供給された用紙Aは、第1〜第5の印
刷処理部13a〜13eを順次経由することにより、K
(黒)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(黄)、お
よび必要に応じて採用される特色の各色インクを順に印
刷されて、網版印刷物Bとなって排紙機14に排出され
る。こうした、カラー印刷において、その最終印刷処理
部13eでの印刷が完了した網版印刷物Bの印刷面は、
チェンコンベア20に受け渡される前に前記処理部13
eの圧胴18に巻き付いた状態で、第1〜第3の各カラ
ーカメラ21a〜21cによりストロボ発光の同調のも
とに拡大撮像される。
【0057】こうしてスポット的にカラー撮像される注
目箇所Cのイメージは図2に示され、例えば網版印刷物
Bの幅方向および搬送方向の夫々3か所、合計9か所が
抽出して撮像される。もちろん、これらの指定された注
目箇所Cはハーフトーンを構成するドット印刷領域の一
部であり、しかも、これらの撮像は所定のズーミングを
伴う。こうした極小領域の超拡大撮像により、その注目
箇所Cに存在する印刷ドットの一つ一つを見分けること
ができる。
【0058】第1〜第3の各カラーカメラ21a〜21
cから夫々出力されるカラー撮像信号はRGBの色を表
す色信号であり、このRGBカラー撮像信号は、バッフ
ァメモリ23に取込まれて一時的に保存された後、ゲイ
ン補正回路24により正規化処理を受け信号レベルを適
正化されて、色変換回路25に供給される。
【0059】そうすると色変換回路25は、受け入れた
RGBカラー撮像信号に含まれる各ドットを、その基本
インク色ごとに違いを見出だして区別するインク色弁別
処理を行う。こうしたRGBカラー撮像信号のインク色
ごとの分解は図4に示されたテーブルにしたがって行わ
れる。このインク色弁別処理によって得たドットのイン
ク色データは、夫々の基本インク色(Y、M、C、K)
ごとに用意されたYMCKメモリ26の各インク色用の
メモリ26a〜26dに夫々一時的に保存される。こう
して各メモリ26a〜26dには前記注目箇所Cのドッ
ト情報がインク色ごとのパターン情報として保存され
る。
【0060】YMCKメモリ26に保存された各ドット
の基本インク色データは、ドットサイズ演算回路27に
供給され、この回路27によってドットサイズが演算さ
れる。ここでの演算結果は、このドッドサイズ演算回路
27に接続された図示しない表示モニタに画面表示され
る。このモニタ画面に表示されたドットサイズが所定の
サイズ範囲に収まっている場合には、キーボード操作等
による外部入力にしたがってマスタメモリ28に転送さ
れ、評価の基準となるマスタデータとしてマスタメモリ
28に保存される。
【0061】なお、こうしたマスタデータの格納に代え
て、印刷された網版印刷物Bを目視により検査して良品
とされたものを、第5印刷処理部13eの圧胴18にセ
ットして、この印刷物Bを第1〜第3カラーカメラ21
a〜21cで撮像して得たRGBカラー撮像信号を、前
記ゲイン補正回路24、色変換回路25で順次処理して
YMCKメモリ26に取込んだ基本インク色データを、
ドットサイズ演算回路27で演算処理した結果を、マス
タデータとしてマスタメモリ28に記憶させてもよい。
しかし、こうしたマスタデータの設定作業よりも前者の
設定作業による場合の方が、印刷の中断を余儀なくされ
ることがなく、殆ど手間を要さずに簡単にマスタデータ
をマスタメモリ28に格納できる点で優れている。
【0062】マスタデータの保存後に印刷される網版印
刷物Bは、評価しようとする網版印刷物Bである。この
印刷物Bに対して既述のような撮像で得たRGBカラー
撮像信号からその基本インク色のドットのサイズが求め
られる。その手法は前記マスタメモリへのマスタデータ
の自動取込みと同じである。簡単に述べれば、第1〜第
3カラーカメラ21a〜21cで評価しようとする網版
印刷物Bの所定ドット領域内の注目箇所Cを抽出して超
拡大撮像をして、その出力であるRGBカラー撮像信号
をゲイン補正回路24で正規化処理した後に、色変換回
路25で基本インク色ごとに色分解して、その分解され
たデータをYMCKメモリ26に一次保存し、次に、こ
のメモリ26から読み出される各インク色ごとのドット
のサイズをドットサイズ演算回路27で演算する。こう
して得たドットサイズはリアルデータ言い換えれば被評
価データとして用いられる。なお、前記拡大撮像により
抽出されるドット印刷領域中の注目箇所Cは、基準と評
価しようとする網版印刷物において互いに対応してい
る。
【0063】前記演算の結果である被評価データは比較
器29に供給されるから、この比較器29は、供給され
た被評価データに対応してマスタメモリから読み出され
るマスタデータと、前記被評価データとを比較する。こ
うした各インク色ごとのドットについてのマスタデータ
と被評価データとの比較により、マスタデータと被評価
データとの異同があるかどうかが検出される。
【0064】この比較結果は判定回路30に送られ、こ
の回路30によって、比較結果が予め定められた許容値
内にあるかどうかが判定される。その判定結果が前記許
容値外の場合には、この判定回路30は判定されたイン
ク色のドットに異常があるとしてドット異常出力を発す
る。それにより、アラーム31が報知動作を行いオフセ
ット印刷機11のオプレータにドット異常が発生したと
いう警告を発する。
【0065】また、同時に、前記判定結果は色変動演算
回路32に供給されるから、この回路32はドット異常
と判定された被評価データについて、その外れた値のマ
スタデータに対する増加または減少の割合を演算する。
そして、こうして色変動演算回路32により演算された
色変動情報、つまり、前記のようにドット異常と判定さ
れたインク色が基準に対してどのような割合で色変動を
しているのかという情報は、制御情報としてオフセット
印刷機11の図示しないコントローラにフィードバック
され、或いは具体的な数値或いは異常を生じているドッ
トが正常に復するような当該インク色のインクの調整量
として前記数値から変換された修正指示値がモニタ画面
上に表示される。
【0066】以上の印刷ドット評価方法および装置にお
いては、カラー撮像信号を図3に示した処理装置22を
なす各電子回路23〜32(なお、アラーム31は除
く)で処理してドット評価をすることができるので、人
為的な資質のばらつきに評価が影響されることがなく、
リアルタイムで評価を下すことができ、印刷速度の上昇
にも対応できる。
【0067】そして、前記のように人為的な判断要素が
ないことと相俟って、実際のドット印刷領域についての
カラー撮像信号を処理して評価するため、その評価が直
接的であり、正確に評価をすることができる。
【0068】さらに、各インク色ごとのドットについて
評価するから、基本インク色のどのインク色にドット異
常があるのかということを識別できる。そのため、ドッ
ト異常の検出に伴うオフセット印刷機11側での対策が
取り易い。しかも、ドット異常が検出された場合に、単
にアラーム31を動作させて注意を喚起するだけではな
く、ドット異常と判定された被評価データのマスタデー
タに対する増加または減少の割合を色変動情報として出
力するので、異常を生じているドットが正常に復するよ
うに当該インク色の量を加減する等の対策をより速やか
に採用させることができる。
【0069】また、カラーカメラ21a〜21cでの撮
像色調を、印刷の基本インク色Y、M、C、Kの4色に
分解するから、その色分解の条件が緩くても、十分な信
頼性をもってYMCKの色分解を行うことができ、テー
ブルの構成などを簡単にできる利点がある。
【0070】図5は本発明の第2の実施の形態に係る印
刷ドット評価装置の回路構成を示すブロック図を示して
いる。この第2の実施の形態は、被評価データ演算手段
の構成のみが前記第1の実施の形態とは異なり、それ以
外の構成は図5に図示されない部分を含めて図1〜図4
に示された前記第1の実施の形態の印刷ドット評価装置
と同一ないしは同様な構成である。そのため、図示され
ない構成については図1〜図4をもって代用するととも
に、図示される同一ないしは同様な構成部分には第1の
実施の形態と同一の符号を付して、それらの構成の説明
およびそれに基づく作用効果の説明については省略する
が、これら同一ないしは同様な構成部分についても第2
の実施の形態に係る印刷ドット評価装置の構成の一部を
なすものである。
【0071】この第2の実施の形態における被評価デー
タ演算手段はドット面積演算回路41により形成されて
いる。この被評価データ演算回路41は、YMCKメモ
リ26に一次保存された各インク色ごとに少なくとも一
つのドットに注目してそのドットについての面積を行う
ものである。例えば、前記色変換回路27により弁別さ
れた各インク色ごとのドットのすべてに対してその面積
を求めるとともに、その求められた面積の総和を取って
前記注目箇所Cに対する各インク色ごとの占有面積を求
めるものである。その演算結果は前記被評価データとし
て使用される。なお、以上の点以外の構成は前記第1の
実施の形態の印刷ドット評価装置と同一である。
【0072】この第2の実施の形態においてマスタメモ
リ28に記憶されるマスタデータは、第1〜第3カラー
カメラ21a〜21cで網版印刷物Bの所定ドット領域
の注目箇所Cを抽出して超拡大撮像をして、その出力で
あるRGBカラー撮像信号をゲイン補正回路24で正規
化処理した後に、色変換回路25で基本インク色ごとに
色分解して、その分解されたデータをYMCKメモリ2
6に一次保存し、次に、このメモリ26から読み出され
る各インク色ごとのドットの面積をドット面積演算回路
41で演算して得たデータである。そして、ここにおい
て面積が求められるドットは各インク色ごとに少なくと
も一つであり、この第2の実施の形態においては、前記
色変換回路25により弁別された各インク色ごとのドッ
トのすべてに対してその面積を求めた後、その求められ
た面積の総和を取って前記注目箇所Cに対する各インク
色ごとの占有面積を求めており、その演算結果をマスタ
データとしている。
【0073】また、このマスタデータをマスタメモリ2
8に保存した後において、マスタデータを得るのと同様
にして、評価しようとする網版印刷物Bについてドット
面積演算回路41による演算で被評価データを得て、そ
れを比較器29において比較し、その比較結果を判定回
路30で判定し、その判定によりドット異常と判定され
た被評価データについて、色変動演算回路32で、マス
タデータに対する増加または減少の割合を演算する。
【0074】したがって、この第2の実施の形態におい
ても、第1の実施の形態と同様にして本発明の課題を解
決することができるとともに、ドット異常の発生を報知
することも、色変動演算回路32により演算された色変
動情報を、オフセット印刷機11の図示しないコントロ
ーラにフィードバックしたり、或いは具体的な数値或い
は異常を生じているドットが正常に復するような当該イ
ンク色のインクの調整量の指示値として前記数値から変
換されて変換されてモニタ画面上に表示することもでき
る。
【0075】その上、ドット面積演算回路41が得る被
評価データが、抽出されたドット印刷領域内のすべての
ドットの総面積であるから、ドットサイズをもって被評
価データとする場合に比較して、ドッドサイズが極小で
ある場合でも、その測定誤差の影響を最小に抑えること
ができる。そのため、印刷ドットの評価の信頼性をより
向上できる。
【0076】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施されるので、以下に記載されるような効果がある。請
求項1および2の発明方法および発明装置によれば、カ
ラー撮像信号を電子回路でリアルタイムで処理してドッ
ト評価をするので、ハーフトーンを構成するドット印刷
領域の色調の評価を、人為的な資質のばらつきに影響さ
れることなく、短時間に下すことができ、印刷速度の上
昇にも対応できる。そして、実際のドット印刷領域の一
部についてのカラー撮像信号を処理して評価するため、
その評価が直接的であり正確なドット評価ができるとと
もに、各インク色ごとのドットについて評価するから、
基本インク色のどのインク色にドット異常があるのかと
いうことを識別でき、したがって、実用性が高い。
【0077】請求項3の発明装置によれば、請求項1、
2と同じく本発明の第1の課題を解決できるとともに、
ドット異常と判定されたインク色が基準に対してどのよ
うな割合で色変動をしているのかという情報を得ること
ができる。したがって、この色変動情報をフィードバッ
クさせることで、異常を生じているドットが正常に復す
るように速やかな対策を採用させ得るから、より高い実
用性を得ることができる。
【0078】請求項4の発明装置によれば、被評価デー
タ演算手段により演算して得る被評価データを、抽出さ
れたドット印刷領域内のすべてのドットの総面積とした
から、評価の誤差の影響を最小に抑えて、印刷ドットの
評価の信頼性をより向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る印刷ドット評
価装置が接続されたオフセット印刷機の構成を概略的に
示す図。
【図2】第1の実施の形態に係る印刷ドット評価装置で
印刷ドットを評価される網版印刷物とカラーカメラとの
対応関係を示す図。
【図3】第1の実施の形態に係る印刷ドット評価装置の
回路構成を示すブロック図。
【図4】第1の実施の形態に係る印刷ドット評価装置が
備える色変換回路での色分解の基準として用いるテーブ
ルの内容を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る印刷ドット評
価装置の回路構成を示すブロック図。
【符号の説明】
11…オフセット印刷機(印刷機)、 21a〜21c…カラーカメラ、 22…処理装置、 25…色変換回路(色変換手段)、 26…YMCKメモリ(YMCK記録手段)、 27…ドットサイズ演算回路(被評価データ演算手
段)、 28…マスタメモリ(マスタ記録手段)、 29…比較器(比較手段)、 30…判定回路(判定手段)、 32…色変動演算回路(色変動演算手段)、 41…ドット面積演算回路(被評価データ演算手段)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハーフトーンを構成するドット印刷領域を
    少なくとも一部に含むカラー印刷が施された網版印刷物
    の前記ドット印刷領域の任意な注目箇所を抽出して拡大
    撮像する光−電変換形のカラーカメラのカラー撮像信号
    から、前記注目箇所内の各ドットを、そのインク色ごと
    に弁別し、 弁別された各インク色ごとのドットのサイズまたは面積
    を演算して被評価データを得、 基準となる網版印刷物についての前記注目箇所内の各イ
    ンク色ごとのドットのサイズまたは面積からなり予め設
    定されたマスタデータと、評価しようとする網版印刷物
    についての前記注目箇所内の各インク色ごとの前記被評
    価データとを、各インク色ごとに個別に比較し、 この比較結果についてそれが許容値内にあるかどうかを
    判定することを特徴とする印刷ドット評価方法。
  2. 【請求項2】ハーフトーンを構成するドット印刷領域を
    少なくとも一部に含むカラー印刷が施された網版印刷物
    の前記ドット印刷領域の任意な注目箇所を抽出して拡大
    撮像する光−電変換形のカラーカメラと、 このカメラで得たカラー撮像信号から前記注目箇所内の
    各ドットを、そのインク色ごとに弁別する色変換手段
    と、 この色変換手段で弁別された各インク色ごとのドットの
    サイズの演算を少なくとも一つ以上のドットについて行
    って被評価データを得、または前記弁別された各インク
    色ごとのドットの面積の演算を少なくとも一つ以上のド
    ットについて行って被評価データを得る被評価データ演
    算手段と、 基準となる網版印刷物についての前記注目箇所内のイン
    ク色ごとのドットについてのサイズまたは面積がマスタ
    データとして各インク色ごとに保存されるマスタ記録手
    段と、 この記録手段に保存されたマスタデータとそれに対応す
    る前記被評価データとを各インク色ごとに個別に比較す
    る比較手段と、 この比較結果についてそれが許容値内にあるかどうかを
    判定する判定手段とを具備した印刷ドット評価装置。
  3. 【請求項3】ハーフトーンを構成するドット印刷領域を
    少なくとも一部に含むカラー印刷が施された網版印刷物
    の前記ドット印刷領域の任意な注目箇所を抽出して拡大
    撮像する光−電変換形のカラーカメラと、 このカメラで得たカラー撮像信号から前記注目箇所内の
    各ドットを、そのインク色ごとに弁別する色変換手段
    と、 この色変換手段で弁別された各インク色ごとのドットの
    サイズの演算を少なくとも一つ以上のドットについて行
    って被評価データを得、または前記弁別された各インク
    色ごとのドットの面積の演算を少なくとも一つ以上のド
    ットについて行って被評価データを得る被評価データ演
    算手段と、 基準となる網版印刷物についての前記注目箇所内のイン
    ク色ごとのドットについてのサイズまたは面積がマスタ
    データとして各インク色ごとに保存されるマスタ記録手
    段と、 この記録手段に保存されたマスタデータとそれに対応す
    る前記被評価データとを各インク色ごとに個別に比較す
    る比較手段と、 この比較結果についてそれが許容値内にあるかどうかを
    判定する判定手段と、 この判定手段により許容値外であると判定された前記被
    評価データについて、その外れた値の前記マスタデータ
    に対する増加または減少の割合を演算する色変動演算手
    段とを具備した印刷ドット評価装置。
  4. 【請求項4】前記被評価データ演算手段が、前記色変換
    手段により弁別された各インク色ごとのドットのすべて
    に対してその面積を求めるとともに、その求められた面
    積の総和を取って前記注目箇所に対する各インク色ごと
    の占有面積を求めて、前記被評価データを得るものであ
    ることを特徴とする前記請求項2または請求項3に記載
    の印刷ドット評価装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010095474A1 (ja) * 2009-02-19 2010-08-26 三菱重工業株式会社 両面印刷機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010095474A1 (ja) * 2009-02-19 2010-08-26 三菱重工業株式会社 両面印刷機

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