JPH09223512A - 燃料電池の異常監視方法及びその装置 - Google Patents

燃料電池の異常監視方法及びその装置

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JPH09223512A
JPH09223512A JP8028827A JP2882796A JPH09223512A JP H09223512 A JPH09223512 A JP H09223512A JP 8028827 A JP8028827 A JP 8028827A JP 2882796 A JP2882796 A JP 2882796A JP H09223512 A JPH09223512 A JP H09223512A
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fuel
fuel cell
oxidant
temperature
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Akihiko Asano
明彦 浅野
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料電池内部の発生電流密度分布が正確に計測
され、燃料電池の動作の異常の有無が的確に把握される
異常監視方法、およびその装置を得る。 【解決手段】燃料電池21の内部に熱電対23を分散配
置し、電子負荷装置22により燃料電池21の負荷電流
を時間的に変化させ、熱電対23で検出された温度出力
をマルチプレクサ24で選択し、その交流成分を交流電
圧計26で測定して分布を求め、負荷電流を面内で比例
配分することにより電流密度の面内分布を把握し、その
異常の有無により燃料電池21の内部の異常を把握す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リン酸型、固体
高分子電解質膜型等の燃料電池の、電極面内における発
電電流密度の異常の監視方法、およびその異常監視装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、リン酸型燃料電池の単セルの基
本構成を模式的に示す斜視図である。リン酸を担持した
マトリックスからなる平板状の電解質層3を、酸化剤電
極触媒層2および酸化剤電極基材1からなる酸化剤電極
と、燃料電極触媒層4および燃料電極基材5からなる燃
料電極とにより挟持して構成されており、酸化剤電極基
材1の外面には空気等の酸化剤ガスを通流する複数の酸
化剤ガス通流溝1aが形成され、また燃料電極基材5の
外面には水素等の燃料ガスを通流する複数の燃料ガス通
流溝5aが酸化剤ガス通流溝1aと直交方向に形成され
ている。このように構成された単セルを積層してリン酸
型燃料電池が形成されている。
【0003】このような構成においては、燃料ガス通流
溝5aを流れる燃料ガス中の水素濃度、および酸化剤ガ
ス通流溝1aを流れる空気中の酸素濃度は、面内での電
気化学反応に伴って、出口側に行くほど低下することと
なるので、面内での発電電流密度も、各ガスの入口から
出口に行くに従って低下することとなる。発電電流密度
が高い部分では発熱が大きく、発電電流密度が低い部分
では発熱が小さくなるので、燃料ガス入口と空気入口に
近接した部分では電池温度が相対的に高温となり、燃料
ガス出口と空気出口に近接した部分では相対的に低温と
なる。このようにして生じる温度分布が過大になると、
マトリックス中のリン酸が、高温部分では蒸発し、低温
部分では凝縮して、面内でリン酸が移動する現象が生じ
る原因となる。この現象が長期にわたり継続すると、面
内でリン酸の過剰部分、不足部分が生じ、燃料電池の寿
命を低下させる原因となる。したがって、発電電流密度
の差異が過大とならないよう監視する必要がある。
【0004】また、製造段階で生じる品質のバラツキも
面内の発電電流密度の分布を形成する要因となるが、そ
の分布が正常範囲内か否かを評価、把握することは、燃
料電池の品質管理上も重要な課題である。このように、
燃料電池における発電電流密度の分布は、燃料電池の特
性を評価する上で重要な指標である。
【0005】従来、燃料電池の面内および積層方向での
発生電流密度分布を計測する方法としては、例えばリン
酸型燃料電池について堤らが、電気学会論文誌 B、第
109巻4号(1989年)、p.169 に発表している方法が知
られている。図10は、彼らによる燃料電池の電流密度
分布の計測方法を示す燃料電池の要部断面図である。図
において、11は紙面の左右方向に酸化剤ガス通流溝1
1aを備えた第一セルの陰極(酸化剤電極)、13は紙
面の鉛直方向に燃料ガス通流溝13aを備えた第二セル
の陽極( 燃料電極)、14は第二セルの電解質層、15
は紙面の左右方向に酸化剤ガス通流溝15aを備えた第
二セルの陰極、17は紙面の鉛直方向に燃料ガス通流溝
17aを備えた第三セルの陽極であり、12は第一セル
と第二セルとを気密に分離する分離板、16は第一セル
と第二セルとを気密に分離する分離板である。本構成に
おいて、図のように、酸化剤ガス通流溝11aと燃料ガ
ス通流溝17aの所定位置に一対の電位測定線を挿入し
て電圧Vs を測定し、さらに燃料ガス通流溝13aと酸
化剤ガス通流溝15aの上記の所定位置に相対する位置
に一対の電位測定線を挿入して電圧Ve を測定して、第
二セルにおける上記の所定位置での抵抗電位降下を(V
s −Ve )/2により求める。さらに、このようにして
得られる抵抗電位降下と電流密度が比例関係にあるもの
として、電流密度を評価する。電位測定線による測定点
を変えて面内および積層方向の各所定位置での抵抗電位
降下を測定することにより、面内および積層方向の電流
密度の分布が評価されることとなる。
【0006】この他、本発明者による、燃料ガス中の水
素濃度の分布、あるいは酸化剤ガス中の酸素濃度分布を
測定し、その分布より電流密度分布を求めて、燃料電池
内部の異常を監視する方法(特願平7−26414号参
照)がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
燃料電池の異常監視においては、燃料電池内部の抵抗電
位降下を測定し、その値より電流密度を評価して異常を
監視する方法が採られている。しかしながら本方法で
は、抵抗電位降下の測定の際、電流が流れる経路、面積
が、抵抗電位降下の測定位置によって異なり、かつ不明
であるため、抵抗電位降下を正確に電流密度に換算する
ことは不可能である。したがって、本測定方法で得られ
る電流密度分布の面内分布は多大の誤差を伴うので、本
測定方法の電流密度による燃料電池の異常監視方法は正
確さに欠けるという問題点がある。
【0008】また、燃料ガス中の水素濃度の分布、ある
いは酸化剤ガス中の酸素濃度分布より電流密度分布を求
めて燃料電池内部の異常を監視する方法においては、燃
料電池内部に例えばステンレス細管を挿入してサンプル
ガスを採取し分析する方法が採られるので、面内の分布
を求めるのにある程度の時間が必要となるという難点が
ある。
【0009】この発明は、上記のごとき従来技術の難点
を考慮してなされたもので、簡便な方法により、燃料電
池の面内および積層方向の発生電流密度分布が正確に計
測され、燃料電池の動作の異常の有無が的確に監視され
る燃料電池の異常監視方法、およびその装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、(1) 燃料電極触媒層および燃
料電極基材からなる燃料電極と、酸化剤電極触媒層およ
び酸化剤電極基材からなる酸化剤電極と、燃料電極およ
び酸化剤電極に挟持される電解質層とからなるセルが、
複数積層されてなり、燃料電極に備えた燃料ガス通流溝
に燃料ガスを通流し、酸化剤電極に備えた酸化剤ガス通
流溝に酸化剤ガスを通流し、これらの反応ガスの反応エ
ネルギーを電気化学的な作用により電力に変換する燃料
電池において、燃料電池の負荷電流を時間的に変化さ
せ、燃料電極基材または酸化剤電極基材、反応ガス通流
溝、電解質層からなる群から選ばれるいずれかの面内の
任意位置における温度を測定し、負荷電流の時間的変化
に追従する温度の時間変化量から、その位置における発
生熱量を求めることにより、面内における発電電流密度
分布を計測し、その異常を検知して燃料電池の異常を監
視することとする。また、(2) 燃料電極触媒層および燃
料電極基材からなる燃料電極と、酸化剤電極触媒層およ
び酸化剤電極基材からなる酸化剤電極と、燃料電極およ
び酸化剤電極に挟持される電解質層とからなるセルが、
複数積層されてなり、燃料電極に備えた燃料ガス通流溝
に燃料ガスを通流し、酸化剤電極に備えた酸化剤ガス通
流溝に酸化剤ガスを通流し、これらの反応ガスの反応エ
ネルギーを電気化学的な作用により電力に変換する燃料
電池において、燃料電池の異常監視装置を、上記の燃料
電極基材または酸化剤電極基材、反応ガス通流溝、電解
質層からなる群から選ばれるいずれかの面内の任意位置
における温度を測定する温度測定素子、例えば熱電対
と、この温度測定素子の検出出力の交流成分を計測する
測定器と、上記の燃料電池の負荷電流を制御する電子負
荷装置とを備えて構成することとする。
【0011】上記(1) のごとき方法を用いれば、負荷電
流の時間的変化に追従する温度の時間変化量から、電極
面内の任意の位置における発生熱量を原理的に算出可能
であり、一方、燃料電池の各部の発生熱量はある近似の
下で発電電流密度に比例するため、該位置における発電
電流密度を求めることが可能である。従って、電極面内
における発電電流密度分布を求めることができ、燃料電
池内の異常の有無を検知することができる。
【0012】本方法においては、以下に説明する原理に
基づいて、負荷電流の時間的変化にともなう温度の時間
変化量から、その位置の発生熱量を知ることができるこ
ととなる。すなわち、図9に示したごときリン酸型燃料
電池の単セルの、負荷電流密度J〔kA/m2 〕に対する端
子電圧V〔V〕の変化、すなわち電圧−電流密度特性
(V−J特性)は、図11のごとくとなる。負荷電流密
度Jの増加に伴い、内部抵抗等の影響で端子電圧Vは低
下する。単位面積あたりの発電電力密度P1 〔W/m2〕お
よび損失電力密度P2 〔kW/m2 〕はそれぞれ次式で表さ
れる。
【0013】
【数1】P1 =J×V (1) P2 =J×(1.23−V) (2) P2 は燃料電池内部で発生する熱量に等しいので、式
(2) と図11のV−J特性を合わせ見ることにより、電
流密度Jの増加により発生熱量も増加することが分か
る。特に図9に示すような構造のリン酸型燃料電池で基
材の抵抗率が十分小さい場合には、電極面内での端子電
圧が数mVの範囲内でほぼ一定となるので、発電電力密度
1 と発生熱量密度は電流密度Jにほぼ比例することに
なる。
【0014】さて、電極面内で電流密度Jの分布が存在
する場合には損失電力による熱量分布が形成される。こ
の熱量分布と境界条件で決まる温度分布が面内の定常的
な温度分布となる。一方、図4に例示するように、負荷
電流に例えば交流的な変調をかけた場合には、面内各点
の温度分布は時間的に平均した電流密度JDCで決まる定
常的な温度分布TDCと変調電流密度JACに同期した交流
成分TACの和で表される。温度の交流成分の分布は変調
周波数によって決まる交流的な熱拡散長μ〔m〕によっ
て決まるので、定常的な温度分布からは独立である。こ
こで物質の熱拡散長μ〔m〕は、熱伝導率をk〔W/m K
〕、密度をρ〔kg/m3 〕、熱容量をC〔J/m3〕、変調
周波数をf〔Hz〕、円周率をπとすると、次式で与えら
れる。
【0015】
【数2】μ =〔k/(πfρC)〕1/2 (3) すなわち、変調周波数fが高いほど熱拡散長が短くな
り、境界条件よりも熱源の分布で温度分布が決定される
ことになる。つまり、十分に高い周波数で負荷電流を変
調した場合には、これに伴って生じる温度の交流成分の
分布を、発生熱量分布、したがって電流密度分布と見做
すことができる。
【0016】また、上記(2) のごとく、燃料電池の電極
基材またはガス通流溝または電解質層のいずれかの温度
を測定する、例えば熱電対からなる温度測定素子と、温
度測定素子の検出出力の交流成分を計測する測定器と、
燃料電池の負荷電流を制御する電子負荷装置とを備えて
燃料電池の異常監視装置を構成すれば、電子負荷装置で
高い周波数で変調した負荷電流が燃料電池に印加され、
生じた温度変動が温度測定素子で検出され、その交流成
分が測定器で計測されて、電流密度が知られることとな
るので、燃料電池内で生じた異常を的確に把握すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の燃料電池の異常監
視方法およびその装置の実施の形態を図面を用いて説明
する。図1は、本発明の燃料電池の異常監視方法に用い
られる異常監視装置の基本構成を示す模式図で、21は
実験的に製作された燃料電池、22は燃料電池の負荷電
流を制御する電子負荷装置、23は燃料電池に挿入され
た温度測定用の熱電対、24は熱電対の出力電圧を選択
するマルチプレクサ、25は選択された熱電対の出力電
圧の直流分を測定する直流電圧計、26は選択された熱
電対の出力電圧の交流分を測定する交流電圧計である。
【0018】燃料電池21は、リン酸型燃料電池で、図
2に示すように5個の単セル、第1セル31〜第5セル
35を積層し、上下にそれぞれ冷却板36を配置して形
成されている。積層された5個の単セルはいずれも図9
に示したごとき構成よりなるもので、燃料電池の電極面
積は1m2 (1m×1m)、そのうち発電領域の面積は
0.81m2 (0.9 m×0.9 m)である。燃料ガスとしては
水素 65 %と二酸化炭素 35 %の混合ガスを、また酸化
剤ガスとしては空気を用いている。また、発電時の水素
利用率は 80 %、酸素利用率は 50 %である。
【0019】また、燃料電池21は、積層された5個の
単セルのうち中央部に位置する第3セル33に計13個
の熱電対23を備えている。これらの熱電対23は、い
ずれも外径0.6mm のステンレス・シース付きのクロメル
−アルメル熱電対で、酸化剤電極の酸化剤ガス通流溝
(図9の1a)に挿入し、その検出端が、図3に黒点で
示した位置となるよう分散配置されている。なお、図3
において、33は第3セル、したがって電極領域を示
し、40は発電領域を示している。
【0020】本構成において、燃料電池21に燃料ガス
と空気を供給し、電子負荷装置22によって負荷電流を
制御して、各測定点の電極温度を測定した。負荷電流
は、図4に示したように、10〔ms〕の間 2.0〔kA〕に保
持したのち10〔ms〕の間 2.8〔kA〕に保持するサイクル
を繰り返すものとした。すなわち平均 2.4〔kA〕の負荷
電流を50〔Hz〕の周波数で変調した。各熱電対23の出
力をマルチプレクサ24に導き、切り替えながら、その
出力電圧の直流成分を直流電圧計25で測定し、交流成
分は交流電圧計26で測定した。
【0021】以上の条件で測定したところ、時間的に変
化する温度の直流成分については図5のごとき面内分布
が、また交流成分については図6のごとき面内分布が得
られた。図5、図6とも、発電領域40の 0.9m×0.9
mの部分の温度を表示したもので、図3に示した測定点
に対応する位置の測定値、並びにこれらの測定値より算
出される等高線が表示されており、記された数値の単位
は、いずれも〔℃〕である。図5では、燃料ガスと空気
の上流側に近い、図上の( 300mm,300mm )の点の近傍
が最大値を示しているのに対して、図6では、燃料ガス
と空気の最上流部が最大となり、下流に行くに従い減少
しているのが特徴的である。
【0022】一方、上記の燃料電池21について、電気
化学反応に伴う燃料ガス中の水素濃度の面内での変化、
空気中の酸素濃度の面内での変化や電極端部での境界条
件をもとにして数値シミュレーションを行い、得られた
温度の面内分布を図7に、また、電流密度の面内分布を
図8に示す。いずれも発電領域40の内部における分布
を等高線で表示したもので、図7に示した温度の単位は
〔℃〕、図8に示した電流密度の単位は〔 kA/m2〕であ
る。
【0023】図6と図8を比較すると、原理的に予測さ
れたように、上述の方法で測定された温度の交流成分の
分布( 図6)が電流密度の面内分布( 図8)と良く一致
していることが分かる。すなわち、燃料電池に変調した
負荷電流を流し、温度の変化量を測定して分布を求め、
燃料電池の発電電流を面内で比例配分することで、電流
密度の面内分布が求められる。したがって、上述の方法
を用いれば、燃料電池内部の電流密度の異常が正確に検
知され、燃料電池の異常を的確に監視できることとな
る。
【0024】なお、上記の例においては、燃料電池21
の第3セル33に熱電対23からなる温度測定素子を分
散配置するものとしているが、他の単セルにも温度測定
素子を配すれば、積層方向の単セル間での異常が検知さ
れることとなる。また、上記の例では酸化剤ガス通流溝
1aに熱電対23からなる温度測定素子を挿入して温度
を測定しているが、反応ガス通流溝のみならず、電極基
材あるいは電解質層の温度を測定することとしても、同
様な効果が得られる。さらにまた、温度変化の交流成分
の測定器として、交流電圧計の代わりに、例えば、Prin
ceton AppliedReseach 社やエヌエフ回路設計ブロック
社で製造しているロックイン・アンプを用いれば、負荷
電流の変化に同期した熱電対の出力電圧がより高精度で
測定することができることとなり、燃料電池の異常の監
視により効果的である。
【0025】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、 (1) 燃料電極触媒層および燃料電極基材からなる燃料電
極と、酸化剤電極触媒層および酸化剤電極基材からなる
酸化剤電極と、燃料電極および酸化剤電極に挟持される
電解質層とからなるセルが、複数積層されてなり、燃料
電極に備えた燃料ガス通流溝に燃料ガスを通流し、酸化
剤電極に備えた酸化剤ガス通流溝に酸化剤ガスを通流
し、これらの反応ガスの反応エネルギーを電気化学的な
作用により電力に変換する燃料電池において、燃料電池
の負荷電流を時間的に変化させ、燃料電極基材または酸
化剤電極基材、反応ガス通流溝、電解質層からなる群か
ら選ばれるいずれかの面内の任意位置における温度を測
定し、負荷電流の時間的変化に追従する温度の時間変化
量から、その位置における発生熱量を求めることによ
り、面内における発電電流密度分布を計測し、その異常
を検知して燃料電池の異常を監視することとしたので、
簡便な方法により、燃料電池の面内の電流密度分布が正
確に計測、評価できることとなり、燃料電池の異常の有
無を的確に把握する異常監視方法が得られることとなっ
た。
【0026】(2) また、燃料電極触媒層および燃料電極
基材からなる燃料電極と、酸化剤電極触媒層および酸化
剤電極基材からなる酸化剤電極と、燃料電極および酸化
剤電極に挟持される電解質層とからなるセルが、複数積
層されてなり、燃料電極に備えた燃料ガス通流溝に燃料
ガスを通流し、酸化剤電極に備えた酸化剤ガス通流溝に
酸化剤ガスを通流し、これらの反応ガスの反応エネルギ
ーを電気化学的な作用により電力に変換する燃料電池に
おいて、燃料電池の異常監視装置を、上記の燃料電極基
材または酸化剤電極基材、反応ガス通流溝、電解質層か
らなる群から選ばれるいずれかの面内の任意位置におけ
る温度を測定する温度測定素子、例えば熱電対と、この
温度測定素子の検出出力の交流成分を計測する測定器
と、上記の燃料電池の負荷電流を制御する電子負荷装置
とを備えて構成することとすれば、燃料電池の異常の有
無が的確に把握できる異常監視装置が得られることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池の異常監視方法に用いられる
異常監視装置の基本構成を示す模式図
【図2】図1の異常監視装置を組み込んだ燃料電池の断
面図
【図3】図2の燃料電池の第3セルに組み込まれた熱電
対の電極面内の配置図
【図4】図1の異常監視装置の電子負荷装置により制御
された燃料電池の負荷電流の時間変化の特性図
【図5】燃料電池に図4の負荷電流を通流したとき第3
セルに組み込まれた熱電対で計測された温度の直流成分
の電極面内の分布図
【図6】燃料電池に図4の負荷電流を通流したとき第3
セルに組み込まれた熱電対で計測された温度の交流成分
の電極面内の分布図
【図7】数値シミュレーションにより得られた図2の燃
料電池の電極温度の電極面内の分布図
【図8】数値シミュレーションにより得られた図2の燃
料電池の電流密度の電極面内の分布図
【図9】リン酸型燃料電池の単セルの基本構成を模式的
に示す斜視図
【図10】従来の燃料電池の電流密度分布の計測方法を
示す燃料電池の要部断面図
【図11】リン酸型燃料電池の単セルの代表的な電圧−
電流密度特性を示す特性図
【符号の説明】
1 酸化剤電極基材 1a 酸化剤ガス通流溝 2 酸化剤電極触媒層 3 電解質層 4 燃料電極触媒層 5 燃料電極基材 5a 燃料ガス通流溝 21 燃料電池 22 電子負荷装置 23 熱電対 24 マルチプレクサ 25 直流電圧計 26 交流電圧計 31 第1セル 32 第2セル 33 第3セル 34 第4セル 35 第5セル 36 冷却板 40 発電領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料電極触媒層および燃料電極基材からな
    る燃料電極と、酸化剤電極触媒層および酸化剤電極基材
    からなる酸化剤電極と、燃料電極および酸化剤電極に挟
    持される電解質層とからなるセルが、複数積層されてな
    り、 燃料電極に備えた燃料ガス通流溝に燃料ガスを通流し、
    酸化剤電極に備えた酸化剤ガス通流溝に酸化剤ガスを通
    流し、該燃料ガスおよび酸化剤ガス(以下、反応ガスと
    いう)の反応エネルギーを電気化学的な作用により電力
    に変換する燃料電池の、前記燃料電極および酸化剤電極
    の面内における発電電流密度の異常の監視方法であっ
    て、 燃料電池の負荷電流を時間的に変化させ、 前記燃料電極基材または酸化剤電極基材、反応ガス通流
    溝、電解質層からなる群から選ばれるいずれかの面内の
    任意位置における温度を測定し、 前記負荷電流の時間的変化に追従する温度の時間変化量
    から、該任意位置における発生熱量を求めることによ
    り、前記電極面内における発電電流密度分布を計測して
    燃料電池の異常を検知することを特徴とする燃料電池の
    異常監視方法。
  2. 【請求項2】燃料電極触媒層および燃料電極基材からな
    る燃料電極と、酸化剤電極触媒層および酸化剤電極基材
    からなる酸化剤電極と、燃料電極および酸化剤電極に挟
    持される電解質層とからなるセルが、複数積層されてな
    り、 燃料電極に備えた燃料ガス通流溝に燃料ガスを通流し、
    酸化剤電極に備えた酸化剤ガス通流溝に酸化剤ガスを通
    流し、反応ガスの反応エネルギーを電気化学的な作用に
    より電力に変換する燃料電池において、 燃料電池の異常監視装置が、 前記燃料電極基材または酸化剤電極基材、反応ガス通流
    溝、電解質層からなる群から選ばれるいずれかの面内の
    任意位置における温度を測定する温度測定素子と、 該温度測定素子の検出出力の交流成分を計測する測定器
    と、 前記燃料電池の負荷電流を制御する電子負荷装置とを備
    えてなることを特徴とする燃料電池の異常監視装置。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の燃料電池の異常監視装置
    において、前記温度測定素子が熱電対であることを特徴
    とする燃料電池の異常監視装置。
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