JPH0921471A - チェック弁 - Google Patents

チェック弁

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JPH0921471A
JPH0921471A JP7170987A JP17098795A JPH0921471A JP H0921471 A JPH0921471 A JP H0921471A JP 7170987 A JP7170987 A JP 7170987A JP 17098795 A JP17098795 A JP 17098795A JP H0921471 A JPH0921471 A JP H0921471A
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JP
Japan
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valve
valve body
check valve
fluid
valve seat
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JP7170987A
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Inventor
Norihiko Okochi
典彦 大河内
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は真空引きを要するポンプ室の吸入側
チェック弁に好適なチェック弁に関し、流体の逆流を阻
止する基本機能を実現しつつ、ポンプ室の真空引きの作
業の容易化を可能とすることを目的とする。 【解決手段】 弁体18と、弁体18が着座することに
より貫通孔12aの導通が遮断される弁座12とを対向
配置する。弁座12の貫通孔12aの周囲に、弁体18
と接触する複数の突起12cを設ける。弁体18に作用
する着座方向の流体圧力が所定圧力に満たない領域では
弁体18と弁座12とが密着状態とならず、かつ、弁体
18に作用する着座方向の流体圧力が所定圧力以上とな
る領域では弁体18と弁座12とが密着状態となるよう
に、突起12cの高さ、弁座12の弾性等の諸元を設定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チェック弁に係
り、特に、真空引きを要する空間に連通して配設する場
合に好適なチェック弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両に搭載するアンチロック
ブレーキシステム(ABS)等においては、吸入側およ
び吐出側にチェック弁を備えるプランジャポンプが用い
られている。かかるプランジャポンプにおいて、プラン
ジャがポンプ室の容積を増大させる向きに変位すると、
吸入側のチェック弁が開弁して吸入工程が実行される。
また、プランジャがポンプ室の容積を減少させる向きに
変位すると、吐出側のチェック弁が開弁して吐出工程が
実行される。かかる構成によれば、プランジャが往復運
動を繰り返すことにより、適当に流体を圧送することが
できる。
【0003】ところで、上記の如きプランジャポンプを
ABSの油圧回路の一部として用いる場合、プランジャ
ポンプを内蔵する油圧回路を車両に組み付けた後に、プ
ランジャポンプのポンプ室内部にもブレーキフルードを
充填する必要がある。ABSの油圧回路にブレーキフル
ードを充填する手法としては、作業性や作業効率の面で
優れていることから、先ず油圧回路の真空引きを行い、
次いでその内部にブレーキフルードを流入する手法が採
られている。
【0004】しかし、上述の如くプランジャポンプのポ
ンプ室は、吸入側チェック弁および吐出側チェック弁に
挟まれている。真空引き以前のポンプ室の内圧が0.1MPa
(1気圧)であるとすれば、真空引きの過程でチェック
弁の両側に生ずる圧力差は、最大0.1MPa(1気圧)であ
る。これに対して、チェック弁には、静粛性の確保、作
動の安定性の確保等の観点から0.1MPa(1気圧)を超え
る開弁圧が付与されている。かかる状況下では、ABS
の油圧回路内に如何に負圧を導いても、プランジャポン
プのポンプ室を真空引きすることはできない。
【0005】上記の課題を解決する技術としては、従来
より、例えば実開平4−98672号マイクロフィルム
に開示される技術が知られている。すなわち、上記マイ
クロフィルムには、油圧回路を真空引きする際に、手動
操作によって開弁することのできるチェック弁を吸入側
に備えるプランジャポンプが開示されている。かかる構
成によれば、油圧回路の真空引きを行うにあたり任意に
吸入側チェック弁を開弁させることができる。従って、
上記のプランジャポンプによれば、油圧回路の他の領域
と同様に、ポンプ室の内部にも確実に負圧を導くことが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポンプ室に真
空を導くための上記従来の手法は、吸入側チェック弁を
手動操作により開弁しなければならない分だけ、単に油
圧回路に真空を導くだけで足りる場合に比して工程が煩
雑である。このように、吸入側チェック弁を手動操作に
より開弁してポンプ室に真空を導く上記従来の手法は、
真空引き工程の煩雑化を招くというものであった。
【0007】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、簡易な工程でポンプ室の真空引きを可能とする
逆止弁を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、弁体と、該弁体が着座することにより
導通が遮断される弁座とを備えるチェック弁において、
前記弁体に作用する着座方向の力が所定値に満たない場
合に流体の通過を許容し、かつ、前記弁体に作用する着
座方向の力が所定値以上である場合に流体の通過を遮断
する流体通過制御手段を備えるチェック弁により達成さ
れる。
【0009】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、上記請求項1記載のチェック弁において、前記流
体通過制御手段が、前記弁体と前記弁座との間に介在
し、前記弁体に作用する着座方向の力が増すに連れて前
記弁体と前記弁座との間隙を減少させる突起と、前記弁
体および前記弁座の少なくとも一方に設けられ、前記弁
体に作用する着座方向の力が所定値以上である場合に前
記弁体と前記弁座とを密着状態とする環状凸部と、を備
えるチェック弁によっても達成される。
【0010】請求項1記載の発明において、弁座から弁
体を離座させる向きに流体が流れる場合は弁座が導通状
態となり、流体の通過は許容される。弁座に弁体を着座
させる向きに流体が流れる場合は、流体通過制御手段の
作用により、流体の通過が許容または遮断される。すな
わち、流体通過制御手段は、弁体に作用する着座方向の
力が所定値に満たない場合は流体の通過を許容し、ま
た、弁体に作用する着座方向の力が所定値以上である場
合は流体の通過を遮断する。
【0011】本発明に係るチェック弁が、ポンプの吸入
側チェック弁として使用された場合において、チェック
弁の外部に負圧が導かれると、ポンプ室の内部から弁座
を介して空気が流出する。この際、弁体は着座方向の力
を受けるが、その力が小さいため流体通過制御手段の作
用により、空気の流出が許容される。従って、チェック
弁の外部に負圧を導くだけで、ポンプ室の真空引きが実
現される。また、本発明に係るチェック弁を吸入側チェ
ック弁として備えるポンプにおいて吐出工程が実行され
る場合、ポンプ室の内圧が増圧されるに連れて弁体に作
用する着座方向の力が増加する。そして、ポンプ室の内
圧が所定値に到達すると、以後、吸入側チェック弁から
の流体の漏出が遮断され、流体の吐出が開始される。
【0012】請求項2記載の発明において、流体通過制
御手段が備える突起は、弁体と弁座との間に介在して弁
体を弁座から離座した位置に保持する。また、この突起
は、弁体に作用する着座方向の力が増すに連れて弁体と
弁座との間隙を減少させる。かかる突起が存在する場
合、弁体に作用する着座方向の力が所定値に満たない状
況下では、確実に弁体が弁座から離座して、流体の流通
が許容される状況が形成される。
【0013】また、本発明において流体通過制御手段が
備える環状凸部は、弁体に作用する着座方向の力が所定
値以上となると、弁体と弁座とを密着状態とする。かか
る環状凸部が存在する場合、弁体に作用する着座方向の
力が所定値以上となる領域では、確実に弁体と弁座とが
密着状態となり、流体の流通が確実に遮断される。従っ
て、本発明によれば、請求項1記載の発明における流体
通過制御手段の作動が確実化されることになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を参照して、
本発明の一実施例であるチェック弁10の構成について
説明する。図1は、本実施例のチェック弁10の正面断
面図を示す。また、図2は、本実施例のチェック弁10
の要部である弁座12の平面図を示す。図1に示す如
く、チェック弁10は、弁座12、台座14、カバー1
6、弁体18、及びスプリング20により構成される。
【0015】弁座12は、ゴム等の弾性体で構成された
部材であり、その中央部に貫通孔12aを備えている。
貫通孔12aの一端は、弁座12の、弁体18側の面に
設けられたすり鉢状の凹部12bに開口している。凹部
12bの、貫通孔12aの周囲の部分には、複数の突起
12cが設けられている。本実施例において、これらの
突起12cは、図2に示す如く、貫通孔12aの周囲に
等間隔で3つ設けられている。
【0016】台座14は、大径部14aと円筒部14b
とからなる剛性を有する部材である。円筒部14bの内
部には弁座12が嵌挿されている。また、円筒部14b
の外部にはカバー体16が嵌挿されている。この際、円
筒部14bと弁座12との接触部、及び円筒部14bと
カバー体16との接触部には、十分なシール性が確保さ
れている。更に、台座14の大径部14aには、その中
央部に、弁座12の貫通孔12aと連通する貫通孔14
cが設けられている。
【0017】カバー体16は、円筒部14bの外周に嵌
挿される大径部16aと、大径部16bに比して小径に
形成される小径部16bとからなる部材であり、小径部
16bの、弁座12と対向する面に貫通孔16cを備え
ている。また、カバー体16の内部には、弁座12の3
つの突起12bに当接するように、球状の剛性部材であ
る弁体18が配設されている。弁体18は、その一端が
カバー16の小径部16bに嵌挿されたスプリング20
によって弁座12側に押圧されている。
【0018】かかる構成によれば、台座14の貫通孔1
4c側からカバー16の貫通孔16c側に向かう流体の
流れが生ずると、弁体18には、弁座12から離座する
方向の力が作用する。弁体18に弁座12から離座する
方向の力が作用すると、弁体18が、スプリング20の
付勢力に抗って図1中上向きに変位し、貫通孔14cと
カバー16の内部空間とが導通状態となる。貫通孔14
cとカバー16の内部空間とが導通状態となると、貫通
孔14cから貫通孔16cに至る経路が導通状態とな
り、チェック弁10の内部を流体が通過し得る状態とな
る。従って、チェック弁10においては、台座14の貫
通孔14cからカバー16の貫通孔16cへ向かう流体
の流れは常に許容されることになる。尚、以下の説明に
おいては、台座14の貫通孔14cからカバー16の貫
通孔16cへ向かう流体の流れを、順方向の流れと称
す。
【0019】また、上述した構成によれば、カバー16
の貫通孔16c側から台座14の貫通孔14c側に向か
う流体の流れが生ずると、カバー16の内部空間と弁座
12の貫通孔12aとの間に差圧が生じ、弁体18に
は、弁座12に着座する方向の力が作用する。しかしな
がら、弁体18は、弁座12の突起12cに当接してい
るため、弁体18に作用する着座方向の力が小さい状況
下では、弁体18と弁座12とが密着状態とならない。
このため、かかる状況下では、カバー16の貫通孔16
cと台座14の貫通孔14cとが導通状態となり、貫通
孔16cから貫通孔14cへ向かう流体の流れが許容さ
れる。
【0020】かかる状況から、カバー16の貫通孔16
c側に供給される流体圧力が上昇し、弁体12に作用す
る着座方向の力が、十分に突起12cを潰し得る力に到
達すると、弁体18と弁座12とが密着状態となる。以
下、弁体18と弁座12とが密着状態となる際に弁体1
8が受ける流体圧力を所定圧力と称す。弁体18と弁座
12とが密着状態となると、カバー16の内部空間と弁
座12の貫通孔12aとが遮断状態となる。そして、カ
バー16の内部空間と弁座12の貫通孔12aとが遮断
状態となると、カバー16の貫通孔16cから台座14
の貫通孔14cへ向かう流体の流れが遮断される。
【0021】従って、チェック弁10においては、カバ
ー16の貫通孔16cから台座14の貫通孔14cへ向
かう流体の流れは、弁体18を着座方向に押圧する流体
圧力が所定圧力に満たない領域では許容され、その流体
圧力が所定圧力以上となる領域では遮断されることにな
る。尚、以下の説明においては、カバー16の貫通孔1
6cから台座14の貫通孔14cへ向かう流体の流れを
逆方向の流れと称す。
【0022】上述の如く、本実施例のチェック弁10
は、順方向に向かう流体の流れは常に許容し、逆方向に
向かう流体の流れは、流体圧力が所定圧力に満たない領
域でのみ許容するという特性を有している。以下、図3
及び図4を参照して、かかる特性を有効に利用する使用
例について説明する。
【0023】図3は、本実施例のチェック弁10を用い
て構成した液圧ブレーキ装置の全体構成図を示す。ま
た、図4は、図3に示す液圧ブレーキ装置の油圧回路図
を示す。図3に示す液圧ブレーキ装置は、アンチロック
ブレーキシステム(以下、ABSと称す)の機能を有す
る車両用ブレーキ装置である。
【0024】図3において、ブレーキペダル30は、倍
力装置32の入力軸32aに、回動可能に連結されてい
る。倍力装置32は、入力軸32aに付与された推力を
倍力して伝達する装置であり、その出力軸は、マスタシ
リンダ34の加圧ピストンに連結されている。
【0025】マスタシリンダ34は、その内部に2つの
加圧室を備えるいわゆるタンデム型のシリンダである。
マスタシリンダ34に、倍力装置32からブレーキ踏力
が伝達されると、その踏力に応じた液圧が、2つの加圧
室のそれぞれに発生する。図3に示すブレーキ液圧装置
は、ダイアゴナル2系統式の装置であり、マスタシリン
ダ16の2つの加圧室には、それぞれ液圧通路36-1
36-2が連通している。液圧通路36-1,36-2には、
それぞれ独立した油圧回路が連通しているが、それらは
構成上異なるところがないため、図3及び図4には、液
圧通路36-1に通じる油圧回路のみを示す。
【0026】液圧通路36-1は、フィルタ38を介して
第1電磁弁40の流体流入孔40aに連通している。第
1電磁弁40は、駆動信号が供給されている間だけ流体
流入孔40aと流体流出孔40bとを遮断する常時開の
2位置の電磁弁である。第1電磁弁40の外周には、流
体流出孔40b側から流体流入孔40a側へ向かう流体
の流れを許容するチェック弁として機能するカップ40
cが装着されている。これら第1電磁弁40とカップ4
0cとは、図4に示す如く、液圧通路36-1に並列に接
続された2位置の電磁弁およびチェック弁として機能す
る。
【0027】第1電磁弁40の流体流出孔40bの下流
には、フィルタ42を介して、左右何れかの前輪(説明
の便宜上、ここでは左前輪とする)に配設されるホイル
シリンダ44が連通されると共に、2つの逆止弁46
a,46bを組み合わせてなる逆止弁対46に連通して
いる。逆止弁46aは、上流側から下流側への流れのみ
を許容する一方向弁であり、一方、逆止弁46bは下流
側から上流側への流れのみを許容する一方向弁である。
また、逆止弁46bには、スプリング46cの付勢力に
応じた適当な開弁圧が設定されている。
【0028】逆止弁対46の下流側には、第2電磁弁4
8の流体流入孔48a、及びポンプ機構50の流体吐出
側チェック弁52が連通されている。第2電磁弁48
は、上述した第1電磁弁40と同様に、駆動信号が供給
されている間だけ流体流入孔48aと流体流出孔48b
とを遮断する常時開の2位置の電磁弁である。また、ポ
ンプ機構50は、駆動モータ54を駆動源としてブレー
キフルードを圧送するプランジャポンプである。尚、ポ
ンプ機構50の構成については後に詳説する。
【0029】第2電磁弁48の流体流出孔48bの下流
には、フィルタ56及び第3電磁弁58の流体流入孔5
8aが連通している。また、フィルタ56には、左右何
れかの後輪Rr(説明の便宜上、ここでは右後輪とす
る)に配設されるホイルシリンダ60及び第1電磁弁4
0の上流側に通じる逆止弁62が連通している。
【0030】第3電磁弁58は、第1電磁弁40及び第
2電磁弁48とは異なり、駆動信号が供給された際に流
体流入孔58aと流体流出孔58bとを導通させる常時
閉の2位置の電磁弁である。第3電磁弁58の流体流出
孔58bの下流には、リザーバ64が連通されると共
に、上述したポンプ機構50の吸入側チェック弁として
配設される本実施例のチェック弁10が連通される。チ
ェック弁10は、台座14の貫通孔14cが第3電磁弁
58に連通し、かつ、カバー16の貫通孔16cがポン
プ機構50のポンプ室50aに開口するように配設され
ている。
【0031】かかる構成によれば、第3電磁弁58が開
弁し、その下流側にブレーキフルードが流出すると、流
出したブレーキフルードの一部はチェック弁10を順方
向に通過してポンプ機構50のポンプ室50a内に吸入
される。また、第3電磁弁58の下流に流出したブレー
キフルードのうちポンプ機構50が吸入されなかった余
剰分は、一時的にリザーバ64に貯留される。
【0032】上述した第1電磁弁40、第2電磁弁4
8、第3電磁弁58、及び駆動モータ54は、図示しな
い電子制御ユニットによって制御される。電子制御ユニ
ットは、各車輪の車輪速に基づいて、それらの車輪がロ
ック状態に移行する可能性を判断し、その判断結果に応
じて適宜下記表1に示す1〜7の何れかのモードを実現
すべく、第1電磁弁40、第2電磁弁48、第3電磁弁
58、及び駆動モータ54を制御する。
【0033】尚、下記表1において、“O”はOPE
N、すなわち開弁状態を表し、“C”はCLOSE、す
なわち閉弁状態を表している。また、“M/C増圧”、
“ポンプ増圧”、“保持”、及び“減圧”は、それぞれ
ホイルシリンダ44,60におけるブレーキ液圧が、マ
スタシリンダ34の液圧上昇に伴って増圧される状況、
ポンプ機構50の吐出圧によって増圧される状況、マス
タシリンダ34の液圧等に関わらず保持される状況、及
びマスタシリンダ34の液圧等に関わらず減圧される状
況を表す。
【0034】
【表1】
【0035】つまり、前後輪が共に正常な接地状態を維
持している場合は、モード1を実現してマスタシリンダ
34で発生したブレーキ液圧が、ホイルシリンダ44,
60に到達し得る状態とする。また、後輪のみがロック
状態に移行しそうな場合は、モード1〜3を適宜実行し
て、ホイルシリンダ60のブレーキ圧の制御を図る。そ
して、前輪がロック状態に移行しそうな場合は、モード
4〜7を適宜実行してホイルシリンダ44,60のブレ
ーキ圧の制御を図る。
【0036】この場合、前後輪が共に適当な接地状態を
維持している状況下では、ブレーキペダル30に付与さ
れたブレーキ踏力に応じた制動力が発揮される。また、
前後輪の何れかがロック状態に移行しそうな状況下で
は、ブレーキペダル30に付与されたブレーキ踏力の大
小に関わらず、ホイルシリンダ44,60のブレーキ液
圧が、車輪がロック状態に移行するのを避けるべく制御
される。かかる制御が、各車輪の状態に基づいて適宜実
行されることにより、ABSとして所望の機能が実現さ
れる。
【0037】上述した液圧ブレーキ装置を車両上で正常
に機能させるためには、その油圧回路に、ブレーキフル
ードを充填することが必要である。ブレーキフルードを
充填する手法としては、作業性や作業効率が優れている
ことから、先ず油圧回路の真空引きを行い、次いでその
内部にブレーキフルードを流入する手法が広く用いられ
ている。
【0038】図4に示す如く、上述したブレーキ液圧装
置において、第1電磁弁40、第2電磁弁48、及び第
3電磁弁58を全て開弁状態とすると、マスタシリンダ
34の下流に連通する油圧回路のほとんどの部分がマス
タシリンダと導通状態となる。従って、上述したブレー
キ液圧装置においては、第1電磁弁40、第2電磁弁4
8、及び第3電磁弁58を全て開弁状態として、マスタ
シリンダ34側から油圧回路の真空引きを行い、油圧回
路内の空気が十分に排出された時点でマスタシリンダ3
4側からブレーキフルードを注入することで、油圧回路
内のほとんどの部分にブレーキフルードを充填すること
が可能である。
【0039】上述の如く油圧回路の真空引きを行う場
合、2つのチェック弁10,52が閉弁状態であると、
それらに挟まれる空間、すなわち、ポンプ機構50のポ
ンプ室50aに負圧を導くことはできない。真空引きを
行う以前のポンプ室の内圧は大気圧、すなわち、ほぼ0.
1MPa(1気圧)であるため、真空引きの過程でチェック
弁10,52の両側に生ずる圧力差は最大0.1MPa(1気
圧)であるのに対して、チェック弁10,52には、静
粛性の確保、作動の安定性の確保等の観点から0.1MPa
(1気圧)を超える開弁圧が付与されているからであ
る。
【0040】しかしながら、上述した液圧ブレーキ装置
は、ポンプ機構50の吸入側チェック弁として、本実施
例のチェック弁10を用いている。上述の如く、チェッ
ク弁10によれば、弁体18に作用する着座方向の流体
圧力が所定圧力に満たない領域では逆方向に向かう流体
の流れが許容される。本実施例において、この所定圧力
は、真空引きの過程では生じ得ない圧力(スプリング2
0の押圧力より0.1MPa以上大きい圧力)に設定されてい
る。このため、油圧回路の真空引きの過程では、ポンプ
室50aからチェック弁10の貫通孔14cを通って空
気が流出することができる。従って、図3に示す液圧ブ
レーキ装置によれば、油圧回路に負圧を導くだけで、ポ
ンプ機構50のポンプ室50a内の真空引きを行うこと
ができる。
【0041】ところで、上述した液圧ブレーキ装置にお
いて、チェック弁10は、ポンプ機構50が作動した際
に、チェック弁10側からポンプ室50a側へ向かうブ
レーキフルードの流れを許容し、かつ、ポンプ室50a
側からチェック10側へ向かうブレーキフルードの流れ
を遮断するために配設されている。
【0042】これに対して、チェック弁10は、上述の
如く、流体の順方向の流れを常に許容し、かつ、弁体1
8に作用する着座方向の流体圧力が所定圧力以上となる
領域では流体の逆方向の流れを遮断する機能を備えてい
る。また、ポンプ機構50は、その吐出工程において、
ポンプ室50a内部に上述した所定圧に比して十分に高
圧の圧力を発生させる能力を有している。従って、チェ
ック弁10によれば、ポンプ機構50の吸入工程中にお
いて、ポンプ室50aへのブレーキフルードの流入を許
容し、かつ、ポンプ機構50の吐出工程中において、ポ
ンプ室50aからのブレーキフルードの漏出を防止する
ことができる。
【0043】このように、本実施例のチェック弁10
は、ポンプ機構の吸入側チェック弁として用いた場合
に、ポンプ機構の吐出工程において流体の漏出を防止す
るという基本機能を果たしつつ、2つのチェック弁の間
に形成されるポンプ室の真空引きの作業を容易とするこ
とができるという利益を有している。
【0044】尚、本実施例のチェック弁10において
は、弁座12が備える突起12cが、前記した流体通過
制御手段に相当する。以下、図5及び図6を参照して、
本発明の第2実施例であるチェック弁70について説明
する。図5は、本実施例のチェック弁70の正面断面図
を示す。また、図6は、本実施例のチェック弁70の要
部である弁座72の平面図を示す。尚、図5において上
記図1に示す構成と同一の部分については、同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0045】本実施例のチェック弁70は、弁座72
が、台座孔14の貫通孔14aと連通する貫通孔72
a、貫通孔72aの一端が開口するすり鉢状の凹部72
b、凹部72bの、貫通孔72aの周囲に等間隔に設け
られた3つの突起72cに加え、3つの突起72cを取
り巻くように形成された環状凸部72dを備えている点
に特徴を有している。
【0046】環状凸部72dは、弁座72と一体に成形
されており、所定の弾性を有している。また、環状凸部
72dは、弁体18に流体圧力が作用していない場合
に、弁体18との間に所定の間隙が形成され、かつ、弁
体18に着座方向に向かう所定の流体圧力が作用した際
に、環状凸部72dの全周が弁体18と密着状態となる
ように形成されている。
【0047】従って、本実施例のチェック弁70によれ
ば、弁体18に作用する着座方向の力が所定値に満たな
い領域では、突起72cによって弁体18と弁座72と
の間に間隙が形成され、弁体18に作用する着座方向の
力が所定値以上となる領域では、環状凸部72dによっ
て弁体18と弁座72とが密着状態とされる。かかる構
成によれば、突起72cが僅かに弾性変形するだけで弁
体18と弁座72とを密着状態とすることができるた
め、突起72cの変形不良によるチェック弁70の動作
不良を防止することができる。
【0048】このため、本実施例のチェック弁70によ
れば、上記図1に示すチェック弁10と同様に2つのチ
ェック弁の間に形成されるポンプ室の真空引きの作業を
容易とし得ることに加え、流体の逆流を阻止する基本機
能に関して、更に安定した作動特性を得ることができ
る。
【0049】尚、本実施例のチェック弁70において
は、弁座72が備える突起72c、及び環状凸部72d
が、前記した流体通過制御手段に相当する。以下、図7
乃至図9を参照して、本発明の第3実施例であるチェッ
ク弁80について説明する。図7は、本実施例のチェッ
ク弁80の正面断面図を示す。また、図8および図9
は、それぞれ本実施例のチェック弁80の要部である弁
体84の底面図および弁座82の平面図を示す。尚、図
7において上記図1に示す構成と同一の部分について
は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0050】本実施例のチェック弁80の弁座82は、
弾性を有する部材であり、貫通孔82aとすり鉢状の凹
部82bとを備えている。また、チェック弁80の弁体
84は、弁座82の凹部82bと対向配置される球面部
84aとスプリング20が嵌合される円筒部84bとか
らなる剛性部材であり、球面部84aの表面に、弁座8
2と当接する3つの突起84cを備えている。
【0051】チェック弁80において、突起84cの大
きさ、弁座82の弾性等の諸元は、弁体84に作用する
着座方向の力が所定値に満たない領域では弁体84と弁
座82が密着せず、かつ、弁体18に作用する着座方向
の力が所定値以上となる領域では、突起84cが弁座8
2を弾性変形させて突起84cが弁座82に入り込み、
弁体84と弁座82が密着するように設定されている。
【0052】かかる構成によれば、上記図1に示すチェ
ック弁10と同様に、順方向の流体の流れを常に許容
し、かつ、逆方向に向かう流体の流れは、流体圧力が所
定圧力に満たない領域でのみ許容するという特性が実現
される。従って、本実施例のチェック弁80によって
も、ポンプ機構の吸入側チェック弁として用いた場合
に、ポンプ機構の吐出工程において流体の漏出を防止す
るという基本機能を果たしつつ、2つのチェック弁の間
に形成されるポンプ室の真空引きの作業を容易とするこ
とができる。
【0053】ところで、上記の説明においては、突起8
4cは剛性部材に限定しているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、弁体84の球状部84aに、弾性
を有する突起を加設することによっても所望の効果を得
ることができる。尚、本実施例のチェック弁80におい
ては、弁体84の突起84c、及び弁座82が、前記し
た流体通過制御手段に相当する。
【0054】以下、図10乃至図12を参照して、本発
明の第4実施例であるチェック弁90について説明す
る。図10は、本実施例のチェック弁90の正面断面図
を示す。また、図11および図12は、それぞれ本実施
例のチェック弁90の要部である弁体94の底面図およ
び弁座92の平面図を示す。尚、図10において上記図
1に示す構成と同一の部分については、同一の符号を付
してその説明を省略する。
【0055】本実施例のチェック弁90の弁座92は、
弾性を有する部材であり、貫通孔92a、すり鉢状の凹
部92b、および環状凸部92cを備えている。また、
チェック弁90の弁体94は、上述した弁体84と同一
の部材であり、球面部94a、円筒部94bとからな
り、球面部94aの表面に3つの突起94cを備えてい
る。環状凸部92cは、所定の弾性を有しており、図1
0に示す如く弁体94と弁座92とを組み付けた際に、
弁体94が備える3つの突起94cを取り巻くように形
成されている。また、弁座92の弾性、環状凸部92c
の寸法、及び突起94cの高さ等の諸元は、弁体94に
流体圧力が作用していない場合に、弁体94と環状凸部
92cとの間に所定の間隙が形成され、かつ、弁体94
に着座方向に向かう所定の流体圧力が作用した際に、環
状凸部92cの全周が弁体94と密着状態となるように
形成されている。
【0056】従って、本実施例のチェック弁90によれ
ば、上記図5に示すチェック弁70と同様に、ポンプ機
構の吸入側チェック弁として用いた場合に、2つのチェ
ック弁の間に形成されるポンプ室の真空引きの作業を容
易とし得ることに加え、流体の逆流を阻止するという基
本機能に関して、安定した作動特性を得ることができ
る。
【0057】ところで、上記の説明においては、突起9
4cは剛性部材に限定しているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、弁体94の球状部94aに、弾性
を有する突起を加設することによっても所望の効果を得
ることができる。尚、本実施例のチェック弁90におい
ては、弁座92、弁座92が備える環状凸部92c、及
び弁体94が備える突起94dが、前記した流体通過制
御手段に相当する。
【0058】以下、図13及び図14を参照して、本発
明の第5実施例であるチェック弁100について説明す
る。図13は、本実施例のチェック弁100の正面断面
図を示す。また、図14は、本実施例のチェック弁10
0の要部である弁座102の平面図を示す。尚、図13
において上記図1に示す構成と同一の部分については、
同一の符号を付してその説明を省略する。
【0059】本実施例のチェック弁100は、弁座10
2が、貫通孔102a、すり鉢状の凹部102bに加
え、凹部102bの表面と貫通孔102aの内壁とを連
通する3本の連通孔102cを備えている点に特徴を有
している。これらの連通孔102cは、連通孔102c
の凹部102b側の開口部が、図13に示す如く弁体1
8と弁座102とを組み付けた際に、凹部102bと弁
体18とが接触する部分の外側となるように設計されて
いる。また、連通孔102cの径および経路、弁座10
2の弾性等の諸元は、弁体18に流体圧力が作用してい
ない場合に連通孔102cが導通状態となり、かつ、弁
体18に着座方向に向かう所定の流体圧力が作用した際
に連通孔102cが遮断状態となるように形成されてい
る。
【0060】かかる構成によれば、弁体18に作用する
着座方向の流体圧力が所定圧力に満たない場合には、連
通孔102cが導通状態であるため、貫通孔16c側か
ら貫通孔14c側へ向かう逆方向の流れが許容される。
また、弁体18に作用する着座方向の流体圧力が所定圧
力以上となる場合には、連通孔102cが遮断される結
果、かかる逆方向の流れが阻止される。
【0061】従って、本実施例のチェック弁100によ
れば、上記図1に示すチェック弁10と同様に、ポンプ
機構の吸入側チェック弁として用いた場合に、流体の逆
流を阻止するという基本機能を果たしつつ、2つのチェ
ック弁の間に形成されるポンプ室の真空引きの作業を容
易とすることができる。
【0062】尚、本実施例のチェック弁100において
は、弁座102に設けられた連通孔102cが前記した
流体通過制御手段に相当する。
【0063】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ポンプの吸入側チェック弁として用いた場合に、弁
体に作用する着座方向の力が所定値に到達しない範囲
で、ポンプ室からチェック弁外部へ向かう流体の逆流を
許容することができると共に、弁体に作用する着座方向
の力が所定値以上となる範囲では、確実にポンプ室から
チェック弁外部へ向かう流体の逆流を阻止することがで
きる。
【0064】このため、本発明に係るチェック弁によれ
ば、チェック弁の外部に負圧を導くだけでポンプ室内部
の真空引きを行うことができ、かつ、ポンプ室の内圧が
所定値以上となる状況下では、確実に流体の漏出を防止
し得るポンプの吸入側チェック弁を実現することができ
る。
【0065】請求項2記載の発明によれば、弁体と弁座
との間に突起が介在しているため、弁体に作用する着座
方向の力が所定値に満たない状況下では、確実に弁体を
弁座から離座させることができる。また、弁体に作用す
る着座方向の力が所定値以上となる状況下では、環状凸
部によって、確実に弁体と弁座とを密着状態とすること
ができる。従って、本発明によれば、上記請求項1記載
の発明が有する効果を確実に発揮し得るチェック弁を、
簡単な構造で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるチェック弁の正面断
面図である。
【図2】本発明の第1実施例であるチェック弁が備える
弁座の平面図である。
【図3】本発明の第1実施例であるチェック弁をポンプ
機構の吸入側チェック弁として用いた液圧ブレーキ装置
の全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施例であるチェック弁をポンプ
機構の吸入側チェック弁として用いた液圧ブレーキ装置
の油圧回路図である。
【図5】本発明の第2実施例であるチェック弁の正面断
面図である。
【図6】本発明の第2実施例であるチェック弁が備える
弁座の平面図である。
【図7】本発明の第3実施例であるチェック弁の正面断
面図である。
【図8】本発明の第3実施例であるチェック弁が備える
弁体の底面図である。
【図9】本発明の第3実施例であるチェック弁が備える
弁座の平面図である。
【図10】本発明の第4実施例であるチェック弁の正面
断面図である。
【図11】本発明の第4実施例であるチェック弁が備え
る弁体の底面図である。
【図12】本発明の第4実施例であるチェック弁が備え
る弁座の平面図である。
【図13】本発明の第5実施例であるチェック弁の正面
断面図である。
【図14】本発明の第5実施例であるチェック弁が備え
る弁座の平面図である。
【符号の説明】
10,70,80,90,100 チェック弁 12,72,82,92,102 弁座 12c,72c,84c,94c 突起 18,84,94 弁体 14c,16c 貫通孔 50 ポンプ機構 50a ポンプ室 72d,92c 環状凸部 102c 連通孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体と、該弁体が着座することにより導
    通が遮断される弁座とを備えるチェック弁において、 前記弁体に作用する着座方向の力が所定値に満たない場
    合に流体の通過を許容し、かつ、前記弁体に作用する着
    座方向の力が所定値以上である場合に流体の通過を遮断
    する流体通過制御手段を備えることを特徴とするチェッ
    ク弁。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のチェック弁において、前
    記流体通過制御手段は、 前記弁体と前記弁座との間に介在し、前記弁体に作用す
    る着座方向の力が増すに連れて前記弁体と前記弁座との
    間隙を減少させる突起と、 前記弁体および前記弁座の少なくとも一方に設けられ、
    前記弁体に作用する着座方向の力が所定値以上である場
    合に前記弁体と前記弁座とを密着状態とする環状凸部
    と、 を備えることを特徴とするチェック弁。
JP7170987A 1995-07-06 1995-07-06 チェック弁 Pending JPH0921471A (ja)

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