JPH09225791A - 心無し研削・研磨装置 - Google Patents

心無し研削・研磨装置

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JPH09225791A
JPH09225791A JP6004696A JP6004696A JPH09225791A JP H09225791 A JPH09225791 A JP H09225791A JP 6004696 A JP6004696 A JP 6004696A JP 6004696 A JP6004696 A JP 6004696A JP H09225791 A JPH09225791 A JP H09225791A
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JP
Japan
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grinding
roller blade
polishing
grindstone
workpiece
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JP6004696A
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Inventor
Hiroshi Chiba
博司 千葉
Yusuke Yamada
祐介 山田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物の被加工面にスクラッチが発生せず
しかも生産性を向上させる。 【解決手段】 心無し研削・研磨装置Eは、ベース5上
に砥石修正装置6aを介して配設された砥石台6と、ベ
ース5上に砥石台6に向けて進退自在に配設された調整
砥石台7と、ベース5上の砥石台6と調整砥石台7間に
着脱自在に配設されたローラーブレード用枠体4を備
え、砥石台6に回転自在に支持された研削・研磨砥石1
と、調整砥石台7に回転自在に支持された調整砥石2お
よびローラーブレード用枠体4に回転自在に支持された
ローラーブレード3を有する。矢印A方向へ高速回転す
る研削・研磨砥石1に向けて矢印B方向へ回転する調整
砥石2を被加工物W1 に押し付けることで、矢印C方向
へ回転する被加工物W1 とともにローラーブレード3を
矢印D方向へつれ回り回転させて加工を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒状または円柱
状の形状を有する被加工物の外周面の真円度、真直度、
振れ精度、表面粗さを高精度に研削・研磨加工するため
の心無し研削・研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】形状が円筒状または円柱状である被加工
物の外周面の研削・研磨加工を行なうために、次に説明
するような心無し研削・研磨装置が用いられている。
【0003】図11に示すように、心無し研削・研磨装
置E0 は、ベース104上に砥石修正装置105aを介
して配設された砥石台105と、ベース104上に前記
砥石台105に対して進退自在(矢印D方向)に配設さ
れた調整砥石台106と、ベース上の砥石台105と調
整砥石台106間に立設されたブレード103を備え、
砥石台105に回転自在に配設された研削・研磨砥石1
01、調整砥石台106に回転自在に配設された調整砥
石102およびブレード103の3要素に接するように
粗仕上げされた被加工物W0 を配置し、矢印A方向へ高
速回転する研削・研磨砥石101に向けて調整砥石台1
06を移動させて矢印C方向へ回転する調整砥石102
を被加工物W0 に押し付けることにより、被加工物W0
を矢印B方向へつれ回り回転させて外周面の研削・研磨
加工を行なうように構成されている。
【0004】この従来の心無し研削・研磨装置E0 は、
研削・研磨砥石101、調整砥石102およびブレード
103の3要素により被加工物W0 の位置が規制される
ものであって、この3要素によって構成される3接円は
理論上一つしか存在しないため、極めて真円度の高い加
工精度が得られる。したがって、研削・研磨加工中にこ
れら3要素の位置や形状が変動することは前記加工精度
の変動要因となるため、これら3要素には形状・寸法の
安定した材料が用いられ、特にブレード103の材料と
しては高い剛性および耐摩耗性を有する超硬金属材料が
用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術では、アルミニウムや黄銅等の軟質金属材料から
なる被加工物W0 を研削・研磨した場合、図12に示す
ように、その被加工面にいわゆるスクラッチと呼ばれる
傷110が発生する。このスクラッチの発生原因として
は、次の(イ)または(ロ)が主な原因と考えられてい
る。
【0006】(イ) 研削・研磨中に脱落した砥粒や微
細な切粉がブレード表面に滞留し、これらと被加工物の
摺擦によって傷つけられるもの。
【0007】(ロ) 前記微細な切粉が摺擦熱によって
溶融してブレード表面に融着して図13に示すような融
着物111が発生し、この融着物111が加工継続に伴
って成長し、やがて構成刃先のようになって被加工物W
0 の被加工面を傷つけるもの。
【0008】そこで、上記(イ)または(ロ)の原因に
よるスクラッチの発生を防止するため、ブレード本体表
面にフッ素樹脂製のテープを貼着したり、図14の
(a)に示すように、ブレード本体123の表面に耐摩
耗性の良好な樹脂製部材123aを一体的に設けたブレ
ードが用いられている。
【0009】しかしながら上記従来の技術では、ブレー
ド本体に設けられたフッ素樹脂テープや樹脂製部材の耐
摩耗性に限界があり、研削・研磨加工の進行に伴って被
加工物W0 と摺擦する部位が摩耗し、図14の(b)に
示すように、摩耗幅L1 、摩耗深さL2 の凹部130が
発生する。このような凹部130が発生すると被加工物
0 との接触面積が増大して被加工物W0 のスムースな
回転が妨げられるため、良好な研削・研磨状態を維持で
きず、次第に被加工物W0 の真円度、真直度、振れ精度
等の加工精度が悪化してくるという未解決の課題があっ
た。また、このような加工精度の悪化を防止するために
は、頻繁にフッ素樹脂テープの貼り替えやブレード変換
を行なわなければならず、生産性が低いという未解決の
課題があった。
【0010】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであって、被加工物の被加
工面にスクラッチが発生せずしかも生産性を向上するこ
とができる心無し研削・研磨装置を実現することを第1
の目的とするものである。
【0011】また本発明は、被加工物の長さが外径に比
べて著しく長い場合であっても、該被加工物の被加工面
の真円度、真直度、振れ精度、表面粗さを高精度に仕上
げることができる心無し研削・研磨装置を実現すること
を第2の目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の心無し研削・研磨装置は、砥石台に回転自
在に支持された研削・研磨砥石と、前記研削・研磨砥石
に向けて進退自在な調整砥石台に回転自在に支持された
調整砥石を備えた心無し研削・研磨装置において、前記
砥石台と調整砥石台間に配設されたローラーブレード用
枠体に前記調整砥石とともに被加工物を支持するための
ローラーブレードを回転自在に設け、研削・研磨加工時
において前記被加工物とともに前記ローラーブレードが
つれ回り回転するように構成したことを特徴とするもの
である。
【0013】また、ローラーブレードが、同一回転軸の
軸方向へ配列された少なくとも2個の円筒体からなるも
のとしたり、ローラーブレード用枠体が、着脱自在であ
るものとすることができる。
【0014】
【作用】研削・研磨加工時において、ローラーブレード
が被加工物とともにつれ回り回転するため、ローラーブ
レードの表面と被加工物の被加工面との摩擦による摩耗
が著しく低減する。
【0015】また、ローラーブレードの表面に落下した
砥粒、切粉等が付着しないため、これらの摺擦によって
被加工物の被加工面が傷つけられるおそれがない。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0017】図1は、本発明に係る心無し研削・研磨装
置の一実施例を示す模式側面図であって、本実施例の心
無し研削・研磨装置Eは、ベース5上に砥石修正装置6
aを介して配設された砥石台6と、ベース5上に前記砥
石台6に向けて進退自在(矢印E方向)に配設された調
整砥石台7と、ベース5上の前記砥石台6と前記調整砥
石台7間に着脱自在に配設されたローラーブレード用枠
体4を備え、砥石台6に回転自在に支持された研削・研
磨砥石1と、調整砥石台7に回転自在に支持された調整
砥石2およびローラーブレード用枠体4に回転自在に支
持されたローラーブレード3の3要素を有し、研削・研
磨砥石1および調整砥石2はそれぞれ図示しない回転駆
動手段により強制回転されるように構成されている。
【0018】なお、ローラーブレード用枠体4は、ベー
ス5の下面側から嵌挿された図示しない高さ調整ねじ等
により高さ調節自在とすることができる。
【0019】本実施例において、ローラーブレード3
は、図2の(a)に示すように円筒状のローラー本体3
aの両端部にそれぞれ軸部材3bを結合したものであっ
て、ローラーブレード用枠体4の上端部に設けられた凹
所8の両端壁9に形成されているの貫通孔9aに嵌着さ
れた軸受10を介して両軸部材3bが回転自在に軸支さ
れている。また本実施例では、ローラーブレード3の軸
部材3bと端壁9間には座金13が介在されており、軸
受10が嵌着された貫通孔9aにおける端壁9の外面側
開口部はシール部材11を介在させた側板12で覆うこ
とにより、軸受10や軸部材3bに落下した砥粒や切粉
またはごみ等の浸入を防止している。
【0020】本実施例において、図1に示すように、予
め粗仕上げされた円筒状または円柱状の形状を有する被
加工物W1 を研削・研磨砥石1、調整砥石2およびロー
ラーブレード3の3要素に接するように配置し、矢印A
方向へ高速回転する研削・研磨砥石1に向けて調整砥石
台7を移動させて矢印B方向へ回転する調整砥石2を被
加工物W1 に押し付けることにより、被加工物W1 を矢
印C方向へつれ回り回転させるとともにローラーブレー
ド3を矢印D方向へつれ回り回転させて被加工物W1
外周面の研削・研磨加工を行なう。
【0021】本発明において、研削・研磨装置は、イン
フィード方式またはスルーフィード方式のいずれの方式
のものでもよいが、被加工物の軸方向における長さや形
状に対応してローラーブレードの材質、形状、構造等を
適宜変えることができる。例えば、外径の寸法に比べて
軸方向の長さが長い被加工物の研削・研磨加工を行なう
場合、ローラーブレードが他の要素と干渉しないように
するため外径寸法および軸方向の長さが被加工物とほぼ
同じである細長いローラーブレードを使用する必要があ
る。
【0022】しかし、ローラーブレードを細長くする
と、ローラーブレード自体の自重によりたわみが発生す
るが、この自重によるたわみωの大きさは円筒体の場
合、次式により算出することができる。
【0023】 ω=(5・ρ・π・D2 ・L4 )/(384・E・I・4)・・・・・(1) ここで、ρ:ローラーブレードを構成する材料の密度 D:ローラーブレードの外径 L:全長 E:ローラーブレードを構成する材料の縦弾性係数 I:ローラーブレードの断面係数 上記(1)式によれば、たわみωは全長Lの4乗に比例
する。つまりローラーブレードのたわみωを小さくする
にはローラーブレードの全長Lを短くすればよく、その
ためにはローラーブレードを複数に分割してこれら複数
のローラーブレードを同一回転軸上に配列し、被加工物
の長さと対応する長さにするとよい。例えば二本のロー
ラーブレードを配列すると上記(1)式よりたわみωは
1/16に低減できることが明らかである。
【0024】次に、本発明に係る外径の寸法に比べ軸方
向の長さが長い被加工物の研削・研磨加工に適したロー
ラーブレードおよびローラーブレード用枠体の変形例に
ついて説明する。
【0025】図3は第1変形例のローラーブレードおよ
びローラーブレード用枠体を示し、軸方向に切断した模
式断面図である。
【0026】本変形例は、ローラーブレード用枠体24
の上端面にその略中央部位に立設した仕切壁40によっ
て二分割した凹所28a,28bを形成し、各凹所28
a,28b毎に端壁29の貫通孔29aおよび仕切壁4
0の貫通孔40aに嵌着された軸受30を介して各ロー
ラーブレード23の両端部に結合された軸部材23bを
回転自在に軸支したものである。
【0027】図4は第2変形例のローラーブレードおよ
びローラーブレード用枠体を示し、(a)は軸方向に切
断した模式断面図、(b)は(a)の円Aで囲んだ部分
の模式拡大部分断面図である。
【0028】本変形例は、ローラーブレード用枠体44
の上端面にその略中央部位に立設した仕切壁50によっ
て二分割した凹所48a,48bを形成し、両端壁49
の貫通孔49aおよび仕切壁50の貫通孔50aに嵌着
された軸部材43bの各凹所48a,48b内の部分に
それぞれ複数のころがり軸受43aを配設し、該ころが
り軸受43aの外輪である円筒体をローラーブレード4
3として用いたものである。
【0029】図5は第3変形例のローラーブレードおよ
びローラーブレード用枠体を示し、(a)は軸方向に切
断した模式断面図、(b)は(a)の円Aで囲んだ部分
の模式拡大部分断面図である。
【0030】本変形例は、ローラーブレード用枠体64
の上端面にその略中央部位に立設した仕切壁70によっ
て二分割した凹所68a,68bを形成し、両端壁69
の貫通孔69aおよび仕切壁70の貫通孔70aに嵌着
された軸部材63bの各凹所68a,68b内の部分に
それぞれリテーナ63cに支持されたボール63dおよ
びこれに外接する円筒体63aを複数組軸方向へ配列
し、前記円筒体63aをローラーブレード63として用
いたものである。
【0031】上記第2変形例や第3変形例は、研削・研
磨加工開始時の転動開始に要するトルクが小さいため、
特に軽量の被加工物を研削・研磨加工する場合や、軽負
荷の研削・研磨条件で加工を行なう仕上げ加工時に有効
である。
【0032】
【実施例】
(実施例1)アルミニウム合金製引抜円筒素管を図2に
示した一本タイプのローラーブレードを用いて以下の条
件で連続5000本の心無し研削加工を行なった。
【0033】 (被加工物)・外径:φ20.15mm ・内径:φ18.4mm ・長さ:L=333mm ・材質:A6063 (研削条件)・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec ・粗研削代:0.15mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化硅素質(SiC)#120 寸法:φ610×375×φ304(クレノートン社製) ・研削砥石回転数:1250rpm (ローラーブレード) ・材質:超硬合金G10 ・直径:外径12mm/内径8mm ・長さ:333mm 研削加工後に被加工物の加工精度を確認するために、真
直度、真円度、振れ精度、表面粗さ(Ra:中心線平均
粗さ)、表面のスクラッチの有無についてそれぞれ測定
および観察を行なった。その結果、連続5000本研削
したときの平均値は、真直度:2.2μm、真円度:
3.2μm、振れ:4.6μm、表面粗さRa:0.4
μmであった。
【0034】また、被加工物を洗浄した後に、目視にて
被加工面を観察したところ、被加工面全周にわたって微
細なスクラッチ等の発生は全く認められず、非常に良好
な表面状態が得られた。また、加工精度も上記のごとく
非常に良く、5000本の連続研削においても研削の進
行に伴う精度の低下もみられず安定した加工精度が得ら
れた。
【0035】その後、ローラーブレード用枠体をベース
から取り外し、ローラーブレード表面を顕微鏡にて観察
したところ、研削中に発生した微細な切粉や脱落した砥
粒等の付着、融着は全く見られず、極めて加工前と同じ
状態を保っていることが確認された。
【0036】そしてさらに、ローラーブレード用枠体か
らローラーブレードだけを取り外し、その重量を測定し
たところ、加工前に測定した重量よりもわずかに0.3
g減少しているだけでほとんどローラーブレード表面の
摩耗が進んでいないことが確認された。
【0037】ここで、振れの測定は図6に示したように
被加工物W1 の両端から5mmの位置をVブロック80
で支持して基準とし、被加工物を回転させて、軸方向に
5箇所の位置をテストインジケーター81を用いて測定
し、その最大値を振れの値とした。
【0038】また、表面粗さRaの測定は1本の被加工
物W1 について、軸方向に任意に3箇所、さらに周方向
に任意に3箇所を測定し、全ての値の平均値をRaの値
とした。
【0039】(実施例2)次に、図3に示した二分割し
た2本タイプのローラーブレードを用いて、実施例1と
同様にアルミニウム合金製円筒素管を研削加工し、同様
に評価を行なった。なお、被加工物寸法、研削条件は実
施例1と同一とした。
【0040】(ローラーブレード) ・材質:超硬合金G10 ・直径:外径12mm/内径8mm ・長さ:164mm/1本 加工後に被加工物の加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗さRa、表面のスクラッ
チの有無についてそれぞれ測定および観察を行なった。
その結果、連続5000本研削したときの平均値は、真
直度:1.9μm、真円度2.5μm、振れ:2.8μ
m、表面粗さRa:0.5μmであった。
【0041】また、被加工物を洗浄した後に、目視にて
被加工面を観察したところ、被加工面全周にわたって微
細なスクラッチ等の発生は全く認められず、実施例1と
同様に非常に良好な表面状態が得られた。また、加工精
度も上記のごとく実施例1よりさらに良好で、5000
本の連続研削においても研削の進行に伴う精度の低下も
みられず安定した加工精度が得られた。
【0042】その後、ローラーブレード用枠体をベース
から取り外し、ローラーブレード表面を顕微鏡にて観察
したところ、研削中に発生した微細な切粉や脱落した砥
粒等の付着、融着は全く見られず、極めて加工前と同じ
状態を保っていることが確認された。
【0043】そしてその後、ローラーブレード用枠体か
らローラーブレードだけを取り外し、その重量を測定し
たところ、加工前に測定した重量よりもわずかに0.5
g減少しているだけでほとんどローラーブレード表面の
摩耗が進んでいないことが確認された。
【0044】(比較例1)図11に示した従来のブレー
ドを用いて実施例1と同様に研削加工し、同様の評価を
行なった。
【0045】ブレード材質:超硬、ブレード先端角度
θ:60゜、ワーク当接面は研磨加工を施しており、表
面粗さRa:0.3μmである。
【0046】その結果、研削開始後、わずか5本目で被
加工物表面全周にわたって、スクラッチが発生した。途
中で加工を中止してブレード表面を目視にて観察したと
ころ、ブレード表面の被加工物との摺擦部に図13に示
すようにアルミニウムの微細な切粉の融着物が発生して
いた。
【0047】(比較例2)図14に示したように被加工
物との摺擦部に板状の樹脂製部材をエポキシ系接着剤に
て接着し、完全に乾燥した後に樹脂製部材の寸法精度を
確保するために平面研磨加工を行ない、ブレードを作製
した。
【0048】このブレードを用いて、実施例1と同様に
アルミニウム円筒素管を連続5000本研削加工を行な
った。
【0049】(樹脂製部材) 材質:PBI(ポリベンゾイミダゾール樹脂) 加工後に被加工物の加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗さRa、表面のスクラッ
チの有無についてそれぞれ測定および観察を行なった。
その結果、加工初期においては、真直度:1.9μm、
真円度:2.8μm、振れ:3.3μm、表面粗さR
a:0.5μmであった。
【0050】また、被加工物を洗浄した後に、目視にて
被加工面を観察したところ、加工初期は微細なスクラッ
チ等の発生は全く認められず、良好な表面状態が得られ
ていたが、加工本数が増加するにつれて、次第に微細な
スクラッチが目立つようになってきた。さらに、300
0本以降からは表面にビビリのようなものがみられるも
のもあった。同時に加工精度も研削本数増加に伴い、ほ
ぼ連続的に劣化して行き、5000本研削時点では、真
直度:8.5μm、真円度:7.1μm、振れ:11.
8μm、表面粗さRa:1.1μmであった。
【0051】その後、ブレードをベースから取り外し、
樹脂製部材の被加工物との摺擦面を目視にて観察したと
ころ、図14の(b)に示すように大きく摩耗している
ことが確認された。この時の摩耗状態を測定すると摩耗
幅L1 は5.3mm、最大摩耗深さL2 は98μmであ
った。
【0052】取り外したブレードの重量を測定したとこ
ろ、加工前に測定した重量よりも58g大きく減少して
いることがわかった。
【0053】実施例1、実施例2および比較例2につい
て、真直度、真円度、振れ、表面粗さRaを図7ないし
図10にそれぞれ示す。
【0054】なお、比較例1は、研削本数がわずかに3
本で被加工物の表面にスクラッチが発生し、実験を中止
したため記載していない。
【0055】図7ないし図10から判るように、実施例
1および実施例2によるローラーブレードは、研削加工
を長時間にわたって継続してもその加工精度はほとんど
変化することなく安定した高い精度を維持している。こ
れに対して比較例2による樹脂製部材を備えたブレード
は、研削加工の進行に伴い樹脂製部材が摩耗し、被加工
物がスムースに回転しなくなり、良好な研削状態を維持
できなくなる。その結果、加工精度も徐徐に劣化してい
く。
【0056】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
【0057】従来の技術では高精度な研削・研磨加工が
困難であったアルミニウムや黄銅等の軟質金属材料から
なる被加工物であっても、スクラッチの発生を防止し、
非常に高い表面精度を得ることができる。
【0058】また、ローラーブレードは、その耐久性が
大幅に延び、従来のブレードの如く頻繁に交換する必要
がなく、生産性が大幅に向上する。
【0059】さらに、ローラーブレードは、その摩耗に
起因する加工精度の悪化がほとんどなく、長時間にわた
る連続研削・研磨加工を行なっても高い加工精度を安定
して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研削・研磨装置の一実施例を示す
模式側面図である。
【図2】本発明に係るローラーブレードを示し、(a)
は軸方向に切断した模式断面図、(b)は(a)の円A
で囲んだ部分の模式拡大部分断面図である。
【図3】本発明に係るローラーブレードおよびローラー
ブレード用枠体の第1変形例を示し、軸方向に切断した
模式断面図である。
【図4】本発明に係るローラーブレードおよびローラー
ブレード用枠体の第2変形例を示し、(a)は軸方向に
切断した模式断面図、(b)は(a)の円Aで囲んだ部
分の模式拡大部分断面図である。
【図5】本発明に係るローラーブレードおよびローラー
ブレード用枠体の第3変形例を示し、(a)は軸方向に
切断した模式断面図、(b)は(a)の円Aで囲んだ部
分の模式拡大部分断面図である。
【図6】被加工物の外径振れの測定方法を示す説明図で
ある。
【図7】被加工物の真直度を示すグラフである。
【図8】被加工物の外径振れを示すグラフである。
【図9】被加工物の真円度を示すグラフである。
【図10】被加工物の表面粗さRaを示すグラフであ
る。
【図11】従来の研削・研磨装置の一例を示す模式側面
図である。
【図12】被加工物に発生するスクラッチの説明図であ
る。
【図13】図11に示す従来のブレードに付着した融着
物の説明図である。
【図14】従来の樹脂製部材を有するブレードを示し、
(a)は加工時における研削・研磨砥石、調整砥石およ
び前記ブレードおよび被加工物の関係を示す説明図、
(b)は前記ブレードの加工により摩耗した状態を示す
説明図である。
【符号の説明】
1 研削・研磨砥石 2 調整砥石 3,23,43,63 ローラーブレード 3a ローラー本体 3b,23b,43b,63b 軸部材 4,24,44,64 ローラーブレード用枠体 5 ベース 6 砥石台 7 調整砥石台 8,28a,28b,48a,48b,68a,68b
凹所 9,29,49,69 端壁 10,30 軸受 11 シール部材 12,32,52,72 側板 13 座金 43a ころがり軸受 63a 円筒体 63c リテーナ 63d ボール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石台に回転自在に支持された研削・研
    磨砥石と、前記研削・研磨砥石に向けて進退自在な調整
    砥石台に回転自在に支持された調整砥石を備えた心無し
    研削・研磨装置において、 前記砥石台と調整砥石台間に配設されたローラーブレー
    ド用枠体に前記調整砥石とともに被加工物を支持するた
    めのローラーブレードを回転自在に設け、研削・研磨加
    工時において前記被加工物とともに前記ローラーブレー
    ドがつれ回り回転するように構成したことを特徴とする
    心無し研削・研磨装置。
  2. 【請求項2】 ローラーブレードが、同一回転軸の軸方
    向へ配列された少なくとも2個の円筒体からなることを
    特徴とする請求項1記載の心無し研削・研磨装置。
  3. 【請求項3】 ローラーブレード用枠体が、着脱自在で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の心無し研
    削・研磨装置。
JP6004696A 1996-02-22 1996-02-22 心無し研削・研磨装置 Pending JPH09225791A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010097296A (ko) * 2000-04-21 2001-11-08 임성순 센터리스 연삭기의 공작물 지지구조
KR20030051133A (ko) * 2002-04-02 2003-06-25 전광수 파이프 표면 연마장치

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KR20010097296A (ko) * 2000-04-21 2001-11-08 임성순 센터리스 연삭기의 공작물 지지구조
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