JPH09223960A - 位相同期装置 - Google Patents

位相同期装置

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JPH09223960A
JPH09223960A JP8029329A JP2932996A JPH09223960A JP H09223960 A JPH09223960 A JP H09223960A JP 8029329 A JP8029329 A JP 8029329A JP 2932996 A JP2932996 A JP 2932996A JP H09223960 A JPH09223960 A JP H09223960A
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JP
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signal
phase
delay
phase difference
outputs
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JP8029329A
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Masahiko Sato
雅彦 佐藤
Kenichi Kashiwagi
賢一 柏木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】所定周波数の発振信号を基準周波数に分周した
基準信号と電圧制御発振器(以下、VCO)からの出力
信号を分周した比較信号の位相差が零の付近において
も、不感帯が生じない位相比較部を備えたことにより、
位相雑音特性が改善された位相同期装置を得る。 【解決手段】位相同期装置において、位相比較部5に3
個の位相比較器7B1〜7B3と、位相比較器7B2の
基準信号の入力側に設けられ適切な遅延時間だけ遅れて
基準信号を入力させる遅延回路6A2と、前記位相比較
器とは別の位相比較器7B3の比較信号の入力側に設け
られ適切な遅延時間だけ遅れて比較信号を入力させる遅
延回路6A3を設け、3個の位相比較器7B1〜7B3
からの位相差信号を2個の加算器13D1,13D2で
それぞれ加算する。そして、この加算後の位相差信号を
チャージポンプ9に位相差信号として供給して、VCO
11によって発信させることにより、所定周波数の発振
信号を基準周波数に分周した基準信号とVCO11から
の出力信号を分周した比較信号の位相差が零の付近にお
いても、不感帯が生じない位相同期装置を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一定の周波数を
発振する発振器に用いられる位相同期装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来例として一般的な位相同期装置であ
るPLL周波数シンセサイザ回路221を図24に示
す。221はPLL周波数シンセサイザ回路、2は所定
周波数の発信信号fxを出力する水晶発振器、3は水晶
発振器2からの所定周波数の発振信号fxを基準周波数
に分周して基準信号frを出力する基準分周器、4はV
CO11からの出力信号を分周して比較信号fpを出力
する比較分周器、7は基準信号frと比較信号fpを入
力とし両信号の位相を比較する位相比較器である。
【0003】9は位相比較器7から出力される位相差信
号fu,fdを入力しこの位相差信号fu,fdに基づ
いた制御信号fcを出力するチャージポンプ、10はチ
ャージポンプ9から出力される制御信号fcを平滑して
パルス成分を除去したLPF出力信号faを出力するL
PF(ローパスフィルタ)、11はLPF10から出力
されるLPF出力信号faの電圧値に応じた周波数の出
力信号fvを出力するVCO(電圧制御発振器)であ
る。
【0004】つぎに動作について説明する。基準分周器
3は水晶発振器2の所定周波数の発振信号fxを基準周
波数に分周して基準信号frを位相比較器7に出力す
る。比較分周器4はVCO11から出力される出力信号
fvを設定周波数に基づいて分周して比較信号fpを位
相比較器7に出力する。位相比較器7は基準信号frと
比較信号fpの位相を比較し、その比較結果に基づく位
相差信号fu,fdをチャージポンプ9に出力する。チ
ャージポンプ9は位相差信号fu,fdに基づいた制御
信号fcをLPF10に出力する。LPF10はチャー
ジポンプ9の制御信号fcを平滑してパルス成分を除去
したLPF出力信号faを発振周波数の補正値としてV
CO11に出力する。そして、LPF出力信号faの電
圧値に応じた周波数の出力信号fvがVCO11から出
力され、この出力信号fvは比較分周器4に帰還され
る。このような動作が繰り返し実行されることによっ
て、VCO11の出力信号fvを設定周波数に基づいて
分周した比較信号fpは最終的に基準信号frにロック
され、その結果VCO11の出力信号fvは基準信号f
rにロックされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
たPLL周波数シンセサイザ回路221において、位相
比較器7は基準信号frと比較信号fpの位相を比較し
その比較結果に基づく位相差信号fu,fdをチャージ
ポンプ9に出力する。しかし、位相比較器7には基準信
号frと比較信号fpの位相差が零の付近において不感
帯が存在する。ここで不感帯について述べる。上述した
従来の位相比較器7では、図25に示すように2つの入
力信号(ここでは、基準信号frと比較信号fpを指
す)の位相差が接近し零に近づいたときに、位相比較器
7が位相差信号fu,fdを正常に発生できない範囲が
存在するという問題がある。これを不感帯と言う。
【0006】具体的には、図25において、横軸が2つ
の入力端子に印加された2つの入力信号の位相差を示
し、縦軸が2つの出力端子へ送出される2つの出力信号
を積分して得た直流成分の差を表わしている。これは、
入力位相差に対する出力パルスの感度を示しているもの
であり、直線の傾きが感度である。図25は、感度が入
力位相差零付近で急激に変化することを示している。従
って、このような位相比較器7を備えるPLL周波数シ
ンセサイザ回路221では、位相差零の付近での動作が
不安定化するのである。基準信号frと比較信号fpの
位相差が前記不感帯領域に入ると、位相比較器7は基準
信号frと比較信号fpの位相比較結果に基づく位相差
信号fu,fdをチャージポンプ9に出力できず、実質
的にこの間位相比較器7はその機能を果たさない為、不
感帯を抜け出すまでVCO11の出力信号周波数はドリ
フトする。その結果、VCO11の出力信号fvはジッ
タを起こし、このような位相比較器7を備えるPLL周
波数シンセサイザ回路221の位相雑音特性劣化の原因
となる。ここでジッタとは、制御信号が入力されないV
COの出力信号が非制御状態で微少に変化している状態
を言う。
【0007】前記不感帯を生ずる原因は、出力バッファ
ゲートにある。即ち、出力バッファゲートには動作遅延
時間や波形のなまり等があるので、出力し得るパルスの
最小時間幅が存在する。従って、基準信号frと比較信
号fpの位相差が零の付近では入力バッファゲートの出
力幅は非常に狭く、出力バッファゲートの出力し得るパ
ルスの最小時間幅以下となるので、出力バッファゲート
は基準信号frと比較信号fpの位相差が零の付近での
位相差情報を出力できず、不感帯が生ずるのである。し
かし、出力バッファゲートは負荷駆動能力を高めるため
に不可欠であるので、これを存置したままでの改善が望
まれている。本願発明は、基準信号と比較信号の位相差
が零の付近においても不感帯が生じない位相同期回路を
得ることを目的とする。
【0008】なお、不感帯を排除する先行技術として、
特開平2−21724号公報と、特開平4−25342
3号公報があるが、本願発明とは構成が全く異なるだけ
でなく、以下の点でその効果も異なる。 ◆特開平2−21724号公報 本先行技術では、読み出し信号とVCOクロックの各1
パルスを一組と考え、その信号一組ごとに位相比較器に
リセットを掛けることで不感帯を排除しているが、周波
数に関係無く位相を引き込む作用があるので、VCOク
ロックの周波数が読み出し信号の周波数の整数倍の場合
でも誤ってロックしてしまう。本願発明では、一般的な
位相比較器を組合わせた構成なので、本先行技術のよう
に誤ってロックしてしまうことはない。
【0009】◆特開平4−253423号公報 本先行技術では、見かけ上不感帯が分からなくなるのみ
で電圧制御発振器の出力信号が永久的に安定しない(不
感帯付近で細かく揺れを起こしている)ので、PLL周
波数シンセサイザ回路の位相雑音特性は改善されない
が、本願発明では、かかる不具合が発生しない。また、
本先行技術では、位相比較器内部の遅延素子によって不
感帯の出現場所を移動しているだけなので、実際には、
位相比較器自体に存在する不感帯を完全に回避すること
は不可能であるが、本願発明は、位相比較器外部の遅延
回路によるものなので、位相比較器自体に存在する不感
帯を回避することが可能である。また、本先行技術で
は、遅延素子は1つだけでしかも遅延量が固定式なので
上下(チャージポンプの充放電)のバランスを調整する
ことができないが、本願発明では、上下のバランスを独
立して調整することが可能である。さらに本願発明で
は、上下(チャージポンプの充放電)のゲインを独立し
て調整することも可能である。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる位相同
期装置においては、外部入力信号と発振信号との位相差
を第1の位相差として検出する第1の位相比較手段と、
上記外部入力信号を予め定められた時間遅延させ出力す
る第1の遅延手段と、この第1遅延手段の出力信号と上
記発振信号との位相差を第2の位相差として検出する第
2の位相比較手段と、上記発振信号を予め定められた時
間遅延させ出力する第2の遅延手段と、この第2の遅延
手段の出力信号と上記外部入力信号との位相差を第3位
相差として検出する第3の位相比較手段と、上記第1の
位相差と、上記第2の位相差と、上記第3の位相差とを
加算する加算手段と、この加算手段の加算結果に基づい
て発振する周波数を変化させ、上記発振信号として出力
する発振手段と、を備えるものである。不感帯のない位
相同期装置を得ることができる。
【0011】また、上記第1の遅延回路又は上記第2の
遅延回路は、直列に接続された複数段のインバータを備
えるものである。
【0012】また、上記第1の遅延回路又は上記第2の
遅延回路は、遅延線を備えるものである。
【0013】また、上記第1の遅延回路又は上記第2の
遅延回路は、予め定められた個数のクロックが入力され
たときに入力した信号を出力するカウンタ回路を備える
ものである。
【0014】また、上記第1の遅延回路は、上記外部入
力信号を受けて上記第2の位相比較器へ出力する抵抗器
と、一方の端子をこの抵抗器と上記第2の位相比較器と
の間に接続され、他方の端子を接地されたコンデンサ
と、を備えるものである。
【0015】また、上記第1の遅延回路又は上記第2の
遅延回路は、入力信号を予め定められた時間遅延させ出
力するバッファ回路を備えるものである。
【0016】また、上記発振手段は、上記加算結果に基
づき電流の流出量を調節して出力するチャージポンプ
と、このチャージポンプの出力した電流を平滑化して出
力するローパスフィルタと、このローパスフィルタの出
力する電流によって発生する電圧に基づいて上記発振信
号の発振周波数を変化させる発振器とを備え、上記加算
手段は、上記加算結果を外部から指定された利得に基づ
き出力するものである。加算手段は、指定された上記利
得に基づき加算結果を出力するため、チャージポンプの
入力許容範囲内で加算結果を出力することができ、位相
比較器から出力される位相差の条件が変化してもチャー
ジポンプを正常に動作させることができる。そのため、
汎用性に優れた位相同期装置を得ることができる。
【0017】また、上記第1の遅延回路は、外部からの
信号により遅延時間を設定し、この設定した遅延時間に
より上記外部入力信号を遅延させて出力し、上記第2の
遅延回路は、外部からの信号により遅延時間を設定し、
この遅延時間により上記発振信号を遅延させて出力する
ものである。位相差に対する周波数変化の度合いを容易
に調整することができる。
【0018】また、上記第1の遅延回路は、上記外部入
力信号を入力し上記第2の位相比較器へ出力するととも
に、外部からの信号により抵抗値を変化させる第1の可
変抵抗器と、一方の端子をこの第1の可変抵抗器と上記
第2の位相比較器との間に接続され、他方の端子を接地
された第1のコンデンサと、を備え、上記第2の遅延回
路は、上記発振入力信号を入力し上記第3の位相比較器
へ出力するとともに、外部からの信号により抵抗値を変
化させる第2の可変抵抗器と、一方の端子をこの第2の
可変抵抗器と上記第3の位相比較器との間に接続され、
他方の端子を接地された第2のコンデンサと、を備える
ものである。
【0019】また、上記第1の遅延回路は、外部からの
信号により指定された個数のクロックが入力されたとき
に、上記外部入力信号を出力する第1のカウンタ回路を
備え、上記第2の遅延回路は、外部からの信号により指
定された個数のクロック信号が入力されたときに、上記
発振信号を出力する第2のカウンタ回路を備えるもので
ある。
【0020】また、上記第1の遅延回路は、外部からの
信号により発振周波数を変化させクロックを発振する第
1の発振器と、この第1の発振器からのクロックをカウ
ントし、このクロックが予め定められた個数となったと
きに上記外部入力信号を出力する第1のカウンタ回路と
を備え、上記第2の遅延回路は、外部からの信号により
発振周波数を変化させクロックを発振する第2の発振器
と、この第2の発振器からのクロックをカウントし、こ
のクロックが予め定められた個数となったときに上記発
振信号を出力する第2のカウンタ回路とを備えるもので
ある。
【0021】また、上記第1の遅延回路は、入力した信
号を予め定められた時間遅延させて出力する遅延手段を
直列に複数段接続し、これらの遅延手段のそれぞれに、
遅延手段の入力側と出力側とを接続する第1のスイッチ
を並列に接続するとともに、上記第1のスイッチそれぞ
れの入切を外部からの信号により制御し、上記第2の遅
延回路は、上記遅延手段を直列に複数段接続し、これら
の遅延手段のそれぞれに、遅延手段の入力側と出力側と
を接続する第2のスイッチを並列に接続するとともに、
上記第2のスイッチそれぞれの入切を外部からの信号に
より制御するものである。
【0022】また、上記加算手段は、位相差の加算結果
を外部から指定された利得に基づき出力するものであ
る。遅延回路により直線性を調節し、加算回路により傾
きを調整するため、位相差に対する周波数変化の特性を
自在に調整することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本願発明における位相同期装置の
実施の形態として、以下のようなPLL周波数シンセサ
イザ回路を説明する。 実施の形態1.図1はこの実施の形態1のPLL周波数
シンセサイザ回路を説明する回路図である。図1におい
て、1はPLL周波数シンセサイザ回路、2は所定周波
数の発信信号fxを出力する水晶発振器、3は水晶発振
器2からの所定周波数の発振信号fxを基準周波数に分
周して基準信号frを出力する基準分周器、4はVCO
11からの出力信号を分周して比較信号fpを出力する
比較分周器、5は基準信号frと比較信号fpを入力と
し両信号の位相を比較する位相比較部であり、遅延回路
6A2,6A3、位相比較器7B1〜7B3、加算器1
3D1,13D2によって構成されている。7B1は、
前記基準信号frと前記比較信号 fpとの位相を比較
しその比較結果に基づく位相差信号fu1,fd1を出
力する位相比較器、7B2は前記基準信号frを適切な
時間だけ遅延させた信号fr2と前記比較信号fpとの
位相を比較しその比較結果に基づく位相差信号fu2,
fd2を出力する位相比較器、7B3は前記基準信号f
rと前記比較信号fpを適切な時間だけ遅延させた信号
fp3との位相を比較しその比較結果に基づく位相差信
号fu3,fd3を出力する位相比較器である。
【0024】6A2は位相比較器7B2の基準信号fr
の入力側に設けられ前記位相比較器7B2の基準信号f
rの入力を適切な時間だけ遅れた信号fr2にして前記
位相比較器7B2に入力させる遅延回路、6A3は位相
比較器7B3の比較信号fpの入力側に設けられ前記位
相比較器7B3の比較信号fpの入力を適切な時間だけ
遅れた信号fp3にして前記位相比較器7B3に入力さ
せる遅延回路である。13D1は前記位相比較器7B1
〜7B3が出力する位相差信号fu1〜fu3を入力し
加算してチャージ信号に当たる1つの位相差信号fuを
チャージポンプ9に出力する加算器、13D2は、前記
位相比較器7B1〜7B3が出力する位相差信号fd1
〜fd3を入力し加算してディスチャージ信号に当たる
1つの位相差信号fdをチャージポンプ9に出力する加
算器である。
【0025】9は2個の加算器13D1,13D2から
出力される位相差信号fu,fdを入力し前記位相差信
号fu,fdに基づいた制御信号fcを出力するチャー
ジポンプ、10はチャージポンプ9から出力される制御
信号fcを平滑してパルス成分を除去したLPF出力信
号faを出力するLPF(ローパスフィルタ)、11は
LPF10から出力されるLPF出力信号faの電圧値
に応じた周波数の出力信号fvを出力するVCO(電圧
制御発振器)である。
【0026】次に動作について説明する。まず、概要に
ついて説明すると、水晶発振器2から発信された信号
は、基準分周器によって所定の周波数にfrとして分周
される。また、VCO11から発信された信号fvは比
較分周器4によって分周されfpとして出力される。基
準分周器3の出力信号frと比較分周器4の出力信号f
pとは、位相比較部5によって位相比較され、その位相
差に応じた電圧がチャージポンプ9に発生する。この実
施の形態1では、位相比較部5に3個の位相比較器7B
1〜7B3と2個の遅延回路6A2,6A3と2個の加
算器13D1,13D2を用い、1つの位相比較器7B
2の基準信号frの入力側に設けられ適切な遅延時間だ
け遅れた基準信号fr2を前記位相比較器7B2に出力
する遅延回路6A2と、前記位相比較器7B2とは別の
位相比較器7B3の比較信号fpの入力側に設けられ適
切な遅延時間だけ遅れた比較信号fp3を前記位相比較
器7B3に出力する遅延回路6A3を設けることによ
り、同時刻における各位相比較器7B1〜7B3の出力
信号にずれ位相差が生じる。この作用により3個の位相
比較器7B1〜7B3が同時に不感帯領域に入ることが
なくなる。加算器13D1は前記位相比較器7B1〜7
B3が出力する位相差信号fu1〜fu3を入力し加算
してチャージ信号に当たる1つの位相差信号fuをチャ
ージポンプ9に出力する。加算器13D2は前記位相比
較器7B1〜7B3が出力する位相差信号fd1〜fd
3を入力し加算してディスチャージ信号に当たる1つの
位相差信号fdをチャージポンプ9に出力する。チャー
ジポンプ9は2個の加算器13D1,13D2から出力
される位相差信号fu,fdを入力し前記位相差信号f
u,fdに基づいた制御信号fcを出力するので、基準
信号frと比較信号fpの位相差が零の付近においても
不感帯が生じず、実質的に位相比較部5には図2に示し
たように不感帯がなくなる。その結果、不感帯を持たな
い位相比較部5を備えたことにより位相雑音特性が改善
されたPLL周波数シンセサイザ回路1を得る。図2
は、チャージポンプから出力される信号fcの位相差に
よる変化を表した図である。従来のPLL周波数シンセ
サイザ回路では、図25に示したように位相差が0の付
近では不感帯が生じていたが、本願発明による図2で
は、T1〜T5までの全ての期間において不感帯が発生
していない。これはいずれの期間においても、いずれか
の位相比較器が位相差を検知しており、加算器において
和をとることにより適切な結果を得るためである。
【0027】つぎに、より詳細な説明を図3〜図8に従
って説明する。図3は、図1に示したPLL周波数シン
セサイザ回路の具体例である。図3において図1と同一
の符号は同一又は相当の部分を表す。6A21は、基準
分周器の出力信号frを遅延させて出力する遅延回路で
あり、2段のインバータによって構成されている。6A
31は比較分周器の出力信号fpを遅延させて出力する
遅延回路であり、同様に2段のインバータによって構成
されている。また、チャージポンプ9は、NPNとPN
Pの2つのトランジスタで構成されている。
【0028】次に動作について説明する。水晶発振器2
は所定周波数の発振信号fxを出力する。基準分周期3
は前記発振信号fxを基準周波数に分周して基準信号f
rを出力する。比較分周器4はVCO11から入力され
る出力信号fvを設定周波数に基づいて分周して比較信
号fpを出力する。位相比較器7B1は、基準分周器3
の基準信号frを入力するとともに比較分周器4の比較
信号fpを入力し位相差を比較しその比較結果に基づく
位相差信号fu1,fd1を出力する。
【0029】遅延回路6A21,6A31は、入力した
基準信号fr、比較信号fpをそれぞれ遅延時間t2,
t3だけ遅らせた基準信号fr2及び比較信号fp3を
出力する。位相比較器7B2は、基準信号fr2を入力
するとともに比較信号fpを入力し位相差を比較しその
比較結果に基づく位相差信号fu2,fd2を出力す
る。位相比較器7B3は、基準信号frを入力するとと
もに基準信号fp3を入力し位相差を比較しその比較結
果に基づく位相差信号fu3,fd3を出力する。
【0030】加算器13D1は、位相差信号fu1〜f
u3を入力し加算してその加算された位相差信号fuを
チャージポンプ9に出力する。加算器13D2は、位相
差信号fd1〜fd3を入力し加算してその加算された
位相差信号fdをチャージポンプ9に出力する。チャー
ジポンプ9は電源Vccにエミッタ端子が接続されたト
ランジスタTr1と、コレクタ端子がNPNトランジス
タTr1のコレクタ端子に接続されエミッタ端子が接地
GNDに接続されたPNPトランジスタTr2で構成さ
れ、NPNトランジスタTr1のベース端子には位相差
信号fuが入力されており、NPNトランジスタTr1
が制御されることによりチャージポンプ9からLPF1
0に制御信号fcが出力される。
【0031】PNPトランジスタTr2のベース端子に
は位相差信号fdが入力されており、PNPトランジス
タTr2が制御されることによりチャージポンプ9から
LPF10に制御信号fcが出力される。LPF10は
制御信号fcを平滑する過程において、制御信号fcの
値3H〜3Lに相当する充放電によりLPF出力信号f
aの電位を発生し出力する。前記LPF出力信号faは
VCO11に入力され、VCO11からこのLPF出力
信号faの電圧値に応じた周波数の出力信号fvが比較
分周器4に帰還される。
【0032】このような動作が繰り返し実行されること
によって比較信号fpは最終的に基準信号frにロック
され、その結果VCO11の出力信号fvは基準信号f
rにロックされる。
【0033】次に、以上の動作によって不感帯のない位
相比較部5出力が得られること図2に示した5つの期間
ごとに説明する。図4〜8は、PLL周波数シンセサイ
ザ回路の出力波形を示したタイミングチャートであり、
それぞれ順番に期間T1,T2,T3,T4,T5にお
ける出力波形を示している。図4〜8において、図3と
同一の符号は当該部分における信号を表している。
【0034】◆期間T1 図4は、期間T1の状態を表しており、位相比較部5内
の3個の位相比較器7B1〜7B3の全てが不感帯に入
っていない状態における作用を示すタイミングチャート
である。比較分周器4の比較信号fpの位相が基準分周
器3の基準信号frの位相よりも大きく進んでいる期間
T1においては、位相比較器7B1の位相差信号fu1
はHレベルに保持され、位相差信号fd1はその位相差
分のポジティプパルスを含んだものとなる。比較信号f
pの位相は同様に基準信号fr2の位相よりも速いの
で、位相比較器7B2の位相差信号fu2はHレベルに
保持され、位相差信号fd2はその位相差分のポジティ
ブパルスを含んだものとなる。比較信号fp3の位相は
同様に基準信号frの位相よりも速いので、位相比較器
7B3の位相差信号fu3はHレベルに保持され、位相
差信号fd3はその位相差分のポジティブパルスを含ん
だものとなる。従って、比較分周器4の比較信号fpの
位相が基準分周器3の基準信号frの位相よりも大きく
進んでいる期間T1においては、位相差信号fd1,f
d2,fd3の各ポジティブパルスに基づいてチャージ
ポンプ9のNPNトランジスタTr2がオンオフされ、
チャージポンプ9の制御信号fcが図4のように制御さ
れ、LPFの出力信号faの電圧レベルが低下する。
【0035】◆期間T2 図5は前記PLLシンセサイザ回路1の期間T2、すな
わち位相比較部5内の3個の位相比較器7B1〜7B3
のうち位相比較器7B3のみがが不感帯に入っている状
態における作用を示すタイミングチャートである。比較
分周器4の比較信号fpの位相が基準分周器3の基準信
号frの位相よりも遅延回路に設定した遅延時間分だけ
進んでいる期間T2においては、位相比較器7B1の位
相差信号fu1はHレベルに保持され、位相差信号fd
1はその位相差分のポジティプパルスを含んだものとな
る。比較信号fpの位相は同様に基準信号fr2の位相
よりも速いので、位相比較器7B2の位相差信号fu2
はHレベルに保持され、位相差信号fd2はその位相差
分のポジティブパルスを含んだものとなる。比較信号f
p3の位相は基準信号frの位相との位相差がないの
で、位相比較器7B3の位相差信号fu3はHレベルに
保持され、位相差信号fd3はLレベルに保持される。
従って、比較分周器4の比較信号fpの位相が基準分周
器3の基準信号frの位相よりも遅延回路に設定した遅
延時間分だけ進んでいる期間T2においては、位相差信
号fd1,fd2の各ポジティブパルスに基づいてチャ
ージポンプ9のNPNトランジスタTr2がオンオフさ
れ、チャージポンプ9の制御信号fcが図5のように制
御され、LPFの出力信号faの電圧レベルが低下す
る。
【0036】◆期間T3 図6は前記PLLシンセサイザ回路1の期間T3、すな
わち位相比較部5内の3個の位相比較器7B1〜7B3
のうち位相比較器7B1のみがが不感帯に入っている状
態における作用を示すタイミングチャートである。比較
分周器4の比較信号fpの位相が基準分周器3の基準信
号frの位相と位相差が零または零付近である期間T3
においては、位相比較器7B1の位相差信号fu1はH
レベルに保持され、位相差信号fd1はLレベルに保持
される。比較信号fpの位相は基準信号fr2の位相よ
りも遅延回路に設定した遅延時間分だけ進んでいるの
で、位相比較器7B2の位相差信号fu2はHレベルに
保持され、位相差信号fd2はその位相差分のポジティ
ブパルスを含んだものとなる。比較信号fp3の位相は
基準信号frの位相よりも遅延回路に設定した遅延時間
分だけ遅れているので、位相比較器7B3の位相差信号
fu3はその位相差分のネガティブパルスを含んだもの
となり、位相差信号fd3はLレベルに保持される。従
って、比較分周器4の比較信号fpの位相が基準分周器
3の基準信号frの位相と位相差が零または零付近であ
る期間T3においては、位相差信号fd2のポジティブ
パルスと位相差信号fd3のネガティブパルスfd3に
基づいてチャージポンプ9のNPNトランジスタTr2
とPNPトランジスタTr1がそれぞれオンオフされ、
チャージポンプ9の制御信号fcが図6のように制御さ
れ、LPFの出力信号faの電圧レベルは変化しない。
【0037】◆期間T4 図7は前記PLLシンセサイザ回路1の期間T4、すな
わち位相比較部5内の3個の位相比較器7B1〜7B3
のうち位相比較器7B2のみがが不感帯に入っている状
態における作用を示すタイミングチャートである。比較
分周器4の比較信号fpの位相が基準分周器3の基準信
号frの位相よりも、遅延回路に設定した遅延時間分だ
け遅れている期間T4においては、位相比較器7B1の
位相差信号fu1はその位相差分のネガティブパルスを
含んだものとなり、位相差信号fd1はLレベルに保持
される。比較信号fpの位相は基準信号fr2の位相と
の位相差がないので、位相比較器7B2の位相差信号f
u2はHレベルに保持され、位相差信号fd2はLレベ
ルに保持される。比較信号fp3の位相は基準信号fr
の位相よりも遅いので、位相比較器7B3の位相差信号
fu3はその位相差分のネガティブパルスを含んだもの
となり、位相差信号fd3はLレベルに保持される。従
って、比較分周器4の比較信号fpの位相が基準分周器
3の基準信号frの位相よりも遅延回路に設定した遅延
時間分だけ遅れている期間T4においては、位相差信号
fd1,fd3の各ネガティブパルスに基づいてチャー
ジポンプ9のPNPトランジスタTr1がオンオフさ
れ、チャージポンプ9の制御信号fcが図7のように制
御され、LPFの出力信号faの電圧レベルが上昇す
る。
【0038】◆期間T5 図8は前記PLLシンセサイザ回路1の期間T5、すな
わち位相比較部5内の3個の位相比較器7B1〜7B3
の全てが不感帯に入っていない状態における作用を示す
タイミングチャートである。比較分周器4の比較信号f
pの位相が基準分周器3の基準信号frの位相よりも大
きく遅れている期間T5においては、位相比較器7B1
の位相差信号fu1はその位相差分のネガティブパルス
を含んだものとなり、位相差信号fd1はLレベルに保
持される。比較信号fpの位相は同様に基準信号fr2
の位相よりも遅いので、位相比較器7B2の位相差信号
fu2はその位相差分のネガティブパルスを含んだもの
となり、位相差信号fd2はLレベルに保持される。比
較信号fp3の位相は同様に基準信号frの位相よりも
遅いので、位相比較器7B3の位相差信号fu3はその
位相差分のネガティブパルスを含んだものとなり、位相
差信号fd3はLレベルに保持される。従って、比較分
周器4の比較信号fpの位相が基準分周器3の基準信号
frの位相よりも大きく遅れている期間T5において
は、位相差信号fd1,fd2,fd3の各ネガティブ
パルスに基づいてチャージポンプ9のPNPトランジス
タTr1がオンオフされ、チャージポンプ9の制御信号
fcが図8のように制御され、LPFの出力信号faの
電圧レベルが上昇する。
【0039】この結果、前記PLLシンセサイザ回路1
を用いれば、図25に示すような従来の位相比較器によ
る位相差と出力電圧の関係において存在する不感帯比較
分周器4の比較信号fpの位相が基準分周器3の基準信
号frの位相と位相差が零または零付近である期間T3
に当たる期間は、位相差信号fd2のポジティブパルス
と位相差信号fu3のネガティブパルスに基づいてチャ
ージポンプ9のNPNトランジスタTr2とPNPトラ
ンジスタTr1がそれぞれが互いに打ち消し合う方向に
パルスを出しているので、実際には不感帯期間に入ら
ず、かつチャージボンプが制御されている状態になる。
【0040】このように、この実施の形態1では、3個
の位相比較器7B1〜7B3と2個の遅延回路6A2
1,6A31と2個の加算器13D1,13D2を設
け、位相比較器7B1の位相差信号fu1,fd1と位
相比較器7B2の位相差信号fu2,fd2と位相比較
器7B3の位相差信号fu3,fd3とを加算器13D
1,13D2によって加算して、その加算された位相差
信号fu,fdをチャージポンプ9に入力させること
で、所定周波数の発振信号fxを基準周波数に分周した
基準信号frとVCO11からの出力信号fvを分周し
た比較信号frの位相差が零の付近においても、図2に
示すように不感帯が生じない位相比較部5を備えたこと
により位相雑音特性が改善されたPLL周波数シンセサ
イザ回路1を得る。
【0041】実施例1.1 図1に示した遅延回路6A2、6A3は、それぞれ図9
の6A22、6A32に示すような遅延線により構成す
ることができる。この図9において、図1と同一の符号
は同一又は相当の部分を表している。PLL周波数シン
セサイザ回路1内の位相比較部5において、2個の遅延
回路6A22,6A32に、入力された信号を遅延させ
て出力する作用を持つ遅延線を設けることにより、不感
帯を持たない位相比較部5を得ることができる。
【0042】実施例1.2 図1に示した遅延回路6A2、6A3は、それぞれ図1
0の6A23、6A33に示すようなカウンタ回路によ
り構成することができる。この図10において、図1と
同一の符号は同一又は相当の部分を表している。PLL
周波数シンセサイザ回路1内の位相比較部5において、
2個の遅延回路6A23,66A33に、入力されたク
ロック信号CLKをカウントし前記カウント数があらか
じめ設定されたカウント値と等しい値になると入力信号
を出力する作用を持つカウンタ回路を設けることによ
り、不感帯を持たない位相比較部5を得る。クロック信
号CLKは、遅延回路6A23,6A33の外部から適
切な周波数で供給される。
【0043】実施例1.3 図1に示した遅延回路6A2、6A3は、それぞれ図1
1の6A24、6A34に示すようなRC回路により構
成することができる。この図11において、図1と同一
の符号は同一又は相当の部分を表している。PLL周波
数シンセサイザ回路1内の位相比較部5において、2個
の遅延回路6A24,6A34に、入力された信号を時
定数によって遅延させて出力する作用を持つRC回路を
設けることにより、不感帯を持たない位相比較部5が得
られる。
【0044】実施例1.4 図1に示した遅延回路6A2、6A3は、それぞれ図1
2の6A25、6A35に示すようなバッファにより構
成することができる。この図12において、図1と同一
の符号は同一又は相当の部分を表している。PLL周波
数シンセサイザ回路1内の位相比較部5において、2個
の遅延回路6A25,6A35に、入力された信号を遅
延させて出力する作用を持つゲートバッファを設けるこ
とにより、不感帯を持たない位相比較部5が得られる。
【0045】実施の形態2.実施の形態2は、遅延時間
を可変に制御できる可変遅延回路を用いた実施の形態で
ある。図13はこの実施の形態2のPLL周波数シンセ
サイザ回路の回路図である。図13において図1と同一
の符号は同一又は相当の部分を表す。12A2は、基準
分周器3の出力信号frを外部からの制御信号CNTL
1に応じた時間分遅延させ、位相比較器7B2へ出力す
る可変遅延回路、12A3も同様に比較分周器4の出力
信号fpを外部からの制御信号CNTL2に応じた時間
分遅延させ、位相比較器7B3へ出力する可変遅延回路
である。25は、制御信号CNTL1、CNTL2によ
って、チャージポンプ9の出力信号fcの上下のバラン
ス、すなわち位相が進んでいるときの信号と、位相が遅
れているときの信号とのバランスを保つことのできる位
相比較部25である。
【0046】まず、動作の概要を説明すると、基本的な
動作は実施の形態1で説明したPLL周波数シンセサイ
ザ回路と同様であるので、この実施の形態2の特徴的な
動作について説明する。位相比較部25に3個の位相比
較器7B1〜7B3と2個の可変遅延回路12A2,1
2A3と2個の加算器13D1,13D2を用い、チャ
ージポンプ9の出力信号fcの上下のバランスが等しく
なるように外部からの制御信号CNTL1,CNTL2
によって設定することにより、3個の位相比較器7B1
〜7B3の出力信号の加算結果が位相差零となる。チャ
ージポンプ9は2個の加算器13D1,13D2から出
力される位相差信号fu,fdを入力し前記位相差信号
fu,fdに基づいた制御信号fcを出力するので、基
準信号frと比較信号fpの位相差が零の付近において
も、チャージポンプ9の出力信号fcの上下のバランス
を保ちつつ、3個の各位相比較器7B1〜7B3が同時
に不感帯領域に入ることがなくなる。その結果、基準信
号frと比較信号fpの位相差が零の付近においても不
感帯が生じず、かつ、チャージポンプ9の出力信号fc
の上下のバランスを保つ位相比較部25を備えたことに
より位相雑音特性が改善されたPLL周波数シンセサイ
ザ回路1を得る。
【0047】以下、この実施の形態2を具体化したPL
L周波数シンセサイザ回路21を図14を用いて説明す
る。
【0048】図14において、図13と同一の符号は同
一又は相当の部分を表す。可変遅延回路12A21,1
2A31は可変抵抗とコンデンサによって構成され、そ
れぞれ基準分周器3、比較分周器4に接続されている。
そして、可変遅延回路12A2,12A3は入力した基
準信号fr、比較信号fpをそれぞれ遅延時間tv2,
tv3だけ遅らせた基準信号fr2及び比較信号fp3
を出力する。可変遅延回路12A21,12A31内部
の可変抵抗は、外部からの調整が可能な制御信号CNT
L1,CNTL2によって抵抗値を変化させることがで
きる。従って、可変遅延回路12A21,12A31の
遅延時間tv2,tv3は外部からの調整が可能な制御
信号CNTL1,CNTL2によって設定できる。
【0049】この結果、PLL周波数シンセサイザ回路
21を用いれば、各PLLシンセサイザ回路に固有に存
在するチャージポンプの充放電の上下のアンバランスに
対応して、可変遅延回路12A2,12A3の遅延時間
tv2,tv3を設定できる。
【0050】このように、この実施の形態2では、3個
の位相比較器7B1〜7B3と2個の可変遅延回路12
A21,12A31と2個の加算器13D1,13D2
を設け、位相比較器7B1の位相差信号fu1,fd1
と位相比較器7B2の位相差信号fu2,fd2と位相
比較器7B3の位相差信号fu3,fd3とを加算器1
3D1,13D2によって加算して、その加算された位
相差信号fu,fdをチャージポンプ9に入力させるこ
とで、所定周波数の発振信号fxを基準周波数に分周し
た基準信号frとVCO11からの出力信号fvを分周
した比較信号frの位相差が零の付近においても不感帯
が生じず、かつ、チャージポンプ9の出力信号fcの上
下のバランスを保つ位相比較部25を備えたことによ
り、位相雑音特性がさらに改善されたPLL周波数シン
セサイザ回路を得ることができる。
【0051】実施例2.1 図13に示した可変遅延回路12A2、12A3は、そ
れぞれ図15の12A21、12A31に示すような抵
抗とバリキャップにより構成することができる。この図
15において、図13と同一の符号は同一又は相当の部
分を表している。PLL周波数シンセサイザ回路1内の
位相比較部25において、2個の可変遅延回路12A
2,12A3に、外部から入力される制御信号CNTL
1,CNTL2によって容量値を可変できるバリキャッ
プと抵抗を設けることにより、基準信号frと比較信号
fpの位相差が零の付近においても不感帯が生じず、か
つ、チャージポンプ9の出力信号fcの上下のバランス
を保つことができる。
【0052】実施例2.2 図13に示した可変遅延回路12A2、12A3は、そ
れぞれ図16の12A23、12A33に示すようなカ
ウンタ回路により構成し、カウンタ回路のカウント数を
外部からの制御信号CTRL11,CNTL21により
調整することにより実現できる。この図16において、
図13と同一の符号は同一又は相当の部分を表してい
る。PLL周波数シンセサイザ回路1内の位相比較部2
5において、2個の可変遅延回路12A23,12A3
3に、入力されたクロック信号CLKをカウントし前記
カウント数が外部から入力される制御信号CNTL1
1,CNTL12によって制御されたカウント値と等し
い値になると入力信号を出力する作用を持つカウンタ回
路を設けることにより、基準信号frと比較信号fpの
位相差が零の付近においても不感帯が生じず、かつ、チ
ャージポンプ9の出力信号fcの上下のバランスを保つ
ことができる。
【0053】実施例2.3 図13に示した可変遅延回路12A2、12A3は、そ
れぞれ図17の12A24、12A34に示すようなカ
ウンタ回路により構成し、カウンタ回路に入力されるカ
ウンタ周波数を外部からの制御信号CTRL12,CN
TL22により調整することにより実現できる。この図
17において、図13と同一の符号は同一又は相当の部
分を表している。PLL周波数シンセサイザ回路1内の
位相比較部25と同様の位相比較部において、2個の可
変遅延回路12A24,12A34に、外部から入力さ
れる制御信号CNTL12,CNTL22によってパル
ス周波数を制御されたクロック信号CLKをカウントし
前記カウント数があらかじめ設定されたカウント値と等
しい値になると入力信号を出力する作用を持つカウンタ
回路を設けることにより、基準信号frと比較信号fp
の位相差が零の付近においても不感帯が生じず、かつ、
チャージポンプ9の出力信号fcの上下のバランスを保
つ位相比較部25が得られる。
【0054】実施例2.4 図13に示した可変遅延回路12A2、12A3は、そ
れぞれ図18の12A25、12A35に示すような直
列に接続されたゲートバッファとゲートバッファのそれ
ぞれに並列に接続されたスイッチによって構成すること
ができる。この図18において、図13と同一の符号は
同一又は相当の部分を表している。
【0055】PLL周波数シンセサイザ回路1内の位相
比較部25において、2個の可変遅延回路12A25,
12A35に、外部から入力される制御信号CNTL1
3,CNTL14,CNTL23,CNTL24によっ
てON/OFFされるスイッチSWが接続された複数の
ゲートバッファを設ける。スイッチSWがONのときに
は、信号はゲートバッファを通過せずに位相比較器7B
2、7B3に伝わるため、信号の伝搬が遅延しない。そ
のため、可変遅延回路12A25に設けられた2つのス
イッチのどちらかをOFFとしている場合には、遅延時
間が短くなり、両方ともONとしている場合には、遅延
時間が長くなる。可変遅延回路12A35においても同
様である。なお、ゲートバッファの遅延時間を異なるよ
うに設定するとどのスイッチをON/OFFするかによ
ってより細かい遅延時間の調整をすることができる。以
上の構成により、この実施例2.4によれば、基準信号
frと比較信号fpの位相差が零の付近においても不感
帯が生じず、かつ、チャージポンプ9の出力信号fcの
上下のバランスを保つ位相比較部25が得られる。
【0056】実施の形態3.実施の形態3は、加算器の
利得を調整することによりチャージポンプに入力される
信号のレベルを調整しPLL周波数シンセサイザ回路に
汎用性を持たせることのできる実施の形態である。図1
9はこの実施の形態3のPLL周波数シンセサイザ回路
の回路図である。図19において、図1と同一の符号は
同一又は相当の部分を表す。13D11は、前記位相比
較器7B1〜7B3が出力する位相差信号fu1〜fu
3を入力するとともに加算し、その加算結果を外部から
与えられた制御信号CNTL3に基づいた利得で増幅
し、位相差信号fuとしてチャージポンプ9に出力する
利得可変加算器、13D21は、前記位相比較器7B1
〜7B3が出力する位相差信号fd1〜fd3を入力す
るとともに加算し、その加算結果を外部から与えられた
制御信号CNTL4に基づいた利得で増幅し、位相差信
号fdとしてチャージポンプ9に出力する利得可変加算
器である。
【0057】この実施の形態3のPLL周波数シンセサ
イザ回路1では、位相比較部35に3個の位相比較器7
B1〜7B3と2個の遅延回路6A2,6A3と2個の
利得可変加算器13D11,13D21を用い、3個の
位相比較器7B1〜7B3から入力された信号fu1〜
fu3を加算し前記加算結果に当たる信号のレベルを外
部からの制御信号CNTL3によって調整し位相差信号
fuをチャージポンプ9に出力する利得可変加算器13
D11と、3個の位相比較器7B1〜7B3から入力さ
れた信号fd1〜fd3を加算し前記加算結果に当たる
信号のレベルを外部からの制御信号CNTL4によって
調整し、位相差信号fdをチャージポンプ9に出力する
利得可変加算器13D21を設けることにより、2個の
利得可変加算器13D11,13D21から出力される
位相差信号fu,fdの信号レベルを制御し、PLL周
波数シンセサイザ回路のループ特性を外部から調整でき
る。その結果、基準信号frと比較信号fpの位相差が
零の付近においても不感帯が生じず、かつ、PLL周波
数シンセサイザ回路のループ特性を外部から調整できる
位相比較部35を備えたことにより位相雑音特性が改善
されたPLL周波数シンセサイザ回路1が得られる。
【0058】次に動作について説明する。基本的な動作
は、実施の形態1と同様であるのでこの実施の形態3の
特徴的な動作について説明する。図19に示すように、
この実施の形態3のPLL周波数シンセサイザ回路1で
は、利得可変加算器13D11は、3個の位相比較器7
B1〜7B3から入力された信号fu1〜fu3を加算
し前記加算結果に当たる信号のレベルを外部からの制御
信号CNTL3によって調整し位相差信号fuをチャー
ジポンプ9に出力する。利得可変加算器13D21は、
3個の位相比較器7B1〜7B3から入力された信号f
d1〜fd3を加算し前記加算結果に当たる信号のレベ
ルを外部からの制御信号CNTL4によって調整し位相
差信号fdをチャージポンプ9に出力する。
【0059】この結果、第3発明の前記PLLシンセサ
イザ回路31を用いれば、2個の利得可変加算器13D
11,13D21から出力される位相差信号fu,fd
の信号レベルを外部から制御し、PLL周波数シンセサ
イザ回路のループ特性を調整できる。図20は、チャー
ジポンプ9に入力される信号fu若しくはfdを示して
いる。(a)は、制御信号(CNTL1,CNTL2)
により調整される前の信号である。信号G1はチャージ
ポンプ9の入力信号許容レベルに適切に調整された信
号、G2は振幅値が小さすぎる状態、G3は振幅値が大
きすぎる状態を示している。これらの状態は動作周波
数、位相比較器等の性能に依存して発生する。信号fu
若しくはfdがG2又はG3の状態にあるとき、チャー
ジポンプ9はHi又はLowの信号を正常に認識でき
ず、正常に動作をすることができないという問題が発生
する。
【0060】具体的に説明すると、例えば、図24の様
な一般的なPLL周波数シンセサイザにおいて、電源電
圧Vccを3[v]とすると、チャージポンプの入力電
圧はセンター1.5[v]で、チャージ信号、及びディ
スチャージ信号は以下のようになる。fu(チャージ信
号)側はアクティブLowであり、Hi信号=0.8
[v]以下、Low信号=2.2[v]以上となる。f
d(ディスチャージ信号)側はアクティブHiであり、
Hi信号=2.2[v]以上、Low信号=0.8
[v]以下となる。仮に、1つの位相比較器のfu(チ
ャージ信号)側のHi信号が0.5[v]、Low信号
が2.5[v]とし、図19のように3つの位相比較器
出力を加算してチャージポンプに入力し単純にその電圧
も加算されるとすると、fu(チャージ信号)側のLo
w信号は2.5[v]の信号電圧を複数回加算しても3
[v]を超えることはないのでチャージポンプはLow
信号を認識できるが、Hi信号は3つの位相比較器の内
2つ以上がHi信号だと加算された信号電圧が0.8
[v]を超えてしまいチャージポンプがHi信号を認識
できないという問題が発せする。
【0061】そこで、図19の利得可変加算器13D1
1,13D21を用いて外部からループ利得を調整し、
チャージポンプがHi信号を認識できるようにする。図
20の(b)は、利得可変加算器13D11,13D2
1により信号レベルを調節した信号fu、fdである。
G1’はG1、G2’はG2、G3’はG3にそれぞれ
対応している。特に、信号レベルの過不足で正常に信号
を認識できなかったG2、G3においても信号レベルが
適切に補正されていることが分かる。
【0062】よってループ利得増幅率変化に対する特性
変化として具体的な数値を挙げるならば、PLL周波数
シンセサイザが機能しない場合、または特性が劣悪な場
合は、ループ利得増幅率を0.3倍まで徐々に下げてい
き、最もPLL周波数シンセサイザの特性が良くなる点
を探し、その点で固定する。
【0063】このように、この実施の形態3では、3個
の位相比較器7B1〜7B3と2個の遅延回路6A2,
6A3と2個の利得可変加算器13D11,13D21
を設け、2個の利得可変加算器13D11,13D21
から出力される位相差信号fu,fdの信号レベルを外
部から制御し、PLL周波数シンセサイザ回路のループ
特性を調整することにより、基準信号frと比較信号f
pの位相差が零の付近においても不感帯が生じず、か
つ、動作周波数、位相比較器等の特性が変化した場合で
も適切にチャージポンプ入力信号fp,fdを与えるこ
とができ、初期設計に左右されず汎用的に使用できるP
LL周波数シンセサイザ回路を得ることができる。
【0064】なお、遅延回路6A2,6A3として、実
施例1.1〜1.4に記載した遅延回路を用いることが
できる。
【0065】実施の形態4.実施の形態4は、可変遅延
回路及び利得可変加算器を用いることにより、位相差−
制御信号量fc特性の調整を行うことができ、良好な特
性を持つとともに汎用性の高いPLL周波数シンセサイ
ザ回路が得られる実施の形態である。
【0066】図21はこの実施の形態4のPLL周波数
シンセサイザ回路の回路図である。図21において図1
3又は図19と同一の符号は、同一又は相当の部分を表
す。基本的な動作は、実施の形態1と同様であるため、
この実施の形態4の特徴的な動作について説明する。こ
の実施の形態4の目的は、図22に示したような直線的
で良好な位相差−制御信号量fc特性を得ることにあ
る。図22において、図2と同一の符号は同一又は相当
の部分を表す。図2に示された特性は曲線を示している
が、理想的には直線になることが望ましい。すなわち、
位相差にリニアでありかつ適切な量の制御信号量fcを
得ることが必要である。
【0067】そこで、まず、位相差−制御信号量fc特
性を直線(リニア)にする調整について説明する。この
調整は、制御信号CNTL1,CNTL2によって行
う。まず、利得可変加算器13D11は、3個の位相比
較器7B1〜7B3から入力された信号fu1〜fu3
を加算し前記加算結果に当たる信号のレベルを外部から
の制御信号CNTL3によって調整し位相差信号fuを
チャージポンプ9に出力する。利得可変加算器13D2
1は、3個の位相比較器7B1〜7B3から入力された
信号fd1〜fd3を加算し前記加算結果に当たる信号
のレベルを外部からの制御信号CNTL4によって調整
し位相差信号fdをチャージポンプ9に出力する。
【0068】図23は、制御信号CNTL1〜4による
位相差−制御信号量fc特性の調整を説明するグラフで
ある。(a)は、制御信号CNTL1,CNTL2を調
整してリニアな特性を得た場合のグラフであり、点線は
調整前、実線は調整後の特性を示している。また、図の
各部は、図22と同様のものである。例えば、図23
(a)の点線のような特性を矯正する場合には、CNT
L1を調節し可変遅延回路12A2による遅延時間を少
なく調節する。すると、第1象現のT4,T5の傾きが
小さくなり図23(a)に示したような直線となる。一
方、CNTL2を調節し可変遅延回路12A3による遅
延時間を少なく調節する。すると、第3象現のT1,T
2の傾きが小さくなり図23(a)に示したような直線
となる。
【0069】次に、位相差に対する制御信号量fcを適
切にする調整について説明する。(b)は、制御信号C
NTL3,CNTL4を調整して特性直線の傾きを調整
した場合のグラフであり、点線は(a)の調整後の特性
であり、実線は調整後の特性を表している。この特性直
線の傾きの調整は、制御信号CNTL3,CNTL4に
よって行われ、CNTL3により利得可変加算器14D
1による利得を変化させ第1象現の傾きが調整され、C
NTL4により利得可変加算器14D1による利得を変
化させ第3象現の傾きが調整される。傾きが小さすぎる
場合には、VCOから出力される波形が十分に調整され
ず、傾きが大きすぎる場合には調整過多となって不安定
な動作となるため、適切な傾きを調整することが必要で
ある。
【0070】上記(a)及び(b)で説明した調整が終
了すると、(b)の実線で示したような理想的な特性を
得ることができる。
【0071】以上のように、この実施の形態4では、3
個の位相比較器7B1〜7B3と2個の可変遅延回路1
2A2,12A3と2個の利得可変加算器13D11,
13D21を設け、2個の利得可変加算器13D11,
13D21から出力される位相差信号fu,fdの信号
レベルを外部から制御し、PLL周波数シンセサイザ回
路のループ特性を調整することにより、基準信号frと
比較信号fpの位相差が零の付近においても不感帯が生
じず、かつ、チャージポンプ9の出力信号fcの上下の
バランスを保ち、かつ、PLL周波数シンセサイザ回路
のループ特性を外部から調整できる位相比較部35を備
えたことにより位相雑音特性が改善されたPLL周波数
シンセサイザ回路1が得られる。特に、位相差に対する
チャージポンプ出力の特性を容易に調整することができ
るため、異なる周波数で使用する場合や位相比較器等の
特性が変化した場合でも上記調整をすれば正常に動作さ
せることができるため、汎用性に優れたPLL周波数シ
ンセサイザ回路が得られる。
【0072】なお、可変遅延回路12A2,12A3と
して、実施例2.1〜2.4に示した可変遅延回路を用
いることができる。
【0073】
【発明の効果】この発明は、以上に説明したように構成
されているので、以下に記載されるような効果を奏す
る。外部入力信号と発振信号との位相差を第1の位相差
として検出する第1の位相比較手段と、上記外部入力信
号を予め定められた時間遅延させ出力する第1の遅延手
段と、この第1遅延手段の出力信号と上記発振信号との
位相差を第2の位相差として検出する第2の位相比較手
段と、上記発振信号を予め定められた時間遅延させ出力
する第2の遅延手段と、この第2の遅延手段の出力信号
と上記外部入力信号との位相差を第3位相差として検出
する第3の位相比較手段と、上記第1の位相差と、上記
第2の位相差と、上記第3の位相差とを加算する加算手
段と、この加算手段の加算結果に基づいて発振する周波
数を変化させ、上記発振信号として出力する発振手段
と、を備える。そのため、位相差が少ないために第1の
位相比較器が位相差を検知できないような不感帯におい
ても、第2、3の位相比較手段では、第1、第2の遅延
手段によって位相差が検知できるレベルにまで位相差が
増加される。そして、最終的に第1〜3までの位相比較
手段で検知された第1〜3までの位相差が加算器によっ
て加算手段によって加算されることにより、第1、2の
遅延手段によって増加された位相差が相殺され、遅延手
段外部入力信号と発振信号の実際の位相差が算出され
る。そのため、不感帯のない位相同期装置を得ることが
できる。
【0074】また、上記第1の遅延回路又は上記第2の
遅延回路は、直列に接続された複数段のインバータを備
えたため、外部入力信号又は発振信号を遅延させ、不感
帯のない位相同期装置を得ることができる。
【0075】また、上記第1の遅延回路又は上記第2の
遅延回路は、遅延線を備えたため、外部入力信号又は発
振信号を遅延させ、不感帯のない位相同期装置を得るこ
とができる。
【0076】また、上記第1の遅延回路又は上記第2の
遅延回路は、予め定められた個数のクロックが入力され
たときに入力した信号を出力するカウンタ回路を備えた
ため、外部入力信号又は発振信号を遅延させ、不感帯の
ない位相同期装置を得ることができる。
【0077】また、上記第1の遅延回路は、上記外部入
力信号を受けて上記第2の位相比較器へ出力する抵抗器
と、一方の端子をこの抵抗器と上記第2の位相比較器と
の間に接続され、他方の端子を接地されたコンデンサ
と、を備えたため、外部入力信号又は発振信号を遅延さ
せ、不感帯のない位相同期装置を得ることができる。
【0078】また、上記第1の遅延回路又は上記第2の
遅延回路は、入力信号を予め定められた時間遅延させ出
力するバッファ回路を備えたため、外部入力信号又は発
振信号を遅延させ、不感帯のない位相同期装置を得るこ
とができる。
【0079】また、上記発振手段は、上記加算結果に基
づき電流の流出量を調節して出力するチャージポンプ
と、このチャージポンプの出力した電流を平滑化して出
力するローパスフィルタと、このローパスフィルタの出
力する電流によって発生する電圧に基づいて上記発振信
号の発振周波数を変化させる発振器とを備え、上記加算
手段は、上記加算結果を外部から指定された利得に基づ
き出力する。そのため、加算手段は、指定された上記利
得に基づき加算結果を出力し、チャージポンプの入力許
容範囲内で加算結果を出力することができ、位相比較器
から出力される位相差の条件が変化してもチャージポン
プを正常に動作させることができる。そのため、汎用性
に優れた位相同期装置を得ることができる。
【0080】また、上記第1の遅延回路は、外部からの
信号により遅延時間を設定し、この設定した遅延時間に
より上記外部入力信号を遅延させて出力し、上記第2の
遅延回路は、外部からの信号により遅延時間を設定し、
この遅延時間により上記発振信号を遅延させて出力する
ため、位相差に対する周波数変化の度合いを容易に調整
することができる。
【0081】また、上記第1の遅延回路は、上記外部入
力信号を入力し上記第2の位相比較器へ出力するととも
に、外部からの信号により抵抗値を変化させる第1の可
変抵抗器と、一方の端子をこの第1の可変抵抗器と上記
第2の位相比較器との間に接続され、他方の端子を接地
された第1のコンデンサと、を備え、上記第2の遅延回
路は、上記発振入力信号を入力し上記第3の位相比較器
へ出力するとともに、外部からの信号により抵抗値を変
化させる第2の可変抵抗器と、一方の端子をこの第2の
可変抵抗器と上記第3の位相比較器との間に接続され、
他方の端子を接地された第2のコンデンサと、を備えた
ため、位相差に対する周波数変化の度合いを容易に調整
することができる。
【0082】また、上記第1の遅延回路は、外部からの
信号により指定された個数のクロックが入力されたとき
に、上記外部入力信号を出力する第1のカウンタ回路を
備え、上記第2の遅延回路は、外部からの信号により指
定された個数のクロック信号が入力されたときに、上記
発振信号を出力する第2のカウンタ回路を備えたため、
位相差に対する周波数変化の度合いを容易に調整するこ
とができる。
【0083】また、上記第1の遅延回路は、外部からの
信号により発振周波数を変化させクロックを発振する第
1の発振器と、この第1の発振器からのクロックをカウ
ントし、このクロックが予め定められた個数となったと
きに上記外部入力信号を出力する第1のカウンタ回路と
を備え、上記第2の遅延回路は、外部からの信号により
発振周波数を変化させクロックを発振する第2の発振器
と、この第2の発振器からのクロックをカウントし、こ
のクロックが予め定められた個数となったときに上記発
振信号を出力する第2のカウンタ回路とを備えたため、
位相差に対する周波数変化の度合いを容易に調整するこ
とができる。
【0084】また、上記第1の遅延回路は、入力した信
号を予め定められた時間遅延させて出力する遅延手段を
直列に複数段接続し、これらの遅延手段のそれぞれに、
遅延手段の入力側と出力側とを接続する第1のスイッチ
を並列に接続するとともに、上記第1のスイッチそれぞ
れの入切を外部からの信号により制御し、上記第2の遅
延回路は、上記遅延手段を直列に複数段接続し、これら
の遅延手段のそれぞれに、遅延手段の入力側と出力側と
を接続する第2のスイッチを並列に接続するとともに、
上記第2のスイッチそれぞれの入切を外部からの信号に
より制御するたため、位相差に対する周波数変化の度合
いを容易に調整することができる。
【0085】また、上記加算手段は、位相差の加算結果
を外部から指定された利得に基づき出力するため、遅延
回路により直線性を調節し、加算回路により傾きを調整
するため、位相差に対する周波数変化の特性を自在に調
整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるPLL周波
数シンセサイザ回路の回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における位相比較部
による位相差−出力電圧の関係を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるPLL周波
数シンセサイザ回路の詳細を説明する回路図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における期間T1に
おける作用を示すタイミングチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1における期間T2に
おける作用を示す夕イミングチャ一卜である。
【図6】 この発明の実施の形態1における期間T3に
おける作用を示す夕イミングチャ一卜である。
【図7】 この発明の実施の形態1における期間T4に
おける作用を示す夕イミングチャ一卜である。
【図8】 この発明の実施の形態1における期間T5に
おける作用を示す夕イミングチャ一卜である。
【図9】 この発明の実施例1.1における位相比較部
の回路図である。
【図10】 この発明の実施例1.2における位相比較
部の回路図である。
【図11】 この発明の実施例1.3における位相比較
部の回路図である。
【図12】 この発明の実施例1.4における位相比較
部の回路図である。
【図13】 この発明の実施の形態2におけるPLL周
波数シンセサイザ回路の回路図である。
【図14】 この発明の実施の形態2におけるPLL周
波数シンセサイザ回路の詳細を説明する回路図である。
【図15】 この発明の実施例2.1における位相比較
部の回路図である。
【図16】 この発明の実施例2.2における位相比較
部の回路図である。
【図17】 この発明の実施例2.3における位相比較
部の回路図である。
【図18】 この発明の実施例2.4における位相比較
部の回路図である。
【図19】 この発明の実施の形態3におけるPLL周
波数シンセサイザ回路の回路図である。
【図20】 この発明の実施の形態3における利得可変
加算器の出力信号を示す波形図である。
【図21】 この発明の実施の形態4におけるPLL周
波数シンセサイザ回路の回路図である。
【図22】 この発明の実施の形態4における位相比較
部による位相差−出力電圧の関係を示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態4における位相比較
部による位相差−出力電圧の関係を示す図である。
【図24】 従来のPLL周波数シンセサイザ回路を示
す回路図である。
【図25】 従来の位相比較器による位相差−出力電圧
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 PLL周波数シンセサイザ回路, 2 水晶発振
器, 3 基準分周器,4 比較分周器, 5,25,
35,45 位相比較部, 6A2,6A21〜5,6
A3,6A31〜5 遅延回路, 7,7B1〜7B3
位相比較器,9 チャージポンプ, 10 ローパス
フィルタLPF, 11 電圧制御発振器VCO, 1
2A2,12A3,12A21〜5,12A31〜5
可変遅延回路, 13D1,13D2 加算器, 13
D11,13D21 利得可変加算器, fx 発振信
号, fv 出力信号, fr,fr2 基準信号,
fp,fp3 比較信号, fu,fu1〜fu3 位
相差信号チャージ信号,fd,fd1〜fd3 位相差
信号ディスチャージ信号, fc 制御信号,fa ロ
ーパスフィルタLPF出力信号

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部入力信号と発振信号との位相差を第
    1の位相差として検出する第1の位相比較手段と、 上記外部入力信号を予め定められた時間遅延させ出力す
    る第1の遅延手段と、 この第1遅延手段の出力信号と上記発振信号との位相差
    を第2の位相差として検出する第2の位相比較手段と、 上記発振信号を予め定められた時間遅延させ出力する第
    2の遅延手段と、 この第2の遅延手段の出力信号と上記外部入力信号との
    位相差を第3位相差として検出する第3の位相比較手段
    と、 上記第1の位相差と、上記第2の位相差と、上記第3の
    位相差とを加算する加算手段と、 この加算手段の加算結果に基づいて発振する周波数を変
    化させ、上記発振信号として出力する発振手段と、を備
    える位相同期装置。
  2. 【請求項2】 上記第1の遅延回路又は上記第2の遅延
    回路は、直列に接続された複数段のインバータを備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の位相同期装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の遅延回路又は上記第2の遅延
    回路は、遅延線を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の位相同期装置。
  4. 【請求項4】 上記第1の遅延回路又は上記第2の遅延
    回路は、予め定められた個数のクロックが入力されたと
    きに入力した信号を出力するカウンタ回路を備えること
    を特徴とする請求項1に記載の位相同期装置。
  5. 【請求項5】 上記第1の遅延回路は、 上記外部入力信号を受けて上記第2の位相比較器へ出力
    する抵抗器と、 一方の端子をこの抵抗器と上記第2の位相比較器との間
    に接続され、他方の端子を接地されたコンデンサと、を
    備えることを特徴とする請求項1に記載の位相同期装
    置。
  6. 【請求項6】 上記第1の遅延回路又は上記第2の遅延
    回路は、入力信号を予め定められた時間遅延させ出力す
    るバッファ回路を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の位相同期装置。
  7. 【請求項7】 上記発振手段は、上記加算結果に基づき
    電流の流出量を調節して出力するチャージポンプと、 このチャージポンプの出力した電流を平滑化して出力す
    るローパスフィルタと、 このローパスフィルタの出力する電流によって発生する
    電圧に基づいて上記発振信号の発振周波数を変化させる
    発振器とを備え、 上記加算手段は、上記加算結果を外部から指定された利
    得に基づき出力することを特徴とする請求項1〜6に記
    載の位相同期回路。
  8. 【請求項8】 上記第1の遅延回路は、外部からの信号
    により遅延時間を設定し、この設定した遅延時間により
    上記外部入力信号を遅延させて出力し、 上記第2の遅延回路は、外部からの信号により遅延時間
    を設定し、この遅延時間により上記発振信号を遅延させ
    て出力することを特徴とする請求項1に記載の位相同期
    装置。
  9. 【請求項9】 上記第1の遅延回路は、 上記外部入力信号を入力し上記第2の位相比較器へ出力
    するとともに、外部からの信号により抵抗値を変化させ
    る第1の可変抵抗器と、 一方の端子をこの第1の可変抵抗器と上記第2の位相比
    較器との間に接続され、他方の端子を接地された第1の
    コンデンサと、を備え、 上記第2の遅延回路は、 上記発振入力信号を入力し上記第3の位相比較器へ出力
    するとともに、外部からの信号により抵抗値を変化させ
    る第2の可変抵抗器と、 一方の端子をこの第2の可変抵抗器と上記第3の位相比
    較器との間に接続され、他方の端子を接地された第2の
    コンデンサと、を備えることを特徴とする請求項8に記
    載の位相同期装置。
  10. 【請求項10】 上記第1の遅延回路は、外部からの信
    号により指定された個数のクロックが入力されたとき
    に、上記外部入力信号を出力する第1のカウンタ回路を
    備え、 上記第2の遅延回路は、外部からの信号により指定され
    た個数のクロック信号が入力されたときに、上記発振信
    号を出力する第2のカウンタ回路を備えることを特徴と
    する請求項8に記載の位相同期装置。
  11. 【請求項11】 上記第1の遅延回路は、 外部からの信号により発振周波数を変化させクロックを
    発振する第1の発振器と、 この第1の発振器からのクロックをカウントし、このク
    ロックが予め定められた個数となったときに上記外部入
    力信号を出力する第1のカウンタ回路とを備え、 上記第2の遅延回路は、 外部からの信号により発振周波数を変化させクロックを
    発振する第2の発振器と、 この第2の発振器からのクロックをカウントし、このク
    ロックが予め定められた個数となったときに上記発振信
    号を出力する第2のカウンタ回路とを備えることを特徴
    とする請求項8に記載の位相同期装置。
  12. 【請求項12】 上記第1の遅延回路は、 入力した信号を予め定められた時間遅延させて出力する
    遅延手段を直列に複数段接続し、 これらの遅延手段のそれぞれに、遅延手段の入力側と出
    力側とを接続する第1のスイッチを並列に接続するとと
    もに、上記第1のスイッチそれぞれの入切を外部からの
    信号により制御し、 上記第2の遅延回路は、 上記遅延手段を直列に複数段接続し、 これらの遅延手段のそれぞれに、遅延手段の入力側と出
    力側とを接続する第2のスイッチを並列に接続するとと
    もに、上記第2のスイッチそれぞれの入切を外部からの
    信号により制御することを特徴とする請求項8に記載の
    位相同期装置。
  13. 【請求項13】 上記加算手段は、位相差の加算結果を
    外部から指定された利得に基づき出力することを特徴と
    する請求項8〜12に記載の位相同期回路。
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