JPH09250882A - 金属屑処理設備への被処理物の搬入および搬出装置 - Google Patents

金属屑処理設備への被処理物の搬入および搬出装置

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JPH09250882A
JPH09250882A JP6039696A JP6039696A JPH09250882A JP H09250882 A JPH09250882 A JP H09250882A JP 6039696 A JP6039696 A JP 6039696A JP 6039696 A JP6039696 A JP 6039696A JP H09250882 A JPH09250882 A JP H09250882A
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JP
Japan
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bucket
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metal
unloading
oil
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Withdrawn
Application number
JP6039696A
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English (en)
Inventor
Shigeo Nakamura
重男 中村
Nobuyuki Yoneda
信幸 米田
Yoshio Nakamura
嘉男 中村
Takeshi Yoshikawa
健 吉川
Kaichi Hashiguchi
香一 橋口
Itsuo Egi
逸夫 江木
Hideki Kawamoto
英樹 河本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IWAKUNI SEISAKUSHO KK
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
IWAKUNI SEISAKUSHO KK
Nisshin Steel Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属屑に対するバッチ式の脱油処理を自動的
かつ効率的に行う。 【解決手段】 バケット搬送手段27は、金属屑が乗載
されたバケット24をの実線で示す位置から仮想線で
示す位置まで脱油炉9内に搬入し、脱油炉9内から搬出
する。に示す移動距離L8は、に示すタグバー10
3の最大ストロークS1よりも長いけれども、タグバー
103の前端付近に設けられる前ドッグ101と後ドッ
グ102との選択的使用と、タグバー103の繰返しの
往復移動とによって可能となる。前ドッグ101は、傾
斜姿勢が選択可能である。に示すように傾斜姿勢を反
転させた後、に示すようにバケット24の下方を通過
し、に示すようにストロークS2だけバケット24の
後端を押込むことができる。脱油炉9内から搬出する動
作は、前ドッグ101の姿勢切換とタグバー103の往
復駆動とを組合わせ、ストロークS1以上の距離L8に
わたる移動も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種工場などで、
生産品や副産品などとともに発生する金属屑を容器に収
納し、バッチ式で脱油のための加熱乾留処理などの各種
処理を行う金属屑処理設備への被処理物の搬入および搬
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、各種製品の生産工場などで
は、各種生産品の廃棄物や副産品などとして発生する金
属屑に対して、再利用のために加熱などの各種処理を行
っている。処理にある程度の時間を要し、処理の対象と
なる被処理物として種々の状態の金属屑を取扱う場合
は、一定の範囲で被処理物をまとめ、いわゆるバッチ式
で処理する方式が効率的である。
【0003】たとえば、ステンレス鋼帯や鋼板を初め、
黄銅やアルミニウムなどの金属帯、金属板および金属棒
などの各種金属材料を製造する工場では、工場内で種々
の金属屑が副産品として発生する。金属屑は、工場外か
ら購入等によって導入される種々の金属屑とともに、分
析や選別分類や配合を適宜行い、電気炉などの溶解設備
に他の主副原材料とともに装入し、高温に加熱して溶解
し、再利用を図る。溶解された金属溶湯は、所望とする
化学組成などの品質レベルを満たす溶湯となるように精
錬してから、最終的に各種金属材料を製造する。すなわ
ち、金属屑を溶解して得られる金属溶湯を有効に再利用
しながら、経済的に省資源化が図られている。得られた
金属材料は、表面を美麗にし、形状を整え、表面の疵を
除去するために、表面の研削あるいは研磨が行われ、そ
の際に金属屑が発生する。金属製造工場の外部でも、金
属材料を素材として利用し、各種生産を行う際に金属屑
が発生するとともに、金属を含む各種物品が廃棄された
後でも金属屑として再利用が図られる。
【0004】金属屑の研削や研磨の際に、研削油あるい
は研磨油として、第2石油類および第3石油類などの鉱
油あるいは動物油といった油が用いられる。また水性の
研削剤、切削剤、あるいは洗浄剤として、水や各種薬液
が用いられる。また、金属屑はあまり費用をかけずに雑
な処理や取扱いを受けることが多いので、湿気を帯びて
水分を多量に含有しやすい。このような油分や水分を多
く含有している金属屑を資源として有効に再利用するた
めには、油分および水分を充分に分離、除去する必要が
ある。油分を充分に分離、除去していない金属屑を、た
とえば電気炉などの溶解設備に装入して、高温で溶解し
て金属溶湯を得ようとする際には、爆発燃焼などの異常
燃焼を起こすおそれがある。また水分は、急激な加熱に
よって水蒸気爆発してしまうおそれがあるとともに、水
分に起因するガス吸収によって、水素脆性や欠陥の発生
などの品質低下を起こしやすくなる。
【0005】金属屑を資源として有効に利用するため
に、金属屑から油分を除去することについての先行技術
は、たとえば特開昭62−297067や特開平7−1
26761などに開示されている。特開昭62−297
067では、金属屑を研削油を使用して研削する際に発
生する研削屑を、加熱しながら遠心分離することによっ
て油分を除去し、分離された油分を再生処理して研削油
として再利用するとともに、研削屑をパンケーキ状に製
団し、再び溶解する方式が開示されている。特開平7−
126761では、油分および水分を含有する金属屑
を、遠心分離した後で圧縮成型し、成型物を減圧下の不
活性ガス雰囲気中で加熱して油分および水分を、一連の
連続工程として除去する構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−2970
67の先行技術のように、遠心分離を主として油分およ
び水分の除去を行う方法では、含有量がある程度の範囲
よりも小さくなってくると、除去に時間がかかるように
なる。このような除去に時間がかかる範囲の含有量であ
っても、溶解のために加熱する際には前述のような不具
合を生じるので、特開平7−126761の先行技術の
ように、油分の一部を遠心分離で除去した後で圧縮成型
し、成型物を減圧下の不活性ガス雰囲気中で加熱して油
分を除去する方が効率的である。金属屑が含有する油分
や水分が多い範囲では、遠心分離によって除去する方が
低コストで短時間で除去することができるけれども、油
分や水分の含有量が少なくなると、加熱して減圧する方
が効率的な処理となる。
【0007】しかしながら、特開平7−126761の
先行技術では、気密な連続式加熱炉を用いて油分および
水分の除去を行っている。このような連続式の加熱設備
では、処理条件の変更は困難であり、前後の工程でも金
属屑をプレス成型した塊の状態で個別的に取扱う必要が
ある。一般に、被処理物を個別的にコンベアなどに乗載
し、連続的に加熱などの処理を行う方式よりも、被処理
物を容器にまとめて収納し、バッチ式で処理する方式の
方が処理が簡易であり、工程管理上も柔軟性がある。
【0008】加熱などの処理をバッチ式で行う場合は、
加熱炉などの金属屑処理設備に容器に収納された被処理
物を搬入し搬出する作業を迅速に行うことができるか否
かによって全体として効率が左右される。時間がかかる
処理では、1回の処理でできるだけ多量の被処理物を処
理する必要がある。処理が加熱や、雰囲気の調整を伴う
場合は、気密状態で行う必要がある。このような処理
は、被処理物を収納した容器を、金属屑処理設備外から
金属屑処理設備内へ搬入し、処理終了後に搬出するた
め、汎用のロボットなどを使用することも考えられるけ
れども、被処理物の重量が大きくなると、比較的単純な
搬入および搬出のために、高価な大形ロボットを導入し
なければならなくなってしまう。
【0009】本発明の目的は、容器に収納した被処理物
を、金属屑処理設備に効率的に搬入し搬出することがで
きる金属屑処理設備への被処理物の搬入および搬出装置
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、被処理物を乗
載したバケットを載置した状態で受入れおよび払出しが
可能な金属屑処理設備に、バケットを水平面内で往復移
動させて搬入および搬出する装置であって、金属屑処理
設備の近傍に配置され、金属屑処理設備内で載置される
高さと同一の高さでバケットを載置しながら、搬入およ
び搬出用の移動を許容する支持手段と、金属屑処理設備
外から金属屑処理設備内にわたって、バケットの搬入お
よび搬出方向に移動可能な移動手段と、移動手段の金属
屑処理設備への搬入方向前方寄りに設けられ、選択的
に、バケットの搬入方向後端部分に対して搬入方向への
押込みおよび搬出方向への引込み、ならびにバケットの
前端部分に対して搬出方向への引込みが可能な前方押引
手段と、前方押引手段よりもバケットの搬入方向後方寄
りの移動手段に設けられ、バケットの前端部分よりも後
方寄りの部分を搬入方向に押込みが可能な後方押込手段
とを含むことを特徴とする金属屑処理設備への被処理物
の搬入および搬出装置である。本発明に従えば、被処理
物はバケットに乗載した状態で処理するため、支持手段
によって金属屑処理設備の近傍に、金属屑処理設備内で
載置される高さと同一の高さで支持される。移動手段が
金属屑処理設備外から金属屑処理設備内に移動する際
に、後方押込手段によってバケットの前端部分よりも後
方寄りの部分を押込み、一旦移動手段を搬入方向から後
退させた後、前方押引手段によってバケットの後端部分
を搬入方向に押込めば、移動手段の移動範囲よりも前方
にバケットを押込むことができる。バケットの搬出の際
には、前方押引手段によってバケットの後端部分を搬出
方向へ引込み、移動手段を前進させてバケットの先端部
分を前方押引手段によって搬出方向に引込めば、移動手
段の移動範囲よりも長い距離にわたってバケットを引込
むことができる。バケットの重量は支持手段および処理
装置内で支持されるので、移動手段への荷重は少なく、
移動手段の往復移動と前方押引手段に対する選択を適宜
繰返すことによって、重量のあるバケットを容易に金属
屑処理設備に搬入し、金属屑処理設備から搬出すること
ができる。
【0011】さらに本発明は、被処理物を乗載したバケ
ットを、バケットの底面を部分的に支持する状態で受入
れおよび払出しが可能な金属屑処理設備に、バケットを
水平面内で往復移動させて搬入および搬出する装置であ
って、金属屑処理設備の近傍に配置され、金属屑処理設
備内で受入れおよび払出しされるバケットと同一の高さ
でバケットの底面を部分的に支持しながら搬入および搬
出用の移動を許容する支持手段と、バケットの底部であ
って、支持手段によってまたは金属屑処理設備内で支持
されていない部分の下方を、金属屑処理設備外から金属
屑処理設備内にわたってバケットの搬入および搬出方向
に移動可能な移動手段と、移動手段の金属屑処理設備へ
の搬入方向前方寄りに設けられ、選択的に、バケットの
搬入方向後端部分に対して搬入方向への押込みおよび搬
出方向への引込み、ならびにバケットの前端部分に対し
て搬出方向への引込みが可能な前方押引手段と、前方押
引手段よりもバケットの搬入方向後方寄りの移動手段に
設けられ、バケットの前端部分よりも後方寄りの部分を
搬入方向に押込みが可能な後方押込手段とを含むことを
特徴とする金属屑処理設備への被処理物の搬入および搬
出装置である。 本発明に従えば、被処理物を乗載したバケットの底面
は、金属屑処理設備内および支持手段によって、部分的
に支持される。バケットの底面の支持されていない部分
の下方を移動手段が移動し、移動手段の搬入方向前方に
設けられる前方押引手段および後方押込み手段によって
移動手段が移動可能な距離より長い距離にわたってバケ
ットを金属屑処理設備内に搬入し、金属屑処理設備から
搬出することができる。その際には、移動手段の後方に
設けられる後方押込み手段によって、バケットの後端部
を押込んだ後で、バケットの後端部を前方押引手段によ
って搬入方向に押込み、バケットを金属屑処理設備から
搬出するときには、前方押引手段によってバケットの後
端部を引込んだ後、バケットの前端部分を前方押引手段
によって引込むことができる。
【0012】また本発明は、前記金属屑処理設備内で、
バケットの底部は水平面内でバケットの搬入および搬出
方向に対して垂直な幅方向に間隔をあけて支持され、そ
の間隔内を前記移動手段は直線的に移動して前進および
後退可能であり、前記支持手段は、移動手段の直線的な
移動方向の幅方向の両側に配置されることを特徴とす
る。 本発明に従えば、バケットの底部は、水平面内で搬入お
よび搬出方向に垂直な幅方向に間隔をあけて支持され
る。移動手段は、バケットの底部が支持されている間隔
内を直線的に前進および後退可能であるので、移動手段
を簡単な構成で往復移動させ、往復移動の範囲よりも長
い距離にわたってバケットの搬入および搬出動作を行わ
せることができる。
【0013】また本発明で、前記前方押引手段は、バケ
ットの底面よりも上方に上昇してバケットの押込みまた
は引込みを行う状態と、バケットの底面以下に沈下して
バケットの底面下方を移動する状態とを、選択可能であ
ることを特徴とする。 本発明に従えば、前方押引手段は上昇状態と沈下状態と
が選択可能であり、上昇状態でバケットの前端部分また
は後端部分を押し込みまたは引き込みすることができ
る。前方押引手段が沈下している状態では、バケットの
底面下方を容易に移動することができるので、押込みあ
るいは引込みの位置を容易に切換え、移動手段の移動可
能な範囲よりも長い距離にわたってバケットの搬入およ
び搬出を行うことができる。
【0014】また本発明で、前記前方押引手段は、揺動
軸を中心として揺動変位可能で、揺動軸から一方に延び
る短辺と、揺動軸から他方に延びて短辺よりも長い長辺
とを有し、傾斜姿勢で短辺の先端がバケットの底部に対
向して当接するとき、長辺の先端が移動手段に当接して
揺動変位を阻止することを特徴とする。 本発明に従えば、前方押引手段は、短辺の先端がバケッ
ト底部に当接している傾斜姿勢で、長辺の先端は移動手
段に当接し、揺動変位が阻止される。移動手段がバケッ
トを押圧または引込む際には、移動手段から長辺の先端
へ駆動力が伝達され、さらに前方押引手段の短辺の先端
からバケットに駆動力が伝達される。短辺の先端がバケ
ットの底部から離反する方向に移動手段を移動させた
後、前方押引手段の傾斜姿勢を変化させれば、傾斜姿勢
の変化前に移動手段からバケットを駆動可能であった状
態から、バケットを押圧しないで、前方押引手段ととも
に移動手段をバケットの底部下方で移動させる状態に切
換えることができる。
【0015】また本発明では、前記支持手段は、バケッ
トを支持しながらバケットの重量を検出する荷重検出手
段を備えることを特徴とする。 本発明に従えば、支持手段には、荷重検出手段が設けら
れ、バケットを支持しながらバケットの重量を検出する
ことができるので、被処理物の装入量に応じて処理時間
などを容易に調整することができる。
【0016】また本発明で、前記支持手段および前記移
動手段は、一体的に移動可能であることを特徴とする。 本発明に従えば、支持手段および移動手段は、一体的に
移動可能であるので、被処理物を金属屑処理設備内に搬
入した後、金属屑処理設備から被処理物を搬出するまで
の間に、金属屑処理設備から離れて次の処理の準備や、
先に行われた処理の後処理に用いることができる。
【0017】また本発明で、前記金属屑処理設備は、気
密な加熱室内で、被処理物に含まれる油分および水分
を、減圧下の不活性ガス雰囲気中で加熱して乾留する処
理を行うことを特徴とする。 本発明に従えば、金属屑処理設備内では、気密な加熱室
内で不活性がス雰囲気を、加熱および減圧下で形成す
る。被処理物に含まれる油分および水分は、加熱によっ
て蒸発し、乾留される。移動手段がその移動可能な範囲
よりも大きな距離にわたってバケットを金属屑処理設備
内に搬入することができるので、金属屑処理設備と外界
とを気密に封止する扉などを設け、安全で確実な処理を
行うことができる。バケットの重量は支持手段によって
支持されているので、移動手段には大きな荷重はかから
ず、長い距離にわたって確実な搬入および搬出を行うこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の実施
の一形態による金属屑処理設備への被処理物の搬入およ
び搬出装置の動作をそれぞれ簡略化して示す。金属屑処
理設備である脱油炉9は、金属屑などの被処理物を収納
容器であるバケット24内に乗載し、バケット搬送手段
27によって、図1に示すような搬入および図2に示す
ような搬出を行うことができる。
【0019】搬入の際には、図1のに示すように、脱
油炉9の扉62近傍の床面100上に、バケット24を
載置したバケット搬送手段27が待機する。バケット2
4の底部の前方寄りには、前方押引手段である前ドッグ
101が設けられ、バケット24の後方には、後方押込
み手段である後ドッグ102が設けられる。前ドッグ1
01および後ドッグ102は、移動手段であるタグバー
103の前端付近および後方寄りの位置にそれぞれ設け
られる。タグバー103の後端の位置は、リミットスイ
ッチ104によって検出される。バケット24の搬入方
向前方には、扉62を備える気密壁105が対向してお
り、扉を開放すると脱油炉9の内部にバケット24を仮
想線で示すように装入可能である。
【0020】バケット搬送手段27の搬入および搬出方
向の全長はL1であり、搬入および搬出されるバケット
24の底面の床面100からの高さはHである。この状
態で、タグバー103の前端から前ドッグ101の揺動
軸心までの長さをL2、後ドッグ102とバケット24
の後端部との間隔をL3、バケット搬送手段27の前端
面と気密壁105との間隔をL4、気密壁104の表面
と脱油炉9の製品中心位置との距離をL5、バケット搬
送手段27の前端と脱油炉9内に装入されている状態の
バケット24の後端との距離をL6、脱油炉9の中心と
脱油炉9内に装入されているバケット24の後端との距
離をL7とする。に実線で示すバケット24の待機位
置と、仮想線で示すバケット24の装入位置との間の移
動距離L8は、 L8 = L1+L2−L3+L6 バケット24の後端と脱油炉9の中心との距離L9は、
次の式のようにして算出される。
【0021】L9 = L8+L7 は、タグバー103が、最大ストロークS1だけ前進
した状態を示す。タグバー103の表面と、バケット2
4の底面との間は、間隔があけられ、直接接触していな
いので、の状態から後ドッグ102がバケット24の
後端に当接するまでの距離L3は、タグバー103のみ
が前進する。その後D1の距離だけバケット24は押込
まれる。すなわち、次の関係式が成り立つ。
【0022】S1 = L3+D1 なお、このとき残りの移動距離はD2となり、バケット
24の前端と前ドッグ101の揺動軸心との間隔はD3
になる。前ドッグ101とバケット24の前端との間の
間隔が大きくなるので、前ドッグ101を揺動軸を中心
として傾斜姿勢を変える揺動変位が可能となる。傾斜姿
勢を変えたドッグ反転状態で、前ドッグ101はバケッ
ト24の底面下方を移動可能である。は、図示を省略
した支持手段によってバケット24を支持しながら、タ
グバー103を最大限に後退させ、前ドッグ101の揺
動軸心と、バケット24の後端との間の距離がD4、前
ドッグ101の先端とバケット24の後端との間の間隔
がD5となる状態を示す。
【0023】は、タグバー103を再びストロークS
2だけ前進させ、前ドッグ101の先端でバケット24
の後端部分を搬入方向に押し込んでいる状態を示す。こ
の状態で、の仮想線で示した位置までバケット24が
脱油炉9内に装入される。脱油炉9内では、バケット2
4を下方から支持することができる。はタグバー10
3を後退させ、に示す扉62によって脱油炉9内を気
密に封止可能な状態を示す。なお、S2は、次のように
して表される。
【0024】S2 = D2+D5 図2は、脱油炉9内で脱油処理が終了して、バケット
24の搬出を開始する直前の状態を示す。前ドッグ10
1の傾斜姿勢を反転させ、扉62を開けると、タグバー
103を脱油炉9内に進出させ、前ドッグ101をバケ
ット24の底部下方に装入することができる。は、タ
グバー103をストロークS3だけ前進させ、前ドッグ
101によってバケット24の後端部分を引込み可能な
状態を示す。脱油炉9の中心線と、バケット24の後端
の引込み用押圧位置との間の長さをL10、この状態で
の前ドッグ101の先端と当接位置との距離をL11、
前ドッグ101の揺動軸心と先端との距離をL12とす
る。タグバー103のストロークS3は、前述の距離を
使用して、次のようにして表される。
【0025】 S3 = L2+(L7−L10)+L11+L12 は、の状態から最大限タグバー103を引込み、前
ドッグ101の先端でバケット24を引込んで搬出して
いる状態を示す。は、タグバー103を再びストロー
クS4だけ前進させ、前ドッグ101をバケット24の
前端よりも前方まで進出させた状態を示す。この状態で
バケット24の前端と前ドッグ101の揺動軸心との間
の距離をD6、前ドッグ101の先端とバケット24の
先端との距離をD7、後ドッグ102とバケット24と
の後端との間隔をD8とする。ここでストロークS4
は、次の式で表される。
【0026】 S4 = L1−{(L7−L10)+L12}−D8 は、タグバー103を後退させ、脱油炉9からバケッ
ト24を完全に搬出させた状態を示す。この状態は図1
のの待機状態と同等である。
【0027】図3は、図1および図2に示すバケット搬
送手段27を用いる脱油設備1を備える脱油工場2の全
体のレイアウト構成を示す。金属屑の油分および水分を
除去する設備である脱油設備1は、基本的に、遠心分離
機3と、第1成型装置4と、第1異物除去手段5と、第
2成型装置6と、乾留加熱手段7と、油水分離手段8と
を含んで構成される。
【0028】遠心分離手段である遠心分離機3は、主と
して油分および水分を含有するフラッフ状の金属屑から
成る第1原料を、遠心分離して、第1原料から油分およ
び水分の一部を除去する。第1成型手段である第1成型
装置4は、遠心分離機3によって油分および水分の一部
が除去された金属屑を、圧縮成型して、固形の成型物を
形成する。第1異物除去手段5は、主として油分および
水分ならびに砥粉などの粉粒状の異物を含有するフラッ
フ状の金属屑から成る第2原料を、振動させて、第2原
料から前記砥粉などの異物を除去する。第2成型手段で
ある第2成型装置6は、第1異物除去手段5によって異
物が除去された金属屑を、圧縮成型して、固形の成型物
を形成する。
【0029】乾留加熱手段7には、加熱室をそれぞれ備
える第1脱油炉9および第2脱油炉10が並設される。
この乾留加熱手段7は、第1および第2成型手段4,6
によって形成された各成型物を、各脱油炉9,10の気
密な加熱室内へ個別に挿入して、減圧下の不活性ガス雰
囲気中で加熱し、各成型物内に残存する油分および水分
を除去する。油水分離手段8は、各脱油炉9,10の加
熱室内の油分および水分の気化した蒸気を含む排ガスが
導かれ、この排ガスを各脱油炉9,10外で復圧および
冷却して前記不活性ガスと油分と水分とに分離する。
【0030】また、脱油設備1には、第1原料が投入さ
れる第1原料ホッパである大小の第1受入ホッパ11お
よび第2受入ホッパ12と、第2原料が投入される第2
原料ホッパである第3受入ホッパ13とが設けられる。
第1および第2受入ホッパ11,12は並設され、第1
および第2受入ホッパ11,12と遠心分離機3との間
には、第1および第2受入ホッパ11,12に投入され
た第1原料を搬送して前記遠心分離機3に供給する第1
搬送装置14aおよび第2搬送装置14bが第1搬送手
段15としてそれぞれ設けられる。遠心分離機3と第1
成型装置4との間には、遠心分離機3によって油分およ
び水分が除去された金属屑を搬送して前記第1成型装置
3に供給する第2搬送手段16が設けられる。第2搬送
手段16は、遠心分離機3と第1成型装置4との間に設
けられる第1中継ホッパ17と、金属屑を遠心分離機3
から第1中継ホッパ17に搬送する第3搬送装置18
と、金属屑を第1中継ホッパ17から第1成型装置4に
搬送する第4搬送装置19とを有する。
【0031】第3受入ホッパ13と第2成型装置6との
間には、第3受入ホッパ13に投入され、かつ第1異物
除去手段5によって異物が除去された金属屑を搬送して
前記第2成型装置6に供給する第3搬送手段20が設け
られる。第3搬送手段20は、第1中継ホッパ17に隣
接して設けられる第2中継ホッパ21と、金属屑を第1
異物除去手段5から第2中継ホッパ21に搬送する第5
搬送装置22と、第2中継ホッパ21から第2成型装置
6に搬送する第6搬送装置23とを有する。
【0032】乾留加熱手段7の一側方には、各脱油炉
9,10が並設される第1方向、すなわち図3の左右方
向に対して垂直な第2方向、すなわち図3の上下方向
に、前記第1および第2成型装置4,6が並設される。
各成型装置4,6と乾留加熱手段7との間には、各成型
装置4,6から搬出される各成型物が投入される通気性
を有するバケット24が乗載される複数の成型物台車2
5が設けられる。脱油工場2の床には、一対のレール2
6a,26bが第2方向に延びて敷設されており、各成
型物台車25は、各レール26a,26bに案内され
て、第2方向に移動可能に設けられている。
【0033】各脱油炉9,10の加熱室が臨む前方に
は、乗載されたバケット24を加熱室へ装入し、かつ加
熱室から排出することができるバケット搬送手段27が
設けられる。脱油工場2の床には、一対のレール28
a,28bが第1方向に延びて敷設されており、バケッ
ト搬送手段27は、各レール28a,28bに案内され
て、第1方向に移動可能に設けられる。第1脱油炉9の
各成型物台車25寄りの側方には、第1脱油炉9に隣接
してバケット24が載置されるべき受入仮置台29が設
けられる。また、第2脱油炉10の各成型物台車25と
反対の側方には、第2脱油炉10に隣接してバケット2
4が載置されるべき払出仮置台30が設けられる。前記
バケット搬送手段27は、受入仮置台29に載置された
バケット24を受取って乗載し、また、乗載しているバ
ケット24を払出仮置台30に払出して載置することが
できる。
【0034】また、払出仮置台30に隣接して、複数の
成型物置場31が設けられ、この成型物置場31に隣接
して、払出手段32が設けられている。この払出手段3
2は、乾留加熱手段7において脱油および脱水された成
型物が収容されたバケット24を傾転して、搬出用の運
搬用車両33に成型物を払い出すことができる。また、
第3受入ホッパ13に隣接して、第1異物搬送装置34
と第2異物搬送装置35とを有する異物搬送手段36が
設けられ、第1異物除去手段5によって除去された異物
を異物置場36aに搬送する。また、第1および第2受
入ホッパ11,12に隣接して、原料置場37が設けら
れ、第1原料搬入用の運搬用車両38によって搬入され
る第1原料が一時的に載置することができる。
【0035】さらに、脱油工場2の上部には、天井走行
クレーン(以下、「クレーン」と略記する場合がある)
39が設けられている。クレーン39は、脱油工場2の
両側壁2a,2b上部に設けられた図示しないランウェ
イ間に架け渡され、ランウェイに沿って走行するガーダ
40と、ガーダ40に沿って横行するトロリ41とを有
する。トロリ41には、荷を吊ったり、あるいは掴んだ
りする吊具が吊下され、図示しない巻上げ駆動装置によ
って巻上げおよび巻下げすることができる。このような
クレーン39は、走行、横行および巻上げならびに巻下
げすることによって、荷役、すなわち荷を移動させるこ
とができる。
【0036】成型物台車25は、第1および第2成型装
置4,6にそれぞれ2台1組で設けられている。第1お
よび第2成型装置4,5において形成される成型物は、
それぞれ対応した2台の成型物台車25のうちの一方に
載置されたバケット24内に投入される。一方の成型物
台車25に載置されたバケット24が成型物で満たされ
ると、組みになっている2台の成型物台車25を移動さ
せ、その2台の成型物台車25のうちの他方に載置され
たバケット24内に投入される。成型物で満たされたバ
ケット24は、クレーン39によって受入仮置台29上
に載置され、バケット搬送手段27によって、第1成型
装置4で形成された成型物が収納されたバケット24は
第1脱油炉9に、第2成型装置6で形成された成型物が
収納されたバケット24は第2脱油炉10にそれぞれ装
入される。
【0037】このようにして、第1および第2成型装置
4,6によって形成された成型物は、第1および第2成
型装置4,6から直接第1および第2脱油炉9,10に
装入されずに、2台1組で、第1および第2成型装置
4,6に対応して設けられる成型物台車25に乗載され
たバケット24に投入され、このバケット24がバケッ
ト搬送手段27によって第1および第2脱油炉9,10
に装入される。したがって、成型物台車25とバケット
搬送手段27とによって、成型物をバケット24に投入
して一時的に貯留することで、相互の運転サイクルの差
異を吸収して、円滑に運転することができる。
【0038】さらに、第1および第2成型装置4,6に
対応して、成型物台車25をそれぞれ設けることによっ
て、第1および第2成型装置4,6を同時に運転して、
成型物を形成してバケット24にそれぞれ投入すること
ができる。しかも、成型物台車25は2台1組で設けら
れ、バケット24交換が容易であり、バケット24交換
時に第1および第2成型装置4,6をそれぞれ停止させ
る必要がない。さらに、成型物はバケット24に収容さ
れた状態で第1および第2脱油炉9,10に装入される
ので、複数の成型物を一纏まりとしていわゆるバッチ処
理を行うことができ、容易に定量的な処理を行うことが
できるとともに、各脱油炉9,10の加熱室への成型物
の装入および、加熱室からの成型物の排出作業の手間を
省略することができる。さらに、バケット24は通気性
を有しており、過熱室内の不活性ガスを、バケット24
内に対流させ易い。
【0039】前記第1原料は、運搬用容器42に収納さ
れた状態で、前記第1原料搬入用の運搬用車両38に搭
載されて脱油工場2内に搬入される。搬入された第1原
料は、クレーン39によって、運搬用車両38から直
接、または原料置場37に一時的に載置された後に、第
1および第2受入ホッパ11,12に選択的に投入され
る。第1および第2受入ホッパ11,12に投入された
第1原料は、第1および第2搬送装置14a,14bに
よって搬送されて遠心分離機3に供給されて、油分およ
び水分の一部が除去される。油分および水分の一部が除
去された金属屑は、第2搬送手段16によって搬送され
て第1成型装置4に供給されて、成型物に圧縮成型さ
れ、成型物台車25上のバケット24に投入される。
【0040】第2原料は、第2原料搬入用の運搬用車両
43に直接搭載されて、脱油工場2内に搬入され、運搬
用車両43から直接第3受入ホッパ13に投入される。
第3受入ホッパ13に投入された第2原料は、第1異物
除去手段5によって砥粉などの異物が除去される。
【0041】また、脱油設備1は、遠心分離機3に隣接
して沈殿貯留槽44を備えており、遠心分離機3および
各成型装置4,6によって除去された油分および水分
は、沈殿貯留槽44に導かれ、この沈殿貯留槽44にお
いて、油分および水分が比重の差を利用して分離される
とともに、油分および水分に混入している粉粒状のまま
存在する異物などが沈殿して分離される。このようにし
て回収された油分は、他の設備などにおいて、その性状
に応じて再利用され、省資源化が図られる。また、各脱
油炉9,10において除去された油分および水分は、油
水分離手段8によって油分と水分とに分離され、回収さ
れた油分は、乾留加熱手段7において燃焼され、加熱用
熱源として利用される。回収された水分は、たとえば放
流可能な状態に清浄化され、廃棄される。また、異物に
ついても同様の処理が行われ廃棄される。
【0042】このように、脱油設備1は、第1原料の処
理系統と第2原料の処理系統との2系統の処理系統を備
えているので、油分の含有率などの金属屑の性状に応じ
て、処理系統が選択される。たとえば、この脱油工場2
を有する製鋼所内に設けられる研削・研磨工場でステン
レス鋼板の粗研磨 ( Rough Polishing )および仕上研磨
( Finishing Polishing )によって生成され、約45〜
50重量%の油分を含有する金属屑は、第1原料として
取扱われる。この第1原料は、管理状態が良好であり、
水分を含有していない。このように多量の油分を含有す
る金属屑を第1原料として取扱うことによって、遠心分
離機3によって、油分を除去して含有量を約10重量%
にし、第1成型装置4によって圧縮成型しながらさらに
脱油、すなわち油分が除去され、油分の含有量が約7重
量%の成型物が形成される(以下同様に、「油分の除
去」を「脱油」と記す場合がある)。この成型物が第1
脱油炉9で加熱処理されてさらに含有量が約1重量%に
なるまで脱油される。
【0043】このように、含有する油分量が多い金属屑
は第1原料として取扱い、遠心分離機3によって機械的
に油分の一部を除去した後に成型物を形成することで、
後続の乾留加熱手段7の負担を少なくすることができ、
処理効率を向上することができる。つまり、金属屑が含
有する油分量が多い場合には、遠心分離機3によって短
時間で除去できる油分量は多くなるので、乾留加熱手段
7だけによって油分を除去する場合に比べて、時間短縮
を図ることができ、かつ低コストとなり時間的および経
済的な面から処理効率を向上することができる。
【0044】また、約10〜18重量%の油分を含有す
る、バフ粉およびNi(ニッケル)を多く含むHiNi
バフ粉ならびに約4重量%の油分および約10重量%の
水分を含有するセンタレス粉などの購入される金属屑、
また、他の製鋼所において発生した約5〜18重量%の
油分および約0〜10%の水分を含有する入庫される金
属屑や、約5〜18重量%の油分を含有するしばらく屋
外に堆積されていた金属屑などは、第2原料として取扱
われる。このように少量の油分および水分を含有する金
属屑を第2原料として取扱い、第2成型装置6によって
圧縮成型しながら脱油され、油分の含有量が約7重量%
程度以下の成型物が形成される。この成型物が第2脱油
炉10で加熱処理されてさらに含有量が約1重量%にな
るまで脱油される。
【0045】このように、含有する油分量が少ない金属
屑を第2原料として取扱い、処理効率を向上することが
できる。つまり、遠心分離機3による脱油では、含有量
を約10重量%程度以下にすることが極めて困難であ
り、金属屑が含有する油分量が少ない場合には、遠心分
離3によって除去できる油分量は少ないので、乾留加熱
手段7によって除去しなければならない油分量には、遠
心分離機3によって処理するか否かでほとんど差異が生
じない。逆に、遠心分離機3によって処理することで、
無駄な時間を消費することになり、時間的および経済的
な面から処理効率を低下させてしまう。このため、遠心
分離3を介さずに成型物を形成することで、処理効率を
向上することができる。このように、異なる処理工程で
処理できる脱油設備1によって、含有する油分量が多い
か少ないかなどの金属屑の性状に応じて、金属屑を異な
る処理工程で処理することができ、処理効率を向上する
ことができる。
【0046】ここで再び図3を参照して、第1および第
2受入ホッパ11,12の下部には、スクリューフィー
ダ45,46がそれぞれ設けられており、第1および第
2受入ホッパ11,12に投入された第1原料が少量ず
つ送り出される。また、第1および第2受入ホッパ1
1,12には、マグハンマなどとよばれる衝撃発生装置
47,48がそれぞれ設けられている。第1原料が、金
属屑相互の係合および摩擦によって、全体で一定形状を
保ち、第1および第2受入ホッパ11,12の内壁間に
いわばブリッジを形成して、下方に落ちなくなり、各ス
クリューフィーダ45,46によって第1原料を送り出
すことができない状態になることがある。このような状
態のときに、衝撃発生装置47,48によって、第1お
よび第2受入ホッパ11,12に衝撃を与えて振動させ
ることによって、前記ブリッジを破壊して第1原料を下
方に落とすことができる。
【0047】第1および第2搬送装置14a,14b
は、たとえばベルトコンベアによって実現され、第1お
よび第2受入ホッパ側の始端部から遠心分離機3側の終
端部に向かって上方となるようにそれぞれ配置されてい
る。第1および第2搬送装置14a,14bの搬送ベル
トは、断面形状が大略的にU字状となるように幅方向両
端部が立ち上がり、かつ長手方向に間隔をあけて立上が
る係止部を有している。これによって、第1原料を搬送
方向下流側へ、すなわち始端部から終端部へ円滑に搬送
することができる。また第1および第2搬送装置14
a,14bの搬送ベルトは、ハウジング内に収納されて
おり、第1原料内に異物が混入することを防止するとと
もに、周囲への埃などの飛散を防止している。
【0048】第2搬送手段16の第1中継ホッパ17の
下部には、スクリューフィーダ51が設けられており、
第3搬送装置18によって第1中継ホッパ17に投入さ
れた第1原料から油分および水分の一部が除去された金
属屑が少量ずつ送り出される。第4搬送装置19の始端
部は、第1中継ホッパ17の下部に設けられるスクリュ
ーフィーダ51の排出口の下方に、その排出口に臨んで
配置されており、終端部は、第1成型装置4の材料切出
ホッパ53の上方に、その材料切出ホッパ53に臨んで
配置されている。この第4搬送装置19によって、第1
中継ホッパ17の下部から送り出された第1原料から油
分および水分の一部が除去され、かつ第2異物除去手段
52によって異物が除去された金属屑を第1成型装置4
の材料切出ホッパ53にその上方から供給することがで
きる。
【0049】第1成型装置4は、前記材料切出ホッパ5
3と、ターンテーブル54と、押圧手段55とを有す
る。材料切出ホッパ53は、その下部に電磁式フィーダ
が設けられており、ターンテーブル54に設けられる円
筒状の複数のダイスに、金属屑が定量的に送り出され
る。押圧手段55は、鉛直方向に移動可能な押圧ツール
を備えており、この押圧ツールを金属屑が収容された前
記ダイス内に挿入して金属屑を押圧し、短円柱状の成型
物に圧縮成型される。
【0050】第3受入ホッパ13の下部には、エプロン
コンベア56が設けられており、第3受入ホッパ13に
投入された第2原料が少量ずつ送り出される。また、第
2受入ホッパ12には、マグハンマなどとよばれる衝撃
発生装置57が設けられている。第2原料が、金属屑相
互の係合および摩擦によって、全体で一定形状を保ち、
第2受入ホッパ12の内壁間にいわばブリッジを形成し
て、下方に落ちなくなり、エプロンコンベア56によっ
て第2原料を送り出すことができない状態になることが
ある。このような状態のときに、衝撃発生装置57によ
って、第2受入ホッパ12に衝撃を与えて振動させるこ
とによって、前記ブリッジを破壊して第2原料を下方に
落とすことができる。
【0051】ターンテーブル54の下方から成型物台車
25上のバケット24の上方に向けて延びる、ベルトコ
ンベアによって実現される排出コンベア58が設けら
れ、形成された成型物が搬送されて、バケット24内に
投下される。
【0052】また、脱油工場2には、中央操作盤を備え
る操作室60が併設されている。この操作室60の中央
操作盤は、第1および第2原料が搬入されてから第1お
よび第2成型装置4,6にそれぞれ供給するまでのいわ
ば前処理設備と、第1および第2成型装置4,6および
成型物台車25を含む成型設備と、バケット搬送手段2
7と、乾留加熱手段7および油水分離手段8を含むいわ
ば脱油炉設備と、搬出手段32とに区分されて、それぞ
れの区分内で総括的に運転制御することができる。
【0053】そのうえ、乾留加熱手段7には、第1およ
び第2脱油炉9,10を共通に制御できる機側制御盤、
およびそれぞれ個別に制御できる機側制御盤が設けられ
ており、個別に運転制御することができる。また、第1
および第2成型装置4,6にも、機側制御盤がそれぞれ
設けられており、個別に運転制御することができる。さ
らに、成型物台車25に第1および第2成型装置4,6
に対応して個別に、搬出手段32に、第3受入ホッパ1
3にも、機側制御盤がそれぞれ設けられており、それぞ
れ個別に運転制御することができる。
【0054】図4は乾留加熱手段7および油水分離手段
8を模式的に示す側面図である。乾留加熱手段7は、第
1および第2脱油炉9,10を備え、油水分離手段8
は、各脱油炉9,10に対応して設けられているけれど
も、ここでは、第1脱油炉9に関してだけ説明し、同様
の構成を有する第2脱油炉10に関しては説明を省略す
る。第1脱油炉9には、前方側に第1脱油炉9内の加熱
室を開閉可能に塞ぐ扉62が付設されている。扉62の
前方側、すなわち図4の左方側にバケット搬送台車27
が設けられている。このバケット搬送手段27は、載置
台64を備えており、この載置台64にバケット24が
乗載されている。この載置台64には、移動手段である
タグバー103が設けられ、扉62を開いた状態で、バ
ケット24が加熱室に装入および加熱室から排出され
る。
【0055】第1脱油炉9の加熱室内には、図示しない
油焚きバーナで加熱されるラジアントチューブなどによ
って実現される加熱手段66が配設される。第1脱油炉
9の上部には循環ファン68が付設され、さらに不活性
ガスを導く導入管67が設けられる。また、乾留加熱手
段7は、第1脱油炉9の加熱室内を減圧するための減圧
手段78が設けられる。第1脱油炉9と減圧手段78と
は、排気管69によって接続されている。減圧手段78
は、ルーツポンプ74と油回転ポンプ75とを有し、扉
62を付帯して構成される加熱室内のガスを吸引して排
出する。
【0056】バケット24に収容された状態で加熱室内
に装入された成型物は、減圧手段78によって空気が排
出された後に、不活性ガスが導入管67から導入され
て、減圧下の不活性ガス雰囲気中で、加熱手段66で加
熱される。このとき加熱室内の不活性ガスは循環ファン
68によって対流される。このようにして成型物が加熱
され、残存している油分および水分が気化して蒸気にな
る。蒸気となった油分および水分は、不活性ガスと混合
して排ガスとなり、減圧手段78に吸引されて排気管6
9に導かれる。また、成型物を加熱することによって、
油分および水分の粘性が低下し、成型物内から流出し
て、加熱室の底部に溜まる。
【0057】排気管69には、オイルコンデンサ70が
介在されている。オイルコンデンサ70では、排ガスを
復圧および冷却することによって、不活性ガスから油分
および水分が液化されて分離される。分離された油分お
よび水分は、回収タンク71に貯蔵され、また、加熱室
の底に溜まった油分および水分も回収管によって回収タ
ンク71に導かれて貯蔵され、比重の差を利用して油分
と水分とに分離される。オイルコンデンサ70および回
収タンク71を含んで油水分離手段8が構成される。
【0058】排気管69のオイルコンデンサ70よりも
ガスの排出方向下流側には、フィルター73が介在さ
れ、成型物から研磨屑などが離脱してルーツポンプ74
および油回転ポンプ75に導かれて損傷することを防止
する。ルーツポンプ74のガスの排出方向下流側に油回
転ポンプ75が接続され、さらに油回転ポンプ75に
は、オイルミストトラップ76を備える排気管77が接
続される。ルーツポンプ74および油回転ポンプ75に
よって吸引された不活性ガスは、オイルミストトラップ
76および可燃ガスを燃焼する燃焼器などを通過して、
放出可能な状態に清浄化されて大気に放出される。
【0059】本実施形態では、回収された油分を燃料と
して油焚きバーナに使用する。油焚きバーナで発生した
燃焼ガスは、ラジアントチューブに導かれ、加熱室内に
の成型物の加熱に利用された後、大気に放出される。な
お、油焚きバーナの代わりに、ガスバーナや、電気ヒー
タなどを使用して加熱することもできる。油焚きバーナ
を採用すれば、回収した油分を有効に利用することがで
きる。
【0060】図5〜図15は、バケット搬送手段27の
構成を示す。図5はバケット24を載置した状態の正表
面図、図6は図5の平面図、図7は図5の右側面図、図
8は図6の切断面線A−Aから見た断面図、図9は図5
の切断面線B−Bから見た断面図、図10は図6の切断
面線C−Cから見た断面図、図11は図8でDで示す部
分の拡大図、図12は図6の切断面線E−Eから見た断
面図、図13は図12の側面図をそれぞれ示す。また図
14は、前ドッグ101を傾斜させるための空気圧配管
系統を示す。さらに図15は、図8のFで示す部分の拡
大図を示す。図5〜図15を参照して、バケット搬送手
段27上にバケット24が載置されているか否かは、光
電スイッチ109によって検出される。バケット搬送手
段27の台車110は、その上面の載置台64に複数の
ローラ111を有し、バケット24の底面を移動可能に
支持する。ローラ111はホルダ112によって保持さ
れ、幅方向の両側には安全柵113が設けられる。
【0061】タグバー103は、駆動モータ114から
チェーン115を介して駆動される後方のスプロケット
116から前方のスプロケット117までの間に架け渡
されるチェーン118に接続され、駆動モータ114の
回転駆動によって搬入および搬出方向に往復移動可能で
ある。タグバー103が最も後退した状態では、後端に
取付けられる検出片119がリミットスイッチ104を
作動させ、位置決めを行うことができる。タグバー10
3の前進距離は、たとえばスプロケット116あるいは
スプロケット117の軸に取付けられる回転エンコーダ
からのパルスを計数することによって計測され、このパ
ルス計数カウンタの値はリミットスイッチ104からの
出力によって初期化される。
【0062】台車110の下方には、車輪120が設け
られ、バケット24の搬入および搬出方向と垂直な方向
に水平面内で移動することができる。走行用のレール2
8a,28b間には、台車110が停止すべき位置にカ
ム121が設置されている。台車110から下方に延び
るホロア122がカム121に接触すると、その位置で
台車110の走行を位置決めして停止することができ
る。車輪120は、走行モータ123によって回転駆動
される。動力用の電力および圧縮空気は、ケーブルベア
124を介して床面100から台車110まで導かれ
る。台車110からタグバー103までもケーブルベア
125によって電力や圧縮空気が導かれる。
【0063】タグバー103では、前方の押引軸126
が前ドッグ101の揺動軸となり、ピニオン127が装
着されている。ピニオン127は、ラック128と噛合
し、エアシリンダ129によってラック128が最大ス
トロークで変位すると、前ドッグ101が押引軸126
を中心として約270度の範囲で揺動変位する。
【0064】ローラ110を備えるホルダ112と台車
110との間には、ロードセル130が介在される。ロ
ードセル130は、ローラ111上に載置されるバケッ
ト24の荷重を受けて鉛直方向に変位し、変位量に対応
して荷重を検出することができる。バケット24内の被
処理物の重量が検出されると、脱油炉9,10内での処
理時間等の条件を、被処理物の量に適合させて、効率的
な脱油処理を行うことができる。ローラ111上に載置
されるバケット24の底辺は概略的に矩形であり、その
4隅よりやや外側の位置はロードセル130が設けられ
る。バケット24による荷重で、ホルダ112が正しく
鉛直上下に変位可能なように、ロードセル130の近傍
には、ガイド131がそれぞれ設けられている。
【0065】前ドッグ101は、図13に示すように、
押引軸126の中心から先端までの距離が短い短辺13
2と、距離が長い長辺133とを有する。前ドッグ10
1は、水平面に対して約45度の角度で傾斜し、短辺1
32の先端でバケット24を押圧することができる。こ
のとき長辺133の先端は、タグバー103のフレーム
134の底面の前端部分または後端部分に当接し、タグ
バー103からの駆動力をバケット24の底部に直接伝
達することができる。タグバー103を移動させて、短
辺132の先端がバケット24の底部と離れた状態と、
図14の切換弁135を切換えて、エアコンプレッサ1
36から供給される圧縮空気の方向を切換え、エアシリ
ンダ129を変位させて前ドッグ101の傾斜方向を切
換え、切換弁135を中立位置に戻すと、前ドッグ10
1を備えるタグバー103は、バケット24の下方を移
動可能な状態となる。切換弁135は、中立位置で2次
側が連通し、図13の仮想線の状態で、短辺132の先
端側に背面側からバケット24の底部が当接すると、前
ドッグ101は押引軸126を中心として揺動変位し、
ほぼ水平な姿勢でバケット24の底部の下方を通過する
ことができる。
【0066】図16〜図19は、バケット24の構成を
示す。図16は正面図、図17は平面図、図18は図1
6の右側面図、図19は図17のAで示す部分の拡大図
をそれぞれ示す。底板140は、いわゆるエキスパンド
メタルで構成され、適性を有して重量を支えることがで
きる。底板140は矩形であり、その4辺からは、前板
141、後板142、両側方の側板は143,144が
上方に延びるように装着され、気密な側壁面を構成す
る。この側壁面の開口面積は、底板140の面積よりも
大きくなるように、前板141は前方に傾斜している。
前板141の底部には前端部材145が設けられる。後
板142の底部には後端部材146が設けられる。前端
部材145および後端部材146は、それぞれ前ドッグ
101や後ドッグ102によって押圧され、バケット2
4を受けることができるだけの強度を有する。底板14
0の幅方向の両側には、側縁部材147が設けられる。
側縁部材147の移動方向の両端には、傾斜面148,
149がそれぞれ設けられる。傾斜面148,149
は、台車110から脱油炉9,10内にバケット24が
移動する際に、炉内から台車110上に円滑に移り変わ
ることができるように設けられている。
【0067】バケット24の上方の開口部付近には、ク
レーンによって上方から吊下げ可能な吊下げピン150
が設けられている。吊下げピン150のそれぞれ下方に
は、ガイドピン151が設けられ、補強板152によっ
て側板143,144に固定されている。ガイドピン1
51は、前述の受入仮置台29にクレーン39によって
吊下げた状態のバケット24を受入れる際に、正確な位
置まで案内するために設けられる。受入仮置台29上の
所定位置にバケット24が受入れられると、バケット搬
送手段27上に正確にバケット24を移載することがで
きる。
【0068】図20は、バケット搬送手段27によって
バケット24を脱油炉9,10内に搬入する動作を示
す。ステップa1から動作を開始し、ステップa2では
図1のの状態からの状態までストロークS1でタグ
バー103が前進する。このときに後ドッグ102によ
って、バケット24の後端が押込まれる。ステップa3
では、ストロークS1前進したか否かが判断される。前
進するとステップa4でタグバー103は停止する。ス
テップa5では、前ドッグ101が搬入側に反転され
る。ステップa6では、ラック128の変位を検出し
て、前ドッグ101が搬入側に反転したか否かを検出す
る。ステップa7では、図1のからに示す状態ま
で、タグバー103を後退させる。後退の際には、バケ
ット24を移動させないので、後退速度はステップa2
の前進速度よりも速くすることができる。
【0069】ステップa8では、タグバー103の後端
がリミットスイッチ104の手前の所定位置に達し、減
速を開始するか否かを判断する。減速が開始されると、
ステップa9で前進と同様な低速度の後退となる。ステ
ップa10では、リミットスイッチ104が作動する基
準位置までタグバー103が後退しているか否かを判断
する。基準位置まで後退していると判断されるときに
は、ステップa11でタグバー103を停止する。ステ
ップa12では、図1のに示すストロークS2をカウ
ンタに設定し、ストロークa13でタグバー103を再
び低速度で前進させる。ステップa14では、設定され
たカウンタの値に対応するだけタグバー103が前進し
たか否かを判断する。前進したと判断されるときには、
ステップa15でタグバー103を停止させる。次にス
テップa16でタグバー103を高速度で後退させ、ス
テップa17では減速位置に達したか否かを判断する。
減速位置に達した後では、ステップa18でタグバー1
03を低速で後退させ、ステップa19では基準位置ま
で到達したか否かを、リミットスイッチ104からの出
力によって判断する。基準位置まで後退すると、ステッ
プa20でタグバー103を停止し、ステップa21で
ストローク検出用のカウンタをリセットし、ステップa
22で搬入動作を終了する。
【0070】図2に示す搬出動作の際には、本実施形態
では前ドッグ101のみを使用する。また後退時には低
速でタグバー103を移動させ、前進時には後退時に比
較して高速で移動させる。基本的な考え方は搬入時と同
様であり、タグバー103の最大ストロークS1よりも
長い距離L8にわたってバケット24を移動させること
ができる。
【0071】図21および図22は、脱油設備1のより
詳細な平面レイアウト構成とその側面構成をそれぞれ示
す。脱油炉9,10の扉62は、昇降シリンダ160に
よって上方に引上げられ、バケット24の搬入と搬出が
可能な状態となる。床面100よりも下方には、各脱油
炉9,10毎に水冷オイルコンデンサ161、フィルタ
162および油水分離機163がそれぞれ設けられてい
る。受入仮置台29およひ払出仮置台30と、各脱油炉
9,10にわたってバケット24の搬送を行うため、カ
ム121がそれぞれ配置されている。
【0072】図23および図24は、バケット搬送手段
27と受入仮置台29、払出仮置台30および各脱油炉
9,10との間でのバケット24の搬送動作を示す。図
23は、受入仮置台29から一方の脱油炉9へバケット
24を搬入する動作を示す。図24は、たとえば脱油炉
9からバケット24を搬出し、払出仮置台30まで搬送
する動作を示す。図23のステップb1から動作を開始
し、ステップb2では、バケット24を搬入すべき脱油
炉として脱油炉9が選択される。ステップb3では、バ
ケット搬送手段27へのバケット24の引込みが行われ
る。バケット24の引込み動作は、脱油炉9に対する搬
出動作と基本的に同等である。ステップb4では、光電
スイッチ109からの出力や、ロードセル130からの
検出出力によって、台車110上にバケット24が載置
されていることを確認する。ステップb5では、バケッ
ト24を搬入可能な状態となるまで待つ。搬入が可能と
なれば、ステップb6で台車110を高速で移動させ、
ステップb7で脱油炉9に対する減速位置まで到達する
のを待つ。ステップb8では、台車110の走行速度を
低減し、低速で走行を続ける。ステップb9では、所定
位置に到達したか否かを、カム121に対応するホロア
122に設けられるリミットスイッチで確認する。停止
用のリミットスイッチが作動すると、ステップb10で
台車110は停止する。ステップb11では、前述した
ような動作によってバケット24が脱油炉9内に搬入さ
れる。
【0073】ステップb12の搬入が終了すると、ステ
ップb13では台車110を高速度で走行させ、ステッ
プb14では受入仮置台29に対する減速位置に到達す
るのを待つ。ステップb15では、搬送用の台車110
が低速走行を行い、ステップb16で受入仮置台29に
対する停止位置に到達するのを待ち、ステップb17で
は到達後に台車110を停止させる。ステップb18で
は、移動位置検出用のカウンタのリセットを行い、ステ
ップb19で脱油炉9に対するバケット24の搬入が完
了する。
【0074】図24のステップc1では、脱油炉9内で
の脱油処理が終了し、バケット24の搬出要求が行われ
る。ステップc2では、台車110が高速で移動し、ス
テップc3で脱油炉9に対する減速位置に到達すると、
ステップc4からは、台車110が低速度で移動する。
ステップc5で停止位置に到達したと判定されるときに
は、ステップc6で台車110の走行を停止し、ステッ
プc7で脱油炉9内からバケット24を搬出する。ステ
ップc8では、台車110上にバケット24が載置され
ていることを光電スイッチ109で確認する。ステップ
c9では、台車110を高速度で払出仮置台30側に移
動させ、ステップc10で払出仮置台30近傍の減速位
置に達するのを待つ。減速位置に達すると、ステップc
11で台車110の走行速度を低速に修正する。ステッ
プc12では、停止位置まで到達したか否かが判断さ
れ、ステップc13で台車110が停止する。ステップ
c14では、台車110上から払出仮置台30にバケッ
ト24が搬入される。この搬入動作は、脱油炉9,10
内にバケット24を搬入する動作と基本的に同等であ
る。ステップc15でバケットの搬入が完了すると、ス
テップc16で台車110を高速で戻し、ステップc1
7で減速用の位置に到達したと判定されると、ステップ
c18で台車110の移動速度を低速にし、ステップc
19で停止位置に達したか否かを判断する。停止位置に
達すると、ステップc20で台車110の移動を停止
し、ステップc21でカウンタを0にリセットし、ステ
ップc22でバケット24の搬出動作を完了する。
【0075】以上の実施形態で、バケット搬送手段27
は、タグバー103の移動方向と垂直な方向にレール2
8a,28bに沿って移動可能であるけれども、脱油工
場2のレイアウトの必要に応じて、上下方向やタグバー
103の移動方向の延長方向など、種々の方向に移動可
能なように設置することができる。
【0076】またバケット24には、脱油炉9,10で
減圧下で不活性ガス雰囲気での加熱による油分および水
分の除去処理を行っているけれども、対象物の洗浄な
ど、他の処理をバッチ式で行う場合にも同様に効率を高
めることができる。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、移動手段
が移動し得る範囲よりも長い距離にわたって、金属屑処
理設備内に被処理物が乗載されたバケットを搬入し搬出
することができる。移動手段の移動範囲がバスケットの
移動範囲よりも小さくてよいので、大きな荷重を取扱う
ことができる装置を簡単に得ることができる。
【0078】さらに本発明によれば、バケットの底部を
部分的に支持する間隙を利用して移動手段を移動させ、
バケットの底部の前端および後端を押込みまたは引込む
ことによって、バケットの押込みおよび引込みをそれぞ
れ行わせることができる。
【0079】また本発明によれば、バケットの底面を支
持する支持手段の間隙と、金属屑処理設備内でバケット
の底部を支持する部分の間隙とが連通し、移動手段が直
線的な往復運動によって容易に移動することができる。
これによって前方押引手段の選択的な動作および後方押
込み手段を用い、移動手段を往復移動させながら、バケ
ットを金属屑処理設備内に搬入し、あるいは金属屑処理
設備内から金属屑処理設備外へ搬出することを円滑い行
うことができる。
【0080】また本発明によれば、前方押引手段は、上
昇状態と沈下状態との選択によって、移動手段から伝達
される駆動力でバケットを搬入または搬出させたり、バ
ケットの底部下方を移動手段が円滑に移動可能なように
繰り返すことができる。
【0081】また本発明によれば、前方押引手段が揺動
して傾斜姿勢をとるときに、短辺側の先端でバケットの
底部を押圧し、長辺側の先端で移動手段に当接しながら
移動手段からの駆動力を直接バケットの底部に伝達する
ことができる。前方押引手段を揺動変位させれば、それ
まで移動手段の移動に伴ってバケットの底部を押圧して
いる状態から、バケットの下方を円滑に移動可能な状態
に容易に切換えることができる。
【0082】また本発明によれば、支持手段にはバケッ
トを支持しながらバケットを重量を検出する荷重検出手
段が設けられるので、バケット内に収納されている被処
理物の重量を容易に検出することができ、被処理物の処
理に要する時間などを容易に算出することができる。
【0083】また本発明によれば、不活性ガス雰囲気中
で被処理物を加熱するガス乾留処理を、良好な気密状態
を保ってバッチ式による効率的な処理として行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の構成および動作を示す
簡略化した正面図である。
【図2】本発明の実施の一形態の構成および動作を示す
簡略化した正面図である。
【図3】図1および図2の実施形態を有する脱油設備1
の概略的なレイアウト構成を示す平面図である。
【図4】図1および図2の実施形態の正面図である。
【図5】図1および図2に示すバケット搬送手段27の
正面図である。
【図6】図5のバケット搬送手段27の平面図である。
【図7】図5の右側面図である。
【図8】図6の切断面線A−Aから見た断面図である。
【図9】図5の切断面線B−Bから見た断面図である。
【図10】図6の切断面線C−Cから見た断面図であ
る。
【図11】図8のDで示す部分の拡大図である。
【図12】図6の切断面線E−Eから見た断面図であ
る。
【図13】図12の側面図である。
【図14】前ドッグ101の傾転動作のための圧縮空気
配管系統図である。
【図15】図8のFで示す部分の拡大図である。
【図16】図1および図2のバケット24の正面図であ
る。
【図17】図16のバケット24の平面図である。
【図18】図16の右側面図である。
【図19】図17でAで示す部分の拡大図である。
【図20】バケット搬送手段27によって脱油炉内にバ
ケット24を搬入する動作を示すフローチャートであ
る。
【図21】バケット搬送手段27が設けられている脱油
設備の平面図である。
【図22】図21の側面図である。
【図23】バケット搬送手段27の動作を示すフローチ
ャートである。
【図24】バケット搬送手段27の動作を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 脱油設備 2 脱油工場 7 乾留加熱手段 9,10 脱油炉 24 バケット 27 バケット搬送手段 28a,28b レール 29 受入仮置台 30 払出仮置台 39 クレーン 41 トロリ 64 載置台 100 床面 101 前ドッグ 102 後ドッグ 103 タグバー 104 リミットスイッチ 109 光電スイッチ 110 台車 111 ローラ 114 駆動モータ 120 車輪 121 カム 122 ホロア 123 走行モータ 126 押引軸 127 ピニオン 128 ラック 129 エアシリンダ 130 ロードセル 131 ガイド 132 短辺 133 長辺 134 フレーム 135 切換弁 140 底板 145 前端部材 146 後端部材 147 側縁部材 148,149 傾斜面 150 吊下げピン 151 ガイドピン 160 昇降シリンダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 嘉男 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内 (72)発明者 吉川 健 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内 (72)発明者 橋口 香一 山口県岩国市麻里布町1丁目6−28−903 (72)発明者 江木 逸夫 山口県岩国市大字行波262 (72)発明者 河本 英樹 山口県岩国市中津町1−12−28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を乗載したバケットを載置した
    状態で受入れおよび払出しが可能な金属屑処理設備に、
    バケットを水平面内で往復移動させて搬入および搬出す
    る装置であって、 金属屑処理設備の近傍に配置され、金属屑処理設備内で
    載置される高さと同一の高さでバケットを載置しなが
    ら、搬入および搬出用の移動を許容する支持手段と、 金属屑処理設備外から金属屑処理設備内にわたって、バ
    ケットの搬入および搬出方向に移動可能な移動手段と、 移動手段の金属屑処理設備への搬入方向前方寄りに設け
    られ、選択的に、バケットの搬入方向後端部分に対して
    搬入方向への押込みおよび搬出方向への引込み、ならび
    にバケットの前端部分に対して搬出方向への引込みが可
    能な前方押引手段と、前方押引手段よりもバケットの搬
    入方向後方寄りの移動手段に設けられ、バケットの前端
    部分よりも後方寄りの部分を搬入方向に押込みが可能な
    後方押込手段とを含むことを特徴とする金属屑処理設備
    への被処理物の搬入および搬出装置。
  2. 【請求項2】 被処理物を乗載したバケットを、バケッ
    トの底面を部分的に支持する状態で受入れおよび払出し
    が可能な金属屑処理設備に、バケットを水平面内で往復
    移動させて搬入および搬出する装置であって、 金属屑処理設備の近傍に配置され、金属屑処理設備内で
    受入れおよび払出しされるバケットと同一の高さでバケ
    ットの底面を部分的に支持しながら搬入および搬出用の
    移動を許容する支持手段と、 バケットの底部であって、支持手段によってまたは金属
    屑処理設備内で支持されていない部分の下方を、金属屑
    処理設備外から金属屑処理設備内にわたってバケットの
    搬入および搬出方向に移動可能な移動手段と、 移動手段の金属屑処理設備への搬入方向前方寄りに設け
    られ、選択的に、バケットの搬入方向後端部分に対して
    搬入方向への押込みおよび搬出方向への引込み、ならび
    にバケットの前端部分に対して搬出方向への引込みが可
    能な前方押引手段と、前方押引手段よりもバケットの搬
    入方向後方寄りの移動手段に設けられ、バケットの前端
    部分よりも後方寄りの部分を搬入方向に押込みが可能な
    後方押込手段とを含むことを特徴とする金属屑処理設備
    への被処理物の搬入および搬出装置。
  3. 【請求項3】 前記金属屑処理設備内で、バケットの底
    部は水平面内でバケットの搬入および搬出方向に対して
    垂直な幅方向に間隔をあけて支持され、 その間隔内を前記移動手段は直線的に移動して前進およ
    び後退可能であり、 前記支持手段は、移動手段の直線的な移動方向の幅方向
    の両側に配置されることを特徴とする請求項2記載の金
    属屑処理設備への被処理物の搬入および搬出装置。
  4. 【請求項4】 前記前方押引手段は、バケットの底面よ
    りも上方に上昇してバケットの押込みまたは引込みを行
    う状態と、バケットの底面以下に沈下してバケットの底
    面下方を移動する状態とを、選択可能であることを特徴
    とする請求項2または3記載の金属屑処理設備への被処
    理物の搬入および搬出装置。
  5. 【請求項5】 前記前方押引手段は、揺動軸を中心とし
    て揺動変位可能で、揺動軸から一方に延びる短辺と、揺
    動軸から他方に延びて短辺よりも長い長辺とを有し、傾
    斜姿勢で短辺の先端がバケットの底部に対向して当接す
    るとき、長辺の先端が移動手段に当接して揺動変位を阻
    止することを特徴とする請求項4記載の金属屑処理設備
    への被処理物の搬入および搬出装置。
  6. 【請求項6】 前記支持手段は、バケットを支持しなが
    らバケットの重量を検出する荷重検出手段を備えること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属屑処
    理設備への被処理物の搬入および搬出装置。
  7. 【請求項7】 前記支持手段および前記揺動手段は、一
    体的に移動可能であることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の金属屑処理設備への被処理物の搬入お
    よび搬出装置。
  8. 【請求項8】 前記金属屑処理設備は、気密な加熱室内
    で、被処理物に含まれる油分および水分を、減圧下の不
    活性ガス雰囲気中で加熱して乾留する処理を行うことを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属屑処理
    設備への被処理物の搬入および搬出装置。
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