JPH09221865A - 中空スラブ施工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 型枠に穴をあけずにボイド部材の受け金具を
固定でき、その受け金具は連続する一体物に形成してボ
イド部材の位置決めを不要とし、しかもスペーサ無しで
一部の鉄筋を取り付けられるようにした、中空スラブ施
工方法を提供する。 【解決手段】 中空スラブ施工方法において、ボイド部
材を一定の間隔をあけて受止する受止部が一定の間隔を
あけて連続的に形成された受け金具を、上端に鉄筋受部
が設けられた支持部材を介して型枠に固定し、前記受止
部にボイド部材を受止させ、前記鉄筋受部に鉄筋を結束
材にて結束固定し、この鉄筋で前記ボイド部材を押え付
けて固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、中空スラブ施工方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】中空スラブは、空洞部（通常断面は円
形）が一定の間隔をあけて平行に貫設された鉄筋コンク
リート床であり、この中空スラブを形成するには、従来
ボイド部材としてスパイラルパイプ（ワインディングパ
イプ）を用い、このスパイラルパイプを受け金具を介し
て型枠に固定し、スペーサを介して配筋した後コンクリ
ートを打設している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の中空スラブ
施工方法によると、型枠に穴をあけて受け金具を固定す
るため手間が掛かり、且つ受け金具はスパイラルパイプ
の間隔（ピッチ）に合わせて１個ずつ固定しなければな
らないので位置決めに多くの時間を要する。又、型枠に
穴をあけるため打ち放しの場合に転用が難しくなり、型
枠への鉄筋の取り付けに際しスペーサを必要とする等の
問題もある。

【０００４】本発明は、このような従来の問題点を解決
するためになされ、型枠に穴をあけずに受け金具を固定
でき、受け金具は連続する一体物として形成してボイド
部材の位置決めを不要とし、しかもスペーサ無しで鉄筋
を取り付けられるようにした中空スラブ施工方法を提供
することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を技術的に解決
するための手段として、本発明は、中空スラブ施工方法
において、ボイド部材を受止する受止部が一定の間隔を
あけて連続的に形成された受け金具を支持部材を介して
型枠に固定し、前記受止部にボイド部材を受止させ、前
記受け金具に対応して押え部が連続的に形成された押え
金具を上から被せて結束材にて結束固定することを要旨
とする。他の手段として、本発明は、中空スラブ施工方
法において、ボイド部材を一定の間隔をあけて受止する
受止部と、この受止部間に設けられた鉄筋受部とが交互
に連続的に形成された受け金具を支持部材を介して型枠
に固定し、前記受止部にボイド部材を受止させ、前記鉄
筋受部に鉄筋を結束材にて結束固定し、この鉄筋で前記
ボイド部材を固定することを要旨とする。更に他の手段
として、本発明は、中空スラブ施工方法において、ボイ
ド部材を一定の間隔をあけて受止する受止部が一定の間
隔をあけて連続的に形成された受け金具を、上端に鉄筋
受部が設けられた支持部材を介して型枠に固定し、前記
受止部にボイド部材を受止させ、前記鉄筋受部に鉄筋を
結束材にて結束固定し、この鉄筋で前記ボイド部材を固
定することを要旨とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳説する。図１は第１の形態例を示すも
ので、１は受け金具であり、ボイド部材２を受止する円
弧状の受止部１ａが一定の間隔をあけて連続的に形成さ
れ、この受止部１ａの下部には支持部材３がそれぞれ取
り付けられている。

【０００７】前記ボイド部材２は、スパイラルダクト又
は塩化ビニールパイプ等が使用される。

【０００８】前記支持部材３は、支柱３ａとこの支柱３
ａの下部に取り付けられた台座３ｂを有し、支柱３ａの
先端部が前記受け金具１の受止部１ａに溶接固定され、
台座３ｂの下端フランジ部を型枠４の堰板４ａに釘５で
止着することにより受け金具１を固定できるようにして
ある。この際、釘５はプラスチック製のものを使用する
と安価になって好ましい。

【０００９】６は押え金具であり、前記受け金具１に対
応して押え部６ａが連続的に形成され、受け金具１の受
止部１ａに前記ボイド部材２をそれぞれ受止させた後、
押え金具６を上から被せるようにして押え部６ａでボイ
ド部材２の上部をそれぞれ押え付け、針金等の結束材８
でボイド部材２の両側に位置する受け金具１と押え金具
６の接合部をそれぞれ結束固定することでボイド部材２
を固定することができる。尚、受け金具１及び押え金具
６は、ボイド部材２の長さ方向に沿い一定の間隔をあけ
て複数個並設される。

【００１０】このようにして、前記ボイド部材２を受け
金具１及び押え金具６を介して型枠４に固定した後に配
筋（図略）し、型枠４にコンクリート（図略）を打設し
て所定厚さの中空スラブを形成する。

【００１１】図２は第２の形態例を示すもので、１１は
受け金具であり、ボイド部材１２を一定の間隔をあけて
受止する円弧状の受止部１１ａと、この受止部１１ａ間
に設けられた平らな鉄筋受部１１ｂとが交互に連続的に
形成され、前記鉄筋受部１１ｂの下部には支持部材１３
が溶接にてそれぞれ取り付けられている。

【００１２】前記ボイド部材１２は、第１の形態例と同
様にスパイラルダクト又は塩化ビニールパイプ等が使用
される。

【００１３】前記支持部材１３は、支柱１３ａとこの支
柱１３ａの下部に取り付けられた台座１３ｂを有し、支
柱１３ａの先端部が前記受け金具１１の鉄筋受部１１ｂ
に溶接固定され、台座１３ｂの下端フランジ部を型枠１
４の堰板１４ａに釘１５で止着して受け金具１１を固定
する。この場合も、釘１５はプラスチック製のものを使
用する。

【００１４】１７は格子状に配設された上端筋であり、
図２(ハ) に示すように前記受け金具１１の鉄筋受部１１
ｂに受止されると共に針金等の結束材１８にて結束固定
され、前記ボイド部材１２と直角方向をなす上端筋によ
りボイド部材１２をそれぞれ押え付けて固定する。尚、
１９は格子状に配設された下端筋であり、ボイド部材１
２の下方に配設される。

【００１５】このようにして、前記ボイド部材１２を受
け金具１１及び上端筋１７を介して型枠１４に固定した
後に、コンクリートを打設して所定厚さの中空スラブ２
０を形成する。

【００１６】図３は第３の形態例を示すもので、２１は
受け金具であり、(イ) のようにボイド部材２２を受止す
る円弧状の受止部２１ａが一定の間隔をあけて連続的に
形成され、(ロ) のように受止部２１ａ間の平らな部分に
支持部材２３が溶接にてそれぞれ取り付けられている。

【００１７】前記ボイド部材２２は、第１、第２の形態
例と同様にスパイラルダクト又は塩化ビニールパイプ等
が使用される。

【００１８】前記支持部材２３は、支柱２３ａとこの支
柱２３ａの下部に取り付けられた台座２３ｂを有し、支
柱２３ａは受け金具２１より上方に突出させると共にそ
の上端には鉄筋受部２３ｃがそれぞれ取り付けられてい
る。この支持部材２３は前記と同様に、台座２３ｂの下
端フランジ部を型枠２４の堰板２４ａに釘２５で止着す
ることで受け金具２１を固定することができ、釘２５は
プラスチック製のものを使用する。

【００１９】２７は格子状に配設された上端筋であり、
図３(ハ) に示すように前記支持部材２３の鉄筋受部２３
ｃに受止されると共に針金等の結束材２８にて結束固定
され、前記ボイド部材２２と直角方向をなす上端筋によ
りボイド部材２２をそれぞれ押え付けて固定するように
してある。この時、上端筋２７のうちボイド部材２２と
平行方向をなすものは、鉄筋受部２３ｃの両端部に形成
された立ち上げ部２３ｄにより保持されるので、配筋の
際に位置決めが簡単にできると共に配筋後に位置ずれが
生じない。尚、２９は格子状に配設された下端筋であ
り、前記ボイド部材２２の下方に配設される。

【００２０】このようにして、前記ボイド部材２２を受
け金具２１及び上端筋２７を介して型枠２４に固定した
後に、コンクリートを打設して所定厚さの中空スラブ３
０を形成する。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次のような優れた効果が得られる。 型枠に穴をあけずに受け金具を固定できるため、手
間が掛からず且つ転用が可能となって省資源化が図れ
る。 受け金具は連続する一体物として形成したので、ボ
イド部材の位置決めが不要となり、ボイド部材のピッチ
の確保が簡単となる。 ボイド部材を受け金具に固定しなくても良いため作
業能率の向上が図れ、スペーサ無しで一部の鉄筋を取り
付けられるので省力化が図れ、しかも鉄筋の位置保持が
簡単且つ確実にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による実施の第１の形態例を示すもの
で、(イ) は型枠の一部概略正面図、(ロ) はその概略側面
図である。

【図２】 同、第２の形態例を示すもので、(イ) は型枠
の一部概略正面図、(ロ) はその概略側面図、(ハ) は主要
部の構成説明図である。

【図３】 同、第３の形態例を示すもので、(イ) は型枠
の一部概略正面図、(ロ) はその概略側面図、(ハ) は主要
部の構成説明図である。

【符号の説明】

１…受け金具 １ａ…受止部 ２…ボイド部材 ３…支持部材 ３ａ…支柱 ３ｂ…台座 ４…型枠 ４ａ…堰板 ５…釘 ６…押え金具 ６ａ…押え部 ８…結束材 １１、２１…受け金具 １１ａ、２１ａ…受止部 １１ｂ…鉄筋受部 １２、２２…ボイド部材 １３、２３…支持部材 １３ａ、２３ａ…支柱 １３ｂ、２３ｂ…台座 ２３ｃ…鉄筋受部 ２３ｄ…立ち上げ部 １４、２４…型枠 １４ａ、２４ａ…堰板 １５、２５…釘 １７、２７…上端筋 １８、２８…結束材 １９、２９…下端筋 ２０、３０…中空スラブ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空スラブ施工方法において、ボイド部
   材を受止する受止部が一定の間隔をあけて連続的に形成
   された受け金具を、支持部材を介して型枠に固定し、前
   記受止部にボイド部材を受止させ、前記受け金具に対応
   して押え部が連続的に形成された押え金具を上から被せ
   て結束材にて結束固定することを特徴とする中空スラブ
   施工方法。
2. 【請求項２】 中空スラブ施工方法において、ボイド部
   材を一定の間隔をあけて受止する受止部と、この受止部
   間に設けられた鉄筋受部とが交互に連続的に形成された
   受け金具を、支持部材を介して型枠に固定し、前記受止
   部にボイド部材を受止させ、前記鉄筋受部に鉄筋を結束
   材にて結束固定し、この鉄筋で前記ボイド部材を固定す
   ることを特徴とする中空スラブ施工方法。
3. 【請求項３】 中空スラブ施工方法において、ボイド部
   材を一定の間隔をあけて受止する受止部が一定の間隔を
   あけて連続的に形成された受け金具を、上端に鉄筋受部
   が設けられた支持部材を介して型枠に固定し、前記受止
   部にボイド部材を受止させ、前記鉄筋受部に鉄筋を結束
   材にて結束固定し、この鉄筋で前記ボイド部材を固定す
   ることを特徴とする中空スラブ施工方法。