JP5006467B1 - ダイオキシン類焼却処理装置および方法 - Google Patents

ダイオキシン類焼却処理装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境に安全にしかも大量にダイオキシン類の処理を行うことができるようにしたダイオキシン類焼却処理装置および方法を提供する。
【解決手段】主燃焼炉300に設けられ、内部に予加熱部材を収容する焼却バーナ30に助燃料を噴射することにより予加熱部材を700℃〜900℃に予加熱するとともに、ダイオキシン類に、水、乳化剤、主燃料油を混合して、水を85重量%以上含有させた加水エマルジョン燃料を作成し、この作成した加水エマルジョン燃料を、助燃料の噴射によりに700℃〜900℃に予加熱された予加熱部材に対して噴射して、加水エマルジョン燃料が予加熱部材に触れることにより助燃バーナ内で水蒸気爆発を発生させるとともに大量の加熱水蒸気を発生させ、該水蒸気爆発のエネルギーと大量の加熱水蒸気をダイオキシン類に作用させることにより、該ダイオキシン類を主燃焼炉300内で分解焼却する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイオキシン類を焼却処理するダイオキシン類焼却処理装置および方法に関し、特に、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環を有効に破壊してダイオキシン類をクリーン燃焼させることにより、環境に安全にしかも大量にダイオキシン類の焼却処理を行うことができるようにしたダイオキシン類焼却処理装置および方法に関する。
一般に、ダイオキシン類とは、複数のベンゼン環結合に塩素が結合した化合物を総称するもので、このダイオキシン類としては数百種類の異性体があり、そのものが持つ毒性はそれぞれに異なる。
ダイオキシン類に含まれるPCB(polychlorinated biphenylまたはpolychlorobiphenyl)は化学合成により製法され工業的に多く使用されてきた。また、ダイオキシンは通常物を燃焼・焼却させると生成され、焼却排ガスや排ガスを清浄化した後の廃液に含まれる。
PCBおよびダイオキシンは、両物質共処理廃棄方法に難しさがあり、処理後の廃液や排ガスの残留成分も法律・条令により厳しく制限されている。
また、PCBと呼ばれるグループは、その熱的安定性を利用して食品等の熱処理用熱媒体として利用され、電力会社や鉄道会社の発電所・変電所のトランスやコンデンサー,柱上トランスの絶縁油として、また、印刷用インクの安定剤やノンカーボンインクに、そのまま或いは配合して使用されてきた。
しかし、PCBは、その耐用年数が終えたものは処分しなければならないが、化学的な安定性が非常に高いが故に廃棄物としての処理が難しく、未だに大量のPCBが未処分のまま保管されており、また、PCBの保管には、国や自治体への届出が必要であり、法律により特別に厳重な管理が要求されている。
現在、PCBの使用は禁止され、廃棄・分解処理を行うようになったが、PCBは、上述のように化学的に非常に安定しているので、分解処理が難しく、また、その持つ毒性の為、移動が厳禁され、処理方法にも特別な手段が要求されている。
廃棄物としてのPCB或いはPCB汚染物として以下の3種類がある。
1)高濃度PCB:PCBそのもの若しくは電気絶縁油にPCBを高濃度で混ぜた物
2)低濃度PCB汚染液:PCBによる汚染物を洗浄した洗浄液など
3)PCB汚染廃棄物:PCB汚染物などを洗浄・清掃作業中に液を吹き上げたウエスなどの清掃作業用消耗材料等の低濃度で汚染した廃棄物や、高濃度PCBを封じ込めていたトランスやコンデンサー容器、電線等
さて、PCB廃棄物処理手法は国により、財団法人産業廃棄物処理促進事業団の処理方法の評価・認定事業とされており、処理手法は認定される必要があり、認定された処理方法により認可された特殊法人である日本環境安全事業(株)により日本全国5カ所の事業所で独占的に厳しく管理・廃棄処理されている。
認可された処理方法は焼却手法,化学的手法,電気化学的手法であり、
1)焼却法(1,100℃以上で、2秒以上焼却)
2)脱塩素分解法
3)水熱酸化分解法
4)還元熱化学分解法
5)光分解法
6)プラズマ分解法
7)還元熱化学分解法
がある。
上記1)の焼却法は大量処理に向いているが、焼却の条件として1,100℃以上の温度で、2秒間以上滞留・燃焼させる必要がある。この焼却法は全ての廃棄物を対象とすることが出来る万能の処理手法であるが、最近は焼却後の排ガスを徐冷させると遊離した塩素がすす等の炭素分と再結合して、ダイオキシンが発生することが確認されており、そのために、上記焼却条件に加えて排ガスを300℃以下まで急冷することが求められている。
上記2)から7)までの方法はバッチ処理で、高濃度PCBを意図した手法であり処理量も小さく、また、低濃度PCB汚染液、PCB汚染廃棄物の処理には特別な前処理が必要であり、実質的な処理には問題が多く処理は殆ど進んでいない。逆にトランスやコンデンサーの処理が進めば、これらの廃棄物は増えてくることになる。
更に、上記2)から7)の処理手法には非常に多くのエネルギーが必要であるという問題があり、負の遺産であるPCBの処理に多くのエネルギーと時間を費やすのは得策ではない。
現在PCB廃棄物は、上記のように移動禁止で厳重に保管されているが、分解・廃棄処理は中々進まず保管者は、早く安全に処分したいとの希望を持っている。しかし、上記2)から7)の処理手法によると、全てがバッチ処理で少量しか処理・処分できず、また、エネルギーを大量に使用しなければならず、処理コストが高額であり、設備規模も大きく処理設備の建設コストも高額であった。しかも負の遺産であるため、処分を終えると不要な設備となり、その撤去費用も高額になった。
PCBを大量に処理するには上述したように焼却処理が有効であるが、この種の従来技術としては、特許文献1または特許文献2に記載されたものがある。
特開2004−170000号公報 特開平11−241816号公報
しかし、上記従来の焼却法は、焼却温度が高温であり、高温(1,100℃以上)での処理が要求されるが、通常の焼却炉での焼却温度は500℃〜800℃程度であるので、焼却温度を高温にすると焼却助燃剤である重油等のエネルギーも多く必要になり、焼却炉内壁の損傷も激しくなりメンテナンスコストも馬鹿にならない。
更に、最近は上述したように焼却後の排ガスを徐冷させると遊離した塩素がすす等の炭素分と再結合して、ダイオキシンの発生が確認されており、上記焼却条件に加えて排ガスを300℃以下まで急冷することが求められており、冷却設備も更にエネルギーが必要となっている。従来、焼却、燃焼によるダイオキシンの発生は、燃焼ガス中に存在するベンゼン環に塩素が結合して生成すると報告されていたが、最近は排ガス中に遊離している炭素に塩素が結合して生成すると考えられており、その生成プロセスは解明されていない。 すなわち、従来の焼却法では
1)1,100℃以上で、2秒以上の焼却には、エネルギーを大量に消費しなければならず、焼却炉内での燃焼ガスの滞留時間を保持する為に大きな設備を準備しなければならない
2)焼却後の排ガスも短時間で大凡300℃以下に急冷させないと遊離した塩素が焼却すすとして存在する炭素と再結合して、PCBより毒性の強いダイオキシンを生成する
3)排ガスを急冷させるために必要なエネルギーも莫大である
4)排ガスには少なからずダイオキシンが含まれており、すすを漉して排ガスを排出しなければならない為、フィルターが必要でありフィルターの清掃というメンテナンスは危険な作業である
5)急冷設備にはすすが溜まり、冷却能力が時間と共に低下するので、清掃作業が必要であり、ダイオキシンを含んだ清掃は危険である
等の問題がある。
また、一般的な廃棄物焼却炉や焼却プラントでも、ダイオキシンの発生は続いており、焼却物の量に比例してダイオキシンは生成され続けている。ダイオキシンの飛散を防止するためには、焼却炉に、触媒を担持させたダストフィルタを設置したり、すすや発生した塩酸(塩化水素ガス)等を捕捉させるためのスクラバーを使用して排ガス浄化を行なっている。
スクラバーでは水にダストと塩酸(塩化水素ガス)を吸着させて、更にアルカリを使用して中和しているが、ダイオキシンはスクラバーにも捕捉され、スクラバー廃水はダイオキシンに汚染された低濃度汚染液となる。言い換えれば通常の廃棄物焼却炉はダイオキシン汚染物を製造しているとも言える。
最近は大手プラントメーカーにより、更に高温で廃棄物を焼却しダイオキシンの発生を抑制した高温焼却炉等も開発されているが、ダイオキシンよりも更に毒性の強いと言われるピレン化合物の生成も確認されており、ダイオキシンの生成を抑制することは急務である。従来、実用化されたダイオキシン類の処理設備は、高濃度PCB、低濃度PCB汚染液、PCB汚染廃棄物の処理設備は、それぞれ別の設備からなり、これら3種類を同じ設備、或いは同時に処理できる設備は実用化されていなかった。
従来の焼却処理方法で、PCB汚染物を焼却する場合は、1,500℃或いは1,700℃以上の高温で焼却しており、この場合、焼却炉を構成する素材として特殊な素材を使用しなければならず、炉の傷みも早く炉の補修が欠かせないという問題も抱えていた。
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、前述した3種類のダイオキシン廃棄物を一つの設備で、環境に安全にしかも大量に処理を行うことができるようにしたダイオキシン類焼却処理装置および方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のダイオキシン類焼却処理装置は、主燃焼炉に設けられ、内部の空間に予加熱部材を収容する焼却バーナと、前記予加熱部材を予加熱する助燃料を前記焼却バーナ内に噴射する助燃料系と、ダイオキシン類に、水、乳化剤、主燃料油である重油を混合して、水を85重量%以上含有させた加水エマルジョン燃料を作成する加水エマルジョン燃料作成部と、前記加水エマルジョン燃料作成部で作成された前記加水エマルジョン燃料を前記焼却バーナ内の前記予加熱部材に対して噴射する混合燃料系とを具備し、前記加水エマルジョン燃料作成部は、前記ダイオキシン類に、乳化剤、主燃料油である重油、85重量%以上の水を加えて予備攪拌用ミキサで攪拌混合して貯留する予備混合タンクと、前記予備混合タンクで予備混合された予備混合燃料を攪拌してエマルジョン化する混合燃料用ミキサと、前記混合燃料用ミキサでエマルジョン化された混合燃料を前記加水エマルジョン燃料として貯留する混合燃料貯留タンクとを具備し、前記助燃料系は、前記助燃料の噴射により前記予加熱部材を700℃〜900℃に予加熱し、前記混合燃料系は、前記予加熱部材が700℃〜900℃に予加熱された状態で、前記加水エマルジョン燃料を前記焼却バーナ内の前記予加熱部材に対して噴射し、前記加水エマルジョン燃料が前記予加熱部材に触れることにより前記助燃バーナ内で水蒸気爆発を発生させるとともに大量の加熱水蒸気を発生させ、該水蒸気爆発のエネルギーと前記大量の加熱水蒸気を前記ダイオキシン類に作用させることにより、該ダイオキシン類を前記主燃焼炉内で分解焼却することを特徴とする。
ここで、前記加水エマルジョン燃料作成部は、前記ダイオキシン類に、水、乳化剤、主燃料油を予備混合する予備混合タンクと、前記予備混合タンクで予備混合された前記加水エマルジョン燃料を貯留する混合燃料貯留タンクとを具備し、前記混合燃料系は、前記混合燃料貯留タンクに貯留された前記加水エマルジョン燃料を前記焼却バーナ内に噴射する加水エマルジョン燃料噴射手段を具備して構成することができる。
また、前記予加熱部材は、前記焼却バーナ内の前記主燃焼炉への燃焼ガス通路に配設された少なくとも2重の耐熱性のグリッドからなり、該グリッドが前記助燃料系から噴射される助燃料の燃焼により700℃〜900℃に予加熱され、前記混合燃料系は、前記グリッドが700℃〜900℃に予加熱された状態で、前記加水エマルジョン燃料を該グリッドに噴射するように構成することができる。
また、前記主燃焼炉内に、粉砕された乾燥汚染固形物を投入する固形物投入装置をさらに具備し、前記主燃焼炉は、ロータリーキルン炉から構成され、前記乾燥汚染固形物は、前記ダイオキシン類とともに前記ロータリーキルン炉内で分解焼却されるように構成することができる。
また、前記主燃焼炉の後段に設けられ、助燃バーナが設けられた補助燃焼炉をさらに具備するように構成することができる。
また、前記補助燃焼炉の後段に設けられ、前記補助燃焼炉から排出される廃熱を利用する廃熱利用装置をさらに具備するように構成することができる。
また、本発明のダイオキシン類焼却処理方法は、主燃焼炉に設けられ、内部の空間に予加熱部材を収容する焼却バーナに助燃料を噴射することにより前記予加熱部材を700℃〜900℃に予加熱する工程と、ダイオキシン類に、乳化剤、主燃料油である重油、85重量%以上の水を加えて予備攪拌用ミキサで攪拌混合して予備混合タンクに貯留する工程と、前記予備混合タンクで予備混合された予備混合燃料を混合燃料用ミキサで攪拌してエマルジョン化する工程と、前記混合燃料用ミキサでエマルジョン化された混合燃料量を加水エマルジョン燃料として混合燃料貯留タンクに貯留する工程と、前記助燃料の噴射によりに700℃〜900℃に予加熱された前記予加熱部材に対して前記加水エマルジョン燃料を噴射する工程とを具備し、前記加水エマルジョン燃料が前記予加熱部材に触れることにより前記助燃バーナ内で水蒸気爆発を発生させるとともに大量の加熱水蒸気を発生させ、該水蒸気爆発のエネルギーと前記大量の加熱水蒸気を前記ダイオキシン類に作用させることにより、該ダイオキシン類を前記主燃焼炉内で分解焼却することを特徴とする。
ここで、前記予加熱部材は、前記焼却バーナ内の前記主燃焼炉への燃焼ガス通路に配設された少なくとも2重の耐熱性のグリッドからなり、該グリッドが前記助燃料油の燃焼により700℃〜900℃に予加熱され、この状態で前記加水エマルジョン燃料を該グリッドに噴射するように構成することができる。
また、前記主燃焼炉は、ロータリーキルン炉から構成され、前記加水エマルジョン燃料に含まれる前記ダイオキシン類の分解焼却過程で、前記ロータリーキルン炉内に粉砕された乾燥汚染固形物を投入し、前記乾燥汚染固形物を前記加水エマルジョン燃料に含まれる前記ダイオキシン類とともに前記ロータリーキルン炉内で分解焼却するように構成することができる。
本発明は、主燃焼炉に設けられ、内部に予加熱部材を収容する焼却バーナに助燃料を噴射することにより予加熱部材を700℃〜900℃に予加熱するとともに、ダイオキシン類に、水、乳化剤、主燃料油である重油を混合して、水を85重量%以上含有させた加水エマルジョン燃料を作成し、この作成した加水エマルジョン燃料を、助燃料の噴射により700℃〜900℃に予加熱された予加熱部材に対して噴射して、加水エマルジョン燃料が予加熱部材に触れることにより前記助燃バーナ内で水蒸気爆発を発生させるとともに大量の加熱水蒸気を発生させ、該水蒸気爆発のエネルギーと前記大量の加熱水蒸気を前記ダイオキシン類に作用させることにより、該ダイオキシン類を主燃焼炉内で分解焼却するように構成したので、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環を有効に破壊してダイオキシン類をクリーン燃焼させ、また、遊離した炭素分を完全燃焼させることができ、これにより、環境に安全にしかも大量にダイオキシン類の処理を行うことが可能になる。
図1は、本発明に係るダイオキシン類焼却処理装置の実施例1のシステム構成を示す構成図である。 図2は、図1に示した実施例1の焼却バーナおよび温度センサの配設の一例を示す図である。 図3は、図1に示した実施例1の廃熱利用装置の一例を示す図である。 図4は、本発明に係るダイオキシン類焼却処理装置の実施例2を示す一部構成図である。
以下、本発明を実施するための実施例について、願書に添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るダイオキシン類焼却処理装置の実施例1のシステム構成を示す構成図である。
図1において、このダイオキシン類焼却処理システム10は、混合燃料系100、助燃料系200、焼却バーナ30が設けられた主燃焼炉300、この主燃焼炉300と煙道301を経由して接続され、助燃バーナ40が設けられた補助燃焼炉400、この補助燃焼炉400と煙道401を経由して接続された廃熱利用装置500を具備して構成される。
助燃料系200は、焼却バーナ30内に収納された図示しない予加熱部材を予加熱するもので、助燃料Dが供給される助燃料用タンク201、この助燃料用タンク201の助燃料油を助燃料ライン220を経由して焼却バーナ30に加圧伝送する助燃料圧送ポンプ202、助燃料ライン220を流れる助燃料油の圧力を検出して図示しない制御部に伝送する助燃料圧力検出伝送器203、助燃料ライン220を流れる助燃料油の流量を検出して図示しない制御部に伝送する助燃料流量検出伝送器204を具備する。
ここで、助燃料油DとしてはA重油、C重油、LPG(Liquefied Petroleum Gas)、LNG(Liquefied Natural Gas )等が用いられる。なお、助燃料DとしてC重油を用いる場合は、別途、C重油を加熱する設備と、助燃料圧送ポンプ202を冷却する設備が必要になる。また、ここには図示していないが、SOx除外用設備および塵埃除外設備が必要になる。
混合燃料系100は、このダイオキシン類焼却処理システム10の焼却対象であるダイオキシン類に、水、乳化剤、主燃料油を混合して加水エマルジョン燃料を作成する加水エマルジョン燃料作成部を含み、この加水エマルジョン燃料作成部で作成した加水エマルジョン燃料(以下、混合燃料という)を、助燃料系200により供給された助燃料により予加熱部材が予加熱されている焼却バーナ30に噴射するものである。
なお、加水エマルジョン燃料に含ませる主燃料油としては、A重油、C重油、アルコール、植物性・動物性の廃油等を用いることができる。
この混合燃料系100は、水A、乳化剤B、ダイオキシン類と主燃料油を含む焼却対象物Cが供給され、水A、乳化剤B、焼却対象物Cを、予備攪拌用ミキサ102で予備混合する予備混合タンク101、予備混合タンク101で予備混合された混合燃料を貯留する混合燃料貯留タンク109を具備する。
予備混合タンク101に予備混合された混合燃料は、弁103を経由して取り出され、その一部は、3方向弁104、圧送ポンプ105、混合燃料用ミキサ107、3方向弁108を経由してさらにその一部が予備混合タンク101に戻され、また、混合燃料用ミキサ107を経由した混合燃料の他部は、混合燃料貯留タンク109に貯留される。なお、混合燃料圧力検出伝送器106は、圧送ポンプ105で圧送される混合燃料の圧力を検出して図示しない制御部に伝送するものである。
弁103を経由して予備混合タンク101から取り出された混合燃料および弁110を経由して混合燃料貯留タンク109から取り出された混合燃料は、混合燃料圧送ポンプ112に送られる。混合燃料圧送ポンプ112は、予備混合タンク101からの混合燃料および混合燃料貯留タンク109からの混合燃料を混合燃料ライン120を経由して焼却バーナ30に噴射する。なお、混合燃料圧力検出伝送器113は、混合燃料ライン120を流れる混合燃料の圧力を検出して図示しない制御部に伝送するものであり、混合燃料流量検出伝送器114は、混合燃料ライン120を流れる混合燃料の流量を検出して図示しない制御部に伝送するものである。また、弁111は、予備混合タンク101からの混合燃料および混合燃料貯留タンク109からの混合燃料を取り出すためのものである。
このような構成によると、弁103、104、108、110の制御により、高度に加水エマルジョン化された混合燃料を焼却バーナ30に噴射することができる。ここで、この混合燃料に含まれる水の含水率は、85重量%以上に設定される。
なお、焼却対象物Cに含まれる主燃料油としては、A重油、C重油、含水廃アルコール等を用いることができ、また、焼却対象物Cに含まれるダイオキシン類としては、高濃度PCB、低濃度PCB、ダイオキシン等である。
なお、高濃度COD(化学的酸素要求量)廃水を、混合燃料系100の水Aとして利用することも出来る。
焼却バーナ30は、図2に示すように、内部に予加熱部材であるグリッド31が設けられている。このグリッド31は、耐熱性材料からなり、この例では三重に設けられ、助燃料系200により供給された助燃料により、予め700℃〜900℃程度に予加熱される。
この発明において、焼却バーナ30内に設けられる予加熱部材であるグリッド31は重要である。この予加熱部材であるグリッド31を設けないと、85重量%以上の水を含む加水エマルジョン燃料を燃焼させることはできない。85重量%以上の水を含む加水エマルジョン燃料を単独で燃焼させようとすると、焼却バーナ30内の温度が急激に低下し、燃焼には至らない。
そこで、この発明においては、焼却バーナ30内に予加熱部材であるグリッド31を設け、加水エマルジョン燃料の燃焼に先立って予加熱部材であるグリッド31を700℃〜900℃程度に予加熱する。この700℃〜900℃程度に予加熱された予加熱部材であるグリッド31に、混合燃料ライン120を経由して加水エマルジョン化された混合燃料を噴射する。混合燃料ライン120を経由して噴射された加水エマルジョン化された混合燃料は、700℃〜900℃程度に予加熱された予加熱部材であるグリッド31に触れ、ここで水蒸気爆発を発生し、大量の加熱水蒸気が発生する。この水蒸気爆発のエネルギーおよび大量の加熱水蒸気が焼却対象物Cに含まれるダイオキシン類に作用して、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環が主燃焼炉300内で有効に破壊され、分解燃焼される。
また、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環やその破壊により発生する遊離した炭素も大量の加熱水蒸気の作用により効果的に酸化され、ほぼ完全燃焼される。このために、排ガスの急冷を行わなくても、PCBより毒性の強いダイオキシンが生成されることはなく、これにより、ダイオキシン類の再生を阻止した安全、かつ大量のダイオキシン類廃棄物の焼却処理が可能になる。
ここで、予加熱部材であるグリッド31の予加熱温度が、余熱700℃以下であると、混合燃料系100から噴射される85重量%以上の多量の水を含む混合燃料により、焼却バーナ30の燃焼ガスの温度を下げてしまい、焼却バーナ30での水蒸気爆発を有効に発生することはできず、このため、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環を有効に破壊することはでず、また、ダイオキシン再生に関わっている遊離した炭素の完全燃焼ができない。
また、焼却バーナ30の予加熱が900℃以上であると、必要以上の助燃料を必要にすることになり、得策ではない。
また、混合燃料に含まれる混合燃料に含まれる水が85重量%に満たないと、700℃〜900℃程度に予加熱された予加熱部材であるグリッド31で、ベンゼン環や遊離した炭素を完全燃焼させるために必要な水蒸気を発生することはできないので、これにより、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環を有効に破壊することはできず、また、遊離炭素の完全焼却はできない。
ダイオキシン類の核を成すベンゼン環や遊離した炭素が大量の加熱水蒸気の存在により破壊・燃焼されるメカニズムは、超臨界水の特性に大きなヒントがあるように考えられる。水が亜臨界、超臨界となる処理環境下では、水の誘電率が下がり、油脂のような有機溶媒に近い値となり、有機溶媒を使用しないで油脂類を水のままで溶解することができる。また、イオン積が変化し、酸・アルカリの触媒を加えないで加水分解などが行なえる。有機物との親和度が非常に高くなり、有機物の周辺に蒸気分子が集まり衝突を繰り返し、高温になればなるほど蒸気による衝突エネルギーが大きくなるので分解が容易になる。更に水蒸気爆発のエネルギーにより、ベンゼン環のエタノール分子結合は分解若しくは緩み、遊離した炭素がこれによる水性ガス反応と酸化反応が急激に進み、ベンゼン環が破壊されて、更に、遊離した炭素分子も小さくされ、また、水性ガス反応も生じて、クリーン燃焼・分解が行なわれ、遊離した炭素の燃焼も含むダイオキシン類のクリーン燃焼が可能になると考えられる。
また、従来、すす(遊離炭素の凝集体)や一酸化炭素(CO)として排出されていた未反応の炭素が有効に酸化されて燃焼することによって、主燃焼炉300内に塩素が存在しても、これによりダイオキシン類が再生されることはない。したがって、主燃焼炉300の排ガスの急冷処理は不要となる。
因みに、発明者等が行った実験では、焼却バーナ30内のグリッド31予加熱温度が700℃〜900℃、混合燃料の含水量が85重量%以上の場合、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環と、遊離した炭素のほとんどが焼却されることが確認されている。
なお、図2において、予加熱部材であるグリッド31の近傍に温度センサ32を配設し、主燃焼炉300の焼却バーナ30側に温度センサ33を配設し、主燃焼炉300の中央に温度センサ34を配設し、主燃焼炉300の煙道301側に温度センサ35を配設し、主燃焼炉300の煙道301側に排ガスサンプル口36を設けて以下の実験を行った。
[実験1]
図2の構成で、助燃料ライン220から助燃料のみを供給して燃焼した場合と、助燃料ライン220から助燃料の供給により予加熱部材であるグリッド31を800℃に予加熱した状態で混合燃料ラインから混合燃料Aを供給して燃焼した場合とで、温度センサ35の計測値、排ガスサンプル口36から取り出した排ガスの一酸化炭素濃度(CO濃度(ppm))、二酸化炭素濃度(CO2濃度(%))、酸素濃度(O2濃度(%))を測定して比較した。その結果を表1に示す。
Figure 0005006467
表1から明らかなように、混合燃料Aを供給して燃焼した場合は、助燃料のみを供給して燃焼した場合に比較して、排ガス温度は高くなり、CO濃度は減少するが、CO2濃度は増加し、完全燃焼していることが分かる。また、排ガスサンプル口36から取り出した排ガスには、燃焼が進んでいるため、O2が少なくなっていることが分かる。
これにより、混合燃料Aの燃焼においては、遊離炭素が完全に酸化燃焼して、すす(遊離炭素の凝集体)、すなわち黒煙がほとんど発生しないことが確認されている。
[実験2]
図2の構成で、助燃料ライン220から助燃料のみを供給して燃焼した場合と、助燃料ライン220から助燃料の供給により予加熱部材であるグリッド31を800℃に予加熱した状態で混合燃料ラインから混合燃料A、混合燃料Bを供給して燃焼した場合とで、温度センサ33、温度センサ34、温度センサ35の計測値を調べた。この結果を表2に示す。
Figure 0005006467
表2から明らかなように、助燃料のみを供給して燃焼した場合は、主燃焼炉300内の温度が焼却バーナ30から離れるにしたがって低くなるが、混合燃料を供給して燃焼した場合は、主燃焼炉300内の温度が予加熱部材であるグリッド31の温度よりも高くなり、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環を破壊するに十分な温度に上昇していることが分かる。これは、焼却バーナ30内における水蒸気爆発のエネルギーによるものと考えられる。
[実験3]
図2の構成で、助燃料ライン220から助燃料の供給により予加熱部材であるグリッド31を800℃に予加熱した状態で混合燃料ラインから混合燃料A、混合燃料Bを供給して燃焼した場合の温度センサ33の計測値を変化させて、排ガスサンプル口36から取り出した排ガスに含まれるダイオキシン類の検出量(ng-TEC/Nm3)を調べた。その結果を表3に示す。
Figure 0005006467
表3から明らかなように、いずれの場合もダイオキシン類の検出量は非常に少なく、測定不能であった。特に、温度センサ33の計測値が880℃、830℃というように通常いわれているダイオキシン類の分解温度より大幅に低くてもダイオキシン類の検出量は非常に少なく、測定不能となった。このことは、通常いわれているダイオキシン類の分解温度より大幅に低い800℃程度でも、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環が有効に破壊され、また、遊離炭素も完全に燃焼していることが推察できる。
主燃焼炉300からの排ガス(排煙)は、煙道301を経由して補助燃焼炉400内に導かれる。補助燃焼炉400には、助燃バーナ40が設けられており、補助燃焼炉400内において、主燃焼炉300からの排煙に含まれる残留物の再燃焼が行われる。
補助燃焼炉400からの排煙は、煙道401を経由して廃熱利用装置500に導かれる。
図3は、図1に示した廃熱利用装置500の一例を示したものである。図3には、廃熱を利用した蒸気発電の一例が示されている。
本発明のダイオキシン類焼却処理システム10においては、主燃焼炉300内で、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環がほとんど破壊され、また、遊離炭素も完全燃焼されるので、主燃焼炉300の排ガスの急冷処理は不要となる。このため、補助燃焼炉400を経由して煙道401から導かれる排煙の熱の再利用が可能になる。
図3において、補助燃焼炉400から煙道401を経由して供給された排煙は、まず、防塵用ダストフィルタ501で、排煙に含まれるダストの除去が行われる。防塵用ダストフィルタ501で、ダストの除去が行われた排煙は、廃熱ボイラ502に導かれ、ここで、蒸気発電機503を駆動するための蒸気が発生される。
廃熱ボイラ502から排出された排煙は、残留PCB反応用触媒炉504で、残留PCBの化学的除去が行われる。
残留PCB反応用触媒炉504で、残留PCBの除去が行われると、次に、スクラバー505で、排ガスの洗浄が行われる。この排ガス洗浄により生じた中和済水酸化ナトリウム溶液は中和済水酸化ナトリウム溶液貯蔵回収タンク506に回収され、さらに中和済水酸化ナトリウム溶液貯蔵回収タンク506に回収された中和済水酸化ナトリウム溶液はポンプ507によりスクラバー505に戻され、中和済水酸化ナトリウム溶液の再回収が行われる。
スクラバー505を通過した排ガスは、バグフィルタ508を経由して排気ファン909に導かれ、排気ファン909により煙突910から排出される。
なお、主燃焼炉300内でのダイオキシン類の焼却処理が十分であると、防塵用ダストフィルタ501、残留PCB反応用触媒炉504、スクラバー505等を設けなくても廃熱の利用は可能となる。
また、補助燃焼炉400は、異常時に未焼却ダイオキシン類が排気に含まれた際の、安全の為の補助燃焼を行う炉であり、主燃焼炉300が通常の完全燃焼されている場合には必要が無い物であるが、異常時の安全の為に取り付けられている。
また、上記混合燃料系100、助燃料系200、主燃焼炉300をそれぞれコンテナに収容して、移動可能にすることで、処理プラントとしては大規模な基礎工事は不要となり、地ならし程度の工事で済み、建設コストは全く不要となる。また、これらコンテナをダイオキシン類の焼却処理場所に移動して ダイオキシン類の焼却処理を行い、この場所におけるダイオキシン類の焼却処理が終了すると、別の場所に移動してダイオキシン類の焼却処理を行う運用が可能になり、焼却処理後にその設備を撤去する必要もなくなるので、経済的に有利である。
実施例1では、焼却対象であるダイオキシン類に、水、乳化剤、主燃料を混合して85重量%以上の多量の水を含む混合燃料を作成し、この混合燃料を、助燃料系200により供給された助燃料により予め700℃〜900℃程度に予加熱されている焼却バーナ30に噴射することにより、ダイオキシン類の焼却分解を行ったが、本発明は、上記ダイオキシン類の焼却分解処理に加えて、PCB汚染廃棄物の焼却にも適用可能である。
図4は、本発明に係るダイオキシン類焼却処理装置の実施例2を示すもので、図4においては、図1に示した主燃焼炉300の代わりに、PCB汚染廃棄物の焼却処理が可能な主燃焼炉700を設けて構成される。
すなわち、図4に示す実施例2においては、PCB汚染廃棄物を乾燥汚染固形粉砕部601で粉砕して、乾燥粉砕汚染固形物受入部602で受け入れ、この受け入れた乾燥粉砕汚染固形物をベルトコンベア603、導入部604を経由して、主燃焼炉700内に供給する。ここで、主燃焼炉700は、乾燥粉砕汚染固形物の有効な焼却処理を可能にするために、ロータリーキルン炉から構成されている。
この主燃焼炉700には、図1に示した主燃焼炉300と同様に、助燃料ライン220から助燃料系200からの助燃料が供給され、混合燃料ライン120から混合燃料系100からの混合燃料が供給されるようになっているので、主燃焼炉700内においては、ダイオキシン類の核を成すベンゼン環を有効に破壊することができ、また、遊離炭素を完全に燃焼させることができるので、これを利用して、PCB汚染廃棄物の焼却処理も行うことができる。
すなわち、主燃焼炉700内においては、混合燃料に含まれるダイオキシン類の核を成すベンゼン環が有効に破壊され、遊離炭素が酸化燃焼されるが、この主燃焼炉700内に導入部604を経由して、乾燥粉砕汚染固形物が投入されると、この乾燥粉砕汚染固形物に含まれるPCBの核を成すベンゼン環も同様のメカニズムで破壊・燃焼されることになり、これによりPCB汚染廃棄物も同時にクリーン燃焼することができる。
なお、主燃焼炉700でのPCB汚染廃棄物の焼却により生じる焼却灰は、焼却灰回収部800に回収される。
その他の構成は、図1に示したダイオキシン類焼却処理システム10と同様である。
なお、加水エマルジョン燃料に加えるダイオキシン類が無い場合は、主燃料油だけでもダイオキシン類に汚染された廃棄物を焼却処理出来る。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
10…ダイオキシン類焼却処理システム
30…焼却バーナ
31…グリッド(予加熱部材)
32…温度センサ
33…温度センサ
34…温度センサ
35…温度センサ
36…排ガスサンプル口
40…助燃バーナ
101…予備混合タンク
102…予備攪拌用ミキサ
103…弁
104…3方向弁
105…圧送ポンプ
106…混合燃料圧力検出伝送器
107…混合燃料用ミキサ
108…3方向弁
109…混合燃料貯留タンク
110…弁
111…弁
112…混合燃料圧送ポンプ
113…混合燃料圧力検出伝送器
114…混合燃料流量検出伝送器
120…混合燃料ライン
200…助燃料系
201…助燃料用タンク
202…助燃料圧送ポンプ
203…助燃料圧力検出伝送器
204…助燃料流量検出伝送器
220…助燃料ライン
300…主燃焼炉
301…煙道
400…補助燃焼炉
401…煙道
500…廃熱利用装置
501…防塵用ダストフィルタ
502…廃熱ボイラ
503…蒸気発電機
504…残留PCB反応用触媒炉
505…スクラバー
506…中和済水酸化ナトリウム溶液貯蔵回収タンク
507…ポンプ
508…バグフィルタ
509…排気ファン
601…乾燥汚染固形粉砕部
602…乾燥粉砕汚染固形物受入部
603…ベルトコンベア
604…導入部
700…主燃焼炉
800…焼却灰回収部

Claims (9)

  1. 主燃焼炉に設けられ、内部の空間に予加熱部材を収容する焼却バーナと、
    前記予加熱部材を予加熱する助燃料を前記焼却バーナ内に噴射する助燃料系と、
    ダイオキシン類に、水、乳化剤、主燃料油である重油を混合して、水を85重量%以上含有させた加水エマルジョン燃料を作成する加水エマルジョン燃料作成部と、
    前記加水エマルジョン燃料作成部で作成された前記加水エマルジョン燃料を前記焼却バーナ内の前記予加熱部材に対して噴射する混合燃料系と
    を具備し、
    前記加水エマルジョン燃料作成部は、
    前記ダイオキシン類に、乳化剤、主燃料油である重油、85重量%以上の水を加えて予備攪拌用ミキサで攪拌混合して貯留する予備混合タンクと、
    前記予備混合タンクで予備混合された予備混合燃料を攪拌してエマルジョン化する混合燃料用ミキサと、
    前記混合燃料用ミキサでエマルジョン化された混合燃料を前記加水エマルジョン燃料として貯留する混合燃料貯留タンクと
    を具備し、
    前記助燃料系は、前記助燃料の噴射により前記予加熱部材を700℃〜900℃に予加熱し、
    前記混合燃料系は、前記予加熱部材が700℃〜900℃に予加熱された状態で、前記加水エマルジョン燃料を前記焼却バーナ内の前記予加熱部材に対して噴射し、
    前記加水エマルジョン燃料が前記予加熱部材に触れることにより前記助燃バーナ内で水蒸気爆発を発生させるとともに大量の加熱水蒸気を発生させ、該水蒸気爆発のエネルギーと前記大量の加熱水蒸気を前記ダイオキシン類に作用させることにより、該ダイオキシン類を前記主燃焼炉内で分解焼却することを特徴とするダイオキシン類焼却処理装置。
  2. 前記予加熱部材は、前記焼却バーナ内の前記主燃焼炉への燃焼ガス通路に配設された少なくとも2重の耐熱性のグリッドからなり、該グリッドが前記助燃料系から噴射される助燃料の燃焼により700℃〜900℃に予加熱され、
    前記混合燃料系は、前記グリッドが700℃〜900℃に予加熱された状態で、前記加水エマルジョン燃料を該グリッドに噴射することを特徴とする請求項1に記載のダイオキシン類焼却処理装置。
  3. 前記主燃焼炉内に、粉砕された乾燥汚染固形物を投入する固形物投入装置をさらに具備し、
    前記主燃焼炉は、ロータリーキルン炉から構成され、
    前記乾燥汚染固形物は、前記ダイオキシン類とともに前記ロータリーキルン炉内で分解焼却されることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイオキシン類焼却処理装置。
  4. 前記主燃焼炉の後段に設けられ、助燃バーナが設けられた補助燃焼炉
    をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のダイオキシン類焼却処理装置。
  5. 前記補助燃焼炉の後段に設けられ、前記補助燃焼炉から排出される廃熱を利用する廃熱利用装置
    をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のダイオキシン類焼却処理装置。
  6. 前記助燃料系および前記加水エマルジョン燃料作成部および前記混合燃料系を収納する第1のコンテナと、
    前記主燃焼炉を収納する第2のコンテナと
    を具備し、
    前記第1のコンテナおよび前記第2のコンテナは、移動可能に構成される請求項1乃至5のいずれかに記載のダイオキシン類焼却処理装置。
  7. 主燃焼炉に設けられ、内部の空間に予加熱部材を収容する焼却バーナに助燃料を噴射することにより前記予加熱部材を700℃〜900℃に予加熱する工程と、
    ダイオキシン類に、乳化剤、主燃料油である重油、85重量%以上の水を加えて予備攪拌用ミキサで攪拌混合して予備混合タンクに貯留する工程と、
    前記予備混合タンクで予備混合された予備混合燃料を混合燃料用ミキサで攪拌してエマルジョン化する工程と、
    前記混合燃料用ミキサでエマルジョン化された混合燃料量を加水エマルジョン燃料として混合燃料貯留タンクに貯留する工程と、
    前記助燃料の噴射によりに700℃〜900℃に予加熱された前記予加熱部材に対して前記混合燃料貯留タンクに貯留された前記加水エマルジョン燃料を噴射する工程と
    を具備し、前記加水エマルジョン燃料が前記予加熱部材に触れることにより前記助燃バーナ内で水蒸気爆発を発生させるとともに大量の加熱水蒸気を発生させ、該水蒸気爆発のエネルギーと前記大量の加熱水蒸気を前記ダイオキシン類に作用させることにより、該ダイオキシン類を前記主燃焼炉内で分解焼却することを特徴とするダイオキシン類焼却方法。
  8. 前記予加熱部材は、前記焼却バーナ内の前記主燃焼炉への燃焼ガス通路に配設された少なくとも2重の耐熱性のグリッドからなり、該グリッドが前記助燃料油の燃焼により700℃〜900℃に予加熱され、この状態で前記加水エマルジョン燃料を該グリッドに噴射することを特徴とする請求項7に記載のダイオキシン類焼却処理方法。
  9. 前記主燃焼炉は、ロータリーキルン炉から構成され、
    前記加水エマルジョン燃料に含まれる前記ダイオキシン類の分解焼却過程で、前記ロータリーキルン炉内に粉砕された乾燥汚染固形物を投入し、
    前記乾燥汚染固形物を前記加水エマルジョン燃料に含まれる前記ダイオキシン類とともに前記ロータリーキルン炉内で分解焼却することを特徴とする請求項7または8に記載のダイオキシン類焼却処理方法。
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