JPH09122441A - 有機塩素化合物の分解方法 - Google Patents

有機塩素化合物の分解方法

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JPH09122441A
JPH09122441A JP7303442A JP30344295A JPH09122441A JP H09122441 A JPH09122441 A JP H09122441A JP 7303442 A JP7303442 A JP 7303442A JP 30344295 A JP30344295 A JP 30344295A JP H09122441 A JPH09122441 A JP H09122441A
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water
gas
organic chlorine
reaction
microbial reaction
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JP7303442A
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English (en)
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Hiroshi Matsutani
浩 松谷
Hiroaki Ishida
浩昭 石田
Mikio Kitagawa
幹夫 北川
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス中に含有される有機塩素化合物を、紫外線
照射による分解と、微生物による分解を組み合わて分解
する処理方法において、微生物に対する阻害物質の悪影
響を防ぎ、長期間安定して処理を行うことが可能な有機
塩素化合物の分解方法を提供する。 【解決手段】有機塩素化合物を含むガスに紫外線を照射
したのちガスを水に吸収せしめ、次いでガスを吸収した
水について微生物反応を行う有機塩素化合物の分解処理
方法において、還元性物質を添加して又は活性炭と接触
させて、微生物反応を行うことを特徴とする有機塩素化
合物の分解方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機塩素化合物の
分解方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、有機塩
素化合物を含むガス、例えば、有機塩素化合物で汚染さ
れた土壌を真空抽出して得られたガス、地下水をエアー
ストリッピングして得られたガス、ドライクリーニング
の排ガス等を浄化するために、紫外線照射による光化学
反応と微生物反応を組み合わせて有機塩素化合物の分解
処理を行う際に、コンパクトな装置を用いて、長期間に
わたり安定して分解処理を行うことができる有機塩素化
合物の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機塩素化合物は、優れた溶解力を有す
る溶剤として長年にわたり使用されてきたが、近年その
安全性が指摘され、環境への放出が制限されている。し
かし、環境の有機塩素化合物による汚染は依然解決され
ておらず、地下水や土壌のトリクロロエチレン、テトラ
クロロエチレン等の有機塩素化合物による汚染が大きな
問題となり、また、ドライクリーニングで有機塩素化合
物を使用する場合の排ガスも同様に問題とされている。
有機塩素化合物は比較的揮発しやすいために、ガスとし
て大気中に容易に拡散する。このような地下水、土壌、
大気等の汚染の原因物質である有機塩素化合物の除去方
法としては、現在は、活性炭吸着による方法が一般的で
ある。しかし、このような方法は、汚染物質を回収、再
利用しない限り、単に汚染物質を移行させるのみで、根
本的な解決にはなっていない。したがって、有機塩素化
合物を分解して無害化する方法の研究がこれまで積極的
に行われ、種々の技術が提案されている。例えば、パラ
ジウム等の酸化触媒と塩素化炭化水素含有排ガスとを高
温で接触させる塩素化炭化水素含有排ガスの処理方法
(特開昭50−92857号公報)、紫外線と光触媒で
有機塩素化合物を分解し、光触媒を集塵器で回収する排
ガス処理装置(特開平5−285342号公報)、有機
ハロゲン化合物を含む排ガスを紫外線照射処理したの
ち、アルカリで処理する方法(特開昭62−19102
5号公報)、トリクロロエチレンを含むガスとオゾンを
60〜110℃で反応させたのち、アルカリ液に吸収又
は活性炭に吸着させて、トリクロロエチレンを除去する
方法(特開昭63−190620号公報)、1,1,1−
トリクロロエタンを含むガスを固体酸と100〜300
℃で接触させたのち、オゾンと50〜120℃で反応さ
せて、1,1,1−トリクロロエタンを分解除去する方法
(特開昭63−190621号公報)、ハロゲン化非環
式炭化水素化合物とオゾンとを混合して紫外線を照射
し、ハロゲン化非環式炭化水素化合物を分解する装置
(特開平1−236925号公報)等が提案されてい
る。有機塩素化合物は光化学的には比較的分解しやすい
ために、紫外線を利用した分解方法が数多く提案されて
いる。しかし、紫外線照射による光反応だけでは有機塩
素化合物を完全に分解することは容易でなく、分子内に
塩素原子を有する反応中間体が残存しやすい。このた
め、紫外線照射による光反応を行ったのち、さらに微生
物反応を行う処理方法が提案されているが、有機塩素化
合物に紫外線照射を行うと、有機塩素化合物が微生物に
より分解しやすい反応中間体に変換されると同時に、微
生物に有害な影響を与える反応中間体も生成するので、
微生物処理を長期間安定して行うことが困難であるとい
う問題があった。一方、日本国内においては、有機塩素
化合物で汚染されて浄化が必要なサイトは敷地面積が小
さい場合が多く、大型の浄化装置を持ち込むことは容易
ではない。そこで、よりコンパクトで高性能の浄化装置
が求められている。また、土壌から真空抽出したガスを
対象とする場合、ガス中に存在する有機塩素化合物の濃
度は長期的には浄化開始直後から徐々に低下するが、そ
の濃度は日々変動するので負荷の変動に対して安定した
処理が可能な浄化装置が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガス中に含
有される有機塩素化合物を、紫外線照射による分解と、
微生物による分解を組み合わて分解する処理方法におい
て、微生物に対する阻害物質の悪影響を防ぎ、長期間安
定して処理を行うとが可能な有機塩素化合物の分解方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、有機塩素化合物
の紫外線照射によって生成する反応中間体を吸収した水
を、還元性物質を添加して微生物反応を行うことによ
り、あるいは活性炭と接触させたのち微生物反応を行う
ことにより、阻害物質による悪影響を防止して長期間安
定に処理を行うことが可能となることを見いだし、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、(1)有機塩素化合物を含むガスに紫外線を
照射したのちガスを水に吸収せしめ、次いでガスを吸収
した水について微生物反応を行う有機塩素化合物の分解
処理方法において、還元性物質を添加して微生物反応を
行うことを特徴とする有機塩素化合物の分解方法、
(2)有機塩素化合物を含むガスに紫外線を照射したの
ちガスを水に吸収せしめ、次いでガスを吸収した水につ
いて微生物反応を行う有機塩素化合物の分解処理方法に
おいて、紫外線照射後のガスを吸収した水を活性炭と接
触させたのち微生物反応を行うことを特徴とする有機塩
素化合物の分解方法、及び、(3)有機塩素化合物を含
むガスに紫外線を照射したのち微生物反応を行う有機塩
素化合物の分解処理方法において、担体として活性炭を
使用した微生物反応槽において微生物反応を行うことを
特徴とする有機塩素化合物の分解処理方法、を提供する
ものである。さらに、本発明の好ましい態様として、
(4)還元性物質が、チオ硫酸塩である第(1)項記載の
有機塩素化合物の分解方法、(5)微生物反応槽が、膜
浸漬型活性汚泥槽である第(1)項〜第(4)項記載の有機
塩素化合物の分解方法、(6)微生物反応槽に浸漬され
た膜が、中空糸膜である第(5)項記載の有機塩素化合物
の分解方法、(7)微生物反応槽に浸漬された膜の透過
水を、紫外線照射後のガスを吸収する水として再利用す
る第(1)項〜第(6)項記載の有機塩素化合物の分解方
法、及び、(8)有機塩素化合物が、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレン又はこれらの混合物である第(1)
項〜第(7)項記載の有機塩素化合物の分解方法、を挙げ
ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、有機塩素化合物を
含むガスに適用することができる。有機塩素化合物の種
類には特に制限はなく、揮発して空気等のガス中に混在
する有機塩素化合物は本発明方法により処理することが
でき、このような有機塩素化合物としては、例えば、塩
化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチル、
ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタ
ン、塩化プロピル、ジクロロプロパン等の脂肪族飽和塩
素化合物、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ジクロロエチ
レン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、塩
化アリル、塩化プロペニル、塩化イソブテニル等の脂肪
族不飽和塩素化合物、クロロシクロペンタン、クロロシ
クロヘキサン等の脂環式塩素化合物、クロロベンゼン、
ジクロロベンゼン、クロロトルエン、塩化ベンジル等の
芳香族塩素化合物、クロロ酢酸エチル、塩化フルフリル
等のその他の有機塩素化合物等を挙げることができる。
本発明方法においては、これらの有機塩素化合物を含む
ガスに、紫外線を照射する。紫外線の有するエネルギー
は波長に反比例するので、紫外線が300nm以下の波
長のものを含むと、有機塩素化合物の炭素−塩素結合を
切断するために十分なエネルギーが供給されるので好ま
しい。有機塩素化合物に紫外線が照射されると、塩素原
子の非結合性のn電子が励起され、炭素−塩素結合がラ
ジカル的に切断する。有機塩素化合物が、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン等のように、炭素−炭素二重
結合を有し、かつ、炭素原子に塩素原子が結合している
と、その化合物は紫外線吸収スペクトルの極大値が20
0nm付近にあるので、300nm以下の波長を有する
紫外線を特に効率よく吸収し、炭素−炭素二重結合のπ
電子が励起され、炭素−塩素結合のラジカル的切断が起
こる。
【0006】本発明方法においては、紫外線照射槽にお
いて、有機塩素化合物を含むガスに紫外線を照射する。
多くの場合、ガスは主として空気である。紫外線は波長
300nm以下のものを含むことが好ましいが、同時に
300nmを超える波長の光を有していてもよい。30
0nm以下の波長の紫外線の照射に用いることができる
光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ラン
プ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、重水素ランプ、
メタルハライドランプ等を挙げることができる。これら
の中で、紫外線照射効率の高い低圧水銀ランプを、特に
好適に使用することができる。光源を保護するためにラ
ンプの保護筒を設ける場合は、石英ガラス、透明テフロ
ン製がよく、パイレックスガラスは300nm以下の波
長をカットするので適当ではない。本発明方法において
は、有機塩素化合物は紫外線を吸収して励起され不安定
になると脱塩素反応を起こし、系内に酸素分子が存在す
るときは自らは酸素分子と反応して、酸素原子とも結合
した塩素原子を有する反応中間体となる。放出された塩
素ラジカルは、一部は2個が反応して塩素分子となる
が、大部分はさらに他の有機塩素化合物の分子をラジカ
ル的に攻撃し、炭素中心ラジカルを生成する。炭素中心
ラジカルは系内に酸素分子が存在するときは酸素分子と
反応して、同様に酸素原子とも結合した塩素原子を有す
る反応中間体となる。反応は連鎖的に進行するので、こ
の反応の量子収率は一般的に高く、効率よく有機塩素化
合物の濃度を低下させることができる。しかし、塩素原
子を有する反応中間体は、光化学的には元の有機塩素化
合物よりも安定で、その光分解速度は小さいものが多
い。したがって、紫外線照射のみでは、有機塩素化合物
を二酸化炭素まで完全に分解することはできず、塩素原
子を有する反応中間体が残存する。この塩素原子を有す
る反応中間体の多くは、微生物によって分解されやすい
性質を有しているが、塩素原子を有する反応中間体の中
には、微生物の活動に悪影響を与える阻害物質となるも
のがあり、高濃度の阻害物質が多量に微生物反応槽に流
入すると致命的な影響を与える場合がある。
【0007】本発明方法は、(1)有機塩素化合物を含
むガスに紫外線を照射したのちガスを水に吸収せしめ、
還元性物質を添加して微生物反応を行い、(2)有機塩
素化合物を含むガスに紫外線を照射したのちガスを水に
吸収せしめ、活性炭と接触させたのち微生物反応を行
い、あるいは、(3)有機塩素化合物を含むガスに紫外
線を照射したのち、担体として活性炭を使用した微生物
反応槽において微生物反応を行うものである。本発明方
法において、紫外線照射後のガスを水に吸収させる方法
には特に制限はなく、公知のガス吸収装置を使用するこ
とができる。このようなガス吸収装置としては、例え
ば、水を槽に入れて底部よりガスを小気泡として放出す
ることにより接触面積を大にする気泡式吸収装置、水を
塔頂から噴霧状又は雨滴状に落下させガスを底部から上
昇せしめる液滴式吸収装置、充填物を満たした塔の上部
から水を充填物の表面に沿って流下させガスを塔の下部
から充填物の間隙を上昇せしめる充填塔等を挙げること
ができる。本発明方法においては、簡単な気泡式吸収装
置によって通常その目的を達することができる。本発明
方法において使用する還元性物質には特に制限はなく、
例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のチ
オ硫酸塩、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等の第一鉄塩、鉄、
亜鉛等の金属単体、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム
等の亜硫酸塩、あるいはヒドラジン、過酸化水素、アス
コルビン酸、エリソルビン酸、グルコース等を使用する
ことができる。これらの中で、チオ硫酸塩、第一鉄塩、
金属単体は、微生物への影響が少ないので好適に使用す
ることができる。還元性物質は、有機塩素化合物を含む
ガスに紫外線を照射したガスを吸収した水の中に存在す
る、微生物の生育に対して阻害作用を有する塩素分子や
酸化性のパーオキシラジカルやアルコキシルラジカルと
反応して、無害化するものと考えられる。
【0008】本発明方法において、反応系への還元性物
質の添加方法には特に制限はなく、紫外線照射後のガス
を吸収する水に添加することができ、あるいは微生物反
応槽に添加することができる。これらの添加方法の中
で、紫外線照射後のガスを吸収する水に添加する方法
は、気液接触により還元性物質が十分に混合され、還元
性物質又は副生成物による微生物処理への影響が少ない
ので好ましい。本発明方法においては、紫外線照射後の
ガスを吸収した水を微生物反応槽に導入する。微生物反
応槽としては、水中に好気性微生物を浮遊させた活性汚
泥槽を好適に使用することができる。本発明方法におい
ては、処理水と汚泥の分離方法には特に制限はなく、沈
殿、浮上、膜分離等任意の方法を用いることができる。
これらの中で、微生物反応槽を膜浸漬型活性汚泥槽とす
る方法が好ましい。微生物反応槽を膜浸漬型活性汚泥槽
とすることにより、沈殿槽が不要となり、また活性汚泥
槽内の好気性微生物の濃度を高めることが可能となり、
コンパクトな浄化装置でしかも負荷変動に対して安定し
た処理が可能となる。本発明方法において、微生物反応
槽に浸漬された膜は、中空糸膜であることが特に好まし
い。中空糸膜は、膜の透過性の調整が容易であり、大面
積の膜を小容量にまとめることが可能であるので、高性
能でコンパクトな微生物反応槽とすることができる。本
発明方法においては、活性汚泥槽に浸漬された膜の透過
水を紫外線照射後のガスを吸収する水として再利用する
ことが好ましい。膜の透過水を再利用することにより、
必要な水量を低減させることができる。本発明方法にお
いては、紫外線照射後のガスを吸収した水を、還元性物
質の添加に代えて、活性炭と接触させたのち微生物反応
槽に送り、効率的に微生物反応を行うことができる。活
性炭は、紫外線照射後のガスを吸収した水の中に存在す
る、微生物の生育に対して阻害作用を有する塩素分子や
酸化性のパーオキシラジカルやアルコキシルラジカルを
吸着、還元して、阻害作用を防止するものと考えられ
る。本発明方法においては、紫外線照射後のガスを吸収
した水に、還元性物質の添加又は活性炭との接触を行う
ことなく、あるいは、有機塩素化合物を含むガスに紫外
線を照射したガスを水に吸収させることなく、直接、担
体として活性炭を使用した微生物反応槽に導き、微生物
反応を行うことができる。担体として活性炭を使用した
微生物反応槽を使用することにより、設備を一層小型化
することができる。
【0009】図1は、本発明方法の実施の一態様の工程
系統図である。有機塩素化合物を含むガスを、紫外線照
射槽1に導入し、低圧水銀ランプ等により紫外線を照射
する。紫外線照射による有機塩素化合物の分解により生
成した、塩素原子を有する反応中間体を含有するガス
を、ガス吸収塔2に送り、塩素原子を有する反応中間体
を水に吸収せしめる。ガス吸収塔には、補給水を給水す
るとともに、微生物反応槽より流出する処理水の一部を
再利用水として給水する。また、ガス吸収塔において
は、還元性物質を添加するとともに、必要に応じて、ア
ルカリ等を加えて水のpHを調整する。ガス吸収塔におい
て塩素原子を有する反応中間体を水に吸収せしめたガス
は、処理ガスとして排出する。塩素原子を有する反応中
間体を吸収した水は、ポンプ3により微生物反応槽4に
送る。微生物反応槽としては、水中に好気性微生物を浮
遊させた活性汚泥槽を好適に使用することができる。微
生物反応槽には、微生物の栄養源として窒素源及びリン
源を添加するとともに、必要に応じて、アルカリ等を加
えてpHを調整する。微生物反応槽において、塩素を含有
する反応中間体は無害な物質にまで分解されるので、膜
分離装置5にポンプ6により陰圧を加えることによって
処理水を吸引する。処理水の一部は再利用水としてガス
吸収塔へ戻し、残部は処理水として排出する。図2は、
本発明方法の実施の他の態様の工程系統図である。有機
塩素化合物を含むガスを、紫外線照射槽1に導入し、低
圧水銀ランプ等により紫外線を照射する。紫外線照射に
よる有機塩素化合物の分解により生成した塩素原子を有
する反応中間体を含有するガスを、ガス吸収塔2に送
り、塩素原子を有する反応中間体を水に吸収せしめる。
ガス吸収塔には、補給水を給水するとともに、微生物反
応槽より流出する処理水の一部を再利用水として給水す
る。また、ガス吸収塔においては、必要に応じて、アル
カリ等を加えて水のpHを調整する。ガス吸収塔において
塩素原子を有する反応中間体を水に吸収せしめたガス
は、処理ガスとして排出する。塩素原子を有する反応中
間体を吸収した水は、ポンプ3により活性炭充填塔7に
送る。活性炭充填塔において、微生物の活動を阻害する
物質を吸着、還元除去した水を、次いで微生物反応槽4
に導入する。微生物反応槽としては、水中に好気性微生
物を浮遊させた活性汚泥槽を好適に使用することができ
る。微生物反応槽には、微生物の栄養源として窒素源及
びリン源を添加するとともに、必要に応じて、アルカリ
等を加えてpHを調整する。微生物反応槽において、塩素
を含有する反応中間体は無害な物質にまで分解されるの
で、膜分離装置5にポンプ6により陰圧を加えることに
よって処理水を吸出する。処理水の一部は再利用水とし
てガス吸収塔へ戻し、残部は処理水として排出する。
【0010】図3は、本発明方法の実施の他の態様の工
程系統図である。有機塩素化合物を含むガスを、紫外線
照射槽1に導入し、低圧水銀ランプ等により紫外線を照
射する。紫外線照射による有機塩素化合物の分解により
生成した塩素原子を有する反応中間体を含有するガス
を、ガス吸収塔2に送り、塩素原子を有する反応中間体
を水に吸収せしめる。ガス吸収塔には、補給水を給水す
るとともに、微生物反応槽より流出する処理水の一部を
再利用水として給水する。また、ガス吸収塔において
は、必要に応じて、アルカリ等を加えて水のpHを調整す
る。ガス吸収塔において塩素原子を有する反応中間体を
水に吸収せしめたガスは、処理ガスとして排出する。塩
素原子を有する反応中間体を吸収した水は、担体8とし
て活性炭を使用した微生物反応槽4に導入する。微生物
反応槽には、微生物の栄養源として窒素源及びリン源を
添加するとともに、必要に応じて、アルカリ等を加えて
pHを調整する。微生物反応槽において、塩素を含有する
反応中間体は無害な物質にまで分解される。微生物反応
槽より流出する処理水の一部は再利用水としてガス吸収
塔へ戻し、残部は排出する。図4は、本発明方法の実施
の他の態様の工程系統図である。有機塩素化合物を含む
ガスを、紫外線照射槽1に導入し、低圧水銀ランプ等に
より紫外線を照射する。紫外線照射により有機塩素化合
物の分解により生成した塩素原子を有する反応中間体を
含有するガスを、直接担体8として活性炭を使用した微
生物反応槽4に導入する。微生物反応槽において、塩素
原子を有する反応中間体は水中に溶解するので、ガスは
処理ガスとして排出する。微生物反応槽には、補給水を
給水し、微生物の栄養源として窒素源及びリン源を添加
するとともに、必要に応じて、アルカリ等を加えてpHを
調整する。微生物反応槽において、塩素を含有する反応
中間体は無害な物質にまで分解され、微生物反応槽より
流出する処理水を、ポンプ6により排出する。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 内部に20Wの低圧水銀ランプを3本備えた円筒型ガラ
ス製の容積20リットルの紫外線照射槽、内部に散気管
を備えた容積3リットルのガス吸収塔及び寸法600mm
×600mm×1200mmH、有効容積400リットルの
活性汚泥槽を図1に示すように配置した。次に、トリク
ロロエチレン約500ppmを含む空気を流量33リット
ル/分で紫外線照射槽に通気し、次いでガス吸収塔にて
散気管を通じてガス吸収を行わせた。ガス吸収塔ではpH
がほぼ7付近に保たれるよう水酸化ナトリウムの25重
量%水溶液を適宜添加し、またチオ硫酸ソーダの10重
量%水溶液を5ml/hrの流量で添加した。ガス吸収塔の
水を、流量4リットル/hrで連続的に活性汚泥槽に通水
した。活性汚泥槽では、窒素源及びリン源としてそれぞ
れ尿素20g及び75重量%リン酸10gを1日1回投
入し、pHがほぼ7付近に保たれるように水酸化ナトリウ
ムの25重量%水溶液を適宜添加した。活性汚泥槽の運
転条件は、汚泥濃度5,000mg/リットル、滞留時間
約96時間、曝気空気量4m3/hrである。活性汚泥槽
に浸漬した膜は、三菱レイヨン(株)製ステラポアーL
(中空糸膜型、有効膜面積4m2)で、透過水量0.3m
3/m2・dayで間欠運転した。透過水の1/4である1リ
ットル/hrをガス吸収塔に戻し、さらにガス吸収塔には
レベルスイッチを設けて水道水を補給水とした。この条
件で100日間運転を行った。運転期間中を通じて紫外
線照射槽出口においてトリクロロエチレン濃度は5ppm
以下であり、ジクロロアセチルクロライドが約350pp
m、塩素が約50ppm検出された。ガス吸収塔出口ではジ
クロロアセチルクロライドが加水分解され、ジクロロ酢
酸として約900mg/リットル検出されたが、残留塩素
は検出されなかった。さらに、活性汚泥槽の膜透過水中
のジクロロ酢酸濃度は0.5mg/リットル以下であっ
た。 実施例2 ガス吸収塔において、チオ硫酸ソーダを添加する代わり
に、ガス吸収塔と活性汚泥槽の間に活性炭塔(容積10
リットル)を設け、実施例1と同様に100日間の連続
運転を行った。運転期間中を通じて、膜透過水中のジク
ロロ酢酸濃度は0.5mg/リットル以下であった。 比較例1 チオ硫酸ソーダを添加しないこと以外は、実施例1と同
じ操作を繰り返したところ、運転開始12時間後に膜透
過水量が低下し始める現象が観察された。24時間後に
は、膜透過水中のジクロロ酢酸濃度は120mg/リット
ルとなった。さらに、48時間後には膜透過水中のジク
ロロ酢酸濃度は230mg/リットルとなり、膜透過水量
0.3m3/m2・dayを確保するためのポンプの吸引圧力
は運転初期の−0.2kg/cm2から−0.3kg/cm2に増大
した。
【0012】
【発明の効果】紫外線分解と微生物反応を組み合わせる
有機塩素化合物の分解方法において、紫外線照射後のガ
スを吸収した水に、チオ硫酸塩のような還元剤を添加す
ること又は活性炭と接触することにより、微生物反応を
安定させ、有機塩素化合物を効率よく完全分解すること
ができ、さらに、微生物反応槽に固液分離のために膜を
浸漬することによりコンパクトな装置による安定した処
理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統
図である。
【図2】図2は、本発明方法の実施の他の態様の工程系
統図である。
【図3】図3は、本発明方法の実施の他の態様の工程系
統図である。
【図4】図4は、本発明方法の実施の他の態様の工程系
統図である。
【符号の説明】
1 紫外線照射槽 2 ガス吸収塔 3 ポンプ 4 微生物反応槽 5 膜分離装置 6 ポンプ 7 活性炭充填塔 8 担体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機塩素化合物を含むガスに紫外線を照射
    したのちガスを水に吸収せしめ、次いでガスを吸収した
    水について微生物反応を行う有機塩素化合物の分解処理
    方法において、還元性物質を添加して微生物反応を行う
    ことを特徴とする有機塩素化合物の分解方法。
  2. 【請求項2】有機塩素化合物を含むガスに紫外線を照射
    したのちガスを水に吸収せしめ、次いでガスを吸収した
    水について微生物反応を行う有機塩素化合物の分解処理
    方法において、紫外線照射後のガスを吸収した水を活性
    炭と接触させたのち微生物反応を行うことを特徴とする
    有機塩素化合物の分解方法。
  3. 【請求項3】有機塩素化合物を含むガスに紫外線を照射
    したのち微生物反応を行う有機塩素化合物の分解処理方
    法において、担体として活性炭を使用した微生物反応槽
    において微生物反応を行うことを特徴とする有機塩素化
    合物の分解方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001199905A (ja) * 2000-01-12 2001-07-24 Sony Corp 有機化合物の分解方法
JP2005161216A (ja) * 2003-12-03 2005-06-23 Japan Atom Energy Res Inst 電子ビーム照射による有害有機物を含んだガスの浄化法
WO2021024653A1 (ja) * 2019-08-08 2021-02-11 ウシオ電機株式会社 ガス処理装置、ガス処理システム及びガス処理方法

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