JPH09223965A - クロック発生回路 - Google Patents

クロック発生回路

Info

Publication number
JPH09223965A
JPH09223965A JP8056981A JP5698196A JPH09223965A JP H09223965 A JPH09223965 A JP H09223965A JP 8056981 A JP8056981 A JP 8056981A JP 5698196 A JP5698196 A JP 5698196A JP H09223965 A JPH09223965 A JP H09223965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
voltage
current
power supply
clock
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8056981A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozaburo Kurita
公三郎 栗田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP8056981A priority Critical patent/JPH09223965A/ja
Publication of JPH09223965A publication Critical patent/JPH09223965A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PLL回路からなるクロック発生回路にあっ
ては、VCO(電圧制御発振器)の発振出力からクロッ
ク信号を生成しているため、発振器の発振周波数が電源
ノイズ等によって変動するとクロック信号の位相も変動
してしまい、いわゆるジッタが発生していた。 【解決手段】 制御電圧と基準電圧との差分電圧を電流
に変換する電圧−電流変換回路と該電圧−電流変換回路
の出力電流に対応した電流が流れるようにされた電流源
を有するCMOSインバータからなるリングオシレータ
とにより電圧制御発振器を構成するとともに、上記電圧
−電流変換回路に供給される基準電圧として電源電圧を
分圧する分圧回路の出力をPLL回路の応答時間よりも
大きな時定数を有する時定数回路で平滑した電圧を用い
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路に
おけるクロック形成技術さらにはPLL(フェーズ・ロ
ックド・ループ)回路をクロック発生回路として内蔵し
た半導体集積回路に適用して有効な技術に関し、特に電
源電圧の変動に対して発振周波数変動の少ないクロック
発生回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、論理LSIにおいては、1つのク
ロック信号あるいは位相の異なる複数のクロック信号に
同期してLSI全体を動作させることがある。このよう
な場合外部から供給された基本クロック信号をLSI内
の各部のラッチ回路(フリップフロップ)等に分配する
ことにより、デコードやメモリのリード・ライト、各種
演算等の動作を行なうが、クロック信号の分配元から供
給先までの信号の遅延量が異なったりしていると、各ク
ロック信号の到達タイミングにずれ(クロックスキュ
ー)が発生する。クロックスキューがあると、ラッチ回
路では誤った信号を取り込んだり、論理ゲート回路では
出力に不所望のひげ状パルスが発生して回路が誤動作す
るおそれがある。従って、クロック同期型LSIでは、
クロックスキューの大小が、LSIの性能(動作速度)
を決定する要因となる。
【0003】そのため、近年においては、クロック発生
ないしはクロック分配回路としてPLL回路を用いる技
術が提案されている(例えばIEEE Journal of Solid-St
ateCircuits,Vol.SC-22,No.2(1987)pp255~261"Design o
f PLL-Based Clock Generation Circuits")。PLL回
路を用いればその一方の入力端子に基本となるクロック
信号を入力し、他方の入力端子(参照側)に末端のラッ
チ回路に入力されるクロック信号を戻してやることで、
最終的なクロック信号の位相を基本クロック信号の位相
に一致させることができるため、クロックスキューを低
減することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、PLL回路
からなるクロック発生回路にあっては、回路内部にVC
O(電圧制御発振器)を内蔵しその発振出力からクロッ
ク信号を生成しているため、発振器の発振周波数が電源
ノイズ等によって変動するとクロック信号の位相も変動
してしまい、いわゆるジッタが発生する。特に、発振器
が複数のCMOSインバータをリング状に接続してなる
リングオシレータによって構成されていると、電源ノイ
ズ等により電源電圧が変動する比率と同等もしくはそれ
以上の比率で発振周波数が変動してしまい、ジッタが大
きくなってしまうという問題点があることが明らかにな
った。
【0005】この発明の目的は、電源ノイズ等による電
源電圧の変動に対してジッタの小さなクロック信号を発
生できるようなクロック発生回路を提供することにあ
る。
【0006】この発明の前記ならびにそのほかの目的と
新規な特徴については、本明細書の記述および添附図面
から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を説明すれば、下記のと
おりである。
【0008】すなわち、位相比較器とローパスフィルタ
と電圧制御発振器とからなるPLL回路を用いたクロッ
ク発生回路において、ローパスフィルタから供給される
制御電圧と基準電圧との差分電圧を電流に変換する電圧
−電流変換回路と該電圧−電流変換回路の出力電流に対
応した電流が流れるようにされた電流源を有するCMO
Sインバータからなるリングオシレータとにより電圧制
御発振器を構成するとともに、上記電圧−電流変換回路
に供給される基準電圧として電源電圧のような定電圧を
分圧する分圧回路の出力をPLL回路の応答時間よりも
大きな時定数を有する時定数回路で平滑した電圧を用い
るように構成したものである。
【0009】また、望ましくは上記CMOSインバータ
と電源電圧端子との間にはMOSFETを介在させたカ
スコード段を有し、該MOSFETのゲート端子には、
PLL回路の応答時間よりも大きな時定数を有する第2
の時定数回路で電源電圧を平滑した電圧をバイアス電圧
として印加させるようにする。
【0010】ところで、CMOSインバータからなるリ
ングオシレータにより構成された電圧制御発振器におい
て、電源ノイズによりクロック信号の発振周波数が発生
する原因としては、電源ノイズにより電源電圧が変動し
たときに電圧−電流変換回路の出力電流が変動すること
と、リングオシレータを構成するCMOSインバータの
出力振幅が変動することの2つが考えられる。
【0011】上記した手段によれば、電圧−電流変換回
路に供給される基準電圧として電源電圧とを分圧する分
圧回路の出力をPLL回路の応答時間よりも大きな時定
数を有する時定数回路で平滑した電圧を用いているた
め、電源電圧が変動したときの基準電圧の変動は非常に
緩やかなものとなる。しかも、この基準電圧の変動はP
LL回路の応答速度よりも遅くなるように時定数が設定
されているため、PLL回路の動作としては基準電圧が
変動していないのと同じになり、電源電圧が変動しても
電圧−電流変換回路の出力電流は変動しないようにな
る。
【0012】また、上記した手段によれば、リングオシ
レータを構成するCMOSインバータと電源電圧端子と
の間にMOSFETを介在させたカスコード段を有して
いるため、出力振幅はカスコード出力で決まる。さら
に、該MOSFETのゲート端子には、PLL回路の応
答時間よりも大きな時定数を有する第2の時定数回路で
電源電圧を平滑した電圧をバイアス電圧として印加させ
るように構成したので、カスコード接続の上記MOSF
ETのゲートに供給されるバイアス電圧は電源電圧が変
動してもその変動は非常に緩やかなものとなる。しか
も、このバイアス電圧を発生する時定数回路はPLL回
路の応答速度よりも遅くなるように時定数が設定されて
いるため、PLL回路の動作としてはバイアス電圧が変
動していないのと同じになるのでカスコード出力も変動
していないのと同じになり、電源電圧が変動してもCM
OSインバータの出力振幅は変動しないようになる。
【0013】その結果、電源ノイズ等により電源電圧が
変動しても発振器の発振周波数は変動せず、発生される
クロック信号の位相変動もなくなり、ジッタが低減され
るようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を用いて説明する。図1は本発明に係るPLL回路の
一実施例を示すブロック図である。特に制限されない
が、同図の各ブロックを構成する回路素子は、公知の半
導体集積回路の製造技術によって、単結晶シリコンのよ
うな1個の半導体基板上において形成される。
【0015】この実施例のPLL回路は、外部から入力
される基準クロック信号φ0と帰還クロック信号φfの
位相差を検出する位相比較器1と、検出された位相差に
応じた制御電圧を発生するローパスフィルタ(LPF)
2と、該ローパスフィルタ2からの制御電圧Vcに応じ
た周波数の発振信号を出力する電圧制御発振器(VC
O)3とにより構成されている。上記電圧制御発振器3
より出力された発振信号CKVは、末端に向かって順次
H型に分岐するツリー状に構築された配線やバッファゲ
ート回路からなるクロック分配系4を介してLSI各部
のフリップフロップ回路等へクロック信号CKとして分
配される。
【0016】特に制限されないが、この実施例において
はPLL回路からなるクロック発生回路から出力される
クロック信号CKの周波数は外部から入力される基準ク
ロックφ0の周波数のN倍とされている。そこで、上記
クロック分配系4により分配されるクロック信号の一つ
が、分周回路5により1/Nに分周されて帰還クロック
φfとして上記位相比較器1に供給されるようになって
いる。発生されるクロックCKVと基準クロックφ0の
周波数とが同一の場合には、分周回路は省略することが
できる。
【0017】また、上記電圧制御発振器3は、上記ロー
パスフィルタ2から供給される制御電圧Vcと基準電圧
Vrefとの差分電圧を電流に変換する電圧−電流変換
回路30と、該電圧−電流変換回路30の出力電流Iv
に対応した電流が流れるようにされた電流源を有するリ
ングオシレータ型発振回路40等により構成されてい
る。
【0018】図2には、上記電圧制御発振器3を構成す
る電圧−電流変換回路30の具体的な回路構成例が、ま
た図3にはリングオシレータ型発振回路40の具体的な
回路構成例が示されている。
【0019】図2に示されているように、電圧−電流変
換回路30は、差動回路31と、定電流源I0を有する
電流合成回路32と、基準電圧発生回路としての分圧回
路33と、抵抗Rと容量Cとからなる時定数回路として
の平滑回路34と、カレントミラー回路からなるような
電流出力回路35とにより構成されている。上記分圧回
路33は、この実施例では、電源電圧Vccと接地点と
の間に直列に接続されたPチャネルMOSFET Q3
7とNチャネルMOSFETQ38とからなり、MOS
FET Q37とQ38がそれぞれゲートとドレインが
結合されたいわゆるダイオード接続とされることにより
電源電圧VccをMOSFET Q37,Q38のコン
ダクタンスの比で分割した電圧を発生する。
【0020】なお、分圧回路33は図2に示されている
構成に限定されず、2個の抵抗を直列接続したものであ
ってもよい。平滑回路34は、PLL回路の応答時間よ
りも大きな時定数を有するように抵抗Rおよび容量Cの
値が決定されている。抵抗Rは例えば拡散層により構成
され、容量CはMOSFETのゲート電極と基板間の容
量が用いられる。
【0021】差動回路31は、ソース共通接続された一
対の差動MOSFET Q31,Q32と、これらのM
OSFET Q31,Q32の共通ソースに接続された
定電流源I1と、差動MOSFET Q31とQ32の
ドレインと電源電圧Vccとの間に接続された一対のP
チャネル型の負荷MOSFET Q33,Q34とから
構成されており、MOSFET Q31のゲート端子に
前段のローパスフィルタ2から供給される制御電圧Vc
が入力され、MOSFET Q32のゲート端子に分圧
回路(33)で発生され平滑回路34で平滑された電圧
が基準電圧Vrefとして入力されている。上記負荷M
OSFET Q33,Q34のうちQ34はゲートとド
レインとが結合され、Q33はQ34とにゲート共通接
続されているとともに、Q33のドレインには電流合成
回路32の定電流源I0が接続されている。電流出力回
路35は、ゲートとドレインとが結合されたPチャネル
MOSFET Q35と、該MOSFET Q35にゲ
ート共通接続されたMOSFET Q36とからなり、
カレントミラー回路を構成している。
【0022】上記電圧−電流変換回路30は、前段のロ
ーパスフィルタ2から供給される制御電圧Vcが上記差
動回路31のMOSFET Q32のゲート端子に印加
されている基準電圧Vrefと同一のときにはQ31と
Q32に同一の電流(定電流源I1の2分の1の電流)
が流れ、負荷MOSFET Q33とQ34にもそれぞ
れI1/2の電流が流れる。この状態からMOSFET
Q31のゲートの制御電圧Vcがよりも基準電圧Vr
efよりも高くなると、Q32よりもQ31に大きなド
レイン電流が流れようとする。このとき負荷MOSFE
T Q33とQ34はカレントミラー接続されており、
Q33にはI1/2よりも大きな電流が流れないため、
足りない分の電流はMOSFET Q35から流れ込む
ようになる。その結果、MOSFET Q35には差動
回路31に流れ込む電流ΔIに定電流源I0の電流を加
算したI0+ΔIの電流が流れ、この電流がMOSFE
TQ36によって転写されるため、出力電流Ivが増加
するようになる。
【0023】一方、MOSFET Q31のゲートの制
御電圧Vcがよりも基準電圧Vrefよりも低くなる
と、Q32よりもQ31に小さなドレイン電流が流れよ
うとする。このとき負荷MOSFET Q33とQ34
はカレントミラー接続されているおり、Q33にはI1
/2の大きさの電流が流れようとするため、余った分の
電流はMOSFET Q33から定電流源I0に流れ込
むようになる。その結果、MOSFET Q35には、
定電流源I0の電流より差動回路31から流れ込む電流
ΔIを減算したI0−ΔIの電流が流れ、この電流がM
OSFET Q36によって転写されるため、出力電流
Ivが減少するようになる。
【0024】しかも、上記電圧−電流変換回路30にお
いては、MOSFET Q32のゲートに供給される基
準電圧Vrefとして、電源電圧Vccを分圧する分圧
回路33の出力をPLL回路の応答時間よりも大きな時
定数を有する平滑回路34で平滑した電圧を用いてい
る。そのため、電源電圧Vccが変動したときの基準電
圧Vrefの変動は非常に緩やかなものとなり、PLL
回路の動作としては基準電圧が変動していないのと同じ
になり、電源電圧が変動しても電圧−電流変換回路30
の出力電流Ivは変動しないようになる。
【0025】リングオシレータ型発振回路40は、図3
に示されているように、各々NチャネルMOSFET側
に電流制御用MOSFET Q11〜Q15が接続され
た奇数個のCMOSインバータG1〜G5が縦続接続さ
れてなるリングオシレータ41と、発振信号を波形整形
して出力するバッファゲート42と、各CMOSインバ
ータG1〜G5のPチャネルMOSFETと電源電圧V
ccとの間にカスコード接続されたNチャネルMOSF
ET Q21〜Q25と、電源電圧Vccと上記MOS
FET Q21〜Q25のゲート端子との間に接続され
た抵抗R1およびMOSFET Q21〜Q25のゲー
ト端子と接地点との間に接続された容量C1とからなり
電源電圧Vccを平滑した電圧Vbで上記MOSFET
Q21〜Q25をバイアスするバイアス電圧発生回路
としての平滑回路43と、上記電流制御用MOSFET
Q11〜Q15とカレントミラー回路を構成するよう
に接続されドレイン端子に前記電圧−電流変換回路30
の出力電流Ivが制御電流として入力されることにより
上記定電流用MOSFET Q11〜Q15に上記Iv
と同一の大きさの電流を流すためのMOSFET Q1
0とから構成されている。なお、このリングオシレータ
の出力振幅はカスコード接続されたMOSFET Q2
1〜Q25を有しているため、カスコ−ド出力で決まる
ようになる。平滑回路43は、PLL回路の応答時間よ
りも大きな時定数を有するように抵抗R1および容量C
1の値が決定されている。バッファゲート42はここで
はCMOSインバータを用いている。
【0026】上記リングオシレータ型発振回路40は、
リングオシレータ41を構成する各CMOSインバータ
G1〜G5の出力ノードに存在する寄生容量を充放電す
るのに要する時間で遅延時間つまり発振周波数が決定さ
れる。ここで各寄生容量を充電する電流の大きさはCM
OSインバータG1〜G5のPMOS側に接続されたカ
スコード型MOSFET Q21〜Q25のインピーダ
ンスで決まり一定である。一方、各寄生容量を放電する
電流はCMOSインバータのNMOS側の電流制御用M
OSFET Q11〜Q15に流れる電流で決まり、こ
れらの電流は電圧−電流変換回路30から出力される制
御電流Ivと同一である。従って、電圧−電流変換回路
30から出力される制御電流Ivが変化すると寄生容量
の放電時間が変わり、その結果リングオシレータ全体の
遅延時間すなわち発振周波数が変化する。つまり、この
実施例のリングオシレータ型発振回路40の発振周波数
は電圧−電流変換回路30の出力電流Ivに依存する。
【0027】しかもこの実施例のリングオシレータ型発
振回路40は、平滑回路43がPLL回路の応答時間よ
りも大きな時定数を有するように構成されているため、
カスコード型のMOSFET Q21〜Q25のゲート
に供給されるバイアス電圧Vbは電源電圧Vccが変動
してもその変動は非常に緩やかなものであり、変動して
いないのと同じになるので、カスコード出力も変動して
いないのと同じになる。そのため、電源電圧が変動して
もCMOSインバータG1〜G5の出力振幅は変動せ
ず、リングオシレータ41の発振周波数も変動しないよ
うになる。
【0028】図4には、リングオシレータ型発振回路4
0の第2の実施例が示されている。この実施例のリング
オシレータ型発振回路40は、電源電圧Vccと各CM
OSインバータのPMOS側との間に上記カスコード型
のMOSFET Q21〜Q25と直列にPチャネルM
OSFETからなる電流制御用MOSFET Q31〜
Q35を接続すると共に、これらのMOSFET Q3
1〜Q35とカレントミラー接続されて上記制御電流I
vと同一の電流を流すためのMOSFET Q30と、
前記MOSFET Q10とカレントミラー接続されか
つ上記MOSFET Q30と直列形態に接続されたN
チャネルMOSFET Q40とを備えている。その他
の構成は図3のリングオシレータ型発振回路40と同一
である。
【0029】図3のリングオシレータ型発振回路40に
おいては、各CMOSインバータの寄生容量を放電する
側の電流のみが前段の電圧−電流変換回路30からの制
御電流Ivによって制御されるように構成されているた
め、各CMOSインバータの出力波形は信号の立ち上が
りが一定で立ち下がりのみ変化するというアンバランス
なものである。これに対し、図4のリングオシレータ型
発振回路40においては、MOSFET Q31〜Q3
5によって各CMOSインバータの寄生容量を充電する
側の電流も前段の電圧−電流変換回路30からの制御電
流Ivによって制御されるように構成されている。その
ため、図4の回路では、各CMOSインバータG1〜G
5の出力波形は信号の立ち下がりも立ち上がりも変化す
るようになり、波形の対称性が良好になると共にCMO
Sインバータの段数が同一ならば図3の回路に比べて制
御電流Ivの変化量に対する遅延時間の変化量も大きく
なり電流に対する感度が高くなるという特徴を備えてい
る。
【0030】図5には、リングオシレータ型発振回路4
0の第3の実施例が示されている。この実施例のリング
オシレータ型発振回路40は、CMOSインバータを2
組ずつペアにして共通の電流制御用MOSFET Q1
1,Q12,Q13に接続するとともに、各ペアのイン
バータは差動回路のように構成して相補動作させて、そ
のペアの回路でリングオシレータを構成しており、最後
に差動信号をシングルエンド信号として出力させるため
バッファゲート42として差動アンプを用いたものであ
る。この実施例のリングオシレータ型発振回路40は差
動で動作するため、動作マージンが向上すると共にカス
コード接続したMOSFETのゲート電圧を分圧するこ
とにより低くして各CMOSインバータの信号振幅を小
さくすることによって発振周波数を高くすることが可能
となる。
【0031】また、この実施例のリングオシレータ型発
振回路40においては、CMOSインバータのPMOS
側に接続されるカスコード型MOSFETを共通化して
Q21のみとしている。これによって、各CMOSイン
バータの信号振幅のばらつきを小さくすることができる
という特徴がある。図3の回路においても、MOSFE
T Q21〜Q25を共通化もしくはQ21〜Q25の
ソース端子を互い結合するように構成することも可能で
ある。
【0032】なお、上記実施例においては、電圧−電流
変換回路30の基準電圧発生回路およびリングオシレー
タ型発振回路40のバイアス回路にそれぞれ抵抗と容量
とからなる平滑回路34,43を設けているが、例えば
分圧回路33の定電圧として電源電圧Vccの代わりに
リングオシレータ型発振回路40側の平滑回路43で平
滑された後の電圧を用いるように構成することによっ
て、平滑回路34を省略するようにしてもよい。
【0033】さらに、上記分圧回路33は電圧−電流変
換回路30を構成する差動回路31の定電流源I1をバ
イアスするための定電圧等を発生する回路と共通化を図
るようにしてもよい。この場合にも共通の定電圧発生回
路の電源電圧として、リングオシレータ型発振回路40
側の平滑回路43で平滑された後の電圧を用いるように
することができる。
【0034】また、上記実施例においては、電圧−電流
変換回路30およびリングオシレータ型発振回路40に
それぞれ抵抗と容量とからなる平滑回路34,43を設
けた場合について説明したが、電圧−電流変換回路30
とリングオシレータ型発振回路40のいずれか一方の回
路にのみ平滑回路を設けるようにしても良く、それによ
っても電源電圧の変動による発振周波数の変動を抑えジ
ッタを低減することができる。
【0035】以上説明したように上記実施例は、位相比
較器とローパスフィルタと電圧制御発振器とからなるP
LL回路を用いたクロック発生回路において、ローパス
フィルタから供給される制御電圧と基準電圧との差分電
圧を電流に変換する電圧−電流変換回路と該電圧−電流
変換回路の出力電流に対応した電流が流れるようにされ
た電流源を有するCMOSインバータからなるリングオ
シレータとにより電圧制御発振器を構成するとともに、
上記電圧−電流変換回路に供給される基準電圧として電
源電圧を分圧する分圧回路の出力をPLL回路の応答時
間よりも大きな時定数を有する時定数回路で平滑した電
圧を用いるように構成したので、電源電圧が変動したと
きの基準電圧の変動は非常に緩やかなものとなり、しか
も、この基準電圧の変動はPLL回路の応答速度よりも
遅くなるように時定数が設定されているため、PLL回
路の動作としては基準電圧が変動していないのと同じに
なり、電源電圧が変動しても電圧−電流変換回路の出力
電流は変動しないようになる。その結果、電源ノイズ等
により電源電圧が変動しても発振器の発振周波数は変動
せず、発生されるクロック信号の位相変動もなくなり、
ジッタが低減されるという効果がある。
【0036】また、リングオシレータを構成するCMO
Sインバータと電源電圧端子との間にはMOSFETを
介在させたカスコード段を有し該MOSFETのゲート
端子には、PLL回路の応答時間よりも大きな時定数を
有する第2の時定数回路で電源電圧を平滑した電圧をバ
イアス電圧として印加させるように構成したので、カス
コード接続の上記MOSFETのゲートに供給されるバ
イアス電圧は電源電圧が変動してもその変動は非常に緩
やかなものとなる。しかも、このバイアス電圧を発生す
る時定数回路はPLL回路の応答速度よりも遅くなるよ
うに時定数が設定されているため、PLL回路の動作と
してはバイアス電圧が変動していないのと同じになるの
でカスコード出力も変動していないのと同じになり、電
源電圧が変動してもCMOSインバータの出力振幅は変
動しないようになる。その結果、電源ノイズ等により電
源電圧が変動しても発振器の発振周波数は変動せず、発
生されるクロック信号の位相変動もなくなり、ジッタが
低減されるという効果がある。
【0037】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明はそれに限定さ
れるものでなく、例えばリングオシレータ型発振回路4
0を構成する論理ゲート回路としてCMOSのプッシュ
プル型インバータ以外にNMOSのレシオ型インバータ
等を用いるようにしても良い。また、リングオシレータ
を構成する論理ゲート回路の数は5段に限定されるもの
でなく、任意の奇数とすることができる。
【0038】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野であるPLL
回路からなるクロック発生回路を内蔵した半導体集積回
路に適用した場合について説明したが、本発明は電圧−
電流変換回路あるいはリングオシレータのみを内蔵する
LSIにも利用することができる。
【0039】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
のとおりである。
【0040】すなわち、電源ノイズ等による電源電圧の
変動に対してジッタの小さなクロック信号を発生できる
ようなクロック発生回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るPLL回路を用いたクロック発生
回路の一実施例を示すブロック図である。
【図2】電圧−電流変換回路の具体的な回路の構成例を
示す回路図である。
【図3】リングオシレータ型発振回路の具体的な回路の
構成例を示す回路図である。
【図4】リングオシレータ型発振回路の第2の構成例を
示す回路図である。
【図5】リングオシレータ型発振回路の第3の構成例を
示す回路図である。
【符号の説明】
3 電圧制御発振器 30 電圧−電流変換回路 31 差動回路 32 電流合成回路 33 分圧回路 34 平滑回路 40 リングオシレータ型発振回路 41 リングオシレータ 42 バッファゲート 43 平滑回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相比較器とローパスフィルタと電圧制
    御発振器とからなるPLL回路を用いたクロック発生回
    路において、 上記電圧制御発振器は、上記ローパスフィルタから供給
    される制御電圧と基準電圧との差分電圧を電流に変換す
    る電圧−電流変換回路と、該電圧−電流変換回路の出力
    電流に対応した電流が流れるようにされた電流源を有す
    る複数の論理ゲート回路がリング状に接続されてなる発
    振回路とにより構成されるとともに、 上記電圧−電流変換回路に供給される上記基準電圧は、
    電源電圧を分圧する分圧回路の出力がPLL回路の応答
    時間よりも大きな時定数を有する時定数回路で平滑され
    た電圧とされていることを特徴とするクロック発生回
    路。
  2. 【請求項2】 上記論理ゲート回路と電源電圧端子との
    間にはMOSFETが介在されたカスコード段を有し、
    該MOSFETのゲート端子には、PLL回路の応答時
    間よりも大きな時定数を有する第2の時定数回路により
    電源電圧が平滑された電圧が印加されていることを特徴
    とする請求項1に記載のクロック発生回路。
  3. 【請求項3】 上記論理ゲート回路と電源電圧端子との
    間には、それぞれ上記MOSFETと直列に上記電圧−
    電流変換回路の出力電流に対応した電流が流れるように
    された電流源が介在されてなることを特徴とする請求項
    2に記載のクロック発生回路。
  4. 【請求項4】 上記発振回路は、複数対の論理ゲート回
    路からなる差動構成のリングオシレータにより構成さ
    れ、最終段には差動回路からなるバッファゲートが設け
    られていることを特徴とする請求項1、2または3に記
    載のクロック発生回路。
  5. 【請求項5】 上記論理ゲート回路はCMOSインバー
    タで構成されていることを特徴とする請求項1、2、3
    または4に記載のクロック発生回路。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載のクロック発生回路
    と、該クロック発生回路により形成されたクロックを半
    導体集積回路の所望の部位に分配供給するクロック分配
    系と、分配されたクロックの一つを分周する分周回路と
    を備え、該分周回路で分周されたクロックが上記位相比
    較器に帰還クロックとして入力されていることを特徴と
    する半導体集積回路。
JP8056981A 1996-02-19 1996-02-19 クロック発生回路 Pending JPH09223965A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8056981A JPH09223965A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 クロック発生回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8056981A JPH09223965A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 クロック発生回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09223965A true JPH09223965A (ja) 1997-08-26

Family

ID=13042690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8056981A Pending JPH09223965A (ja) 1996-02-19 1996-02-19 クロック発生回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09223965A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007311992A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Kawasaki Microelectronics Kk 半導体装置
KR100822786B1 (ko) * 2000-08-01 2008-04-17 소니 가부시끼 가이샤 지연 회로, 전압 제어 지연 회로, 전압 제어 발진회로, 지연 조정 회로, dll 회로 및 pll 회로
JP2011139396A (ja) * 2009-12-25 2011-07-14 Kunihiko Kimiyama 差動リング発振器型電圧制御発振器
US8362844B2 (en) 2009-12-22 2013-01-29 Renesas Electronics Corporation Delay circuit and voltage controlled oscillation circuit
US8604885B2 (en) 2011-07-12 2013-12-10 Kunihiko Kouyama Differential ring oscillator-type voltage control oscillator
JP2014528664A (ja) * 2011-09-30 2014-10-27 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 差動pvt/タイミングスキュー許容型自己補正回路
JP2020054013A (ja) * 2014-07-25 2020-04-02 株式会社半導体エネルギー研究所 発振回路
CN111656689A (zh) * 2017-11-15 2020-09-11 ams有限公司 具有低变化跨导设计的锁相环电路

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100822786B1 (ko) * 2000-08-01 2008-04-17 소니 가부시끼 가이샤 지연 회로, 전압 제어 지연 회로, 전압 제어 발진회로, 지연 조정 회로, dll 회로 및 pll 회로
JP2007311992A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Kawasaki Microelectronics Kk 半導体装置
US8362844B2 (en) 2009-12-22 2013-01-29 Renesas Electronics Corporation Delay circuit and voltage controlled oscillation circuit
JP2011139396A (ja) * 2009-12-25 2011-07-14 Kunihiko Kimiyama 差動リング発振器型電圧制御発振器
US8604885B2 (en) 2011-07-12 2013-12-10 Kunihiko Kouyama Differential ring oscillator-type voltage control oscillator
JP2014528664A (ja) * 2011-09-30 2014-10-27 クゥアルコム・インコーポレイテッドQualcomm Incorporated 差動pvt/タイミングスキュー許容型自己補正回路
JP2020054013A (ja) * 2014-07-25 2020-04-02 株式会社半導体エネルギー研究所 発振回路
CN111656689A (zh) * 2017-11-15 2020-09-11 ams有限公司 具有低变化跨导设计的锁相环电路

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5012142A (en) Differential controlled delay elements and skew correcting detector for delay-locked loops and the like
US5426384A (en) Voltage controlled oscillator (VCO) with symmetrical output and logic gate for use in same
JP3415304B2 (ja) クロック発生回路とプロセッサ
US5412349A (en) PLL clock generator integrated with microprocessor
JP5110815B2 (ja) 広い周波数範囲にわたり安定した利得を有する電圧制御発振器
JPH0964727A (ja) 同期回路
JP2007097140A (ja) デジタルとアナログ制御を用いた電圧制御遅延ラインの遅延セル
KR101055935B1 (ko) 전압-제어 장치를 위한 하이브리드 커런트-스타브드 위상-보간 회로
JP2001119296A (ja) Pll回路
JPH0888565A (ja) 無抵抗器型の電圧制御発振器
US6157691A (en) Fully integrated phase-locked loop with resistor-less loop filer
US6111469A (en) Charge pumping circuit and PLL frequency synthesizer
US20010052806A1 (en) Process independent ultralow charge pump
JP2001326560A (ja) 半導体集積回路およびフェーズ・ロックド・ループ回路
JPH09223965A (ja) クロック発生回路
JP2000134092A (ja) 位相同期ループ回路および電圧制御型発振器
JP2012160927A (ja) 遅延制御回路、チャージポンプ回路、及びチャージポンプ回路における充放電電流制御方法
US20060022760A1 (en) Current-controlled oscillator
JP2002076856A (ja) バイアス信号生成回路、遅延回路、発振回路およびクロック群発生回路
JPH0537307A (ja) 電圧制御発振回路および位相同期ループ回路
US6163226A (en) Current-controlled p-channel transistor-based ring oscillator
JP2001094404A (ja) 電圧制御遅延回路
JPH09326689A (ja) クロック発生回路
US20040183570A1 (en) Phase comparator capable of performing stable phase comparison for high frequency band
JP3382131B2 (ja) Pll回路