JPH09214759A - 画像データ2値化方法及び装置 - Google Patents

画像データ2値化方法及び装置

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JPH09214759A
JPH09214759A JP8038903A JP3890396A JPH09214759A JP H09214759 A JPH09214759 A JP H09214759A JP 8038903 A JP8038903 A JP 8038903A JP 3890396 A JP3890396 A JP 3890396A JP H09214759 A JPH09214759 A JP H09214759A
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JP8038903A
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English (en)
Inventor
Kunio Ikuta
国男 生田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Priority to DE69729965T priority patent/DE69729965D1/de
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画質を損ねることなく画像データの2値化を
行なうことができるようにする。 【解決手段】 誤差メモリ20からは注目画素Pについ
て誤差データΣePが読み出される。加算器22では注
目画素Pについての多値の画像データに誤差データを加
算する。比較器24では多値の画像データを2値化して
2値の画像データを出力する。減算器26では2値化前
の画像データと2値化後の画像データとの誤差eを導き
出す。誤差分配ウインドウ選定回路32では多値の画像
データの値が“0”〜“13”であって2値化後の画像
データの値が“1”である場合、または、多値の画像デ
ータの値が“242”〜“255”であって2値化後の
画像データの値が“0”である場合は制御データとして
“1”を出力し、それ以外の場合には“0”を出力す
る。誤差分配回路30では制御データの値が“1”の場
合、誤差eを8つの画素A〜Hに分配し、“0”の場合
は4つの画素A,C〜Eに分配する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多値の画像データ
を2値の画像データに変換する画像データ2値化方法、
及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットプリンタ等の2値
記録装置によって、疑似的に多階調画像を記録するに際
しては、多値の画像データを2値化するために誤差拡散
方法が多用されていた。
【0003】図16はそのような誤差拡散方法を採用し
た従来の画像データ2値化装置を示すブロック図であ
る。この画像データ2値化装置は、図16に示すよう
に、誤差メモリ120、加算器122、比較器124、
減算器126、ビット変換器128、及び誤差分配回路
130を備えている。
【0004】画像信号のダイナミックレンジは0〜25
5とし、図中太線部は符号ビット、整数部ビット、小数
部ビットによって成る多ビットのデータ線であることを
示している。
【0005】ここで、誤差拡散方法とは、或る画素につ
いて画像データを2値化した際に、2値化前の画像デー
タと2値化後の画像データとの誤差を、所定の割合で上
記画素の近傍の画素にそれぞれ分配して拡散する方法で
ある。図17はこのような誤差拡散方法の原理を説明す
るための説明図である。図17において、230は画像
を示しており、231の矢印は画像230に対して2値
化処理する際の処理順序を示しており、また、232は
画像230中の画素を示している。
【0006】2値化対象画素(以下注目画素という)P
についての2値化前の画像データの値をXとし、2値化
済みの画素から注目画素Pに分配された誤差の累計をΣ
Pとすれば、注目画素に対する補正データX’は次式
により表される。 X’=X+ΣeP ………(1)
【0007】注目画素Pに対する補正データX’を閾値
(例えば128)と比較することにより注目画素Pの2
値化が行われるが、2値化後の画像データがY(0又は
255)であれば、注目画素Pの2値化に伴ってこの画
素から発生する誤差eは次式で表される。 e=X’−Y ………(2)
【0008】この誤差eの値を注目画素Pの近傍の画素
にそれぞれ分配して拡散する。即ち、誤差eの値を所定
の割合(誤差分配率)で分割して、近傍の画素について
の2値化前の画像データにそれぞれ加算する。従来の拡
散処理の例としては、誤差eの値を注目画素Pに対して
右隣の画素A、右下の画素B、真下の画素C、及び左下
の画素Dの4つの画素へ分配し、誤差分配率として、画
素Aに対し7/16、画素Bに対し1/16、画素Cに
対し5/16、画素Dに対し3/16を適用する例が知
られている。
【0009】 画素A:eA=e×7/16 画素B:eB=e×1/16 ………(3) 画素C:eC=e×5/16 画素D:eD=e×3/16
【0010】このようして、近傍の画素に拡散された誤
差は、画素毎に、誤差データとして誤差メモリ120に
蓄積されることになる。
【0011】では、図16に示す画像データ2値化装置
について説明する。2値化対象の注目画素がPである場
合、加算器122には画素Pについての多値の画像デー
タが入力される。また、誤差メモリ120からは、注目
画素Pに蓄積された誤差データΣePが読み出され、加
算器122に入力される。加算器122では、入力され
た多値の画像データに誤差データを加算し注目画素の画
像データを補正する。
【0012】比較器124では、加算器122からの補
正済画像データを入力し、別に入力される基準値と比較
して、それら値の大小関係に応じて1ビットのデータ、
即ち、2値の画像データを出力する。これにより、加算
器122から出力された画像データは2値化される。ま
た、ビット変換器128では、比較器124からの1ビ
ットの2値の画像データを、8ビットの2値の画像デー
タ(0又は255)に変換する。
【0013】減算器126では、加算器122からの補
正済画像データ(2値化前の画像データ)とビット変換
器128からの画像データ(2値化後の画像データ)と
を入力し、2値化前の画像データから2値化後の画像デ
ータを減算して、注目画素Pの2値化に伴って発生する
誤差eを導き出す。
【0014】誤差分配回路130では、減算器126に
よって得られた誤差eを、図17において述べたように
注目画素Pの近傍の画素A,B,C,Dにそれぞれ分配
して拡散する。即ち、誤差分配回路130では、例えば
式(2)で示したように、誤差eに対して画素A,B,
C,Dに対応する係数をそれぞれ掛けた後、各演算結果
A,eB,eC,eDを、誤差メモリ120内の画素A,
B,C,Dについての誤差データΣeA,ΣeB,Σ
C,ΣeDにそれぞれ加算して、各誤差データΣeA
ΣeB,ΣeC,ΣeDの値を更新する。
【0015】以上のように、図16に示す画像データ2
値化装置によれば、多値の画像データを2値化する際に
誤差拡散方法を利用することによって、2値化しても、
画像を疑似的に多階調にて表現することが可能となる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の画像データ2値化装置においては、比較的低い
階調値の画像データが入力された場合、2値化された画
像データとして、値“1”となる画素が画像中において
点線状に配置され、また、比較的高い階調値の画像デー
タが入力された場合には、2値化された画像データとし
て、値“0”となる画素が画像中において点線状に配置
されてしまい、著しく画質を損ねてしまうという問題が
あった。
【0017】今、図16に示す画像データ2値化装置を
プリンタ等に採用した場合、画像データの階調値は記録
画像における濃度に対応することになる。従って、比較
的低い階調値の画像データが入力される場合は、記録結
果として比較的低い濃度による記録画像が得られ、比較
的高い階調値の画像データが入力される場合には、比較
的高い濃度による記録画像が得られる。
【0018】図18及び図19はそれぞれ図16の画像
データ2値化装置を用いた場合のプリンタによる記録結
果を示す説明図である。図18は低濃度領域(0%〜1
0%)についての記録結果を示し、図19は高濃度領域
(90%〜100%)についての記録結果を示してい
る。図18及び図19では、画像の横方向において、濃
度が上記した範囲で連続的に変化している。なお、2値
化処理の順序は、図17に示したように、画像の左上隅
を始点として左から右へ、左から右へと横方向に1ライ
ンずつ走査することにより行なわれる。上記のことは後
述の2値化処理においても同様である。
【0019】また、図18に示した低濃度領域のうち、
特に濃度1%についての記録結果を図20に示し、図1
9に示した高濃度領域のうち、特に濃度99%について
の記録結果を図21に示す。即ち、図20及び図21に
おいては、画像全体を均一の濃度としている。図22は
図16の画像データ2値化装置を用いた場合のプリンタ
による全濃度領域(0%〜100%)についての記録結
果を示す説明図である。図22では画像の横方向におい
て濃度が上記の範囲で連続的に変化している。
【0020】図18または図20に示すように、0%〜
3%の比較的低い濃度においては、部分的に、黒点(即
ち、値“1”の画素)が右上から左下に向かって点線状
に連続して配置されている。また、図19または図21
に示すように、97%〜100%の比較的高い濃度にお
いては、部分的に、白点(即ち、値“0”の画素)が右
上から左下に向かって点線状に連続して配置されてい
る。従って、何れの場合も、黒点または白点が均等に散
在しておらず、そのため、著しく画質を損ねてしまって
いる。
【0021】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑
みなされたものであり、その目的は、より改善された、
画像データの2値化を行なうことができる画像データ2
値化装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明
の請求項1に記載された方法は、多値の画像データを2
値化する画像データ2値化方法であって、(a)注目画
素の画像データに2値化済みの画素から前記注目画素に
蓄積された誤差値を加算することにより前記注目画素に
対する補正データを導き出す工程と、(b)導出された
補正データと閾値に基づき前記注目画素を2値化する工
程と、(c)前記補正データと前記2値化の結果に基づ
き前記注目画素の2値化に伴って発生する誤差を導き出
す工程と、(d)複数種類の誤差分配ウインドウを設定
する工程と、(e)前記注目画素の2値化前の画像デー
タと前記注目画素の2値化後の画像データに基づき、前
記複数種類の誤差分配ウインドウの中から1つの誤差分
配ウインドウを選定する工程と、(f)導き出された前
記誤差を選定された前記誤差分配ウインドウに従って2
値化前の画素に分配する工程と、(g)分配された前記
誤差を画素毎に誤差データとして蓄積する工程と、によ
って画像データを2値化することを要旨とする。
【0023】請求項1の方法によれば、注目画素の2値
化前の画像データと注目画素の2値化後の画像データに
基づき複数の誤差分配ウインドウの中から1つのウイン
ドウが選定され、注目画素の2値化に伴って発生する誤
差を選定された誤差分配ウインドウに従って2値化前の
画素に分配する。
【0024】従って、注目画素の2値化前の画像データ
と2値化後の画像データに対応した適切な誤差分配ウイ
ンドウに従って誤差を拡散することが可能であり、この
ため、2値化後の画像品質が著しく改善される。
【0025】複数の誤差分配ウインドウは互いにウイン
ドウ形状あるいはウインドウ内の誤差分配率の何れか又
は両方を異ならせることにより、注目画素の2値化前の
画像データと2値化後の画像データに対応した適切な誤
差分配ウインドウを設定することが好ましい。
【0026】このようにして設定された複数の誤差分配
ウインドウの中から1つの誤差分配ウインドウを注目画
素の2値化前の画像データと2値化後の画像データによ
って選定すれば、システムは簡易に構成される。
【0027】複数の誤差分配ウインドウの中から1つの
誤差分配ウインドウを注目画素の2値化前の画像データ
のフィルタ信号値と2値化後の画像データによって選定
すれば、画像平面において誤差分配ウインドウの特性が
急変することによる記録画像の乱れを防止することが可
能である。
【0028】注目画素の2値化前の画像データ又は注目
画素の2値化前の画像データのフィルタ信号値と注目画
素の2値化後の画像データをメモリにアドレスとして入
力し、このアドレスに対応する記憶内容として選定すべ
き誤差分配ウインドウの識別コードを格納することによ
って誤差分配ウインドウを選定すれば、システムを簡易
に構成することが可能である。
【0029】選定された誤差分配ウインドウの識別コー
ドと注目画素の2値化に伴って発生する誤差値をメモリ
にアドレスとして入力し、このアドレスに対応する記憶
内容として2値化前の画素に分配すべき誤差の分配値を
格納することによって2値化前の画素に対する誤差の分
配値を得れば、システムを簡易に構成することが可能で
ある。
【0030】請求項7に記載の発明は多値の画像データ
を2値化する画像データ2値化装置であって、注目画素
の画像データに2値化済みの画素から前記注目画素に蓄
積された誤差値を加算することにより前記注目画素に対
する補正データを導き出す補正データ導出手段と、導出
された補正データと閾値に基づき前記注目画素を2値化
する2値化手段と、前記補正データと前記2値化の結果
に基づき前記注目画素の2値化に伴って発生する誤差を
導き出す誤差導出手段と、複数種類の誤差分配ウインド
ウを設定する手段と、前記注目画素の2値化前の画像デ
ータと前記注目画素の2値化後の画像データに基づき、
複数種類の誤差分配ウインドウの中から1つの誤差分配
ウインドウを選定する誤差分配ウインドウ選定手段と、
前記誤差導出手段によって導き出された誤差を前記誤差
分配ウインドウ選定手段によって選定された誤差分配ウ
インドウに従って2値化前の画素に分配する誤差分配手
段と、分配された前記誤差と画素毎に誤差データとして
蓄積する誤差蓄積手段と、を備えることを要旨とする。
【0031】請求項7に記載の発明によっても、注目画
素の2値化前の画像データと2値化後の画像データに対
応した適切な誤差分配ウインドウに従って誤差を拡散す
ることが可能であり、このため、2値化後の画像品質は
著しく改善される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例として
の画像データ2値化装置を示すブロック図である。この
画像データ2値化装置は、図1に示すように、誤差メモ
リ20、加算器22、比較器24、減算器26、ビット
変換器28、誤差分配回路30、及び誤差分配ウインド
ウ選定回路32を備えている。
【0033】図1に示す画像データ2値化装置について
説明する前に、本実施例による誤差分配ウインドウにつ
いて説明する。図16に示した従来の画像データ2値化
装置においては、2値化前の画像データと2値化後の画
像データとの誤差eの値を、図17に示したように、走
査中の画素である注目画素Pに対して右隣の画素A、右
下の画素B、真下の画素C、及び左下の画素Dの4つの
画素へ分配していたが、本実施例においては、図2
(b)、(c)に示すような2種類の誤差分配ウインド
ウが設定される。
【0034】図2は本実施例における誤差拡散の方法を
説明するための説明図である。図2(a)において、2
20は画像を示しており、221の矢印は画像220に
対する2値化処理の順序を示しており、また、222は
画像220中の2値化対象の注目画素を示している。
【0035】本実施例においては、誤差分配ウインドウ
として、図2(b)、(c)に示される2種類の誤差分
配ウインドウが注目画素の2値化前の画像データと2値
化後の画像データに対応して使い分けられる。
【0036】図2(b)に示される誤差分配ウインドウ
が選定される場合には、誤差の分配先画素に対して下式
に従って誤差が分配される。
【0037】 画素A:eA=e×8/16 画素B:eB=e×1/16 画素C:eC=e×2/16 画素D:eD=e×1/16 ………(4) 画素E:eE=e×1/16 画素F:eF=e×1/16 画素G:eG=e×1/16 画素H:eH=e×1/16
【0038】図2(c)に示される誤差分配ウインドウ
が選定される場合には、誤差の分配先画素に対して下式
に従って誤差が分配される。
【0039】 画素A:eA=e×7/16 画素C:eC=e×5/16 ………(5) 画素D:eD=e×3/16 画素E:eE=e×1/16
【0040】今、これら2種類の誤差分配ウインドウを
2値化後の画像データの値に従って選定する場合を考え
てみる。例えば、注目画素Pについて、2値化後の画像
データの値が“1”である場合には、図2(b)に従っ
て誤差eの値を分配し、2値化後の画像データの値が
“0”である場合には、図2(c)に従って誤差eの値
を分配するようにする。このようにして、2種類のウイ
ンドウを切り換えた場合には、比較的低い濃度におい
て、画質の改善が図れる。
【0041】図3は2値化後の画像データの値が“1”
のときは図2(b)に従い、“0”のときは図2(c)
に従って誤差eの値を分配する場合のプリンタによる低
濃度領域(0%〜10%)についての記録結果を示す説
明図である。図3では、画像の横方向において、右から
左に向かって濃度が0%から10%まで連続的に変化し
ている。また、図3に示した低濃度領域のうち、特に濃
度1%についての記録結果を図4に示す。即ち、図4で
は、画像全体を均一の濃度としている。
【0042】上記したように、2値化後の画像データの
値が“1”のときは図2(b)に従って、“0”のとき
は図2(c)に従って、誤差eの値を分配する場合、0
%〜3%の比較的低い濃度においては、図3または図4
に示すように黒点は均等に散在し、従来(図18,図2
0)のように黒点が点線状に配置されることはほとんど
ない。
【0043】しかしながら、このような分配方法では、
80%近傍の高い中間濃度において、テクスチャが発生
するため、画質が劣化するという問題がある。ここで、
テクスチャとは、平面的な濃淡分布に含まれる何らかの
規則性を有する模様やパターンをいう。
【0044】図5は2値化後の画像データの値が“1”
のときは図2(b)に従い、“0”のときは図2(c)
に従って誤差eの値を分配する場合のプリンタによる全
濃度領域(0%〜100%)についての記録結果を示す
説明図であり、図6は図2(c)に示した誤差分配ウイ
ンドウを用いた場合のプリンタによる全濃度領域(0%
〜100%)についての記録結果を示す説明図である。
即ち、図5及び図6では画像の左から右へ濃度が0%か
ら100%まで連続的に変化している。
【0045】2値化後の画像データの値が“1”のとき
は図2(b)に従って、“0”のときは図2(c)に従
って、誤差eの値を分配する場合、図5に示すように、
濃度80%近傍の領域WHにおいては、テクスチャが発
生しており、図2(c)の誤差分配ウインドウを用いた
場合(図6)と比較して、画質が劣化していることがわ
かる。
【0046】また、前述したのとは逆に、例えば、注目
画素Pについて、2値化後の画像データの値が“0”の
ときには、図2(b)に示す方法を採って、誤差eの値
を分配し、2値化後の画像データの値が“1”のときに
は、図2(c)に示す方法を採って、誤差eの値を分配
するようにした場合には、比較的高い濃度において、画
質の改善が図れる。
【0047】図7は2値化後の画像データの値が“0”
のときは図2(b)に従い、“1”のときは図2(c)
に従って誤差eの値を分配する場合のプリンタによる高
濃度領域(90%〜100%)についての記録結果を示
す説明図である。図7では、画像の横方向において、左
から右に向かって濃度が90%から100%まで連続的
に変化している。また、図7に示した高濃度領域のう
ち、特に濃度99%についての記録結果を図8に示す。
即ち、図8では、画像全体を均一の濃度としている。
【0048】2値化後の画像データの値が“0”のとき
は図2(b)に従って、“1”のときは図2(c)に従
って、誤差eの値を分配する場合、97%〜100%の
比較的高い濃度においては、図7または図8に示すよう
に白点は均等に散在し、従来(図19,図21)のよう
に白点が点線状に配置されることはほとんどない。
【0049】しかしながら、このような分配方法では、
今度は、20%近傍の低い中間濃度において、テクスチ
ャが発生するため、画質が劣化するという問題がある。
図9は2値化後の画像データの値が“0”のときは図2
(b)に従い、“1”のときは図2(c)に従って誤差
eの値を分配する場合のプリンタによる全濃度領域(0
%〜100%)についての記録結果を示す説明図であ
る。即ち、図9においても、図5や図6と同様に、画像
の左から右へ濃度が0%から100%まで連続的に変化
している。
【0050】2値化後の画像データの値が“0”のとき
は図2(b)に従って、“1”のときは図2(c)に従
って、誤差eの値を分配する場合、図9に示すように、
濃度20%近傍の領域WLにおいてテクスチャが発生し
ており、図2(c)の誤差分配ウインドウのみを使用す
る場合(図6)と比較して、画質が劣化している。
【0051】一方、前述したように2値化後の画像デー
タの値に従って2種類の方法を切り換えるのではなく、
2値化後の画像データの値に関わらず、常に図2(c)
に示す方法に従って誤差eの値を分配するようにした場
合は、中間濃度において、画質の改善を図ることができ
る。
【0052】従って、以上のことを踏まえて、本実施例
では、比較的低い濃度(0%〜約5%)においては、2
値化後の画像データの値が“1”となったときに、ま
た、比較的高い濃度(約95%〜100%)において
は、2値化後の画像データの値が“0”となったとき
に、それぞれ、図2(b)に示す方法に従って誤差eの
値を分配するようにし、それ以外の場合には、全て図2
(c)に示す方法に従って分配するようにする。ここ
で、濃度は、2値化前の画像データの値(即ち、階調
値)に比例対応していため、2値化前の画像データが8
ビット(即ち、256階調)である場合は、次のように
言い換えることができる。即ち、2値化前の画像データ
の値が“0”〜“13”であって、且つ2値化後の画像
データの値が“1”である場合、または、2値化前の画
像データの値が“242”〜“255”であって、且つ
2値化後の画像データの値が“0”である場合に、図2
(b)に示す方法に従って誤差eの値を分配するように
し、それ以外の場合には、全て図2(c)に示す方法に
従って分配するようにする。
【0053】図10はこのように2値化前の画像データ
の値と2値化後の画像データの値に従って分配方法を切
り換える場合のプリンタによる全濃度領域(0%〜10
0%)についての記録結果を示す説明図である。即ち、
図10では、画像の左から右へ濃度が0%から100%
まで連続的に変化している。
【0054】即ち、図10を図5や図9と比較すれば明
らかなように、2値化前の画像データの値と2値化後の
画像データの値に従って分配方法を切り換えることによ
って、濃度20%近傍の領域WLや濃度80%近傍の領
域WHにおいてはテクスチャの発生が抑制されることが
わかる。また、図10を従来の図22と比較すれば明ら
かなように、比較的低い濃度(0%〜3%)または比較
的高い濃度(97%〜100%)においては、画質が従
来のように損なわれることがない。
【0055】では、本実施例の画像データ2値化装置に
ついて、図1を用いて詳しく説明する。誤差メモリ20
は誤差データを画素毎に積算蓄積するためのメモリであ
る。誤差メモリ20では、図1に示すように画像の2ラ
イン分しか記憶容量がないが、この2ライン分の記憶領
域をトグルで利用することによって、1枚の画像の各画
素についての誤差データを順番に積算蓄積することがで
きる。
【0056】一方、図1において、2値化対象の注目画
素がPである場合、加算器22には画素Pについての多
値の画像データが入力される。この多値の画像データは
例えば8ビットのデータであり、データの値(即ち、階
調値)としては“0”〜“255”の値を採り得る。
【0057】また、誤差メモリ20からは、注目画素P
に対して、2値化済みの近傍画素から分配され蓄積され
た誤差データΣePが読み出され、加算器22に入力さ
れる。なお、誤差データΣePが読み出されると、誤差
メモリ20内に蓄積されていた誤差データΣePは0に
更新される。
【0058】加算器22では、入力された注目画素の画
像データに誤差データを加算し、注目画素の画像データ
を補正する。
【0059】比較器24では、加算器22からの補正済
画像データを入力し、別に入力される基準値と比較し
て、それら値の大小関係に応じて1ビットのデータ、即
ち、2値の画像データを出力する。ここで、基準値とし
ては“0”〜“255”の中間の値である“128”を
採用している。即ち、比較器24は、加算器22からの
画像データの値が“128”以上の場合には“1”を出
力し、“128”よりも小さい場合には“0”を出力す
る。こうして、加算器22より出力された画像データは
2値化される。
【0060】ビット変換器28では、比較器24からの
1ビットの2値の画像データを入力し、8ビットの2値
の画像データに変換して出力する。即ち、比較器24か
らの画像データの値が“0”の場合は、8ビットの画像
データとして値“0”のデータを出力し、比較器24か
らの画像データの値が“1”の場合は、8ビットの画像
データとして値“255”のデータを出力する。なお、
このようなビット変換器28は、例えば、比較器24の
出力から分岐された1ビットの画像データ線を8本に分
岐して、8ビットの画像データ線として減算器126の
入力に接続することによって容易に実現することができ
る。
【0061】減算器26では、加算器22からの画像デ
ータ(2値化前の画像データ)とビット変換器28から
の画像データ(2値化後の画像データ)とを入力し、2
値化前の画像データから2値化後の画像データを減算し
て、注目画素の2値化によって発生した誤差eを導き出
す。
【0062】一方、誤差分配ウインドウ選定回路32で
は、注目画素Pについての多値の画像データを入力する
と共に、比較器24から出力された注目画素Pについて
の2値化後の画像データを入力し、それら画像データの
値(即ち、階調値)に応じて選定すべき誤差分配ウイン
ドウの識別コードを制御データとして誤差分配回路30
に出力する。即ち、誤差分配ウインドウ選定回路32で
は、2値化前の画像データの値が“0”〜“13”であ
って且つ2値化後の画像データの値が“1”である場
合、または、2値化前の画像データの値が“242”〜
“255”であって且つ2値化後の画像データの値が
“0”である場合には、制御データとして“1”を出力
し、それ以外の場合には、制御データとして“0”を出
力する。
【0063】誤差分配回路30では、減算器26によっ
て得られた誤差eを注目画素Pの近傍の画素にそれぞれ
分配して拡散する。このとき、誤差分配ウインドウ選定
回路32からの制御データの値に応じて、2種類の誤差
分配ウインドウの中から1つが選択され、選択された誤
差分配ウインドウに従って誤差eを分配する。
【0064】即ち、誤差分配ウインドウ選定回路32か
らの制御データの値が“1”の場合は、図2(b)に示
したように注目画素Pの近傍の8つの画素A,B,C,
D,E,F,G,Hにそれぞれ分配して拡散する。つま
り、誤差分配回路30では、式(3)で示したように、
誤差eに対して画素A,B,C,D,E,F,G,Hに
対応する係数をそれぞれ掛けた後、各演算結果eA
B,eC,eD,eE,eF,eG,eHを、誤差メモリ2
0内の画素A,B,C,D,E,F,G,Hについて既
に積算蓄積されている各誤差データΣeA,ΣeB,Σe
C,ΣeD,ΣeE,ΣeF,ΣeG,ΣeHにそれぞれ加算
して、各誤差データΣeA,ΣeB,ΣeC,ΣeD,Σe
E,ΣeF,ΣeG,ΣeHの値を更新する。
【0065】また、誤差分配ウインドウ選定回路32か
らの制御データの値が“0”の場合は、図2(c)に示
したように分配する画素の数を減らして、注目画素Pの
近傍の4つの画素A,C,D,Eにそれぞれ拡散する。
つまり、誤差分配回路30では、式(4)で示したよう
に、誤差eに対して画素A,C,D,Eに対応する係数
をそれぞれ掛けた後、各演算結果eA,eC,eD,eE
各誤差データΣeA,ΣeC,ΣeD,ΣeEにそれぞれ加
算して、各誤差データΣeA,ΣeC,ΣeD,ΣeEの値
を更新する。
【0066】このようにして、注目画素Pについて一連
の処理が終了したら、2値化処理が画素Pから次の画素
Aに移り、今度は、その画素Aを2値化対象の注目画素
として同様の処理が繰り返される。
【0067】図11及び図12はそれぞれ図1の画像デ
ータ2値化装置を用いた場合のプリンタによる記録結果
を示す説明図である。図11は低濃度領域(0%〜10
%)についての記録結果を示しており、従来における図
18と対応している。また、図12は高濃度領域(90
%〜100%)についての記録結果を示しており、従来
における図19と対応している。図11及び図12で
も、図18及び図19と同様に、画像の横方向におい
て、濃度が上記した範囲で連続的に変化している。
【0068】0%〜3%の比較的低い濃度においては、
図11に示すように黒点は均等に散在し、従来(図1
8)のように黒点が点線状に配置されることはほとんど
ない。また、97%〜100%の比較的高い濃度におい
ても、同様に、図12に示すように白点は均等に散在
し、従来(図19)のように白点が点線状に配置される
ことはほとんどない。
【0069】以上説明したように、本実施例によれば、
比較的低い濃度において、2値化後の画像データの値が
“1”のとき、または比較的高い濃度において、2値化
後の画像データの値が“0”のときには、図2(b)に
示される誤差分配ウインドウに従って誤差eを分配する
ことにより、従来のように黒点や白点が点線状に配置さ
れることなく、画質が損なわれることがない。また、中
間濃度においては、図2(c)に示される誤差分配ウイ
ンドウに従って誤差eを分配することにより、濃度20
%近傍の領域や濃度80%近傍の領域でのテクスチャの
発生を抑制することができる。
【0070】なお、誤差eを分配する画素の数を8つと
したときには、処理時間が増大することになるが、比較
的低い濃度において2値化後の画像データの値が“1”
となり、または比較的高い濃度において2値化後の画像
データの値が“0”となる確率(即ち、発生頻度)は、
1/20以下であるため、全体的に見れば、処理時間の
増大は極わずかである。
【0071】以上の実施例では3種類の濃度領域と注目
画素の2値化後の画像データに対応し、2種類の誤差分
配ウインドウを使い分けて誤差を拡散しているが、濃度
領域の分割数を増やし各濃度領域と注目画素の2値化後
の画像データに対応して適切な誤差分配ウインドウを用
いて誤差を拡散すれば、更に好ましい記録画像が得られ
る。
【0072】極端には注目画素の総ての階調値(0〜2
55)と注目画素の2値化後の画像データに対応して適
切な誤差分配ウインドウを設定することも可能であり、
この場合には図1における誤差分配ウインドウ選定回路
32は不要であり、注目画素の画像データと注目画素の
2値化後の画像データが直接誤差分配回路30を制御す
る。分配率が0の画素に対してはその画素に対する誤差
分配処理がスキップできる。
【0073】従って、2値化処理の速度を早めるために
は記録画像の品質を損なわない範囲で分配率が非0の画
素数を減らし、ウインドウサイズを小さくすることが肝
要である。
【0074】図1の実施例においては、複数の誤差分配
ウインドウの中から1つの誤差分配ウインドウを注目画
素の2値化前の画像データと2値化後の画像データによ
って選定しているが、複数の誤差分配ウインドウの中か
ら1つの誤差分配ウインドウを注目画素の2値化前の画
像データのフィルタ信号値と注目画素の2値化後の画像
データによって選定すれば、画像平面において誤差分配
ウインドウの特性が急変することによる記録画像の乱れ
を防止することができる。
【0075】この場合には、図1において誤差分配ウイ
ンドウ選定回路32の入力として注目画素の画像データ
の代わりに、注目画素のフィルタ信号を入力することに
より実施し得る。
【0076】図1における誤差分配ウインドウ選定回路
32は、注目画素の2値化前の画像データまたは注目画
素の2値化前の画像データのフィルタ信号値と注目画素
の2値化後の画像データをメモリにアドレスとして入力
し、このアドレスに対応する記憶内容として選定すべき
誤差分配ウインドウの識別コードを格納することによっ
て構成すれば簡便である。
【0077】図23に上記方法による誤差分配ウインド
ウ選定回路を示す。誤差分配回路30は選定された誤差
分配ウインドウの識別コードと注目画素の2値化に伴っ
て発生する誤差値をメモリにアドレスとして入力し、こ
のアドレスに対応する記憶内容として2値化前の画素に
分配すべき誤差の分配値を格納することによって構成す
れば簡便である。
【0078】図24に上記方法による誤差分配回路を示
す。2値化処理対象の多値の画像データは画像読取装置
あるいはCD−ROM等の画像データ格納装置から供給
される。
【0079】2値化済みの画像データはインクジェット
プリンタあるいは熱転写プリンタ等によって記録され
る。
【0080】ここで、従来において黒点または白点が点
線状に配置される理由と、本実施例において黒点または
白点が均等に散在する理由を定性的且つ簡略に説明す
る。
【0081】図13は従来における誤差拡散方法により
誤差の拡散される様子を説明するための説明図である。
図13において、正方形の各枠はそれぞれ画像中の任意
の部分の複数の画素を表している。2値化処理は図17
に示したのと同様に左から右へ横方向に行なわれる。
【0082】図13(a)に示すように、横一列目の画
素を順番にP105〜P111とし、横二列目の画素を
順番にP205〜P211とする。なお、斜線の施され
ている画素は黒点の画素(即ち、値“1”の画素)であ
り、それ以外の空白の画素は白点の画素(値“0”の画
素)である。なお、図13においては、比較的低い濃度
の画像の場合を表している。なお、以上の各点は後述す
る図14においても同様である。
【0083】今、図13(a)に示すように、一列目の
画素において、2値化によって黒点となるのは、画素P
109のみであるものとする。
【0084】図13(b)に示すように、走査中の注目
画素がP106であるとすると、2値化によって画素P
106は白点となるので、図16において、比較器12
4より出力される2値化後の画像データの値は“0”と
なり、減算器126に入力される値も“0”となる。ま
た、この時、誤差メモリ120から読み出された画素P
106についての誤差データの値が例えば“0”である
とすると、加算器122から減算器126に入力される
画像データの値は正となるので、減算器126から出力
される誤差eの値は正(+)となる。従って、誤差分配
回路130によって注目画素P106の近傍の画素P1
07,P207,P206,P205に分配される誤差
の値は、図13(b)に示すようにそれぞれ正(+)と
なる。
【0085】次に、図13(c)に示すように、走査中
の注目画素がP107に移ると、2値化によってこの画
素P107も白点となるので、減算器126に入力され
る値も“0”となる。また、先ほど、画素P107に正
の値の誤差が分配されたことにより、誤差メモリ120
から読み出される画素P107についての誤差データの
値は正であるため、加算器122から減算器126に入
力される画像データの値は正となり、減算器126から
出力される誤差eの値も正(+)となる。従って、注目
画素P107の近傍の画素P108,P208,P20
7,P206に分配される誤差の値も、図13(c)に
示すようにそれぞれ正(+)となる。
【0086】次に、図13(d)に示すように、走査中
の注目画素がP108に移っても、その画素P108の
近傍の画素P109,P209,P208,P207に
分配される誤差の値はそれぞれ正(+)となる。
【0087】しかし、次に、図13(e)に示すよう
に、走査中の注目画素がP109に移ると、2値化によ
ってこの画素P109は黒点となるので、図16におい
て、比較器124より出力される2値の画像データの値
は“1”となり、減算器126に入力される値は“25
5”となる。また、加算器122から減算器126に入
力される画像データの値は“255”以下となるので、
減算器126から出力される誤差eの値は負(−)とな
る。従って、誤差分配回路130によって注目画素P1
09の近傍の画素P110,P210,P209,P2
08に分配される誤差の値は、図13(e)に示すよう
にそれぞれ負(−)となる。
【0088】従って、ここまでにおいて、2列目の画素
のうち、積算蓄積される誤差データの値が一番大きくな
る可能性があるのは、少なくとも3回、正(+)の値の
誤差が分配された画素P207である。よって、図13
(f)に示すように、次に2列目の画素について走査を
行なった際に、画素P207が、最も、2値化によって
黒点の画素になる可能性が高い。
【0089】これに対し、本実施例による誤差拡散方法
では図14に示す如くになる。図14は本実施例におけ
る誤差拡散方法により誤差の拡散される様子を説明する
ための説明図である。なお、図14では(a)に示すよ
うに、左側に画素が増えており、横一列目の画素はP1
00〜P111、横二列目の画素はP200〜P211
となっている。
【0090】図14(b)に示すように、走査中の注目
画素がP104であるとすると、2値化によって画素P
104は白点となるので、図1において、比較器24よ
り出力される2値化後の画像データの値は“0”とな
り、減算器26に入力される値も“0”となる。また、
この時、誤差メモリ20から読み出された画素P104
についての誤差データの値が例えば“0”であるとする
と、加算器22から減算器26に入力される画像データ
の値は正となるので、減算器26から出力される誤差e
の値は正(+)となる。
【0091】また、この場合、比較的低い濃度におい
て、2値化後の画像データの値が“0”であるので、図
2(c)に示した方法に従うことになり、誤差分配回路
30による誤差eの値の分配先は、注目画素P104に
対して近傍の4つの画素P105,P204,P20
3,P202となる。従って、これら画素P105,P
204,P203,P202に対して分配される誤差の
値がそれぞれ正(+)となる。
【0092】次に、走査中の注目画素がP105,P1
06,P107,P108と順に移ると、誤差eの分配
先も順に移るが、図14(c)〜(d)に示すように、
何れの分配先も分配される誤差の値は全て正(+)とな
る。従って、注目画素P108について誤差eが分配さ
れた時点で、2列目の画素のうち、積算蓄積される誤差
データの値が大きいのは、画素P204,P205,P
206である。即ち、これら3つ画素は、少なくとも3
回、正(+)の値の誤差が分配されているからである。
【0093】しかし、次に、図14(e)に示すよう
に、走査中の注目画素がP109に移ると、2値化によ
ってこの画素P109は黒点となるので、図1におい
て、比較器24より出力される2値化後の画像データの
値は“1”となり、減算器26に入力される値は“25
5”となる。また、加算器22から減算器26に入力さ
れる画像データの値は“255”以下となるので、減算
器26から出力される誤差eの値は負(−)となる。
【0094】また、この場合、比較的低い濃度におい
て、2値化後の画像データの値が“1”であるので、図
2(b)に示した分配方法に従うことになり、誤差分配
回路30による誤差eの値の分配先は、注目画素P10
4に対して近傍の8つの画素P110,P211,P2
10,P209,P208,P207,P206,P2
05となる。従って、これら8つの画素に対して分配さ
れる誤差の値は、図14(e)に示すようにそれぞれ負
(−)となる。
【0095】従って、これにより、前述した誤差データ
の値の大きい3つの画素P204,P205,P206
のうち、P205,P206については、負(−)の値
の誤差が積算されるため、誤差データの値は減少してし
まい、それゆえ、誤差データの値が一番大きくなる可能
性があるのは、負(−)の値の誤差が積算されない画素
P204である。よって、図14(f)に示すように、
次に2列目の画素について走査を行なった際に、画素P
204が、最も、2値化によって黒点の画素になる可能
性が高い。
【0096】従って、従来における図13(f)と、本
発明における図14(f)とを比較すれば明らかなよう
に、従来では、黒点となった画素(P109)に対し
て、その画素の左下の画素(P208)の、さらに左隣
の画素(P207)が黒点となる可能性が高いが、本発
明では、黒点となった画素(P109)に対して、その
画素の左下の画素(P208)の、3画素空けたさらに
左隣の画素(P204)が黒点となる可能性が高い。即
ち、このようにして複数の黒点ができた場合、黒点同士
の間隔は明らかに本発明の方が広くなる。このことを図
で表してみると、図15に示す如くとなる。即ち、従来
では図15(a)に示すように黒点同士の間隔が狭いた
め、黒点が右上から左下に向かって点線状に配置されて
いるように認識され易いのに対し、本発明では図15
(b)に示すように黒点同士の間隔が比較的広いため、
黒点が点線状に配置されているように認識されにくい。
【0097】以上、本発明と従来との相違を比較的低い
濃度の画像の場合(即ち、黒点の場合)を例に挙げ説明
したが、比較的高い濃度の画像の場合(即ち、白点の場
合)も同様となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての画像データ2値化装
置を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例における誤差拡散の第1の方法を
説明するための説明図である。
【図3】2値化後の画像データの値が“1”のときは図
2(b)に従い、“0”のときは図2(c)に従って誤
差eの値を分配する場合のプリンタによる低濃度領域
(0%〜10%)についての記録結果を示す説明図であ
る。
【図4】2値化後の画像データの値が“1”のときは図
2(b)に従い、“0”のときは図2(c)に従って誤
差eの値を分配する場合のプリンタによる濃度1%につ
いての記録結果を示す説明図である。
【図5】2値化後の画像データの値が“1”のときは図
2(b)に従い、“0”のときは図2(c)に従って誤
差eの値を分配する場合のプリンタによる全濃度領域
(0%〜100%)についての記録結果を示す説明図で
ある。
【図6】2値化後の画像データの値に関わらず常に図2
(c)に従って誤差eの値を分配する場合のプリンタに
よる全濃度領域(0%〜100%)についての記録結果
を示す説明図である。
【図7】2値化後の画像データの値が“0”のときは図
2(b)に従い、“1”のときは図2(c)に従って誤
差eの値を分配する場合のプリンタによる高濃度領域
(90%〜100%)についての記録結果を示す説明図
である。
【図8】2値化後の画像データの値が“0”のときは図
2(b)に従い、“1”のときは図2(c)に従って誤
差eの値を分配する場合のプリンタによる濃度99%に
ついての記録結果を示す説明図である。
【図9】2値化後の画像データの値が“0”のときは図
2(b)に従い、“1”のときは図2(c)に従って誤
差eの値を分配する場合のプリンタによる全濃度領域
(0%〜100%)についての記録結果を示す説明図で
ある。
【図10】2値化前の画像データの値と2値化後の画像
データの値に従って分配方法を切り換える場合のプリン
タによる全濃度領域(0%〜100%)についての記録
結果を示す説明図である。
【図11】図1の画像データ2値化装置を用いた場合の
プリンタによる低濃度領域(0%〜10%)についての
記録結果を示す説明図である。
【図12】図1の画像データ2値化装置を用いた場合の
プリンタによる高濃度領域(90%〜100%)につい
ての記録結果を示す説明図である。
【図13】従来における誤差拡散方法により誤差の拡散
される様子を説明するための説明図である。
【図14】図1の実施例における誤差拡散方法により誤
差の拡散される様子を説明するための説明図である。
【図15】黒点の現れる様子を従来と本発明とで比較し
て示した説明図である。
【図16】従来の画像データ2値化装置を示すブロック
図である。
【図17】誤差拡散方法の原理を説明するための説明図
である。
【図18】従来の画像データ2値化装置を用いた場合の
プリンタによる低濃度領域(0%〜10%)についての
記録結果を示す説明図である。
【図19】従来の画像データ2値化装置を用いた場合の
プリンタによる高濃度領域(90%〜100%)につい
ての記録結果を示す説明図である。
【図20】従来の画像データ2値化装置を用いた場合の
プリンタによる濃度1%についての記録結果を示す説明
図である。
【図21】従来の画像データ2値化装置を用いた場合の
プリンタによる濃度99%についての記録結果を示す説
明図である。
【図22】従来の画像データ2値化装置を用いた場合の
プリンタによる全濃度領域(0〜100%)についての
記録結果を示す説明図である。
【図23】誤差分配ウインドウ選定回路の構成図であ
る。
【図24】誤差分配回路の構成図である。
【符号の説明】
20…誤差メモリ 22…加算器 24…比較器 26…減算器 28…ビット変換器 30…誤差分配回路 32…誤差分配ウインドウ選定回路 120…誤差メモリ 122…加算器 124…比較器 126…減算器 128…ビット変換器 130…誤差分配回路 220,230…画像 221,231…走査線 222,232…画素 A,B,C,D,E,F,G,H…画素 P…注目画素 P100〜P111…画素 P200〜P211…画素 WH…濃度80%近傍の領域 WL…濃度20%近傍の領域 eA,eB,eC,eD,eE,eF,eG,eH…分配誤差 e…誤差 ΣeA,ΣeB,ΣeC,ΣeD,ΣeE,ΣeF,ΣeG
ΣeH…誤差データ ΣeP…誤差データ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多値の画像データを2値化する画像デー
    タ2値化方法であって、(a)注目画素の画像データに
    2値化済みの画素から前記注目画素に蓄積された誤差値
    を加算することにより前記注目画素に対する補正データ
    を導き出す工程と、(b)導出された補正データと閾値
    に基づき前記注目画素を2値化する工程と、(c)前記
    補正データと前記2値化の結果に基づき前記注目画素の
    2値化に伴って発生する誤差を導き出す工程と、(d)
    複数種類の誤差分配ウインドウを設定する工程と、
    (e)前記注目画素の2値化前の画像データと前記注目
    画素の2値化後の画像データに基づき、前記複数種類の
    誤差分配ウインドウの中から1つの誤差分配ウインドウ
    を選定する工程と、(f)導き出された前記誤差を選定
    された前記誤差分配ウインドウに従って2値化前の画素
    に分配する工程と、(g)分配された前記誤差を画素毎
    に誤差データとして蓄積する工程と、 によって成る画像データ2値化方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(d)における複数種類の誤差
    分配ウインドウは、互いにウインドウ形状あるいはウイ
    ンドウ内の誤差分配率の何れか、又は両方を異にする請
    求項1記載の画像データ2値化方法。
  3. 【請求項3】 前記工程(e)は、前記注目画素の2値
    化前の画像データと前記注目画素の2値化後のデータに
    よって前記複数種類の誤差分配ウインドウの中から1つ
    の誤差分配ウインドウを選定する請求項1記載の画像デ
    ータ2値化方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(e)は、前記注目画素の2値
    化前の画像データのフィルタ信号値と前記注目画素の2
    値化後の画像データによって前記複数種類の誤差分配ウ
    インドウの中から1つの誤差分配ウインドウを選定する
    請求項1記載の画像データ2値化方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(e)は、前記注目画素の2値
    化前の画像データ又は前記注目画素の2値化前の画像デ
    ータのフィルタ信号値と前記注目画素の2値化後の画像
    データをメモリにアドレスとして入力し、このアドレス
    に対応する記憶内容として選定すべき誤差分配ウインド
    ウの識別コードを格納することによって成る請求項1記
    載の画像データ2値化方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(f)は、選定された誤差分配
    ウインドウの識別コードと注目画素の2値化に伴って発
    生する誤差値をメモリにアドレスとして入力し、このア
    ドレスに対応する記憶内容として2値化前の画素に分配
    すべき誤差の分配値を格納することによって成る請求項
    1記載の画像データ2値化方法。
  7. 【請求項7】 多値の画像データを2値化する画像デー
    タ2値化装置であって、 注目画素の画像データに2値化済みの画素から前記注目
    画素に蓄積された誤差値を加算することにより前記注目
    画素に対する補正データを導き出す補正データ導出手段
    と、 導出された補正データと閾値に基づき前記注目画素を2
    値化する2値化手段と、 前記補正データと前記2値化の結果に基づき前記注目画
    素の2値化に伴って発生する誤差を導き出す誤差導出手
    段と、 複数種類の誤差分配ウインドウを設定する手段と、 前記注目画素の2値化前の画像データと前記注目画素の
    2値化後の画像データに基づき、複数種類の誤差分配ウ
    インドウの中から1つの誤差分配ウインドウを選定する
    誤差分配ウインドウ選定手段と、 前記誤差導出手段によって導き出された誤差を前記誤差
    分配ウインドウ選定手段によって選定された誤差分配ウ
    インドウに従って2値化前の画素に分配する誤差分配手
    段と、 分配された前記誤差を画素毎に誤差データとして蓄積す
    る誤差蓄積手段と、 によって成る画像データ2値化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7362473B2 (en) 2002-12-13 2008-04-22 Seiko Epson Corporation Image processing technique for tone number conversion of image data

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