JPH09217128A - 金属屑の油分および水分を除去する設備および方法 - Google Patents

金属屑の油分および水分を除去する設備および方法

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JPH09217128A
JPH09217128A JP2444496A JP2444496A JPH09217128A JP H09217128 A JPH09217128 A JP H09217128A JP 2444496 A JP2444496 A JP 2444496A JP 2444496 A JP2444496 A JP 2444496A JP H09217128 A JPH09217128 A JP H09217128A
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俊裕 角
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重男 中村
Nobuyuki Yoneda
信幸 米田
Yoshio Nakamura
嘉男 中村
Takeshi Yoshikawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理されるべき原料の性状に応じて、処理工
程を選択し、金属屑から油分および水分を効率よく除去
する。 【解決手段】 含有する油分量が多い金属屑は第1原料
として取扱い、遠心分離機3によって機械的に油分およ
び水分の一部を除去した後に成型物を形成して、後続の
減圧脱油手段7で残存する油分および水分を除去する。
含有する油分量が少ない金属屑は第2原料として取扱
い、油分量が少ない場合には脱油効果の低い遠心分離機
3を介さずに成型物を形成して、後続の減圧脱油手段7
で残存する油分および水分を除去する。このようにし
て、含有する油分量が多いか少ないかなどの金属屑の性
状に応じて、金属屑を異なる処理工程で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、鋼帯や鋼板をはじ
め、その他の種々の金属および合金から成る金属帯や金
属板などを製造したり、あるいは加工したりする工場な
どで発生する油分および水分ならびに砥粉などの異物を
含有する金属屑から、油分および水分ならびに異物を除
去する設備および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼帯や鋼板をはじめ、黄銅や
アルミニウムなどの金属帯、金属板および金属棒などの
各種金属製品を製造する工場では、工場内で発生する金
属屑は勿論のこと、工場外で発生する金属屑をも含め種
々様々な金属屑を、分析や選別分類や配合を適宜行い、
電気炉などの溶解設備に主原材料として装入し、高温で
溶解して金属溶湯を得て、さらにこの金属溶湯を所望と
する化学組成など品質レベルの溶湯に精錬してから、最
終的にかかる金属製品を製造している。つまり、このよ
うに金属屑を溶解して得られた金属溶湯を、有効に利用
しながら経済的に省資源化を図ることが行われている。
【0003】前記金属屑は、ステンレス鋼帯やステンレ
ス鋼板をはじめ、その他の黄銅やアルミニウムなどの金
属から成る金属帯や金属板および金属棒などの金属製品
を製造および加工する工場で、たとえば金属板の表面を
美麗にし、形状を整え、表面の疵を除去するために、表
面の研削あるいは研磨が行われて、発生する。その際、
研削油あるいは研磨油として、第2石油類および第3石
油類などの鉱油あるいは動物油といった油が用いられ
る。あるいは、水性の研削剤、切削剤または洗浄剤とし
て水や薬液が用いられる。発生する金属屑は、フラッフ
状であり、油分および水分を多量に含有した状態で発生
し、かつそのまま保持している。
【0004】また、このような各種金属材料を、たとえ
ば放電加工、切断加工、旋盤加工および穴あけ加工する
際に、主として冷却や潤滑作用を果すためにも前記油、
水および薬液が用いられる。このような工場などで発生
する研削屑あるいは研磨屑などの金属屑も、粉粒状ある
いは繊維状もしくは独特の不定形状などを含むフラッフ
状であり、油分および水分を多量に含有した状態で発生
し、かつそのまま保持している。
【0005】また、一般的に金属屑は、あまり費用をか
けずに雑な処理や扱いを受けることが多いので、その運
搬方法や保管方法が不適切な場合、あるいはその保管が
長期にわたった場合には、湿気を帯びて水分を多量に含
有しやすい。さらに雨水が直接かかったり、保管場所の
床から水分が侵入し侵漬して水分を含有するに至りやす
い。しかも、その保管方法にもよるが、一旦水分を含有
すると簡単に乾燥されず、いつまでも保持しているので
ある。
【0006】さらに、たとえば食品加工分野では、種々
の化学反応を促進する触媒としてたとえば高価なニッケ
ルを用い、その触媒の担持金属材料や反応金属槽が用い
られるが、これらの廃却された金属細片屑も、不定形で
あるばかりでなく、動物油脂が多量に含有されている。
【0007】このようにして発生する油分および水分を
含有している金属屑を、資源として有効に再利用を図
り、かつ含有している油分についても極力再利用を図る
ためには、この含有している油分および水分を充分に分
離除去する必要がある。油分を充分に分離除去していな
い金属屑をたとえば前述の電気炉などの溶解設備に装入
して、高温で溶解して金属溶湯を得ようとする際には、
爆発燃焼など異常燃焼してしまうおそれがある。
【0008】また水分が含有されていると、電気炉など
の溶解設備に装入し急激に加熱して溶解させるときに水
蒸気爆発してしまうおそれがあるとともに、水分に起因
するガス吸収によって、水素脆性や欠陥の発生などの品
質低下を起こしやすくなるのである。種々の冶金反応を
伴い所望とする化学成分など品質レベルに金属溶湯を精
錬していくうえで、全く余計で負担がかかり、かつ品質
レベルを低下させる水分を、かかる溶解かつ精錬工程中
に極力持ち込まないようにする基本的な原則に反するの
である。
【0009】このような不具合を解消するために、金属
屑から油分を除去する従来技術として、たとえば特開平
7−118767号公報には、油分を含有する金属屑
を、油分の一部を遠心分離手段によって除去した後に圧
縮成型し、形成された成型物を、減圧脱油手段によっ
て、減圧下で加熱して油分を除去する方法が開示されて
いる。また、特開平7−126764号公報には、油分
および水分を含有する金属屑を、油分および水分の一部
を遠心分離手段によって除去した後に圧縮成型し、形成
された成型物を、減圧脱油手段によって、減圧下で加熱
して油分および水分を除去する方法が開示されている。
【0010】これらの従来技術では、金属屑を前記電気
炉などの溶解設備に装入して金属溶湯を得るに際し、前
記異常燃焼および水蒸気爆発を防ぐことができる油分量
および水分量になるまで、金属屑から油分および水分を
除去するために、減圧下で加熱して減圧脱油している。
しかしながら、この減圧脱油処理は、処理時間が長くか
かるうえ、処理費用が高いため、この減圧脱油の工程に
至るまでに、できるだけ油分および水分を除去しておく
ことが好ましく、遠心分離処理している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平7
−118767号公報および特開平7−126764号
公報に示される従来技術では、油分および水分を除去す
べき金属屑が、性状の異なる金属屑であっても、同一の
金属屑として同一の処理工程で油分および水分を除去し
ている。このため、不必要な処理を行い、処理効率を低
下させてしまう場合がある。
【0012】たとえば金属屑の含有する油分が多い場合
に、遠心分離手段によって機械的に油分を除去した後に
成型物を形成することは、後続の減圧脱油手段の負担を
少なくする点で好ましい。つまり、遠心分離手段は、金
属屑が含有する油分量が多い場合には、短時間で多量の
油分を除去できるうえ、低コストであり、減圧脱油手段
だけによって油分を除去する場合に比べて、時間的およ
び経済的な面から処理効率を向上することができる。
【0013】しかしながら、金属屑の含有する油分が少
ない場合には、遠心分離手段によって除去できる油分量
は少なく、減圧脱油手段によって除去しなければならな
い油分量には、遠心分離手段によって処理するか否かで
ほとんど差異が生じない。逆に、遠心分離手段によって
処理することで、無駄な時間と動力とを消費することに
なり、時間的および経済的な面から処理効率を低下させ
てしまう。
【0014】したがって本発明の目的は、金属屑の性状
に応じて処理工程を選択することによって、処理効率を
向上することができる金属屑の油分および水分を除去す
る設備および方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、主として油分および水分を含有するフラッフ状の金
属屑から成る第1原料を、遠心分離して、第1原料から
油分および水分の一部を除去する遠心分離手段と、遠心
分離手段によって油分および水分の一部が除去された金
属屑を、圧縮成型して、成型物を形成する第1成型手段
と、主として油分および水分ならびに砥粉などの粉粒状
の異物を含有するフラッフ状の金属屑から成る第2原料
を、振動させて、第2原料から前記砥粉などの異物を除
去する第1異物除去手段と、第1異物除去手段によって
異物が除去された金属屑を、圧縮成型して、成型物を形
成する第2成型手段と、第1および第2成型手段によっ
て形成された各成型物を、気密な加熱室内に装入して、
減圧下で加熱し、各成型物から残存する油分および水分
を除去する減圧脱油手段と、減圧脱油手段の加熱室内の
油分および水分の気化した蒸気が導かれ、この蒸気を冷
却して、前記油分と水分とを回収する油水回収手段とを
含むことを特徴とする金属屑の油分および水分を除去す
る設備である。本発明に従えば、主として油分および水
分を含有する金属屑から成る第1原料から、油分および
水分の一部が遠心分離手段によって除去された金属屑
は、第1成型手段によって成型物に圧縮成型される。ま
た、油分および水分ならびに砥粉などの粉粒状の異物を
含有する金属屑から成る第2原料から、前記砥粉などの
異物が第1異物除去手段によって除去された金属屑は、
第2成型手段によって成型物に圧縮成型される。第1お
よび第2成型手段によって圧縮成型された各成型物は、
減圧脱油手段によって、気密な加熱室内において、減圧
下で加熱され、残存する油分および水分が除去される。
これによって、含有する油分量が多い金属屑は第1原料
として取扱い、遠心分離手段によって機械的に油分およ
び水分の一部を除去した後に成型物を形成することで、
後続の減圧脱油手段の負担を少なくすることができ、処
理効率を向上することができる。つまり、金属屑が含有
する油分量が多い場合には、遠心分離手段によって短時
間で除去できる油分量は多く、しかも低コストであり、
減圧脱油手段だけによって油分を除去する場合に比べ
て、時間的および経済的な面から処理効率を向上するこ
とができる。また、含有する油分量が少ない金属屑は第
2原料として取扱い、処理効率を向上することができ
る。つまり、金属屑が含有する油分量が少ない場合に
は、遠心分離手段によって除去できる油分量は少なく、
減圧脱油手段によって除去しなければならない油分量に
は、遠心分離手段によって処理するか否かでほとんど差
異が生じない。逆に、遠心分離手段によって処理するこ
とで、無駄な時間と動力とを消費することになり、時間
的および経済的な面から処理効率を低下させてしまう。
このため、遠心分離手段を介さずに成型物を形成するこ
とで、処理効率を向上することができる。このように、
含有する油分量が多いか少ないかなどの金属屑の性状に
応じて、金属屑を異なる処理工程で処理することがで
き、処理効率を向上することができる。さらに、砥粉な
どの異物を含有する金属屑は第2原料として取扱い、運
転上の管理を容易にすることができる。つまり、砥粉な
どの異物は、硬質の塊状で存在することが多く、このた
めこの異物を含有した状態で圧縮成型すると、異物が第
2成型手段に噛み込まれるなどして、第2成型手段が損
傷したり、あるいは運転中止になるなどの不具合を生じ
るおそれがあるが、前記異物は第1異物除去手段によっ
て除去されるので、前記不具合が生じるおそれがなく、
運転上の管理を容易にすることができる。その上、第1
原料と第2原料とを異なる工程で処理した後に、圧縮成
型することで、第1および第2原料から成る各成型物の
油分の含有率などの性状をほぼ同一とすることができ
る。したがって、減圧脱油手段での加熱などの処理操作
を、第1および第2原料のいずれから成る成型物であっ
ても、同様に行うことができる。また、減圧下では、加
熱室内の密度が小さくなるので油分および水分の気化速
度が高く、減圧脱油手段によって油分および水分を除去
するために必要とされる時間が短くてすみ、全体の運転
サイクルタイムを短縮することができる。さらに、成型
物を加熱するので、前記油分および水分の気化を促すこ
とができる。さらに、金属屑を成型物に圧縮成型して嵩
比重を大きくした場合には、圧縮成型しない状態の金属
屑を加熱室内に装入する場合と比較して、減圧脱油手段
の運転サイクル毎に多量の金属屑を装入することが可能
となる。しかも、圧縮成型したので、複数の成型物をバ
ケット内に収容して加熱室に装入したときに、雰囲気ガ
スのバケット内における各成型物間の通気を良好とし
て、個々の成型物の雰囲気ガスとの広い接触面を得るこ
とができ、バケット内の全ての成型物を均一加熱して、
減圧脱油の処理能力を向上することができる。さらに、
金属屑を圧縮成型することによって個々の成型物の伝熱
が良好になるので、各成型物の内部まで速やかに昇温す
ることができ、短時間で成型物の内部の油の粘度を低く
して、滴下させかつ気化させることができる。また、加
熱室内の油分および水分の気化した蒸気は、油水回収手
段に導かれ、冷却されて油分と水分とが回収される。こ
れによって、金属屑が含有していた油分が金属屑から回
収される。したがって、回収した油分を、たとえば減圧
脱油手段の燃焼用燃料として利用するなど再利用するこ
とができ、省資源化を図ることができる。
【0016】請求項2記載の本発明は、遠心分離手段と
第1成型手段との間には、遠心分離手段によって油分お
よび水分の一部が除去された金属屑に送風し、砥粉など
の異物を除去する第2異物除去手段が設けられることを
特徴とする。本発明に従えば、遠心分離手段によって油
分および水分の一部が除去された金属屑が送風され、砥
粉などの異物が除去される。これによって、含有する油
分量が多く、かつ砥粉などの異物を含有する金属屑は第
1原料として取扱い、遠心分離手段によって機械的に油
分および水分の一部を除去した後に、異物を除去して成
型物を形成することで、後続の減圧脱油手段の負担を少
なくすることができ、処理効率を向上することができる
とともに、運転上の管理を容易にすることができる。つ
まり、金属屑が含有する油分量が多い場合には、遠心分
離手段によって短時間で除去できる油分量は多く、しか
も低コストであり、減圧脱油手段だけによって油分を除
去する場合に比べて、時間的および経済的な面から処理
効率を向上することができる。しかも、砥粉などの異物
は、硬質の塊状で存在することが多く、このため異物を
含有した状態で圧縮成型すると、異物が第1成型手段に
噛み込まれるなどして、第1成型手段が損傷したりある
いは運転中止になるなどの不具合を生じるおそれがある
が、前記異物は第2異物除去手段によって除去されるの
で、前記不具合が生じるおそれがなく、運転上の管理を
容易にすることができる。
【0017】請求項3記載の本発明は、減圧脱油手段に
は、前記加熱室をそれぞれ備える脱油炉が並設され、減
圧脱油手段の一側方には、各脱油炉が並設される第1方
向に対して垂直な第2方向に、前記第1および第2成型
手段が並設され、各成型手段と減圧脱油手段との間に
は、各成型手段から搬出される成型物が投入される通気
性を有するバケットが乗載され、各成型手段が並設され
る前記第2方向に移動可能な複数の成型物台車が設けら
れ、各脱油炉の加熱室が臨む前方には、乗載されたバケ
ットを加熱室に装入し、かつ加熱室から排出することが
できるバケット搬送手段が、第1方向に移動可能に設け
られることを特徴とする。本発明に従えば、加熱室をそ
れぞれ備える脱油炉が並設される減圧脱油手段の一側方
には、各脱油炉が並設される第1方向に対して垂直な第
2方向に、前記第1および第2成型手段が並設される。
各成型手段と減圧脱油手段との間には、第2方向に移動
可能な複数の成型物台車が設けられ、成型物が投入され
る通気性を有するバケットが乗載される。各脱油炉の前
方には、バケット搬送手段が第1方向に移動可能に設け
られ、成型物台車上で成型物が投入されたバケットを、
加熱室に装入し、かつ加熱室から排出することができ
る。これによって、各成型手段によって形成された成型
物は、各成型手段から直接加熱室を備える各脱油炉内に
直接装入されずに、成型物台車に乗載されたバケットに
投入され、このバケットがバケット搬送手段によって加
熱室内へ装入される。したがって、各成型装置と各脱油
炉とが相互の運転サイクルの影響を受けることがないよ
うに、成型物をバケットに投入して一時的に貯留するこ
とで、相互の運転サイクルの差異を吸収して、円滑に運
転することができる。さらに、成型物はバケットに収容
された状態で各脱油炉に装入されるので、複数の成型物
を一纏まりとして、いわゆるバッチ処理を行うことがで
き、成型物の量的な管理が容易になるとともに、成型物
の加熱室への装入および加熱室からの排出作業の手間を
省略することができる。その上、加熱室内での成型物の
積層厚を均一にして、各成型物を均一加熱することがで
きる。さらにバケットは、通気性を有しており、バケッ
ト外からバケット内に加熱室内の雰囲気ガスを容易に導
くことができ、均一加熱を助けることができる。
【0018】請求項4記載の本発明は、第1原料が投入
される第1原料ホッパと、第2原料が投入される第2原
料ホッパとが設けられ、第1原料ホッパと遠心分離手段
との間には、第1原料ホッパに投入された第1原料を搬
送して前記遠心分離手段に供給する第1搬送手段が設け
られ、遠心分離手段と第1成型手段との間には、遠心分
離手段によって油分および水分の一部が除去された金属
屑を搬送して、前記第1成型手段に供給する第2搬送手
段が設けられ、第2原料ホッパと第2成型手段との間に
は、第2原料ホッパに投入され、かつ第1異物除去手段
によって異物が除去された金属屑を搬送して、前記第2
成型手段に供給する第3搬送手段が設けられることを特
徴とする。本発明に従えば、第1原料が投入される第1
原料ホッパと遠心分離手段との間には、第1原料を搬送
する第1搬送手段が設けられる。これによって、搬入さ
れる第1原料は、遠心分離手段に直接供給されずに、第
1原料ホッパに投入され、第1原料ホッパから第1搬送
手段によって遠心分離手段に供給される。したがって、
第1原料の搬入と遠心分離手段の運転とが、相互に影響
を受けないように、第1原料を第1原料ホッパに一時的
に貯留することで、第1原料の搬入サイクルと、遠心分
離手段の運転サイクルとの差異を吸収して、第1原料の
搬入および遠心分離手段の運転を円滑に行うことができ
る。また、遠心分離手段と第1成型手段との間には、第
1原料から油分および水分の一部が除去された金属屑を
搬送する第2搬送手段が設けられる。これによって、遠
心分離手段によって油分および水分の一部が除去された
金属屑は、遠心分離手段から第1成型手段に直接供給さ
れずに、第2搬送手段によって徐々に供給される。した
がって、遠心分離手段の運転と第1成型手段の運転が、
相互に影響を受けないように、第2搬送手段を介するこ
とで、遠心分離手段と第1成型手段との運転サイクルの
差異を吸収して、遠心分離手段および第1成型手段の運
転を円滑に行うことができる。また、第2原料が投入さ
れる第2原料ホッパと第2成型手段との間には、第1異
物除去手段によって異物が除去された金属屑を搬送する
第3搬送手段が設けられる。これによって、搬入される
第2原料は、第1異物除去手段を介して第2成型手段に
直接供給されずに、第2原料ホッパに投入され、第2原
料ホッパから第1異物除去手段を介して第3搬送手段に
よって第2成型手段に供給される。したがって、第2原
料の搬入と、第1異物除去手段の運転と、第2成型手段
の運転とが相互に影響を受けないように、第2原料を第
2原料ホッパに一時的に貯留し、かつ第3搬送手段を介
することで、第2原料の搬入サイクルと、異物除去手段
の運転サイクルと、第2成型手段の運転サイクルとの差
異を吸収して、第2原料の搬入、第1異物除去手段の運
転および第2成型手段の運転を円滑に行うことができ
る。
【0019】請求項5記載の本発明は、減圧脱油手段に
おいて油分および水分が除去された成型物が収容された
バケットを傾転して、運搬用車両に成型物を払い出す払
出手段を含むことを特徴とする。本発明に従えば、減圧
脱油手段によって油分および水分が除去された成型物
は、払出手段によって運搬用車両に払い出しされる。こ
れによって、成型物は、減圧脱油手段から運搬用車両に
直接払い出しされずに、払出手段を介して払い出しされ
る。したがって、減圧脱油手段の運転と成型物の搬出が
相互に影響を受けないように、払出手段を介すること
で、減圧脱油手段の運転サイクルと成型物の搬出サイク
ルの差異を吸収して、減圧脱油手段の運転および成型物
の搬出を円滑に行うことができる。
【0020】請求項6記載の本発明は、主として油分お
よび水分を含有するフラッフ状の金属屑から成る第1原
料を、遠心分離して、前記第1原料から油分および水分
の一部を除去し、主として油分および水分ならびに砥粉
などの粉粒状の異物を含有するフラッフ状の金属屑から
成る第2原料を、振動させて、前記第2原料から砥粉な
どの異物を除去し、油分および水分の一部が除去された
金属屑および異物が除去された金属屑を、圧縮成型し
て、成型物を形成し、成型物を、加熱室内に装入して、
減圧下で加熱し、前記成型物に残存する油分および水分
を減圧脱油して除去し、加熱室内からの油分および水分
の気化した蒸気を、炉外で冷却して、回収することを特
徴とする金属屑の油分および水分を除去する方法であ
る。本発明に従えば、主として油分および水分を含有す
る金属屑から成る第1原料から、油分および水分の一部
が遠心分離されて除去された金属屑は、成型物に圧縮成
型される。また、油分および水分ならびに砥粉などの粉
粒状の異物を含有する金属屑から成る第2原料から、前
記砥粉などの異物が除去された金属屑は、成型物に圧縮
成型される。圧縮成型された各成型物は、加熱室内で、
減圧下で加熱され、残存する油分および水分が除去され
る。これによって、含有する油分量が多い金属屑は第1
原料として取扱い、遠心分離して機械的に油分および水
分の一部を除去した後に成型物を形成することで、後続
の減圧脱油処理の負担を少なくすることができ、処理効
率を向上することができる。つまり、金属屑が含有する
油分量が多い場合には、遠心分離することによって短時
間で除去できる油分量は多く、しかも低コストであり、
減圧脱油処理だけによって油分を除去する場合に比べ
て、時間的および経済的な面から処理効率を向上するこ
とができる。また、含有する油分量が少ない金属屑を第
2原料として取扱い、処理効率を向上することができ
る。つまり、金属屑が含有する油分量が少ない場合に
は、遠心分離することによって除去できる油分量は少な
く、減圧脱油処理によって除去しなければならない油分
量には、遠心分離するか否かでほとんど差異が生じな
い。逆に、遠心分離することで、無駄な時間と動力とを
消費することになり、時間的および経済的な面から処理
効率を低下させてしまう。このため、遠心分離せずに成
型物を形成することで、処理効率を向上することができ
る。このように、含有する油分量が多いか少ないかなど
の金属屑の性状に応じて、金属屑を異なる処理工程で処
理することで、処理効率を向上することができる。さら
に、砥粉などの異物を含有する金属屑を第2原料として
取扱い、運転上の管理を容易にすることができる。つま
り、砥粉などの異物は、硬質の塊状で存在することが多
く、このためこの異物を含有した状態で圧縮成型する
と、圧縮成型するための装置が損傷したりあるいは運転
中止になるなどの不具合を生じるおそれがあるが、前記
異物は除去されるので、前記不具合が生じるおそれがな
く、運転上の管理を容易にすることができる。その上、
第1原料と第2原料とを異なる工程で処理した後に、圧
縮成型することで、第1および第2原料から成る各成型
物の油分の含有率などの性状をほぼ同一とすることがで
きる。したがって、減圧脱油手段での加熱などの処理操
作を、第1および第2原料のいずれから成る成型物であ
っても、同様に行うことができる。さらに、減圧下で成
型物を加熱するので、加熱室内の密度を小さくすること
ができ、油分および水分の気化速度を高くして、減圧脱
油処理によって油分および水分を除去するために必要と
される時間を短くし、全体の運転サイクルタイムを短縮
することができる。さらに、成型物を加熱することがで
きるので、油分および水分の気化を促すことができる。
さらに、金属屑を成型物にして嵩比重を大きくした場合
には、圧縮成型しない状態で金属屑を脱油炉内に装入す
る場合と比較して、脱油炉での1回の運転サイクル毎に
多量の金属屑を装入することが可能となる。しかも、圧
縮成型したので、複数の成型物をバケット内に収容して
加熱室に装入したときに、雰囲気ガスのバケット内にお
ける各成型物間の通気を良好として、個々の成型物の雰
囲気ガスとの広い接触面を得ることができ、バケット内
の全ての成型物を均一加熱して、減圧脱油の処理能力が
向上する。さらに、金属屑を圧縮成型することによって
個々の成型物の伝熱が良好になるので、各成型物の内部
まで速やかに昇温することができ、短時間で成型物の内
部の油の粘度を低くして、滴下させかつ気化させること
ができる。また、加熱室内の油分および水分の気化した
蒸気を含む排ガスは、炉外で冷却されて回収される。こ
れによって、金属屑が含有していた油分が分離されて回
収される。したがって、回収した油分を、たとえば減圧
脱油処理における燃焼用燃料として利用することがで
き、省資源化を図ることができる。
【0021】請求項7記載の本発明は、前記第1原料か
ら油分および水分の一部が除去された金属屑に送風し
て、砥粉などの異物を除去した後に、圧縮成型すること
を特徴とする。本発明に従えば、遠心分離されて油分お
よび水分の一部が除去された金属屑に送風し、砥粉など
の異物を除去した後に圧縮成型する。これによって、含
有する油分量が多く、かつ砥粉などの異物を含有する金
属屑は第1原料として取扱い、遠心分離によって機械的
に油分および水分の一部を除去した後に、異物を除去し
て成型物を形成することで、後続の加熱処理の負担を少
なくすることができ、処理効率を向上することができる
とともに、運転上の管理を容易にすることができる。つ
まり、金属屑が含有する油分量が多い場合には、遠心分
離によって短時間で除去できる油分量は多く、加熱処理
だけによって油分を除去する場合に比べて、時間的およ
び経済的な面から処理効率を向上することができる。し
かも、砥粉などの異物は、硬質の塊状で存在することが
多く、このためこの異物を含有した状態で圧縮成型する
と、異物が圧縮成型するための手段を損傷したりあるい
は運転中止になるなどの不具合を生じるおそれがある
が、前記異物は除去されるので、前記不具合が生じるお
それがなく、運転上の管理を容易にすることができる。
【0022】請求項8記載の本発明は、前記圧縮成型に
よって形成された複数の成型物は、通気性を有するバケ
ット内に収容され、このバケットを前記加熱室内に装入
して、減圧下で加熱することを特徴とする。本発明に従
えば、成型物はバケットに収容された状態で加熱室に装
入されるので、複数の成型物を一纏まりとしていわゆる
バッチ処理を行うことができ、成型物の量的な管理を容
易にすることができるとともに、成型物の加熱室内への
装入および加熱室内からの排出作業の手間を省略するこ
とができる。その上、加熱室内での成型物の積層厚を均
一にして、各成型物を均一加熱することができる。さら
に、バケットは通気性を有しており、バケット外からバ
ケット内に加熱室内の雰囲気ガスを容易に導くことがで
き、均一加熱を助けることができる。
【0023】請求項9記載の本発明は、バケットを加熱
室に装入した後に加熱室内を不活性ガスに置換して、不
活性ガスを加熱しながら対流させて、前記バケット内の
成型物を対流加熱した後に、減圧下で加熱することを特
徴とする。本発明に従えば、加熱室内の空気が追い出さ
れて、不活性ガスに置換された後に加熱されるので、加
熱室内に酸素が存在せず、成型物内の油分が爆発燃焼す
るなどの危険性がない。また、油分の酸化などによる油
質の低下が防がれる。さらに、加熱室内の不活性ガスが
対流されるので、高温に昇温された不活性ガスを成型物
に接触させることができ、成型物を短時間で加熱するこ
とができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
脱油設備1を備える脱油工場2を模式的に示す平面図で
ある。金属屑の油分および水分を除去する設備である脱
油設備1は、基本的に、遠心分離機3と、第1成型装置
4と、第1異物除去手段5と、第2成型装置6と、減圧
脱油手段7と、油水回収手段8とを含んで構成される。
【0025】遠心分離手段である遠心分離機3は、主と
して油分および水分を含有するフラッフ状の金属屑から
成る第1原料を、遠心分離して、第1原料から油分およ
び水分の一部を除去する。第1成型手段である第1成型
装置4は、遠心分離機3によって油分および水分の一部
が除去された金属屑を、圧縮成型して、固形の成型物を
形成する。第1異物除去手段5は、主として油分および
水分ならびに砥粉などの粉粒状の異物を含有するフラッ
フ状の金属屑から成る第2原料を、振動させて、第2原
料から前記砥粉などの異物を除去する。第2成型手段で
ある第2成型装置6は、第1異物除去手段5によって異
物が除去された金属屑を、圧縮成型して、固形の成型物
を形成する。
【0026】減圧脱油手段7には、加熱室をそれぞれ備
える第1脱油炉9および第2脱油炉10が並設される。
この減圧脱油手段7は、第1および第2成型手段4,6
によって形成された各成型物を、各脱油炉9,10の気
密な加熱室内へ個別に挿入して、減圧下で加熱し、各成
型物内に残存する油分および水分を除去する。油水回収
手段8は、各脱油炉9,10の加熱室内の油分および水
分の気化した蒸気が導かれ、この蒸気を各脱油炉9,1
0外で冷却して前記油分と水分とを回収する。
【0027】また、脱油設備1には、第1原料が投入さ
れる第1原料ホッパである大小の第1受入ホッパ11お
よび第2受入ホッパ12と、第2原料が投入される第2
原料ホッパである第3受入ホッパ13とが設けられる。
第1および第2受入ホッパ11,12は並設され、第1
および第2受入ホッパ11,12と遠心分離機3との間
には、第1および第2受入ホッパ11,12に投入され
た第1原料を搬送して前記遠心分離機3に供給する第1
搬送手段である第1搬送装置14および第2搬送装置1
5がそれぞれ設けられる。遠心分離機3と第1成型装置
3との間には、遠心分離機3によって油分および水分が
除去された金属屑を搬送して前記第1成型装置3に供給
する第2搬送手段16が設けられる。第2搬送手段16
は、遠心分離機3と第1成型装置4との間に設けられる
第1中継ホッパ17と、金属屑を遠心分離機3から第1
中継ホッパ17に搬送する第3搬送装置18と、金属屑
を第1中継ホッパ17から第1成型装置4に搬送する第
4搬送装置19とを有する。
【0028】第3受入ホッパ13と第2成型装置6との
間には、第3受入ホッパ13に投入され、かつ第1異物
除去手段5によって異物が除去された金属屑を搬送して
前記第2成型装置6に供給する第3搬送手段20が設け
られる。第3搬送手段20は、第1中継ホッパ17に隣
接して設けられる第2中継ホッパ21と、金属屑を第1
異物除去手段5から第2中継ホッパ21に搬送する第5
搬送装置22と、第2中継ホッパ21から第2成型装置
6に搬送する第6搬送装置23とを有する。また、第3
受入ホッパ13に隣接して、第1異物搬送装置34と第
2異物搬送装置35とを有する異物搬送手段36が設け
られ、第1異物除去手段5によって除去された異物を異
物置場85に搬送する。
【0029】減圧脱油手段7の一側方には、各脱油炉
9,10が並設される第1方向、すなわち図1の左右方
向に対して垂直な第2方向、すなわち図1の上下方向
に、前記第1および第2成型装置4,6が並設される。
各成型装置4,6と減圧脱油手段7との間には、各成型
装置4,6から搬出される各成型物が投入される通気性
を有するバケット24が乗載される複数の成型物台車2
5が設けられる。脱油工場2の床には、一対のレール2
6a,26bが第2方向に延びて敷設されており、各成
型物台車25は、各レール26a,26bに案内され
て、第2方向に移動可能に設けられている。
【0030】各脱油炉9,10の加熱室が臨む前方に
は、乗載されたバケット24を加熱室へ装入し、かつ加
熱室から排出することができるバケット搬送手段27が
設けられる。脱油工場2の床には、一対のレール28
a,28bが第1方向に延びて敷設されており、バケッ
ト搬送手段27は、各レール28a,28bに案内され
て、第1方向に移動可能に設けられる。第1脱油炉9の
各成型物台車25寄りの側方には、第1脱油炉9に隣接
してバケット24が載置されるべき受入仮置台29が設
けられる。また、第2脱油炉10の各成型物台車25と
反対の側方には、第2脱油炉10に隣接してバケット2
4が載置されるべき払出仮置台30が設けられる。前記
バケット搬送手段27は、受入仮置台29に載置された
バケット24を受取って乗載し、また、乗載しているバ
ケット24を払出仮置台30に払出して載置することが
できる。
【0031】また、払出仮置台30に隣接して、複数の
成型物置場31が設けられ、この成型物置場31に隣接
して、払出手段32が設けられている。この払出手段3
2は、減圧脱油手段7において脱油および脱水された成
型物が収容されたバケット24を傾転して、搬出用の運
搬用車両33に成型物を払い出すことができる。また、
第1および第2受入ホッパ11,12に隣接して、原料
置場37が設けられ、第1原料搬入用の運搬用車両38
によって搬入される第1原料が一時的に載置することが
できる。
【0032】さらに、脱油工場2の上部には、天井走行
クレーン(以下、「クレーン」と略記する場合がある)
59が設けられている。クレーン59は、脱油工場2の
両側壁2a,2b上部に設けられた図示しないランウェ
イ間に架け渡され、ランウェイに沿って走行するガーダ
40と、ガーダ40に沿って横行するトロリ41とを有
する。トロリ41には、荷を吊ったり、あるいは掴んだ
りする吊具が吊下され、図示しない巻上げ駆動装置によ
って巻上げおよび巻下げすることができる。このような
クレーン59は、走行、横行および巻上げならびに巻下
げすることによって、荷役、すなわち荷を移動させるこ
とができる。
【0033】図2は、脱油設備1の処理工程を示す系統
図である。図1をも参照して、前記第1原料は、運搬用
容器42に収納された状態で、前記第1原料搬入用の運
搬用車両38に搭載されて脱油工場2内に搬入される。
搬入された第1原料は、クレーン59によって、運搬用
車両38から直接、または原料置場37に一時的に載置
された後に、第1および第2受入ホッパ11,12に選
択的に投入される。第1および第2受入ホッパ11,1
2に投入された第1原料は、第1および第2搬送装置1
4,15によって搬送されて遠心分離機3に供給され
て、油分および水分の一部が除去される。油分および水
分の一部が除去された金属屑は、第2搬送手段16によ
って搬送されて第1成型装置4に供給されて、成型物に
圧縮成型され、成型物台車25上のバケット24に投入
される。
【0034】第2原料は、第2原料搬入用の運搬用車両
43に直接搭載されて、脱油工場2内に搬入され、運搬
用車両43から直接第3受入ホッパ13に投入される。
第3受入ホッパ13に投入された第2原料は、第1異物
除去手段5によって砥粉などの異物が除去される。この
第1異物除去手段5によって除去された異物は、異物搬
送手段36によって異物置場85に搬送される。異物が
除去された金属屑は、第3搬送手段20によって搬送さ
れて第2成型装置6に供給されて、成型物に圧縮成型さ
れ、成型物台車25上のバケット24に投入される。
【0035】各成型装置4,6から搬出された成型物が
投入されたバケット24は、クレーン59によって受入
仮置台29に移動されて載置される。受入仮置台29に
載置されたバケット24は、バケット搬送手段27によ
って各脱油炉9,10のうちのいずれかに選択的に挿入
され、バケット24内の成型物内に残存している油分お
よび水分が除去される。各脱油炉9,10内で油分およ
び水分が除去されると、バケット24は、バケット搬送
手段27によって各脱油炉9,10内から排出され、払
出仮置台30に載置される。
【0036】払出仮置台30に載置されたバケット24
は、クレーン59によって、直接、または成型物置場3
1に一時的に載置された後に、払出手段32に移動され
る。この払出手段32によって、バケット24が傾転さ
れることによって、成型物が搬出用の運搬用車両33に
搭載され、後続の製鋼工場などに運搬されて、金属溶湯
を得るための主原材料として利用され、省資源化が図ら
れる。
【0037】また、脱油設備1は、遠心分離機3に隣接
して沈殿貯留槽44を備えており、遠心分離機3および
各成型装置4,6によって除去された油分および水分
は、沈殿貯留槽44に導かれ、この沈殿貯留槽におい
て、油分および水分が比重の差を利用して分離されると
ともに、油分および水分に混入している粉粒状のまま存
在する異物などが沈殿して分離される。このようにして
回収された油分は、他の設備などにおいて、その性状に
応じて再利用され、省資源化が図られる。また、各脱油
炉9,10において除去された油分および水分は、油水
回収手段8によって油分と水分とに分離され、回収され
た油分は、減圧脱油手段7において燃焼され、加熱用熱
源として利用される。回収された水分は、たとえば放流
可能な状態に清浄化され、廃棄される。また、異物につ
いても同様の処理が行われ廃棄される。
【0038】このように、脱油設備1は、第1原料の処
理系統と第2原料の処理系統との2系統の処理系統を備
えているので、油分の含有率などの金属屑の性状に応じ
て、処理系統が選択される。たとえば、この脱油工場2
を有する製鋼所内に設けられる研削・研磨工場でステン
レス鋼板の粗研磨(Rough Polishing)および仕上研磨(F
inishing Polishing)によって生成され、約45〜50
重量%の油分を含有する金属屑は、第1原料として取扱
われる。この第1原料は、管理状態が良好であり、水分
を含有していない。このように多量の油分を含有する金
属屑を第1原料として取扱うことによって、遠心分離機
3によって、油分を除去して含有量を約10重量%に
し、第1成型装置4によって圧縮成型しながらさらに脱
油、すなわち油分が除去され、油分の含有量が約7重量
%の成型物が形成される(以下同様に、「油分の除去」
を「脱油」と記す場合がある)。この成型物が第1脱油
炉9で加熱処理されてさらに含有量が約1重量%になる
まで脱油される。
【0039】油分の含有量が約1重量%となるまで脱油
することによって、前述のように製鋼工場において金属
溶湯を得るための材料として用いて加熱するときに、爆
発燃焼などの異常燃焼が起こることを防止することがで
きる。また、ここで例示した第1原料としての金属屑に
は、水分が含有されていないけれども、水分を含有して
いる金属屑であっても、同様に油分が除去され、かつ、
油分と同時に水分についても同様に除去され、最終的に
は、水分の含有量が約1重量%程度になるまで脱水、す
なわち水分が除去される(以下同様に、「水分の除去」
を「脱水」と記す場合がある)。水分の含有量が約1重
量%程度となるまで脱水することによって、前述のよう
に製鋼工場において金属溶湯を得るための材料として用
いて加熱するときに、水蒸気爆発が起こることを防止す
ることができる。
【0040】このように、含有する油分量が多い金属屑
は第1原料として取扱い、遠心分離機3によって機械的
に油分の一部を除去した後に成型物を形成することで、
後続の減圧脱油手段7の負担を少なくすることができ、
処理効率を向上することができる。つまり、金属屑が含
有する油分量が多い場合には、遠心分離機3によって短
時間で除去できる油分量は多くなるので、減圧脱油手段
7だけによって油分を除去する場合に比べて、時間短縮
を図ることができ、かつ低コストとなり時間的および経
済的な面から処理効率を向上することができる。
【0041】また、約10〜18重量%の油分を含有す
る、バフ粉およびNi(ニッケル)を多く含むHiNi
バフ粉ならびに約4重量%の油分および約10重量%の
水分を含有するセンタレス粉などの購入される金属屑、
また、他の製鋼所において発生した約5〜18重量%の
油分および約0〜10%の水分を含有する入庫される金
属屑や、約5〜18重量%の油分を含有するしばらく屋
外に堆積されていた金属屑などは、第2原料として取扱
われる。このように少量の油分および水分を含有する金
属屑を第2原料として取扱い、第2成型装置6によって
圧縮成型しながら脱油され、油分の含有量が約7重量%
程度以下の成型物が形成される。この成型物が第2脱油
炉10で加熱処理されてさらに含有量が約1重量%にな
るまで脱油される。
【0042】第1原料と同様に、油分の含有量が約1重
量%となるまで脱油することによって、前述のように製
鋼工場において金属溶湯を得るための材料として用いて
加熱するときに、爆発などの異常燃焼が起こるを防止す
ることができる。また、含有する水分についても同様
に、油分と同時に除去され、最終的には、水分の含有量
が約1重量%程度になるまで脱水される。水分の含有量
が約1重量%程度となるまで脱水することによって、前
述のように製鋼工場において金属溶湯を得るための材料
として用いて加熱するときに、水蒸気爆発が起こること
を防止することができる。本形態では、第1原料と第2
原料とでは、原料の組成などに起因して、各脱油炉9,
10での処理サイクルが異なるため、第1原料は第1脱
油炉9において脱油され、第2原料は第2脱油炉10に
おいて脱油される。
【0043】このように、含有する油分量が少ない金属
屑を第2原料として取扱い、処理効率を向上することが
できる。つまり、遠心分離機3による脱油では、含有量
を約10重量%程度以下にすることが極めて困難であ
り、金属屑が含有する油分量が少ない場合には、遠心分
離機3によって除去できる油分量は少ないので、減圧脱
油手段7によって除去しなければならない油分量には、
遠心分離機3によって処理するか否かでほとんど差異が
生じない。逆に、遠心分離機3によって処理すること
で、無駄な時間を消費することになり、時間的および経
済的な面から処理効率を低下させてしまう。このため、
遠心分離3を介さずに成型物を形成することで、処理効
率を向上することができる。このように、異なる処理工
程で処理できる脱油設備1によって、含有する油分量が
多いか少ないかなどの金属屑の性状に応じて、金属屑を
異なる処理工程で処理することができ、処理効率を向上
することができる。
【0044】第2原料として例示した金属屑は、砥粉を
含有し、かつ管理状態が良くないためにたとえば細石や
釘などを含有している場合がある。このような砥粉など
の異物を含有する金属屑は第2原料として取扱い、運転
上の管理を容易にすることができる。つまり、砥粉など
の異物は、硬質の塊状で存在することが多く、また細石
や釘なども硬質の固形物であり、このためこの異物を含
有した状態で圧縮成型すると、異物が第2成型装置6に
噛み込まれるなどして、第2成型装置6が損傷したりあ
るいは運転中止になるなどの不具合を生じるおそれがあ
るが、前記異物は第1異物除去手段5によって除去され
るので、前記不具合が生じるおそれがなく、運転上の管
理を容易にすることができる。
【0045】その上、第1原料と第2原料とを異なる工
程で処理した後に、圧縮成型することで、第1および第
2原料から成る各成型物の油分の含有率などの性状をほ
ぼ同一とすることができる。したがって、減圧脱油手段
での加熱などの処理操作を、第1および第2原料のいず
れから成る成型物であっても、同様に行うことができ
る。
【0046】また、減圧下では、加熱室内の密度が小さ
くなるので油分および水分の気化速度が高く、減圧脱油
手段によって油分および水分を除去するために必要とさ
れる時間が短くてすみ、全体の運転サイクルタイムを短
縮することができる。さらに、成型物を加熱するので、
前記油分および水分の気化を促すことができる。
【0047】さらに、金属屑を成型物にして嵩比重を大
きくし、圧縮成型しない状態で金属屑を各脱油炉9,1
0の加熱室内に装入する場合と比較して、減圧脱油手段
7の運転サイクル毎に多量の金属屑を装入することが可
能となる。しかも、圧縮成型したので、複数の成型物を
バケット内に収納して加熱室に装入したときに、雰囲気
ガスのバケット内における各成型物間の通気を良好とし
て、個々の成型物の雰囲気ガスとの広い接触面を得るこ
とができ、バケット内の全ての成型物を均一加熱して、
減圧脱油の処理能力が向上する。さらに、金属屑を圧縮
成型することによって個々の成型物の伝熱が良好になる
ので、各成型物の内部まで速やかに昇温することがで
き、短時間で成型物の内部の油の粘度を低くして、滴下
させかつ気化させることができる。
【0048】また、加熱室内の油分および水分の気化し
た蒸気は、油水回収手段8に導かれ、冷却されて前記油
分と水分とが回収される。これによって、金属屑が含有
していた油分が回収される。したがって、回収した油分
を、たとえば減圧脱油手段7の燃焼用燃料として利用す
ることができ、省資源化を図ることができる。
【0049】ここで再び図1を参照して、第1および第
2受入ホッパ11,12の下部には、スクリューフィー
ダ45,46がそれぞれ設けられており、第1および第
2受入ホッパ11,12に投入された第1原料が少量ず
つ送り出される。また、第1および第2受入ホッパ1
1,12には、マグハンマなどと呼ばれる衝撃発生装置
47,48がそれぞれ設けられている。第1原料が、金
属屑相互の係合および摩擦によって、全体で一定形状を
保ち、第1および第2受入ホッパ11,12の内壁間に
いわばブリッジを形成して、下方に落ちなくなり、各ス
クリューフィーダ45,46によって第1原料を送り出
すことができない状態になることがある。このような状
態のときに、衝撃発生装置47,48によって、第1お
よび第2受入ホッパ11,12に衝撃を与えて振動させ
ることによって、前記ブリッジを破壊して第1原料を下
方に落とすことができる。
【0050】第1および第2搬送装置14,15は、た
とえばベルトコンベアによって実現され、第1および第
2受入ホッパ側の始端部から遠心分離機3側の終端部に
向かって上方となるようにそれぞれ配置されている。第
1および第2搬送装置14,15の搬送ベルトは、断面
形状が大略的にU字状となるように幅方向両端部が立ち
上がり、かつ長手方向に間隔をあけて立上がる係止部を
有している。これによって、第1原料を搬送方向下流側
へ、すなわち始端部から終端部へ円滑に搬送することが
できる。また第1および第2搬送装置14,15の搬送
ベルトは、ハウジング内に収納されており、第1原料内
に異物が混入することを防止するとともに、周囲への埃
などの飛散を防止している。
【0051】第1および第2搬送装置14,15の各始
端部は、第1および第2受入ホッパ11,12の下部に
それぞれ設けられる各スクリューフィーダ45,46の
各排出口の下方に、それらの排出口に臨んでそれぞれ配
置されており、各終端部は、遠心分離機の受入シュート
(図3に図示)49の上方に、その受入シュート49に
臨んでそれぞれ配置されている。第1および第2搬送装
置14,15によって、第1および第2受入ホッパ1
1,12の下部から送り出された第1原料を遠心分離機
3にその上方から供給することができる。
【0052】このように、搬入される第1原料は、遠心
分離機3に直接供給されずに、第1および第2受入ホッ
パ11,12に投入され、第1および第2受入ホッパ1
1,12から第1および第2搬送装置14,15によっ
て遠心分離機3に供給される。したがって、第1原料を
第1および第2受入ホッパ11,12に一時的に貯留す
ることで、第1原料の搬入サイクルと、遠心分離機3の
運転サイクルとの差異を吸収して、第1原料の搬入およ
び遠心分離機3の運転を円滑に行うことができる。
【0053】さらに、前述のように、原料置場37が設
けられるので、第1および第2受入ホッパ11,12が
第1原料で満たされているときには、第1原料が収容さ
れた運搬用容器42を一時的に原料置場37に載置し
て、第1原料の搬入をさらに円滑にすることができる。
また、第1原料ホッパとして第1および第2受入ホッパ
11,12を設けることによって、大量の第1原料が搬
入されるときには、第1および第2受入ホッパ11,1
2ならびに第1および第2搬送装置14,15を共に稼
働させて円滑に処理し、少量の第1原料が搬入されると
きには、第1および第2受入ホッパ11,12のいずれ
か一方、ならびに対応する第1および第2搬送装置1
4,15のいずれか一方を稼働して、省エネルギ化を図
ることができる。
【0054】図3は、第2搬送手段16を模式的に示す
側面図である。遠心分離機3は、複数の細孔を有するバ
ケット内に第1原料を投入し、そのバケットを高速回転
させることによって、油分および水分の一部を細孔から
バケット外へ飛ばして、金属屑から除去することができ
る。この遠心分離機3の下部には、排出シュート50が
設けられており、第1原料から油分および水分の一部が
除去された金属屑が下方に導かれる。第2搬送手段16
の第3搬送装置18は、ベルトコンベアによって実現さ
れ、遠心分離機3側の始端部から第1中継ホッパ17側
の終端部に向かって上方となるように急勾配で配置され
て、第3搬送装置18の占有空間を小さくしている。
【0055】この第3搬送装置18の搬送ベルトは、断
面形状が大略的にU字状となるように幅方向両端部が立
ち上がり、かつ長手方向に間隔をあけて立上がる係止部
を有している。これによって、第3搬送装置18が急勾
配に配置されても、第1原料を搬送方向下流側へ、すな
わち始端部から終端部へ円滑に搬送することができる。
また、第3搬送装置18の搬送ベルトはハウジング内に
収納されており、遠心分離機3によって油分および水分
の一部が除去された金属屑内に異物が混入することを防
止するとともに、周囲への埃などの飛散を防止してい
る。
【0056】このような第3搬送装置18の始端部は、
遠心分離機3の下部に設けられる排出シュート50の排
出口の下方に、その排出口に臨んで配置されており、終
端部は、第1中継ホッパ17上にその第1中継ホッパ1
7に臨んで配置されている。この第3搬送装置18によ
って、遠心分離機3の下部から送り出された第1原料か
ら油分および水分の一部が除去された金属屑を第1中継
ホッパ17にその上方から供給することができる。
【0057】第2搬送手段16の第1中継ホッパ17の
下部には、スクリューフィーダ51が設けられており、
第3搬送装置18によって第1中継ホッパ17に投入さ
れた第1原料から油分および水分の一部が除去された金
属屑が少量ずつ送り出される。また、遠心分離機3と第
1成型装置4との間に配置されている第1中継ホッパ1
7の上部には、第2異物除去手段52が設けられてい
る。第2異物除去手段52は、たとえばブロアによって
実現され、第3搬送装置18によって第1中継ホッパ1
7上に搬送されてきた金属屑に送風し、フラッフ状であ
る金属屑を風力で飛ばすことによって、塊となって存在
する砥粉や、釘および細石などの異物を除去することが
できる。
【0058】このような第2異物除去手段52を設ける
ことによって、前記例示のような含有する油分量が多
く、かつ砥粉などの異物を含有する金属屑は第1原料と
して取扱い、遠心分離機3によって機械的に油分および
水分の一部を除去した後に、異物を除去して成型物を形
成することで、後続の減圧脱油手段7の負担を少なくす
ることができ、処理効率を向上することができるととも
に、運転上の管理を容易にすることができる。つまり、
金属屑が含有する油分量が多い場合には、前述のよう
に、機械的に油分および水分の一部を除去して、時間的
および経済的な面から処理効率を向上することができ
る。しかも、砥粉などの異物は、硬質の塊状で存在する
ことが多いためこの異物を含有した状態で圧縮成型する
と、異物が第1成型装置4に噛み込まれるなどして、第
1成型装置4が損傷したりあるいは運転中止になるなど
の不具合を生じるおそれがあるが、前記異物は第2異物
除去手段52によって除去されるので、前記不具合が生
じるおそれがなく、運転上の管理を容易にすることがで
きる。
【0059】第2搬送手段16の第4搬送装置19は、
ベルトコンベアによって実現され、第1中継ホッパ17
側の始端部から第1成型装置4側の終端部に向かって上
方となるように急勾配で配置されて、第4搬送装置19
の占有空間を小さくしている。この第4搬送装置19の
搬送ベルトは、断面形状が大略的にU字状となるように
幅方向両端部が立ち上がり、かつ長手方向に間隔をあけ
て立上がる係止部を有している。これによって、第4搬
送装置19が急勾配に配置されても、遠心分離機3によ
って油分および水分の一部が除去され、かつ第2異物除
去手段52によって異物が除去された金属屑を搬送方向
下流側へ、すなわち始端部から終端部へ円滑に搬送する
ことができる。また、第4搬送装置19の搬送ベルトは
ハウジング内に収納されており、遠心分離機3によって
油分および水分の一部が除去され、かつ第4異物除去手
段52によって異物が除去された金属屑内に異物が混入
することを防止するとともに、周囲への埃などの飛散を
防止している。
【0060】このような第4搬送装置19の始端部は、
第1中継ホッパ17の下部に設けられるスクリューフィ
ーダ51の排出口の下方に、その排出口に臨んで配置さ
れており、終端部は、第1成型装置4の材料切出ホッパ
53の上方に、その材料切出ホッパ53に臨んで配置さ
れている。この第4搬送装置19によって、第1中継ホ
ッパ17の下部から送り出された第1原料から油分およ
び水分の一部が除去され、かつ第2異物除去手段52に
よって異物が除去された金属屑を第1成型装置4の材料
切出ホッパ53にその上方から供給することができる。
【0061】このように、遠心分離機3によって油分お
よび水分の一部が除去された金属屑は、遠心分離機3か
ら第1成型装置4に直接供給されずに、金属屑を一時的
に貯留する第1中継ホッパ17を備える第2搬送手段1
6によって、徐々に供給される。したがって、第2搬送
手段を介することで、遠心分離機3と第1成型装置4と
の運転サイクルの差異を吸収して、遠心分離機3および
第1成型装置4の運転を円滑に行うことができる。
【0062】ここで再び図1を参照して、第1成型装置
4は、前記材料切出ホッパ53と、ターンテーブル54
と、押圧手段55とを有する。材料切出ホッパ53は、
その下部に電磁フィーダが設けられており、ターンテー
ブル54に設けられる円筒状の複数のダイスに、金属屑
が定量的に送り出される。押圧手段55は、鉛直方向に
移動可能な押圧ツールを備えており、この押圧ツールを
金属屑が収容された前記ダイス内に挿入して金属屑を押
圧し、短円柱状の成型物に圧縮成型される。ターンテー
ブル54の下方から成型物台車25上のバケット24の
上方に向けて延びる、ベルトコンベアによって実現され
る排出コンベア84が設けられ、形成された成型物が搬
送されて、バケット24内に投下される。このときの落
下による衝撃を利用し、成型物の強度などを把握するこ
とができる。
【0063】図4は第3受入ホッパ13および第3搬送
手段20付近を模式的に示す正面図であり、図5は図4
の右方から見て模式的に示す側面図である。第3受入ホ
ッパ13の上部は、脱油工場2の第2原料搬入用の運搬
車両43の出入口付近の床面に近接して配置され、第2
原料は、運搬用車両43から直接第3受入ホッパ13に
投入される。第3受入ホッパ13の下部には、エプロン
コンベア56が設けられており、第3受入ホッパ13に
投入された第2原料が少量ずつ送り出される。エプロン
コンベア56の終端部には、第2原料をほぐすための撹
拌手段58が設けられている。この撹拌手段58は、水
平軸線まわりに回転自在に支持される回転軸から放射状
に突出する複数のブレードを有する撹拌体を備えてお
り、この撹拌体を回転駆動することによって、第2原料
をほぐして均等的に送り出すことができる。
【0064】また、第2受入ホッパ13には、マグハン
マなどとよばれる衝撃発生装置57が設けられている。
第2原料が、金属屑相互の係合および摩擦によって、全
体で一定形状を保ち、第2受入ホッパ13の内壁間にい
わばブリッジを形成して、下方に落ちなくなり、エプロ
ンコンベア56によって第2原料を送り出すことができ
ない状態になることがある。このような状態のときに、
衝撃発生装置57によって、第2受入ホッパ13に衝撃
を与えて振動させることによって、前記ブリッジを破壊
して第2原料を下方に落とすことができる。
【0065】前記エプロンコンベア56の終端部の下方
に前記第1異物除去手段5が設けられる。バイブロスク
リーンなどと呼ばれる第1異物除去手段5は、金網など
によって実現される篩体39と、この篩体39を振動さ
せるための振動発生装置60とを有する。振動発生装置
60は、カム機構によって周期的に篩体39を打撃し
て、篩体39を振動させる。篩体39を振動させること
によって、金属屑を下方に落下させて、塊として存在す
る砥粉、釘および細石などの異物を分離除去することが
できる。除去された異物は、ベルトコンベアによって実
現される第1異物搬送装置34によって搬送され、さら
に、バケットをワイヤロープによって引き上げて搬送す
る、スキップエレベータなどと呼ばれる第2異物搬送装
置35によって異物置場85に搬送され、その後に脱油
工場2外へ搬出される。
【0066】第3搬送手段20の第5搬送装置22は、
ベルトコンベアによって実現され、第2受入ホッパ13
側の始端部から第2中継ホッパ21側の終端部に向かっ
て上方となるように急勾配で配置されて、第5搬送装置
22の占有空間を小さくしている。この第5搬送装置2
2の搬送ベルトは、断面形状が大略的にU字状となるよ
うに幅方向両端部が立ち上がり、かつ長手方向に間隔を
あけて立上がる係止部を有している。これによって、第
5搬送装置22が急勾配に配置されても、第2原料から
異物が除去された金属屑を搬送方向下流側へ、すなわち
始端部から終端部へ円滑に搬送することができる。ま
た、第5搬送装置22の搬送ベルトはハウジング内に収
納されており、第1異物除去手段5によって異物が除去
された金属屑内に異物が混入することを防止するととも
に、周囲への埃などの飛散を防止している。
【0067】このような第5搬送装置22の始端部は、
前記第1異物除去手段5の篩体39の下方に、その篩体
39に臨んで配置されており、終端部は、第2中継ホッ
パ21の上方に、その第2中継ホッパ21に臨んで配置
されている。この第5搬送装置22によって、前記篩体
39から下方に落下された第2原料から異物が除去され
た金属屑を第2中継ホッパ21にその上方から供給する
ことができる。
【0068】第3搬送手段20の第2中継ホッパ21の
下部には、スクリューフィーダ61が設けられており、
第5搬送装置22によって第2中継ホッパ21に投入さ
れた第2原料から異物が除去された金属屑が少量ずつ送
り出される。第3搬送手段20の第6搬送装置23は、
ベルトコンベアによって実現され、第2中継ホッパ21
側の始端部から第2成型装置6側の終端部に向かって上
方となるように急勾配で配置されて、第6搬送装置23
の占有空間を小さくしている。この第6搬送装置23の
搬送ベルトは、断面形状が大略的にU字状となるように
幅方向両端部が立ち上がり、かつ長手方向に間隔をあけ
て立上がる係止部を有している。これによって、第6搬
送装置23が急勾配に配置されても、第1異物除去手段
5によって異物が除去された金属屑を搬送方向下流側
へ、すなわち始端部から終端部へ円滑に搬送することが
できる。また、第6搬送装置23の搬送ベルトはハウジ
ング内に収納されており、第1異物除去手段5によって
異物が除去された金属屑内に異物が混入することを防止
するとともに、周囲への埃などの飛散を防止している。
【0069】このような第6搬送装置23の始端部は、
第2中継ホッパ21の下部に設けられるスクリューフィ
ーダ61の排出口の下方に、その排出口に臨んで配置さ
れており、終端部は、第2成型装置6の材料切出ホッパ
53の上方に、その材料切出ホッパ53に臨んで配置さ
れている。この第6搬送装置23によって、第2中継ホ
ッパ21の下部から送り出された第2原料から異物が除
去された金属屑を第2成型装置6の材料切出ホッパ53
にその上方から供給することができる。ここで、第2成
型装置6は、第1成型装置4と同様の構成を有するの
で、対応する部分に同一の参照符号を付し、説明は省略
する。
【0070】このように、搬入される第2原料は、第2
成型装置6に直接供給されずに、第3受入ホッパ13に
投入され、第3受入ホッパ13から第1異物除去手段5
を介して第3搬送手段20によって第2成型装置6に供
給される。したがって、第2原料を第3受入ホッパ13
に一時的に貯留することで、第2原料の搬入サイクル
と、第1異物除去手段5の運転サイクルとの差異を吸収
して第2原料の搬入および第1異物除去手段5の運転を
円滑にすることができる。
【0071】また、第1異物除去手段5によって異物が
除去された金属屑は、第1異物除去手段5から第2成型
装置6に直接供給されずに、金属屑を一時的に貯留する
第2中継ホッパ21を備える第3搬送手段20によっ
て、徐々に供給される。したがって、第3搬送手段20
を介することで、第1異物除去手段5と第2成型装置6
との運転サイクルの差異を吸収して、第1異物除去手段
5および第2成型装置6の運転を円滑に行うことができ
る。
【0072】再び図1を参照して、成型物台車25は、
第1および第2成型装置4,6にそれぞれ対応して設け
られており、各成型物台車25上には、2つのバケット
24がそれぞれ載置されている。第1および第2成型装
置4,5において形成される成型物は、それぞれに対応
した成型物台車25に載置された各バケット24のうち
の一方に投入される。成型物台車25に載置された各バ
ケット24のうちの一方が成型物で満たされると、成型
物台車25を移動させ、その成型物台車25に載置され
た各バケット24のうちの他方に投入される。成型物で
満たされたバケット24は、クレーン59によって受入
仮置台29上に載置され、バケット搬送手段27によっ
て、第1成型装置4で形成された成型物が収納されたバ
ケット24は第1脱油炉9に、第2成型装置6で形成さ
れた成型物が収納されたバケット24は第2脱油炉10
にそれぞれ装入される。
【0073】このようにして、第1および第2成型装置
4,6によって形成された成型物は、第1および第2成
型装置4,6から直接第1および第2脱油炉9,10に
装入されずに、2台1組で、第1および第2成型装置
4,6に対応して設けられる成型物台車25に乗載され
たバケット24に投入され、このバケット24がバケッ
ト搬送手段27によって第1および第2脱油炉9,10
に装入される。したがって、成型物台車25とバケット
搬送手段27とによって、成型物をバケット24に投入
して一時的に貯留することで、相互の運転サイクルの差
異を吸収して、円滑に運転することができる。
【0074】さらに、第1および第2成型装置4,6に
対応して、成型物台車25をそれぞれ設けることによっ
て、第1および第2成型装置4,6を同時に運転して、
成型物を形成してバケット24にそれぞれ投入すること
ができる。しかも、成型物台車25上には2つのバケッ
トが載置されており、成型物で満たされたバケット24
の交換時にも第1および第2成型装置4,6を停止させ
る必要がない。さらに、成型物はバケット24に収容さ
れた状態で第1および第2脱油炉9,10に装入される
ので、複数の成型物を一纏まりとしていわゆるバッチ処
理を行うことができ、成型物の量的な管理を容易にする
ことができるとともに、各脱油炉9,10の加熱室への
成型物の装入および、加熱室からの成型物の排出作業の
手間を省略することができる。その上、加熱室内での成
型物の積層厚を均一にして、各成型物を均一加熱するこ
とができる。さらに、バケット24は通気性を有してお
り、バケット24外からバケット24内に加熱室内の雰
囲気ガスを容易に導くことができ、均一加熱を助するこ
とができる。
【0075】図6は減圧脱油手段7および油水回収手段
8を模式的に示す側面図である。減圧脱油手段7は、第
1および第2脱油炉9,10を備え、油水回収手段8
は、各脱油炉9,10に対応して設けられているけれど
も、ここでは、第1脱油炉9に関してだけ説明し、同様
の構成を有する第2脱油炉10に関しては説明を省略す
る。第1脱油炉9には、前方側に第1脱油炉9内の加熱
室を開閉可能に塞ぐ扉62が付設されている。扉62の
前方側、すなわち図6の左方側にバケット搬送台車27
が設けられている。このバケット搬送台車27は、昇降
装置63によって昇降可能に設けられる載置台64を備
えており、この載置台64にバケット24が乗載されて
いる。この載置台64には、バケット挿排手段65が設
けられ、扉62を開いた状態で、バケット挿排手段65
によって、バケット24が加熱室に装入および加熱室か
ら排出される。
【0076】第1脱油炉9の加熱室内には、図示しない
油焚きバーナで加熱されるラジアントチューブなどによ
って実現される加熱手段66が配設される。第1脱油炉
9の上部には加熱室に臨んで循環ファン68が付設さ
れ、さらに加熱室内に、たとえばN2 ガスなどの不活性
ガスを導く導入管67が設けられる。また、減圧脱油手
段7は、第1脱油炉9の加熱室内を減圧するための減圧
手段78が設けられる。第1脱油炉9と減圧手段78と
は、排気管69によって接続されている。減圧手段78
は、ルーツポンプ74と油回転ポンプ75とを有し、扉
62を付帯して構成される加熱室内のガスを吸引して排
出する。
【0077】バケット24に収容された状態で加熱室内
に装入された成型物は、減圧手段78によって空気が排
出された後に、不活性ガスが導入管67から導入され
て、不活性ガス雰囲気中で、加熱手段66で加熱され
る。このとき加熱室内の不活性ガスは循環ファン68に
よって対流される。このようにして加熱室内の空気が追
い出されて、不活性ガスに置換された後に加熱されるの
で、加熱室内に酸素が存在せず、成型物内の油分が爆発
燃焼するなどの危険性がない。また、油分の酸化などに
よる油質の低下が防がれる。さらに、高温に昇温された
不活性ガスを成型物に接触させることができ、成型物を
短時間で加熱することができる。成型物が加熱された後
に、加熱室内の雰囲気ガスが減圧手段78によって吸引
され、加熱室内が減圧されて、残存している油分および
水分が気化して蒸気になる。このときにも、前記気化を
促すために成型物は所定温度に保たれるように加熱され
ている。蒸気となった油分および水分は、減圧手段78
に吸引されて排気管69に導かれる。また、成型物を加
熱することによって、油分および水分の粘性が低下し、
成型物内から流出して、加熱室の底部に溜まる。
【0078】排気管69には、オイルコンデンサ70が
介在されている。オイルコンデンサ70では、油分およ
び水分の気化した蒸気を冷却することによって、気化し
た油分および水分が液化される。液化された油分および
水分は、回収タンク71に貯蔵され、また、加熱室の底
に溜まった油分および水分も回収管79によって回収タ
ンク71に導かれて貯蔵され、比重の差を利用して油分
と水分とに分離される。オイルコンデンサ70および回
収タンク71を含んで油水回収手段8が構成される。
【0079】排気管69のオイルコンデンサ70よりも
ガスの排出方向下流側には、フィルター73が介在さ
れ、成型物から研磨屑などが離脱してルーツポンプ74
および油回転ポンプ75に導かれて損傷することを防止
する。ルーツポンプ74のガスの排出方向下流側に油回
転ポンプ75が接続され、さらに油回転ポンプ75に
は、オイルミストトラップ76を備える排気管77が接
続される。ルーツポンプ74および油回転ポンプ75ま
で導かれた雰囲気ガスは、オイルミストトラップ76お
よび図示しない可燃ガスを燃焼する燃焼器を通過して、
放出可能な状態に清浄化など処理されて大気に放出され
る。
【0080】本形態では、回収された油分を燃焼用燃料
として油焚きバーナに使用する。油焚きバーナで発生し
た燃焼ガスは、ラジアントチューブに導かれ、加熱室内
の成型物の加熱に利用された後、大気に放出される。な
お、油焚きバーナの代わりに、ガスバーナや、電気ヒー
タなどを使用して加熱することもできる。油焚きバーナ
を採用すれば、回収した油分を有効に利用することがで
きる。
【0081】図7は、払出手段32を模式的に示す側面
図である。払出手段32は、水平軸線まわりに回動自在
に支持される回動軸81に固定される傾転台82を有す
る。回動軸81には、図示しない駆動装置が連結されて
おり、回動軸81を回動させることによって傾転台82
を傾転させることができる。傾転台82には、バケット
24が着脱自在に固定され、傾転台82を傾転させるこ
とによってバケット24を傾転させることができる。こ
のような傾転台82は、脱油工場2の床から搬出用の運
搬用車両33の高さよりも少し上方に配置されており、
運搬用車両33を傾転台82の下方に配置した状態で、
バケット24を傾転させることによって、バケット24
内の成型物を運搬用車両33に搭載することができる。
また、傾転台82に近接して集塵フード83が設けられ
ている。この集塵フード83には、図示しない集塵装置
が連結されており、成型物の運搬用車両33への搭載時
に飛散した埃などを回収することができる。
【0082】このようにして、成型物は、減圧脱油手段
7から搬出用の運搬用車両33に直接払い出しされず
に、払出手段32を介して払い出しされる。したがっ
て、払出手段32によって、払出手段32を介すること
で、減圧脱油手段7の運転サイクルと成型物の搬出サイ
クルの差異を吸収して、減圧脱油手段7の運転および成
型物の搬出を円滑に行うことができる。さらに、成型物
置場31が設けられるので、成型物を一時的に載置する
ことで、減圧脱油手段7の運転および成型物の搬出をさ
らに円滑に行うことができる。
【0083】また、脱油工場2には、中央操作盤を備え
る操作室86が併設されている。この操作室86の中央
操作盤は、第1および第2原料が搬入されてから第1お
よび第2成型装置4,6にそれぞれ供給するまでのいわ
ば前処理設備と、第1および第2成型装置4,6および
成型物台車25を含む成型設備と、バケット搬送手段2
7と、減圧脱油手段7および油水回収手段8を含むいわ
ば脱油炉設備と、搬出手段32とに区分されて、それぞ
れの区分内で総括的に運転制御することができる。
【0084】その上、減圧脱油手段7には、第1および
第2脱油炉9,10を共通に制御できる機側制御盤、お
よびそれぞれ個別に制御できる機側制御盤が設けられて
おり、個別に運転制御することができる。また、第1お
よび第2成型装置4,6にも、機側制御盤がそれぞれ設
けられており、個別に運転制御することができる。さら
に、成型物台車25に、搬出手段32に、および第3受
入ホッパ13にも、機側制御盤がそれぞれ設けられてお
り、それぞれ個別に運転制御することができる。
【0085】図8は、搬入された第1原料を圧縮して成
型物を形成する工程を示すフローチャートである。第1
原料搬入用の運搬用車両38によって第1原料が搬入さ
れると、ステップm1で、たとえば第1および第2受入
ホッパ11,12内の第1原料の残量によって、第1原
料の収容された運搬用容器42の移動先が選択される。
受入ホッパに移動と選択されるとステップm3の工程に
移行し、原料置場に移動と選択されるとステップm2で
クレーン59によって、運搬用容器42が運搬用車両3
8から移動されて原料置場37に載置される。運搬用車
両38によって第1原料が搬入されて直接ステップm3
に移行し、あるいは、すでに搬入されて原料置場37に
載置されている第1原料の処理を開始するために、ステ
ップm3に移行されると、第1原料を投入するホッパと
して、第1および第2受入ホッパ11,12のうちいず
れかが選択される。
【0086】第1受入ホッパ11が選択されると、ステ
ップm4で、運搬用容器42がクレーン59で移動され
て、第1原料が運搬用容器42から第1受入ホッパ11
へ投入される。第1受入ホッパ11に投入された第1原
料は、ステップm5で第1搬送装置14によって搬送さ
れて、ステップm8で遠心分離機3に供給される。一
方、第2受入ホッパ12が選択されると、ステップm6
で、運搬用容器42がクレーン59で移動されて、第1
原料が運搬用容器42から第2ホッパ12へ投入され
る。第2受入ホッパ12に投入された第1原料は、ステ
ップm7で第2搬送装置15によって搬送されて、ステ
ップm8で遠心分離機3に供給される。
【0087】遠心分離機3に供給された金属屑は、ステ
ップm9で、遠心分離されて、第1原料から油分および
水分の一部が機械的に除去される。油分および水分の一
部が除去された金属屑は、ステップm10で、第3搬送
装置18で搬送され、第1中継ホッパ17の上方に設け
られた第2異物除去手段52によって異物が除去され、
ステップm11で第1中継ホッパ17へ投入される。第
1中継ホッパ内の金属屑は、ステップm12で第4搬送
装置19によって搬送され、ステップm13で第1成型
装置4の材料切出ホッパ53に供給される。
【0088】第1成型装置4の材料切出ホッパ53に供
給された金属屑は、ステップm14で第1成型装置4に
よって圧縮成型されて成型物が形成される。形成された
成型物は、ステップm15で搬出コンベア84によって
第1成型装置4から搬出され、ステップm16で成型物
台車25上のバケット24に投入されて、成型物の形成
までの工程が終了する。
【0089】図9は、第1成型装置4によって形成され
た成型物を減圧脱油手段7によって減圧脱油して、脱油
工場2から搬出する工程を示すフローチャートである。
【0090】図8に示す工程で形成された成型物は、成
型物台車25上のバケット24に収容されており、ステ
ップn1でそのバケット24がクレーン59で移動され
て、受入仮置台29に載置される。受入仮置台29上の
バケット24は、ステップn2でバケット搬送手段27
によって、受け取られた後に、第1脱油炉9内に装入さ
れる。バケット24に収容されて第1脱油炉9に装入さ
れた成型物は、ステップn3で、第1脱油炉9の加熱室
内で減圧脱油されて、残留している油分および水分が除
去される。
【0091】ステップn3の工程で、成型物から除去さ
れて気化した第1脱油炉内の油分および水分の蒸気は、
炉外で油水回収手段8によって、冷却されて回収され
る。これによって、金属屑が含有していた油分が分離さ
れて回収される。したがって、回収した油分を、たとえ
ば前記油焚きバーナで燃焼させるための減圧脱油手段の
燃焼用燃料として利用することができ、省資源化を図る
ことができる。
【0092】第1脱油炉9における脱油処理が終了する
と、ステップn4で、第1脱油炉9内のバケット24
が、バケット搬送手段27によって第1脱油炉9から排
出され、払出仮置台30に載置される。払出仮置台30
に載置されたバケット24は、ステップn5で、たとえ
ば搬出用の運搬用車両33の準備状態によって移動先が
選択される。搬出手段32に移動と選択されるとステッ
プn7に移行し、成型物置場に移動と選択されるとステ
ップn6で、バケット24がクレーン59によって成型
物置場31へ移動される。ステップn6から直接ステッ
プn7へ移行し、あるいは、成型物置場31に載置され
ている成型物の搬出準備が整いステップn7に移行する
と、バケット24がクレーン59によって移動されて、
搬出手段32の傾転台82に固定される。傾転台82に
固定されたバケット24が、ステップn8で、傾転台8
2が傾転されることによって傾転され、そのバケット2
4内の成型物が運搬用車両33に搭載され、この運搬用
車両33によって製鋼工場などに搬出され、脱油設備1
における第1原料の全処理工程が終了する。
【0093】図10は、搬入された第2原料を圧縮して
成型物を形成する工程を示すフローチャートである。第
2原料搬入用の運搬用車両43によって第2原料が搬入
されると、ステップa1で、運搬用車両43から直接第
3受入ホッパ13へ投入される。第3受入ホッパ13に
投入された第2原料は、ステップa2でエプロンコンベ
ア56によって搬送されて、ステップa3で第1異物除
去手段5によって異物が除去される。異物が除去された
金属屑は、ステップa4で、第5搬送装置22で搬送さ
れ、ステップa5で第2中継ホッパ21へ投入される。
第2中継ホッパ21内の金属屑は、ステップa6で第6
搬送装置23によって搬送され、ステップa7で第2成
型装置6の材料切出ホッパ53に供給される。
【0094】第2成型装置6の材料切出ホッパ53に供
給された金属屑は、ステップa8で第2成型装置6によ
って圧縮成型されて成型物が形成される。形成された成
型物は、ステップa9で搬出コンベア84によって第2
成型装置6から搬出され、ステップa10で成型物台車
25上のバケット24に投入されて、成型物の形成まで
の工程が終了する。一方、ステップa3で、除去された
異物は、ステップa11で第1異物搬送装置34によっ
て搬送され、ステップa12でさらに第2異物搬送装置
35によって異物置場85に搬送され、ステップa13
で脱油工場2外へ搬出される。
【0095】図11は、第2成型装置6によって形成さ
れた成型物を減圧脱油手段7によって減圧脱油して、脱
油工場2から搬出する工程を示すフローチャートであ
る。図10に示す工程で形成された成型物は、成型物台
車25上のバケット24に収容されており、ステップb
1でそのバケット24がクレーン59で移動されて、受
入仮置台29に載置される。受入仮置台29上のバケッ
ト24は、ステップb2でバケット搬送手段27によっ
て、受け取られた後に、第1脱油炉9内に装入される。
バケット24に収容されて第1脱油炉9に装入された成
型物は、ステップb3で、第1脱油炉9の加熱室内で減
圧脱油されて、残留している油分および水分が除去され
る。
【0096】ステップb3の工程で、成型物から除去さ
れて気化した第1脱油炉内の油分および水分の蒸気は、
炉外で油水回収手段8によって、冷却されて回収され
る。これによって、金属屑が含有していた油分が分離さ
れて回収される。したがって、回収した油分を、たとえ
ば油焚きバーナで燃焼させるための減圧脱油手段の燃焼
用燃料として利用することができ、省資源化を図ること
ができる。
【0097】第1脱油炉9における脱油処理が終了する
と、ステップb4で、第1脱油炉9内のバケット24
が、バケット搬送手段27によって第1脱油炉9から排
出され、払出仮置台30に載置される。払出仮置台30
に載置されたバケット24は、ステップb5で、たとえ
ば搬出用の運搬用車両33の準備状態によって移動先が
選択される。搬出手段32に移動と選択されるとステッ
プb7に移行し、成型物置場に移動と選択されるとステ
ップb6で、バケット24がクレーン59によって成型
物置場31へ移動される。ステップb6から直接ステッ
プb7へ移行し、あるいは、成型物置場31に載置され
ている成型物の搬出準備が整いステップb7に移行する
と、バケット24がクレーン59によって移動されて、
搬出手段32の傾転台82に固定される。傾転台82に
固定されたバケット24が、ステップb8で、傾転台8
2が傾転されることによって傾転され、そのバケット2
4内の成型物が運搬用車両33に搭載され、この運搬用
車両33によって製鋼工場などに搬出され、脱油設備1
における第1原料の全処理工程が終了する。
【0098】このようにして、第1原料から油分および
水分の一部が遠心分離されて除去された金属屑、および
第2原料から異物が除去された金属屑は、固形の成型物
に圧縮成型される。圧縮成型された各成型物は、第1ま
たは第2脱油炉9,10内で、減圧下で加熱され、残存
する油分および水分が除去される。
【0099】これによって、含有する油分量が多い金属
屑は第1原料として取扱い、含有する油分量が少ない金
属屑を第2原料として取扱い、含有する油分量が多いか
少ないかなどの金属屑の性状に応じて、金属屑を異なる
処理工程で処理することで、前述のように処理効率を向
上することができる。さらに、砥粉などの異物を含有す
る金属屑を第2原料として取扱い、運転上の管理を容易
にすることができる。また、第1原料の処理工程におい
ても、異物を除去することが可能であり、第1原料に異
物が含有されていても、運転上の管理が容易である。
【0100】その上、第1原料と第2原料とを異なる工
程で処理した後に、圧縮成型することで、第1および第
2原料から成る各成型物の油分の含有率などの性状をほ
ぼ同一とすることができる。したがって、減圧脱油手段
での加熱などの処理操作を、第1および第2原料のいず
れから成る成型物であっても、同様に行うことができ
る。
【0101】さらに、金属屑を成型物にして嵩比重を大
きくし、しかも、圧縮成型したので、複数の成型物をバ
ケット内に収納して加熱室に装入したときに、雰囲気ガ
スのバケット内における各成型物間の通気を良好とし
て、個々の成型物の雰囲気ガスとの広い接触面を得るこ
とができ、バケット内の全ての成型物を均一加熱して、
減圧脱油の処理能力が向上する。さらに、金属屑を圧縮
成型することによって個々の成型物の伝熱が良好になる
ので、各成型物の内部まで速やかに昇温することがで
き、短時間で成型物の内部の油の粘度を低くして、滴下
させかつ気化させることができる。さらに、減圧下で成
型物を加熱するので、各脱油炉9,10内の密度を小さ
くすることができ、油分および水分の気化速度を高くし
て、全体の運転サイクルタイムを短縮することができ
る。
【0102】さらに、成型物はバケット24に収容され
た状態で各脱油炉9,10の加熱室内に装入され、いわ
ゆるバッチ処理を行うことができるので、成型物の量的
な管理を容易にすることができるとともに、成型物の各
脱油炉9,10の加熱室内への装入および各脱油炉9,
10の加熱室内からの排出作業の手間を省略することが
できる。その上、加熱室内での成型物の積層厚を均一に
して、各成型物を均一加熱することができる。さらにバ
ケット24は、通気性を有しているので、雰囲気ガスを
バケット24内に導いて均一加熱を助することができ
る。
【0103】また、加熱室内の空気が追い出されて、不
活性ガスに置換された後に加熱されるので、加熱室内に
酸素が存在せず、成型物内の油分が爆発燃焼するなどの
危険性がない。また、油分の酸化などによる油質の低下
が防がれる。さらに、各脱油炉9,10の加熱室内の不
活性ガスを対流させて、前記バケット24内の成型物を
対流加熱する。これによって、高温に昇温された不活性
ガスを成型物に接触させることができ、成型物を短時間
内で加熱することができる。
【0104】さらに、減圧脱油手段7によって脱油およ
び脱水された成型物が、搬出手段32によって搬出用の
運搬用車両33に搭載される前に、サンプル抽出され
る。抽出されたサンプルは、別途に併設される試験室に
おいて、油分の含有量が前記異常燃焼しない量、すなわ
ち約1重量%以下であるか試験される。すなわち、前記
金属溶湯を得るための主原材料として適切であるか否か
を確認することができる。万一、試験の結果、異常燃焼
する可能性のある含有量であると判断された場合には、
そのサンプルを含むバケット24を、たとえば再度、第
1または第2脱油炉9,10に装入して、脱油処理す
る。したがって、前記異常燃焼を高い確立で防止するこ
とができる。また、試験結果に基づいて、遠心分離機
3、第1および第2成型装置4,6ならびに減圧脱油手
段7の運転条件を改善することができる。
【0105】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、主とし
て油分および水分を含有する金属屑から成る第1原料か
ら、油分および水分の一部が遠心分離手段によって除去
された金属屑は、第1成型手段によって成型物に圧縮成
型される。また、油分および水分ならびに砥粉などの粉
粒状の異物を含有する金属屑から成る第2原料から、前
記砥粉などの異物が第1異物除去手段によって除去され
た金属屑は、第2成型手段によって成型物に圧縮成型さ
れる。第1および第2成型手段によって圧縮成型された
各成型物は、減圧脱油手段によって、気密な加熱室内に
おいて、減圧下で加熱され、残存する油分および水分が
除去される。
【0106】これによって、含有する油分量が多い金属
屑は第1原料として取扱い、遠心分離手段によって機械
的に油分および水分の一部を除去した後に成型物を形成
することで、後続の減圧脱油手段の負担を少なくするこ
とができ、処理効率を向上することができる。つまり、
金属屑が含有する油分量が多い場合には、遠心分離手段
によって短時間で除去できる油分量は多く、しかも低コ
ストであり、減圧脱油手段だけによって油分を除去する
場合に比べて、時間的および経済的な面から処理効率を
向上することができる。
【0107】また、含有する油分量が少ない金属屑は第
2原料として取扱い、処理効率を向上することができ
る。つまり、金属屑が含有する油分量が少ない場合に
は、遠心分離手段によって除去できる油分量は少なく、
減圧脱油手段によって除去しなければならない油分量に
は、遠心分離手段によって処理するか否かでほとんど差
異が生じない。逆に、遠心分離手段によって処理するこ
とで、無駄な時間と動力とを消費することになり、時間
的および経済的な面から処理効率を低下させてしまう。
このため、遠心分離手段を介さずに成型物を形成するこ
とで、処理効率を向上することができる。このように、
含有する油分量が多いか少ないかなどの金属屑の性状に
応じて、金属屑を異なる処理工程で処理することがで
き、処理効率を向上することができる。
【0108】さらに、砥粉などの異物を含有する金属屑
は第2原料として取扱い、運転上の管理を容易にするこ
とができる。つまり、砥粉などの異物は、硬質の塊状で
存在することが多く、このためこの異物を含有した状態
で圧縮成型すると、異物が第2成型手段に噛み込まれる
などして、第2成型手段が損傷したり、あるいは運転中
止になるなどの不具合を生じるおそれがあるが、前記異
物は第1異物除去手段によって除去されるので、前記不
具合が生じるおそれがなく、運転上の管理を容易にする
ことができる。
【0109】その上、第1原料と第2原料とを異なる工
程で処理した後に、圧縮成型することで、第1および第
2原料から成る各成型物の油分の含有率などの性状をほ
ぼ同一とすることができる。したがって、減圧脱油手段
での加熱などの処理操作を、第1および第2原料のいず
れから成る成型物であっても、同様に行うことができ
る。
【0110】また、減圧下では、加熱室内の密度が小さ
くなるので油分および水分の気化速度が高く、減圧脱油
手段によって油分および水分を除去するために必要とさ
れる時間が短くてすみ、全体の運転サイクルタイムを短
縮することができる。さらに、成型物を加熱するので、
前記油分および水分の気化を促すことができる。
【0111】さらに、金属屑を成型物に圧縮成型して嵩
比重を大きくした場合には、圧縮成型しない状態の金属
屑を加熱室内に装入する場合と比較して、減圧脱油手段
の運転サイクル毎に多量の金属屑を装入することが可能
となる。しかも、圧縮成型したので、複数の成型物をバ
ケット内に収容して加熱室に装入したときに、雰囲気ガ
スのバケット内における各成型物間の通気を良好とし
て、個々の成型物の雰囲気ガスとの広い接触面を得るこ
とができ、バケット内の全ての成型物を均一加熱して、
減圧脱油の処理能力を向上することができる。さらに、
金属屑を圧縮成型することによって個々の成型物の伝熱
が良好になるので、各成型物の内部まで速やかに昇温す
ることができ、短時間で成型物の内部の油の粘度を低く
して、滴下させかつ気化させることができる。
【0112】また、加熱室内の油分および水分の気化し
た蒸気は、油水回収手段に導かれ、冷却されて油分と水
分とが回収される。これによって、金属屑が含有してい
た油分が金属屑から回収される。したがって、回収した
油分を、たとえば減圧脱油手段の燃焼用燃料として利用
するなど再利用することができ、省資源化を図ることが
できる。
【0113】請求項2記載の本発明によれば、遠心分離
手段によって油分および水分の一部が除去された金属屑
が送風され、砥粉などの異物が除去される。これによっ
て、含有する油分量が多く、かつ砥粉などの異物を含有
する金属屑は第1原料として取扱い、遠心分離手段によ
って機械的に油分および水分の一部を除去した後に、異
物を除去して成型物を形成することで、後続の減圧脱油
手段の負担を少なくすることができ、処理効率を向上す
ることができるとともに、運転上の管理を容易にするこ
とができる。
【0114】つまり、金属屑が含有する油分量が多い場
合には、遠心分離手段によって短時間で除去できる油分
量は多く、しかも低コストであり、減圧脱油手段だけに
よって油分を除去する場合に比べて、時間的および経済
的な面から処理効率を向上することができる。しかも、
砥粉などの異物は、硬質の塊状で存在することが多く、
このため異物を含有した状態で圧縮成型すると、異物が
第1成型手段に噛み込まれるなどして、第1成型手段が
損傷したりあるいは運転中止になるなどの不具合を生じ
るおそれがあるが、前記異物は第2異物除去手段によっ
て除去されるので、前記不具合が生じるおそれがなく、
運転上の管理を容易にすることができる。
【0115】請求項3記載の本発明によれば、加熱室を
それぞれ備える脱油炉が並設される減圧脱油手段の一側
方には、各脱油炉が並設される第1方向に対して垂直な
第2方向に、前記第1および第2成型手段が並設され
る。各成型手段と減圧脱油手段との間には、第2方向に
移動可能な複数の成型物台車が設けられ、成型物が投入
される通気性を有するバケットが乗載される。各脱油炉
の前方には、バケット搬送手段が第1方向に移動可能に
設けられ、成型物台車上で成型物が投入されたバケット
を、加熱室に装入し、かつ加熱室から排出することがで
きる。
【0116】これによって、各成型手段によって形成さ
れた成型物は、各成型手段から直接加熱室を備える各脱
油炉内に直接装入されずに、成型物台車に乗載されたバ
ケットに投入され、このバケットがバケット搬送手段に
よって加熱室内へ装入される。したがって、各成型装置
と各脱油炉とが相互の運転サイクルの影響を受けること
がないように、成型物をバケットに投入して一時的に貯
留することで、相互の運転サイクルの差異を吸収して、
円滑に運転することができる。さらに、成型物はバケッ
トに収容された状態で各脱油炉に装入されるので、複数
の成型物を一纏まりとして、いわゆるバッチ処理を行う
ことができ、成型物の量的な管理が容易になるととも
に、成型物の加熱室への装入および加熱室からの排出作
業の手間を省略することができる。その上、加熱室内で
の成型物の積層厚を均一にして、各成型物を均一加熱す
ることができる。さらにバケットは、通気性を有してお
り、バケット外からバケット内に加熱室内の雰囲気ガス
を容易に導くことができ、均一加熱を助することができ
る。
【0117】請求項4記載の本発明によれば、第1原料
が投入される第1原料ホッパと遠心分離手段との間に
は、第1原料を搬送する第1搬送手段が設けられる。こ
れによって、搬入される第1原料は、遠心分離手段に直
接供給されずに、第1原料ホッパに投入され、第1原料
ホッパから第1搬送手段によって遠心分離手段に供給さ
れる。したがって、第1原料の搬入と遠心分離手段の運
転とが、相互に影響を受けないように、第1原料を第1
原料ホッパに一時的に貯留することで、第1原料の搬入
サイクルと、遠心分離手段の運転サイクルとの差異を吸
収して、第1原料の搬入および遠心分離手段の運転を円
滑に行うことができる。
【0118】また、遠心分離手段と第1成型手段との間
には、第1原料から油分および水分の一部が除去された
金属屑を搬送する第2搬送手段が設けられる。これによ
って、遠心分離手段によって油分および水分の一部が除
去された金属屑は、遠心分離手段から第1成型手段に直
接供給されずに、第2搬送手段によって徐々に供給され
る。したがって、遠心分離手段の運転と第1成型手段の
運転が、相互に影響を受けないように、第2搬送手段を
介することで、遠心分離手段と第1成型手段との運転サ
イクルの差異を吸収して、遠心分離手段および第1成型
手段の運転を円滑に行うことができる。
【0119】また、第2原料が投入される第2原料ホッ
パと第2成型手段との間には、第1異物除去手段によっ
て異物が除去された金属屑を搬送する第3搬送手段が設
けられる。これによって、搬入される第2原料は、第1
異物除去手段を介して第2成型手段に直接供給されず
に、第2原料ホッパに投入され、第2原料ホッパから第
1異物除去手段を介して第3搬送手段によって第2成型
手段に供給される。したがって、第2原料の搬入と、第
1異物除去手段の運転と、第2成型手段の運転とが相互
に影響を受けないように、第2原料を第2原料ホッパに
一時的に貯留し、かつ第3搬送手段を介することで、第
2原料の搬入サイクルと、異物除去手段の運転サイクル
と、第2成型手段の運転サイクルとの差異を吸収して、
第2原料の搬入、第1異物除去手段の運転および第2成
型手段の運転を円滑に行うことができる。
【0120】請求項5記載の本発明によれば、減圧脱油
手段によって油分および水分が除去された成型物は、払
出手段によって運搬用車両に払い出しされる。これによ
って、成型物は、減圧脱油手段から運搬用車両に直接払
い出しされずに、払出手段を介して払い出しされる。し
たがって、減圧脱油手段の運転と成型物の搬出が相互に
影響を受けないように、払出手段を介することで、減圧
脱油手段の運転サイクルと成型物の搬出サイクルの差異
を吸収して、減圧脱油手段の運転および成型物の搬出を
円滑に行うことができる。
【0121】請求項6記載の本発明によれば、主として
油分および水分を含有する金属屑から成る第1原料か
ら、油分および水分の一部が遠心分離されて除去された
金属屑は、成型物に圧縮成型される。また、油分および
水分ならびに砥粉などの粉粒状の異物を含有する金属屑
から成る第2原料から、前記砥粉などの異物が除去され
た金属屑は、成型物に圧縮成型される。圧縮成型された
各成型物は、加熱室内で、減圧下で加熱され、残存する
油分および水分が除去される。
【0122】これによって、含有する油分量が多い金属
屑は第1原料として取扱い、遠心分離して機械的に油分
および水分の一部を除去した後に成型物を形成すること
で、後続の減圧脱油処理の負担を少なくすることがで
き、処理効率を向上することができる。つまり、金属屑
が含有する油分量が多い場合には、遠心分離することに
よって短時間で除去できる油分量は多く、しかも低コス
トであり、減圧脱油処理だけによって油分を除去する場
合に比べて、時間的および経済的な面から処理効率を向
上することができる。
【0123】また、含有する油分量が少ない金属屑を第
2原料として取扱い、処理効率を向上することができ
る。つまり、金属屑が含有する油分量が少ない場合に
は、遠心分離することによって除去できる油分量は少な
く、減圧脱油処理によって除去しなければならない油分
量には、遠心分離するか否かでほとんど差異が生じな
い。逆に、遠心分離することで、無駄な時間と動力とを
消費することになり、時間的および経済的な面から処理
効率を低下させてしまう。このため、遠心分離せずに成
型物を形成することで、処理効率を向上することができ
る。このように、含有する油分量が多いか少ないかなど
の金属屑の性状に応じて、金属屑を異なる処理工程で処
理することで、処理効率を向上することができる。
【0124】さらに、砥粉などの異物を含有する金属屑
を第2原料として取扱い、運転上の管理を容易にするこ
とができる。つまり、砥粉などの異物は、硬質の塊状で
存在することが多く、このためこの異物を含有した状態
で圧縮成型すると、圧縮成型するための装置が損傷した
りあるいは運転中止になるなどの不具合を生じるおそれ
があるが、前記異物は除去されるので、前記不具合が生
じるおそれがなく、運転上の管理を容易にすることがで
きる。
【0125】その上、第1原料と第2原料とを異なる工
程で処理した後に、圧縮成型することで、第1および第
2原料から成る各成型物の油分の含有率などの性状をほ
ぼ同一とすることができる。したがって、減圧脱油手段
での加熱などの処理操作を、第1および第2原料のいず
れから成る成型物であっても、同様に行うことができ
る。
【0126】さらに、減圧下で成型物を加熱するので、
加熱室内の密度を小さくすることができ、油分および水
分の気化速度を高くして、減圧脱油処理によって油分お
よび水分を除去するために必要とされる時間を短くし、
全体の運転サイクルタイムを短縮することができる。さ
らに、成型物を加熱することができるので、油分および
水分の気化を促すことができる。
【0127】さらに、金属屑を成型物にして嵩比重を大
きくした場合には、圧縮成型しない状態で金属屑を脱油
炉内に装入する場合と比較して、脱油炉での1回の運転
サイクル毎に多量の金属屑を装入することが可能とな
る。しかも、圧縮成型したので、複数の成型物をバケッ
ト内に収容して加熱室に装入したときに、雰囲気ガスの
バケット内における各成型物間の通気を良好として、個
々の成型物の雰囲気ガスとの広い接触面を得ることがで
き、バケット内の全ての成型物を均一加熱して、減圧脱
油の処理能力が向上する。さらに、金属屑を圧縮成型す
ることによって個々の成型物の伝熱が良好になるので、
各成型物の内部まで速やかに昇温することができ、短時
間で成型物の内部の油の粘度を低くして、滴下させかつ
気化させることができる。
【0128】また、加熱室内の油分および水分の気化し
た蒸気を含む排ガスは、炉外で冷却されて回収される。
これによって、金属屑が含有していた油分が分離されて
回収される。したがって、回収した油分を、たとえば減
圧脱油処理における燃焼用燃料として利用することがで
き、省資源化を図ることができる。
【0129】請求項7記載の本発明によれば、遠心分離
されて油分および水分の一部が除去された金属屑に送風
し、砥粉などの異物を除去した後に圧縮成型する。これ
によって、含有する油分量が多く、かつ砥粉などの異物
を含有する金属屑は第1原料として取扱い、遠心分離に
よって機械的に油分および水分の一部を除去した後に、
異物を除去して成型物を形成することで、後続の加熱処
理の負担を少なくすることができ、処理効率を向上する
ことができるとともに、運転上の管理を容易にすること
ができる。
【0130】つまり、金属屑が含有する油分量が多い場
合には、遠心分離によって短時間で除去できる油分量は
多く、加熱処理だけによって油分を除去する場合に比べ
て、時間的および経済的な面から処理効率を向上するこ
とができる。しかも、砥粉などの異物は、硬質の塊状で
存在することが多く、このためこの異物を含有した状態
で圧縮成型すると、異物が圧縮成型するための手段が損
傷したりあるいは運転中止になるなどの不具合を生じる
おそれがあるが、前記異物は除去されるので、前記不具
合が生じるおそれがなく、運転上の管理を容易にするこ
とができる。
【0131】請求項8記載の本発明によれば、成型物は
バケットに収容された状態で加熱室に装入されるので、
複数の成型物を一纏まりとしていわゆるバッチ処理を行
うことができ、成型物の量的な管理を容易にすることが
できるとともに、成型物の加熱室内への装入および加熱
室内からの排出作業の手間を省略することができる。そ
の上、加熱室内での成型物の積層厚を均一にして、各成
型物を均一加熱することができる。さらに、バケットは
通気性を有しており、バケット外からバケット内に加熱
室内の雰囲気ガスを容易に導くことができ、均一加熱を
助することができる。
【0132】請求項9記載の本発明によれば、加熱室内
の空気が追い出されて、不活性ガスに置換された後に加
熱されるので、加熱室内に酸素が存在せず、成型物内の
油分が爆発燃焼するなどの危険性がない。また、油分の
酸化などによる油質の低下が防がれる。さらに、加熱室
内の不活性ガスが対流されるので、高温に昇温された不
活性ガスを成型物に接触させることができ、成型物を短
時間で加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の脱油設備1を備える脱
油工場2を模式的に示す平面図である。
【図2】脱油設備1の処理工程を示す系統図である。
【図3】第2搬送手段16を模式的に示す側面図であ
る。
【図4】第3受入ホッパ13および第3搬送装置20付
近を模式的に示す正面図である。
【図5】図4の右方から見て模式的に示す側面図であ
る。
【図6】減圧脱油手段7および油水回収手段8を模式的
に示す側面図である。
【図7】払出手段32を模式的に示す側面図である。
【図8】搬入された第1原料を圧縮して成型物を形成す
る工程を示すフローチャートである。
【図9】第1成型装置4によって形成された成型物を減
圧脱油手段7によって加熱して、脱油工場2から搬出す
る工程を示すフローチャートである。
【図10】搬入された第2原料を圧縮して成型物を形成
する工程を示すフローチャートである。
【図11】第2成型装置6によって形成された成型物を
減圧脱油手段7によって加熱して、脱油工場2から搬出
する工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 脱油設備 3 遠心分離機 4 第1成型装置 5 第1異物除去手段 6 第2成型装置 7 減圧脱油手段 8 油水回収手段 9,10 脱油炉 11〜13 受入ホッパ 14,15,18,19,22,23 搬送装置 17,21 中継ホッパ 24 バケット 25 成型物台車 27 バケット搬送手段 32 払出手段 33,38,42 運搬用車両 44 沈殿貯留槽 52 第2異物除去手段 59 天井走行クレーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 嘉男 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内 (72)発明者 吉川 健 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として油分および水分を含有するフラ
    ッフ状の金属屑から成る第1原料を、遠心分離して、第
    1原料から油分および水分の一部を除去する遠心分離手
    段と、 遠心分離手段によって油分および水分の一部が除去され
    た金属屑を、圧縮成型して、成型物を形成する第1成型
    手段と、 主として油分および水分ならびに砥粉などの粉粒状の異
    物を含有するフラッフ状の金属屑から成る第2原料を、
    振動させて、第2原料から前記砥粉などの異物を除去す
    る第1異物除去手段と、 第1異物除去手段によって異物が除去された金属屑を、
    圧縮成型して、成型物を形成する第2成型手段と、 第1および第2成型手段によって形成された各成型物
    を、気密な加熱室内に装入して、減圧下で加熱し、各成
    型物から残存する油分および水分を除去する減圧脱油手
    段と、 減圧脱油手段の加熱室内の油分および水分の気化した蒸
    気が導かれ、この蒸気を冷却して、前記油分と水分とを
    回収する油水回収手段とを含むことを特徴とする金属屑
    の油分および水分を除去する設備。
  2. 【請求項2】 遠心分離手段と第1成型手段との間に
    は、遠心分離手段によって油分および水分の一部が除去
    された金属屑に送風し、砥粉などの異物を除去する第2
    異物除去手段が設けられることを特徴とする請求項1記
    載の金属屑の油分および水分を除去する設備。
  3. 【請求項3】 減圧脱油手段には、前記加熱室をそれぞ
    れ備える脱油炉が並設され、 減圧脱油手段の一側方には、各脱油炉が並設される第1
    方向に対して垂直な第2方向に、前記第1および第2成
    型手段が並設され、 各成型手段と減圧脱油手段との間には、各成型手段から
    搬出される成型物が投入される通気性を有するバケット
    が乗載され、各成型手段が並設される前記第2方向に移
    動可能な複数の成型物台車が設けられ、 各脱油炉の加熱室が臨む前方には、乗載されたバケット
    を加熱室に装入し、かつ加熱室から排出することができ
    るバケット搬送手段が、第1方向に移動可能に設けられ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の金属屑の油
    分および水分を除去する設備。
  4. 【請求項4】 第1原料が投入される第1原料ホッパ
    と、第2原料が投入される第2原料ホッパとが設けら
    れ、 第1原料ホッパと遠心分離手段との間には、第1原料ホ
    ッパに投入された第1原料を搬送して前記遠心分離手段
    に供給する第1搬送手段が設けられ、 遠心分離手段と第1成型手段との間には、遠心分離手段
    によって油分および水分の一部が除去された金属屑を搬
    送して、前記第1成型手段に供給する第2搬送手段が設
    けられ、 第2原料ホッパと第2成型手段との間には、第2原料ホ
    ッパに投入され、かつ第1異物除去手段によって異物が
    除去された金属屑を搬送して、前記第2成型手段に供給
    する第3搬送手段が設けられることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の金属屑の油分および水分を除
    去する設備。
  5. 【請求項5】 減圧脱油手段において油分および水分が
    除去された成型物が収容されたバケットを傾転して、運
    搬用車両に成型物を払い出す払出手段を含むことを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属屑の油分お
    よび水分を除去する設備。
  6. 【請求項6】 主として油分および水分を含有するフラ
    ッフ状の金属屑から成る第1原料を、遠心分離して、前
    記第1原料から油分および水分の一部を除去し、 主として油分および水分ならびに砥粉などの粉粒状の異
    物を含有するフラッフ状の金属屑から成る第2原料を、
    振動させて、前記第2原料から砥粉などの異物を除去
    し、 油分および水分の一部が除去された金属屑および異物が
    除去された金属屑を、圧縮成型して、成型物を形成し、 成型物を、加熱室内に装入して、減圧下で加熱し、前記
    成型物に残存する油分および水分を減圧脱油して除去
    し、 加熱室内からの油分および水分の気化した蒸気を、炉外
    で冷却して、回収することを特徴とする金属屑の油分お
    よび水分を除去する方法。
  7. 【請求項7】 前記第1原料から油分および水分の一部
    が除去された金属屑に送風して、砥粉などの異物を除去
    した後に、圧縮成型することを特徴とする請求項6記載
    の金属屑の油分および水分を除去する方法。
  8. 【請求項8】 前記圧縮成型によって形成された複数の
    成型物は、通気性を有するバケット内に収容され、この
    バケットを前記加熱室内に装入して、減圧下で加熱する
    ことを特徴とする請求項6または7記載の金属屑の油分
    および水分を除去する方法。
  9. 【請求項9】 バケットを加熱室に装入した後に加熱室
    内を不活性ガスに置換して、不活性ガスを加熱しながら
    対流させて、前記バケット内の成型物を対流加熱した後
    に、減圧下で加熱することを特徴とする請求項8記載の
    金属屑の油分および水分を除去する方法。
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