JPH09215233A - ブラシレスdcモータ及びその永久磁石保持方法 - Google Patents

ブラシレスdcモータ及びその永久磁石保持方法

Info

Publication number
JPH09215233A
JPH09215233A JP8012590A JP1259096A JPH09215233A JP H09215233 A JPH09215233 A JP H09215233A JP 8012590 A JP8012590 A JP 8012590A JP 1259096 A JP1259096 A JP 1259096A JP H09215233 A JPH09215233 A JP H09215233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
permanent magnet
rotor core
motor
fastening
brushless
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8012590A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Tetsuya
和弘 畷谷
Hiroaki Kojima
浩明 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP8012590A priority Critical patent/JPH09215233A/ja
Publication of JPH09215233A publication Critical patent/JPH09215233A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転子コア(42)の各挿入部(43)にそ
れぞれ永久磁石(44)が埋め込まれてなる埋込型のブ
ラシレスDCモータにおいて、磁石(44)及び回転子
コア(42)間に半径方向の隙間を形成することなく磁
石(44)を保持できるようにし、そのような半径方向
の隙間による主磁束の低下を招かず、しかも部品の種類
の増加によるコストアップを抑えられるようにする。 【解決手段】 回転子コア(42)を軸方向に一体に締
結するために使用される締結リベット(49),(4
9),…を、各挿入部(43)内における各々の磁石
(44)の周方向両側方に配置し、各々、両側1対のリ
ベット(49),(49)により各磁石(44)を保持
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転子コアの各
挿入部内に永久磁石が埋め込まれてなる回転子を備えた
埋込型のブラシレスDCモータ及びその永久磁石保持方
法に関し、特に永久磁石保持構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】回転子における永久磁石の保持構造に基
づいてブラシレスDCモータを大きく分類すると、図6
に示すように、回転子コア(a)の外周側に永久磁石
(b),(b),…が配置されてなる表面型と、図7に
示すように、回転子コア(a)の各挿入部(c)内に永
久磁石(b)が埋め込まれてなる埋込型とになる。上記
回転子コア(a)は、各々、コア金型により所定形状に
形成された多数枚の積層板が軸方向に積層されてなって
いて、複数本の締結部材(例えば締結リベット)により
軸方向に一体に締結されている。
【0003】上記の両者を比較すると、表面型では、回
転子の回転による遠心力で磁石(b)が剥離するのを防
止するために、外周側からステンレス管(d)を焼ばめ
する等の補強を行う必要がある。これに対し、埋込型の
場合には、そのような磁石(b)の剥離の虞れはなく、
したがって、回転子コア(a)の各挿入部(c)内にそ
れぞれ磁石(b)を圧入するだけでよい。
【0004】ところが、実際には、上記磁石(b)は瀬
戸物と同様の焼結物であって脆く、寸法公差が大きいた
めに、圧入時に挿入部(c)の壁面と接触する部分に欠
けや傷が発生し易い。また、磁石(b)の表面に防錆等
のためのコーティングが施されている場合には、そのコ
ーティングが剥がれ易い。さらに、磁石(b)が圧入さ
れることで、回転子コア(a)の各積層板が半径方向外
方に膨出するように不均一に変形し、このために回転子
コア(a)の側周面に凹凸が生じる結果、磁気騒音やト
ルクリプル等が発生するようになる。これらの不具合を
回避するには、永久磁石(b)の寸法公差を改善するた
めに研磨等の工程が必要であるが、そのような別工程は
大幅にコストアップを招くことになる。このため、上記
埋込型の場合には、寸法公差を改善しないままの磁石
(b)を、上記のような不具合を生じさせることなく挿
入部(c)内に挿入して保持できるようにする工夫が必
要となる。
【0005】そこで、従来では、例えば特開平5−83
892号公報に記載されているように、回転子コアの各
挿入部内周側の位置に該挿入部に開放されかつ軸方向に
延びる断面U字状の溝をそれぞれ設けておき、上記各挿
入部内に永久磁石を挿入した後、上記各溝内に割ピンを
圧入し、その割ピンを永久磁石に半径方向に圧接させる
ようにすることで、永久磁石を大きい力で圧入しなくて
も挿入部内に挿入できる一方、挿入後は永久磁石を半径
方向に挟圧して保持することができ、したがって、モー
タの運転中に回転子コアに対し各永久磁石が周方向に移
動してモータの性能・減磁耐力が低下するという虞れも
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、割ピン圧入用の溝が永久磁石及び回転子コア
間の半径方向(磁極方向)に位置していることから、そ
の溝により磁気抵抗が増大して主磁束が低下し易くなる
という問題がある。
【0007】また、ブラシレスDCモータに既に使用さ
れている部品以外の部品である割ピンが必要であること
から、部品の種類が増加するとともにその部品の組付工
程の分だけ工数も増加し、これらにより、製造コストが
アップし易いという問題もある。
【0008】さらには、永久磁石については圧入しなく
ても済むが、反面、上記割ピンが圧入されることによ
り、またその割ピンが永久磁石に接触しつつ圧入される
ことにより、永久磁石を圧入する場合と同じような不具
合がやはり生じるという問題がある。
【0009】この発明は斯かる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、回転子コアの各挿入部内に
それぞれ永久磁石が埋め込まれてなる埋込型のブラシレ
スDCモータにおいて、既に使用されている部品の活用
化を図り、かつその配置を見直すことで、磁石及び回転
子コア間に半径方向の隙間を形成することなく磁石を保
持できるようにし、よって、そのような隙間による主磁
束の低下を招かず、しかも、使用部品の種類の増加によ
るコストアップを抑えられるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、回転子コアを軸方向に一体に締結
するために使用される複数本の締結部材(例えば締結リ
ベットやボルト等)を活用することとし、それら締結部
材を挿入部内の永久磁石の周方向両側方に配置すること
で、各永久磁石の周方向の移動を規制できるようにし
た。
【0011】具体的には、請求項1の発明では、図2に
示すように固定子コア(32)に固定子巻線部(33)
が配設されてなる略円筒形状の固定子(31)と、該固
定子(31)内に回転可能に配置され、図4に示すよう
に、各々、回転子コア(42)を軸方向に貫通しかつ略
周方向に延びるスロット状に設けられた複数の挿入部
(43),(43),…内にそれぞれ板状の永久磁石
(44),(44),…が埋め込まれてなる回転子(4
1)とを備え、上記回転子コア(42)をそれぞれ軸方
向に貫通する複数本の締結部材により該回転子コア(4
2)を一体に締結するようにしたブラシレスDCモータ
が前提である。
【0012】そして、図1及び図5に示すように、上記
各挿入部(43)の周方向の寸法を各々の永久磁石(4
4)の周方向の寸法よりも大きくする一方、上記各締結
部材(49)を、非磁性体からなるものとするととも
に、上記各挿入部(43)内における各々の永久磁石
(44)の周方向両側方に配置する。その際に、各々、
上記両側1対の締結部材(49),(49)により各永
久磁石(44)をその周方向の移動が規制される状態に
保持させるようにする。
【0013】上記の構成において、回転子コア(42)
の各挿入部(43)内に配置された各々の永久磁石(4
4)の周方向の移動は、その周方向両側方の隙間に配置
された1対の締結部材(49),(49)により規制さ
れる。これにより、各挿入部(43)内において、永久
磁石(44),(44),…は保持される。
【0014】このとき、上記各締結部材(49)を配置
するための隙間は、磁束の通り道から大きく離れた永久
磁石(44)の周方向両側方にあるので、この隙間によ
り磁気抵抗が増大することはなく、したがって、そのよ
うな磁気抵抗の増大に起因する主磁束の低下は招かな
い。加えて、各締結部材(49)を配置するための挿通
孔が回転子コア(42)の磁束の通り道に設けられる場
合に比べ、その挿通孔自体を無くすることができるの
で、そのような挿通孔に起因する主磁束の低下や磁束の
乱れを抑えて性能の向上に寄与することもできるように
なる。
【0015】また、上記各締結部材(49)は、回転子
コア(42)を一体に締結するために既に使用されてい
る部品であるので、使用部品の種類の増加や、それに伴
う工数の増加は共に回避され、よって、コストアップは
小さく抑えられる。
【0016】尚、上記各挿入部(43)内における永久
磁石(44)の半径方向の保持については、締結部材
(49),(49),…のみによっては十分に行えない
としても、モータ(30)の運転時に回転子(41)の
回転により生じる遠心力で各永久磁石(44)がそれぞ
れ回転子コア(42)に対し半径方向外方に向けて押し
付けられるようになるので、実用上、支障は生じない。
【0017】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
に係るブラシレスDCモータ(30)の永久磁石保持方
法として、各挿入部(43)内に永久磁石(44)と共
に配置された両側1対の締結部材(49),(49)の
少なくとも一方の締結部材(49)の上記挿入部(4
3)内での周方向の移動を該締結部材(49)の未締結
時に許容する回転子コア(42)を用いることとし、上
記回転子コア(43)の各挿入部(43)内にそれぞれ
永久磁石(44)及び1対の締結部材(49),(4
9)を挿入して配置した後に、上記締結部材(49),
(49),…で回転子コア(42)を締結してそれぞれ
両側1対の締結部材(49),(49)により各永久磁
石(44)を保持させるようにする。
【0018】上記の構成において、回転子コア(42)
の各挿入部(43)内にそれぞれ永久磁石(44)及び
締結部材(49),(49)が挿入されるときには、締
結部材(49),(49),…は回転子コア(42)に
対し未締結状態にあるので、各挿入部(43)内に配置
された1対の締結部材(49),(49)のうちの少な
くとも一方は、永久磁石(44)から周方向に離れるよ
うに移動可能である。よって、各挿入部(43)内に永
久磁石(44)及び締結部材(49),(49)が相前
後して又は同時に挿入される際に、永久磁石(44)の
寸法公差によるばらつきに拘らず、その永久磁石(4
4)が回転子コア(42)ないし締結リベット(49)
に圧接することになる圧入作業は回避できるようにな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図2は、この発明の実施形態に係
るブラシレスDCモータ(30)が内蔵された冷媒回路
用圧縮機の全体構成を示し、この圧縮機は図外の冷媒回
路に介設されて冷媒を圧縮して吐出するために用いられ
る。
【0020】図2において、(1)は上下方向に延びる
密閉円筒状に設けられたのケーシングであり、このケー
シング(1)の上端部には、ケーシング(1)の内外を
連通する吐出管(2)がその内端部をケーシング(1)
内上端の中心部に位置付けた状態で気密状に挿通されて
いる。
【0021】また、ケーシング(1)内の下部には、冷
媒ガスを吸い込んで圧縮した後にケーシング(1)内に
吐出する圧縮機構(3)が嵌装されている。この圧縮機
構(3)は、上下方向に並設された円盤状の3つのサイ
ドハウジング(4),(4),…と、これらサイドハウ
ジング(4),(4),…間に気密状に挟持された円環
状の2つのローラハウジング(5),(5)とからなる
ハウジング部を備えており、図3に示すように、上記各
ローラハウジング(5)内には円筒状のローラ(6)が
上記隣り合うサイドハウジング(4),(4)間に位置
する状態で配設されている。
【0022】上記サイドハウジング(4),(4),…
の中心部には、上下方向に延びるクランク軸(8)が気
密状に貫通されている。このクランク軸(8)は、その
回転軸心からそれぞれ偏心してなる断面円形状の上下1
対の偏心部(8a),(8a)を有する。その際に、両
偏心部(8a),(8a)は、回転軸心を挟んで互いに
逆の方向に偏心している。上記各ローラ(6)は、それ
ら各々の偏心部(8a)に該偏心部(8a)の偏心軸心
回りに回動可能に外嵌合されていて、その外周面をロー
ラハウジング(5),(5)の内周面に接触させながら
クランク軸(8)の回転軸心回りを公転するようになさ
れている。
【0023】上記各ローラハウジング(5)内周面の所
定部位には、上下方向に延びる凹溝部(5a)が形成さ
れている。この凹溝部(5a)には、直径方向に貫通し
かつ上下方向に延びるスリット状に切り欠かれたブレー
ド嵌挿部(9a)を有する円柱状の揺動軸(9)が、上
下方向の軸心をもって回動可能に支持されている。一
方、各ローラ(6)の外周面には板状のブレード(1
0)が一体に突設されている。このブレード(10)
は、上記揺動軸(9)のブレード嵌挿部(9a)に嵌挿
されてその嵌挿方向に摺動可能に保持されており、この
ことで上記各ローラ(6)の公転運動に伴ってそのブレ
ード(10)を揺動軸(9)の軸心回りに揺動させるよ
うになっている。そして、このブレード(10)によ
り、各ローラ(6)の外周面、各ローラハウジング
(5)の内周面及び上下両側のサイドハウジング
(4),(4)に囲まれてなる断面三日月状の空間(1
1)が2つの作動室(12),(12)に区画されてい
る。
【0024】上記ローラハウジング(5)には、上記凹
溝部(5a)(ブレード(10)の位置)を挟んで周方
向の両側に吸入口(13)及び吐出口(14)が開口さ
れている。吸入口(13)は、ケーシング(1)の側壁
を貫通する吸入管(15)の下流端部に連通しており、
この各吸入管(15)の上流端部は、ケーシング(1)
の側方に配置されていて該ケーシング(1)に一体に固
定されたアキュムレータ(24)に接続されている。一
方、吐出口(14)の出口側はケーシング(1)内部に
開口されていて、そこにはリード弁からなる逆止弁とし
ての吐出弁(16)が配設されている。図3中、(2
1)は吐出弁(16)の最大開度を規制するストッパで
ある。そして、各ローラ(6)の公転運動により、アキ
ュムレータ(24)内の低圧の冷媒ガスを吸入管(1
5)及び吸入口(13)を経て各作動室(12)に吸い
込み、その冷媒ガスをローラ(6)の公転運動に伴う作
動室(12)の容積減少により圧縮した後、吐出口(1
4)からケーシング(1)内に吐出してケーシング
(1)内圧力を高圧とし、このケーシング(1)内の高
圧の冷媒ガスを吐出管(2)からケーシング(1)外に
吐出するようになっている。
【0025】上記クランク軸(8)における各偏心部
(8a)の外周面、上側偏心部(8a)の上側に位置す
るクランク軸(8)の外周面、及び下側偏心部(8a)
の下側に位置するクランク軸(8)の外周面の各々に
は、それぞれ潤滑油吐出孔(17),(17),…が開
口されている。この各潤滑油吐出孔(17)は、クラン
ク軸(8)の軸心部を通るように設けられていてその下
端がクランク軸(8)の下端面に開放されてなる図外の
潤滑油通路にそれぞれ連通している。一方、ケーシング
(1)内の底部には油溜り部(18)が設けられてお
り、この油溜り部(18)に溜められている潤滑油に上
記クランク軸(8)の下端が浸漬されるようになされて
いる。そして、クランク軸(8)の回転に伴い、その遠
心力を利用して、油溜り部(18)の潤滑油を潤滑油通
路内に吸い込んで各潤滑油吐出孔(17),(17),
…から圧縮機構(3)の摺動部分に供給するようになさ
れている。この潤滑に供された潤滑油の一部は、圧縮機
構(3)の吐出口(14)からケーシング(1)内に吐
出される冷媒ガスに混じって吐出される。
【0026】上記ケーシング(1)内の上部には、上記
圧縮機構(3)を駆動するためのブラシレスDCモータ
(30)が上下方向の回転軸心をもって嵌装されてい
る。このブラシレスDCモータ(30)は、ケーシング
(1)の内壁面に固定された略円筒状の固定子(31)
と、この固定子(31)内に回転可能に配置されかつ上
記クランク軸(8)に回転一体に連結された回転子(4
1)とを備えてなっている。
【0027】上記固定子(31)は、多数枚の積層板を
DCモータ(30)の軸方向(ケーシング(1)の上下
方向)に積層して一体化してなる略円筒状の固定子コア
(32)と、この固定子コア(32)の内周側に配置さ
れた3相の巻線からなる固定子巻線部(33)とを有す
る。これら3相の巻線は、その一端同士が互いに接続さ
れて中性点を形成している一方、各巻線の他端が入力端
子とされている。すなわち、3相の巻線はY結線されて
いて、各巻線の入力端子に印加される電圧を順に切り換
えることにより、固定子(31)が回転磁界を発生する
ようになされている。尚、図2中、(33a)は固定子
巻線部(33)が固定子コア(32)の上下両端部から
それぞれ軸方向に食み出たコイルエンドである。また、
(19)はケーシング(1)の上端部外面に取り付けら
れた電源接続部であり、この電源接続部(19)は、上
記各巻線に接続された3本の電源入力線及び各巻線の中
性点に接続された1本の信号出力線がそれぞれ接続され
る4つの端子(20),(20),…(図2では、3つ
の端子のみが見えている)を有する。上記信号出力線
は、回転子(41)の回転方向の磁極位置を検出するた
め等に使用される。
【0028】一方、上記回転子(41)は、図4に示す
ように、多数枚の積層板(42a),(42a),…を
軸方向に積層してなる略円柱状の回転子コア(42)
と、この回転子コア(42)内に埋め込まれた平板状の
4つの永久磁石(44),(44),…とを有する。回
転子コア(42)は、その軸方向の両端面に接合された
円盤状をなす非磁性体の1対の端板(45),(45)
と共に、後述する複数本の締結部材としての締結リベッ
ト(49),(49),…により一体に締結されてい
る。また、回転子コア(42)の軸心部には、回転子
(41)の軸方向に貫通する軸挿通孔(42b)が形成
されおり、この軸挿通孔(42b)に上記クランク軸
(8)の上端部が圧入されて固定されている。
【0029】また、回転子コア(42)の周縁部には、
各々、軸方向に貫通しかつ半径方向と直交する方向に延
びる断面矩形スロット状をなす4つの挿入部(43),
(43),…が上記軸挿通孔(42b)の周りで正方形
の各辺部をなすように配置されて形成されていて、この
各挿入部(43)内にそれぞれ上記永久磁石(44)が
埋め込まれている。さらに、回転子コア(42)には、
該コア(42)を軸方向に貫通しかつ各挿入部(43)
の両側部からそれぞれ半径方向外方に向かって延びるス
リット状のバリア部(46),(46),…が設けられ
ている。この各バリア部(46)は、回転子コア(4
2)における磁束の短絡を防止する機能を営む。
【0030】上記DCモータ(30)の回転子(41)
の上端部には、円板状の油分離板(47)が上記リベッ
ト(49),(49),…の締結により回転一体に取り
付けられている。この油分離板(47)は、回転子(4
1)の上端から所定距離だけ離れた状態、つまり固定子
巻線部(33)の上側コイルエンド(33a)に対向し
た状態で固定されており、圧縮機構(3)の吐出口(1
4)から潤滑油が吐出ガスと共にケーシング(1)内に
吐出されてケーシング(1)内上端部の吐出管(2)に
向かうとき、そのケーシング(1)内部の潤滑油がケー
シング(1)上端部の吐出管(2)側に流れるのを、回
転子(41)と一体に回転する油分離板(47)により
阻止するようにしている。
【0031】そして、この実施形態では、上記ブラシレ
スDCモータ(30)の回転子(41)において、回転
子コア(42)の各挿入部(43)の周方向の寸法は、
図1及び図5に示すように、各永久磁石(44)の周方
向の寸法よりも大きくされている。また、上記締結リベ
ット(49),(49),…は非磁性体からなるものと
されていて、上記各挿入部(43)内における各々の永
久磁石(44)の周方向両側方に配置されている。その
際に、上記各永久磁石(44)は、回転子コア(42)
に対し締結状態にある各々の両側1対の締結リベット
(49),(49)により周方向の移動が規制されるよ
うに保持されている。また、上記両側1対の締結リベッ
ト(49),(49)は、回転子コア(42)に対し未
締結状態のときに各々の永久磁石(44)から周方向に
離れるように挿入部(43)内を移動可能とされてい
る。
【0032】具体的には、上記各挿入部(43)内にお
いて永久磁石(44)が1対の締結リベット(49),
(49)にて保持された状態のときに、周方向(この例
では半径方向に直交する方向)において各締結リベット
(49)の永久磁石(44)とは反対側の位置に軸方向
に延びる隙間が確保されるように上記挿入部(43)の
周方向長さは設定されており、このことで、未締結状態
の各締結リベット(49)が挿入部(43)内を移動で
きるようになっている。また、各挿入部(43)の半径
方向の寸法は、永久磁石(44)の最大許容厚さ寸法に
合わせて設定されている。尚、この例では、8本の締結
リベット(49),(49),…が使用されている。
【0033】一方、上記各端板(45)には、締結リベ
ット(49),(49),…の挿通孔(45a),(4
5a),…が設けられている。これら挿通孔(45
a),(45a),…は、両端板(45),(45)が
回転子コア(42)の両端面に上記締結リベット(4
9),(49),…により一体に締結されたときに、各
挿入部(42)内の1対の締結リベット(49),(4
9)が各々の永久磁石(44)の周方向の移動を規制す
る位置に固定されるように配置されている。
【0034】ここで、上記締結リベット(49),(4
9),…により挿入部(43),(43),…内に永久
磁石(44),(44),…を保持させる手順について
簡単に説明しておくと、回転子コア(42)の各挿入部
(43)内にそれぞれ永久磁石(44)及び締結リベッ
ト(49),(49)を挿入して配置した後に、上記締
結リベット(49),(49),…で回転子コア(4
2)を締結して該締結リベット(49),(49),…
により各永久磁石(44)を保持するようになされる。
例えば、各挿入部(43)内に各々の永久磁石(44)
を挿入した後、各永久磁石(44)の両側方に1対の締
結リベット(49),(49)を配置し、次いで、各端
板(45)を回転子コア(42)の各々の端面に接合し
つつ各締結リベット(49)の端部を各々の挿通孔(4
5a)に挿通させ、しかる後に、それら締結リベット
(49),(49),…により回転子コア(42)及び
両端板(45),(45)を一体に締結する。
【0035】尚、この発明では、永久磁石(44)を挿
入部(43)内に挿入すると表現しているが、永久磁石
(44)は、挿入される段階で既に着磁されているもの
であってもよいし、挿入された後に例えば固定子巻線部
(33)に印加して着磁されるものであってもよい。特
に希土類磁石等のように強力な磁力を発生するものの場
合には、挿入時の作業性や磁石(44)の回転子コア
(42)との接触等を考慮すると、挿入後に着磁するの
が望ましい。
【0036】したがって、この実施形態によれば、埋込
型ブラシレスDCモータ(30)において、回転子コア
(42)の各挿入部(43)内の永久磁石(44)の周
方向両側方に1対の締結リベット(49),(49)を
配置するようにしたので、それら1対の締結リベット
(49),(49)により永久磁石(44),(4
4),…をその周方向の移動が規制された状態に保持で
き、そのような移動によるモータ(30)の性能・減磁
耐力の低下を未然に防止することができる。尚、各挿入
部(43)内における永久磁石(44)の半径方向の保
持については、締結リベット(49),(49),…の
みによっては十分に行えないとしても、モータ(30)
の運転時に回転子(41)の回転により生じる遠心力で
各永久磁石(44)がそれぞれ回転子コア(42)に対
し半径方向外方に向けて押し付けられるようになるの
で、実用上、支障は生じない。
【0037】その際に、上記各締結リベット(49)を
配置するための隙間は、磁束の通り道から大きく離れた
永久磁石(44)の周方向両側方にあるので、この隙間
により磁気抵抗が増大することはなく、したがって、そ
のような磁気抵抗の増大に起因する主磁束の低下は招か
ない。のみならず、締結リベット(49),(49),
…を配置するための挿通孔が回転子コア(42)の磁束
の通り道(例えば永久磁石(44)の幅方向中央部と正
対する位置)に設けられる場合に比べ、その挿通孔自体
を無くすることができるので、そのような挿通孔に起因
する主磁束の低下や磁束の乱れを抑えて性能の向上に寄
与することもできるようになる。
【0038】また、上記締結リベット(49),(4
9),…は、回転子コア(42)を一体に締結するため
に既に使用されている部品であるので、使用部品の種類
の増加や、それに伴う工数の増加を共に回避でき、よっ
て、コストアップを小さく抑えることができる。
【0039】さらに、上記各締結リベット(49)を、
未締結状態のときには永久磁石(44)から周方向に離
れるように挿入部(43)内を移動させることができる
ようにしたので、各挿入部(43)内に永久磁石(4
4)及び締結リベット(49),(49)を同時に又は
相前後して挿入する際に、永久磁石(44)の寸法公差
によるばらつきに拘らず、その永久磁石(44)が回転
子コア(42)ないし締結リベット(49)に圧接する
ことになる圧入作業を無くすることができ、そのような
圧入作業に起因する種々の不具合を伴うことなく、永久
磁石(44),(44),…の保持を行うことができ
る。
【0040】尚、上記実施形態では、各挿入部(43)
内における永久磁石(44)及び締結リベット(49)
間の圧接を回避するために、両方の締結リベット(4
9),(49)を、未締結状態のときに永久磁石(4
4)から周方向に離れるように移動可能としているが、
そのような圧接を回避させようとする場合には、何れか
一方の締結リベット(49)のみを周方向に移動可能と
なるようにしてもよい。
【0041】また、上記実施形態では、挿入部(43)
内に永久磁石(44)を挿入した後に締結リベット(4
9)を挿入すると説明しているが、挿入する順序は特に
限定されるものではなく、例えば締結リベット(49)
を挿入した後に磁石(44)を挿入するようにしてもよ
い。
【0042】また、上記実施形態では、締結リベット
(49)を締結部材として用いるようにしているが、締
結ボルト等の他の締結部材を用いてもよい。
【0043】また、上記実施形態では、回転子コア(4
2)にバリア部(46),(46)…を有するブラシレ
スDCモータ(30)について説明したが、そのような
バリア部(46),(46),…を持たないブラシレス
DCモータに、この発明を適用することもできる。
【0044】さらに、上記実施形態では、冷媒回路用圧
縮機に内蔵されたブラシレスDCモータ(30)につい
て説明したが、上記ブラシレスDCモータ(30)を圧
縮機以外の装置に用いることができるのは勿論である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、複数本の締結部材により軸方向に一体に締結さ
れてなる回転子コアの各挿入部内にそれぞれ永久磁石を
埋め込むようにしたブラシレスDCモータにおいて、上
記各挿入部の周方向の寸法を永久磁石の周方向の寸法よ
りも大きくする一方、上記締結部材を非磁性体からなる
ものとして上記各挿入部内における各々の永久磁石の周
方向両側方に配置し、それら両側1対の締結部材により
各永久磁石の周方向の移動を規制させるようにしたの
で、磁石及び回転子コア間に半径方向の隙間を形成する
ことなく各永久磁石を保持することができる結果、その
ような隙間による主磁束の低下を招かず、しかも、部品
の種類の増加によるコストアップを抑えることができ
る。
【0046】請求項2の発明によれば、上記ブラシレス
DCモータの永久磁石保持方法として、各挿入部内に永
久磁石と共に配置された両側1対の締結部材の少なくと
も一方の締結部材の該挿入部内での周方向の移動をその
未締結時に許容する回転子コアを用い、各挿入部内に各
々の永久磁石が挿入されるときには1対の締結部材のう
ちの少なくとも一方を周方向に移動させることができる
ようにしたので、各永久磁石をその寸法公差によるばら
つきに拘らず圧入作業を伴うことなく保持させることが
でき、よって、圧入作業に起因する不具合を回避するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るブラシレスDCモー
タの回転子コアにおける永久磁石の保持構造を示す図5
のI−I線断面図である。
【図2】ブラシレスDCモータが内蔵された冷媒回路用
圧縮機を示す縱断面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】ブラシレスDCモータの回転子の構成を示す分
解斜視図である。
【図5】締結リベットの配置を示す回転子コアの平面図
である。
【図6】表面型のブラシレスDCモータを模式的に示す
横断面図である。
【図7】埋込型のブラシレスDCモータを模式的に示す
横断面図である。
【符号の説明】
(30) ブラシレスDCモータ (31) 固定子 (32) 固定子コア (33) 固定子巻線部 (41) 回転子 (42) 回転子コア (43) 挿入部 (44) 永久磁石 (49) 締結リベット(締結部材)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子コア(32)に固定子巻線部(3
    3)が配設されてなる略円筒形状の固定子(31)と、
    該固定子(31)内に回転可能に配置され、各々、回転
    子コア(42)を軸方向に貫通しかつ略周方向に延びる
    スロット状に設けられた複数の挿入部(43),(4
    3),…内にそれぞれ板状の永久磁石(44),(4
    4),…が埋め込まれてなる回転子(41)とを備え、
    上記回転子コア(42)をそれぞれ軸方向に貫通する複
    数本の締結部材(49),(49),…により該回転子
    コア(42)を一体に締結するようにしたブラシレスD
    Cモータであって、 上記各挿入部(43)の周方向の寸法を各々の永久磁石
    (44)の周方向の寸法よりも大きくし、 上記各締結部材(49)を非磁性体からなるものとして
    上記各挿入部(43)内における各々の永久磁石(4
    4)の周方向両側方に配置し、 各々、上記両側1対の締結部材(49),(49)によ
    り各永久磁石(44)をその周方向の移動を規制する状
    態に保持させたことを特徴とするブラシレスDCモー
    タ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発明に係るブラシレスD
    Cモータの永久磁石保持方法であって、 各挿入部(43)内に永久磁石(44)と共に配置され
    た両側1対の締結部材(49),(49)の少なくとも
    一方の締結部材(49)の上記挿入部(43)内での周
    方向の移動を該締結部材(49)の未締結時に許容する
    回転子コア(42)を用い、 上記回転子コア(43)の各挿入部(43)内にそれぞ
    れ永久磁石(44)及び1対の締結部材(49),(4
    9)を挿入して配置した後、 上記締結部材(49),(49),…で回転子コア(4
    2)を締結してそれぞれ両側1対の締結部材(49),
    (49)により各永久磁石(44)を保持させることを
    特徴とするブラシレスDCモータの永久磁石保持方法。
JP8012590A 1996-01-29 1996-01-29 ブラシレスdcモータ及びその永久磁石保持方法 Pending JPH09215233A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8012590A JPH09215233A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 ブラシレスdcモータ及びその永久磁石保持方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8012590A JPH09215233A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 ブラシレスdcモータ及びその永久磁石保持方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09215233A true JPH09215233A (ja) 1997-08-15

Family

ID=11809574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8012590A Pending JPH09215233A (ja) 1996-01-29 1996-01-29 ブラシレスdcモータ及びその永久磁石保持方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09215233A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1032115A2 (en) * 1999-02-22 2000-08-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Reluctance type rotating machine with permanent magnets
JP2006238553A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Toyota Motor Corp 回転電機の回転子

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1032115A2 (en) * 1999-02-22 2000-08-30 Kabushiki Kaisha Toshiba Reluctance type rotating machine with permanent magnets
EP1032115A3 (en) * 1999-02-22 2002-04-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Reluctance type rotating machine with permanent magnets
EP1401083A3 (en) * 1999-02-22 2005-08-31 Kabushiki Kaisha Toshiba Permanent magnet and reluctance type rotating machine
JP2006238553A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Toyota Motor Corp 回転電機の回転子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09233750A (ja) ブラシレスdcモータ及びその永久磁石保持方法
KR100492238B1 (ko) 전동기의 회전자
AU2007298344B2 (en) Motor and compressor
JP3301962B2 (ja) 電動機の回転子
US6280168B1 (en) Multi-cylinder rotary compressor
JP3143327B2 (ja) 密閉型回転圧縮機
JPH1127878A (ja) モータ
JPH09182334A (ja) ブラシレスdcモータ
JPH09200982A (ja) ブラシレスdcモータの回転子及びその磁石位置決め固定方法
JPH09233747A (ja) ブラシレスdcモータ
JPH09215236A (ja) ブラシレスdcモータ
JPH09182332A (ja) ブラシレスdcモータ
JPH09215233A (ja) ブラシレスdcモータ及びその永久磁石保持方法
JP2000097183A (ja) 回転式圧縮機
JPH1127883A (ja) 電動機の回転子
JP3646388B2 (ja) ブラシレスdcモータの永久磁石保持方法
JPH09200986A (ja) 永久磁石型dcモータ
JP3485879B2 (ja) 圧縮機用電動機の回転子
JP6641476B2 (ja) 回転子、電動機、及び、圧縮機
JP5871469B2 (ja) 電動モータおよびそれを用いた電動圧縮機
JP2000287424A (ja) ロータリ圧縮機の回転子及びこの回転子の製造方法
JP3485877B2 (ja) 圧縮機用電動機の回転子
JPH09182333A (ja) ブラシレスdcモータの回転子及びその磁石位置決め固定方法
JP3485878B2 (ja) 圧縮機用電動機の回転子
WO2019064403A1 (ja) 回転子、電動機、密閉型圧縮機および回転子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees