JPH09217257A - 生分解性繊維成形物 - Google Patents

生分解性繊維成形物

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JPH09217257A
JPH09217257A JP8048347A JP4834796A JPH09217257A JP H09217257 A JPH09217257 A JP H09217257A JP 8048347 A JP8048347 A JP 8048347A JP 4834796 A JP4834796 A JP 4834796A JP H09217257 A JPH09217257 A JP H09217257A
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JP
Japan
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fiber
molded product
fibers
shape
plant
Prior art date
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Pending
Application number
JP8048347A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Agari
勝美 上利
Hideki Hinako
秀樹 日名子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Filing date
Publication date
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    • Y02P60/216

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Hydroponics (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は植物の培養において、根の生育
に好適な形状を有するために植物を好適に支持し、かつ
植物とともに土中に埋めても微生物によって分解される
ため土壌を汚染しない植物培養用支持体として用いられ
る繊維成形物を提供することである。 【解決手段】本発明の繊維成形体は、ポリ乳酸繊維から
なる主体繊維と生分解性を有する熱融着繊維からなるウ
ェブをスライバーに加工し、このスライバーを柱上に加
工したことを特徴とする繊維成形物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸繊維を主
体とするウェブをスライバーに加工し、これを柱状に加
工した成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在各種の繊維材料を用いた不織布が、
衣料芯地材、カーペット類、その他産業用資材として広
く使われている。不織布とは、織編工程を経ていない布
状物で、さらに詳しくはウェブと呼ばれる、構成繊維同
士が結合、交絡していない塊状の繊維状物質を、加工に
より繊維同士に結合、交絡を付与したものを言う。
【0003】このような不織布としては各種材料を用い
たものが知られているが、近年、生分解性繊維を材料と
する不織布についても報告されている(特開平7−48
769号公報、特開平6−248511号公報)。これ
らは生分解性繊維にバインダーを混合したウェブを用
い、これを熱融着することにより、不織布とするもので
ある。これらは使用する熱融着繊維もまた生分解性を有
するものであるため、不織布の分解時に残留物を残さ
ず、好ましいものである。
【0004】近年このようにして製造された生分解性不
織布を、植物の植生シートとして用いる試みがなされて
いる(特開平7−177822号公報)。植生シートと
は路肩、堤防などの法面やゴルフ場などの造成地の緑化
を目的として用いるものである。このような植生シート
として用いる場合は、不織布の持つ布状の形状は好まし
いものである。また生分解性を有するために使用後も未
分解物が残存せず、好ましい。
【0005】この他に近年、生分解性高分子からなる材
料を水耕栽培の培地の支持体に用いようとする試みもな
されている。しかしこのような試みにおいて、不織布を
使用した場合は厚みが不十分であるため、根は水平方向
に広がることとなる。このため、一個体の専有する面積
が広くなり、効率的ではない。また、厚み方向の根の広
がりがないため、植物は不安定で倒れやすい。また、他
に発泡体などを用いる方法も考えられるが、成形体中を
根が生長するためには連続空孔を有することが必要であ
り、生分解性高分子を材料としてこのような発泡体を得
ることは困難である。
【0006】また天然繊維または合成繊維からなり構成
繊維同士が結合、交絡していないウェブを使用した場合
は、形状の安定性が悪く、支持体としての性能は十分で
はなく、水耕栽培用培地として用いるには好ましくな
い。
【0007】
【発明の解決しようとする課題】本発明は上記問題点の
改善された、植物の育成に好適な形状を持つ繊維成形物
を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題はポリ乳酸繊維
と熱融着繊維からなるウェブをスライバーに加工し、こ
れを柱状に加工したことを特徴とする成形物によって達
成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においてはまず、生分解性
を有する繊維からなるウェブを材料とすることが肝要で
ある。生分解性を持たない繊維材料を用いた場合、水耕
栽培を行った後土中に移植すると、土壌を汚染するため
好ましくない。使用する生分解性繊維は、柱状の形状を
安定して保持するだけの強度を有することが必要であ
る。このような強度の範囲とは、3g/d以上であり、
これらの見地から、ポリ乳酸からなる繊維であることが
必要である。
【0010】上記のポリ乳酸とは具体的には乳酸の重合
体または少量の共重合成分を含有する乳酸共重合体であ
って、平均分子量が50000以上、かつ融点が110
℃以上であることが好ましい。低分子量である場合は衝
撃強度が劣り、また高融点の重合体を得ることが困難と
なる。また低融点の場合は、主体繊維の融点と熱融着繊
維の熱融着温度が近くなりすぎるため、加工が困難とな
る。
【0011】乳酸は光学活性の炭素原子を有するため、
L−体、D−体を有する。したがってこれらから得られ
るポリマーも光学活性を有し、L−体、D−体、ラセミ
体およびそれらの混合物が存在する。これらのいずれを
も使用することができる。
【0012】ポリ乳酸としては、単独の重合体でも使用
できるが、分子量600以上のポリエチレングリコール
を0.1〜10重量%、更に好ましくは分子量2000
〜20000のポリエチレングリコールを0.5〜5重
量%共重合させたものであっても良い。ポリ乳酸のみか
らなる重合体は非常に脆く、かつ成形性も不良である
が、共重合により繊維の柔軟性が得られ物性の優れたも
のとなる。このような成分を共重合させることにより、
ポリマーの流動性が改善され、良好な物性を持った成形
品を得ることができる。
【0013】また、本発明は上記の生分解性繊維に加え
て、バインダーとして熱融着繊維を混合したウェブを形
成することを特徴とする。バインダーの混合量は特に限
定するものではないが、使用する繊維全量に対して、1
0〜50重量%使用することが好ましい。10重量%未
満であれば繊維を十分融着することができず、50重量
%を越えても物性は向上せず、熱融着繊維を不要に多く
使用するのみだからである。
【0014】本発明において使用する生分解性バインダ
ー繊維は特にその材質を限定するものではなく、公知の
ものを使用することができる。たとえば、ポリカプロラ
クトンのような低融点脂肪族ポリエステルを使用した繊
維、ポリ乳酸の光学活性度を低くして結晶化度を小さく
した材料を用いた繊維、共重合物を使用することにより
結晶化度を小さくした材料を用いた繊維、未延伸で配向
度の小さい繊維などが好適に用いられる。
【0015】上記の公知の熱融着繊維の他に芯成分とし
てポリ乳酸などの高融点成分を、鞘成分として芯成分よ
りも30℃以上低融点であるような成分を使用した複合
繊維を用いることも可能である。このような複合繊維の
鞘成分にはポリカプロラクトンなどのような、通常の低
融点脂肪族ポリエステルを使用することが可能である。
このような複合繊維を用いた場合、熱融着工程でも融着
繊維自体の形状が乱れないため、得られた柱状成形物の
形状も良好であり好ましい。
【0016】本発明の成形物は柱状の形状を持つことを
特徴とする。柱状として具体的には円柱状、角柱状、楕
円柱状などが挙げられ、適宜、必要に応じて好ましい形
状を選ぶことができる。またその大きさについても、特
に限定されるものではないが、体積が3cm3 以上であ
ることが好ましい。体積が3cm3 よりも小さい場合は
植物の育成に十分な体積を有していない場合がある。形
状については、厳密な意味での柱状である必要はなく、
たとえば上面と底面の面積が異なるものであったり、底
面が平面ではなく曲面を有するものであっても何ら差し
支えない。
【0017】また本発明の成形物は、特定方向の厚みが
極端に薄い布状では無いことが必要である。形状が布状
のものとは結局不織布であり、本発明の成形物を用いる
ことによる利点が得られないものだからである。特に柱
状構造の高さは植物の育成の観点から、3cm以上であ
ることが好ましい。
【0018】さらに本発明の成形物は繊維が柱状構造の
高さ方向に沿って平行に並んでいることが好ましい。繊
維が高さ方向に沿って並んでいることにより、成形物の
柱状構造が安定して保持され、毛細管現象により好適に
培養液を吸収するため、安定して植物に適量の培養液を
供給し続けることができる。
【0019】このような柱状の繊維成形物を製造方法と
しては、具体的には生分解性の主体繊維と生分解性を有
する熱融着繊維からなるウェブをスライバーに加工し、
これを柱状にした後、加熱して融着させることが肝要で
ある。すなわち、公知の方法でウェブをスライバーにし
た後、このスライバーを柱状にすることが必要である。
柱状に成形し熱融着させて形状を固定する方法は、特に
限定するものではない。たとえばテフロンチューブ中に
所望の密度となるようにスライバーを挿入してオーブン
中で加熱し、その後チューブから取り出し適当な高さに
カットする方法、一定速度で流れるライン上にて必要な
形状、密度および大きさのスライバーを予熱炉で予備成
形した後、トランペット形状をしたヒーターにて適度な
密度および必要な断面形状に圧縮しながら加熱融着し、
最後に必要な高さにカットする方法などがある。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0021】(熱融着繊維の製造方法)芯にポリ乳酸を
用い鞘にポリカプロラクトンを用い、芯:鞘の接合比
3:1にて紡糸延伸を行った。芯部は225℃、鞘部は
260℃にて溶融後、24ホールシースコア口金を用い
ヘッド温度260℃、ノズル温度260℃、紡糸速度6
00m/minの未延伸複合繊維を得、この未延伸糸を
ドラフト1.01×3.1ローラーヒーター温度78℃
にて延伸し、4d×51の綿を得た。
【0022】(実施例1) ポリ乳酸綿(鐘紡(株)社
製ラクトロン(商品名)3d×51)70重量部に上記
方法にて製造した生分解性熱融着繊維30重量部を混綿
し、カード機によってスライバーとした。このスライバ
ーを内径20mmの円形テフロン製パイプに一方から引
き込み、充填した。これを乾燥機170℃で10分間加
熱し、成形した。これを乾燥機から取り出し2分間冷却
後、パイプより抜き出し、長さ30mmにカットした。
【0023】(実施例2〜4) 実施例1と同様の方法
で表1に示した条件で柱状成形物を製造した。
【0024】
【表1】
【0025】(比較例1)熱融着繊維を使用しない以外
は実施例1と全く同様の方法で成形を試みたが、繊維同
士が融着せず、好適な成形物を得ることはできなかっ
た。
【0026】(比較例2)実施例1と同じ繊維を用い、
ニードルパンチング法により目付け30g/cm2 厚み5mm
の不織布を製造した。
【0027】実施例の成形物および比較例2の不織布に
容器中で水、および液体肥料を吸収させ、これを培地と
してカイワレダイコンの種子の育成を1週間行った。い
ずれの場合も発芽は順調であったが、比較例の場合はや
や発育が不良で、また根が水平方向に伸びるために得ら
れた個体は根が十分に葉や茎を支えることができず、か
つ繊維のからみが不規則である不織布では、根を十分に
支える力を持たず不安定であった。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明によって製造された繊維成形物は
植物の培養の培地に用いた場合には、成形物の弾性や形
状保持能力が好適で、根の育生が三次元的に起こるため
植物体を安定して支持することができ、かつ毛細管現象
により培養液を安定して植物体に供給し続けることが可
能で、また生分解性を有するため土中に埋めた際に分解
して土壌を汚染しないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維成形物を実際に使用した栽培例を
示すものである。
【符号の説明】
1.本発明の繊維成形物 2.繊維成形物上で育成された植物体。 3.水耕栽培を行う際の容器。 4.培養液。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ乳酸繊維からなる主体繊維と生分解性
    を有する熱融着繊維からなるウェブをスライバーに加工
    し、このスライバーを柱状に加工したことを特徴とする
    繊維成形物。
JP8048347A 1996-02-09 1996-02-09 生分解性繊維成形物 Pending JPH09217257A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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