JPH11128724A - Pcb混入オイルの処理方法 - Google Patents

Pcb混入オイルの処理方法

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JPH11128724A
JPH11128724A JP9311210A JP31121097A JPH11128724A JP H11128724 A JPH11128724 A JP H11128724A JP 9311210 A JP9311210 A JP 9311210A JP 31121097 A JP31121097 A JP 31121097A JP H11128724 A JPH11128724 A JP H11128724A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PCB混入オイルを無毒化し、さらには、P
CB混入オイルより分解時にダイオキシン発生原因物質
となる塩素を確実に中和反応で塩として析出して、ダイ
オキシンの発生がない焼却が可能となるPCB混入オイ
ルの処理方法を提供するを提供する。 【解決手段】 PCB混入オイルに水と界面活性剤とを
混入した後攪拌してエマルジョンとなし、エマルジョン
化したPCB混入オイルに水酸化物を混合した後、加熱
・又は燃焼してPCBに含まれる塩素と水酸化物の塩基
とを中和反応する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はPCB(本願ではポ
リ塩化ビフェニルを、単にPCBと略記する。)混入オ
イルの処理方法に関するもので、特に、混入するPCB
を無毒化し、加えて、焼却・処理時にダイオキシンの発
生を抑止するPCB混入オイルの処理方法に関するもの
である。
【0002】PCBは毒性があるので現在は製造・使用
が制限されているが、既に製造され、使用された大量の
廃トランスオイル等のPCB混入オイルが保管されてい
る。このPCB混入オイルは、無論可燃物であるので焼
却処分するのがもっとも簡易ではあるが、実際には単に
焼却すると有害なダイオキシンが発生することは広く知
られるもので、現状ではこのPCB混入オイルは焼却処
分できないでいる。
【0003】ダイオキシンの発生を抑止しつつPCBを
分解する方法は種々提案されており、最近の報告では、
厳格な温度管理のもとに高熱焼却すればダイオキシンの
発生が抑止できるとされている。
【0004】しかし、上記PCBの高熱焼却方法は温度
管理が非常に煩雑であるのと、電気溶解炉等を使用して
高温反応雰囲気を維持するためのエネルギーが大量に要
求されるので、オイルに混入して容積を増しているPC
B混入オイルの処理には処理費用があまりにも高額とな
るという問題点を有している。
【0005】そこで、通常の焼却炉内でPCB混入オイ
ルを自燃または多少の補助燃料を添加して焼却処分する
方法として、燃焼部位に水蒸気等の状態で水を供送し、
さらに水酸化物を供給して、PCBに含まれる塩素をイ
オン化すると共に、この塩素を水酸化物と中和反応させ
て塩として固定する方法が提案・試行されている。
【0006】しかし、上記の水添加中和反応方式は、相
応のダイオキシン発生抑止効果が認められるも、なお、
相当な量のダイオキシンの発生があり、現時点では完全
に安全とは断言できず実用化されるに至ってはいない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、PC
B混入オイルを無毒化し、さらには、PCB混入オイル
より分解時にダイオキシン発生原因物質となる塩素を確
実に中和反応で塩として析出することで、ダイオキシン
の発生がない焼却ができるPCB混入オイルの処理方法
を提供することを課題としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
め本発明は、第一工程として、PCB混入オイルに水と
界面活性剤とを混入した後攪拌してエマルジョンとな
し、第二工程として、エマルジョン化したPCB混入オ
イルに水酸化物を混合した後、加熱してPCBに含まれ
る塩素と水酸化物の塩基とを中和反応するようになした
技術的手段を講じたものである。
【0009】それ故、本発明PCB混入オイルの処理方
法は、第一工程でPCB混入オイルの粒子(微小な液
滴)をさらに微小な水の粒子が取り囲み、PCB混入オ
イルと水とが容易には分離しないように略均一に混合し
たエマルジョンが得られる作用を呈する。PCB混入オ
イルは無論疎水性を有し、水にはほとんど溶け込まない
ので界面活性剤を加えることでエマルジョン化が可能と
なるものである。
【0010】そして、PCB混入オイルに水と界面活性
剤とを加えてエマルジョンとすると、PCB(特に、P
CBの有する塩素分子)と水との接触効率が向上する作
用を呈する。
【0011】そして、上記PCB混入オイルのエマルジ
ョンに水酸化物を混合した後、加熱すると、PCBの塩
素はイオン化して、水酸化物と中和反応して塩となる。
すなわち、水酸化物として水酸化ナトリウム(NaO
H)を使用すると塩として塩化ナトリウム(NaCl)
が生成され、水酸化物として消石灰(Ca(OH)2
を使用すると塩として塩化カルシウム(CaCl2)が
生成される。したがってPCBは変質して無害化される
作用を呈するものである。
【0012】次に、「請求項2」の発明は、第一工程と
して、PCB混入オイルに水と界面活性剤とを混入した
後攪拌してエマルジョンとなし、第二工程として、エマ
ルジョン化したPCB混入オイルに水酸化物水溶液を混
合した後、焼却炉内に噴射して焼却するようになした技
術的手段を講じたものである。
【0013】それ故、本発明は前記作用に加え、水酸化
物の水溶液を使用したので、水酸化物が均一にPCBと
混合し、該PCBの塩素分子と接触する頻度を向上する
作用を呈するものである。
【0014】そして、本発明は「請求項1」の発明の加
熱して反応条件を整えるのに代え、焼却するようになし
たので、焼却によってPCBのが酸化分解するので塩が
再び溶解して塩素がPCBの分子に再度組み込まれるの
を防ぎ、燃焼時の熱でイオン化した塩素と水酸化物との
中和反応によって、安定した固相の状態の塩として析出
され、ダイオキシンの生成を防ぐ作用を呈するものであ
る。
【0015】次に、「請求項3」の発明は、第一工程と
して、PCB混入オイルに水と界面活性剤とを混入した
後攪拌してエマルジョンとなし、第二工程として、エマ
ルジョン化したPCB混入オイルを焼却炉内に噴射して
焼却し、第三工程として、上記焼却炉内または該燃焼炉
の下流側に連通した煙道内に水酸化物の水溶液を噴霧す
るようになした技術的手段を講じたものである。
【0016】それ故、本発明はPCB混入オイルを焼却
炉内で燃焼させた後に水酸化物の水溶液を噴霧・接触す
るようになしたが、化学的に安定したダイオキシンは比
較的低温(300〜500℃)の雰囲気で発生するの
で、PCB混入オイルを燃焼させた後、高温雰囲気を保
つ間に水酸化物の水溶液を噴霧・接触させてもダイオキ
シンの発生を抑止する作用を呈するものである。
【0017】次に、「請求項4」の発明は、第一工程と
して、PCB混入オイルに容積比50〜80%の水と、
適宜量の界面活性剤とを混入した後、攪拌してエマルジ
ョンとなし、第二工程として、エマルジョン化したPC
B混入オイルと、このエマルジョンに対して容積比50
〜200%の水酸化物の飽和水溶液とを混合し、焼却炉
内に噴射して800℃以上で焼却するようになした技術
的手段を講じたものである。
【0018】それ故、本発明は水をPCB混入オイルに
容積比50〜80%、界面活性剤を適量(エマルジョン
化に必要な量で、界面活性剤の種類によって、またはP
CB混入オイルの性状に大きく変化する。なお、実施態
様としては界面活性剤に市販のポリオキシエチレン型非
イオン活性剤を使用したところ、PCB混入オイルに対
する容積比約20%が適量であった。)を混入したの
で、これらを撹拌することでPCB混入オイルと水とが
均一に混ざったゲル状物質が得られる作用を呈する。
【0019】そして、エマルジョン化したPCB混入オ
イルと、このエマルジョンに対して容積比50〜200
%の水酸化物の飽和水溶液とを混合することで、ゲル状
物質は希釈され粘度が低下して流動化し易いゾル状態で
自燃可能な状態となる作用を呈すると共に、前記したよ
うにPCBの塩素と水酸化物とが水の存在でイオン化乃
至はイオン化し易い状態となす作用を呈する。
【0020】そして、ゾル化したPCB混入オイルを8
00℃以上で焼却すると、焼却時に前記した塩素と水酸
化物との中和反応が生じて確実にダイオキシンの発生を
抑止する作用を呈するものである。
【0021】
【発明の実施の態様】次ぎに、本発明の実施の態様を詳
細に説明する。先ず、本発明は、第一工程として、PC
B混入オイルに水と界面活性剤とを混入した後、攪拌し
てエマルジョンとなす。
【0022】上記PCB混入オイルとしては、現在大量
に保管されているPCB混入廃トランスオイルを想定し
ているが、無論、その他のPCB混入オイルであっても
よい。
【0020】そして、上記PCB混入オイルには水(H
2O)と界面活性剤とを混入する。水は水道水でよく、
界面活性剤は前記したポリオキシエチレン型非イオン活
性剤等の各種公知な各種のものを使用すればよい。
【0021】上記水と界面活性剤との混入量は、均一な
エマルジョンが生成できるように夫々適宜選定すればよ
いが、一実施態様としては、加水量は容積比50%以
上、界面活性剤はPCB混入オイルに対して容積比20
%以上とすると白濁した均一なエマルジョンが生成でき
た。なお、水を容積比100%以上混入する場合は、容
積比50〜80%程度の水と界面活性剤とを混入して撹
拌してエマルジョン化した後に、残りの水を加えて撹拌
するのが、均一なエマルジョンを得やすいものである。
【0022】次いで本発明は、第二工程として、エマル
ジョン化したPCB混入オイルに水酸化物を混合した
後、加熱酸化分解反応する。水酸化物としては前記もし
たように水酸化ナトリウム(NaOH)、消石灰(Ca
(OH)2)等が使用でき、その混合量はPCBの混入
量に応じて(PCBの混入量は不明なことが多く、実際
には必要量以上混入することが望ましい。)設定すれば
よい。なお、この水酸化物は粉末体を使用しても、或い
は第一工程で加水する水に溶解させて混入させても、さ
らには、別途用意した水酸化物溶液として混入しても無
論差し支えない。
【0023】エマルジョン化したPCB混入オイルに水
酸化物を混合すると、水の存在でPCBの塩素と水酸化
物とはイオン化可能な状態となる。もっとも、水酸化物
は水の存在で容易にイオン化するが、PCBの塩素は化
学的に強固に結合しているので、単に水を加えて放置し
てもイオン化はしない。そこで加熱することでPCBの
塩素のイオン化を助長する。
【0024】上記加熱は300℃以上が望ましく、比較
的低温(200〜300℃)で長時間加熱するより、高
温(400℃以上)で短時間加熱し、加熱後急冷するこ
とが望ましい。
【0025】上記加熱により、PCBの塩素と水酸化物
との中和反応が生じ、塩が生成されて、PCBは塩素が
除かれて無害化されることになる。なお、この加熱は数
回繰り返すことも望ましいもので、加熱、冷却を繰り返
すことでPCBNの塩素を確実に中和反応することがで
きるものである。
【0026】次ぎに、「請求項2」の発明は、第一工程
として、PCB混入オイルに水と界面活性剤とを混入し
た後攪拌してエマルジョンとなすのは「請求項1」と同
じである。但し、ここでの水の混入量は容易かつ確実に
エマルジョンを得るためにPCB混入オイルに対して容
積比50〜80%が望ましい。
【0027】無論、加水量は80%以上となしてもよい
が、一度に大量の加水を行なうと、撹拌に大きな動力を
必要とするもので、容積比50〜80%の加水では従来
の撹拌機を使用することで容易・確実にエマルジョンが
得られるもので、さらに加水したい場合は、このエマル
ジョンに加水することが効率的であった。
【0028】PCB混入オイルに界面活性剤と、PCB
混入オイルに対して容積比50〜80%の水とをを混入
して後攪拌するとゲル状のエマルジョンが得られる。そ
こで、本発明は、第二工程として、ゲル化したPCB混
入オイルに水酸化物水溶液を混合した後、焼却炉内に噴
射して焼却する。
【0029】すなわち、第二工程では水酸化物水溶液を
混合することで、第一にPCBNの塩素を中和反応で除
去する水酸化物を混入し、第二にゲル化状のPCB混入
オイルに加水してゾル化することを意図している。な
お、この水酸化物の混入は「請求項1」と同じである
が、ここで水酸化物の水溶液を使用することで、水酸化
物が均一に混入することを可能となしてある。
【0030】そして、水酸化物水溶液を加えることで、
ゲル状のエマルジョンは希釈され、粘度が低下してゾル
化することになるが、ここでの加水量はPCB混入オイ
ルを管路で搬送し易い程度の粘度を得るようにする。し
かし、あまりに加水量を増やすと搬送はそれだけ容易と
なるも、焼却する際に自燃できなくなる。そして、自燃
できないと周脚には、補助燃料が必要となる。したがっ
て、管路搬送及び後記焼却炉内への噴射可能な程度の最
小限の加水量が望ましく、第一工程で得たPCB混入オ
イルのエマルジョンに対して容積比40〜200%の加
水量が好適であった。
【0031】なお、ゾル化したPCB混入オイルは、界
面活性剤が混入してあっても、極めて長時間放置すると
か、搬送路中で衝突を繰り返したり遠心力等の外力が加
わったりすると、水が分離する傾向を有するので、上記
水酸化物水溶液の混合は焼却直前に行なうのが望まし
い。
【0032】そして、本発明は上記ゾル化したPCB混
入オイルを焼却炉内に噴射して焼却する。この焼却炉は
従来公知な通常のものが使用できる。すなわち、ゾル化
したPCB混入オイルをノズルより噴出させ、助燃バー
ナで着火する。着火後は助燃バーナを止めても燃焼を継
続できるが、燃焼雰囲気が400℃以下であると、排気
中に相当量の炭化水素と多少のダイオキシンが混入する
ので、ここでの燃焼は800℃以上として、炭化水素の
より確実な酸化分解を行なうことが望ましく、そのため
に、必要であれば助燃バーナの運転を継続してもよいの
は無論である。
【0033】すなわち、焼却でPCB混入オイルは酸化
分解されるが、この種通常の焼却炉での焼却でPCB混
入オイルの全てのベンゼン核までをも分解することはで
きない。そして、焼却で分解できなかった塩素を有する
ベンゼン核が再結合するとダイオキシンが生成されるこ
とになるが、本発明では水と水酸化物とが存在する雰囲
気での燃焼であるので、PCBの塩素と水酸化物とが中
和反応して、塩素は塩として析出され、ダイオキシンの
発生が抑止されるものである。
【0034】上記PCB混入オイルの焼却によって、ダ
イオキシンの発生は確実に抑止できることが実験の結果
確認できたが、ダイオキシンの発生はPCB混入オイル
の焼却後排気が300〜400℃に冷却される際にその
ほとんどが生成されることが知られている。そこで、次
ぎに「請求項3」の発明では、PCB混入オイルの焼却
後に水酸化物を接触させるようになしてある。
【0035】すなわち、第一工程として、PCB混入オ
イルに水と界面活性剤とを混入した後攪拌してエマルジ
ョンとなすのは前記と同じであるが、本発明では、第二
工程として、エマルジョン化したPCB混入オイルを焼
却炉内に噴射して焼却する。
【0036】エマルジョン化したPCB混入オイルは噴
射できる程度に流動性を高め、「請求項2」と同様に焼
却炉内で焼却する。したがって、この焼却では水は存在
するが水酸化物は接触できる部位に存在しないことがあ
る。
【0037】そこで本発明は、第三工程として、上記焼
却炉内または該燃焼炉の下流側に連通した煙道内に水酸
化物の水溶液を噴霧するようになしている。焼却炉内と
してはPCB混入オイルを噴射するノズルに近接して水
酸化物の水溶液を噴霧するノズルを設ける方法と、二流
体ノズルを使用してPCB混入オイルと水酸化物の水溶
液とを混合して噴射する方法と、水酸化物の水溶液を噴
射するノズルをPCB混入オイルの燃焼部位に向けて設
ける方法等がある。
【0038】また、燃焼炉の下流側に連通した煙道内に
水酸化物の水溶液を噴霧する場合は排気温度が400℃
以下に低下しない前に気液接触を行なうものとする。し
たがって、焼却炉内部で燃焼が終了した部位であって
も、煙道と実質的に変わりはない。
【0039】この「請求項3」のPCB混入オイルの燃
焼後に水酸化物の水溶液を噴霧する方法は、燃焼温度を
下げてしまうおそれがあり、また、燃焼排気と水酸化物
の水溶液との気液接触頻度を効率的に確保することが困
難であるので「請求項2」の発明に比べて効率的ではな
いと言える。しかし、PCB混入オイルの粘度が予め低
いものを処理する場合は加水量を増やす前に焼却できて
有利であり、さらには、水資源が豊富に得られる場合は
水酸化物の水溶液を大量に噴霧することで、排気を急冷
してダイオキシンの発生を抑止することも可能で、ある
程度余分にの水資源を利用しても、排気の粉塵を固液接
触で捕集する後処理を兼ねることができるので、実際に
は利用価値を有するものである。
【0040】次ぎに、「請求項4」の発明は、「請求項
2」の発明諸条件を限定して、核ずつ、安全な処理を行
なうものである。すなわち、第一工程は、PCB混入オ
イルに容積比50〜80%の水と、適宜量の界面活性剤
とを混入した後、攪拌してエマルジョンとなす。
【0041】界面活性剤を混入してPCB混入オイルに
水を均一に混ぜるには、一度に大量の水を混入すると均
一な混合が難しく、PCB混入オイルに容積比50〜8
0%の水を混入するのがもっとも均一なエマルジョンが
容易・確実に得られるものであった。
【0042】そして、本発明は、第二工程として、エマ
ルジョン化したPCB混入オイルと、このエマルジョン
に対して容積比50〜200%の水酸化物の飽和水溶液
とを混合し、焼却炉内に噴射して800℃以上で焼却す
る。
【0043】水酸化物の飽和水溶液の混合量と、焼却温
度とを上記のように限定したのは前記した通りである。
なお、800℃以上(実際には1000℃以上)の燃焼
温度は水酸化物の飽和水溶液を混合したPCB混入オイ
ルを補助燃料なしで焼却することで継続して得られるも
のであったが、ここでの燃焼温度は高いほど炭化水素が
残存しなくて望ましく、実際には補助燃料を使用して1
500℃の燃焼雰囲気を確保することが望ましいもので
あった。
【0044】なお、「請求項2」乃至「請求項4」の発
明では、PCB混入オイルの焼却後、排気は後処理で粉
塵除去をおこない、焼却残渣は埋立処理する等従来公知
な後処理を行なうものである。
【0045】
【発明の効果】本発明は上記のごときであるので、現在
自然界に流出しないよう厳格な保存管理が行なわれてい
るPCB混入オイルを、無害化乃至焼却処分できるPC
B混入オイルの処理方法を提供できるものである。
【0046】特に、「請求項2」乃至「請求項4」の発
明は、従来公知通常の焼却炉で、焼却当初のみ着火用に
補助燃料を使用するも、その後はPCB混入オイル自ら
燃焼させて焼却でき、極めて安価に焼却処分でき、さら
には、ダイオキシンの自然界放出も防ぐことのできるP
CB混入オイルの処理方法を提供できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 久喜 東京都練馬区練馬2丁目18番12−302号 有限会社田中科学内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一工程として、PCB混入オイルに水
    と界面活性剤とを混入した後攪拌してエマルジョンとな
    し、 第二工程として、エマルジョン化したPCB混入オイル
    に水酸化物を混合した後、加熱してPCBに含まれる塩
    素と水酸化物の塩基とを中和反応するようになしたPC
    B混入オイルの処理方法。
  2. 【請求項2】 第一工程として、PCB混入オイルに水
    と界面活性剤とを混入した後攪拌してエマルジョンとな
    し、 第二工程として、エマルジョン化したPCB混入オイル
    に水酸化物水溶液を混合した後、焼却炉内に噴射して焼
    却するようになしたPCB混入オイルの処理方法。
  3. 【請求項3】 第一工程として、PCB混入オイルに水
    と界面活性剤とを混入した後攪拌してエマルジョンとな
    し、 第二工程として、エマルジョン化したPCB混入オイル
    を焼却炉内に噴射して焼却し、 第三工程として、上記焼却炉内または該燃焼炉の下流側
    に連通した煙道内に水酸化物の水溶液を噴霧するように
    なしたPCB混入オイルの処理方法。
  4. 【請求項4】第一工程として、PCB混入オイルに容積
    比50〜80%の水と、適宜量の界面活性剤とを混入し
    た後、攪拌してエマルジョンとなし、 第二工程として、エマルジョン化したPCB混入オイル
    と、このエマルジョンに対して容積比50〜200%の
    水酸化物の飽和水溶液とを混合し、焼却炉内に噴射して
    800℃以上で焼却するようになしたPCB混入オイル
    の処理方法。
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