JPH09213804A - ヒューズ層を有する半導体装置 - Google Patents

ヒューズ層を有する半導体装置

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JPH09213804A
JPH09213804A JP8012778A JP1277896A JPH09213804A JP H09213804 A JPH09213804 A JP H09213804A JP 8012778 A JP8012778 A JP 8012778A JP 1277896 A JP1277896 A JP 1277896A JP H09213804 A JPH09213804 A JP H09213804A
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fuse
layer
fuse layer
insulating layer
semiconductor device
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Yasumasa Nishimura
安正 西村
Keiko Ito
慶子 伊藤
Hiroyuki Takeoka
浩幸 竹岡
Masanao Maruta
昌直 丸田
Masaharu Moriyasu
雅治 森安
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストを低減でき、かつ安定してヒュー
ズブローを行なうことが可能となる、ヒューズ層を有す
る半導体装置を提供する。 【解決手段】 ヒューズ層2の直上に位置する絶縁層3
bの破壊圧力Pを、ヒューズ層2の平面幅Wと、絶縁層
3bの厚みtとを用いて規定した。そして、破壊圧力P
の値が、たとえば約1000kg/cm2 以下となるよ
うに、ヒューズ層2の平面幅Wの値と、絶縁層3bの厚
みtの値とを設定する。また、t/Wの値が0.45以
上0.91以下となるように、厚みtの値と平面幅Wの
値とをそれぞれ設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヒューズ層を有
する半導体装置に関し、特に、ヒューズ層上に位置する
絶縁層の厚みが約1μm以上である、ヒューズ層を有す
る半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体装置の欠陥救済のため
に設けられる冗長回路は知られている。そして、一般
に、この冗長回路とともにヒューズ層が形成され、この
ヒューズ層を適宜切断することにより欠陥回路を冗長回
路に切換える。
【0003】図10には、冗長回路を有する半導体装置
の一例として、DRAM(DynamicRandom Access Memor
y)の概略構成が示されている。図10を参照して、メ
モリセルアレイ20には、各ロウデコーダ21からワー
ドドライバ22を介在して複数本のワード線WLが行方
向に延びている。また、各コラムデコーダ23から複数
本のビット線BLが列方向に延びている。これらのワー
ド線WLとビット線BLとが互いに交差するように配置
されている。そして、その交差点にはメモリセルMCが
設けられている。
【0004】上記のワード線WLの外側には、スペアデ
コーダ24からスペアワードドライバ25を介してスペ
アワード線SWLが行方向に延びている。また、スペア
ワード線SWLと各ビット線BLとの交差点にはスペア
メモリセルSMCが設けられている。
【0005】このスペアワード線SWL,スペアデコー
ダ24およびスペアワードドライバ25が、いわゆる冗
長回路を構成している。スペアデコーダ24には、不良
アドレス比較回路26が接続され、この不良アドレス比
較回路26内にヒューズ層が形成される。このヒューズ
層により冗長回路が制御される。また、不良アドレス比
較回路26には、ロウアドレスが入力される。上記のよ
うな構成を有するDRAMのヒューズ層部分およびその
近傍を示す断面図が図11に示されている。なお、図1
1では、説明の便宜上、ヒューズ層2以外の導電層の図
示は省略している。
【0006】図11を参照して、半導体基板1の主表面
上には、層間絶縁層3aを介在してヒューズ層2が形成
されている。このヒューズ層2を覆うようにシリコン酸
化物などからなる絶縁層3bが形成される。
【0007】上記のようなヒューズ層2を適宜切断する
ことにより欠陥回路の救済が行なわれるが、ヒューズ層
2を切断するには、一般に、レーザが用いられる。以
下、レーザによってヒューズ層2が切断される原理につ
いて説明する。
【0008】再び図11を参照して、レーザ8がヒュー
ズ層2に照射される。それにより、レーザがヒューズ層
2に吸収され、ヒューズ層2が蒸発する。それにより、
図12に示されるように、ヒューズ層2の蒸発圧によっ
て絶縁層3bが押上げられる。このヒューズ層2の蒸発
圧が所定の値以上となったときに、図12に示されるよ
うに、絶縁層3bにクラック9が発生する。そして、さ
らにヒューズ層2の蒸発による蒸発圧が絶縁層3bに加
わることにより、図13に示されるように、ヒューズ層
2上に位置する絶縁層3bが吹き飛ばされることとな
る。以上のような過程を経てヒューズ層2の切断が行な
われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年の半導体装置の微
細化の要求に伴い、上記のヒューズ層2の平面幅も縮小
される傾向にある。そのため、ヒューズ層2上の絶縁層
3bの厚みtがたとえば約1μm程度と厚い場合には、
ヒューズ層2のブローを安定して行なうことが困難であ
るという問題があった。
【0010】そこで、ヒューズ層2のブローを行ないや
すくするための一手法が、USP4,853,758に
開示されている。このUSP4,853,758では、
ヒューズ層2の直上の絶縁層3bの表面に凹部を形成す
ることにより、ヒューズ層2の直上の絶縁層3bの厚み
を減じている。それにより、ヒューズ層2を安定してブ
ローすることが可能となる。
【0011】しかし、絶縁層3bの表面に上記のような
凹部を形成するためには、絶縁層3bを選択的にエッチ
ングするなどの新たな工程が必要となる。そのため、工
程が煩雑となり、製造コストが増大するという問題があ
った。
【0012】また、ヒューズ層2上の絶縁層3bの厚み
が上記のように約1μm程度以上と厚い場合には、ヒュ
ーズ層2に照射するレーザのエネルギを大きく設定する
という手法も考えられる。しかしながら、このようにレ
ーザのエネルギを大きく設定した場合には、ヒューズ層
2の下地である半導体基板などにダメージを与えるとい
う問題が生じる。
【0013】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものである。本発明の1つの目的は、ヒュ
ーズ層2上の絶縁層3bの厚みが約1μm程度以上と大
きい場合でも、レーザによるヒューズブローを安定して
行なえ、かつ製造コストをも低減することが可能とな
る、ヒューズ層を有する半導体装置を提供することにあ
る。
【0014】本発明の他の目的は、ヒューズ層2上の絶
縁層3bの厚みが約1μm程度以上と大きい場合でも、
ヒューズブローを行なうためのレーザの照射によるヒュ
ーズ層の下地へのダメージを軽減することが可能とな
る、ヒューズ層を有する半導体装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係るヒューズ
層を有する半導体装置は、1つの局面では、冗長回路
と、ヒューズ層と、絶縁層とを備える。ヒューズ層は、
冗長回路を制御する。絶縁層は、ヒューズ層を覆うよう
に形成され、約1μm以上の厚みを有する。そして、絶
縁層の厚みをtとし、ヒューズ層の平面幅をWとした場
合、t/Wの値が0.45以上0.91以下である。
【0016】上述のように、1つの局面では、t/Wの
値が0.45以上0.91以下となるように絶縁層の厚
みtに対してヒューズ層の平面幅Wを規定している。t
/Wの値が上記のような範囲内にあることにより、安定
してヒューズブローが行なえるということを本願の発明
者らは知得した。以下、t/Wの値を上記の範囲に限定
した根拠について説明する。本願の発明者らは、従来の
技術において図11〜図13を用いて説明したヒューズ
ブローのメカニズムより、レーザの照射によってヒュー
ズ層が蒸発する際の蒸発圧に着目し、ヒューズ層上の絶
縁層を破壊するに足りる蒸発圧、つまり絶縁層の破壊圧
力を何らかのパラメータによって規定しようと試みた。
そして、絶縁層の破壊圧力を、絶縁層の厚みtとヒュー
ズ層の平面幅Wとを用いて数式化することに成功した。
その数式をグラフ化した結果が図2に示されている。な
お、この図2では、絶縁層が酸化膜である場合について
示されているが、酸化膜の代わりに他の絶縁層を用いた
場合でも同様の傾向が得られるものと考えられる。図2
に示されるように、t/Wの値が上記の範囲内にあると
きに、絶縁層の破壊圧力Pの値が比較的小さい範囲(約
1000kg/cm 2 以下)にあり、かつ破壊圧力Pを
示す曲線の傾きも比較的小さい範囲にあることがわか
る。このことより、t/Wの値を上記の範囲内とするこ
とにより、破壊圧力Pの値を小さく維持でき、かつ破壊
圧力Pの変化も抑制することが可能となる。それによ
り、安定したヒューズブローを行なうことが可能とな
る。また、上記の1つの局面では、USP4,853,
758の場合のように、ヒューズ層の直上に位置する絶
縁層の表面に凹部を形成する必要がないので、製造コス
トを低減することも可能となる。
【0017】この発明に係るヒューズ層を有する半導体
装置は、他の局面では、冗長回路と、ヒューズ層と、絶
縁層とを備える。冗長回路は、ヒューズ層を制御する。
絶縁層は、ヒューズ層を覆うように形成され、約1μm
以上の厚みを有する。そして、絶縁層の厚みをtとし、
絶縁層の最大曲げ応力をσmaxとし、ヒューズ層の平
面幅をWとし、ヒューズ層の長さとその平面幅Wとの比
によって変化する係数をαとした場合、絶縁層の破壊圧
力に相当する圧力Pは、下記のように表わされる。
【0018】
【数2】
【0019】そして、上記の数式2で表わされる関係を
満足するように、絶縁層の厚み(t)に対してヒューズ
層の平面幅(W)が決定される。
【0020】上記のように、他の局面では、絶縁層の破
壊圧力に相当する圧力Pの値を、絶縁層の厚みtとヒュ
ーズ層の平面幅Wとを用いて規定している。この関係
は、ヒューズ層上の絶縁層を平板と仮定した場合に、こ
の平板の底面に等分布荷重が加わった場合の最大曲げ応
力を数式化することにより求められるものである。した
がって、上記の圧力Pの値以上の圧力がヒューズ層上の
絶縁層に加わることにより、この絶縁層を吹き飛ばすこ
とが可能となるものと考えられる。つまり、ヒューズブ
ローに必要な最小限の圧力Pの値を得ることが可能とな
る。それにより、ヒューズ層に照射するレーザのエネル
ギを圧力Pの値に従って適切に調整することが可能とな
る。その結果、ヒューズ層の下地材へのレーザの照射に
よるダメージを軽減することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図9を用いて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0022】(実施の形態1)まず、図1および図2を
用いて、本発明の実施の形態1について説明する。図1
は、実施の形態1におけるヒューズ層を有する半導体装
置の部分断面図である。
【0023】図1を参照して、半導体基板1の主表面上
には、層間絶縁層3aを介在してヒューズ層2が形成さ
れている。このヒューズ層2の材質としては、たとえ
ば、タングステンシリサイドなどを挙げることができ
る。そして、このヒューズ層2の平面幅はWで示されて
いる。
【0024】このヒューズ層2を覆うように、シリコン
酸化物などからなる絶縁層3bが形成されている。この
絶縁層3bは、シリコン酸化物以外の絶縁層により構成
されるものであってもよいが、以下の説明では、この絶
縁層3bがシリコン酸化物である場合を前提として説明
を行なう。また、本願発明では、ヒューズ層2上に位置
する絶縁層3bの厚みtが約1μm以上と大きいもので
ある場合を前提とする。
【0025】上記のように、絶縁層3bの厚みtが約1
μm程度以上と厚い場合に、この絶縁層3bの厚みを減
じるための処理を施すことなく、ヒューズ層2を安定し
てブローすべく、本願の発明者らは次のような考察を行
なった。
【0026】ヒューズ層2をブローするには、従来の技
術の説明で用いた図13に示されるように、ヒューズ層
2の直上の絶縁層3bを吹き飛ばす必要がある。そこ
で、本願の発明者らは、このように絶縁層3bを吹き飛
ばすために必要な圧力(以下、「破壊圧力」と称する)
に着目し、この破壊圧力を求めることを試みた。
【0027】そして、本願の発明者らは、次のようなモ
デルを考えた。すなわち、ヒューズ層2の直上の絶縁層
3bを平板と仮定し、この平板の底面に等分布荷重が加
わるというモデルを考えた。なお、平板の材質としては
シリコン酸化物を選択した。そして、上記の仮想の平板
の最大曲げモーメントをMmaxとし、最大曲げ応力を
σmaxとした場合、最大曲げ応力は下記のような式で
表わされる。
【0028】
【数3】
【0029】なお、上記の数式(2)において、tは仮
想の平板の厚み、すなわちヒューズ層2上の絶縁層3b
の厚みに対応する。また、最大曲げモーメントは、下記
の式で表わされる。
【0030】
【数4】
【0031】なお、上記の数式(3)において、Pは仮
想の平板の底面に加わる等分布荷重を示し、Wはヒュー
ズ層2の平面幅を示し、αは係数を示している。このα
は、ポアソン比を0.3とした場合において、ヒューズ
層2の長さlと平面幅Wとの比l/Wによって変化する
係数であり、下記の表1にその値が示されている。
【0032】
【表1】
【0033】次に、数式(2)と数式(3)とから、P
の値を求めると下記のようになる。
【0034】
【数5】
【0035】上記の数式(1)に示されるように、Pの
値が絶縁層3bの厚みtとヒューズ層2の平面幅Wとを
用い表わされているのがわかる。なお、このPの値は、
レーザの照射によってヒューズ層2が蒸発した際の絶縁
層3bの破壊圧力に相当するものと考えられる。
【0036】上記のようにPの値と絶縁層3bの厚みt
とヒューズ層2の平面幅Wとの関係を数式化することに
より、ヒューズ層2をブローするのに必要な最小限のP
の値を求めることが可能となる。それにより、ヒューズ
層2に照射すべきレーザのエネルギを最小限のものに設
定でき、ヒューズ層2の下地へのレーザによるダメージ
を軽減することが可能となる。
【0037】次に、上記の数式(1)をグラフ化した結
果が図2に示されている。なお、この図2では、絶縁層
3bの厚みが、約6000Å〜約16500Åの場合が
示され、また、ヒューズ層2の長さを5μmとした。図
2を参照して、ヒューズ層2の平面幅Wの値が大きくな
るにつれて破壊圧力Pの値が小さくなり、また破壊圧力
Pを示す曲線の傾きも小さくなっているのがわかる。破
壊圧力Pの値が小さいほど容易にヒューズブローが行な
え、破壊圧力Pの傾きが小さいほど安定してヒューズブ
ローが行なえるものと考えられる。
【0038】具体的には、破壊圧力Pが約1000kg
/cm2 以下であれば、安定してかつ容易にヒューズブ
ローが行なえるものと考えられる。さらに好ましくは、
破壊圧力Pは約500kg/cm2 以下である。
【0039】また、本願の発明者らは、破壊圧力Pを約
1000kg/cm2 以下に抑制し得る、絶縁層3bの
厚みtとヒューズ層2の平面幅Wとの関係について検討
した。その結果、t/Wの値が、約0.45以上約0.
91以下の場合に破壊圧力Pを約1000kg/cm2
以下に抑制でき、安定してヒューズブローが行なえると
いう結論が得られた。
【0040】そして、上記の内容を確認すべく、本願の
発明者らは、ある範囲での実験を行なった。具体的に
は、絶縁層3bの厚みtを約1μm〜約1.6μmと設
定し、それに対しヒューズ層2の平面幅Wを約1.6μ
m〜約2.2μmと設定した。そして、実際にヒューズ
ブローを行ない、良好な結果が得られた。そこで、この
実験によるデータと、図2に示されるグラフとを比較し
たところ、図2に示されるグラフの信憑性が高いもので
あることが確認された。なお、上述のように、t/Wの
値は、約0.45以上約0.91以下であることが好ま
しいが、上記の実験データより、t/Wの値は約1以下
であれば安定してヒューズブローが行なえるものと推察
される。
【0041】以上説明したように、本発明の実施の形態
1では、ヒューズ層2の直上に位置する絶縁層3bに対
しその厚みを減じる処理を施すことなく、安定してヒュ
ーズブローを行なえる。そのため、USP4,853,
758の場合と比べ、製造コストを低減することが可能
となる。
【0042】(実施の形態2)次に、図3〜図7を用い
て、本発明の実施の形態2について説明する。図3は、
本発明の実施の形態2におけるヒューズ層の部分平面図
である。図4は、図3におけるIV−IV線に沿う断面
図である。
【0043】図3と図4とを参照して、本実施の形態2
では、ヒューズ層2が、相対的に大きい平面幅W1を有
する第1の部分2aと、相対的に平面幅の小さい第2の
部分2bとを有している。そして、1対の第2の部分2
bが第1の部分2aを挟むように設けられる。
【0044】上記のような構造を有するヒューズ層2を
ブローする際には、図3に示されるように、第1の部分
2aがレーザスポット5内に位置するようにレーザがヒ
ューズ層2に照射される。それにより、レーザが第1の
部分2aと、この第1の部分2aと近接する第2の部分
2bとに吸収される。このとき、第1の部分2aの平面
幅W1が、第2の部分2bの平面幅W2よりも大きいた
め、前述の図2に示された関係より、第1の部分2a上
における絶縁層3bの破壊圧力Pが相対的に小さくな
る。
【0045】具体的には、この第1の部分2a上におけ
る絶縁層3bの破壊圧力Pを約1000kg/cm2
設定した場合、第2の部分2b上における絶縁層3bを
破壊するには1000kg/cm2 よりも大きい破壊圧
力が必要となる。それにより、第1の部分2aをブロー
することが可能となる。なお、実際には、この第1の部
分2aと近接する第2の部分2bの一部も同時にブロー
される場合もあると考えられるが、第2の部分2bの大
部分は残余するものと考えられる。
【0046】図5には、第1の部分2aがブローされた
後の半導体装置の断面図が示されている。図3および図
5を参照して、上述のように、第1の部分2aが主にブ
ローされるので、この第1の部分2aの長さLを小さく
することにより、ブロー穴7の最大径Dを低減すること
が可能となる。
【0047】次に、上記の平面幅W1と、平面幅W2と
の関係についてより詳しく説明する。下記の表2には、
平面幅W1,W2および最大ブロー穴径Dの値が示され
ている。この表2に示される値は、本願の発明者らが実
際に行なった実験データと、図2に示されるグラフとか
ら算出されたものである。そして、条件としては、レー
ザエネルギが0.6μJであり、第1の部分2aの長さ
Lが約4μmであり、レーザのスポット径が約6μmで
ある。
【0048】
【表2】
【0049】上記の表2に示されるように、平面幅W2
の値を小さくするほど最大ブロー穴径Dの径が小さくな
っているのがわかる。特に、W1/W2の値が2以上と
なった場合に、最大ブロー穴径Dの値は顕著に低減され
ている。したがって、このような割合となるように平面
幅W1,W2の値を選択することにより、最大ブロー穴
径Dの値を効果的に低減することが可能となるものと考
えられる。
【0050】次に、本実施の形態におけるヒューズ層の
配置例について説明する。図6は、本実施の形態2にお
けるヒューズ層の配置の一例を示す平面図である。
【0051】図6を参照して、その長手方向がほぼ平行
となるように3つのヒューズ層2が形成されている。そ
して、ヒューズ層2の幅方向に、第1の部分2aと、第
2の部分2bとが交互に位置するように各ヒューズ層2
が配置されている。それにより、ヒューズ層が均一な平
面幅を有する場合と比べ、各ヒューズ層2間の間隔を狭
めることが可能となる。
【0052】次に、ヒューズ層2の変形例とその配置の
例について説明する。図7は、ヒューズ層2の変形例の
配置例を示す平面図である。図7に示されるように、第
1の部分2a′が、ヒューズ層2の一方の側面からその
幅方向に突出するように設けられている。このような第
1の部分2a′を設けることにより、図6に示される場
合よりもさらにヒューズ層2の間隔を狭めることが可能
となる。
【0053】(実施の形態3)次に、図8を用いて、本
発明の実施の形態3について説明する。図8は、本発明
の実施の形態3におけるヒューズ層を示す平面図であ
る。
【0054】図8を参照して、本実施の形態3では、ヒ
ューズ層2が、高吸収部2cと、低吸収部2dとを有し
ている。そして、高吸収部2cを挟むように1対の低吸
収部2dが設けられる。高吸収部2cは、レーザの吸収
係数が相対的に大きい材質からなる部分であり、たとえ
ばタングステンシリサイドやチタンシリサイドなどによ
り構成される。また、低吸収部2dは、レーザの吸収係
数が相対的に小さい材質により構成され、たとえば、ア
モルファスシリコンや多結晶シリコンなどにより構成さ
れる。
【0055】上記のような構造を有するヒューズ層2を
ブローするには、レーザスポット内に高吸収部2cが位
置するようにレーザをヒューズ層2に照射する。それに
より、高吸収部2cにおいてレーザが効率的に吸収さ
れ、高吸収部2cが優先的に蒸発する。それにより、こ
の高吸収部2cを選択的にブローすることが可能とな
る。
【0056】なお、本実施の形態3の場合も、上記の実
施の形態2の場合と同様に、最大ブロー穴径Dを小さく
するには、高吸収部2cの長さLを小さくすればよい。
【0057】(実施の形態4)次に、図9を用いて、本
発明の実施の形態4について説明する。図9(a)は、
本発明の実施の形態4におけるヒューズ層2を示す平面
図である。図9(b)は、図9(a)におけるIXb−
IXb線に沿う断面図である。
【0058】まず図9(a)を参照して、本実施の形態
4では、ヒューズ層2の表面上に選択的に反射膜4が形
成されている。具体的には、ヒューズ層2の一部を高吸
収部2cとするように、この高吸収部2cを挟むように
間隔を空けてAlなどからなる反射膜4が形成されてい
る。この反射膜4は、レーザを照射したときの反射率が
約50%以上の膜であることが好ましい。
【0059】次に、図9(b)を参照して、本実施の形
態4におけるヒューズ層2は、レーザの吸収係数が比較
的大きい材質からなる層2eの上に選択的に反射膜4が
形成されることによって構成される。つまり、本実施の
形態4におけるヒューズ層2のベースは、レーザの吸収
係数が比較的大きい材質からなる層2eにより構成され
る。
【0060】上記のような構成を有することにより、実
施の形態3の場合と同様の原理で、高吸収部2cを選択
的にブローすることが可能となる。また、高吸収部2c
の長さLを小さくすることにより、上記の実施の形態3
の場合と同様に、最大ブロー穴径Dを小さくすることが
可能となる。
【0061】なお、上述の各実施の形態では、絶縁層3
bがシリコン酸化物からなる場合について説明したが、
本発明の思想は、絶縁層3bがシリコン窒化物等の他の
材質からなる場合にも適用可能であると考えられる。
【0062】上述のように、さまざまな実施の形態につ
いて説明を行なったが、今回開示された実施の形態はす
べての点で例示であって制限的なものではないと考えら
れるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によっ
て示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内で
のすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるヒューズ層を
有する半導体装置の部分断面図である。
【図2】 絶縁層の破壊圧力Pと、ヒューズ層の平面幅
Wと、絶縁層の厚みtとの関係を示すグラフである。
【図3】 本発明の実施の形態2におけるヒューズ層を
示す平面図である。
【図4】 図3におけるIV−IV線に沿う断面図であ
る。
【図5】 図4に示される半導体装置において、ヒュー
ズ層がブローされた後の状態を示す断面図である。
【図6】 図3に示されるヒューズ層の配置の一例を示
す平面図である。
【図7】 図3に示されるヒューズ層の変形例の配置の
一例を示す平面図である。
【図8】 本発明の実施の形態3におけるヒューズ層を
示す平面図である。
【図9】 (a)は本発明の実施の形態4におけるヒュ
ーズ層を示す平面図である。(b)は(a)におけるI
Xb−IXb線に沿う断面図である。
【図10】 従来のヒューズ層を有するDRAMの概略
構成を示すブロック図である。
【図11】 従来のヒューズ層を有する半導体装置を示
す部分断面図である。
【図12】 従来のヒューズ層を有する半導体装置にお
いて、ヒューズブローを行なっている様子を示す断面図
である。
【図13】 従来のヒューズ層を有する半導体装置にお
いて、ヒューズブローを行なった後の状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 半導体基板、2 ヒューズ層、2a,2a′ 第1
の部分、2b 第2の部分、2c 高吸収部、2d 低
吸収部、2e 層、3a 層間絶縁層、3b絶縁層、4
反射膜、5 レーザスポット、7 ブロー穴、8 レ
ーザ、9 クラック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸田 昌直 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 森安 雅治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冗長回路と、 前記冗長回路を制御するヒューズ層と、 前記ヒューズ層を覆うように形成され、約1μm以上の
    厚みを有する絶縁層とを備え、 前記絶縁層の厚みをtとし、前記ヒューズ層の平面幅を
    Wとした場合、t/Wの値が0.45以上0.91以下
    であることを特徴とする、ヒューズ層を有する半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ヒューズ層は、第1の平面幅を有す
    る第1の部分と、前記第1の部分を挟むように設けられ
    前記第1の平面幅よりも小さい第2の平面幅を有する1
    対の第2の部分とを含む、請求項1に記載のヒューズ層
    を有する半導体装置。
  3. 【請求項3】 冗長回路と、 前記冗長回路を制御するヒューズ層と、 前記ヒューズ層を覆うように形成され、約1μm以上の
    厚みを有する絶縁層とを備え、 前記絶縁層の厚みをtとし、前記絶縁層の最大曲げ応力
    をσmaxとし、前記ヒューズ層の平面幅をWとし、前
    記ヒューズ層の長さと前記平面幅Wとの比によって変化
    する係数をαとした場合、 前記絶縁層の破壊圧力に相当する圧力Pが、 【数1】 で表わされ、前記数式(1)の関係を満足するように、
    前記絶縁層の厚み(t)に対して前記ヒューズ層の平面
    幅(W)が決定される、ヒューズ層を有する半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 前記圧力Pの値が1000kg/cm2
    以下となるように、前記絶縁層の厚み(t)および前記
    ヒューズ層の平面幅(W)が決定される、請求項3に記
    載のヒューズ層を有する半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記ヒューズ層は、第1の平面幅を有す
    る第1の部分と、前記第1の部分を挟むように設けられ
    第1の平面幅より小さい第2の平面幅を有する1対の第
    2の部分とを含み、 前記第1の部分上における前記絶縁層の破壊圧力が10
    00kg/cm2 以下となるように前記絶縁層の厚みと
    前記第1の平面幅とが決定される、請求項3に記載のヒ
    ューズ層を有する半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記ヒューズ層の直上に位置する前記絶
    縁層の表面にはヒューズブローのための凹部が形成され
    ず、前記表面はほぼ平坦である、請求項1または3に記
    載のヒューズ層を有する半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記半導体装置は、その長手方向がほぼ
    平行となるように配置された複数のヒューズ層を有し、 前記ヒューズ層の前記第1の部分と前記第2の部分と
    が、前記ヒューズ層の幅方向に交互に配置される、請求
    項2または5に記載のヒューズ層を有する半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記ヒューズ層は、レーザの吸収係数が
    相対的に大きい高吸収部と、前記吸収係数が相対的に小
    さい低吸収部とを含む、請求項1または3に記載のヒュ
    ーズ層を有する半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記ヒューズ層の表面上には、レーザを
    照射した際の反射率が約50%以上である反射膜が選択
    的に形成される、請求項1または3に記載のヒューズ層
    を有する半導体装置。
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