JPH09224868A - 抗菌化粧紙及びその製造方法 - Google Patents

抗菌化粧紙及びその製造方法

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JPH09224868A
JPH09224868A JP8035040A JP3504096A JPH09224868A JP H09224868 A JPH09224868 A JP H09224868A JP 8035040 A JP8035040 A JP 8035040A JP 3504096 A JP3504096 A JP 3504096A JP H09224868 A JPH09224868 A JP H09224868A
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JP8035040A
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Yasuhiko Ogi
康彦 荻
Yuji Suda
雄治 須田
Makiko Yamada
麻紀子 山田
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Daifuku Seishi Kk
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Daifuku Seishi Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用時に紙中・紙の表面に有害となる微生物が
なく、微生物による皮膚障害がきわめて少なく、皮脂の
吸収に応じて透明性が鋭敏に発現する特性に優れた抗菌
化粧紙を提供する。 【解決手段】マニラ麻(叩解度SR30゜)50部、パ
ルプ(叩解度SR25゜)50部、を使用し、ビータに
て所定の叩解度に調成し、更に、ゼオライト系抗菌剤を
0.5重量部並びにマイクロタルクを20.0重量部を
混合して均一分散した。そして、その後定着剤を用い
て、抗菌剤を繊維への定着させ、その後、丸網抄紙機に
て坪量20g/m2の紙を抄造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、抗菌化粧紙及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】人間の顔面、特に鼻、頬、顎、眉毛間等
は皮脂の分布が盛んで脂っぽくなり易く、従って、その
部分では化粧崩れを起こし易い。一般に皮脂が浮いたま
ま化粧をすると、皮膚に化粧料が馴染まないため、顔面
の脂分を化粧用脂取り紙にて取り除いてから化粧し、効
果を上げている。これは化粧直しの場合も同様である。
従来の化粧用脂取り紙は古くから箔打紙が使われてお
り、名塩紙が有名である。この紙は、西宮市名塩産で、
三椏、楮、雁皮に特殊な泥、例えば、金箔打ちには東久
保土と呼ぶ白色のもの、銀箔打ちには蛇豆土という茶褐
色のものを混入して漉いた紙である。
【0003】又、箔打紙は箔打ちを15回ほど使用する
と、箔を打ち延ばす働きがなくなり、これを女性の脂取
り化粧紙として用いられている。名塩紙は箔打ち後、密
度が0.94Kg/cm3と非常に高くなり、これを脂取り化
粧紙として用いると、顔面の脂肪分がのぞかれ、風呂に
浴したようになるので、またの名を風呂屋紙として早く
から用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で使用され
ている、化粧用脂取り紙は手漉きのため量産するには限
界があり、最近では靱皮繊維に特殊な無機質填料、例え
ば、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化
チタン等を混合させた後、特殊な定着剤を投入した後、
抄紙し、更に化粧紙として使用後の透明性を上げるた
め、名塩紙のような高密度に近くなるようにキャレンダ
ー等により処理を行い、量産使用されている。 しか
し、従来の技術及び最近の技術で使用されている、化粧
紙はほとんど抗菌効果が無く、万が一有害な微生物(細
菌、バクテリア等を含む)が紙に付着した場合、抗菌作
用が無いため、化粧紙として使用し肌に直接触れた場
合、皮膚を刺激することが充分に考えられる。
【0005】なお、現状抗菌剤としては、サンダーロン
SN(日本蚕毛株式会社製)、デオグリーン・ニッケルメ
ッキ繊維・銅メッキ繊維(旭化成工業株式会社製)、ポ
リオレフィン系繊維(チッソ株式会社製)、ディスポ
(株式会社クラレ製)等、各種あるが、そのほとんどが
繊維状のため、紙中に入ると、使用後の皮脂の取れが悪
く透明性が悪くなる。さらには、繊維状のため肌に当て
るとザラツキ感があり、化粧用脂取り紙としては好まし
くない。
【0006】また、そのほとんどの繊維は、カドミウ
ム、鉛、重金属、フェノール、ホルムアルデヒド等の、
含有しておれば食品衛生法第20号では不合格となる成
分の何等かを含有しており、これによる皮膚障害の懸念
があり、現状抗菌タイプの化粧紙は実用上使われていな
い。
【0007】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、抗菌填料が添加してあり、
使用時に紙中・紙の表面に有害となる微生物がなく、微
生物による皮膚障害がきわめて少なく、皮脂の吸収に応
じて透明性が鋭敏に発現する特性に優れるとともに、真
の皮脂の吸収性に優れ、使用後、その透明性から満足が
得られる抗菌化粧紙及びその製造方法を提供することに
ある。
【0008】又、他の目的は貴重で有用な資源の消費が
節減された抗菌化粧紙及びその製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この請求項1の発明においては、植物繊維を主成
分とする原料100重量部に、抗菌填料0.2〜10重
量部及び無機質填料0.5〜40重量部を配合してなる
紙料を調製調整し、抄紙したことを特徴とする抗菌化粧
紙をその要旨としている。
【0010】請求項2の発明は、請求項1において、金
粉が上記紙料に対して重量部0.001〜3部配合さ
れ、抄紙形成されたことをその要旨としている。請求項
3の発明は、請求項1又は請求項2において、抗菌填料
が表面側に偏在することをその要旨としている。
【0011】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のうちいずれかに記載の請求項において、金粉が表面側
に偏在することをその要旨としている。すなわち、古来
の箔打ち紙の意匠性を伴うため、抄紙時、原紙の表面の
み金粉を抄込みしたことを特徴としている。
【0012】その後、箔打ち工程で10〜20回打ち込
むことにより、紙の密度が向上し、抗菌化粧紙として使
用すると、皮脂が良く取れ、またその透明感は満足した
ものとなる。
【0013】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のうちいずれかに記載の請求項において、植物繊維はマ
ニラ麻、亜麻、黄麻、サイザル麻、ケナフ、雁皮、楮、
バナナ繊維、あるいは三椏からなる靱皮繊維もまたは木
材パルプから選ばれた少なくとも一種を50重量%以上
を含むことをその要旨としている。
【0014】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
のうちいずれかに記載の請求項において、抗菌填料は主
成分がゼオライトで、亜鉛、銀、銅等の抗菌作用を有す
る各種金属イオンのうち少なくとも一種を含有している
ことをその要旨としている。
【0015】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6
のうちいずれかに記載の請求項において、無機質填料
は、クレー、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化
チタンあるいはホワイトカーボンであるこをその要旨と
している。
【0016】請求項8の発明は、植物繊維を主成分とす
る原料100重量部に対し、及び無機質填料0.5〜4
0重量部を配合したスラリー状の第1の紙料を調整し、
植物繊維を主成分とする原料100重量部に対し、抗菌
填料0.2〜10重量部及び無機質填料0.5〜40重
量部を配合したスラリー状の第2の紙料を調整し、前記
両紙料をそれぞれ抄紙した後、層状に積層することを特
徴とする抗菌化粧紙の製造方法をその要旨としている。
【0017】(原料)原料は、マニラ麻、亜麻、黄麻、
サイザル麻、ケナフ、雁皮、楮、バナナ繊維、あるいは
三椏からなる靱皮繊維、又は、木材パルプから選ばれた
少なくとも一種を50重量%以上を用いることが好まし
い。50重量%を下回ると、使用時の脂の取れ方の点で
好ましくない。
【0018】ビーター等の叩解機にて所定の叩解度に調
成し、更に、ゼオライト系抗菌剤を0.2〜10重量部
並びにタルク等の無機質填料を0.5〜40重量部混合
して均一分散する。そして、そのまま抄紙すると、繊維
への填料定着が悪く、排水の問題並びに工程の汚れが発
生するため、その後定着剤ファイレックスRC104及
びファイレックスM(ともに、明星化学株式会社製)等
を用い、繊維への定着性を向上する。その後、丸網抄紙
機、短網抄紙機、長網抄紙機等で坪量15〜30g/m2
紙を抄造する。
【0019】坪量15g/m2以下であると、紙の強度がな
く、使用時に破けを生じやすく、又、30g/m2を越える
と柔軟性がなくなり、又、使用時肌とのなじみが悪く、
違和感があり、さらには、使用時の透明性にも欠けるた
め、30g/m2以下が好ましい。
【0020】なお、抄造時丸網抄紙機を使用する場合、
金粉をシリンダーワイヤー上の湿紙又はフェルト上の湿
紙に直接流し続けることにより、紙の表面に金粉が抄き
込まれた古来から作られている箔打紙と同様な意匠性が
得られる。その後、所定の寸法に裁断した後、箔打ち工
程で数百回〜数千回の処理を行うことにより、紙の密度
が向上して使用時の皮脂の吸収性が高まる。なお、箔打
ち行程の代わりにスーパーキャレンダー等により紙の密
度を向上する方法もある。
【0021】金粉は紙料に対して0.001〜3重量部
が好ましい。0.001重量部未満であると、混合され
ていることが視認できず、3重量部を越えると、使用時
の脂の取れ方が悪くなる。
【0022】又、ゼオライト系の抗菌剤のため、それ自
体も皮脂の吸収性が良く、抗菌繊維使用時のようなザラ
ツキ感もなく使用時の透明性も大幅に向上でき、更に白
線菌等の有害な微生物、細菌も阻止できる抗菌化粧紙と
なる。 (無機質填料)無機質填料は、クレー、タルク、カオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタンあるいはホワイトカー
ボンのなかから選ばれたものが好適である。これらは抗
菌化粧紙の吸油性を高めることができる。クレー、タル
ク、カオリン等は天然填料であり、安価で、耐薬品性、
平滑性を付与することができる。人工填料としては、炭
酸カルシウム、酸化チタンあるいはホワイトカーボンを
挙げることができる。これらの無機填料は、繊維と繊維
との間隙に入り込み、紙に不透明性を付与するととも
に、紙の密度を高めることができ、かつ平滑性も付与す
る。このことにより、化粧紙の皮脂の吸収性が良くなる
とともに紙の柔軟性も付与する。
【0023】無機質填料は、紙の原料100重量部に対
して0.5〜40重量部が好ましい。0.5未満である
と、充分な皮脂の吸収能力を得ることができなくなる。
又、40重量部を越えると、使用時の強度が弱く、破れ
が発生するとともに、抄紙する上でシリンダー網の汚
れ、毛布フェルト汚れが生じ好ましくない。 (抗菌填料)抗菌性を付与するに当たっては、市販の繊
維状抗菌剤では使用時の脂の取れが悪くなり、また直接
皮膚に触れた場合、ザラツキ感があり、使用するには問
題がある。そこで、本発明では、粒子径が0.5μ〜5
μの無機質填料ゼオライトに抗菌作用を有する各種金属
イオンのうち少なくとも一種、例えば、銅イオン、銀イ
オン又は亜鉛イオン等を付与した抗菌填料を原料100
重量部に対して、0.2〜10重量部添加し、更に使用
時の透明度を上げるため、タルク等の無機質填料を0.
5〜40重量部混合したことを特徴としている。なお、
銀イオンと他の抗菌作用を有する各種金属イオンとを含
有することが好ましい。
【0024】抗菌填料を原料100重量部に対して、
0.2重量部未満であると、充分な抗菌性が得られない
点で好ましくなく、10重量部を越えると、強度的な面
より弱くなり、使用時に破れが生ずる点で好ましくな
い。
【0025】本発明で用いられる抗菌填料は銀を他の金
属とイオン状にしてゼオライト等の無機質粒子に付与し
たものであり、貴金属を使い捨て用途に使用するので、
特に資源節減に努めるべきである。 (製造方法)この資源消費の節減の達成手段として、一
方の面に生菌付着を実質的に防止するのに充分な量の抗
菌填料を含有させ、他方の面には実質的に含有しないよ
うな構造とする。化粧紙は通常の出荷では小片に裁断さ
れた数十枚が積み重ねられて冊子状に綴られる。従っ
て、使用直前まで抗菌填料含有面が相対している他の化
粧紙の非含有面に接触することにより抗菌填料の効果は
他の化粧紙の非含有面にも及ぶ。
【0026】抗菌填料を紙の両面ではなく、一面に偏在
させる方法としては、各種の方法が可能である。このた
めの製造方法としては、植物繊維を主成分とする原料1
00重量部に対し、及び無機質填料0.5〜40重量部
を配合したスラリー状の第1の紙料を調整し、植物繊維
を主成分とする原料100重量部に対し、抗菌填料0.
2〜10重量部及び無機質填料0.5〜40重量部を配
合したスラリー状の第2の紙料を調整し、前記両紙料を
それぞれ抄紙した後、層状に積層する方法がある。
【0027】最も安定した分布を有して偏在させるに
は、抗菌填料含有紙と同非含有紙を積層する方法があ
る。積層には接着剤を使用すると、無含有紙層への抗菌
填料の効果が遮断されるので非接着剤で積層するのが好
ましく、例えば、2個の抄き網を備えた抄紙機を使用し
て抄き合わせる方法が適切な方法の一例である。
【0028】湿紙で抄き合わせ、抗菌填料含有湿紙が直
接にヤンキー型ドライヤ一面に接触すると、乾燥に伴う
水分の移動による填料分布の変化があり、非含有面に近
い紙層も若干抗菌性が得られ、しかも市販の包装では数
十枚が積層されて、含有面と非含有面が使用直前まで接
触して両面ともに生菌の増殖が阻害される効果がある。
又、本発明の化粧紙は平らな打面を有する箔打機で多数
回打たれるので固形の抗菌填料はやはり移動が認められ
て同様の抗菌効果が得られる。しかし、やはり抗菌填料
含有層を皮膚との接触層として使用するのがより適当で
ある。
【0029】抗菌填料の偏在を発生させる他の方法とし
ては、填料定着能の大きい植物繊維に定着剤を用いて抗
菌填料を高率に定着させ、これを金粉の場合と同様にシ
リンダーワイヤー(円網)紙の表面に抗菌に直接流しか
けることによって抗菌填料を打ち込む方法がある。この
方法は、円網1個の抄紙機で実施できる。填料定着能の
大きい植物繊維として主原料繊維を高度叩解したものが
適当であるが、異種の植物繊維であっても、又、他の填
料と共凝集させても良く、特に限定はされない。填料定
着能を大きくするにはSR(ショッパー・リグラー叩解
度)で30゜以上、さらに好ましくは50゜の高叩解が
望ましい。又、流しかける場所も抄き網上に限定される
ものではなく、抄き合わせた後でプレスロール以前のフ
ェルト上であっても良い。抗菌填料の担体が流しかけら
れた表面から若干内部に抄き込まれるように、担体とな
る高度叩解、植物繊維の叩解度と、流しかけ条件を調節
することが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例について説明する。 (実施例1)実施例1では、下記の紙料、抗菌剤、無機
填料、及び定着剤を使用し、ビーターにて所定の叩解度
に調成し、更に、ゼオライト系抗菌剤を0.5重量部並
びにマイクロタルクを20.0重量部を混合して均一分
散した。そして、その後定着剤ファイレックスRC10
4及びファイレックスM(ともに、明星化学株式会社
製)を用いて、繊維への定着させ、その後、丸網抄紙機
にて坪量20g/m2の紙を抄造した。
【0031】 (比較例1)比較例1では上記実施例1の紙料、無機填
料、及び定着剤を同じ配合割合で使用し、ゼオライト系
抗菌剤は入れずに、実施例1と同様に抄紙した。
【0032】 上記実施例1と比較例1の紙を用い、ドロップ密着法の
抗菌テストを行った。すなわち、試験片の表面に菌液を
滴下し、カバーグラスで密着させ、25±5℃で保存、
測定は供紙片上の菌液について生菌数を測定した。
【0033】その結果を表1に示す。表1には24時間
後の大腸菌と黄色ブドウ状球菌の菌数が実施例1では比
較例1と比較して良好な抗菌作用を得ていることが示さ
れている。
【0034】(実施例2)図1に示すように少なくとも
2個の円網1,2を備えた抄き合わせ抄紙機3を使用
し、第1円網1で実施例1の配合例の抗菌填料を含有す
るスラリー4から11g/m2に相当する湿紙7を形成して
フェルト5でピックアップさせ、第2円網2で実施例1
の配合例から抗菌填料を除いたスラリー6から湿紙8を
形成させてフェルト5上で第1円網1からの湿紙7を重
ねてピックアップさせて、ヤンキードライヤ(図示しな
い)で乾燥して、重さ22g/m2の抗菌化粧紙を得た。ヤ
ンキードライヤ接触面が抗菌填料配合表面になる。な
お、図1中、9は回転ロールである。又、図示してはい
ないが、図の左方には抄紙した湿紙7をフェルト5とと
もにプレスするプレスロール及び前記ヤンキードライヤ
ーが順に配置されている。製造された抗菌化粧紙はヤン
キードライヤー接触面から反対に水分の移動があるため
と推定されるが、少量の抗菌填料が反対面まで拡散して
いるのが認められた。この化粧紙を裁断後重ねて箔打機
にて処理し、表裏面ともに平滑してから製本した。
【0035】小売り用の包装を行い、2週間後に抗菌テ
ストを実施例1と同様に行ったが、24時間後の判定で
は、実施例1と同様に生菌数は無視できる結果であっ
た。この実施例では、抗菌填料が表面側に偏在している
ため、有用な資源の消費を節減した抗菌化粧紙とするこ
とができる。
【0036】(実施例3)図3に示すように、実施例3
に使用した抄紙機3のプレスロール前に湿紙全幅に流下
できるカーテンコーター10を設置した。実施例3の抄
き合わせとは逆の第1円網1では第1実施例の配合例か
ら抗菌填料を除いたスラリー6から11g/m2に相当する
湿紙8を形成してフェルト5でピックアップさせた。
又、第2円網2では実施例1の配合例の抗菌填料を含有
するスラリー4から11g/m2に相当する湿紙7を形成さ
せて抄き合わせを行い、カーテンコーター10から金粉
の懸濁液を流下させて、湿紙7の抗菌填料含有層面に金
粉を付着させてヤンキードライヤー(図示しない)で乾
燥し、次いで熱カレンダー(図示しない)を用いて処理
して抗菌性を有する重さ22g/m2の抗菌化粧紙を得た。
なお、図3中、11はカーテンコーター10から流下し
た懸濁液を受けるサクションボックスである。
【0037】この化粧紙は抗菌填料配合表面に金粉も表
面側に偏在することになる。この化粧紙を裁断後重ねて
箔打機にて処理し、表裏面ともに平滑してから製本し
た。この実施例では金粉が表面側に偏在しているため、
貴重で有用な資源の消費が節減された抗菌化粧紙とな
る。
【0038】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、この発明から逸脱しない範囲で任意に変
更可能である。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明は、抗菌
填料が添加してあり、使用時に紙中・紙の表面に有害と
なる微生物がなく、微生物による皮膚障害をきわめて少
なくすることができる。又、皮脂の吸収に応じて透明性
が鋭敏に発現する特性に優れるとともに、真の皮脂の吸
収性に優れ、使用後、その透明性から満足が得られる抗
菌化粧紙とすることができる。
【0040】又、金粉、あるいは、抗菌填料を紙の表面
側に偏在しているため、有用な資源の消費を節減した抗
菌化粧紙とすることができる。又、請求項8の製造方法
によれば、上記抗菌填料を紙の表面側に偏在した抗菌化
粧紙を得ることができる。
【0041】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第2実施例の抄紙法の略体説明図。
【図2】 第3実施例の抄紙法の略体説明図。 1…第1円網、2…第2円網、3…抄紙機、4…スラリ
ー(抗菌填料含有)、5…フェルト、6…スラリー(抗
菌填料不含有)、7,8…湿紙、9…回転ロール、10
…カーテンコーター。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物繊維を主成分とする原料100重量部
    に、抗菌填料0.2〜10重量部及び無機質填料0.5
    〜40重量部を配合してなる紙料を調整し、抄紙したこ
    とを特徴とする抗菌化粧紙。
  2. 【請求項2】金粉が上記紙料に対して重量部0.001
    〜3部配合され、抄紙形成されたことを特徴とする請求
    項1に記載の抗菌化粧紙。
  3. 【請求項3】抗菌填料が表面側に偏在することを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の抗菌化粧紙。
  4. 【請求項4】金粉が表面側に偏在することを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の抗菌化粧
    紙。
  5. 【請求項5】植物繊維はマニラ麻、亜麻、黄麻、サイザ
    ル麻、ケナフ、雁皮、楮、バナナ繊維、あるいは三椏か
    らなる靱皮繊維、又は木材パルプから選ばれた少なくと
    も一種を50重量%以上を含むことを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のうちいずれかに記載の抗菌化粧紙。
  6. 【請求項6】抗菌填料は主成分がゼオライトで、亜鉛、
    銀、銅等の抗菌作用を有する各種金属イオンのうち少な
    くとも一種を含有していることを特徴とする請求項1乃
    至請求項5のうちいずれかに記載の抗菌化粧紙。
  7. 【請求項7】無機質填料は、クレー、タルク、カオリ
    ン、炭酸カルシウム、酸化チタンあるいはホワイトカー
    ボンであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のう
    ちいずれかに記載の抗菌化粧紙。
  8. 【請求項8】植物繊維を主成分とする原料100重量部
    に対し、及び無機質填料0.5〜40重量部を配合した
    スラリー状の第1の紙料を調整し、 植物繊維を主成分とする原料100重量部に対し、抗菌
    填料0.2〜10重量部及び無機質填料0.5〜40重
    量部を配合したスラリー状の第2の紙料を調整し、 前記両紙料をそれぞれ抄紙した後、層状に積層すること
    を特徴とする抗菌化粧紙の製造方法。
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