JPH09225754A - ピストンピンクリップ嵌入装置 - Google Patents

ピストンピンクリップ嵌入装置

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JPH09225754A
JPH09225754A JP3398896A JP3398896A JPH09225754A JP H09225754 A JPH09225754 A JP H09225754A JP 3398896 A JP3398896 A JP 3398896A JP 3398896 A JP3398896 A JP 3398896A JP H09225754 A JPH09225754 A JP H09225754A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造で容易にピストンピンクリップをク
リップ溝に嵌入させることができ、装置のコストを低廉
化することが可能なピストンピンクリップ嵌入装置を提
供する。 【解決手段】供給部材60が摺動すると、ピストンピン
クリップ47は案内通路54を摺動し、該案内通路54
を形成する壁部に押圧されて楕円形状に変形する。ピス
トンピンクリップ47はさらに供給部材60に押圧され
て筒状部材36の孔部44に進入し、装着部材42に形
成された斜面部50に当接して傾斜する。装着部材42
が孔部44を摺動すると、ピストンピンクリップ47は
装着部材42の段部46に係合して縮径された状態で水
平に変位した後、孔部44を移動してピストンピン挿入
孔16に進入し、クリップ溝88aに嵌合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンを組み立
てる際、ピストンとコンロッドとを連結するピストンピ
ンの脱落防止のため、ピストンピンクリップをピストン
ピン挿入孔の内周面に画成された環状のクリップ溝に嵌
入するためのピストンピンクリップ嵌入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのピストンにコンロッドの小端
部を軸支させる場合、略円柱形状のピストンピンが用い
られる。そして、このピストンピンは、ピストンに装着
されたピストンピンクリップによって前記ピストンから
の脱落が阻止される。ここで、前記ピストンピンクリッ
プは弾性を有する金属の如き材料で略C字状に形成さ
れ、ピストンのピストンピン挿入孔を形成する周壁に画
成されたクリップ溝に嵌入されることでピストンピンの
抜け止めがなされる。
【0003】前記クリップ溝にピストンピンクリップを
嵌入するための装置として、特開昭62−39133号
公報に開示されたものが知られている。この装置は、ピ
ストン載置台の上方に筒状の圧入シャフトガイドを配設
すると共に、該圧入シャフトガイドの下端部とピストン
との間にピストンピンクリップの送り台を水平方向に取
り付けたものである。該送り台の上面には圧縮板を配設
し、該圧縮板の先端には略半円形状の切り欠きを形成し
てある。ピストンピンクリップが送り台に供給される
と、ピストンピンクリップは圧縮板によって縮径されて
圧入シャフトガイド内に供給される。続いて、圧入シャ
フトによりピストン内に圧入され、自らの弾性によりク
リップ溝に収まる。
【0004】また、実開平3−100031号公報に開
示されているように、ピストンピン取付孔の両開口部に
当接する2つのテーパガイドと、ピストンピンクリップ
が係合する円形段部を先端部に有し、該テーパガイド内
を摺動する圧入棒とを備え、ピストンピンクリップが圧
縮されて縮径状態にあるときには前記圧入棒の先端部が
ピストンピンクリップの内径部近傍に係合してピストン
ピン取付孔の軸線方向に押動し、ピストンピンクリップ
がクリップ溝に嵌合されると、前記圧入棒はピストンピ
ンクリップの内径部を通過し、前記段部によってピスト
ンピンクリップを強制的に拡径して確実に装着するよう
にしたものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の装置では、いずれもピストンピンクリップを円形
に維持した状態で縮径し、挿入するようにしている。こ
の場合、円形に維持することは困難であり、また高精度
の装置を必要とし、装置が複雑となりコストが高騰する
という問題があった。
【0006】また、ピストンピンクリップを縮径する
際、楕円形状に変形すると、ピストンピン挿入孔に挿入
することができず、クリップ溝に嵌入させることが不可
能になるという問題が指摘されている。
【0007】そこで、特開平2−24028号公報に開
示されているピストンピンクリップの嵌込装置では、こ
のような問題を解決するために、軸線方向と略平行にな
るようにピストンピンクリップが挿入されたスリーブを
ピストンピン挿入孔の一方の開口部に当接させ、先端が
傾斜して形成された位置決め部材をピストンピン挿入孔
の他方の開口部から進入させ、該位置決め部材の傾斜し
た先端部で前記ピストンピンクリップを押圧して回転さ
せた後、位置決め部材に嵌合させ、次いで、前記スリー
ブの内部をさらに他のスリーブを前記位置決め部材側に
摺動させてピストンピンクリップを押圧することによ
り、クリップ溝に嵌合させている。
【0008】しかしながら、この従来技術では、ピスト
ンピンクリップを確実に装着することはできるが、構造
が複雑となる不具合がある。
【0009】本発明は、この種の問題を解決するもので
あり、より簡単な構造で容易にピストンピンクリップを
クリップ溝に嵌入させることができ、装置のコストを低
廉化することが可能なピストンピンクリップ嵌入装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、ピストンピン挿入孔に装着され、前記
ピストンピン挿入孔に供給されるピストンピンクリップ
を縮径させた状態で保持する筒状部材と、前記筒状部材
に挿入され、先端部に変位方向に対して傾斜する斜面部
を有するとともに、前記斜面部の周縁部に縮径された状
態の前記ピストンピンクリップを保持する段部が形成さ
れ、前記ピストンピン挿入孔に指向して変位することで
前記ピストンピンクリップを前記ピストンピン挿入孔に
形成されたクリップ溝に装着する装着部材と、前記筒状
部材の側部の中、前記斜面部が配置された部位に連通
し、前記筒状部材に指向して徐々に幅狭となる案内通路
と、前記案内通路に供給された前記ピストンピンクリッ
プを前記筒状部材に指向して変位させ、前記装着部材の
前記斜面部を介して前記筒状部材に供給する供給部材
と、を備えることを特徴とする。
【0011】本発明によれば、ピストンピンクリップが
案内通路に投入され、供給部材が摺動すると、ピストン
ピンクリップは案内通路の内部を摺動し、該案内通路を
形成する壁部に押圧されて徐々に幅方向に圧縮され、楕
円形状に変形する。ピストンピンクリップはさらに供給
部材に押圧されて筒状部材の内部に進入し、装着部材の
斜面部にガイドされて傾斜する。そして、ピストンピン
クリップ自体の弾性によって筒状部材の内部に傾斜して
保持される。次に、装着部材が筒状部材の内部を摺動す
ると、ピストンピンクリップは装着部材の段部に係合し
て筒状部材の内部を移動し、ピストンピン挿入孔に進入
してクリップ溝に嵌合する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係るピストンピンクリッ
プ嵌入装置について、好適な実施の形態を挙げ、添付の
図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0013】図1において、参照符号10は、本実施の
形態に係るピストンピンクリップ嵌入装置を示す。この
嵌入装置10はピストン載置台12を含み、該ピストン
載置台12の上部にはピストン14に画成されたピスト
ンピン挿入孔16に係合する突部18が形成される。
【0014】前記ピストン載置台12に隣接してフレー
ム20が立設される。該フレーム20の壁面には取付部
22の鉛直方向に沿ってガイドレール24が固着され、
該ガイドレール24にはガイドブロック26が摺動自在
に係合する。前記ガイドブロック26は取付部材28を
介して第1シリンダ30のロッド32に固着される。な
お、該第1シリンダ30は前記フレーム20の上部に板
状部材34を介して固着される。従って、前記第1シリ
ンダ30が付勢されると、前記ガイドブロック26は前
記ガイドレール24に沿って摺動する。
【0015】前記ガイドブロック26には、軸線方向が
前記ガイドブロック26の摺動方向と一致する筒状部材
36が固着される。該筒状部材36の上部には第2シリ
ンダ38が固着され、該第2シリンダ38のロッド40
には略円柱形状の装着部材42が固着され、該装着部材
42は前記筒状部材36の孔部44に摺動自在に挿入さ
れる。前記装着部材42の下部には、段部46を形成
し、略C字形状のピストンピンクリップ47の内周部に
挿通自在な突部48が前記装着部材42と同軸的に形成
される。なお、該突部48の先端部には斜面部50が形
成されている。また、前記筒状部材36の孔部44は、
前記ピストンピン挿入孔16と同径で且つピストンピン
クリップ47の外周径よりも小さい径に設定される。
【0016】前記筒状部材36の略中央には水平方向に
延在するガイドプレート52が一体に形成されている。
該ガイドプレート52にはピストンピンクリップ47が
挿通可能な案内通路54が画成される。該案内通路54
は前記筒状部材36の孔部44に連通している。前記案
内通路54を形成する対向した壁部56a、56bの間
隔は、図6A、図6Bに示すように、前記筒状部材36
に指向して徐々に幅が狭くなる。
【0017】前記ガイドプレート52上には板状の供給
部材60が摺動自在に設けられ、該供給部材60の一端
側にはピストンピンクリップ47の外周面の一部に係合
する湾曲した凹部62が画成されている。前記供給部材
60の他端部は、図1に示すように、屈曲部64が形成
され、該屈曲部64には第3シリンダ66のロッド68
が固着される。該第3シリンダ66は取付部材70を介
して前記ガイドプレート52に固着されている。従っ
て、前記第3シリンダ66が付勢されると、前記供給部
材60は前記ガイドプレート52上を摺動し、案内通路
54の内部に挿入される。
【0018】前記ガイドプレート52上の前記筒状部材
36と供給部材60との間には、図1、図7に示すよう
に、前記筒状部材36の外壁から突出して形成された連
結部72を介して、ピストンピンクリップ47を積層し
て収納しておく円柱部材74が形成される。該円柱部材
74の上端部はテーパ状に縮径しており、ピストンピン
クリップ47を容易に収納することができる。前記円柱
部材74の外周はピストンピンクリップ47の内周部に
挿通自在であり、該ピストンピンクリップ47の切欠部
76が前記連結部72に係合する。前記ガイドプレート
52には前記円柱部材74からピストンピンクリップ4
7が挿通自在な略C字状の孔部78が画成される。従っ
て、前記円柱部材74に積層されたピストンピンクリッ
プ47は該孔部78から前記ガイドプレート52上に供
給される。
【0019】本実施の形態に係るピストンピンクリップ
嵌入装置10は基本的には以上のように構成されるもの
であり、次に本実施の形態で組み立てられるピストン1
4について説明する。
【0020】ピストン14は、図1に示すように、略円
柱形状に形成され、該ピストン14の軸線方向(図1
中、水平方向)に沿って孔部80が画成され、該孔部8
0にはコンロッド82の小端部が挿入される。前記孔部
80に連通して該孔部80に直交する方向にピストンピ
ン挿入孔16が画成され、該ピストンピン挿入孔16は
前記コンロッド82の小端部に画成された孔部86に同
軸的に連通している。前記ピストンピン挿入孔16を形
成する周壁にはピストンピンクリップ47が嵌入される
クリップ溝88a、88bが画成される。
【0021】以上のように構成されるピストン14の一
方のクリップ溝88aに前記嵌入装置10を用いてピス
トンピンクリップ47を嵌入するには、先ず、図1、図
7に示すように、円柱部材74に弾性を有する金属の如
き材料でC字状に形成されたピストンピンクリップ47
を複数積層して収納しておく。このとき、前記ピストン
ピンクリップ47の切欠部76は連結部72に案内され
て同一姿勢に整列した状態で上下方向に積み重ねられて
いる。最下部に挿入されたピストンピンクリップ47は
孔部78を挿通してガイドプレート52上に載置され
る。
【0022】次に、ピストン14がピストン載置台12
に載置される。このとき、ピストンピン挿入孔16の一
方の開口部には突部18が挿入され、これによってピス
トン14は位置決めされる。
【0023】次いで、装着部材42の斜面部50が案内
通路54の延長線上に位置するように第2シリンダ38
を付勢する。
【0024】以上のような準備段階を経た後、第3シリ
ンダ66を付勢して供給部材60をガイドプレート52
に沿って矢印A方向(図1参照)に摺動させると、図6
Aに示すように、ピストンピンクリップ47が供給部材
60の凹部62によって押圧され、案内通路54を介し
て筒状部材36側に移動する。このとき、ピストンピン
クリップ47は案内通路54を形成する徐々に幅狭とな
る壁部56a、56bによって、図6Bに示すように、
楕円形状に変形する。そして、前記ピストンピンクリッ
プ47は楕円形状に変形された状態で、図2に示すよう
に、筒状部材36の孔部44に進入する。ここで、ピス
トンピンクリップ47は装着部材42の斜面部50に当
接して進入方向が下方向に修正され、前記ピストンピン
クリップ47の外周径よりもやや小さい径に設定された
孔部44の内部に傾斜して挿入される。ピストンピンク
リップ47の外周部はその弾性によって孔部44を構成
する壁面に押圧され、従って、図3に示すように、ピス
トンピンクリップ47は孔部44の内部に傾斜し、且
つ、楕円形状に保持される。
【0025】次いで、第1シリンダ30が付勢される
と、図4に示すように、ガイドブロック26はガイドレ
ール24に沿って下降し、筒状部材36の下端部がピス
トン14に当接する。このとき、ピストン14のピスト
ンピン挿入孔16は筒状部材36の孔部44と同軸的に
連通する。
【0026】次に、第2シリンダ38が付勢されると、
装着部材42が下降し、突部48はピストンピンクリッ
プ47の内周部に挿入される。このとき、傾斜したピス
トンピンクリップ47の上方に位置する部位が装着部材
42の段部46に当接し、さらに装着部材42が下降す
ると、ピストンピンクリップ47が孔部44の壁面から
受ける応力によって縮径して略水平に変位し、段部46
に係合する。この状態で装着部材42がさらに下降して
ピストン14に画成されたピストンピン挿入孔16に所
定量挿入されると、図5に示すように、ピストンピンク
リップ47がクリップ溝88aに係合し、その弾性によ
って拡径してピストンピンクリップ47の装着が完了す
る。
【0027】以上のようにしてピストンピンクリップ4
7はクリップ溝88aに嵌入される。
【0028】クリップ溝88bに対してピストンピンク
リップ47を嵌入する場合は、供給部材60の退動で次
のピストンピンクリップ47が案内通路54に供給さ
れ、前記と同様の作用によってピストンピンクリップ4
7はクリップ溝88bに嵌入される。
【0029】次に、前記のようにしてクリップ溝88
a、88bにピストンピンクリップ47が嵌入されたピ
ストン14に対して、コンロッド82の小端部を挿入し
た後、ピストンピンが挿入される。ピストンピンは前記
ピストンピンクリップ47によって好適に抜け止めされ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明に係るピストンピンクリップ嵌入
装置によれば、以下のような効果ならびに利点が得られ
る。
【0031】ピストンピンクリップを楕円形状に圧縮し
て筒状部材に挿入し、筒状部材の内部でピストンピンク
リップを傾斜して保持し、装着部材の変位作用下にピス
トンピンクリップをクリップ溝に嵌入するため、容易且
つ確実に嵌入させることができ、高精度の装置が不要と
なり、装置のコストを低廉化することができ、従って、
生産コストも低廉化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るピストンピンクリッ
プ嵌入装置の縦断面図である。
【図2】図1の嵌入装置の使用方法を示し、供給部材が
摺動してピストンピンクリップを押圧している状態の縦
断面図である。
【図3】図1の嵌入装置の使用方法を示し、ピストンピ
ンクリップが筒状部材に挿入されている状態の縦断面図
である。
【図4】図1の嵌入装置の使用方法を示し、筒状部材が
下降してピストンに当接している状態の縦断面図であ
る。
【図5】図1の嵌入装置の使用方法を示し、ピストンピ
ンクリップがクリップ溝に嵌入している状態の縦断面図
である。
【図6】図1の嵌入装置のガイドプレートを示し、図6
Aは、ピストンピンクリップがガイド孔に挿入された状
態の概略平面断面図、図6Bは、ピストンピンクリップ
が押圧されて楕円形状に変形した状態の概略平面断面図
である。
【図7】図1の嵌入装置の円柱部材近傍の概略平面断面
図である。
【符号の説明】
10…嵌入装置 14…ピストン 16…ピストンピン挿入孔 36…筒状部材 46…段部 47…ピストンピン
クリップ 48…突部 50…斜面部 52…ガイドプレート 54…案内通路 56a、56b…壁部 60…供給部材 74…円柱部材 88a、88b…ク
リップ溝

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピストンピン挿入孔に装着され、前記ピス
    トンピン挿入孔に供給されるピストンピンクリップを縮
    径させた状態で保持する筒状部材と、 前記筒状部材に挿入され、先端部に変位方向に対して傾
    斜する斜面部を有するとともに、前記斜面部の周縁部に
    縮径された状態の前記ピストンピンクリップを保持する
    段部が形成され、前記ピストンピン挿入孔に指向して変
    位することで前記ピストンピンクリップを前記ピストン
    ピン挿入孔に形成されたクリップ溝に装着する装着部材
    と、 前記筒状部材の側部の中、前記斜面部が配置された部位
    に連通し、前記筒状部材に指向して徐々に幅狭となる案
    内通路と、 前記案内通路に供給された前記ピストンピンクリップを
    前記筒状部材に指向して変位させ、前記装着部材の前記
    斜面部を介して前記筒状部材に供給する供給部材と、 を備えることを特徴とするピストンピンクリップ嵌入装
    置。
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