JPH0922549A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、テープ弛みを確実に防止して、安
定した高精度なテープ走行を実現し得るようにすること
にある。 【解決手段】キャプスタンモータ１の駆動力を利用して
モード切替カム歯車１０を駆動してテープ駆動部を定速
走行モードを経由して所望の動作モードに切替設定し、
再び定速走行モードに切替設定する際に、モード切替カ
ム歯車１０の動作に連動してテンションレバー４２を動
作制御して、定速走行モード切替設定した状態で、一旦
非動作状態に設定して供給側リール台２８を駆動可能に
構成し、所期の課題を解決したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えばビデオテ
ープレコーダ（ＶＴＲ）等の磁気記録再生装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、ＶＴＲにおいては、テープパ
ス上に回転自在に立設されるキャプスタンを駆動するキ
ャプスタンモータの駆動力を利用して動作モード切替機
構、カセットローディング機構、テープローディング機
構及びテープ走行系を動作制御する方式のものが知られ
ている。

【０００３】図８は、このような従来のＶＴＲの要部を
示すもので、キャプスタンモータ１には、同軸的にキャ
プスタン２が嵌着される。そして、このキャプスタン２
には、プーリ３が同軸的に嵌着される。このプーリ３に
は、第１及び第２のベルト４，５の一方が巻き掛けられ
る。このうち第１のベルト４の他方には、遊星歯車本体
６のプーリ６ａに巻き掛けられる。

【０００４】遊星歯車本体６は、図９に示すようにプー
リ６ａに対して太陽歯車６ｂが同軸的に嵌着され、この
太陽歯車６ｂは、恒転歯車本体６ｃに設けられる内歯に
対向配置される。この恒転歯車本体６ｃの内歯には、第
１乃至第３の遊星歯車６ｄ〜６ｆが所定の間隔を有して
歯合される。この第１乃至第３の遊星歯車６ｄ〜６ｆ
は、出力歯車本体６ｇに軸６ｈを介して回転自在に支持
され、この出力歯車本体６ｇには、出力歯車６ｉが同軸
的に設けられる。そして、恒転歯車本体６ｃの周囲部に
は、複数の爪部６ｊが所定の間隔を有して形成され、こ
れら爪部６ｊには、プランジャソレノイド７の可動部７
ａに取付けられたロックレバー８が対向配置される（図
１０参照）。

【０００５】上記出力歯車６ｉには、中継歯車９が歯合
される。中継歯車９には、同軸的に駆動歯車９ａが設け
られ、この駆動歯車９ａには、モード切替カム歯車１０
が歯合される。

【０００６】モード切替カム歯車１０には、カム溝１０
ａが形成され、このカム溝１０ａには、モード切替レバ
ー１１，テープローディングスライダ１２及びピンチレ
バー１３の各一端部がそれぞれ駆動自在に係合される。
モード切替カム歯車１０は、その回転位置に応じてモー
ド切替レバー１１，テープローディングスライダ１２及
びピンチレバー１３を選択的に駆動制御する。

【０００７】上記モード切替レバー１１には，カムスラ
イダ１４が駆動自在に係合され、モード切替カム歯車１
０のカム溝１０ａにより駆動制御された状態で、カムス
ライダ１４を矢印Ａ，Ｂ方向に移動制御してテープ駆動
部の動作モードを切替設定する。

【０００８】また、テープローディングスライダ１２に
は、歯車部が形成され、この歯車部には、ローディング
歯車機構１５が歯合される。このローディング歯車機構
１５には、リンク機構１６が組み付けられ、このリンク
機構１６には、テープ引出し部材１７が支持される。テ
ープ引出し部材１７は、シャーシ１８上の案内溝１８ａ
に移動自在に収容される。そして、テープ引出し部材１
７は、モード切替カム歯車１０が回転駆動されると、そ
の回転方向に応じて、カム溝１０ａがテープローディン
グスライダ１２により駆動されて、その歯車部でローデ
ィング歯車機構１５が駆動されることにより、リンク機
構１６を介して案内溝１８ａに沿って移動させて図示し
ないテープカセットの磁気テープ１９を引出して回転ヘ
ッドの搭載されるシリンダ装置２０にテープローディン
グあるいはアンローディングを実行する。

【０００９】他方、第２のベルト５の他方には、プーリ
２１が巻き掛けられる。このプーリ２１には、駆動歯車
２２が同軸的に設けられ、この駆動歯車２２には、首振
り歯車２３が歯合される。この首振り歯車２３は、図１
１に示すように首振りレバー２４に対して摩擦部材２
５、スプリング２６及び軸２７を介して回転自在に組み
付けられ、駆動歯車２２の回転方向に応じてテープ走行
系の供給側リール台２８あるいは巻取リール台２９の歯
車部２８ａ，２９ａに回転力伝達可能に歯合される。

【００１０】このうち供給側リール台２８には、バンド
ブレーキ３０の中間部が巻き掛けられる。バンドブレー
キ３０の一端部は、支持具３１を介してシャーシ１８上
に支持され、その他端部は、テンションレバー３２に支
持される。

【００１１】テンションレバー３２は、図１２に示すよ
うに一端部が軸３２ａを介して回動自在に支持され、そ
の他端部には、テンションガイド３２ｂが立設される。
テンションレバー３２には、ばね部材３３が図中反時計
方向に付勢力を付与するように係着され、テープ引出し
部材１７がローディング方向に移動されると、それに連
動してばね部材３３の付勢力に抗して図中反時計方向に
回動してテープパス上の磁気テープ１９に対して所定の
張力を与え、テープ引出し部材１７のアンローディング
方向への移動に連動してばね部材３３の付勢力により、
所期位置に復帰される。

【００１２】ここで、テンションレバー３２は、テープ
パス上の磁気テープ１９に対して張力を与えている状態
において、バンドブレーキ３０を介して供給側リール台
２８への負荷を制御して磁気テープ１９の安定走行を実
現する。

【００１３】上記構成において、再生・記録等の定速走
行モードに設定する場合には、先ず、プランジャソレノ
イド７が、図示しない制御部を介して駆動制御される。
すると、プランジャソレノイド７は、その可動部７ａで
ロックレバー８を駆動して、恒転歯車本体６ｃの爪部６
ｊを係止する如くロックして、該恒転歯車本体６ｃを位
置規制する。これにより、キャプスタンモータ１の回転
力は、モード切替カム歯車１０に対して第１のベルト
４、プーリ６ａ、太陽歯車６ｂ、恒転歯車本体６ｃ、遊
星歯車６ｄ〜６ｆ、出力歯車６ｉ、中継歯車９、駆動歯
車９ａを介して伝達される。すると、モード切替カム歯
車１０は、そのカム溝１０ａでモード切替レバー１１及
びテープローディングスライダ１２及びピンチレバー１
３を順に駆動して上述したようにカセットローディング
及びテープローディングを実行する。同時に、モード切
替カム歯車１０は、そのカム溝１０ａでピンチレバー１
３を動作制御して、そのピンチローラ１３ａを磁気テー
プ１９を介してキャプスタン２に圧接し、ここにテープ
駆動部が定速走行モードに設定される。

【００１４】そして、モード設定が完了されると、プラ
ンジャソレノイド７の駆動が停止される。すると、プラ
ンジャソレノイド７は、その可動部７ａを介してロック
レバー８を恒星歯車本体６ｃの爪部６ｊから離間させ、
恒転歯車本体６ｃのロックを解除する。これにより、恒
転歯車本体６ｃがフリー状態となり、キャプスタンモー
タ１の回転力が出力歯車６ｉに伝達されなくなり、モー
ド切替カム歯車１０の回転が停止される。

【００１５】同時に、キャプスタンモータ１の回転力
は、第２のベルト５を介してプーリ２１に伝達されて駆
動歯車２２が回転駆動され、首振り歯車２３が回転駆動
される。すると、首振り歯車２３は、首振りレバー２４
を介して回動付勢され、巻取側リール台２９の歯車部２
９ａに歯合され、該巻取側リール台２９が回転駆動され
てテープ定速走行が行われる。この際、供給側リール台
２８は、上述したようにテンションレバー３２及びバン
ドブレーキ３０を介して負荷が付与され、安定したテー
プ定速走行に寄与する。

【００１６】また、上記定速走行モードにおいて、例え
ばテープ駆動部をテープ高速走行（ＦＦ）モードに切替
設定する場合には、プランジャソレノイド７を駆動して
ロックレバー８で恒転歯車本体６ｃの爪部６ｊを係止さ
せ、キャプスタンモータ１を図中時計方向に回転させ
る。モード切替カム歯車１０によってＦＦモードが設定
されると、再びプランジャソレノイド７を駆動してロッ
クレバー８の係止を解除し、キャプスタンモータ１を矢
印Ａ方向に高速回転させることでＦＦモードが実行され
る。

【００１７】このような動作モードから、前記定速走行
モードが途中に介在する他のモード、例えばレビュー
（巻戻し再生）を設定する場合には、ロックレバー８を
恒転歯車本体６ｃの爪部６ｊに係止した後、キャプスタ
ンモータ１を図中反時計方向に回転させる。このとき、
モード切替カム歯車１０によって、先ず前記定速走行モ
ードが設定され、その後、レビューモードとなるが、前
記定速走行モードでは、前述のようにピンチローラ１３
ａがキャプスタン２に圧着し、テープを巻取方向に走行
させる。また、キャプスタン１の回転方向が図中反時計
であるためモード切替動作中は、首振り歯車２３が供給
リール台２８の歯車部２８ａに係合しており、供給リー
ル台２８が駆動される。しかしながら、キャプスタン２
とピンチローラ１３ａによってテープが巻取方向に走行
されるために、テープテンションが緩み、テンションレ
バー３２及びバンドブレーキ３０によって供給リール台
２８に大きな負荷が与えられることになる。この結果、
供給リール台２８の回転が制限されて、キャプスタン２
とピンチローラ１３ａによって送り出されるテープを巻
き取ることができなくなり、テープが弛むという事態が
発生する。さらに、切替カム歯車１０が同方向に回転し
てレビュー（巻戻し再生）モードが設定されると、テン
ションレバー３２が駆動されて供給リール台１８がテー
プ巻取可能状態となり、ソレノイドプランジャ７の駆動
によってレビューモードが実行されるが、それまでのテ
ープ弛みを吸収する必要があり、モードが実行されるま
でに時間がかかる。

【００１８】

【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の磁気記録再生装置では、動作モード設定時にテープ
弛みが発生するという問題を有する。この発明は、上記
の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、テープ
弛みを確実に防止し得るようにして、安定した高精度な
テープ走行を実現した磁気記録再生装置を提供すること
を目的とする。

【００１９】

【課題を解決するための手段】この発明は、キャプスタ
ンモータの駆動力が選択的に伝達され、該キャプスタン
モータの回転方向に応じて、キャプスタン及びピンチロ
ーラを含むテープ駆動部の動作モードを切替設定する動
作モード切替機構と、テープ駆動部に装填されたテープ
カセットのリールから磁気テープを引出して回転ヘッド
の搭載されるシリンダ装置に装架するテープローディン
グ機構と、前記シリンダ装置に装架された磁気テープに
当接して、該磁気テープにテープ張力を与えるテンショ
ンレバーと、このテンションレバーの動きに連動してテ
ープ走行系の一対のリール台の供給側リール台に与える
負荷を設定するブレーキ機構と、前記キャプスタンモー
タの駆動力が伝達され、該キャプスタンモータの回転方
向に応じて前記一対のリール台の供給側リール台あるい
は巻取側リール台のどちらか一方に係合して回転駆動す
る首振り機構と、前記テープ駆動部の設定モードが前記
キャプスタンとピンチローラを主体とする定速走行モー
ドを経由して切替設定された動作モードから再び前記定
速走行モードに切替設定される状態において、前記首振
り機構が前記供給側リール台に回転力伝達可能に係合し
た状態で、前記テンションレバーを動作制御して前記ブ
レーキ機構による前記供給側リール台の負荷を解除する
負荷解除手段とを備えて磁気記録再生装置を構成したも
のである。

【００２０】上記構成によれば、負荷解除手段は、テー
プ駆動部が定速走行モードを経由して所望の動作モード
に切替設定し、再び定速走行モードに切替設定する際
に、テンションレバーを反転して非動作状態に設定し、
供給側リール台の制動を解除する。これにより、定速走
行モードへの切替設定時、キャプスタンモータの反転駆
動に連動して、首振り歯車機構を介して供給側リール台
の駆動が可能となり、テープ弛みの防止が可能となる。

【００２１】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して詳細に説明する。図１はこの発明
の一実施の形態に係る磁気記録再生装置を示すもので、
この発明の特徴は、前記磁気テープ１９に対して所定の
張力を与えるテンションレバー４０を、定速走行モード
を経由して切替設定する動作モード設定時に、一旦、解
除制御するテンションレバー解除機構を備えたことを特
徴とする。なお、図１において、この発明の特徴とする
テンションレバー解除機構を除く、その他の部分につい
ては、前記図５と略同一に構成されることで、同一部分
について、同一符号を付して、その説明を省略する。

【００２２】すなわち、テンションレバー４０は、前記
シャーシ１８のテープパスに対応して軸４１を介して回
動自在に配設される。このテンションレバー４０は、一
端部にガイドポスト４２が立設され、その他端部には、
前記バンドブレーキ３０の他端部が支持される。このバ
ンドブレーキ３０の一端部は、前記支持具３１により支
持される。

【００２３】上記テンションレバー４０には、ばね部材
４３が図中反時計方向に付勢力を付与するように係着さ
れおり、前記テープ引出し部材１７がシャーシ１８の案
内溝１８ａに案内されて移動されると、上述したように
そのテープローディング動作に連動してばね部材４３の
付勢力に抗して図中反時計方向に回動付勢されて、その
ガイドポスト４２を磁気テープ１９に圧接されて該磁気
テープ１９に所定の張力を与える。

【００２４】そして、テンションレバー４０には、係合
部４０ａが設けられる。そして、この係合部４０ａに
は、駆動レバー４４の一端部に設けられる係止部４４ａ
が対向配置される。この駆動レバー４４は図２及び図３
に示すように、その中間部がシャーシ１８上に軸４４ｂ
を介して回動自在に配設され、その他端部には、被駆動
部４４ｃが設けられる。この被駆動部４４ｃは、カムス
ライダ４５に形成されるテンションレバー解除用の解除
カム４５ａに駆動自在に係合され、その駆動状態で、駆
動レバー４４を，その係止部４４ａをテンションレバー
４０の係合部４０ａに当接して図中時計方向に回動付勢
する。そして、被駆動部４４ｃは、解除カム４５ａによ
る被駆動状態で、駆動レバー４４をフリー状態に設定す
る（図４及び図５参照）。

【００２５】カムスライダ４５は、矢印Ａ，Ｂ方向に移
動自在に配設される。そして、このカムスライダ４５の
一端部には、前記モード切替レバー１１に連動可能に結
合され、前記モード切替カム歯車１０の回転駆動に連動
して該モード切替レバー１１を介して矢印Ａ，Ｂ方向の
移動に連動してカセットローディング機構を駆動制御す
る。

【００２６】また、シャーシ１８には、解除レバー４６
が軸４６ａを介してに回動自在に配設される（図１中で
は、図の都合上、図示せず、図２及び図３参照）。この
解除レバー４６は、その一端部に解除部４６ｂが駆動レ
バー４０の係止部４４ａに対応して設けられ、その他端
部には、係合傾斜部４６ｃが前記首振りレバー２４に対
応して設けられる。そして、この解除レバー４６は、そ
の係合傾斜部４６ｃが首振りレバー２４が供給リール台
方向に回動付勢された状態で軸４６ａを中心に図中時計
方向に回動付勢されて、その解除部４６ｂが上記駆動レ
バー４４の係止部４４ａに対向される。この状態におい
て、解除レバー４６は、後述するように解除部４６ｂが
フリー状態にある駆動レバー４４を位置規制してテンシ
ョンレバー４０を図中時計方向の解除位置に位置規制す
る（図４及び図５参照）。

【００２７】上記構成において、定速走行モードは、キ
ャプスタンモータ１が図中時計方向に回転駆動される。
すると、キャプスタンモータ１の回転力は、プーリ３、
第１のベルト５、遊星歯車本体６に順に伝達される。こ
の際、ソレノイドプランシャ７が駆動され、その可動部
７ａでロックレバー８が回動されて遊星歯車本体６の恒
星歯車本体６ｃの爪部６ｊ間に介在される。これによ
り、遊星歯車本体６は、その回転力が出力歯車６ｉを介
して中継歯車９に伝達され、モード切替カム歯車１０が
反時計方向に回転駆動される。これにより、モード切替
カム歯車１０は、そのカム溝１０ａでピンチレバー１３
を駆動してピンチローラ１３ａを磁気テープ１９を介し
てキャプスタン２に圧接する如くテープ駆動部をテープ
定速モードに制御する。

【００２８】また、モード切替カム歯車１０は、そのカ
ム溝１０ａでモード切替レバー１１を駆動して、カムス
ライダー４５を移動制御してテープカセットをテープ駆
動部に移送して装填する。

【００２９】さらに、モード切替カム歯車１０は、その
回転駆動に連動して、カム溝１０ａでテープローディン
グスライダ１２を駆動してローディング歯車機構１５を
動作制御する。すると、ローディング歯車機構１５は、
リンク機構１６を介してテープ引出し部材１７を駆動制
御して、該テープ引出し部材１７で磁気テープ１９をテ
ープカセットから引出してシリンダ装置２０の周囲に装
架する如くテープローディングを実行する。

【００３０】ここで、上記カムスライダ４５は、矢印Ａ
方向に位置され、その解除カム４５ａによる駆動レバー
４４の被駆動部４４ｃを解放する。これにより、テンシ
ョンレバー４０は、その係合部４０ａが駆動レバー４４
の係止部４４ａから解放された状態で、図中反時計方向
の回動が許容され、そのガイドポスト４２が磁気テープ
１９に圧接され、前記ブレーキバンド３０と協働して磁
気テープ１９に対して所望の値の負荷を与えて安定した
テープ走行を実現する。

【００３１】この際、解除レバー４６は、その解除部４
６ｂが駆動レバー４４の係止部４４ａに対して非係合状
態を採り、上記テンションレバー４０の所定の位置まで
の回動を許容する。

【００３２】次に、ソレノイドプランシャ７の駆動が停
止される。すると、ソレノイドプランジャ７は、その可
動部７ａがロックレバー８を遊星歯車本体６の恒星歯車
本体６ｃの爪部６ｊ間から離間させる。これにより、遊
星歯車６本体は、いわゆる空回りした状態となり、その
プーリ６ａに伝達された回転力が出力歯車６ｉに伝達さ
れない状態に設定される。

【００３３】ここで、キャプスタンモータ１の回転力
は、第２のベルト５を介してプーリ２１、駆動歯車２
２、首振り歯車２３に伝達され、その回転に連動して、
首振りレバー２４が回動されて、巻取側リール台２９の
歯車部２９ａに歯合され、テープ走行系が定速で回転駆
動されるテープ定速走行が行われる。

【００３４】また、上記定速走行モードにおいて、例え
ばＲＥＷモードに切替設定する場合には、キャプスタン
モータ１がさらに図中時計方向に回転駆動される。この
際、ソレノイドプランジャ７が駆動されて、遊星歯車本
体６が動作可能に設定され、キャプスタンモータ１の駆
動力は、遊星歯車本体６を介してモード切替カム歯車１
０に伝達され、それに連動してモード切替レバー１１が
駆動されて、カムスライダ４５が矢印Ｂ方向に移動制御
される。

【００３５】ここで、カムスライダ４５は、その解除カ
ム４５ａが、駆動レバー４４の被駆動部４４ｃを駆動し
て、該駆動レバー４４の係止部４４ａを図中反時計方向
に回動付勢し、テンションレバー４０の係合部４０ａに
係合され同方向に回動付勢する（図２及び図３参照）。
これにより、テンションレバー４０は、図中時計方向に
回動され、そのガイドポスト４２が磁気テープ１９に圧
接されることなく、軽く接触した状態に設定される。こ
の状態においては、解除レバー４６は、その解除部４６
ａが駆動レバー４４の係止部４４ａに対して非係合状態
を採り、上記テンションレバー４０の所定の位置までの
回動を許容する。

【００３６】次に、ソレノイドプランシャ７の駆動が停
止される。すると、ソレノイドプランジャ７は、その可
動部７ａがロックレバー８を遊星歯車本体６の恒星歯車
本体６ｃの爪部６ｊ間から離間させる。これにより、遊
星歯車本体６は、いわゆる空回りした状態となり、その
プーリ６ａに伝達された回転力が出力歯車６ｉに伝達さ
れない状態に設定される。ここで、キャプスタンモータ
１の回転力は、上述したように第２のベルト５を介して
首振り歯車２３に伝達され、その回転に連動して、首振
りレバー２４が巻取側リール台方向に回動されて、該巻
取側リール台２９の歯車部２９ａに歯合され、テープ走
行系が高速で回転駆動されてＲＥＷ動作が行われる。

【００３７】そして、上記図２及び図３に示すＲＥＷモ
ードにおいて、再び定速走行モードに切替設定する場合
には、上記キャプスタンモータ１が図中反時計方向に反
転駆動される。この際、ソレノイドプランジャ７が駆動
され、上述したように遊星歯車本体６が動作可能に設定
される。これにより、キャプスタンモータ１の駆動力
は、遊星歯車本体６を介してモード切替カム歯車１０に
伝達され、それに連動して，モード切替レバー１１が駆
動されて、カムスライダ４５が矢印Ｂ方向に移動制御さ
れる。すると、カムスライダ４５は、先ず図６及び図７
に示すように、その解除カム４５ａが駆動レバー４４の
被駆動部４４ｃに係合されて、該駆動レバー４４が図中
反時計方向に回動付勢される。

【００３８】同時に、キャプスタンモータ１の回転力
は、第２のベルト５を介して首振り歯車２３に伝達され
て、その回転に連動して、首振りレバー２４が供給側リ
ール台方向に回動されて首振り歯車２３が供給側リール
台２８の歯車部２８ａに歯合される。この状態におい
て、首振りレバー２４は、解除レバー４６の係合傾斜部
４６ｃに当接して、該解除レバー４６を軸４６ａを中心
として回動付勢し、その解除部４６ｂを図４及び図５に
示すように駆動レバー４４の係止部４４ａに対向させ
る。

【００３９】これにより、テンションレバー４０は、そ
の係合部４０ａが駆動レバー４４の係止部４４ａに係止
されて図中時計方向に回動付勢が規制されて、そのガイ
ドポスト４２で磁気テープ１９に軽く当たった状態が保
たれる。この状態において、供給側リール台２８は、首
振り歯車２３により回転駆動されて、キャプスタン２と
ピンチローラ１３ａが協働して供給側に送り出した磁気
テープ１９の弛み分が巻取られる。

【００４０】次に、キャプスタンモータ１が上述した定
速走行モードと同様に、再び図中時計方向に回動され
る。これにより、キャプスタンモータ１の回転力は、上
述したように首振り歯車２３に伝達されて、該首振り歯
車２３がテープ走行系の巻取側リール台２９の歯車部２
９ａに歯合され、該巻取側リール台２９が回転駆動され
てテープ定速走行が行われる。

【００４１】なお、この際、ソレノイドプランジャ７
は、上述したように駆動が停止されてモード切替カム歯
車１０の駆動が停止される。このように、上記磁気記録
再生装置は、キャプスタンモータ１の駆動力を利用して
モード切替カム歯車１０を駆動してテープ駆動部を定速
走行モードを経由して所望の動作モードに切替設定し、
再び定速走行モードに切替設定する際に、モード切替カ
ム歯車１０の動作に連動してテンションレバー４２を動
作制御して、定速走行モード切替設定した状態で、一旦
非動作状態に設定して供給側リール台２８を駆動可能に
構成した。

【００４２】これによれば、キャプスタンモータ１の反
転駆動により、定速走行モードに切替設定する場合に、
キャプスタン２により送り出される磁気テープ１９の弛
み防止が実現され、安定した高精度なテープ制御が実現
されることにより、キャプスタンモータ１の正逆駆動に
より定速走行モードへの高精度な切替制御が実現され
て、モード切替動作の迅速化が図れる。

【００４３】なお、上記実施の形態では、キャプスタン
モータ１の駆動力を利用してカセットローディング機
構、テープローディング機構及びテープ走行系の全てを
駆動制御するようにした１モータ方式のものに適用した
場合で説明したが、この構成に限ることなく、各機構を
それぞれ独立のモータを用いて駆動制御する構成のもの
においても適用可能である。よって、この発明は、上記
実施の形態に限ることなく、その他、この発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることは勿論の
ことである。

【００４４】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、簡易な構成で、テープ弛みを確実に防止し得るよう
にして、安定した高精度なテープ走行を実現した磁気記
録再生装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施の形態に係る磁気記録再生装
置の要部を示した図。

【図２】図１のテンションレバー解除機構を示した図。

【図３】図２の位置関係を示した図。

【図４】図２のテンションレバー解除機構の異なる動作
モード状態を説明するために示した図。

【図５】図４の位置関係を示した図。

【図６】図２のテンションレバー解除機構の動作モード
切替途中を説明するために示した図。

【図７】図６の位置関係を示した図。

【図８】従来の磁気記録再生装置を示した図。

【図９】図８の遊星歯車本体を示した図。

【図１０】図８のソレノイドプランジャの詳細を示した
図。

【図１１】図８の首振り歯車機構を示した図。

【図１２】図８のテンションレバーの詳細を示した図。

【符号の説明】

１…キャプスタンモータ。 ２…キャプスタン。 ３…プーリ。 ４，５…第１及び第２のベルト。 ６…遊星歯車本体。 ６ａ…プーリ。 ６ｂ…太陽歯車。 ６ｃ…恒星歯車本体。 ６ｄ〜６ｆ…遊星歯車。 ６ｇ…出力歯車本体。 ６ｈ…軸。 ６ｉ…出力歯車。 ６ｊ…爪。 ７…ソレノイドプランジャ。 ８…ロックレバー。 ９…中継歯車。 ９ａ…駆動歯車。 １０…モード切替カム歯車。 １１…モード切替レバー。 １２…テープローディングレバー。 １３…ピンチレバー。 １３ａ…ピンチローラ。 １５…ローディング歯車機構。 １６…リンク機構。 １７…テープ引出し部材。 １８…シャーシ。 １８ａ…案内溝。 １９…磁気テープ。 ２０…シリンダ装置。 ２１…プーリ。 ２２…駆動歯車。 ２３…首振り歯車。 ２４…首振りレバー。 ２５…摩擦部材。 ２６…スプリング。 ２７…軸。 ２８…供給側リール台。 ２９…巻取側リール台。 ２８ａ，２９ａ…歯車部。 ３０…バンドブレーキ。 ３１…支持具。 ４０…テンションレバー。 ４０ａ…係合部。 ４１…軸。 ４２…ガイドポスト。 ４３…ばね部材。 ４４…駆動レバー。 ４４ａ…係止部。 ４４ｂ…軸。 ４４ｃ…被駆動部。 ４５…カムスライダ。 ４５ａ…解除カム。 ４６…解除レバー。 ４６ａ…軸。 ４６ｂ…解除部。 ４６ｃ…係合傾斜部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャプスタンモータの駆動力が選択的に
   伝達され、該キャプスタンモータの回転方向に応じて、
   キャプスタン及びピンチローラを含むテープ駆動部の動
   作モードを切替設定する動作モード切替機構と、 テープ駆動部に装填されたテープカセットのリールから
   磁気テープを引出して回転ヘッドの搭載されるシリンダ
   装置に装架するテープローディング機構と、 前記シリンダ装置に装架された磁気テープに当接して、
   該磁気テープにテープ張力を与えるテンションレバー
   と、 このテンションレバーの動きに連動してテープ走行系の
   一対のリール台の供給側リール台に与える負荷を設定す
   るブレーキ機構と、 前記キャプスタンモータの駆動力が伝達され、該キャプ
   スタンモータの回転方向に応じて前記一対のリール台の
   供給側リール台あるいは巻取側リール台のどちらか一方
   に係合して回転駆動する首振り機構と、 前記テープ駆動部の設定モードが前記キャプスタンとピ
   ンチローラを主体とする定速走行モードを経由して切替
   設定された動作モードから再び前記定速走行モードに切
   替設定される状態において、前記首振り機構が前記供給
   側リール台に回転力伝達可能に係合した状態で、前記テ
   ンションレバーを動作制御して前記ブレーキ機構による
   前記供給側リール台の負荷を解除する負荷解除手段とを
   具備したことを特徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】 前記テープローディング機構は、前記キ
   ャプスタンモータの駆動力で駆動制御されることを特徴
   とする請求項１記載の磁気記録再生装置。