JPH09214014A - 圧電素子及びその製造方法 - Google Patents
圧電素子及びその製造方法Info
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- JPH09214014A JPH09214014A JP1635396A JP1635396A JPH09214014A JP H09214014 A JPH09214014 A JP H09214014A JP 1635396 A JP1635396 A JP 1635396A JP 1635396 A JP1635396 A JP 1635396A JP H09214014 A JPH09214014 A JP H09214014A
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Abstract
の提供。 【解決手段】 Pb[(B1 ,B2 )1-X TiX ]O3
(ただし、x=0〜0.55、B1 はZn、Ni、M
g、Sc、InおよびYbの群から選ばれる少なくとも
一種、B2 はNbおよびTaから選ばれる少なくとも1
種よりなるペロブスカイト化合物の単結晶からなる圧電
体21表面に形成する電極層22中のガラス成分を、
0.01〜5wt%の範囲内にすることで誘電率、電気
機械係数の高い圧電素子を得ることが可能となる。
Description
る。
が生じることを利用し、例えば人体内部を検査するため
の医療用診断装置や金属溶接内部の探傷を目的とする検
査装置などの超音波プローブ等に利用されている。
る圧電体としてはペロブスカイト構造のセラミック材料
が使用されているが、セラミック材料は電気機械結合係
数(kt 、k33やk33´)が低い、すなわち電気から振
動への変換効率が低かった。
電気機械結合係数の高い圧電材料として知られている
が、この単結晶材料にスパッタや蒸着により電極を形成
した場合、電極とリード線との接合などが困難であり、
さらには接合面での密着強度にも問題が生じた。
の圧電素子は外部から接続されるリードとの接合性が悪
いと言う問題があった。本願発明は、このような問題を
解決し、外部電極との接合性が良好であり、簡便に製造
できる電気機械結合係数の高い圧電素子を提供すること
を目的とする。
[(B1 ,B2 )1-X TiX ]O3 (ただし、x=0〜
0.55、B1 はZn、Ni、Mg、Sc、Inおよび
Ybの群から選ばれる少なくとも一種、B2 はNbおよ
びTaから選ばれる少なくとも1種)の単結晶からなる
圧電体と、この圧電体表面の一部に形成され、0.01
〜5wt%のガラス成分および導電性材料からなる電極
層とを有する圧電素子である。
0wt%以上がPbOおよびZnOの少なくとも1種で
ある前記第1の発明に記載の圧電素子である。本願第3
の発明は、Pb[(B1 ,B2 )1-X TiX ]O3 (た
だし、x=0〜0.55、B1 はZn、Ni、Mg、S
c、InおよびYbの群から選ばれる少なくとも一種、
B2 はNbおよびTaから選ばれる少なくとも1種)の
単結晶からなる圧電体表面に、0.01〜5wt%のガ
ラス成分および導電性材料を含有する導電性ペースト層
を形成する工程と、前記導電性ペーストを焼結し前記圧
電体表面に電極層を形成する工程とを有する圧電素子の
製造方法である。本願第4の発明は、900℃以下で前
記導電性ペーストを焼結する前記第3の発明に記載の圧
電素子の製造方法である。
)1-X TiX ]O3 (ただし、x=0〜0.55、B1
はZn、Ni、Mg、Sc、InおよびYbの群から
選ばれる少なくとも一種、B2 はNbおよびTaから選
ばれる少なくとも1種よりなるペロブスカイト化合物の
単結晶からなる圧電体と、この圧電体表面の一部に形成
されたガラス成分の含有率が0.01〜5wt%の導体
からなる電極層とを有する圧電素子である。
は、金属との密着力が弱い。そのため、ペロブスカイト
化合物からなる圧電体表面に、導電性ペーストを焼き付
けて、電極層を形成する場合には、導電性ペースト中に
ガラス成分を添加してその密着性を高めることが必須条
件となっており、通常ガラス成分を10wt%程度添加
することで十分な密着強度を得ている。
体単結晶に、前述の導電性ペーストを塗布、焼き付ける
ことで、スパッタや蒸着などの従来法と違い、簡便な装
置で、リードとの接続性の高い、電極層を形成した。そ
の結果、圧電素子の誘電率は極端に低く、正常な電気機
械結合係数の値が得られなかった。
性ペースト中のガラス成分が圧電素子に悪影響を与える
という知見を得、本発明に至った。この理由は明確でな
いが、理由の1つとして導電性ペースト中にガラス成分
が添加されていると、ガラス成分が単結晶のペロブスカ
イト化合物の構造を変成させ、圧電性の小さいパイロク
ロア構造となるためであると思われる。また他の理由と
して、導電性ペーストを焼き付ける際に導電性ペースト
中から滲み出るガラス成分が電極と圧電体との界面に層
状に形成されてしまうことが予想される。このような知
見に基づいて、導電性ペースト中のガラス成分を所定量
にすることで誘電率及び電気機械結合係数(k33´、k
33、kt など)の高い圧電素子を得ることができるとい
う本発明に至った。
る。図1は、本発明の圧電素子の概略斜視図である。圧
電体22の対向する面にそれぞれ電極層21が形成され
ている。
あり、電極層21は、所定量のガラス成分を含有してい
る。本発明に用いられる単結晶の圧電体は、実質的にP
b[(B1 ,B2 )1-X TiX ]O3 (ただし、x=0
〜0.55、B1 はZn、Ni、Mg、Sc、Inおよ
びYbの群から選ばれる少なくとも一種、B2 はNbお
よびTaから選ばれる少なくとも1種よりなるペロブス
カイト化合物であればよく、例えば10mol%以内で
あればPbの一部がBa、Sr、CaあるいはLaで置
換されたものであってもよい。
用途によってその形状を任意なものとすることができ
る。また、圧電体の厚さは(電極間の距離)、使用する
周波数帯によって異なり、使用する周波数帯が高くなる
ほど圧電体の厚さは小さく設定される。例えば、超音波
プローブなどに使用する場合には100μm乃至600
μmの厚さで使用される。
およびガラス成分からなる導電性ペーストを単結晶の圧
電体表面に塗布した後、焼結することで形成される。前
記導電性材料は、導電性材料であれば特に制限されずに
用いることができるが、Ag、Pd、AuあるいはPt
等といった金属材料が導電性材料中の50wt%以上を
占めることが好ましい。
ガラスに含有される成分の少なくとも1種を含むもので
あれば良く、例えば、SiO2 、B2 O3 、PbOやZ
nOなどの酸化物があげられる。これらガラス成分のう
ち、特に、PbOやZnOは他のガラス成分に比べ、電
気機械結合係数の値の大きい圧電素子を得ることができ
る。したがって、ガラス成分中のPbOおよびZnOの
総量が50wt%以上とすることが好ましい。逆に、S
iO2 、B2 O3 は、圧電体の特性に与える悪影響が大
きいため、ガラス成分中のSiO2 、B2 O3 の総量は
50wt%以下とすることが好ましい。
わる圧電体のペロブスカイト構造を破壊するためと思わ
れる。電極層中のガラス成分の量が0.01wt%未満
であると、圧電体との密着力を十分に取れず、5wt%
を越えると圧電体の特性を低減させるため、0.01w
t%以上、5wt%以下に設定する必要があり、さらに
は0.1wt%以上、2wt%以下とすることが好まし
い。
下する理由は、セラミックでは粒界に吸収されるべきガ
ラス成分が結晶格子内部に入り込ことでペロブスカイト
構造を崩し、パイロクロア構造としてしまうため、ある
いは一部のガラス成分により電極層と圧電体との界面に
ガラス層を形成することためと考えられる。
ないために圧電体の厚さに対して1/20以下の厚さに
することが望ましい。また圧電体との十分な密着性を得
るためには0.3μm以上とすることが望ましい。
圧電体表面に形成する方法としてはスクリーン印刷法が
最も一般的である。スクリーン印刷法はスクリーンに塗
られた乳剤厚み及びスクリーンの目の粗さを調整するこ
とにより自由に形成厚みを調整できる。
質とから調整されるが、前記溶剤は、導電性材料やガラ
ス成分などの電極成分を分散し得るものであれば特に制
限されず用いることができ、例えばジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルなどの比較的粘性のあるものや、
ブチルカルビトールのような粘性の低いものを用いるこ
ともできる。粘性の低いものではアクリル系バインダー
やセルロース系バインダーなどを混合することもある。
また安全環境保護の立場から澱粉等の水系のバインダー
を用いても良い。
したスクリーン印刷法に限定されず、現在広く用いられ
ているグラビア印刷、熱転写印刷あるいはスタンプ式の
印刷方法などが例として挙げられる。
工程において、導電性ペーストを焼結させる際に、でき
る限り低温で焼結することが望ましい。具体的には導電
性ペーストの焼結温度以上で、900℃以下、より好ま
しくは700℃以下で焼結することで、電気機械結合係
数の値の大きい圧電素子を得ることができる。
すると、ガラス成分が圧電体のペロブスカイト構造を破
壊しやすい、あるいは電極層と圧電体との界面にガラス
層が形成されやすくなるためと思われる。
結石破砕装置、圧電モーター、圧電ブザーあるいは蒸気
発生装置などに従来の圧電素子と同様に用いることがで
きる。一例として以下に超音波プローブについて説明す
る。
プローブの概略斜視図である。図中、圧電体11の対向
する面に電極層13、14を形成した圧電素子がアレイ
状に配置されている。配列された圧電素子の片面には音
響マッチング層15および音響レンズ16からなる超音
波送受信面が形成されている。配列された圧電素子の超
音波送受信面と対向する面にはバッキング層が形成され
ている。さらに電極層13はフレキシブル印刷配線板1
8上の配線に電気的に接続されており、電極層14はア
ース電極板上の配線に接続されている。
厚さ100〜600μm程度で、60〜360μm×1
5〜20cm程度の物が用いられる。またAg、Tiあ
るいはAuなどを電極層として厚さ0.4〜20μm程
度に形成し、これをアレイ状に配列して用いる。
体を共振させることで超音波送受信面から超音波を送信
する。受信時には、超音波送受信面から受けた超音波に
よって圧電体を振動させ、この振動が電気的に変換され
る。
91PZN−9PTと略す)からなる単結晶ウエハーを
〈100〉面と平行になるように方位を決めてダイヤモ
ンドカッターにて1mmの厚みに切り出した。これを最
終400μmまで研磨した。次に下記表1に示す組成比
(重量比)の電極材料をジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルに溶かし、導電性ペーストを得た。この導電
性ペーストを前記ウエハーにスクリーン印刷により塗布
し、導電性ペースト層を形成した後、800℃にて10
分間焼結することで5μm厚の電極層を形成した。この
試料を4mm各にカットし、厚さ400μmで4mm×
4mmの圧電素子を作成した。
ー(HEWLETT PACKERD 社製 4284A)にて測定したところ
1.45nFであった。これをεr =Cd/ε0 S(式
中εr は誘電率、dは試料厚さ、ε0 は真空の誘電率、
Sは電極面積である)の式にあてはめることで、この圧
電素子の誘電率が4100であることが分かる。
素子の分極処理を行い、ネットワーク・スペクトラムア
ナライザー(HEWLETT PACKERD 社製 4195A)のネットワ
ークモードにて共振、反共振周波数を求めた。共振周波
数4.825MHz、反共振周波数5.525MHzで
あった。
05×fr /(fa −fr )+0.810(式中、fr
は共振周波数、fa は反共振周波数)で通常表され、こ
の式よりこの圧電素子のkt が53.3%であることが
分かる。
けしたところ、ハンダ食われは生じなかった。また、リ
ード線と圧電素子との接着量も強く、リード線を手で強
く引っ張っても剥がれは起きず、更に強い力を加るとリ
ード線が切れたが、電極の剥がれは生じなかった。
施例1と全く同様にして比較例1−1乃至比較例1−3
の圧電素子それぞれ作成した。
して容量、誘電率を測定した。その結果を表1に併記す
る。さらに得られた各圧電素子を実施例1と同様の処理
でリード線をハンダ付けした。
生じ、リード線を手で軽く引っ張るとリード線が容易に
圧電素子から剥離してしまった。比較例1−2の圧電素
子はリード線を手で強く引っ張ると圧電体から電極が剥
離してしまった。剥離した圧電体の表面を走査型電子顕
微鏡(SEM)で観察したところ正八面体の粒(パイロ
クロア構造)が観測された。電極の剥がれていない部分
の断面を観察したところ、圧電体と電極との間にパイロ
クロア層が生成しておりひび割れが観察された。比較例
1−3の圧電素子はリード線を手で引っ張ると圧電体か
ら電極が剥離してしまった。
表2に示される組成のガラス成分1gをブチルカルビト
ールに溶かして導電性ペーストを調製した。
の圧電体にスタンプ式で印刷した後、700℃で15分
熱処理し、10μm厚の電極層を形成し、圧電素子を作
成した。
率εr および電気機械結合係数ktを表2に併記する。
得られた各圧電素子の電極にリード線をハンダ付けした
ところ、いずれの圧電素子もハンダ食われは生じなかっ
た。また、リード線と圧電素子との接着量も強く、リー
ド線を手で強く引っ張っても剥がれは起きず、更に強い
力を加るとリード線が切れたが、電極の剥がれは生じな
かった。
子は圧電体と電極層との密着力が高く、かつ誘電率、電
気機械結合係数も良好であることが分かる。さらに、実
施例2乃至5から、ガラス成分の中でもPbOあるいは
ZnOの比率を高くすることで、圧電素子の特性を高め
ることが可能となることがわかる。
率、電気機械結合係数の良好な圧電素子が得られる。
概略断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 Pb[(B1 ,B2 )1-X TiX ]O3
(ただし、x=0〜0.55、B1 はZn、Ni、M
g、Sc、InおよびYbの群から選ばれる少なくとも
一種、B2 はNbおよびTaから選ばれる少なくとも1
種)の単結晶からなる圧電体と、この圧電体表面の一部
に形成され、0.01〜5wt%のガラス成分および導
電性材料からなる電極層とを有することを特徴とする圧
電素子。 - 【請求項2】 前記ガラス成分は、50wt%以上がP
bOおよびZnOの少なくとも1種であることを特徴と
する請求項1記載の圧電素子。 - 【請求項3】 Pb[(B1 ,B2 )1-X TiX ]O3
(ただし、x=0〜0.55、B1 はZn、Ni、M
g、Sc、InおよびYbの群から選ばれる少なくとも
一種、B2 はNbおよびTaから選ばれる少なくとも1
種)の単結晶からなる圧電体表面に、0.01〜5wt
%のガラス成分および導電性材料を含有する導電性ペー
スト層を形成する工程と、前記導電性ペーストを焼結し
前記圧電体表面に電極層を形成する工程とを有すること
を特徴とする圧電素子の製造方法。 - 【請求項4】 900℃以下で前記導電性ペーストを焼
結することを特徴とする請求項3記載の圧電素子の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01635396A JP3410893B2 (ja) | 1996-02-01 | 1996-02-01 | 圧電素子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01635396A JP3410893B2 (ja) | 1996-02-01 | 1996-02-01 | 圧電素子及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09214014A true JPH09214014A (ja) | 1997-08-15 |
JP3410893B2 JP3410893B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=11914000
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01635396A Expired - Lifetime JP3410893B2 (ja) | 1996-02-01 | 1996-02-01 | 圧電素子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3410893B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7288069B2 (en) | 2000-02-07 | 2007-10-30 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Ultrasonic probe and method of manufacturing the same |
CN100452470C (zh) * | 2004-10-29 | 2009-01-14 | 杰富意矿物股份有限公司 | 压电单晶元件 |
JP2014170795A (ja) * | 2013-03-01 | 2014-09-18 | Ngk Insulators Ltd | 積層体及び圧電/電歪素子 |
-
1996
- 1996-02-01 JP JP01635396A patent/JP3410893B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7288069B2 (en) | 2000-02-07 | 2007-10-30 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Ultrasonic probe and method of manufacturing the same |
CN100452470C (zh) * | 2004-10-29 | 2009-01-14 | 杰富意矿物股份有限公司 | 压电单晶元件 |
JP2014170795A (ja) * | 2013-03-01 | 2014-09-18 | Ngk Insulators Ltd | 積層体及び圧電/電歪素子 |
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JP3410893B2 (ja) | 2003-05-26 |
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