JPH09223679A - スライスしたウエハー又は板状物の洗浄剤組成物および洗浄方法 - Google Patents

スライスしたウエハー又は板状物の洗浄剤組成物および洗浄方法

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JPH09223679A
JPH09223679A JP5381396A JP5381396A JPH09223679A JP H09223679 A JPH09223679 A JP H09223679A JP 5381396 A JP5381396 A JP 5381396A JP 5381396 A JP5381396 A JP 5381396A JP H09223679 A JPH09223679 A JP H09223679A
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ether
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poe
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(a)炭素数10〜18の炭化水素、
(b)一般式(I):R1 −O−(Ck2kO)j −H
で表されるアルキレンオキサイド化合物、(c)一般式
(II):R2 −O−(Cm 2mO)n −R3 で表される
アルキレンオキサイド化合物、(d)非イオン性界面活
性剤、及び(e)水を含有する、スライスしたウエハー
又は板状物の洗浄剤組成物、並びに、洗浄液中の粒子濃
度を1重量%以下に制御しつつ洗浄する工程及びすすぎ
洗いを行う工程を有するスライスしたウエハー又は板状
物の洗浄方法。 【効果】本発明の洗浄剤組成物は、洗浄性、油状成分分
離性、エポキシ系接着剤の剥離性に優れたものである。
かかる洗浄剤組成物を用いる本発明の洗浄方法は効率的
であり、経済的であり、さらに安全性が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスライスしたウエハ
ー又は板状物の洗浄剤組成物及び洗浄方法に関し、さら
に詳細には、シリコン又はガラス等のウエハー又は板状
物をインゴット又は柱状物からスライスして製造する際
に、スライス後の切削油、砥粒、切断粉等の汚染物質と
エポキシ系接着剤等で固定されたカーボンビーム等のス
ライスベースからの剥離性に優れ、しかも安全性及び排
水処理性に優れた洗浄剤組成物並びに洗浄方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シリコン、ガリウム・砒素、ガリウム・
燐等の半導体・結晶材料、水晶、石英、ガラス、圧電材
料等の電子部品関連材料、フェライト、サマリウム・コ
バルト等の磁性材料、磁気ヘッド等の磁気材料、セラミ
ックス等のウエハー又は板状物をインゴット又は柱状物
からスライスして製造するのに、従来より、内周刃式や
バンドソー式の切断装置(スライサー)が用いられてき
た。これらの切断装置は、ダイヤモンド等の超高硬度の
切断微粒子を表面に固定した刃を用いて、水希釈タイプ
のクーラントや低粘度の切削油を供給しながら切断する
ものであった。
【0003】近年、歩留まり向上と切断時間短縮を目的
に、ワイヤソー式の切断装置が、直径の大きなインゴッ
トや柱状物の切断にも導入されてきた。この切断装置
は、180μm程度の細い鋼製のワイヤーに、平均粒径
20μm程度の炭化珪素の微粒子(砥粒)を高粘度の切
削油によって絡ませて、それをインゴット等にこすりつ
けることによって、切断するものである。この切断方式
で発生する切削油、砥粒、切断粉等の汚染物質は洗浄し
難く、特に、切断後のインゴットの状態では、約200
μmの隙間にこのような汚染物質がぎっしり詰まってお
り、通常の方法では洗浄が困難であった。
【0004】従来、ワイヤソーで切断されたインゴット
は、温水でスプレー洗浄した後、90℃以上の酢酸に浸
漬してエポキシ系接着剤で固定されたスライスベースか
らウエハーを剥離し、例えば、25枚ずつカセットに入
れられる。その後、アルカリ洗浄剤で洗浄を行った後、
純水リンスし、次いでアルカリエッチング、さらにリン
スを行って洗浄していた。この方法では、ウエハーが1
カセット当たり25枚しか処理できず、大量のウエハー
を洗浄するのに時間が掛かったり、大きな洗浄槽が必要
になったりする不都合があった。又、大量の粒子混入油
性廃液が発生し、その処理に大きなコストが掛かってい
た。さらに、スライスベースの剥離に酢酸を使用するこ
とで、作業環境も悪かった。
【0005】最近では、処理時間の短縮のために、イン
ゴットの状態で洗浄することも検討されている。まず油
性汚れを中心に灯油で洗浄し、その後粒子汚れを中心に
アルカリ洗浄剤で洗浄する。純水リンスの後、80℃以
上の酢酸に浸漬してスライスベースを剥離、25枚ずつ
カセットに入れる。その後、アルカリエッチングを行
い、次いで純水リンスして洗浄する方法等である。
【0006】粒子混入油性汚染物質、特に狭い隙間の汚
れを洗浄する際に、短時間で高い洗浄性を得るために
は、油性汚れと粒子汚れを同時に洗浄する方法が有利で
ある。上記の灯油/アルカリ洗浄剤による洗浄方法で
は、灯油洗浄において粒子の隙間の油分が充分に洗浄で
きないため、後のアルカリ洗浄で粒子汚れが充分洗浄で
きず、洗浄不良を起こす。又、灯油は引火の危険性があ
り、粒子混入油性汚れと共に排水処理負荷を上げる。油
性汚れが混入した場合のアルカリ洗浄剤は洗浄力の低下
が早い。さらに、カセット洗浄時と同様に、スライスベ
ースの剥離に酢酸を使用することで、作業環境も悪い。
【0007】即ち、従来の洗浄方法では、洗浄性が不充
分であるばかりでなく、灯油には引火性があり、火災や
爆発の危険性がある。又、酢酸の使用による、作業環境
の悪化の問題もあった。更には、切削油、砥粒、切断粉
に加えて灯油等を含む排液、アルカリ排水の処理に大き
な負荷が掛かるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ようにこれまでに解決されたことのない課題を解決する
ことにある。即ち、従来の洗浄剤の持つ欠点を改良し、
洗浄性、安全性に優れ、排水処理負荷を低減でき、エポ
キシ系接着剤の剥離が短時間で出来、全体の洗浄時間を
大幅に短縮できる洗浄剤組成物並びに洗浄方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の炭化水素、
アルキレンオキサイド化合物、非イオン性界面活性剤及
び水を特定の比率で組み合わせた洗浄剤組成物を用い、
洗浄剤組成物中に混入する微粒子の濃度を低くコントロ
ールし、リンス液中に混入する油成分を除去しながら洗
浄する、更には、リンス工程の後に熱水にてスライスベ
ースを剥離することによって、洗浄性、安全性に優れ、
排水処理負荷を低減でき、エポキシ系接着剤の剥離が短
時間で出来、全体の洗浄時間を大幅に短縮できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の要旨は、 (1) 次の成分(a)〜(e): (a)炭素数10〜18の炭化水素 25〜65重量%; (b)一般式(I) R1 −O−(Ck 2kO)j −H (I) (式中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、kは2又は3の数を示し、j は1〜3の数を示す。) で表されるアルキレンオキサイド化合物 15〜45重量%; (c)一般式(II) R2 −O−(Cm 2mO)n −R3 (II) (式中、R2 、R3 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それぞれ同じであって も異なっていてもよい。mは2又は3の数を示し、nは1〜3の数を示す。) で表されるアルキレンオキサイド化合物 5〜15重量%; (d)平均HLB4〜18の非イオン性界面活性剤 5〜30重量%; (e)水 3〜15重量%; を含有し、成分(a)と成分((b)+(c))との重
量比(a)/〔(b)+(c)〕が0.50〜3.20
であることを特徴とする、スライスしたウエハー又は板
状物の洗浄剤組成物、
【0011】(2) 洗浄剤組成物をイオン交換水で
20倍に希釈して得られる希釈液を1℃/分の昇温速度
で温度を上げたとき、該希釈液が濁り出す温度を曇点と
する場合、該曇点が5〜100℃である前記(1)記載
の洗浄剤組成物、 (3) スライスしたウエハー又は板状物を洗浄剤組
成物又はその水性溶液を用いて洗浄する洗浄工程とすす
ぎ洗いをするリンス工程を有する洗浄方法において、次
の工程を有することを特徴とするスライスしたウエハー
又は板状物の洗浄方法、 洗浄工程:洗浄液の一部又は全部を粒子除去装置に導入
し、洗浄槽と粒子除去装置間を循環させて、洗浄液中の
粒子濃度を1重量%以下に制御しつつ洗浄する工程、お
よび リンス工程:5〜100℃のリンス液を用いてすすぎ洗
いを行う工程、 (4) リンス工程において、排出されるリンス排液
をその排液の曇点以上に加熱して油状成分を分離除去す
ることを特徴とする前記(3)記載の洗浄方法、 (5) 洗浄液が前記(1)又は(2)記載の洗浄剤
組成物である前記(3)又は(4)記載の洗浄方法、 (6) スライスしたウエハー又は板状物を、インゴ
ットのスライスベースより剥離して洗浄工程に付すこと
を特徴とする前記(3)〜(5)いずれか記載の洗浄方
法、 (7) スライスしたウエハー又は板状物を、インゴ
ットのスライスベースから剥離することなく洗浄工程に
付し、ついでリンス工程後、あるいはリンス工程後にさ
らに5〜100℃の水からなるリンス液を用いて仕上げ
リンスを行った後、インゴットを80℃以上の熱水中に
浸漬して該熱水中でウエハー又は板状物をスライスベー
スより剥離する工程、をさらに有することを特徴とす
る、前記(3)〜(5)いずれか記載の洗浄方法、に関
するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
1.洗浄剤組成物について (a)成分について (a)成分の炭化水素としては、炭素数10〜18のも
のであればいずれでもよく、例えばデカン、ドデカン、
テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、デセン、
ドデセン、テトラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン
等の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素;ノニ
ルベンゼン、ドデシルベンゼン等のアルキルベンゼン;
メチルナフタレン、ジメチルナフタレン等のナフタレン
化合物;シクロデカン、シクロドデセン等のシクロ系化
合物等が挙げられる。これらのうち、炭素数12〜18
の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素が好まし
く、特に洗浄性、ハンドリング等を考慮すると、オレフ
ィン系炭化水素が好ましい。
【0013】これらの炭化水素は、本発明の洗浄剤組成
物中の含有量が25〜65重量%であれば良く、30〜
60重量%であればより好ましい。切削油の洗浄性の観
点から25重量%以上が好ましく、リンス性やエポキシ
系接着剤の剥離性の観点から65重量%以下が好まし
い。
【0014】(b)成分について 本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分のうち、(b)
成分のアルキレンオキサイド化合物は一般式(I)で表
される。 R1 −O−(Ck 2kO)j −H (I) 一般式(I)中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基であ
り、kは2又は3の数を示し、jは1〜3の数を示す。
一般式(I)において、R1 は炭素数1〜8の炭化水素
基であるが、特に炭素数3〜6の炭化水素基であること
が好ましい。R1 の炭素数が8を越えると、水に対する
溶解性が悪くなったり、粘度も上昇するため、作業性が
悪くなる場合がある。R1 の炭化水素基の具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、アリル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、
2−エチルヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ベン
ジル基等が挙げられる。jは1〜3の数である。jが3
を越えると、粘度が上昇して、作業性が悪くなる場合が
ある。
【0015】かかるアルキレンオキサイド化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。モノエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル〔上記の化合物をそれぞれ(POE)1
モノメチルエーテル、(POE)2 モノメチルエーテ
ル、(POE)3 モノメチルエーテル、と略記する場合
がある。また、これらの化合物をまとめて(POE)1
3 モノメチルエーテルと略記する場合がある。なお、
同様の化合物等はそれに対応した表現で上記と同様に略
記する場合がある。〕、(POE)1 3 モノエチルエ
ーテル、(POE)1 3 モノプロピルエーテル、(P
OE)1 3 モノイソプロピルエーテル、(POE)1
3 モノアリルエーテル、(POE)1 3 モノブチル
エーテル、(POE)1 3 モノイソブチルエーテル、
(POE)1 3 モノヘキシルエーテル、(POE)1
3 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(POE)1
3 モノオクチルエーテル、(POE)1 3 モノフェニ
ルエーテル、(POE)1 3 モノベンジルエーテル等
のエチレングリコールモノエーテル類。
【0016】(POP)1 3 モノメチルエーテル、
(POP)1 3 モノエチルエーテル、(POP)1
3 モノプロピルエーテル、(POP)1 3 モノイソプ
ロピルエーテル、(POP)1 3 モノアリルエーテ
ル、(POP)1 3 モノブチルエーテル、(POP)
1 3 モノイソブチルエーテル、(POP)1 3 モノ
ヘキシルエーテル、(POP)1 3 モノ2−エチルヘ
キシルエーテル、(POP)1 3 モノオクチルエーテ
ル、(POP)1 3 モノフェニルエーテル、(PO
P)1 3 モノベンジルエーテル等のプロピレングリコ
ールモノエーテル類。なお、(POP)とは、エチレン
をプロピレンとする以外は、(POE)と同様の略号で
ある。
【0017】上記化合物のうち、(POE)1 3 モノ
メチルエーテル、(POE)1 3モノエチルエーテ
ル、(POE)1 3 モノイソプロピルエーテル、(P
OE)1 3 モノアリルエーテル、(POE)1 3
ノブチルエーテル、(POE)1 3 モノイソブチルエ
ーテル、(POE)1 3 モノヘキシルエーテル、(P
OE)1 3 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(PO
E)1 3 モノフェニルエーテル、(POE)1 3
ノベンジルエーテル、(POP)1 3 モノメチルエー
テル、(POP)1 3 モノエチルエーテル、(PO
P)1 3 モノプロピルエーテル、(POP)1 3
ノブチルエーテル、及び(POP)1 3 モノフェニル
エーテルが性能と入手の容易性の観点から好ましく用い
ることができる。尚、これらのアルキレンオキサイド化
合物は単独或いは併用しても何ら差し支えない。
【0018】(b)成分のアルキレンオキサイド化合物
は、洗浄剤組成物中の含有量が15〜45重量%であれ
ば良く、30〜40重量%であればより好ましい。これ
らの範囲外では、洗浄性、リンス性、油水分離性、エポ
キシ系接着剤の剥離性において、充分な性能が得られな
い場合がある。
【0019】(c)成分について 本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分のうち、(c)
成分のアルキレンオキサイド化合物は一般式(II)で表
される。 R2 −O−(Cm 2mO)n −R3 (II) 一般式(II)中、R2 、R3 は炭素数1〜8の炭化水素
基を示し、それぞれ同じであっても異なっていてもよ
い。mは2又は3の数を示し、nは1〜3の数を示す。
一般式(II)において、R2 、R3 は炭素数1〜8の炭
化水素基であるが、特に炭素数1〜4の炭化水素基であ
ることが好ましい。R2 、R3 の炭素数が8を越える
と、水に対する溶解性が悪くなったり、粘度も上昇する
ため、作業性が悪くなる場合がある。R2 、R3 の具体
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、アリル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシ
ル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、フェニル
基、ベンジル基等が挙げられる。nは1〜3の数である
ことが好ましい。nが3を越えると、粘度が上昇して、
作業性が悪くなる場合がある。
【0020】かかるアルキレンオキサイド化合物の具体
例としては、以下に示す化合物が挙げられる。(PO
E)1 3 ジメチルエーテル、(POE)1 3 ジエチ
ルエーテル、(POE)1 3 ジプロピルエーテル、
(POE)1 3 ジイソプロピルエーテル、(POE)
1 3 ジアリルエーテル、(POE)1 3 ジブチルエ
ーテル、(POE)1 3 ジイソブチルエーテル、(P
OE)1 3 ジヘキシルエーテル、(POE)1 3
2−エチルヘキシルエーテル、(POE)1 3 ジオク
チルエーテル、(POE)1 3 ジフェニルエーテル、
(POE)1 3 ジベンジルエーテル等のエチレングリ
コールジエーテル類(なお、R2 =R3 )。
【0021】(POE)1 3 エチルメチルエーテル、
(POE)1 3 イソプロピルメチルエーテル、(PO
E)1 3 ブチルメチルエーテル、(POE)1 3
キシルメチルエーテル、(POE)1 3 2−エチルヘ
キシルメチルエーテル、(POE)1 3 フェニルメチ
ルエーテル等のエチレングリコールジエーテル類(な
お、R2 ≠R3 )。
【0022】(POP)1 3 ジメチルエーテル、(P
OP)1 3 ジエチルエーテル、(POP)1 3 ジプ
ロピルエーテル、(POP)1 3 ジイソプロピルエー
テル、(POP)1 3 ジアリルエーテル、(POP)
1 3 ジブチルエーテル、(POP)1 3 ジイソブチ
ルエーテル、(POP)1 3 ジヘキシルエーテル、
(POP)1 3 ジ2−エチルヘキシルエーテル、(P
OP)1 3 ジオクチルエーテル、(POP)1 3
フェニルエーテル、(POP)1 3 ジベンジルエーテ
ル等のプロピレングリコールジエーテル類(なお、R2
=R3 )。
【0023】(POP)1 3 エチルメチルエーテル、
(POP)1 3 イソプロピルメチルエーテル、(PO
P)1 3 ブチルメチルエーテル、(POP)1 3
キシルメチルエーテル、(POP)1 3 2−エチルヘ
キシルメチルエーテル、(POP)1 3 フェニルメチ
ルエーテル等のプロピレングリコールジエーテル類(な
お、R2 ≠R3 )。
【0024】上記化合物のうち、(POE)1 3 ジメ
チルエーテル、(POE)1 3 ジエチルエーテル、
(POE)1 3 ジイソプロピルエーテル、(POE)
1 3ジブチルエーテル、(POE)1 3 ジヘキシル
エーテル、(POE)1 3 ジフェニルエーテル、(P
OE)1 3 エチルメチルエーテル、(POE)1 3
イソプロピルメチルエーテル、(POE)1 3 ブチル
メチルエーテル、(POP)1 3 ジメチルエーテル、
(POP)1 3 ジエチルエーテル、(POP)1 3
ジイソプロピルエーテル、(POP)1 3 ジブチルエ
ーテル、(POP)1 3 ジヘキシルエーテル、(PO
P)1 3 ジフェニルエーテル、(POP)1 3 エチ
ルメチルエーテル、(POP)1 3 イソプロピルメチ
ルエーテル、(POP)1 3 イソプロピルエチルエー
テル、(POP)1 3 ブチルメチルエーテルが性能と
入手の容易性の観点から好ましく用いることができる。
尚、これらのアルキレンオキサイド化合物は単独或いは
併用しても何ら差し支えない。
【0025】(c)成分のアルキレンオキサイド化合物
は、洗浄剤組成物中の含有量が5〜15重量%であれば
良く、6〜13重量%であればより好ましい。これらの
範囲外では、洗浄性、リンス性、エポキシ系接着剤の剥
離性において、充分な性能が得られない場合がある。
(b)成分のアルキレンオキサイド化合物は、例えば炭
素数1〜8のアルコールに苛性ソーダ等の触媒の存在
下、加熱しながら炭素数2〜3のアルキレンオキサイド
(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を液状
又は気体状で加えて反応させることにより得られる。ま
た、更にこれらのアルキレンオキサイド付加物の末端水
酸基をアルキルクロライド等を用いてアルキル化すれ
ば、(c)成分のジアルキルエーテルを得ることができ
る。
【0026】本発明の洗浄剤組成物において、成分
(a)と成分((b)+(c))との重量比(a)/
〔(b)+(c)〕は0.50〜3.20であり、好ま
しくは0.60〜3.16である。これらの範囲外で
は、洗浄性、エポキシ系接着剤の剥離性において、充分
な性能が得られない場合がある。
【0027】(d)成分について 本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分のうち、(d)
成分の平均HLB4〜18の非イオン性界面活性剤の具
体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。(PO
E)1 40オクチルエーテル、1〜40量体のエチレン
オキサイドと炭素数が12〜14の合成アルコールのエ
ーテル((POE)1 40炭素数12〜14合成アルコ
ールエーテルと略記する。)、(POE)1 47ラウリ
ルエーテル、(POE)2 20セチルエーテル、(PO
E)2 30ステアリルエーテル、(POE)2 35オレ
イルエーテル、(POE)2 40オクチルフェニルエー
テル、(POE)2 45ノニルフェニルエーテル等のポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類;
【0028】ソルビタンモノラウリルエステル、ソルビ
タンモノパルミチルエステル、ソルビタンモノステアリ
ルエステル、ソルビタンモノオレイルエステル等のソル
ビタンモノアルキルエステル類;(POE)1 25ソル
ビタンモノラウリルエステル、(POE)1 25ソルビ
タンモノパルミチルエステル、(POE)1 30ソルビ
タンモノステアリルエステル、(POE)1 30ソルビ
タンモノオレイルエステル等のポリオキシエチレンソル
ビタンモノアルキルエステル類;(POE)1040ソル
ビタントリステアリルエステル、(POE)1040ソル
ビタントリオレイルエステル等のポリオキシエチレンソ
ルビタントリアルキルエステル類等が挙げられる。
【0029】上記の化合物のうち、(POE)5 9
素数12〜14合成アルコールエーテル、(POE)4
10ラウリルエーテル、(POE)5 8 セチルエーテ
ル、(POE)1015ステアリルエーテル、(POE)
5 15オレイルエーテル、(POE)6 10オクチルフ
ェニルエーテル、(POE)5 13ノニルフェニルエー
テル、ソルビタンモノラウリルエステル、ソルビタンモ
ノパルミチルエステル、ソルビタンモノステアリルエス
テル、ソルビタンモノオレイルエステル、(POE)5
20ソルビタンモノラウリルエステル、(POE)5
20ソルビタンモノパルミチルエステル、(POE)5
20ソルビタンモノステアリルエステル、(POE)5
20ソルビタンモノオレイルエステル、(POE)1530
ソルビタントリステアリルエステル、(POE)1530
ソルビタントリオレイルエステルが洗浄性及びリンス性
の点から好ましく用いられる。
【0030】(d)成分の平均HLB4〜18の非イオ
ン性界面活性剤は、洗浄剤組成物中の含有量が5〜30
重量%であれば良く、含有量が10〜25重量%であれ
ばより好ましい。これらの範囲外では、洗浄性、リンス
性、エポキシ系接着剤の剥離性において、充分な性能が
得られない場合がある。
【0031】(e)成分について 本発明の洗浄剤組成物で用いられる成分のうち、(e)
成分の水は安全性及び洗浄性の観点から、洗浄剤組成物
中の含有量が3〜15重量%であれば良く、含有量が5
〜10重量%であればより好ましい。ここで用いられる
水は、本発明の洗浄剤組成物の効果を損なわないもので
あれば特に限定されるものではなく、超純水、純水、イ
オン交換水、蒸留水、通常の水道水等が用いられる。
【0032】本発明の洗浄剤組成物においては、本発明
の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常洗浄剤
組成物に用いられる、ヒドロキシエチルアミノ酢酸、ヒ
ドロキシエチルイミノ2酢酸、エチレンジアミンテトラ
酢酸等のアミノカルボン酸塩等のキレート力を持つ化合
物、防腐剤、防錆剤、シリコーン等の消泡剤、酸化防止
剤、ヤシ脂肪酸メチルや酢酸ベンジル等のエステル、炭
化水素系溶剤、アルカノールアミン類あるいはアルコー
ル類等を適宜併用することができる。本発明の洗浄剤組
成物は、前記(a)〜(e)成分及び任意成分等を常法
により混合することにより、製造することができる。
【0033】また、本発明の洗浄剤組成物の曇点は5〜
100℃であれば好ましく、10〜90℃であればより
好ましい。本明細書において洗浄剤組成物の曇点とは、
測定の対象となる洗浄剤組成物をイオン交換水で20倍
に希釈して得られる希釈液を1℃/分の昇温速度で温度
を上げたとき、該希釈液が濁り出す温度をいう。
【0034】2.洗浄方法について 本発明の洗浄方法は、スライスしたウエハー又は板状物
を洗浄剤組成物又はその水性溶液を用いて洗浄する洗浄
工程とすすぎ洗いをするリンス工程を有する洗浄方法に
おいて、 洗浄工程:洗浄液の一部又は全部を粒子除去装置に導入
し、洗浄槽と粒子除去装置間を循環させて、洗浄液中の
粒子濃度を1%以下に制御しつつ洗浄する工程、および リンス工程:5〜100℃のリンス液を用いてすすぎ洗
いを行う工程、 を有することを特徴とする。
【0035】(1) 洗浄工程について 洗浄工程においては、洗浄液として特に限定されるもの
ではないが、本発明の洗浄剤組成物又はその水性溶液を
用いることができる。水性溶液中の洗浄剤組成物の濃度
は、ウエハー又は板状物の汚染の程度に応じて適宜調整
可能である。洗浄工程の物理力は特に限定されないが、
例えば、浸漬法、超音波洗浄法、浸漬揺動法、スプレー
法、手拭き法等の各種の洗浄方法を単独又は組み合わせ
て行うことができる。また、洗浄時間はウエハー又は板
状物の汚染の程度に応じて適宜調整可能であり、一般的
には3〜20分間程度から選ばれる。なお、洗浄時の洗
浄液の温度は、50〜80℃が好適であり、洗浄性及び
水分蒸発量の低減の観点より60〜70℃がより好まし
い。
【0036】洗浄工程においては、切断時に発生する砥
粒や切断粉等の粒子汚れや、切削油等の油性汚れが除去
される。このとき、洗浄液中の粒子汚れの濃度(粒子濃
度)が高まると洗浄物理力が充分に活用されず、粒子汚
れの拡散も阻止されるため洗浄能力が低下する。したが
って、洗浄が行われる洗浄槽の洗浄液、即ち、洗浄剤組
成物又はその水性溶液の一部又は全部を粒子除去装置に
導入し、洗浄槽と当該装置間を循環させて粒子汚れを除
去し、洗浄液中の粒子濃度を、洗浄に悪影響を与えない
濃度以下に制御すれば良い。かかる粒子濃度としては、
洗浄液中1重量%以下であれば好ましく、0.9重量%
以下がより好ましい。かかる態様においては、洗浄液は
洗浄槽と粒子除去装置間を循環して再利用されるので、
経済的に有利である。
【0037】本発明に用いられる粒子除去法として、濾
過法、沈降分離法、遠心分離法、浮上分離法、蒸留法等
を用いることができ、適用に際しては特に限定されるも
のではないが、濾過、沈降分離、遠心分離が工業的装置
の汎用性の面から好ましい。
【0038】粒子除去に用いられる濾過法として、重力
式、真空式、加圧式、圧搾式のいずれも用いることがで
き、重力式では、ロータリースクリーン、砂濾過機、ヌ
チェフィルター等、真空式では、ドラムフィルター、ヤ
ングフィルター、ディスクフィルター、ホリゾンタルフ
ィルター、水平ベルトフィルター、ヌッチェフィルタ
ー、リーフフィルター等、加圧式では、加圧型プレコー
トフィルター、加圧型スクレーパーディスチャージフィ
ルター、バグフィルター、フィルタープレス、シュナイ
ダーフィルター、自動ヌッチェ型フィルター等、圧搾式
では、ベルトプレス、スクリュープレス、チューブプレ
ス、マルスプレス等の装置を使用することができる。
【0039】粒子除去に用いる沈降分離法として、水平
流型重力沈降槽、上昇流型重力沈降槽、傾斜管沈降槽、
傾斜板沈降槽、中心駆動型式円形沈降槽、多段シックナ
ー、ピケット付シックナー、連続シックナー等を用いる
ことができる。粒子除去に用いる遠心分離法として、遠
心沈降式、遠心脱水式等のいずれも用いることができ、
遠心沈降式では、遠心沈降型、円筒型、分離板型、バス
ケット型、デカンター型、湿式サイクロン、遠心脱水式
では、サイホン型、バスケット型、押し出し型、スクリ
ュー型、自動排出型、振動型の装置を使用することがで
き、更に上市されている機器としては、月島ハードデカ
ンタ遠心分離機(月島機械(株)製)、シャープレスス
ーパーデカンタ(巴工業(株)製)、横型連続遠心分離
機((株)田辺鉄工所製)、スクリューデカンタ型遠心
分離機(石川島播磨工業(株)製)、スクリューデカン
タ型遠心分離機((株)関西遠心分離機製作所製)、ケ
ムコフンボルトデカンタ(コトブキ技研工業(株)
製)、超遠心分離機(ハイデン(株)製)、ノズルセパ
レーター((株)アサヒ製作所製)、ディスク型遠心分
離機(アルファラバル(株)製)、ディスクセパレータ
ー(三菱化工機(株)製)、シャープレススーパーセン
トリフュージ(巴工業(株)製)、KS型超高速遠心分
離機((株)関西遠心分離機製作所製)、ソリッドボウ
ルセパレーター(斉藤遠心機工業(株)製)、サイトウ
オートマチックディスラシャー(斉藤遠心機工業(株)
製)、湿式サイクロン分級装置((株)大石機械製作所
製)等が挙げられる。遠心沈降式の中で特に、湿式サイ
クロンは、粒子の分級機能を有しているため、洗浄剤組
成物中の混合粒子から希望する特定粒度の粒子を除去す
ることができ、粒子の回収再利用に使用することが可能
である。
【0040】粒子除去機に用いる浮上分離法としては、
気泡浮上分離式、加圧浮上式、電解浮上式等の装置を使
用することができる。粒子除去機に用いる蒸留法として
は、回分精留、連続精留等を用いることができる。
【0041】(2) リンス工程について リンス工程は、ウエハー等に付着した洗浄液や残留した
油性汚れ及び粒子汚れ等をすすぎ洗いする工程である。
リンス液としては、かかる成分を除去できるものであれ
ば特に限定されないが、例えば超純水、純水、イオン交
換水、蒸留水、通常の水道水等がリンス性の面から好ま
しい。また、リンス排液から油状成分を分離、除去した
液を循環使用しても良い。即ち、リンス排液を清浄化し
てリンス液として再利用することになるため、排水処理
性の面から好適である。
【0042】すすぎ洗いは、5〜100℃のリンス液を
用い、浸漬法、超音波洗浄法、浸漬揺動法、スプレー
法、手拭き法等のリンス方法で行われる。リンス液の温
度は5〜100℃が好ましく、この範囲外の温度はコス
ト、設備等を考慮すると好ましくない。リンス性の面か
らは、特に好ましい温度は洗浄剤組成物の曇点以下の温
度である。また、すすぎ洗いの時間はウエハー又は板状
物の汚染の程度に応じて適宜調整可能であり、一般的に
は3〜20分間程度から選ばれる。
【0043】リンス排液から洗浄液や汚染物質などの油
状成分を分離、除去する為には、リンス排液をその曇点
以上、より好ましくは曇点より5℃以上高い温度に加
熱、保持すれば良い。この加熱によりリンス排液中の洗
浄剤組成物由来の非イオン性界面活性剤は水溶性を失
い、またリンス排液中に乳化又は溶解していた油性汚れ
はこれにより分離する。すなわち、曇点未満の温度で
は、油性汚れが非イオン性界面活性剤等の洗浄剤成分に
より可溶化又は乳化され、リンス液中で安定化されてい
る。しかし、曇点以上になると、非イオン性界面活性剤
は水溶性を失い、分離してくる。この結果、リンス排液
中に可溶化していた油性汚れを水中に保持することがで
きず、油性汚れはその比重の大小により水に浮いたり沈
んだりして分離する。また、非イオン性界面活性剤自身
も水溶性を失って水中から分離する。
【0044】分離された、油性汚れや洗浄液等の油状成
分の除去は、リンス排液の受槽又は分離のための専用槽
にて、槽の上部又は下部に集まった油状成分をすくい取
る方法、連続的に抜き取る方法、分離膜の補助設備を利
用する方法等、種々の方法を用いることができる。これ
らの分離を効率よく行うことにより、リンス排液は清浄
化され、再びリンス液として再使用、すなわち循環使用
することができる。循環使用にあっては、必要によりリ
ンス液中の水溶性イオンや活性剤等の有機物の除去のた
め、イオン交換処理や活性炭による吸着処理あるいは膜
分離等の処理をしてもよい。なお、リンス排液の曇点
は、リンス排液を希釈せず、そのまま洗浄剤組成物の曇
点の測定と同様にして測定した温度をいう。この曇点は
洗浄剤組成物の曇点とほぼ同じである。
【0045】本発明においては、上記の工程により洗
浄、リンスされたウエハー又は板状物を、さらに5〜1
00℃の水からなるリンス液を用いて仕上げリンスを行
っても良い。
【0046】本発明の洗浄方法において、ウエハー又は
板状物は、スライスベースから剥離され、カセット等に
入れられた状態で洗浄(態様−1)しても良く、処理工
程の簡略化と洗浄時間の短縮のためにスライスベースを
介してインゴットの状態で洗浄(態様−2)しても良
い。態様−1において、スライスしたウエハー又は板状
物をインゴットのスライスベースより剥離する方法とし
ては、90℃以上の酢酸水溶液又は熱水に浸漬する等の
通常行われる公知の方法を用いることができる。態様−
2においては、インゴットの状態で洗浄を行った後、ウ
エハー又は板状物をスライスベースより剥離を行う。こ
の場合、リンス工程後、あるいは仕上げリンスを行った
後、剥離を行う工程を設ければ良い。本発明の洗浄剤組
成物はエポキシ系接着剤を膨潤、剥離する機能を有する
ため、従来法のように酢酸を使用する必要はなく、80
℃以上、好ましくは85℃以上の熱水中に浸漬して接着
剤の軟化効果を併用することにより、より短時間での剥
離が可能である。剥離工程で物理力は特に必要ではない
が、例えば、バブリング、超音波、揺動、液中噴流等の
各種の物理力を単独又は組み合わせて行うこともでき
る。以上のような本発明の洗浄剤組成物および洗浄方法
は、シリコン、ガリウム・砒素、ガリウム・燐等の半導
体・結晶材料、水晶、石英、ガラス、圧電材料等の電子
部品関連材料、フェライト、サマリウム・コバルト等の
磁性材料、磁気ヘッド等の磁気材料、セラミックス等の
ウエハー又は板状物をインゴット又は柱状物からスライ
スして製造する際に特に有用である。
【0047】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0048】実施例1〜10及び比較例1〜10 下記の表1〜4に示す洗浄剤組成物をそれぞれ調製し、
各々について、洗浄性、油状成分分離性、エポキシ系接
着剤の剥離性を次のように評価した。なお、表中の各成
分の配合量は重量部で示した。
【0049】(1) 洗浄性 ワイヤソーでスライスされた8インチシリコーンウエハ
ーの片面に、粒子混入油性汚れのモデル汚れとして、ワ
イヤソーオイル:PS−LW−1(パレス化学(株)
製)と緑色炭化ケイ素研磨材:GC#600((株)フ
ジミインコーポレーテッド)を50:50の重量比で混
合したものを、バーコーターで約200μmの厚みに均
一に塗布する。200μm×1cm×1cmのガラス板
2枚をスペーサーとして使用し、もう一枚のウエハーで
挟む。スペーサー部分をクリップで止めて、洗浄試験用
のテストピースとした。表1〜4に示す組成の洗浄剤組
成物によって、下記条件で洗浄試験を行った後、ウエハ
ーを開けて、それぞれのウエハー上の粒子混入油性汚れ
の除去面積率(%)を目視で判定し、2枚の平均値をと
って、洗浄率(%)とした。洗浄は、洗浄剤組成物を用
いて60℃、15分で浸漬超音波洗浄した。リンスは、
イオン交換水を用いて25℃、15分で浸漬超音波洗浄
した。仕上げリンスは、イオン交換水を用いて25℃、
15分で浸漬超音波洗浄した。洗浄率判定は、目視判定
で行った。尚、洗浄剤組成物中の粒子濃度は、粒子とし
て所定濃度になるように、モデル汚れを洗浄剤組成物に
混合して、調整した。
【0050】(2) 油状成分分離性 <曇点の測定>表1〜4に示す組成の洗浄剤組成物のそ
れぞれをイオン交換水で20倍に希釈して、曇点を測定
した。 <油状成分分離率>洗浄性試験の際の使用後リンス排液
を、対応する洗浄剤組成物の曇点より10〜20℃の高
い温度(最高温度は100℃以下)とし、30分間静置
した。この時、実施例においては油状成分が上層に分離
された。この水層をサンプリングしてそのCOD(化学
的酸素要求量)を測定し(A値)、加熱処理前のリンス
排液のCOD(B値)と比較し、油状成分分離率〔(B
値−A値)÷(B値)〕×100(%)を算出した。
【0051】(3) エポキシ系接着剤の剥離性 1cm×6cm×15cmのガラス板に、エポキシ系接
着剤:W−ボンドNC−15K(日化精工(株)製、主
剤/硬化剤=2/1で混合、90℃、1時間接着硬化処
理)にて、ウエハー3枚を、1cm間隔で、オリフラ部
分を接着し、このものを剥離試験のテストピースとし
た。洗浄試験と同様の洗浄処理を行った後、表中に示す
温度のイオン交換水に浸漬し、3枚のウエハーが全て剥
離落下するまでの時間を測定し、剥離時間(分)とし
た。以上の結果を表1〜4に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】上記の結果から、本発明の洗浄剤組成物
は、洗浄性、油状成分分離性、エポキシ系接着剤の剥離
性が優れたものであることが分かった。特に、ウエハー
の間隔が200μmであっても優れた洗浄性を示すこと
から、インゴットの状態のままでウエハー等を洗浄でき
ることが示された。一方、各成分の含有量が本発明の範
囲外の洗浄剤組成物は、洗浄性がいずれも悪いものであ
った(比較例1〜8)。さらには、接着剤の剥離時間が
長い例もあった。また、実施例9と比較例9から、洗浄
の際の粒子濃度が所定の範囲より高い場合、洗浄性が落
ちることが分かった。実施例10と比較例10からは、
エポキシ系接着剤の剥離の際の熱水温度が所定の範囲以
下の場合、剥離時間が長くなることが分かった。
【0057】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物は、洗浄性、油状
成分分離性、エポキシ系接着剤の剥離性に優れたもので
ある。かかる洗浄剤組成物を用いる本発明の洗浄方法
は、ウエハー又は板状物をインゴットの状態で洗浄でき
るため効率的であり、洗浄剤の性能維持の長時間化や排
水処理負荷の低減化が図ることができるため経済的であ
り、さらに酢酸や灯油を用いないため安全性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 7/24 C11D 7/24 7/26 7/26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)〜(e): (a)炭素数10〜18の炭化水素 25〜65重量%; (b)一般式(I) R1 −O−(Ck 2kO)j −H (I) (式中、R1 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、kは2又は3の数を示し、j は1〜3の数を示す。) で表されるアルキレンオキサイド化合物 15〜45重量%; (c)一般式(II) R2 −O−(Cm 2mO)n −R3 (II) (式中、R2 、R3 は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それぞれ同じであって も異なっていてもよい。mは2又は3の数を示し、nは1〜3の数を示す。) で表されるアルキレンオキサイド化合物 5〜15重量%; (d)平均HLB4〜18の非イオン性界面活性剤 5〜30重量%; (e)水 3〜15重量%; を含有し、成分(a)と成分((b)+(c))との重
    量比(a)/〔(b)+(c)〕が0.50〜3.20
    であることを特徴とする、スライスしたウエハー又は板
    状物の洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 洗浄剤組成物をイオン交換水で20倍に
    希釈して得られる希釈液を1℃/分の昇温速度で温度を
    上げたとき、該希釈液が濁り出す温度を曇点とする場
    合、該曇点が5〜100℃である請求項1記載の洗浄剤
    組成物。
  3. 【請求項3】 スライスしたウエハー又は板状物を洗浄
    剤組成物又はその水性溶液を用いて洗浄する洗浄工程と
    すすぎ洗いをするリンス工程を有する洗浄方法におい
    て、次の工程を有することを特徴とするスライスしたウ
    エハー又は板状物の洗浄方法。 洗浄工程:洗浄液の一部又は全部を粒子除去装置に導入
    し、洗浄槽と粒子除去装置間を循環させて、洗浄液中の
    粒子濃度を1重量%以下に制御しつつ洗浄する工程、お
    よび リンス工程:5〜100℃のリンス液を用いてすすぎ洗
    いを行う工程、
  4. 【請求項4】 リンス工程において、排出されるリンス
    排液をその排液の曇点以上に加熱して油状成分を分離除
    去することを特徴とする請求項3記載の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 洗浄液が請求項1又は2記載の洗浄剤組
    成物である請求項3又は4記載の洗浄方法。
  6. 【請求項6】 スライスしたウエハー又は板状物を、イ
    ンゴットのスライスベースより剥離して洗浄工程に付す
    ことを特徴とする請求項3〜5いずれか記載の洗浄方
    法。
  7. 【請求項7】 スライスしたウエハー又は板状物を、イ
    ンゴットのスライスベースから剥離することなく洗浄工
    程に付し、ついでリンス工程後、あるいはリンス工程後
    にさらに5〜100℃の水からなるリンス液を用いて仕
    上げリンスを行った後、インゴットを80℃以上の熱水
    中に浸漬して該熱水中でウエハー又は板状物をスライス
    ベースより剥離する工程、をさらに有することを特徴と
    する、請求項3〜5いずれか記載の洗浄方法。
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