JPH09221291A - エレベータかご枠の据付治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 床と縦枠の連結を容易にかつ精度よく行うこ
とによりかご枠の組立て精度を向上可能とするエレベー
タかご枠の据付治具の提供。 【解決手段】 本発明は上記問題点を鑑みてなされたも
ので、エレベータかご枠の据付治具１２を、ガイドレー
ル１を把持する把持部１２ａと、この把持部１２ａに固
定されるとともに床６を支持する支持部１２ｂと、この
支持部１２ｂに対し床６を変位可能とする支持部１２ｂ
に設けられた可動部１２ｃとを備えて構成したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータのかご
枠の据付時に用いるエレベータかご枠の据付治具に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のかご枠の組立て方法を図５、図６
を用いて説明する。

【０００３】図５は従来のかご枠の組立て方法を示すか
ご枠正面図、図６は図５の側面図である。

【０００４】まず、従来のかご枠９の構成を説明する。

【０００５】図において、１はガイドレール、２は２本
の長尺体で形成される縦枠で、その２本の長尺体は下端
部で連結部材２ａにより連結され、上端部で上枠３によ
り連結されている。

【０００６】また、前記縦枠２の連結部材２ａの下部に
は、非常時にガイドレール１と接触し乗かごを停止させ
る停止装置を収納する箱体４と、この箱体４底面に取付
けられ前記ガイドレール１面上を摺動する下部ガイドシ
ュー５とが設けられている。

【０００７】そして６は床で、縦枠２に固定された支持
ブラケット２ｂに支持されるベース部材６ａと、このベ
ース部材６ａ上部に配設される防振ゴム６ｂと、この防
振ゴム６ｂ上に載置される床部材６ｃとから形成されて
いる。

【０００８】ここでかご枠９は、上記した上枠３と、縦
枠２と、床６とから形成されている。

【０００９】なお、７は上枠３上部に設けられかご枠を
ガイドレール１に沿って案内する上部ガイドシューで、
８は前記ガイドレール１を把持するとともにかご枠９の
据付時に前記箱体４の下面と当接しかご枠９の重量をガ
イドレール１に支持させるかご枠支持部である。

【００１０】次に、従来のかご枠９の組立て方法を説明
する。

【００１１】まず、ガイドレール１に前記据付治具８を
取付ける。

【００１２】そして、縦枠２を、前記かご枠支持部８の
上面に、その下部に固定された箱体４を介して支持させ
ると共に、前記ガイドシュー５をガイドレール１に係合
させ、またその上部を図示しない針金等でガイドレール
１に仮固定し、縦枠２をガイドレール１に係合保持させ
る。

【００１３】次に、前記床６を図示しない揚重機等で吊
下し、そのベース部材６ａが縦枠２に固定された支持ブ
ラケット２ｂ上に位置するよう床６を縦枠２に載置す
る。

【００１４】そして、このベース部材６ａと支持ブラケ
ット２ｂとを締結部材１０により締結し床６と縦枠２と
の連結を行う。

【００１５】そして最後に、前記針金を取り除いたあ
と、上枠３を図示しない揚重機等で吊下し、この上枠３
と前記縦枠２の上端部とを締結部材１１により締結しか
ご枠９の組立てを行っていた。

【００１６】従来におけるこの種のかご枠組立て方法と
しては、特開昭５３−１０９３５３号公報等にその開示
がみられる。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
では床６と縦枠２との連結作業が困難であった。

【００１８】すなわち、床６は約１２０Ｋｇも重量があ
るため、一度そのベース部材６ａを縦枠２の支持ブラケ
ット２ｂ上に載置すると床６をその載置位置から移動さ
せることは困難であった。

【００１９】よって、誤った位置に床６を載置してしま
うと、そのベース部材６ａと縦枠２の支持ブラケット２
ｂとの締結を行うことができなくなるという問題点があ
った。

【００２０】また、前記従来技術では縦枠２をガイドレ
ール１基準に固定し、この縦枠２に床６を連結するよう
にしているため、ガイドレール１の据付精度が悪い場
合、このガイドレール１に係合しているガイドシュー５
にねじれが発生する。

【００２１】そして、このねじれによりこのガイドシュ
ー５に固定されている縦枠２および床６に組立て誤差が
生じ、この誤差を解消するためにはかご枠９の組立て
後、ガイドシュー５をその弾性限度内でねじれと逆方向
に変位させ組立て精度を修正させるしかなかった。

【００２２】しかし、この修正はかご枠９の荷重の負荷
されているガイドシュー５を変位させねばならないため
困難であるという問題点があった。

【００２３】本発明は上記問題点を鑑みてなされたもの
で、その目的は、床と縦枠の連結を容易にかつ精度よく
行うことによりかご枠の組立て精度を向上可能とするエ
レベータかご枠の据付治具を提供する点にある。

【００２４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、上枠と、この上枠にその両端部で連結し乗か
ごを案内するガイドレールに係合する縦枠と、この縦枠
にその両側面で支持される床とを備えたエレベータかご
枠の据付治具において、前記ガイドレールを把持する把
持部と、この把持部に固定されるとともに前記床を支持
する支持部と、この支持部に対し前記床を変位可能とす
る前記支持部に設けられた可動部とを備えて構成したこ
とを特徴とする。

【００２５】本発明は、上記のように据付治具を床を支
持する支持部と、この支持部に対し床を変位可能とする
支持部に設けられた可動部とを備えて構成したため、床
を縦枠に載置する際に容易に床を変位させながら縦枠と
の相対位置を決定できるため縦枠と床の連結作業を容易
にかつ精度よく行うことができる。

【００２６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
に基づいて説明する。

【００２７】図１は本発明のエレベータかご枠の据付治
具を用いたかご枠組立て方法を示すかご枠の正面図、図
２は本発明のエレベータかご枠の据付治具の取付け状態
を示す斜視図、図３は図１の平面図である。

【００２８】まず、本発明の据付治具の構成を説明す
る。

【００２９】１２は据付治具で、この据付治具１２は、
ガイドレール１の背面に当接し、このガイドレール１を
把持する把持部１２ａと、この把持部１２ａに固定され
るとともに前記床６を構成するベース部材６ａの下面に
当接し床６を支持する支持部１２ｂと、この支持部１２
ｂの床６との当接面上に回動可能に配設された可動部１
２ｃと、前記支持部１２ｂの前記当接面上に設置された
前記ベース部材６ａを把持するレールクリップ１２ｄと
から形成されている。

【００３０】この可動部１２ｃの構成を図４から説明す
る。図４は、可動部１２ｃの構成を示す側断面図であ
る。

【００３１】可動部１２ｃは、ベース部材６ａと当接し
回動することによりベース部材６ａを変位させる当接球
１２１ｃと、この当接球１２１ｃを回動可能に支持する
支持球１２２ｃと、この支持球１２２ｃを所定の位置に
保持する保持部材１２３ｃとから形成されている。

【００３２】よって、ベース部材６ａはこの当接球１２
１ｃの回動により支持部１２ｂの当接面上の任意の位置
に変位可能となっている。

【００３３】次に、本発明の据付治具１２を用いたかご
枠９の組立て方法を説明する。

【００３４】まず、従来と同様にかご枠支持部８をガイ
ドレール１に設置し、縦枠２をこのかご枠支持部８に支
持させるとともにガイドレール１に係合させ、ガイドレ
ール１に沿わせた状態で立設する。

【００３５】そして図１に示すように、前記縦枠ブラケ
ット２ｂより前記当接面が微小寸法上部位置となるよう
前記把持部１２ａをガイドレール１に把持させ据付治具
１２をガイドレール１に固定する。

【００３６】この状態としたあと、床６を図示しない揚
重機等で吊下し、前記支持部１２ｂ上にそのベース部材
６ａを載置する。

【００３７】そして、図３に示す規定のＡ、Ｂ寸法とな
るように床６を変位させる。

【００３８】すなわち、Ａ寸法はガイドレール１の据付
位置基準となるピアノ線１３ａから床部材６ｃのガイド
レール１方向側面までの寸法を示し、Ｂ寸法は図示しな
い乗場出入口の据付基準となるピアノ線１３ｂからこの
ピアノ線１３ｂに対向する床部材６ｃ側面までの寸法を
示す。

【００３９】このＡ、Ｂ寸法となるように変位させたな
ら、床６はガイドレール１の据付精度に関係なく独立し
た据付基準であるピアノ線１３ａ、１３ｂからその位置
を決定できるため正確な位置に床６を配設することがで
きる。

【００４０】なお、上記したように床６を可動部１２ｃ
の回転によりその位置を移動可能に構成したため作業者
に負担を掛けることなく容易に床６を正確な位置に配設
することができる。

【００４１】そして、床６が規定の位置に配設されたな
ら、図１、図４に示すレールクリップ１２ｄによりベー
ス部材６ａを挟持し、支持部１２ｂに床６を固定保持さ
せる。

【００４２】そしてこの状態にしたなら、縦枠２をその
上端部で上枠３と連結し、この連結した縦枠２及び上枠
３を図示しない揚重機等で垂直に吊上げ、前記縦枠２の
支持ブラケット２ｂと前記ベース部材６ａを締結すれば
かご枠９は組立てを完了する。

【００４３】このように本実施形態では、床６をピアノ
線１３ａ、１３ｂ基準に変位させ所定の正確の位置に固
定保持した状態で、縦枠２と連結するためガイドレール
１の据付精度に関係なく容易にかつ高精度でかご枠９の
組立て作業を行うことができる。

【００４４】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、床
と縦枠の連結を容易にかつ精度よく行うことによりかご
枠の組立て精度を向上可能とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエレベータかご枠の据付治具を用いた
かご枠組立て方法を示すかご枠の正面図である。

【図２】本発明のエレベータかご枠の据付治具の取付け
状態を示す斜視図である。

【図３】図１の平面図である。

【図４】本発明のエレベータかご枠の据付治具の可動部
の構成を示す側断面図である。

【図５】従来のかご枠の組立て方法を示すかご枠正面図
である。

【図６】図６は図５の側面図である。

【符号の説明】

１ ガイドレール ２ 縦枠 ３ 上枠 ６ 床 ９ かご枠 １２ａ 把持部 １２ｂ 支持部 １２ｃ 可動部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上枠と、この上枠にその両端部で連結し
   乗かごを案内するガイドレールに係合する縦枠と、この
   縦枠にその両側面で支持される床とを備えたエレベータ
   かご枠の据付治具において、 前記ガイドレールを把持する把持部と、この把持部に固
   定されるとともに前記床を支持する支持部と、この支持
   部に対し前記床を変位可能とする前記支持部に設けられ
   た可動部とを備えて構成したことを特徴とするエレベー
   タかご枠の据付治具。