JPH09221015A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH09221015A
JPH09221015A JP2751896A JP2751896A JPH09221015A JP H09221015 A JPH09221015 A JP H09221015A JP 2751896 A JP2751896 A JP 2751896A JP 2751896 A JP2751896 A JP 2751896A JP H09221015 A JPH09221015 A JP H09221015A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のホイールシリンダをマスタシリンダか
ら遮断した状態で、ホイールシリンダ液圧を制御するブ
レーキ液圧制御装置において、ホイールシリンダにマス
タシリンダの液圧を伝達し得るようにする。 【解決手段】 非駆動輪のホイールシリンダ20とマス
タシリンダ10とは、バイパス通路90により主液通路
遮断弁30および増圧弁60をバイパスして接続され、
そのバイパス通路90の途中にはバイパス遮断弁92が
設けられている。ビークルスタビリティ制御において
は、主液通路遮断弁30が遮断状態に、液圧制御弁装置
71が制御状態に、液圧制御弁装置65が遮断状態にさ
れるとともに、バイパス遮断弁92が連通状態にされ
る。ホイールシリン20とマスタシリンダ10とが連通
状態にされるのであり、制御中にブレーキペダル12が
踏み込まれれば、それに応じてホイールシリンダ20の
液圧が高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のホイールシ
リンダをマスタシリンダから遮断した状態でホイールシ
リンダ液圧を制御するブレーキ液圧制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】特開平2─231256号公報には、
複数の車輪のホイールシリンダ各々とマスタシリンダと
を接続する主液通路の共通部分に設けられ、これら複数
のホイールシリンダとマスタシリンダとを連通させる連
通状態と遮断する遮断状態とに切換可能な主液通路遮断
弁と、前記主液通路の前記複数のホイールシリンダの
各々に専用の部分にそれぞれ設けられ、少なくとも、前
記主液通路遮断弁と各ホイールシリンダとを連通させる
連通状態と、これらを遮断する遮断状態とに切り換えが
可能な複数の液圧制御弁装置と、前記主液通路の前記
主液通路遮断弁と前記液圧制御弁装置との間の部分に設
けられ、前記マスタシリンダとは別の副液圧源と接続さ
れる副液圧源接続部と、前記主液通路遮断弁を遮断状
態にするとともに、前記複数の液圧制御弁装置の各々を
それぞれ少なくとも連通状態と遮断状態とに切り換える
ことによって、各液圧制御弁装置に対応するホイールシ
リンダの液圧をそれぞれ制御する液圧制御手段とを含む
ブレーキ液圧制御装置が記載されている。
【0003】このブレーキ液圧制御装置においては、主
液通路遮断弁が遮断状態にされた状態で、液圧制御弁装
置が連通状態にされれば、副液圧源接続部に接続された
副液圧源がホイールシリンダに連通させられ、ホイール
シリンダの液圧が増圧される。液圧制御弁装置が遮断状
態にされれば、ホイールシリンダが副液圧源から遮断さ
れ、液圧が保持または減圧される。液圧制御弁装置が連
通状態と遮断状態とに切り換えられれば、その液圧制御
弁装置に対応するホイールシリンダの液圧が制御される
のである。ここで、液圧制御弁装置は、連通状態と遮断
状態とに切り換えが可能なものであればどのようなもの
であってもよく、遮断状態において、さらに、ホイール
シリンダをリザーバに連通させることによって液圧を減
圧する減圧状態と、リザーバから遮断することによって
液圧を保持する保持状態とをとり得るものであってもよ
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載のブレーキ液圧制御装置においては、制御中は主液通
路遮断弁が遮断状態にされるため、ブレーキ操作部材が
操作されてもそれに応じてホイールシリンダの液圧が増
大せず、ブレーキの効き遅れが発生する問題があった。
例えば、上記ブレーキ液圧制御装置においてビークルス
タビリティ制御が行われる場合には、主液通路遮断弁が
遮断状態に保たれた状態で行われる。そのため、制御中
にブレーキ操作部材が操作されてマスタシリンダ液圧が
高くなっても、それに応じてホイールシリンダ液圧を増
圧することができなかった。また、トラクション制御も
同様に、主液通路遮断弁が遮断状態に保たれた状態で行
われるのであるが、制御中にブレーキ操作部材が操作さ
れても、ホイールシリンダ液圧を直ちに増圧することが
できなかった。トラクション制御中にブレーキ操作部材
が操作されれば、メインスロットルバルブが全閉される
等のトラクション制御終了条件が満たされることになる
ため、制御は終了させられる。その結果、主液通路遮断
弁や液圧制御弁装置が連通状態に切り換えられ、マスタ
シリンダの液圧がホイールシリンダに伝達され得る状態
になる。しかし、終了条件が満たされても、直ちに、こ
れら主液通路遮断弁や液圧制御弁装置が連通状態に切り
換えられるわけではないため、ホイールシリンダ液圧は
遅れて増圧されるのである。
【0005】請求項1に係る第一発明は以上の事情を背
景としてなされたものであり、したがってその課題は、
前記ブレーキ液圧制御装置において、制御中にホイール
シリンダにマスタシリンダの液圧を伝達し得るようにす
ることである。また、請求項2に係る第二発明の課題
は、トラクション制御またはビークルスタビリティ制御
が行われている場合に上記課題を解決し得るようにする
ことであり、請求項3に係る第三発明の課題は、マスタ
シリンダ液圧が、伝達されることが特に望ましい車輪に
伝達されるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第一発明の課題は、
前記主液通路遮断弁,液圧制御弁装置,副液圧源
接続部,液圧制御手段を含むブレーキ液圧制御装置
に、液圧制御手段により主液通路遮断弁が遮断状態にさ
れるとともに、複数の液圧制御弁装置のうちの一部が制
御状態とされ、残りが遮断状態に保たれている間の少な
くとも一時期に、その遮断状態に保たれている液圧制御
弁装置に対応するホイールシリンダにマスタシリンダの
液圧を伝達するマスタシリンダ液圧伝達装置を設けるこ
とによって解決される。なお、本明細書においては、液
圧制御弁装置が遮断状態に保たれる状態は、液圧制御弁
装置が制御されない状態と解することとする。増圧する
必要がないホイールシリンダに対応する液圧制御弁装置
が遮断状態に保たれるのであり、液圧制御弁装置が連通
状態と遮断状態とに切り換えられる等の制御状態にある
場合において遮断状態にされた状態は、遮断状態に保た
れる状態には含まれないのである。液圧制御弁装置を遮
断状態に保つのは、副液圧源の作動液のホイールシリン
ダへの流入を完全に阻止するためであり、したがって、
この遮断状態は制御状態の一態様であるとは考え難く、
制御状態に対する用語として用いることとしたのであ
る。
【0007】第二の課題は、前記液圧制御手段を、主液
通路遮断弁を遮断状態にした状態で、複数の液圧制御弁
装置の一部を少なくとも連通状態と遮断状態とに切り換
えることによりホイールシリンダ液圧を駆動スリップ状
態が適正状態になるように制御するトラクション制御手
段と、複数の液圧制御弁装置の一部を少なくとも連通状
態と遮断状態とに切り換えることによりホイールシリン
ダ液圧を車両の操縦安定性が良好な状態になるように制
御するビークルスタビリティ制御手段との少なくとも一
方を含むものとし、前記マスタシリンダ液圧伝達装置
を、遮断状態に保たれる液圧制御弁装置に対応するホイ
ールシリンダとマスタシリンダとを、その遮断状態に保
たれる液圧制御弁装置および主液通路遮断弁をバイパス
して接続するバイパス通路と、そのバイパス通路に設け
られてそのバイパス通路を連通させる連通状態と遮断す
る遮断状態とに切り換え可能なバイパス遮断弁と、トラ
クション制御手段とビークルスタビリティ制御手段との
いずれか一方により制御が行われている間の少なくとも
一時期にバイパス遮断弁を連通状態にするバイパス遮断
弁制御手段とを含むものとすることによって解決され
る。第三の課題は、非駆動輪のホイールシリンダにマス
タシリンダ液圧が伝達されるようにすることによって解
決される。
【0008】
【作用および発明の効果】第一発明のブレーキ液圧制御
装置においては、複数の主液通路の共通部分に主液通路
遮断弁が設けられ、主液通路のホイールシリンダ各々の
専用の部分に液圧制御弁装置が設けられている。主液通
路には、主液通路遮断弁と液圧制御弁装置とが、それぞ
れ直列に配設されていることになる。また、主液通路遮
断弁は複数のホイールシリンダに共通に設けられること
になるため、主液通路遮断弁が遮断状態にある場合に
は、複数のホイールシリンダすべてがマスタシリンダか
ら遮断される。液圧制御弁装置はホイールシリンダ各々
について設けられているため、液圧制御弁装置を制御す
ることによりホイールシリンダ各々の液圧を別個に制御
することができる。また、主液通路の液圧制御弁装置と
主液通路遮断弁との間には副液圧源接続部が設けられて
いるため、液圧制御手段により主液通路遮断弁が遮断状
態に、液圧制御弁装置が連通状態にされれば、副液圧源
接続部に接続された副液圧源の液圧がホイールシリンダ
に伝達され、ホイールシリンダ液圧が増圧される。液圧
制御弁装置が遮断状態にされれば、ホイールシリンダ液
圧は増圧されない。副液圧源は、ポンプおよびアキュー
ムレータを含むものとしても、アキュムレータを含まな
いものとしてもよい。
【0009】本ブレーキ液圧制御装置において、主液通
路遮断弁が遮断状態にされている場合には、複数の液圧
制御弁装置すべてが制御状態にされているとは限らず、
制御状態にされている液圧制御弁装置と遮断状態に保た
れている液圧制御弁装置との両方が存在する場合があ
る。液圧制御弁装置の上流側、すなわち、主液通路遮断
弁と液圧制御弁装置との間に副液圧源接続部が設けられ
ているため、一部のホイールシリンダの液圧を制御のた
めに増圧し、残りのホイールシリンダ液圧は増圧しない
ためには、残りのホイールシリンダに対応する液圧制御
弁装置は遮断状態に保つ必要があるからである。
【0010】例えば、本ブレーキ液圧制御装置がダイヤ
ゴナル2系統式の液圧ブレーキ装置に設けられ、その液
圧ブレーキ装置が二輪駆動車に搭載される場合には、マ
スタシリンダの一加圧室に駆動輪のホイールシリンダと
非駆動輪のホイールシリンダとが接続される。このブレ
ーキ液圧制御装置において、トラクション制御が行われ
れば、駆動輪のホイールシリンダに対応する液圧制御弁
装置が制御状態にされるが、非駆動輪のホイールシリン
ダ液圧は増圧されては困るため、それに対応する液圧制
御弁装置は遮断状態に保たれる。その状態で、駆動輪の
ホイールシリンダ液圧が、駆動スリップ状態が適正状態
になるように制御されるのである。また、駆動輪側の旋
回外輪のホイールシリンダの液圧を制御するビークルス
タビリティ制御(スピン抑制制御)が行われれば、その
駆動輪側の旋回外輪のホイールシリンダが接続されたブ
レーキ系統においては、駆動輪のホイールシリンダに対
応する液圧制御弁装置が制御状態にされ、非駆動輪に対
応するそれは遮断状態に保たれる。非駆動輪のホイール
シリンダ液圧が0に保たれる一方、駆動輪のホイールシ
リンダ液圧が、車両の状態が安定状態になるように制御
されるのである。さらに、両駆動輪のホイールシリンダ
および非駆動輪側の旋回内輪のホイールシリンダの液圧
を制御するビークルスタビリティ制御(ドリフトアウト
抑制制御)が行われる場合においても、非駆動輪側の旋
回外輪のホイールシリンダが接続されたブレーキ系統に
おいては、上述のスピン抑制制御が行われる場合と同様
に、制御状態にされる液圧制御弁装置と遮断状態に保た
れる液圧制御弁装置との両方が生じることになる。
【0011】本ブレーキ液圧制御装置が前後2系統式の
液圧ブレーキ装置に設けられ、その液圧ブレーキ装置が
上記同様に二輪駆動車に搭載された場合において、上述
のドリフトアウト抑制制御が行われれば、駆動輪側のブ
レーキ系統においては、すべてのホイールシリンダに対
応する液圧制御弁装置が制御状態にされるが、非駆動輪
側のブレーキ系統においては、旋回内輪のホイールシリ
ンダに対応する液圧制御弁装置が制御状態にされ、旋回
外輪のそれが遮断状態にされることになる。また、本ブ
レーキ液圧制御装置を備えた液圧ブレーキ装置が四輪駆
動車に搭載された場合において、上述と同様のスピン抑
制制御が行われれば、一方のブレーキ系統において、一
方の液圧制御弁装置のみが制御状態にされることがあ
る。
【0012】このように、液圧制御手段が、第二発明に
おけるようにトラクション制御手段とビークルスタビリ
ティ制御手段との少なくとも一方を有していれば、複数
の液圧制御弁装置のうちの一部が制御状態にされ、残り
が遮断状態に保たれる場合があるのである。
【0013】第一発明におけるマスタシリンダ液圧伝達
装置によれば、主液通路遮断弁が遮断状態にあり、か
つ、制御状態にある液圧制御弁装置と遮断状態にある液
圧制御弁装置との両方がある間(以下、単に、制御中と
称する)の少なくとも一時期に、その遮断状態に保たれ
ている液圧制御弁装置に対応するホイールシリンダにマ
スタシリンダの液圧を伝達することができる。その一時
期には、マスタシリンダの液圧を増圧すれば、それに応
じてホイールシリンダの液圧を増圧することができるの
である。マスタシリンダ液圧伝達装置がマスタシリンダ
の液圧をホイールシリンダに伝達する期間は、制御中の
全期間であっても、一部の期間であってもよい。遮断状
態に保たれている液圧制御弁装置に対応するホイールシ
リンダは、制御中には液圧を増圧する必要がないもので
あるため、全期間を通じてこれらが連通状態にあって
も、マスタシリンダが大気圧にある限り制御に影響はな
いのである。むしろ、全期間連通状態に維持すれば、マ
スタシリンダ液圧が変化すれば、その変化を直ちにホイ
ールシリンダに伝達することができて好都合である。
【0014】例えば、ビークルスタビリティ制御中にブ
レーキ操作部材が操作されても制御が継続されるように
なっている場合には、マスタシリンダの液圧が高くなっ
た場合等の一部の期間に伝達されるようにしてもよい。
マスタシリンダの液圧が高くなってから液圧がホイール
シリンダに伝達されても、伝達されない場合より、本発
明の効果を享受することができるのである。それに対し
て、ビークルスタビリティ制御中にブレーキ操作部材が
操作されると制御が終了させられるようになっている場
合には、全期間伝達されるようにすることが望ましい。
ブレーキ操作部材の操作に伴うホイールシリンダ液圧の
増圧遅れを小さくするためには、マスタシリンダの液圧
が高くなってから伝達しても遅いのである。トラクショ
ン制御中においては、後者の場合と同様に、全期間伝達
されるようにすることが望ましい。
【0015】前述のように、本ブレーキ液圧制御装置が
ダイヤゴナル2系統式の液圧ブレーキ装置に設けられ、
その液圧ブレーキ装置が二輪駆動車に搭載された場合に
は、少なくとも一方のブレーキ系統において、トラクシ
ョン制御が行われる場合にも、ビークルスタビリティ制
御が行われる場合にも、駆動輪のホイールシリンダに対
応する液圧制御弁装置が制御状態にされ、非駆動輪のホ
イールシリンダに対応する液圧制御弁装置が遮断状態に
保たれる。そのため、第三発明におけるように、非駆動
輪に対応するホイールシリンダにマスタシリンダの液圧
が伝達されるようにすることは妥当なことである
【0016】また、スピン抑制制御において、駆動輪の
旋回外輪のホイールシリンダが非駆動輪の旋回内輪の回
転速度に基づいて制御されたり、ドリフトアウト抑制制
御において、両駆動輪および非駆動輪の旋回内輪(以
下、制御対象輪と称する)の各ホイールシリンダの液圧
が、非駆動輪の旋回外輪の回転速度に基づいて制御され
る場合がある。制御対象輪の目標回転速度が基準輪とし
ての非駆動輪の回転速度に基づいて決められ、ホイール
シリンダ液圧が制御対象輪の回転速度が目標回転速度に
なるように制御されるのである。この場合に、ブレーキ
操作部材が操作されても、基準輪のホイールシリンダに
マスタシリンダ液圧が伝達されないと、基準輪の回転速
度が小さくならず、制御対象輪のホイールシリンダ液圧
も増圧されない。それに対して、本発明のマスタシリン
ダ液圧伝達装置によれば、基準輪のホイールシリンダに
マスタシリンダ液圧を伝達することができるため、ブレ
ーキ操作部材の操作によりマスタシリンダ液圧を高くす
れば、基準輪のホイールシリンダの液圧を増圧すること
ができ、基準輪の回転速度を小さくすることができる。
その結果、制御対象輪の目標回転速度が小さくされ、そ
れに応じて制御対象輪のホイールシリンダ液圧が増圧さ
れる。
【0017】第二発明のブレーキ液圧制御装置において
は、遮断状態に保たれる液圧制御弁装置に対応するホイ
ールシリンダとマスタシリンダとが、バイパス通路によ
り、互いに直列に接続された液圧制御弁装置および主液
通路遮断弁をバイパスして接続される。そのバイパス通
路にはバイパス遮断弁が設けられ、バイパス遮断弁制御
手段により、連通状態と遮断状態とに切り換えられる。
バイパス遮断弁が遮断状態にされればホイールシリンダ
はマスタシリンダから遮断され、連通状態にされればマ
スタシリンダに連通させられ、マスタシリンダ液圧が伝
達される。
【0018】第三発明によれば、非駆動輪のホイールシ
リンダとマスタシリンダとが、主液通路遮断弁および液
圧制御弁装置をバイパスして接続するバイパス通路によ
り接続されることになる。バイパス遮断弁が連通状態に
されれば、非駆動輪のホイールシリンダにマスタシリン
ダの液圧を伝達することができる。
【0019】
【発明の補足説明】本発明は、上記請求項に記載された
態様の他、以下の態様でも実施することができる。実施
の態様は便宜上請求項と同じ形式の実施態様項で記載す
る。なお、複数の請求項または実施態様項に従属する実
施態様項にさらに従属する実施態様項は、必ずしも上記
複数の請求項または実施態様項のすべてについて読み得
るとは限らず、実体的に読み得る請求項や実施態様項に
ついてのみ、すなわち、引用事項に対する先行事項が存
在する請求項や実施態様項についてのみに読まれるべき
ものとする。 (1)前記液圧制御弁装置が、前記ホイールシリンダを
前記主液通路遮断弁に連通させリザーバから遮断する増
圧位置と、主液通路遮断弁からもリザーバからも遮断す
る保持位置と、主液通路遮断弁から遮断してリザーバに
連通させる減圧位置とに切り換え可能な3位置の電磁方
向切換弁を含む請求項1ないし3のいずれか1つに記載
のブレーキ液圧制御装置。請求項1に記載の連通状態が
本態様の増圧位置に対応し、遮断状態が保持位置または
減圧位置に対応する。ホイールシリンダの液圧を制御す
る際には、電磁方向切換弁は、増圧位置,減圧位置,保
持位置に適宜切り換えられる。ホイールシリンダの液圧
を増圧する必要がない場合には、遮断状態における保持
位置にあっても減圧位置にあってもよいが、保持位置に
保つことが望ましい。保持位置に保てば、マスタシリン
ダ液圧が高くなった場合に、そのままでホイールシリン
ダの液圧を増圧することができるからである。 (2)前記液圧制御弁装置が、前記ホイールシリンダと
前記主液通路遮断弁とを連通させる増圧位置とこれらを
遮断する遮断位置とに切り換え可能な増圧用の電磁開閉
弁と、前記ホイールシリンダとリザーバとを接続する減
圧通路の途中に設けられ、これらホイールシリンダとリ
ザーバとを連通させる減圧位置とこれらを遮断する遮断
位置とに切り換え可能な減圧用の電磁開閉弁とを含み、
前記バイパス通路が、前記マスタシリンダとホイールシ
リンダとを、前記主液通路遮断弁および前記増圧用電磁
開閉弁をバイパスして接続するものである請求項2また
は3に記載のブレーキ液圧制御装置。液圧制御弁装置
を、増圧用電磁開閉弁と減圧用電磁開閉弁とを含むもの
とすることができ、その場合には、主液通路には、主液
通路遮断弁と増圧用電磁開閉弁とが直列に配設される。
したがって、ホイールシリンダとマスタシリンダとが、
バイパス通路により主液通路遮断弁と増圧用電磁開閉弁
とをバイパスして接続されることになる。 (3)前記バイパス遮断弁制御手段が、前記主液通路遮
断弁が遮断状態にある間はバイパス遮断弁を連通状態に
維持する連通状態維持手段を含む請求項2,3,実施態
様項1,2のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制御装
置。遮断状態にある液圧制御弁装置に対応するホイール
シリンダの液圧は、トラクション制御やビークルスタビ
リティ制御の対象ではないため、制御中にマスタシリン
ダと連通状態にあっても差し支えない。ただし、バイパ
ス制御弁をマスタシリンダ液圧が設定圧以上になった場
合に連通状態に切り換えたり、ブレーキ操作部材が操作
された場合に連通状態に切り換えたりしてもよく、その
場合には、バイパス遮断弁制御手段が条件成立時連通状
態切換手段を含むこととなる。特に、ビークルスタビリ
ティ制御中にブレーキ操作部材が操作された場合には、
前述のように、マスタシリンダ液圧が高くなってから切
り換えても十分に本発明の効果を享受ことができる。 (4)前記液圧制御手段が、前記主液通路遮断弁を連通
状態にした状態で、前記複数の液圧制御弁装置の各々を
少なくとも連通状態と遮断状態とに切り換えることによ
りホイールシリンダ液圧を制動スリップ状態が適正状態
になるように制御するアンチスキッド制御手段を含む請
求項1〜3,実施態様項1〜3のいずれか1つに記載の
ブレーキ液圧制御装置。本ブレーキ液圧制御装置におい
ては、アンチスキッド制御を行うことも可能である。ア
ンチスキッド制御が行われる場合には、主液通路遮断弁
が連通状態に保たれても遮断状態に保たれてもよい。連
通状態に保たれれば、アンチスキッド制御中にブレーキ
操作部材の操作力が緩められた場合に、ホイールシリン
ダの作動液がマスタシリンダに戻ることが許容されて、
運転者の意思が良好にホイールシリンダ液圧に反映され
る。一方、遮断状態に保たれれば、ブレーキ操作部材と
してのブレーキペダルのアンチスキッド制御中における
キックバックが防止される。 (5)前記液圧制御手段が、前記ホイールシリンダ液圧
の大きさを基準輪の回転速度に基づいて制御する基準輪
回転速度依拠液圧制御手段を含み、前記マスタシリンダ
液圧伝達装置が、前記基準輪のホイールシリンダに前記
マスタシリンダの液圧を伝達するマスタシリンダ液圧基
準輪伝達手段を含む請求項1〜3,実施態様項1〜4の
いずれか1つに記載のブレーキ液圧制御装置。基準輪の
回転速度に基づいて制御対象輪の目標回転速度が決めら
れ、制御対象輪の回転速度がその目標回転速度になるよ
うにホイールシリンダ液圧が制御される。マスタシリン
ダの液圧がマスタシリンダ液圧基準輪伝達手段により基
準輪のホイールシリンダに伝達される場合には、マスタ
シリンダの液圧が高くなれば、それに伴って、基準輪の
ホイールシリンダの液圧が高くなり、回転速度が低下さ
せられる。それによって、制御対象輪の目標回転速度が
小さくされ、ホイールシリンダの液圧が増圧される。こ
のように、基準輪のホイールシリンダにマスタシリンダ
の液圧が伝達されれば、基準輪のホイールシリンダの液
圧を運転者のブレーキ操作部材の操作力に応じた高さに
することができるだけでなく、制御対象輪のホイールシ
リンダの液圧にも運転者のブレーキ操作を反映させるこ
とが可能となる。基準輪は非駆動輪とされることが多い
が、駆動輪としてもよい。 (6)前記複数のホイールシリンダが、駆動輪のホイー
ルシリンダと非駆動輪のホイールシリンダとを含み、前
記マスタシリンダ液圧伝達装置が、非駆動輪のホイール
シリンダに前記マスタシリンダの液圧を伝達するマスタ
シリンダ液圧非駆動輪伝達装置を含む請求項1〜3,実
施態様項1〜5のいずれか1つに記載のブレーキ液圧制
御装置。1つのブレーキ系統において、駆動輪のホイー
ルシリンダと非駆動輪のそれとが接続されるのは、例え
ば、本ブレーキ制御装置が二輪駆動車に搭載されたダイ
ヤゴナル2系統式の液圧ブレーキ装置に設けられた場合
である。この場合は、マスタシリンダ液圧非駆動輪伝達
装置により、マスタシリンダの液圧が非駆動輪のホイー
ルシリンダに伝達されることになる。非駆動輪が前輪で
ある場合には、マスタシリンダ液圧非駆動輪伝達装置は
マスタシリンダ液圧前輪伝達装置に対応し、後輪である
場合には、マスタシリンダ液圧後輪伝達装置に対応す
る。それに対して、ブレーキ液圧制御装置が、後輪駆動
車に搭載されたダイヤゴナル2系統式の液圧ブレーキ装
置に設けられた場合において、スピン抑制制御が、例え
ば、前輪側の旋回外輪のホイールシリンダの液圧を制御
することにより行われ、基準輪が後輪側の旋回内輪とさ
れることがある。この場合には、基準輪である駆動輪の
ホイールシリンダにマスタシリンダ液圧駆動輪伝達装置
によりマスタシリンダの液圧が伝達されることが望まし
い。 (7)前記複数のホイールシリンダが、2つの非駆動輪
のホイールシリンダを含み、前記マスタシリンダ液圧伝
達装置が2つの非駆動輪のホイールシリンダ各々にマス
タシリンダ液圧を伝達するマスタシリンダ液圧両非駆動
輪伝達装置である請求項1〜3,実施態様項1〜5のい
ずれか1つに記載のブレーキ液圧制御装置。 (8)前記マスタシリンダ液圧伝達装置が、マスタシリ
ンダ液圧を一方のホイールシリンダに伝達する第一伝達
状態と、他方のホイールシリンダに伝達する第二伝達状
態とに切り換え可能なマスタシリンダ液圧択一伝達装置
を含む請求項1〜3,実施態様項1〜7のいずれか1つ
に記載のブレーキ液圧制御装置。複数のホイールシリン
ダが、2つの非駆動輪のホイールシリンダを含むのは、
例えば、本ブレーキ液圧制御装置が二輪駆動車の前後2
系統式の液圧ブレーキ装置に設けられた場合における非
駆動輪側のブレーキ系統においてである。この非駆動輪
側のブレーキ系統においては、非駆動輪のホイールシリ
ンダ各々にマスタシリンダ液圧が伝達されることにな
る。前述のように、ドリフトアウト抑制制御は、両駆動
輪のホイールシリンダに対応する液圧制御弁装置および
非駆動輪のうちの旋回内輪のホイールシリンダに対応す
る液圧制御弁装置が制御状態にされるため、非駆動輪側
のブレーキ系統においては、旋回内輪のホイールシリン
ダに対応する液圧制御弁装置が制御状態とされ、旋回外
輪のホイールシリンダのそれが遮断状態に保たれること
になる。しかし、いずれの液圧制御装置が制御状態にさ
れるかは予め決まっているわけではない。したがって、
実施態様項8におけるように、マスタシリンダ液圧が択
一的に伝達されるようにすることが望ましい。例えば、
2つのホイールシリンダ各々について、各々マスタシリ
ンダと接続するバイパス通路およびバイパス遮断弁を設
け、制御状態にされた液圧制御弁装置に対応するバイパ
ス遮断弁を遮断状態にし、遮断状態に保たれた液圧制御
弁に対応するバイパス遮断弁を連通状態にすることも可
能であるが、これら2つのバイパス遮断弁の代わりに方
向切換弁を設け、方向切換弁により、マスタシリンダ液
圧が択一的に伝達されるようにすることもできる。実施
態様項8のブレーキ液圧制御装置は駆動輪側のブレーキ
系統にも設けても、本発明の効果を享受することができ
る。制御対象輪が駆動輪の旋回外輪とされるスピン抑制
制御においては、旋回内輪のホイールシリンダに対応す
る液圧制御弁装置が遮断状態に保たれる。そのため、旋
回内輪のホイールシリンダにマスタシリンダの液圧が伝
達されれば、そのホイールシリンダにブレーキ操作部材
の操作力に応じた液圧を伝達することができることにな
る。マスタシリンダの液圧が伝達されるホイールシリン
ダは基準輪とは限らないのである。また、四輪駆動車に
搭載された液圧ブレーキ装置に設けても、同様な効果を
得ることができる。さらに、ダイヤゴヤル2系統式の液
圧ブレーキ装置に設ければ、制御対象輪が駆動輪であっ
ても非駆動輪であっても(基準輪が非駆動輪であっても
駆動輪であっても)、いずれか一方のホイールシリンダ
にマスタシリンダ液圧を伝達することができることにな
る。 (9)複数の車輪のホイールシリンダ各々とマスタシリ
ンダとを接続する主液通路の共通部分に設けられ、これ
ら複数のホイールシリンダとマスタシリンダとを連通さ
せる連通状態と遮断する遮断状態とに切換可能な主液通
路遮断弁と、前記主液通路の前記複数のホイールシリン
ダの各々に専用の部分にそれぞれ設けられ、少なくと
も、前記主液通路遮断弁と各ホイールシリンダとを連通
させる連通状態と、これらを遮断する遮断状態とに切り
換えが可能な複数の液圧制御弁装置と、前記主液通路の
前記主液通路遮断弁と前記液圧制御弁装置との間の部分
に設けられ、前記マスタシリンダとは別の副液圧源と接
続される副液圧源接続部と、前記主液通路遮断弁を遮断
状態にするとともに、前記複数の液圧制御弁装置の各々
をそれぞれ少なくとも連通状態と遮断状態とに切り換え
ることによって、各液圧制御弁装置に対応するホイール
シリンダの液圧をそれぞれ制御する液圧制御手段とを含
むブレーキ液圧制御装置に、前記液圧制御手段により前
記主液通路遮断弁が遮断状態にされるとともに、前記複
数の液圧制御弁装置のうちの一部が制御状態にあり、残
りが遮断状態に保たれている間の少なくとも一時期に、
その遮断状態に保たれている液圧制御弁装置に対応する
ホイールシリンダ液圧に運転者のブレーキ操作部材の操
作状態を反映させるブレーキ操作状態反映装置を設けた
ブレーキ液圧制御装置。本実施態様項のブレーキ液圧制
御装置によれば、ホイールシリンダ液圧に運転者のブレ
ーキ操作部材の操作状態が反映される。例えば、ブレー
キ操作部材の操作力や操作ストローク等の操作状態を検
出するブレーキ操作検出装置を設け、そのブレーキ操作
検出装置によって検出された操作状態に応じてホイール
シリンダの液圧が増圧されるのである。増圧する場合に
は、副液圧源の作動液を利用しても、マスタシリンダの
作動液を利用しても、マスタシリンダや副液圧源とは別
の第三の液圧源の作動液を利用してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、第一ないし第三発明に共通
の一実施形態であるブレーキ液圧制御装置を備えた液圧
ブレーキ装置について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示す液圧ブレーキ装置は、ダイヤゴナル2系統式
のものであり、符号10はマスタシリンダである。マス
タシリンダ10は、互いに独立した2つの加圧室が直列
に並んだタンデム型ものものであり、ブースタ11を介
してブレーキ操作部材としてブレーキペダル12に連結
されている。運転者によるブレーキペダル12の操作力
に応じて2つの加圧室には互いに等しい高さの液圧がそ
れぞれ発生させられる。
【0021】マスタシリンダ10の一方の加圧室には、
右前輪14のフロントホイールシリンダ16と左後輪1
8のリヤホイールシリンダ20とがそれぞれ接続され、
他方の加圧室には、図示しない左前輪のフロントホイー
ルシリンダと右後輪のリヤホイールシリンダとがそれぞ
れ接続されている。マスタシリンダ10の各加圧室から
延びる2つのブレーキ系統が互いに独立してダイヤゴナ
ルに構成されているのである。また、本液圧ブレーキ装
置が搭載された車両は前輪駆動車である。そのため、1
つのブレーキ系統には、駆動輪である前輪のフロントホ
イールシリンダと非駆動輪である後輪のリヤホイールシ
リンダとがそれぞれ1つずつ接続されることになる。以
下、フロントホイールシリンダ16とリヤホイールシリ
ンダ20とが接続されたブレーキ系統のみを詳細に説明
し、他のブレーキ系統については構成が同じであるた
め、説明を省略する。
【0022】マスタシリンダ10の一方の加圧室は主液
通路22によりリヤホイールシリンダ20に接続されて
いる。主液通路22の途中からは副液通路24が分岐さ
せられており、その先端にはフロントホイールシリンダ
16が接続されている。主液通路22のうちの副液通路
24の接続位置よりマスタシリンダ10側の部分には、
常開の開閉弁である主液通路遮断弁30が設けられてい
る。主液通路遮断弁30は、マスタシリンダ10とホイ
ールシリンダ20,16とをそれぞれとを接続する液通
路の共通部分に設けられているのである。主液通路22
には、また、主液通路遮断弁30をバイパスするバイパ
ス通路32が接続され、そのバイパス通路32には逆止
弁34が設けられている。逆止弁34は、マスタシリン
ダ10へ向かう向きの作動液の流れを阻止するが、逆向
きの流れを許容するものである。後述するが、主液通路
遮断弁30が遮断状態にある場合にブレーキペダル12
が踏み込まれ、加圧室の液圧が高くなった場合に、その
液圧をフロントホイールシリンダ16またはリヤホイー
ルシリンダ20に伝達するために設けられたものであ
る。
【0023】本液圧ブレーキ装置はリザーバ42を備え
ている。リザーバ42からはポンプ44および2つの逆
止弁46,48が設けられた増圧通路50が延びてお
り、主液通路22の主液通路遮断弁30より下流側の副
液圧源接続部としてのポンプ接続部51に接続されると
ともに、副液通路24にも接続されている。ポンプ44
はモータ52により駆動されるようになっている。ポン
プ44の吐出口は、また、リリーフ弁54を介してマス
タシリンダ10に接続されている。トラクション制御時
やビークルスタビリティ制御時にポンプ44の吐出圧が
リリーフ弁54の設定圧以上になると、作動液がマスタ
シリンダ10に戻される。
【0024】主液通路22の、ポンプ接続部51よりリ
ヤホイールシリンダ20側の部分には増圧用の電磁開閉
弁である増圧弁60が設けられており、増圧弁60をバ
イパスするバイパス通路の途中には逆止弁62が設けら
れている。逆止弁62は、リヤホイールシリンダ20か
ら主液通路遮断弁30へ向かう向きの流れを許容する
が、逆向きの流れを阻止するものであり、運転者のブレ
ーキペダル12の踏込みが緩められた場合にリヤホイー
ルシリンダ20の作動液をマスタシリンダ10に早急に
戻すために設けられたものである。また、リヤホイール
シリンダ20とリザーバ42とを接続する減圧通路に
は、減圧用の電磁開閉弁である減圧弁64が設けられて
いる。これら増圧弁60および減圧弁64等により液圧
制御弁装置65が構成される。
【0025】増圧弁60が連通状態、減圧弁64が遮断
状態にされれば、ホイールシリンダ20にはポンプ44
の吐出口が連通させられ、液圧は増圧される。増圧弁6
0が遮断状態、減圧弁64が遮断状態にされれば、ホイ
ールシリンダ20はポンプ44の吐出口からもリザーバ
42からも遮断されるため、液圧は保持される。増圧弁
60が遮断状態、減圧弁64が連通状態にされれば、ホ
イールシリンダ20はポンプ44の吐出口から遮断され
てリザーバ42に連通させられ、液圧は減圧される。増
圧弁60が連通状態にある状態が、特許請求の範囲にい
う液圧制御弁装置65の連通状態に対応し、増圧弁60
が遮断状態にある状態が液圧制御弁装置65の遮断状態
に対応するが、本実施形態においては、液圧制御弁装置
65が遮断状態にある状態には、減圧弁64が連通状態
にある状態と遮断状態にある状態とが含まれる。増圧弁
60が遮断状態にあれば、減圧弁64は連通状態にあっ
ても、遮断状態にあっても差し支えないが、後述するよ
うに、ホイールシリンダ20にマスタシリンダ10の液
圧を伝達するには、減圧弁64が遮断状態にされること
が望ましい。
【0026】同様に、副液通路24のポンプ接続部より
フロントホイールシリンダ16側の部分には増圧弁66
が設けられるとともに、増圧弁66をバイパスするバイ
パス通路には逆止弁68が設けられ、フロントホイール
シリンダ16とリザーバ42とを接続する減圧通路の途
中には、減圧弁70が設けられている。これら増圧弁6
6および減圧弁70等により液圧制御弁装置71が構成
される。このように、増圧弁60,66は、それぞれ主
液通路22,副液通路24のホイールシリンダ20,1
6についての専用の部分に設けられ、主液通路遮断弁3
0と、増圧弁60,66とは主液通路22,副液通路2
4各々において互いに直列に配設されることになる。
【0027】前記リザーバ42は、流入制御弁76を介
してマスタシリンダ10にリザーバ通路78により接続
されている。リザーバ室80に作動液が設定量以上収容
されている場合には流入制御弁76は閉状態にあるが、
作動液がポンプ44によりくみ上げられてリザーバ室8
0が負圧にされると、ピストン82が移動させられ、開
弁部材84により流入制御弁76が開状態に切り換えら
れる。それにより、マスタシリンダ10の作動液がリザ
ーバ室80に供給されることになる。
【0028】マスタシリンダ10とリヤホイールシリン
ダ20とは、前記主液通路遮断弁30および増圧弁60
をバイパスするバイパス通路90により接続されてお
り、バイパス通路90の途中にはバイパス遮断弁92が
設けられている。バイパス遮断弁92が連通状態にある
場合には、主液通路遮断弁30,増圧弁60が遮断状態
にあってもマスタシリンダ10とリヤホイールシリンダ
20とは連通状態に保たれる。したがって、マスタシリ
ンダ10の液圧をリヤホイールシリンダ20に伝達する
ことが可能となる。
【0029】本液圧ブレーキ装置には、アンチスキッド
制御コンピュータ100,トラクション制御コンピュー
タ102,ビークルスタビリティ制御コンピュータ10
4等の複数個のコンピュータを備えた液圧制御装置10
6が設けられている。前記電磁制御弁30,60,6
4,66,70,92およびモータ52は、液圧制御装
置106に駆動回路108を介して接続されており、こ
れら各制御手段100〜104の指令に基づきそれぞれ
別個に制御される。アンチスキッド制御コンピュータ1
00の入力部には、各車輪14,18の回転速度を検出
する車輪速センサ110,112、ブレーキペダル12
が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチ114
等が接続されるともに、ROMには、回転速度に基づい
て車体速度を推定するとともに、その車体速度に基づい
て各車輪14,18のスリップ状態を推定する制動スリ
ップ等演算プログラム、各車輪の制動スリップ状態等に
基づいて増圧モード,保持モード,減圧モード等を決定
するアンチスキッド制御プログラム等複数のプログラム
が格納されている。各車輪14,18の制動スリップ状
態が適正状態になるように、フロント,リヤホイールシ
リンダ16,20の液圧がそれぞれ別個に制御される。
【0030】トラクション制御コンピュータ102の入
力部には、前記車輪速センサ110,112および図示
しないアクセルペダルが踏み込まれたことを検出するア
クセルスイッチ116等が接続されるとともに、ROM
には、これら入力信号に基づいて車体速度を推定すると
ともに、駆動輪である右前輪14の駆動スリップ状態等
を推定する駆動スリップ等演算プログラム、駆動輪の駆
動スリップ状態等に基づいて増圧モード,保持モード,
減圧モード等を決定するトラクション制御プログラム等
の複数のプログラムが格納されている。右前輪14の駆
動スリップ状態が適正状態になるようにフロントホイー
ルシリンダ16の液圧が制御される。また、駆動スリッ
プ状態に応じてサブスロットルバルブの開度も制御され
る。
【0031】ビークルスタビリティ制御コンピュータ1
04の入力部には、前記車輪速センサ110,112の
他に、車両の横方向の加速度を検出する横Gセンサ12
0、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ122、図
示しないステアリングホイールの操舵角を検出する操舵
角センサ124等が接続されている。ROMには、これ
らの入力信号に基づいて車両の状態を推定し、推定され
た車両状態に基づいてスピン抑制制御やドリフトアウト
抑制制御が行われるための安定制御プログラム等の複数
個のプログラムが格納されている。車両の操縦安定性が
良好な状態になるように、駆動輪のうちの旋回外輪のフ
ロントホイールシリンダ液圧が制御されたり、両駆動輪
のホイールシリンダおよび非駆動輪のうちの旋回内輪の
ホイールシリンダ液圧が制御されたりする。また、車両
の状態に応じてサブスロットルバルブの開度も制御され
る。
【0032】以上のように構成された液圧ブレーキ装置
における作動について説明する。常には、各電磁制御弁
30,60,64,66,70,92は、図示する原位
置にある。ブレーキペダル12が踏み込まれると、マス
タシリンダ10の各加圧室には、それに応じた液圧が発
生させられ、作動液が主液通路22,副液通路24を経
て、リヤ,フロントの両ホイールシリンダ20,14に
供給される。リヤホイールシリンダ20には、バイパス
通路90を経て供給される作動液もある。また、ブレー
キペダル12の踏込みが緩められれば、リヤホイールシ
リンダ20の作動液は、増圧弁60や逆止弁62,主液
通路遮断弁30を経てマスタシリンダに戻されたり、バ
イパス通路90を経て戻されたりする。フロントホイー
ルシリンダ16の作動液は、増圧弁66や逆止弁68,
主液通路遮断弁30を経て戻される。
【0033】少なくとも1輪の制動スリップが過大にな
る等のアンチスキッド制御開始条件が満たされれば、ア
ンチスキッド制御が開始される。主液通路遮断弁30が
連通状態に保たれ、バイパス遮断弁92が遮断状態に切
り換えられた状態で、増圧弁60,減圧弁64がそれぞ
れ連通状態,遮断状態に切り換えられることによりリヤ
ホイールシリンダ20の液圧が制御され、増圧弁66,
減圧弁70が制御されることによりフロントホイールシ
リンダ16の液圧が制御される。各車輪18,14の制
動スリップ状態が適正状態になるように制御されるので
ある。アンチスキッド制御中にブレーキペダル12の踏
込みが緩められれば、リヤホイールシリンダ20の作動
液は、増圧弁60が連通状態にあれば、増圧弁60,主
液通路遮断弁30を経て戻されたり、逆止弁62,主液
通路遮断弁30を経て戻されたりする。増圧弁60が遮
断状態にあれば、逆止弁62および主液通路遮断弁30
を経て戻される。フロントホイールシリンダ16の作動
液も同様に、連通状態にある増圧弁66あるいは逆止弁
68,主液通路遮断弁30を経て戻される。上述のよう
に、アンチスキッド制御中には主液通路遮断弁30が連
通状態に保たれるため、ホイールシリンダ20,16の
作動液をマスタシリンダ10に良好に戻すことが可能と
なる。
【0034】前輪の駆動スリップが過大になる等のトラ
クション制御開始条件が満たされれば、トラクション制
御が開始される。スロットルバルブ開度が小さくされ、
フロントホイールシリンダの液圧が制御される。図示す
るブレーキ系統においては、右前輪14のフロントホイ
ールシリンダ16の液圧が制御されるのである。主液通
路遮断弁30が遮断状態に保たれた状態で、増圧弁6
6,減圧弁70がそれぞれ連通状態と遮断状態とに切り
換えられることにより、フロントホイールシリンダ16
の液圧が右前輪14の駆動スリップ状態が適正状態にな
るように制御される。トラクション制御開始時には、リ
ザーバ42のリザーバ室80には作動液は殆ど収容され
ていないため、ポンプ44の駆動によりリザーバ室80
が負圧にされ、流入制御弁76が開かれ、マスタシリン
ダ10の作動液が供給される。トラクション制御におい
ては、非駆動輪である左後輪18のリヤホイールシリン
ダ20の液圧は増圧する必要がないため、増圧弁60が
遮断状態に保たれるとともに、減圧弁64も遮断状態に
保たれる。また、バイパス遮断弁92が連通状態に保た
れる。リヤホイールシリンダ20が大気圧にあるマスタ
シリンダ10と連通状態にあっても、トラクション制御
への影響はないのである。
【0035】トラクション制御中にブレーキペダル12
が踏み込まれれば、マスタシリンダ10の作動液が、バ
イパス通路90を経てリヤホイールシリンダ20に供給
され、リヤホイールシリンダ20の液圧が直ちに高めら
れる。トラクション制御は、図示しないメインスロット
ルバルブが全閉状態にされる等の終了条件が満たされる
と終了させられるが、ブレーキペダル12が踏み込まれ
た時点ではアクセルペダルは踏み込まれていないため、
トラクション制御終了条件が満たされることになる。主
液通路遮断弁30が連通状態に切り換えられるととも
に、増圧弁60,66が連通状態に切り換えられる。し
かし、これら電磁制御弁は直ちに切り換えられるわけで
はなく、ブレーキペダル12の踏込みに遅れて切り換え
られることになる。それに対して、本実施形態において
は、トラクション制御中の全期間において、バイパス遮
断弁92が連通状態に保たれるため、マスタシリンダ1
0の液圧が直ちに伝達され、リヤホイールシリンダ20
の液圧の増圧遅れが小さくなる。トラクション制御終了
時におけるブレーキの効き遅れを小さくできるのであ
る。
【0036】また、本実施形態においては、主液通路遮
断弁30をバイパスするバイパス通路32および逆止弁
34が設けられている。ブレーキペダル12の踏込みに
伴いマスタシリンダ液圧が高められ、マスタシリンダ1
0の液圧がポンプ接続部51付近の液圧より高くなる
と、マスタシリンダ10の作動液はバイパス通路32を
経て主液通路遮断弁30の下流側に供給される。主液通
路遮断弁30が遮断状態にあっても増圧弁66が連通状
態にあれば、その作動液がフロントホイールシリンダ1
6に供給され、フロントホイールシリンダ16の液圧が
増圧される。トラクション終了時における増圧遅れが小
さくされるようになっているのである。
【0037】トラクション制御中にブレーキペダル12
が踏み込まれることにより、少なくとも1輪の制動スリ
ップが過大になる等のアンチスキッド制御開始条件が満
たされれば、アンチスキッド制御が開始される。その場
合には、バイパス遮断弁92が遮断状態に切り換えら
れ、主液通路遮断弁30が連通状態に切り換えられると
ともに、液圧制御弁装置65,71がそれぞれ制御され
ることになる。
【0038】次に、ビークルスタビリティ制御が行われ
る場合について説明する。ビークルスタビリティ制御に
おいては、車両がスピン状態(強いオーバーステア状
態)にあると推定された場合にはスピン抑制制御が行わ
れ、ドリフトアウト状態(強いアンダステア状態)にあ
ると推定された場合にはドリフトアウト抑制制御が行わ
れる。車両がスピン状態にあるか否かは、スピンバリュ
ーSVに基づいて推定される。車輪の回転速度に基づい
て推定された車体速度V、横加速度Gy およびヨーレー
トγから式(Vyd=Gy −V*γ)に従って横すべり加
速度Vydが求められ、その横すべり加速度Vydを積分し
て横すべり速度Vy が求められる。この横すべり速度V
y をスピンバリューSVとする。スピンバリューSVの
絶対値が設定値SV0 以上の場合には、スピン状態にあ
ると推定される。
【0039】また、車両がドリフトアウト状態にあるか
否かは、ドリフトバリューDVに基づいて推定される。
上記車体速度V,操舵角θ,スタビリティファクタK
h,ステアリングギヤ比N,ホイールベースLから式 γt=(V*θ)/{(1+Kh*V2 )*N*L} に従って目標ヨーレートγtが求められ、遅れ時定数T
r,ラプラスの演算子sを用いて目標ヨーレートの位相
調整の処理が式 γti =γt/(1+Tr*s) に従って行われる。その位相調整後の目標ヨーレートγ
tiと実ヨーレートγとの偏差{γ*(γti−γ)}が求
められ、その偏差がドリフトバリューDVとされる。ド
リフトバリューDVが設定値DV0 以上の場合には、ド
リフトアウト状態にあると推定されるのである。
【0040】スピン状態にあると推定された場合には、
駆動輪としての前輪の旋回外輪のフロントホイールシリ
ンダの液圧が制御される。スピンバリューSVに基づい
て図示しないテーブルからスピン制御量Scが求めら
れ、そのスピン制御量Scに前輪係数Kfを掛けること
により回転速度対応制御量(Cf=Sc*Kf)が求め
られ、この回転速度対応制御量Cfおよび非駆動輪とし
ての後輪の旋回内輪の車輪速Vrin に基づいて上記前輪
の旋回外輪の目標車輪速度Vtfout が式 Vtfout =(1−Cf)*Vrin に従って求められる。ここで、回転速度対応制御量Cf
は0から1までの大きさの値である。この目標車輪速度
Vtfout と、実際の車輪速度Vfout,正の係数Kp から
式 Drfout =Kp (Vfout−Vtfout ) に従って、駆動デューティ比Drfout が求められる。こ
のように、本実施形態においては、非駆動輪の旋回内輪
が基準輪とされ、駆動輪の旋回外輪が制御対象輪とされ
る。制御対象輪の目標回転速度が基準輪の回転速度に基
づいて求められ、制御対象輪の回転速度がその目標回転
速度になるようにホイールシリンダ液圧が制御されるの
である。上式から明らかなように、回転速度対応制御量
Cfが同じであれば、旋回内輪の車輪速Vfin が小さく
なれば、目標車輪速度Vtfout が小さくなり、駆動デュ
ーティ比Drfout が大きくなる。
【0041】制御対象輪が右前輪14に該当する場合に
は、主液通路遮断弁30が遮断状態に切り換えられた状
態で、液圧制御弁装置71が制御される。駆動デューテ
ィ比が正の設定値以上の場合には増圧モードが設定さ
れ、正の設定値より小さく負の設定値より大きい場合に
は保持モードが設定され、負の設定値以下の場合には減
圧モードが設定されるのである。また、液圧制御弁装置
65においては、増圧弁60および減圧弁64は共に遮
断状態に保たれるとともに、バイパス遮断弁92は連通
状態に保たれる。右前輪14のフロントホイールシリン
ダ16の液圧が、スピン状態が抑制されるように制御さ
れるが、基準輪としての左後輪18のリヤホイールシリ
ンダ20の液圧は制御されないのである。
【0042】スピン抑制制御中にブレーキペダル12が
踏み込まれた場合には、マスタシリンダ10の液圧が高
くなり、その液圧がバイパス通路90を経てリヤホイー
ルシリンダ20に伝達される。リヤホイールシリンダ2
0の液圧が高くなり、左後輪18の車輪速度は低下させ
られる。それにより、右前輪14の目標回転速度が小さ
くされ、駆動デューティ比が相対的に大きくされ、フロ
ントホイールシリンダ16の液圧が相対的に高められ
る。このように、本実施形態においては、基準輪のリヤ
ホイールシリンダ20にマスタシリンダ10の液圧が伝
達されるようになっているため、リヤホイールシリンダ
20に運転者のブレーキペダル12の操作に応じた液圧
を伝達することができるとともに、制御対象輪のフロン
トホイールシリンダ16の液圧も、それに応じた高さに
することができる。運転者の意図に応じた制動力を発生
しつつスピン抑制制御を行うことが可能となるのであ
る。
【0043】一方、ドリフトアウト状態にあると推定さ
れた場合には、駆動輪である左右前輪のフロントホイー
ルシリンダおよび非駆動輪である後輪の旋回内輪のリヤ
ホイールシリンダの液圧が制御される。制御対象輪が左
右前輪および後輪の旋回内輪とされ、基準輪が後輪の旋
回外輪とされるのである。上記スピン抑制制御と同様
に、ドリフトアウトバリューDVに基づいて図示しない
テーブルからドリフト制御量Dcが求められ、そのドリ
フト制御量Dcに基づく回転速度対応制御量Cf,Cr
が左右前輪については、ドリフト制御量Dcに前述の前
輪係数Kfを掛けることにより、式Cf=Dc*Kfに
従って求められ、後輪については、ドリフト制御量Dc
に後輪係数Krを掛けることにより、式Cr=Dc*K
rに従って求められる。次に、回転速度対応制御量C
f,Crおよび基準輪の車輪速Vroutに基づいて制御対
象輪の目標車輪速度Vtfout ,VtfinおよびVtrinが、
それぞれ、式 Vtfout =(1−Cf)*Vrout Vtfin =(1−Cf)*Vrout Vtrin =(1−Cr)*Vrout に従って求められ、スピン抑制制御の場合と同様に、駆
動デューティ比Drfout,Drfin,Drrinが、それぞれ
式 Drfout =Kp (Vfout−Vtfout ) Drfin =Kp (Vfin −Vtfin ) Drrin =Kp (Vrin −Vtrin) に従って求められる。
【0044】基準輪が左後輪18に該当する場合には、
図示しないブレーキ系統においては両方の液圧制御弁装
置が制御状態にされるが、本ブレーキ系統においては液
圧制御弁装置71は制御状態にされるが、液圧制御弁装
置65においては、増圧弁60も減圧弁64も遮断状態
に保たれる。また、他方のブレーキ系統においては図示
しないバイパス遮断弁は遮断状態に保たれるが、本ブレ
ーキ系統においては、バイパス遮断弁92は連通状態に
保たれる。ドリフトアウト抑制制御中にブレーキペダル
12が踏み込まれれば、スピン抑制制御中における場合
と同様に、リヤホイールシリンダ20にマスタシリンダ
圧が伝達される。リヤホイールシリンダ20の液圧が高
くなり、左後輪18の車輪速度が低下させられる。ま
た、それに伴って、他の3輪の制御対象輪の目標回転速
度が小さくされ、駆動デューティ比が大きくなる。ホイ
ールシリンダ液圧が高められるのである。また、本実施
形態においては、バイパス遮断弁92および液圧制御装
置106の制御中にバイパス遮断弁92を連通状態に保
つ部分等によってマスタシリンダ液圧伝達装置が構成さ
れるのである。ここで、マスタシリンダ液圧伝達装置
は、マスタシリンダ液圧非駆動輪伝達装置でも,マスタ
シリンダ液圧基準輪伝達装置でもある。
【0045】以上のように、本実施形態によれば、アン
チスキッド制御が主液通路遮断弁30が連通状態に保た
れた状態で行われるため、アンチスキッド制御中にブレ
ーキペダル12の踏込みが緩められた場合に、フロン
ト,リヤ両ホイールシリンダ16,20の作動液をマス
タシリンダ10に良好に戻すことができる。
【0046】また、トラクション制御中にはバイパス遮
断弁92が連通状態に保たれるため、トラクション制御
中にブレーキペダル12が踏み込まれても、ブレーキの
効き遅れを小さくすることができる。さらに、ビークル
スタビリティ制御中にブレーキペダル12が踏み込まれ
た場合には、マスタシリンダ10の液圧を基準輪のリヤ
ホイールシリンダ20に伝達することができる。基準輪
の回転速度が小さくされると、それに伴って、制御対象
輪の目標回転速度が小さくされ、その結果、ホイールシ
リンダ液圧が相対的に高くされる。このように、基準輪
のホイールシリンダ20に運転者のブレーキペダル12
の操作力に応じた液圧を伝達することができるととも
に、他の制御対象輪のホイールシリンダ16の液圧も、
操作力に応じた高さに制御することが可能となる。この
ように、ビークルスタビリティ制御中に、ブレーキペダ
ル12が操作された場合には、車両の操縦安定性が良好
な状態になるように制御しつつ運転者の意図に応じた制
動力を得ることができるのである。
【0047】なお、上記実施形態においては、ビークル
スタビリティ制御中にはバイパス遮断弁92が連通状態
に保たれていたが、ブレーキペダル12が踏み込まれた
ことが検出された時点(ブレーキスイッチ114の出力
信号がOFFからONに切り換わった時点)やマスタシ
リンダ10の液圧が設定圧より高くなった時点等に、連
通状態に切り換えられるようにしてもよい。それに対し
て、ビークルスタビリティ制御がブレーキペダル12の
踏込みが検出された時点で終了させられるようになって
いる場合には、上記第一実施形態におけるように、制御
中にはパイパス遮断弁92が連通状態に保たれているこ
とが望ましい。トラクション制御中にブレーキペダル1
2が踏み込まれた場合と同様に、ブレーキの効き遅れを
小さくすることが可能となる。また、液圧制御弁装置6
5,71は、図2に示すように、3位置の電磁方向切換
弁150を含むものとすることができる。本実施形態に
おいては、バイパス通路90によって、マスタシリンダ
10とリヤホイールシリンダ20とが主液通路遮断弁3
0と電磁方向切換弁150とをバイパスして接続される
ことになる。
【0048】さらに、上記実施形態においては、ブレー
キ液圧制御装置がダイヤゴナル2系統式の液圧ブレーキ
装置に設けられていたが、前後2系統の液圧ブレーキ装
置に設けることもできる。また、液圧ブレーキ装置は、
前輪駆動車に搭載されても後輪駆動車に搭載されてもよ
い。さらに、バイパス遮断弁92は常閉弁であってもよ
い。図3に、後輪駆動車に搭載された前後2系統の液圧
ブレーキ装置を示す。マスタシリンダ10の一方の加圧
室には、駆動輪としての左右後輪のリヤホイールシリン
ダ200,202がそれぞれ液通路204,206によ
り接続され、他方の加圧室には、非駆動輪としての左右
前輪のフロントホイールシリンダ210,212がそれ
ぞれ液通路214,216により接続されている。図に
示すように、駆動輪のリヤホイールシリンダ200,2
02が接続された一方のブレーキ系統においては、上記
実施形態におけるバイパス通路およびバイパス遮断弁は
設けられていない。トラクション制御中には、主液通路
遮断弁218が遮断状態に切り換えられた状態で、両液
圧制御弁装置220,222が必ず制御状態にされ、ビ
ークルスタビリティ制御における基準輪は本実施形態に
おいては非駆動輪とされているため、駆動輪のホイール
シリンダにマスタシリンダ10の液圧を伝達する必要性
が低いからである。
【0049】他方の非駆動輪のホイールシリンダ21
0,212が接続されたブレーキ系統においては、フロ
ントホイールシリンダ210とマスタシリンダ10と
を、主液通路遮断弁230,増圧弁232をバイパスし
て接続するバイパス通路234が設けられるとともに、
そのバイパス通路234には常閉の開閉弁であるバイパ
ス遮断弁236が設けられている。同様に、フロントホ
イールシリンダ212とマスタシリンダ10とを、主液
通路遮断弁230および増圧弁240をバイパスして接
続するバイパス通路242が設けられるとともに、バイ
パス遮断弁244が設けられている。ドリフトアウト抑
制制御が行われる場合には、左右前輪のいずれの車輪が
制御対象輪とされるかが予め決まっているわけではない
ため、マスタシリンダ10とフロントホイールシリンダ
210,212各々とをそれぞれ接続するバイパス通路
234,242が設けられているのである。
【0050】アンチスキッド制御は、上記実施形態にお
ける場合と同様に、非駆動輪側のブレーキ系統において
は、主液通路遮断弁230が連通状態に保たれ、バイパ
ス遮断弁236,244が遮断状態に保たれた状態で、
増圧弁232および減圧弁250を含む液圧制御弁装置
251、増圧弁240および減圧弁252を含む液圧制
御弁装置253がそれぞれ制御状態にされる。アンチス
キッド制御中にブレーキペダル12の踏込みが緩められ
れば、フロントホイールシリンダ210,212の作動
液は連通状態にある主液通路遮断弁230を経てマスタ
シリンダ10に戻される。駆動輪側のブレーキ系統にお
いては、主液通路遮断弁218が連通状態に保たれた状
態で、液圧制御弁装置218,220が制御される。
【0051】トラクション制御は、駆動輪としての後輪
のリヤホイールシリンダ200,202に対して行われ
るため、非駆動輪側のブレーキ系統においては、図示す
る原位置に保たれる。スピン抑制制御が行われる場合に
は、駆動輪の旋回外輪のリヤホイールシリンダ液圧が、
非駆動輪の旋回内輪の車輪速度に基づいて制御される。
駆動輪側のブレーキ系統においては、主液通路遮断弁2
18が遮断状態に切り換えられた状態で、液圧制御弁装
置218および220のいずれか一方が制御状態にされ
るが、非駆動輪側のブレーキ系統においては、図示する
原位置に保たれる。そのため、バイパス遮断弁236,
244を連通状態にしなくても、マスタシリンダ10の
液圧はフロントホイールシリンダ210,212に伝達
される。
【0052】ドリフトアウト抑制制御が行われる場合に
は、駆動輪側のブレーキ系統においては、主液通路遮断
弁218が遮断状態に切り換えられた状態で、液圧制御
弁装置218,220の両方が制御状態にされる。非駆
動輪側のブレーキ系統においては、主液通路遮断弁23
0が遮断状態に切り換えられた状態で、旋回内輪に対応
する液圧制御弁装置が制御状態にされ、旋回外輪に対応
する液圧制御弁装置は遮断状態にされる。旋回外輪に対
応するバイパス遮断弁が連通状態に保たれるのである。
例えば、車両が右旋回中にドリフトアウト状態にあると
推定された場合には、右前輪が制御対象輪とされ、左前
輪が基準輪とされる。右前輪のフロントホイールシリン
ダ212に対応する液圧制御弁装置253が制御状態に
されるとともに、左前輪のフロントホイールシリンダ2
10に対応する液圧制御弁装置251においては、増圧
弁232も減圧弁250も共に遮断状態に保たれる。ま
た、フロントホイールシリンダ212に接続されたバイ
パス通路242のバイパス遮断弁244は遮断状態に保
たれるが、基準輪のフロントホイールシリンダ210に
接続されたバイパス通路234のバイパス遮断弁236
は連通状態に保たれる。ドリフトアウト抑制制御中にブ
レーキペダル12が踏み込まれれば、マスタシリンダ1
0の液圧はバイパス通路234を経てホイールシリンダ
210に伝達される。それにより、基準輪の回転速度が
小さくなり、他の車輪の目標回転速度が小さくされると
ともにホイールシリンダ液圧が増圧される。
【0053】車両が左旋回中にドリフトアウト状態にあ
ると推定された場合には、逆に、右前輪が基準輪とさ
れ、バイパス遮断弁244が連通状態に保たれ、バイパ
ス遮断弁236が遮断状態に保たれる。基準輪のフロン
トホイールシリンダ212には、マスタシリンダ10が
連通させられる。このように、本実施形態においても、
ビークルスタビリティ制御が行われる場合にブレーキペ
ダル12が踏み込まれた場合には、マスタシリンダ10
の液圧を基準輪のホイールシリンダに伝達することがで
き、運転者の意図に応じた制動力を得ることができる。
【0054】さらに、2つのバイパス遮断弁236,2
44を、図4に示すように、1つの方向切換弁270と
することもできる。ビークルスタビリティ制御中におい
ては、基準輪としての非駆動輪の旋回内輪のホイールシ
リンダにマスタシリンダ10の液圧が伝達されればよ
く、非駆動輪の両ホイールシリンダに同時期に伝達する
必要はないのである。基準輪が左前輪の場合には、方向
切換弁270を図示する原位置とし、右前輪の場合には
ソレノイドが励磁され、マスタシリンダ10がホイール
シリンダ212に連通させられるようにする。
【0055】また、図3,4に示す液圧ブレーキ装置の
駆動輪側のブレーキ系統においても、マスタシリンダ液
圧伝達装置を設けてもよい。この場合には、マスタシリ
ンダ液圧伝達装置は、マスタシリンダ液圧駆動輪伝達装
置でも、マスタシリンダ液圧後輪伝達装置でもある。例
えば、スピン抑制制御においては、上述のように駆動輪
の旋回外輪のホイールシリンダに対応する液圧制御弁装
置のみが制御状態にされるため、駆動輪の旋回内輪のホ
イールシリンダとマスタシリンダとが連通状態にあれ
ば、スピン抑制制御中にブレーキペダル12が踏み込ま
れた場合に、マスタシリンダの液圧を前回内輪のホイー
ルシリンダに伝達することができる。旋回内輪のホイー
ルシリンダの液圧をブレーキペダル12の操作力に応じ
て増圧することができるのである。
【0056】さらに、上記実施形態においては、ドリフ
トアウト抑制制御における制御対象輪が駆動輪である左
右後輪および非駆動輪である前輪の旋回内輪とされてい
たが、制御対象輪を後輪の旋回内輪および前輪の旋回外
輪とし、基準輪を前輪の旋回内輪としてもよい。本実施
形態においては、両駆動輪のリヤホイールシリンダ20
0.202の液圧が常に制御されるわけではないため、
上記実施形態における場合と同様に、駆動輪側のブレー
キ系統にもマスタシリンダ液圧伝達装置を設けてもよ
い。この場合には、ドリフトアウト抑制制御中にブレー
キペダル12が踏み込まれた場合にも、非制御対象輪の
ホイールシリンダの液圧を増圧することが可能となる。
【0057】また、第一,第二発明によれば、上記実施
形態におけるように、基準輪である非駆動輪のホイール
シリンダにマスタシリンダが連通させられるようにする
ことは不可欠ではなく、基準輪以外の車輪のホイールシ
リンダにマスタシリンダが連通させられるようにしても
よい。マスタシリンダ液圧伝達装置によってマスタシリ
ンダに連通させられるホイールシリンダの車輪は、基準
輪でなくても、非駆動輪でなくても、本発明の効果を享
受し得る。上述のように、スピン抑制制御においては一
方の駆動輪のみが制御対象輪とされるため、駆動輪の非
制御対象輪のホイールシリンダとマスタシリンダとが連
通状態にされれば、スピン抑制制御中にブレーキペダル
が踏み込まれた場合に、ホイールシリンダの液圧を踏込
みに応じて増圧させることが可能となる。
【0058】さらに、運転者のブレーキ操作に応じてホ
イールシリンダ液圧が増圧されるようにしてもよい。例
えば、ブレーキペダル12の踏込力を検出する踏力セン
サと、マスタシリンダ10やポンプ44とは別の液圧源
とを設け、その液圧源の作動液を踏力センサによって検
出された踏力に応じてホイールシリンダに供給するので
ある。その結果、ホイールシリンダの液圧に運転者の意
図を反映させることが可能となる。
【0059】その他、ビークルスタビリティ制御の具体
的制御等は上記実施形態に限らず、別の制御が行われて
もよい等いちいち例示することはしないが、特許請求の
範囲を逸脱することなく当業者の知識に基づいて種々の
変形,改良を施した態様で本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一ないし第三発明に共通の一実施形態である
ブレーキ液圧制御装置が適用された液圧ブレーキ装置を
示す図である。
【図2】第一ないし第三発明に共通の別の一実施形態で
あるブレーキ液圧制御装置が適用された液圧ブレーキ装
置の一部を示す図である。
【図3】第一ないし第三発明に共通のさらに別の一実施
形態であるブレーキ液圧制御装置が適用された液圧ブレ
ーキ装置を示す図である。
【図4】第一ないし第三発明に共通のさらに別の一実施
形態であるブレーキ液圧制御装置が適用された液圧ブレ
ーキ装置の一部を示す図である。
【符号の説明】
10 マスタシリンダ 16,20,200,202,210,212 ホイー
ルシリンダ 30,218,230 主液通路遮断弁 65,71,220,222,251,253 液圧制
御弁装置 51 副液圧源接続部 90,234,242 バイパス通路 92,236,244 バイパス遮断弁 106 液圧制御装置 100 アンチスキッド制御手段 102 トラクション制御手段 104 ビークルスタビリティ制御手段 270 方向切換弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の車輪のホイールシリンダ各々とマ
    スタシリンダとを接続する主液通路の共通部分に設けら
    れ、これら複数のホイールシリンダとマスタシリンダと
    を連通させる連通状態と遮断する遮断状態とに切換可能
    な主液通路遮断弁と、 前記主液通路の前記複数のホイールシリンダの各々に専
    用の部分にそれぞれ設けられ、少なくとも、前記主液通
    路遮断弁と各ホイールシリンダとを連通させる連通状態
    と、これらを遮断する遮断状態とに切り換えが可能な複
    数の液圧制御弁装置と、 前記主液通路の前記主液通路遮断弁と前記液圧制御弁装
    置との間の部分に設けられ、前記マスタシリンダとは別
    の副液圧源と接続される副液圧源接続部と、 前記主液通路遮断弁を遮断状態にするとともに、前記複
    数の液圧制御弁装置の各々をそれぞれ少なくとも連通状
    態と遮断状態とに切り換えることによって、各液圧制御
    弁装置に対応するホイールシリンダの液圧をそれぞれ制
    御する液圧制御手段とを含むブレーキ液圧制御装置に、 前記液圧制御手段により前記主液通路遮断弁が遮断状態
    にされるとともに、前記複数の液圧制御弁装置のうちの
    一部が制御状態とされ、残りが遮断状態に保たれている
    間の少なくとも一時期に、その遮断状態に保たれている
    液圧制御弁装置に対応するホイールシリンダに前記マス
    タシリンダの液圧を伝達するマスタシリンダ液圧伝達装
    置を設けたことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記液圧制御手段が、前記主液通路遮断
    弁を遮断状態にした状態で、前記複数の液圧制御弁装置
    の一部を少なくとも連通状態と遮断状態とに切り換える
    ことによりホイールシリンダ液圧を駆動スリップ状態が
    適正状態になるように制御するトラクション制御手段
    と、前記複数の液圧制御弁装置の一部を少なくとも連通
    状態と遮断状態とに切り換えることによりホイールシリ
    ンダ液圧を車両の操縦安定性が良好な状態になるように
    制御するビークルスタビリティ制御手段との少なくとも
    一方を含み、 前記マスタシリンダ液圧伝達装置が、前記遮断状態に保
    たれる液圧制御弁装置に対応するホイールシリンダと前
    記マスタシリンダとを、その遮断状態に保たれる液圧制
    御弁装置および前記主液通路遮断弁をバイパスして接続
    するバイパス通路と、そのバイパス通路に設けられてそ
    のバイパス通路を連通させる連通状態と遮断する遮断状
    態とに切り換え可能なバイパス遮断弁と、前記トラクシ
    ョン制御手段とビークルスタビリティ制御手段とのいず
    れか一方により制御が行われている間の少なくとも一時
    期に前記バイパス遮断弁を連通状態にするバイパス遮断
    弁制御手段とを含むことを特徴とする請求項1に記載の
    ブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記遮断状態に保たれる液圧制御弁装置
    に対応する車輪が非駆動輪であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のブレーキ液圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US6280006B1 (en) 1998-07-31 2001-08-28 Nissin Kogyo Co., Ltd. Brake hydraulic control device for use in vehicle
JP2006123889A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Toyota Motor Corp 液圧ブレーキ装置

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