JPH09226080A - 熱溶融型接着シート - Google Patents

熱溶融型接着シート

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JPH09226080A
JPH09226080A JP3473796A JP3473796A JPH09226080A JP H09226080 A JPH09226080 A JP H09226080A JP 3473796 A JP3473796 A JP 3473796A JP 3473796 A JP3473796 A JP 3473796A JP H09226080 A JPH09226080 A JP H09226080A
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JP
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epoxy resin
adhesive sheet
base material
resin composition
reinforcing base
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JP3473796A
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Yukio Nishiyama
幸夫 西山
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粗面に対する接着性に優れ、膨れや剥離が生じ
ず、しかも現場施工性を実現する熱溶融型接着シートを
提供する。 【解決手段】軟硬度が0.5〜10に設定された補強基
材1の両面に、下記の(A)〜(C)成分を含有するエ
ポキシ樹脂組成物層2が積層配設されている熱溶融型接
着シートである。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノキシ樹脂。 (C)少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリ
イソシアネート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モルタル板、コン
クリート板等のような粗面に対する接着性が良好で、高
温多湿雰囲気下においても膨れ、剥がれ等の生じない熱
溶融型接着シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、建設現場等の施工現場では、
モルタル板やコンクリート板等の粗面表面にさらに他の
部材を接着させる際に、上記板表面に各種の粘着剤を塗
布したり、あるいは接着シートを接着して、これらを介
在させることにより他の部材を接着させることが行われ
ている。
【0003】上記各種粘着剤として、例えば、ブチルゴ
ム系に代表されるゴム系粘着剤があげられる。
【0004】上記接着シートとしては、例えば、ポリア
ミド樹脂系、ポリエステル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系等
の熱溶融型接着シートがあげられる。さらに、一液タイ
プのエポキシ樹脂系接着シートや、二液タイプのエポキ
シ樹脂系接着シートがあげられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
あげた各種粘着剤や接着シートには、それぞれつぎのよ
うな問題がある。例えば、上記ブチルゴム系に代表され
るゴム系粘着剤では、ゴムの凝集力が強いため、粗面に
対する濡れ性が悪く、現実に使用可能な接着性を得るこ
とができず、さらに、高温多湿雰囲気下では粘着剤自身
に膨れが生じたり、また粗面から剥離するという問題が
生じる。
【0006】また、上記接着シートのうち、ポリアミド
樹脂系、ポリエステル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系等の熱
溶融型接着シートは、溶融時(加熱処理時)の粘度が高
く、濡れ性が悪いため粗面に対する接着性に劣る。そし
て、この濡れ性を改善する目的で、各種可塑剤、あるい
はポリイソブチレン、オイル等の軟化剤を添加し、溶融
粘度を下げて粗面に対する接着性の改良を試みてはいる
が、このような改良を試みても粗面に対する接着性が不
充分であり、上記ゴム系粘着剤と同様、現実に使用可能
な接着性レベルには達していないのが実情である。しか
も、濡れ性を向上させるために溶融粘度を下げると、高
温多湿雰囲気下(例えば80℃×90%RH)では接着
シートの接着剤自身に膨れが生じたり、また粗面から剥
離するという問題が生じる。さらに、この熱溶融型接着
シートを粗面に接着する際の接着処理温度が高温(通
常、150℃以上)を必要とするため、施工現場におい
て、面積の大きな粗面表面への施工は現実的に困難であ
るという問題を有している。
【0007】そして、上記一液タイプのエポキシ樹脂系
接着シートは、その使用時に、加熱硬化処理として、1
20℃以上の高温設定、および、1〜3時間程度の長時
間の加熱を必要とすることから、施工現場では実質上使
用することが不可能であるという問題を有している。
【0008】また、上記二液タイプのエポキシ樹脂系接
着シートは、主剤となるエポキシ樹脂、および硬化剤の
各計量と、均一な混合が必須であり、しかも、この接着
シートの硬化発現までに、数時間という長時間を要する
ため、現場施工性に劣ることから作業性の改善が強く要
望されている。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、粗面に対する接着性に優れ、膨れや剥離が生じ
ず、しかも良好な現場施工性を実現する熱溶融型接着シ
ートの提供をその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のうち請求項1にかかる発明は、下記の
(A)〜(C)成分を含有するエポキシ樹脂組成物層の
層面に、軟硬度が0.5〜10に設定された補強基材が
積層配設されている熱溶融型接着シートである。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノキシ樹脂。 (C)少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリ
イソシアネート。
【0011】また、本発明のうち請求項2にかかる発明
は、上記熱溶融型接着シートにおいて、上記(C)成分
中のイソシアネート基(X)と、(A)成分中の水酸基
と(B)成分中の水酸基の合計(Y)との割合(X/
Y)が、X/Y=0.02〜0.25に設定されている
熱溶融型接着シートである。
【0012】さらに、本発明のうち請求項3にかかる発
明は、上記請求項1または請求項2に加えて、エポキシ
樹脂組成物層の溶融軟化温度が120℃以下である熱溶
融型接着シートである。
【0013】すなわち、本発明者らは、粗面に対する接
着性(濡れ性)の向上を図り、かつ高温多湿雰囲気下に
おいて膨れや剥離等の生じない、現場施工性に優れた接
着シートを得るために一連の研究を重ねた。そして、上
記特定の軟硬度を有する補強基材を用いることにより、
モルタル板やコンクリート板等のポーラスな内部からの
発生ガスに起因した内圧に対する接着剤層となる樹脂組
成物層の膨れおよび剥離を、上記補強基材の剛性で押さ
え込むことが可能となることを突き止めた。しかも、粗
面に対する接着層が上記特定の成分を含有するエポキシ
樹脂組成物層により形成することにより、粗面に対する
接着性を満足させ、かつ、上記補強基材の剛性とともに
このエポキシ樹脂組成物層の接着力により膨れおよび剥
離の発生防止が実現することを見出し本発明に到達し
た。
【0014】特に、上記請求項2にかかる発明におい
て、前記(C)成分中のイソシアネート基(X)と、前
記(A)および(B)成分中の水酸基の合計(Y)との
割合(X/Y)を、X/Y=0.02〜0.25に設定
することにより、エポキシ樹脂組成物層の好適な凝集力
が付与されて、特に、高温多湿雰囲気下でのより一層の
接着性の向上が図られる。
【0015】さらに、上記請求項3にかかる発明におい
て、溶融軟化温度が従来より低温度の120℃以下とな
ることから、現場施工性に関して一層優れたものとな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0017】本発明の熱溶融型接着シートは、エポキシ
樹脂組成物層の層面に、特定の補強基材が積層配設され
た接着シートである。
【0018】上記エポキシ樹脂組成物層の形成材料とな
るエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A成分)と、
フェノキシ樹脂(B成分)と、ポリイソシアネート(C
成分)とを用いて得られる。
【0019】上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特
に限定するものではなく従来公知のものが用いられる
が、好ましくは、常温で液状または半固形状のエポキシ
樹脂、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂等のグリシジジルエーテル
型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、
さらにこれらの誘導体があげられる。これは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。
【0020】上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用い
られるフェノキシ樹脂(B成分)としては、特に限定す
るものではなく従来公知のものが用いられ、具体的には
重合度80〜500の範囲のものを用いることが好まし
い。
【0021】上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノキシ
樹脂(B成分)の配合割合は、両者の合計量(A成分+
B成分)中、フェノキシ樹脂(B成分)が5〜30重量
%(以下「%」と略す)の範囲内となるよう設定するこ
とが好ましい。より好ましくは5〜25%である。すな
わち、フェノキシ樹脂(B成分)の割合が5%未満で
は、エポキシ樹脂組成物の凝集力が低く、粗面に対する
接着力が弱くなり、逆に30%を超えると、加熱処理時
の溶融粘度が高く、粗面に対する濡れ性(接着性)が悪
くなり、良好な接着性が得られ難くなるからである。
【0022】上記エポキシ樹脂(A成分)およびフェノ
キシ樹脂(B成分)とともに用いられるポリイソシアネ
ート(C成分)としては、少なくとも2個のイソシアネ
ート基を有するものであれば特に限定するものではなく
従来公知のものが用いられる。例えば、トリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフ
タレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等
のジイソシアネート類、トリメチロールプロパン等のト
リレンジイソシアネート付加物等の多官能性イソシアネ
ート類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以
上併せて用いられる。
【0023】上記ポリイソシアネート(C成分)の配合
割合は、ポリイソシアネート(C成分)中のイソシアネ
ート基(X)と、上記エポキシ樹脂(A成分)中の水酸
基とフェノキシ樹脂(B成分)中の水酸基の合計(Y)
との割合(X/Y)が、X/Y=0.02〜0.25の
範囲となるよう設定することが好ましい。特に好ましく
はX/Y=0.03〜0.15である。すなわち、上記
割合(X/Y)が0.02未満では、エポキシ樹脂組成
物における充分な凝集力が得られず、粗面に対する接着
性、特に、50〜80℃の高温雰囲気下での粗面に対す
る接着力が不充分となる。また、上記割合(X/Y)が
0.25を超えると、エポキシ樹脂組成物の凝集力が過
剰となって、被着体(粗面)に対する濡れ性が低下し、
その結果、上記と同様、充分な接着性が得られ難くなる
からである。
【0024】上記エポキシ樹脂組成物には、上記A〜C
成分以外に必要に応じて、樹脂のたれ防止剤、エポキシ
樹脂用硬化剤等の各種添加剤をその目的に応じて適宜に
添加してもよい。
【0025】上記樹脂のたれ防止剤としては、炭酸カル
シウム、タルク、有機ベントナイト、シリカ等があげら
れるが、特に少量でも良好なたれ防止性の付与という観
点から有機ベントナイトを用いることが好ましい。
【0026】上記エポキシ樹脂用硬化剤としては、貯蔵
安定性の良好な潜在性硬化剤を用いることが好ましく、
例えば、ジシアンジアミド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルホン等があげられる。また、場合により硬化剤
は添加しなくてもよい。
【0027】上記各成分からなるエポキシ樹脂組成物に
よって形成されるエポキシ樹脂組成物層の層面に積層配
設される補強基材としては、特定の軟硬度を有するもの
が用いられる。
【0028】上記補強基材の特性を示す軟硬度は、補強
基材の剛性の度合い(硬さ)を表す指標である。この軟
硬度は、実際にはつぎのようにして測定される。すなわ
ち、幅25mm×長さ150mmに切断した補強基材
を、支点間距離100mmの中央部に荷重1gを載荷す
る。そのときの、荷重(1g)をかけた前後の変化であ
る撓み量(mm)を軟硬度とする。
【0029】そして、本発明において、エポキシ樹脂組
成物層の層面に積層配設される補強基材としては、軟硬
度が0.5〜10ものを用いる必要があり、より好まし
くは軟硬度が1〜8である。すなわち、軟硬度が0.5
未満では、本発明の熱溶融型接着シートを製品としてロ
ールに巻回することが困難となり、また、必要以上に剛
性を上げてもその効果が発現せずコスト高となるだけで
ある。逆に、軟硬度が10を超えると、被着体(例え
ば、モルタル板やコンクリート板等)から発生するガス
等による圧力を押さえ込むことが困難となり、高温過湿
処理をした際に、膨れや剥離が生じるからである。そし
て、上記軟硬度の範囲では、補強基材として、いわゆ
る、腰があるものであり、被着体に対する貼付作業、特
に面積が大きな部分に対する貼付作業が容易である効果
が得られる。
【0030】上記補強基材の主体となる基材としては、
例えば、合成樹脂が含浸されたガラスクロスや、SUS
箔、アルミニウム等の金属箔、ポリエステル製フィルム
等の各種耐熱性を有するフィルム等があげられる。特に
ガラス繊維からなるガラスクロスを用いることが好まし
い。そして、上記補強基材が、合成樹脂が含浸されたガ
ラスクロスの場合は、ガラス繊維からなるガラスクロス
を、上記のように合成樹脂を用いて含浸処理することに
より得られる。上記合成樹脂としては、各種の熱硬化性
樹脂および熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。例え
ば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂等の熱硬化性樹脂があげられる。また、エチ
レン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、塩化ビニル樹
脂、EVA−塩化ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂が
あげられる。
【0031】上記合成樹脂を用いての含浸処理は、つぎ
のようにして行われる。すなわち、上記樹脂系を溶剤等
で希釈された溶液や、エマルジョン化した溶液をガラス
クロスに塗布する。その後、加熱し溶媒を除去する。こ
の含浸用の樹脂液の粘度が低ければ、無溶剤タイプでも
使用可能である。
【0032】そして、このような処理を経て得られる補
強基材は、上記のようにその軟硬度が0.5〜10に設
定されなければならない。
【0033】つぎに、本発明の熱溶融型接着シートは、
上記材料を用いて、例えば、以下に示すようにして作製
することができる。
【0034】すなわち、まず、エポキシ樹脂組成物層体
を形成する。これは、前記のA〜C成分、および、樹脂
のたれ防止剤やエポキシ樹脂用硬化剤等の各種添加剤を
適宜配合し混合してエポキシ樹脂組成物を作製する。そ
して、得られたエポキシ樹脂組成物を、熱プレスにて、
厚み0.1〜3mm、好ましくは厚み0.3〜2mmの
シート状に成形することによりエポキシ樹脂組成物層体
を形成する。
【0035】一方、前記の方法に従って、合成樹脂を用
いて含浸処理された補強基材を作製する。この補強基材
は、厚み0.03〜0.3mm、好ましくは厚み0.0
5〜0.2mmとなるように作製する。つぎに、この補
強基材の両面に、上記エポキシ樹脂組成物層体をそれぞ
れ積層配設する。この積層配設方法は、補強基材の両面
にそれぞれエポキシ樹脂組成物層体をそれぞれ位置決め
しプレス等により貼着することにより行うことができ
る。このようにして、図1に示すように、補強基材1の
両面に、それぞれ、エポキシ樹脂組成物層2が積層配設
された熱溶融型接着シートを製造することができる。ま
た、場合により、補強基材の片面に、上記エポキシ樹脂
組成物層体を積層配設し、位置決めしてプレス等により
貼着することにより、図2に示すように、補強基材1の
片面に、エポキシ樹脂組成物層2が積層配設された熱溶
融型接着シートを製造することもできる。
【0036】得られる熱溶融型接着シート全体の総厚み
は、通常、0.2〜3mmに設定され、好ましくは厚み
0.3〜2mmである。
【0037】このようにして得られた熱溶融型接着シー
トにおけるエポキシ樹脂組成物層の溶融軟化温度は、1
20℃以下に、好ましくは100℃以下に設定される。
すなわち、本発明の熱溶融型接着シートの使用の際に
は、120℃以下の加熱により、熱溶融型接着シートに
おけるエポキシ樹脂組成物層を溶融させて接着性を発現
させる。そして、溶融軟化温度が120℃を超えると、
施工現場における、特に屋外でのモルタル板等への加熱
処理による接着作業が困難である。さらに、接着面積が
大きくなると、高温での加熱処理が、実質上、不可能に
近く、結果として使用できない状態となる。
【0038】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0039】
【実施例1】まず、エポキシ樹脂組成物層体を形成し
た。すなわち、常温で液状のエポキシ樹脂として、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190)3
5重量部(以下「部」と略す)と、フェノキシ樹脂(重
合度100)10部とを150℃で加熱融解して両者の
相溶物を作製した。さらに、エポキシ樹脂(エポキシ当
量450)55部を加え相溶させた後、これを100℃
に保ち、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)
0.8部を添加し、全樹脂中の水酸基とMDI中のイソ
シアネート基を架橋反応させた。このときのMDI中の
イソシアネート基(X)と、エポキシ樹脂成分およびフ
ェノキシ樹脂中の全水酸基(Y)との割合(X/Y)
は、X/Y=0.04であった。さらに架橋反応終了
後、これに、有機ベントナイト10部と、タルク80部
を配合し、ミキシングロールを用いて混練してエポキシ
樹脂組成物を作製した。得られたエポキシ樹脂組成物を
ホットプレス(70℃)で熱プレスすることにより、厚
み0.3mmのシート状のエポキシ樹脂組成物層体を作
製した。
【0040】一方、ガラス繊維からなるガラスクロスを
準備し、これに含浸処理を施した。この処理は、溶剤に
希釈したメラミン樹脂溶液をガラスクロスに含浸させた
後、加熱硬化処理してメラミン樹脂含浸ガラスクロスを
作製した。このようにして軟硬度5の厚み0.2mmの
補強基材を作製した。そして、この補強基材の両面に、
上記シート状のエポキシ樹脂組成物層体を配置し、プレ
ス(条件:80℃×3分×加圧2kg/cm2 )するこ
とにより貼着して、全体厚みが0.8mm×幅300m
m×長さ300mmの熱溶融型接着シートを得た。
【0041】
【実施例2〜4】エポキシ樹脂組成物層体の形成材料で
ある合成樹脂の配合量を下記の表1に示す配合量に変え
た。それ以外は実施例1と同様にして全体厚みが0.8
mm×幅300mm×長さ300mmの熱溶融型接着シ
ートを得た。
【0042】
【表1】
【0043】
【実施例5〜6】補強基材の作製において、使用する合
成樹脂の種類を下記の表2に示すように設定して軟硬度
の異なる厚み0.2mmの補強基材を作製した。それ以
外は実施例2と同様にして全体厚みが0.8mm×幅3
00mm×長さ300mmの熱溶融型接着シートを得
た。
【0044】
【表2】
【0045】
【実施例7〜8】補強基材の作製において、使用する合
成樹脂の種類を下記の表3に示すように設定して軟硬度
の異なる厚み0.2mmの補強基材を作製した。それ以
外は実施例3と同様にして全体厚みが0.8mm×幅3
00mm×長さ300mmの熱溶融型接着シートを得
た。
【0046】
【表3】
【0047】
【比較例1〜2】補強基材の作製において、使用する合
成樹脂の種類を下記の表4に示すように設定して軟硬度
の異なる厚み0.2mmの補強基材を作製した。それ以
外は実施例1と同様にして全体厚みが0.8mm×幅3
00mm×長さ300mmの熱溶融型接着シートを得
た。
【0048】
【表4】
【0049】このようにして得られた各実施例品および
比較例品の各熱溶融型接着シートを用い、粗面に対する
剥離接着力、膨れ試験を測定・評価した。これらの結果
を下記の表5および表6に示す。また、各熱溶融型接着
シートのモルタル板に対する接着の際の加熱処理温度を
下記の表5および表6に併せて示した。
【0050】〔剥離接着力〕モルタル板に対する180
°ピール剥離試験を、23℃および60℃雰囲気下にお
いてそれぞれ行い各接着力を測定した。なお、上記18
0°ピール剥離試験はつぎのようにして行った。すなわ
ち、25mm幅の熱溶融接着シートをモルタル板に載置
し、60〜90℃に加熱処理した後、2kgロールで圧
着して試料を作製した。ついで、上記試料をオートグラ
フ(引張試験機)にて、300mm/minの剥離速度
で180°剥離接着力を測定した。
【0051】〔膨れ試験〕モルタル板に各熱溶融型接着
シートを接着し、80℃×95%RH×7日間雰囲気下
で放置した後、各熱溶融型接着シート自身に膨れや接着
面からの剥離の発生の有無を目視による外観検査により
評価した。その結果、膨れおよび剥離が全く生じなかっ
たものを○、膨れおよび剥離の少なくとも一方でも発生
したものを×として表示した。
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】上記表5および表6の結果から、実施例品
は、23℃および60℃のいずれにおいても全て剥離接
着力が高く充分な接着性を有していることがわかる。ま
た、膨れ試験においても膨れが生じなかった。しかも、
全ての実施例品では加熱処理温度は100℃以下であっ
た。これに対して、各比較例品では、膨れ試験で部分的
に膨れや剥がれが発生したり(比較例2)、また基材の
軟硬度が硬い比較例1では接着シートのロール巻きがで
きず、取扱いまたは被着体へ貼付作業が困難であり、現
場施工性に劣ることが明らかである。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱溶融型接着シ
ートは、エポキシ樹脂(A成分)と、フェノキシ樹脂
(B成分)と、特定のポリイソシアネート(C成分)を
含有するエポキシ樹脂組成物層の層面に、軟硬度が0.
5〜10に設定された補強基材が積層配設されたもので
ある。このため、モルタル板やコンクリート板等の粗面
に対する接着性に優れ、粗面からの発生ガスに起因した
エポキシ樹脂組成物層の膨れおよび剥離が生じず、しか
も優れた現場施工性を実現する。
【0056】また、本発明のうち請求項2にかかる発明
において、上記特定のポリイソシアネート(C成分)中
のイソシアネート基(X)と、(A)成分中の水酸基と
(B)成分中の水酸基の合計(Y)との割合(X/Y)
が、X/Y=0.02〜0.25に設定されているた
め、エポキシ樹脂組成物層に良好な凝集力が付与され、
特に、高温多湿雰囲気下でのより一層の接着性の向上が
実現する。
【0057】さらに本発明のうち請求項3にかかる発明
は、上記に加えて、エポキシ樹脂組成物層の溶融軟化温
度が120℃以下である熱溶融型接着シートである。し
たがって、溶融軟化温度が従来より低温度の設定となる
ことから、この熱溶融型接着シートは実用性が高く一層
優れた現場施工性が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱溶融型接着シートの一例を示す断面
図である。
【図2】本発明の熱溶融型接着シートの他の例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 補強基材 2 エポキシ樹脂組成物層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有するエ
    ポキシ樹脂組成物層の層面に、軟硬度が0.5〜10に
    設定された補強基材が積層配設されていることを特徴と
    する熱溶融型接着シート。 (A)エポキシ樹脂。 (B)フェノキシ樹脂。 (C)少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリ
    イソシアネート。
  2. 【請求項2】 (C)成分中のイソシアネート基(X)
    と、(A)成分中の水酸基と(B)成分中の水酸基の合
    計(Y)との割合(X/Y)が、X/Y=0.02〜
    0.25に設定されている請求項1記載の熱溶融型接着
    シート。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂組成物層の溶融軟化温度が
    120℃以下である請求項1または2記載の熱溶融型接
    着シート。
JP3473796A 1996-02-22 1996-02-22 熱溶融型接着シート Pending JPH09226080A (ja)

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