JPH09225294A - 含ハロゲン有機化合物の分解方法 - Google Patents
含ハロゲン有機化合物の分解方法Info
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- JPH09225294A JPH09225294A JP4169296A JP4169296A JPH09225294A JP H09225294 A JPH09225294 A JP H09225294A JP 4169296 A JP4169296 A JP 4169296A JP 4169296 A JP4169296 A JP 4169296A JP H09225294 A JPH09225294 A JP H09225294A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 効率よく含ハロゲン有機化合物を分解無害化
でき、後処理が容易な含ハロゲン有機化合物の分解方法
を提供する。 【解決手段】 本発明の分解方法は、含ハロゲン有機化
合物と水との接触面積が増えるように該含ハロゲン有機
化合物と水とを攪拌しながら紫外線を照射する。又は、
含ハロゲン有機化合物と水とを含有する分散液に紫外線
を照射する。
でき、後処理が容易な含ハロゲン有機化合物の分解方法
を提供する。 【解決手段】 本発明の分解方法は、含ハロゲン有機化
合物と水との接触面積が増えるように該含ハロゲン有機
化合物と水とを攪拌しながら紫外線を照射する。又は、
含ハロゲン有機化合物と水とを含有する分散液に紫外線
を照射する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含ハロゲン有機化
合物を無害な物質に分解する方法に関し、特に、紫外線
照射によって液相中の含ハロゲン有機化合物を分解する
分解方法に関する。
合物を無害な物質に分解する方法に関し、特に、紫外線
照射によって液相中の含ハロゲン有機化合物を分解する
分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリクレン、ポリクロロビフェニル(P
CB)、フロン等の含ハロゲン有機化合物は、電子部品
工業、化学工業等の各種分野で広く使われている。しか
し、トリクレン、PCB等の塩素化合物については人体
に対する毒性が明らかになり、フロン等のフッ素化合物
はオゾン層の破壊に見られるように地球環境破壊の面で
問題点が近年明らかにされている。このような状況か
ら、含ハロゲン有機化合物を分解して無害化する方法が
求められ、様々な方法が検討されている。その方法の1
つに、紫外線分解法があり、工場排水などの水に溶解し
ているトリクレン等の微量の含ハロゲン有機化合物の分
解処理方法として開発が進められている。
CB)、フロン等の含ハロゲン有機化合物は、電子部品
工業、化学工業等の各種分野で広く使われている。しか
し、トリクレン、PCB等の塩素化合物については人体
に対する毒性が明らかになり、フロン等のフッ素化合物
はオゾン層の破壊に見られるように地球環境破壊の面で
問題点が近年明らかにされている。このような状況か
ら、含ハロゲン有機化合物を分解して無害化する方法が
求められ、様々な方法が検討されている。その方法の1
つに、紫外線分解法があり、工場排水などの水に溶解し
ているトリクレン等の微量の含ハロゲン有機化合物の分
解処理方法として開発が進められている。
【0003】上記方法において分解処理される含ハロゲ
ン有機化合物の濃度はppmレベル以下であり、含ハロ
ゲン有機化合物の水への溶解度は非常に低いので、この
方法で多量の含ハロゲン有機化合物を分解処理するのは
困難と考えられていた。
ン有機化合物の濃度はppmレベル以下であり、含ハロ
ゲン有機化合物の水への溶解度は非常に低いので、この
方法で多量の含ハロゲン有機化合物を分解処理するのは
困難と考えられていた。
【0004】このため、改良方法として、含ハロゲン有
機化合物を溶解するためにアルコールを溶媒として使用
して紫外線照射する方法が提案されている(特開平6−
63177号公報)。この方法では、紫外線照射によっ
て生じるハロゲン化水素等を塩析除去するためにアルカ
リが添加される。
機化合物を溶解するためにアルコールを溶媒として使用
して紫外線照射する方法が提案されている(特開平6−
63177号公報)。この方法では、紫外線照射によっ
て生じるハロゲン化水素等を塩析除去するためにアルカ
リが添加される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
アルコール溶剤を使用する場合、アルコールが紫外線に
よる副反応を引き起こし、溶液が着色したり副生成物と
して高分子様の沈澱物が生じたりする。このため、紫外
線透過率が減少したり、生成塩と沈澱物との混合によっ
て反応液の廃棄や再利用のための後処理が複雑になり、
費用もかさむといった問題がある。
アルコール溶剤を使用する場合、アルコールが紫外線に
よる副反応を引き起こし、溶液が着色したり副生成物と
して高分子様の沈澱物が生じたりする。このため、紫外
線透過率が減少したり、生成塩と沈澱物との混合によっ
て反応液の廃棄や再利用のための後処理が複雑になり、
費用もかさむといった問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述のような
問題を生じることなく、効率よく含ハロゲン有機化合物
を分解無害化でき、後処理が容易な含ハロゲン有機化合
物の分解方法を提供することを目的とする。
問題を生じることなく、効率よく含ハロゲン有機化合物
を分解無害化でき、後処理が容易な含ハロゲン有機化合
物の分解方法を提供することを目的とする。
【0007】本発明の含ハロゲン有機化合物の分解方法
は、含ハロゲン有機化合物と水との接触面積が増えるよ
うに該含ハロゲン有機化合物と水とを攪拌し分散させな
がら紫外線を照射するものである。
は、含ハロゲン有機化合物と水との接触面積が増えるよ
うに該含ハロゲン有機化合物と水とを攪拌し分散させな
がら紫外線を照射するものである。
【0008】又、本発明の含ハロゲン有機化合物の分解
方法は、含ハロゲン有機化合物と水とを含有するエマル
ジョン液に紫外線を照射するものである。
方法は、含ハロゲン有機化合物と水とを含有するエマル
ジョン液に紫外線を照射するものである。
【0009】上記方法に従って、水は、該含ハロゲン有
機化合物に対して容積比で5倍以上用いられる。
機化合物に対して容積比で5倍以上用いられる。
【0010】含ハロゲン有機化合物及び水は攪拌によっ
てあるいは分散液を形成することによってその接触面積
が増す。この状態で紫外線照射を施すことによって、界
面を介して起こる分解反応が促進されるため、含ハロゲ
ン有機化合物の分解率が向上する。これにより、水中で
飽和量以上の含ハロゲン有機化合物の紫外線分解が可能
となる。
てあるいは分散液を形成することによってその接触面積
が増す。この状態で紫外線照射を施すことによって、界
面を介して起こる分解反応が促進されるため、含ハロゲ
ン有機化合物の分解率が向上する。これにより、水中で
飽和量以上の含ハロゲン有機化合物の紫外線分解が可能
となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
する。
【0012】含ハロゲン有機化合物の水に対する飽和溶
解量は約4000 ppm以下と低いため、両者を合わせて
も殆ど溶解せずに分離する。分離状態で紫外線を照射し
ても、含ハロゲン有機化合物の分解速度は非常に遅く、
穏やかに攪拌しながら照射すると分解速度は若干改善さ
れるが、十分な改善ではない。しかし、激しく攪拌して
含ハロゲン有機化合物を水中に分散させ、エマルジョン
状態で紫外線を照射すると、水中のハロゲンイオン濃度
がかなり増加する。つまり、分解率が向上する。このこ
とから、分解反応のプロセスは水相と含ハロゲン有機化
合物相との接触界面を介して進行し、接触界面を介する
反応段階が律速となることが理解される。つまり、分解
速度は水相と有機相との接触面積に依存する。従って、
2相の接触面積をできる限り多くすることが、含ハロゲ
ン有機化合物の水中での紫外線分解反応を進行させるた
めに重要となる。
解量は約4000 ppm以下と低いため、両者を合わせて
も殆ど溶解せずに分離する。分離状態で紫外線を照射し
ても、含ハロゲン有機化合物の分解速度は非常に遅く、
穏やかに攪拌しながら照射すると分解速度は若干改善さ
れるが、十分な改善ではない。しかし、激しく攪拌して
含ハロゲン有機化合物を水中に分散させ、エマルジョン
状態で紫外線を照射すると、水中のハロゲンイオン濃度
がかなり増加する。つまり、分解率が向上する。このこ
とから、分解反応のプロセスは水相と含ハロゲン有機化
合物相との接触界面を介して進行し、接触界面を介する
反応段階が律速となることが理解される。つまり、分解
速度は水相と有機相との接触面積に依存する。従って、
2相の接触面積をできる限り多くすることが、含ハロゲ
ン有機化合物の水中での紫外線分解反応を進行させるた
めに重要となる。
【0013】これを実現する1つの方法が前述の攪拌や
振とう等の機械的方法であり、攪拌(又は振とう)速
度、攪拌翼あるいは攪拌子の形状、容器の形状のような
分散効率を左右する要素が反応効率の改善を左右する要
素となる。又、含ハロゲン有機化合物と水との配合比率
も接触面積を効率よく増加させるための重要な要素であ
る。水量を増加すると、攪拌によって形成される分散液
の安定性が増し、分散液がエマルジョン状から再度2つ
の相に分離するまでに要する放置時間も長くなる。含ハ
ロゲン有機化合物を水に効果的に分散させるためには、
含ハロゲン有機化合物に対して容積比で約5倍以上、好
ましくは約10倍以上の量の水が用いられ、特に水量が
25倍以上になると分解反応の進行は特に顕著になる。
但し、分解装置の容積当りの処理効率を好適なものにす
るためには使用する水量を、含ハロゲン有機化合物が飽
和可能な量以下、好ましくは50倍以下程度に設定する
のが望ましい。
振とう等の機械的方法であり、攪拌(又は振とう)速
度、攪拌翼あるいは攪拌子の形状、容器の形状のような
分散効率を左右する要素が反応効率の改善を左右する要
素となる。又、含ハロゲン有機化合物と水との配合比率
も接触面積を効率よく増加させるための重要な要素であ
る。水量を増加すると、攪拌によって形成される分散液
の安定性が増し、分散液がエマルジョン状から再度2つ
の相に分離するまでに要する放置時間も長くなる。含ハ
ロゲン有機化合物を水に効果的に分散させるためには、
含ハロゲン有機化合物に対して容積比で約5倍以上、好
ましくは約10倍以上の量の水が用いられ、特に水量が
25倍以上になると分解反応の進行は特に顕著になる。
但し、分解装置の容積当りの処理効率を好適なものにす
るためには使用する水量を、含ハロゲン有機化合物が飽
和可能な量以下、好ましくは50倍以下程度に設定する
のが望ましい。
【0014】他の方法としては、界面活性剤などを乳化
剤として使用してエマルジョンを調製し、これに紫外線
を照射するものがある。但し、界面活性剤の使用量はで
きる限り少なく抑えるのが望ましい。この理由は、多量
の界面活性剤が界面に密集することによってエマルジョ
ン内外の流通が実質的に阻止されるのを防止するためで
ある。従って、界面活性剤の量は含ハロゲン有機化合物
の量に対して体積比で等量以下であるのが望ましい。
剤として使用してエマルジョンを調製し、これに紫外線
を照射するものがある。但し、界面活性剤の使用量はで
きる限り少なく抑えるのが望ましい。この理由は、多量
の界面活性剤が界面に密集することによってエマルジョ
ン内外の流通が実質的に阻止されるのを防止するためで
ある。従って、界面活性剤の量は含ハロゲン有機化合物
の量に対して体積比で等量以下であるのが望ましい。
【0015】上記に従って水に含ハロゲン有機化合物を
分散させ、紫外線を照射する。紫外線照射による分解反
応は、比較的高エネルギーの紫外線によってほぼ完全に
進行する。遠紫外域、つまり約300nm以下の波長での
照射が好ましい。分解速度は照射波長が長くなると遅く
なるが、増感剤を用いると、より低エネルギーの近紫外
域(400 〜300nm )の紫外線を使用することも可能であ
る。増感剤としては、アセトン、エチルメチルケトン、
アセトアルデヒド等のケトン構造もしくはアルデヒド構
造を有するものが用いられる。光増感剤の添加量は、分
解条件によって適宜変更するのが好ましいが、概して、
分解する含ハロゲン有機化合物に対して等モル量以下の
量で十分な効力が得られる。
分散させ、紫外線を照射する。紫外線照射による分解反
応は、比較的高エネルギーの紫外線によってほぼ完全に
進行する。遠紫外域、つまり約300nm以下の波長での
照射が好ましい。分解速度は照射波長が長くなると遅く
なるが、増感剤を用いると、より低エネルギーの近紫外
域(400 〜300nm )の紫外線を使用することも可能であ
る。増感剤としては、アセトン、エチルメチルケトン、
アセトアルデヒド等のケトン構造もしくはアルデヒド構
造を有するものが用いられる。光増感剤の添加量は、分
解条件によって適宜変更するのが好ましいが、概して、
分解する含ハロゲン有機化合物に対して等モル量以下の
量で十分な効力が得られる。
【0016】更に、アルカリ物質を使用すると分解反応
の進行を促進することができる。アルカリ物質は、含ハ
ロゲン有機化合物から脱離して水中にイオンとして存在
するハロゲンを捕捉し中和する働きをする。又、フロン
HCFC−21、HCFC−22、CFC−12のよう
な含ハロゲン有機化合物は、アルカリが存在すると分解
し易い。同様に、フロンCFC−11の紫外線分解にお
ける2つ目以降のハロゲンが脱離する段階の反応が、ア
ルカリ物質の存在によって進み易くなる。従って、含ハ
ロゲン有機化合物が二酸化炭素にまで完全に分解するの
を促進するためにはアルカリ物質を添加するのが望まし
い。アルカリ物質としては、水相でハロゲンを捕捉する
ために、水溶性のアルカリ物質を使用するのが好まし
く、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム等の金属水酸化物、アンモニア、石鹸のよ
うなアルカリ金属による有機化合物の鹸化物等が挙げら
れる。石鹸は界面活性剤でもあるので、分散液の安定化
にも有効である。
の進行を促進することができる。アルカリ物質は、含ハ
ロゲン有機化合物から脱離して水中にイオンとして存在
するハロゲンを捕捉し中和する働きをする。又、フロン
HCFC−21、HCFC−22、CFC−12のよう
な含ハロゲン有機化合物は、アルカリが存在すると分解
し易い。同様に、フロンCFC−11の紫外線分解にお
ける2つ目以降のハロゲンが脱離する段階の反応が、ア
ルカリ物質の存在によって進み易くなる。従って、含ハ
ロゲン有機化合物が二酸化炭素にまで完全に分解するの
を促進するためにはアルカリ物質を添加するのが望まし
い。アルカリ物質としては、水相でハロゲンを捕捉する
ために、水溶性のアルカリ物質を使用するのが好まし
く、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム等の金属水酸化物、アンモニア、石鹸のよ
うなアルカリ金属による有機化合物の鹸化物等が挙げら
れる。石鹸は界面活性剤でもあるので、分散液の安定化
にも有効である。
【0017】上述のアルカリ物質は、予め水に添加して
用いても、あるいは紫外線照射中に水に添加してもよ
い。
用いても、あるいは紫外線照射中に水に添加してもよ
い。
【0018】分解反応は、ハロゲンイオンを反応系外へ
除去する機能を有するものを添加することによっても促
進することができる。例えば、陰イオン交換樹脂を添加
すると、脱離して水中に存在するハロゲンイオンが陰イ
オン交換樹脂に吸着されるので、反応系からハロゲンイ
オンが除去される。これにより、逆反応に従って分解中
間物質と脱離ハロゲンとが再結合することを抑制でき
る。あるいは、カルシウムのようなハロゲンイオンと難
溶性化合物を形成するものを反応系に導入することによ
っても、ハロゲンを沈澱析出させて分解反応系から除去
することができる。
除去する機能を有するものを添加することによっても促
進することができる。例えば、陰イオン交換樹脂を添加
すると、脱離して水中に存在するハロゲンイオンが陰イ
オン交換樹脂に吸着されるので、反応系からハロゲンイ
オンが除去される。これにより、逆反応に従って分解中
間物質と脱離ハロゲンとが再結合することを抑制でき
る。あるいは、カルシウムのようなハロゲンイオンと難
溶性化合物を形成するものを反応系に導入することによ
っても、ハロゲンを沈澱析出させて分解反応系から除去
することができる。
【0019】上述の分解方法は、例えば図1に示される
ような分解装置1で実施することができる。分解装置1
は、分解槽3と磁気攪拌器5と攪拌子7と紫外線ランプ
9とから構成され、分解槽3に投入された水及び含ハロ
ゲン有機化合物中で攪拌子7を磁気攪拌器5によって回
転させて水及び含ハロゲン有機化合物を攪拌し、含ハロ
ゲン有機化合物を水に分散させる。含ハロゲン有機化合
物が分散した水Wに紫外線ランプ9で紫外線を照射する
ことによって、含ハロゲン有機化合物を分解する。紫外
線照射と平行してアルカリ物質を添加する場合には、ア
ルカリ添加装置が分解槽3に付設される。
ような分解装置1で実施することができる。分解装置1
は、分解槽3と磁気攪拌器5と攪拌子7と紫外線ランプ
9とから構成され、分解槽3に投入された水及び含ハロ
ゲン有機化合物中で攪拌子7を磁気攪拌器5によって回
転させて水及び含ハロゲン有機化合物を攪拌し、含ハロ
ゲン有機化合物を水に分散させる。含ハロゲン有機化合
物が分散した水Wに紫外線ランプ9で紫外線を照射する
ことによって、含ハロゲン有機化合物を分解する。紫外
線照射と平行してアルカリ物質を添加する場合には、ア
ルカリ添加装置が分解槽3に付設される。
【0020】上述のように、本発明に係る分解方法は、
含ハロゲン有機化合物を水と共に紫外線照射することに
よって分解するものであり、塩化メチル、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、PCB、
フロン、ジクロロエテン等の分解に適用できる。分解後
の反応液はハロゲンイオンをアルカリで中和すれば安全
に廃棄することができる。この際、未分解の含ハロゲン
有機化合物は水と分離するため、水から除去して再度分
解反応処理を行うことが容易である。微量の未分解の含
ハロゲン有機化合物が水に溶解しているときは、再度紫
外線分解処理を施せばよい。従って、分解反応後の処理
が極めて容易で、経済的な負担も少ない。
含ハロゲン有機化合物を水と共に紫外線照射することに
よって分解するものであり、塩化メチル、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクレン、PCB、
フロン、ジクロロエテン等の分解に適用できる。分解後
の反応液はハロゲンイオンをアルカリで中和すれば安全
に廃棄することができる。この際、未分解の含ハロゲン
有機化合物は水と分離するため、水から除去して再度分
解反応処理を行うことが容易である。微量の未分解の含
ハロゲン有機化合物が水に溶解しているときは、再度紫
外線分解処理を施せばよい。従って、分解反応後の処理
が極めて容易で、経済的な負担も少ない。
【0021】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明を更に説明す
る。
る。
【0022】(実施例1)図1の分解装置の分解槽3
に、500mlの純水にフロン(CFC−113)50ml
を加え、磁気攪拌器で5分間激しく攪拌した。攪拌中、
フロンは水に分散してエマルジョン状態になった。さら
に、攪拌を続行しながらこの分散液に紫外線ランプ9で
紫外線(254nm、32W)を1時間照射し、照射終了
後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定し
た。測定結果を表1に示す。
に、500mlの純水にフロン(CFC−113)50ml
を加え、磁気攪拌器で5分間激しく攪拌した。攪拌中、
フロンは水に分散してエマルジョン状態になった。さら
に、攪拌を続行しながらこの分散液に紫外線ランプ9で
紫外線(254nm、32W)を1時間照射し、照射終了
後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定し
た。測定結果を表1に示す。
【0023】(実施例2)実施例1と同様に、純水及び
フロンを磁気攪拌器5で激しく5分間攪拌した。この
後、攪拌速度を下げて穏やかな攪拌を施しながら実施例
1と同様に紫外線を照射した。照射中、攪拌液は水相と
フロン相とに分離していた。照射終了後の水中の塩素イ
オン濃度及び弗素イオン濃度を測定した結果を表1に示
す。
フロンを磁気攪拌器5で激しく5分間攪拌した。この
後、攪拌速度を下げて穏やかな攪拌を施しながら実施例
1と同様に紫外線を照射した。照射中、攪拌液は水相と
フロン相とに分離していた。照射終了後の水中の塩素イ
オン濃度及び弗素イオン濃度を測定した結果を表1に示
す。
【0024】(実施例3)実施例1と同様に、純水及び
フロンを磁気攪拌器で激しく5分間攪拌した。この後、
攪拌を止めて、水とフロンとに分離した液に実施例1と
同様の紫外線照射を行った。照射終了後の水中の塩素イ
オン濃度及び弗素イオン濃度を測定した結果を表1に示
す。
フロンを磁気攪拌器で激しく5分間攪拌した。この後、
攪拌を止めて、水とフロンとに分離した液に実施例1と
同様の紫外線照射を行った。照射終了後の水中の塩素イ
オン濃度及び弗素イオン濃度を測定した結果を表1に示
す。
【0025】(対照例)実施例1と同量の純水及びフロ
ンを、実施例1と同様に5分間激しく攪拌し、攪拌終了
後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定し
た結果を表1に示す。
ンを、実施例1と同様に5分間激しく攪拌し、攪拌終了
後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定し
た結果を表1に示す。
【0026】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 塩素イオン濃度(ppm) 弗素イオン濃度(ppm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 115 48 実施例2 86 36 実施例3 67 25 対照例 0.03 0.28 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 上記から明かに、紫外線照射中の攪拌が激しいと照射後
の水中のハロゲンイオンが増加することから、フロンの
分解反応が促進されていることがわかる。又、水及びフ
ロンに攪拌を全く施すことなく同様の紫外線照射を行っ
た場合には、照射後の塩素イオン及び弗素イオンの濃度
は実施例3の値より更に小さくなる。このことから、実
施例3においては照射前の激しい攪拌により分散した粒
子の一部が照射中まで残存したと理解される。
の水中のハロゲンイオンが増加することから、フロンの
分解反応が促進されていることがわかる。又、水及びフ
ロンに攪拌を全く施すことなく同様の紫外線照射を行っ
た場合には、照射後の塩素イオン及び弗素イオンの濃度
は実施例3の値より更に小さくなる。このことから、実
施例3においては照射前の激しい攪拌により分散した粒
子の一部が照射中まで残存したと理解される。
【0027】(実施例4)フロンの量を10mlに変更し
たこと以外は実施例1と同様の操作を行って、紫外線照
射後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定
した結果を表2に示す。
たこと以外は実施例1と同様の操作を行って、紫外線照
射後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定
した結果を表2に示す。
【0028】(実施例5)フロンの量を20mlに変更し
たこと以外は実施例1と同様の操作を行って、紫外線照
射後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定
した結果を表2に示す。
たこと以外は実施例1と同様の操作を行って、紫外線照
射後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定
した結果を表2に示す。
【0029】(実施例6)フロンの量を30mlに変更し
たこと以外は実施例1と同様の操作を行って、紫外線照
射後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定
した結果を表2に示す。
たこと以外は実施例1と同様の操作を行って、紫外線照
射後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測定
した結果を表2に示す。
【0030】(実施例7)フロンの量を100mlに変更
したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、紫外線
照射後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測
定した結果を表2に示す。
したこと以外は実施例1と同様の操作を行って、紫外線
照射後の水中の塩素イオン濃度及び弗素イオン濃度を測
定した結果を表2に示す。
【0031】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 塩素イオン濃度(ppm) 弗素イオン濃度(ppm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例4 195 104 実施例5 250 150 実施例6 134 58 実施例1 115 48 実施例7 112 46 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 表2において、実施例1と実施例7とは反応後のハロゲ
ンイオン濃度に大差がみられないが、これらの結果を単
位容積のフロンを基準にして考えると、実施例1の反応
率は実施例7の約2倍に向上していることになる。又、
実施例4、5に示されるように、水に加えるフロンの量
が減少するに従って急激にハロゲンイオンの濃度が増加
することから、実施例1及び7の結果は濃度平衡などに
よる反応抑制は受けていないと言える。更に、分散液中
の接触界面の面積及び分散粒子の安定性がフロン量の減
少によって著しく増大し、これによって分解反応速度が
向上すると考えられる。表2の結果からは、水500ml
に対するフロン量が約20ml以下(フロンに対する水容
積=約25倍)において、接触界面の面積及び分散粒子
の安定性が格段に増加することが示唆される。
ンイオン濃度に大差がみられないが、これらの結果を単
位容積のフロンを基準にして考えると、実施例1の反応
率は実施例7の約2倍に向上していることになる。又、
実施例4、5に示されるように、水に加えるフロンの量
が減少するに従って急激にハロゲンイオンの濃度が増加
することから、実施例1及び7の結果は濃度平衡などに
よる反応抑制は受けていないと言える。更に、分散液中
の接触界面の面積及び分散粒子の安定性がフロン量の減
少によって著しく増大し、これによって分解反応速度が
向上すると考えられる。表2の結果からは、水500ml
に対するフロン量が約20ml以下(フロンに対する水容
積=約25倍)において、接触界面の面積及び分散粒子
の安定性が格段に増加することが示唆される。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
含ハロゲン有機化合物の水中での紫外線分解が促進され
るので、不要となった含ハロゲン有機化合物の処理が簡
単になり、反応後の処理も容易である点も優れており、
その工業及び環境保護における価値は大である。
含ハロゲン有機化合物の水中での紫外線分解が促進され
るので、不要となった含ハロゲン有機化合物の処理が簡
単になり、反応後の処理も容易である点も優れており、
その工業及び環境保護における価値は大である。
【図1】本発明に係る含ハロゲン有機化合物の分解方法
を実施する分解装置の一例を示す概念図である。
を実施する分解装置の一例を示す概念図である。
3 分解槽 5 磁気攪拌器 7 攪拌子 9 紫外線ランプ
Claims (3)
- 【請求項1】 含ハロゲン有機化合物と水との接触面積
が増えるように該含ハロゲン有機化合物と水とを攪拌し
分散させながら紫外線を照射することを特徴とする含ハ
ロゲン有機化合物の分解方法。 - 【請求項2】 前記水は、該含ハロゲン有機化合物に対
して容積比で5倍以上用いられることを特徴とする請求
項1記載の含ハロゲン有機化合物の分解方法。 - 【請求項3】 含ハロゲン有機化合物と水とを含有する
エマルジョン液に紫外線を照射することを特徴とする含
ハロゲン有機化合物の分解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4169296A JP3474349B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 含ハロゲン有機化合物の分解方法 |
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JP4169296A JP3474349B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 含ハロゲン有機化合物の分解方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09225294A true JPH09225294A (ja) | 1997-09-02 |
JP3474349B2 JP3474349B2 (ja) | 2003-12-08 |
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ID=12615488
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JP4169296A Expired - Fee Related JP3474349B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 含ハロゲン有機化合物の分解方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3474349B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11128724A (ja) * | 1997-10-28 | 1999-05-18 | Rikiya Handa | Pcb混入オイルの処理方法 |
WO1999033524A1 (fr) * | 1997-12-26 | 1999-07-08 | Shunichi Terada | Procede de traitement d'huile usagee contenant du polychlorodiphenyle |
WO2001038267A1 (fr) * | 1999-11-22 | 2001-05-31 | Kukita, Takeshi | Procede de decomposition d'une substance halogenee, procede de detection de la decomposition d'une substance nocive et trousse de detection de la decomposition d'une substance nocive |
-
1996
- 1996-02-28 JP JP4169296A patent/JP3474349B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO1999033524A1 (fr) * | 1997-12-26 | 1999-07-08 | Shunichi Terada | Procede de traitement d'huile usagee contenant du polychlorodiphenyle |
WO2001038267A1 (fr) * | 1999-11-22 | 2001-05-31 | Kukita, Takeshi | Procede de decomposition d'une substance halogenee, procede de detection de la decomposition d'une substance nocive et trousse de detection de la decomposition d'une substance nocive |
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