JPH0922555A

JPH0922555A - 磁気記録再生装置

Info

Publication number: JPH0922555A
Application number: JP7167640A
Authority: JP
Inventors: Masato Yamaguchi; 正人山口; Hidenori Yoneoka; 秀紀米岡
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1995-07-03
Filing date: 1995-07-03
Publication date: 1997-01-21

Abstract

(57)【要約】【目的】回転ドラムの入口側及び出口側部分における
テープエッジ付近のテープ張力を高めてテープエッジ付
近の記録，再生の信号強度を充分に得ることのできる磁
気記録再生装置を得る。【構成】ビデオカメラ装置において、移動ブロック
８，１２上の傾斜ガイド９，１３が、磁気テープＴを回
転ドラム１１の入口側及び出口側において磁気ヘッド１
０がスキャンしている位置に近いテープエッジ側の回転
ドラムに対するテープ巻付け角が増えるように決めら
れ、かつ少なくとも磁気ヘッド１０がスキャンしている
位置に近いテープエッジ側のテープ張力が大きくなるよ
うに、磁気テープＴに捩じれが与えられるような傾斜姿
勢で配置するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、デジタル
でビデオ信号を磁気テープに記録されるビデオカメラ装
置等に使用して好適な磁気記録再生装置に関し、詳しく
は、磁気テープのトラック全長に亘って記録，再生特性
の均一な信号強度が得られるようにした磁気記録再生装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術と課題】従来、例えばビデオカメラ装置に
あっては、磁気テープにビデオ信号を記録する方式とし
て所定角度で傾斜する回転ドラムの回転面に磁気テープ
をヘリカルに巻き付け、回転ドラムに備えた記録ヘッド
で磁気テープを斜めにスキャンすることによりビデオ信
号を記録したり、また、記録された磁気テープ上の記録
トラックを再生ヘッドでトレースすることでビデオ信号
を再生することが一般的に行われている。

【０００３】さらに、回転ドラムの回転面に磁気テープ
をヘリカルに巻き付けるメカ的な構成としては、回転ド
ラムの入口側と出口側とに傾斜ガイドを配置し、これら
傾斜ガイドにより磁気テープを例えばＭローディングと
いわれる方式で巻き付ける。この際、磁気テープは回転
ドラムの回転面に所定のテープ張力（テープテンショ
ン）をもって巻き付けられる。

【０００４】かくして、回転ドラムに巻き付けられた磁
気テープは、一般には回転ドラムの入口側において磁気
ヘッドによりテープの下エッジ側からスキャンされてビ
デオ信号が書き込まれ、出口側ではテープの上エッジ側
でスキャンされてビデオ信号が書き終わるようになって
いる。

【０００５】しかし、上述したような磁気ヘッドによる
磁気テープのスキャン方式では、回転ドラムの入口側や
出口側では磁気ヘッドが磁気テープのエッジ近くをスキ
ャンするため、磁気テープと磁気ヘッドとの接触圧が低
下する現象がある。これはテープには所定の張力が発生
しているが、テープの中央部に比べてエッジ付近ではテ
ープ張力が低いことが原因となっている。このため、テ
ープエッジ付近では磁気ヘッドによる記録，再生の信号
強度が充分に得られない場合がある。

【０００６】一方、ビデオカメラ装置にあってはメカデ
ッキのサイズを最小限に押さえるための一例として、カ
セットのローディング状態においてカセットのマウスエ
リア内に回転ドラムが収容されるのが効果的であるが、
従来から行われているＭローディング又は変形Ｍローデ
ィングでは、カセットのマウスエリアの奥行きが深い場
合であっても高さが低いため、回転ドラムがマウスエリ
アの上部に位置するリッドに突き当たって充分奥まで収
容することができない場合がある。このため、メカデッ
キのサイズを小型化するための一つの障害となってい
た。

【０００７】本発明は、上述したような課題を解消する
ためになされたもので、回転ドラムの入口側及び出口側
部分におけるテープエッジ付近のテープ張力を高めてテ
ープエッジ付近の記録，再生の信号強度を充分に得られ
るようにすると共に、カセットのマウスエリア内に回転
ドラムを充分に深く収容し、メカデッキのサイズを小型
化することのできる磁気記録再生装置を得ることを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明による磁気記録再生装置は、磁気テープが磁
気ヘッドを備えた回転ドラムの入口側及び出口側の近傍
に移動する移動ブロック上の傾斜ガイドによって引き出
され、回転ドラムのドラム面にヘリカルに巻き付けられ
て記録，再生動作が行えるようにした磁気記録再生装置
において、移動ブロック上の傾斜ガイドは、磁気テープ
を回転ドラムの入口側及び出口側において磁気ヘッドが
スキャンしている位置に近いテープエッジ側の回転ドラ
ムに対するテープ巻付け角が増えるように決められ、か
つ少なくとも磁気ヘッドがスキャンしている位置に近い
テープエッジ側のテープ張力が大きくなるように、磁気
テープに捩じれが与えられるような傾斜姿勢で配置する
ようにしたものである。

【０００９】上述のように構成した本発明の磁気記録再
生装置は、回転ドラムの入口側及び出口側では磁気ヘッ
ドがスキャンしている位置に近いテープエッジが回転ド
ラムに対してテープ巻付け角が増えると共に、テープエ
ッジ側のテープ張力が大きくなるため、テープエッジ側
に対する磁気ヘッドの接触圧を高くすることができる。
また、回転ドラムの傾斜角度を大きくできることで、カ
セットローディング時にマウスエリア内に回転ドラムを
充分に深く収容でき、カセコンの小型化を可能にするこ
とができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明による磁気記録再生
装置のの実施例をデジタルでビデオ信号を磁気テープに
記録されるビデオカメラ装置を例にとって説明する。

【００１１】図１はビデオカメラ装置のメカデッキのロ
ーディング位置状態の平面図、図２は同じくアンローデ
ィング位置状態の平面図であり、カセットは説明の都合
上、仮想線で示してある。

【００１２】まず、説明を理解し易くするためメカデッ
キのローディング状態におけるテープ走行系について説
明する。

【００１３】符号１で示したカセットのテープ供給側リ
ール２から引き出されたテープＴは、メカシャーシ３に
固定されて立設している回転式のガイドローラ４を経て
テンレギアーム５の回転式のテンションレギュレータロ
ーラ６に掛回され、ここからメカシャーシ３に固定され
て立設している別の回転式のガイドローラ７より移動ブ
ロック８上に傾斜状態に支持されているドラム入口側近
傍の固定式の傾斜ガイド９に掛回され、そして、この傾
斜ガイド９からテープＴは磁気ヘッド１０を備えた回転
ドラム１１にヘリカルに巻き付けられる。

【００１４】回転ドラム１１より引き出されたテープＴ
は移動ブロック１２上に傾斜状態に支持されてるドラム
出口側近傍の固定式の傾斜ガイド１３に掛回され、ここ
から同じく移動ブロック１２上に支持されている傾斜す
るガイド１４からキャプスタン１５及びピンチローラ１
６を経てテンションローラ１７よりテープ巻取り側リー
ル１８に巻き取られる。

【００１５】一方、図２に示したメカデッキのアンロー
ディング状態においては、テープ供給側リール２から引
き出されたテープＴは、カセット１の供給側のテープガ
イド１ａからカセットマウス１ｂを横断し、巻取り側の
テープガイド１ｂよりテープ巻取り側リール１８に巻き
取られている。

【００１６】また、メカデッキのアンローディング状態
にあっては、テンションレギュレータローラ６、傾斜ガ
イド９及び１３、ピンチローラ１６、テンションローラ
１７はテープＴの内側でカセットマウス１ｂ内に位置し
ている。

【００１７】すなわち、図２に示したメカデッキのアン
ローディング状態からメカデッキがローディング動作す
ることによって、図１のローディング状態に移動する
が、この際、傾斜ガイド９及び１３はそれぞれの移動ブ
ロック８及び１２がメカシャーシ３側のガイド溝１９，
２０に沿って摺動移動し、ローディング位置では一方の
移動ブロック９は固定ブロック２１に突き当たって位置
決めされ、他方の移動ブロック１２はガイド溝２０の端
部に突き当たって位置決めされる。

【００１８】さて、図３に回転ドラム１１にテープが巻
き付けられているローディング状態の拡大平面図を示
す。尚、回転ドラム１１には２チャンネルの記録，再生
用の磁気ヘッド１０が備えられている。

【００１９】例えば、テープＴへのビデオ信号の記録動
作では回転するドラム１１と共に回転する磁気ヘッド１
０は、回転ドラム１１の入口側ではテープ下エッジ側よ
りスキャンされてビデオ信号が書き始められ、回転ドラ
ム１１の出口側でテープ上エッジ側でビデオ信号が書き
終わる。

【００２０】ここで、本発明の特徴部分について説明す
る。本発明では回転ドラム１１の入口側及び出口側部分
におけるテープエッジ付近のテープ張力を高め、テープ
エッジ付近の記録，再生の信号強度を充分に得られるよ
うにすることを特徴としており、これを達成するための
手段として回転ドラム１１の入口側の傾斜ガイド９およ
び出口側の傾斜ガイド１３の傾斜姿勢を所定の傾斜状態
にすることによって可能としている。

【００２１】以下、図３と共に図４及び図５を参照して
詳細に説明する。図４は回転ドラム１１の入口側の傾斜
ガイド９及び出口側の傾斜ガイド１３によってテープＴ
に「ひねり」を与えてテープの上下エッジの張力を高め
る様子を平面図と側面図で示した概要図であり、図５は
回転ドラム１１の入口側と出口側におけるテープに作用
する張力分布図である。

【００２２】まず、回転ドラム１１の入口側の傾斜ガイ
ド９について説明すると、回転ドラム１１の接線方向を
テープＴの中央部としこれを中心線Ｔ₀として、この中
心線と直角方向で傾斜ガイド９の根元側を回転ドラム１
１側に接近させ、上端側を回転ドラム１１から離間する
ように傾斜させた姿勢に配置している。このように傾斜
ガイド９を配置することにより、テープＴには「ひね
り」が発生しテープＴの上，下エッジＴ_1,Ｔ₂部分には
引張り力が生じることになる。

【００２３】すなわち、入口側のテープＴにおいては図
５ａに示すようにテープの中央部から上下のテープエッ
ジ側に従ってテープ張力が矢印の長さで示すように大き
くなり、この結果、テープ中央部に比べて高い張力（テ
ンション）が付与されることになると同時に、テープＴ
の下エッジＴ₂が回転ドラム１１に対してテープ巻付け
角が増えるようになる。

【００２４】次に、回転ドラム１１の出口側の傾斜ガイ
ド１３について説明すると、回転ドラム１１の接線方向
をテープＴの中央部としこれを中心線Ｔ₀として、この
中心線と直角方向で傾斜ガイド１３の根元側を回転ドラ
ム１１側より離間させ、上端側を回転ドラム１１側に接
近するように傾斜させた姿勢に配置している。このよう
に傾斜ガイド１３を配置することにより、テープＴには
上述した場合と同様に「ひねり」が発生しテープＴの
上，下エッジＴ₁，Ｔ₂部分には引張り力が生じること
になる。

【００２５】すなわち、出口側のテープＴにおいても図
５ｂに示すようにテープの中央部から上下のテープエッ
ジ側に従ってテープ張力が矢印の長さで示すように大き
くなり、この結果、テープ中央部に比べて高い張力（テ
ンション）が付与されることになると同時に、テープＴ
の上エッジＴ₁が回転ドラム１１に対してテープ巻付け
角が増えるようになる。

【００２６】本発明は上述したように構成したことによ
り、回転ドラム１１の入口側ではテープ下エッジ側より
スキャンされる磁気ヘッド１０が下エッジ側との接触圧
が向上すると共に、テープＴの下エッジＴ₂側が回転ド
ラム１１に対して余分に巻付けられるため、磁気ヘッド
のテープへの当たりを確保し易くなり、テープ下エッジ
付近の記録，再生の信号強度を充分に得ることができる
といった利点がある。

【００２７】また、回転ドラム１１の出口側ではテープ
上エッジ側にスキャンされる磁気ヘッド１０が上エッジ
側との接触圧が向上すると共に、テープＴの上エッジＴ
₁側が回転ドラム１１に対して余分に巻付けられるた
め、磁気ヘッドのテープへの当たりを確保し易くなり、
テープ上エッジ付近の記録，再生の信号強度を充分に得
ることができるといった利点がある。

【００２８】また、メカデッキのローディング動作状態
において入口側の傾斜ガイド９の直前に位置している固
定式のガイドローラ７がメカシャーシ３に設けられ、こ
のガイドローラ７にテープＴの外側のテープ面を走行さ
せることで、移動ブロック８には傾斜ガイド９のみを設
けるだけで回転ドラム１１へテープＴを正確に巻き付け
ることが可能となる。

【００２９】一方、本発明の別の特徴部分としては、上
述したようなテープ走行系としたことで回転ドラム１１
の傾斜角度をさらにカセット側に傾斜して構成すること
ができるようになり、この結果、メカデッキのローディ
ング動作においてカセットの開放状態のリッドに対して
回転ドラム１１が突き当たることもなく、図１に示すよ
うにカセットマウス１ｂ内に回転ドラム１１がより深く
収容することができ、この結果、メカデッキ全体のサイ
ズを小型化することが可能となった。

【００３０】本発明は、上述しかつ図面に示した実施例
に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲内
で種々の変形実施が可能である。

【００３１】実施例では回転ドラム１１の入口側ではテ
ープＴの下エッジ側から磁気ヘッド１０によりビデオ信
号を書き始め、出口側ではテープＴの上エッジ側でビデ
オ信号を書き終わる方式について説明したが、その他、
上述の場合とは逆にテープの上エッジ側からビデオ信号
を書き始め、出口側ではテープの下エッジ側でビデオ信
号を書き終わる方式についてもテープエッジ付近の記
録，再生の信号強度を得ることができる。

【００３２】また、実施例ではデジタルでビデオ信号を
磁気テープに記録されるビデオカメラ装置を例にとって
説明したが、アナログでビデオ信号を記録するビデオカ
メラ装置についても適用可能であり、また、その他ビデ
オ信号以外、回転ドラムを使用してオーディオ信号を磁
気テープに記録あるいは再生する磁気記録再生装置につ
いても広く適用可能である。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気記録
再生装置は、移動ブロック上の傾斜ガイドが、磁気テー
プを回転ドラムの入口側及び出口側において磁気ヘッド
がスキャンしている位置に近いテープエッジ側の回転ド
ラムに対するテープ巻付け角が増えるように決められ、
少なくとも磁気ヘッドがスキャンしている位置に近いテ
ープエッジ側のテープ張力が大きくなるように、磁気テ
ープに捩じれが与えられるような傾斜姿勢で配置するよ
うにしたので、テープ上，下エッジ付近の記録，再生の
信号強度を充分に得ることができ、信頼性の高い磁気記
録再生装置となるといった効果がある。

【００３４】また、カセットマウス内に回転ドラムがよ
り深く収容することができ、メカデッキ全体のサイズを
小型化を図ることができる効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本例のビデオカメラ装置のメカデッキのローデ
ィング動作状態の平面図である。

【図２】同じく、メカデッキのアンローディング状態の
平面図である。

【図３】回転ドラムへのテープの巻き付け状態の拡大図
である。

【図４】ドラム入口側及び出口側のテープへのひねり状
態の平面図と側面図である。

【図５】ドラム入口側と出口側のテープ張力の分布図で
ある。

【符号の説明】

１カセット３メカシャーシ７ガイドローラ８，１２移動ブロック９ドラム入口側の傾斜ガイド１０磁気ヘッド１１回転ドラム１３ドラム出口側の傾斜ガイドＴ磁気テープＴ₁テープ上エッジＴ₂テープ下エッジ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】磁気テープが磁気ヘッドを備えた回転ド
ラムの入口側及び出口側の近傍に移動する移動ブロック
上の傾斜ガイドによって引き出され、上記回転ドラムの
ドラム面にヘリカルに巻き付けられて記録，再生動作が
行えるようにした磁気記録再生装置において、上記移動ブロック上の傾斜ガイドは、上記磁気テープを
回転ドラムの入口側及び出口側において上記磁気ヘッド
がスキャンしている位置に近いテープエッジ側の上記回
転ドラムに対するテープ巻付け角が増えるように決めら
れ、かつ少なくとも上記磁気ヘッドがスキャンしている
位置に近いテープエッジ側のテープ張力が大きくなるよ
うに、磁気テープに捩じれが与えられるような傾斜姿勢
で配置されていることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項２】請求項１記載の磁気記録再生装置におい
て、上記回転ドラムに対するテープ巻付け角は回転ドラムの
入口側ではテープ下エッジ側が多く巻き付けられ、出口
側ではテープ上エッジ側が多く巻き付けられることを特
徴とする磁気記録再生装置。
【請求項３】請求項１記載の磁気記録再生装置におい
て、上記回転ドラム入口側の移動ブロックには上記傾斜ガイ
ドが１つのみ配置されていることを特徴とする磁気記録
再生装置。
【請求項４】請求項１記載の磁気記録再生装置におい
て、上記回転ドラム入口側の上記傾斜ガイドの上流側の直前
に位置しテープ走行系を構成するガイドローラが上記磁
気テープの外側に配置されていることを特徴とする磁気
記録再生装置。