JPH09211112A - Fm−cwレーダ - Google Patents

Fm−cwレーダ

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JPH09211112A
JPH09211112A JP1661596A JP1661596A JPH09211112A JP H09211112 A JPH09211112 A JP H09211112A JP 1661596 A JP1661596 A JP 1661596A JP 1661596 A JP1661596 A JP 1661596A JP H09211112 A JPH09211112 A JP H09211112A
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信生 高正
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で変調特性を補正することが可能
なFM−CWレーダを提供する。 【解決手段】 変調波発振器1をパルス発振器11と積
分器12とから構成される。パルス発振器はデューティ
比、振幅あるいは周期のうち少なくとも1つを送信波発
振器2の変調特性が線形となるように変更されたパルス
を発振し、積分器でこのパルスを積分することにより補
正変調波が生成される。この補正変調波を使用して変調
された送信波発振器の発振周波数を送信アンテナ3より
送信する。目標物で反射された反射波は受信アンテナ4
で受信され、混合器6で方向性結合器5から分岐出力さ
れた送信波とが混合されビート信号に変換される。演算
装置7において、このビート信号に基づいて距離もしく
は相対速度が演算される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FM変調された送
信波と反射波とのビート信号から目標物体までの距離お
よび相対距離を検出するFM−CWレーダ装置に関し、
特に正確に3角波状に変調することの可能なFM−CW
レーダ装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】FM−CWレーダは、自車と前方を走行
する他車との相対速度と距離を同時に計測する車間距離
の監視装置として使用されている。図5は、従来のFM
−CWレーダの構成図であり、三角波発振器1で発振さ
れた三角波によって送信波発振器2で発振される送信波
の周波数がFM変調され送信波となる。
【0003】この送信波は送信アンテナ3から放射さ
れ、前方を走行する他車で反射されて受信波として受信
アンテナ4によって受信される。ミキサ6は、方向性結
合器5から分岐出力された送信波と受信アンテナ4で受
信された受信波とを混合し、ビート信号を出力する。図
6は相対速度がゼロの時の動作説明図であり、(1)は
送信波と受信波の周波数の変化を示し、(2)はビート
信号の周波数の変化を示す。
【0004】送信周波数は、図6(1)に示すように3
角波状に変化する。ここで、f0 は送信波の中心周波数
を、Δfは三角波の振幅を、fm は三角波の周波数を示
す。目標物体の相対速度がゼロであれば、受信波の周波
数は変化せず送信アンテナから目標物体までの距離を往
復する時間分だけ反射波が遅れるため、図6の(1)に
示すように、受信波は往復時間分だけ遅れて変化する。
【0005】従って送信波と受信波のビート信号は、図
6(2)に示すように、ビート信号の周波数が所定期間
一定値fr になる。このfr は受信波の送信波に対する
遅れ、即ちアンテナから目標物体までの距離の2倍に比
例する。目標物体までの距離をRとすると、R=fr
c/(4・fm ・Δf)(cは光速)の関係があるた
め、fr を検出すればアンテナから目標物体までの距離
が判明する。
【0006】目標物体の相対速度がゼロでない時には、
上記他車までの距離に対応した受信波の遅れに、ドップ
ラ効果による周波数の変化が重畳される。図7は、相対
速度がゼロでない時の動作説明図であり、(1)は送信
波と受信波の周波数の変化を示し、(2)はビート信号
の周波数の変化を示す。相対速度がゼロでない時にはド
ップラ効果により受信波の周波数が変化するが、相対速
度が増加する場合には受信波の周波数は減少し、相対速
度が減少する場合には受信波の周波数は増加する。
【0007】例えば、送信波の周波数が増加する区間で
は、受信波の周波数は遅れて増加するが、相対速度が減
少すると受信波の周波数は増加するため、図7(1)に
示すように、周波数の差は相対速度がゼロの時に比べて
ドプラ効果による周波数の変化分fd だけ小さくなる。
また、送信波の周波数が減少する区間では、受信波の周
波数は遅れて減少するが、相対速度が減少するとドップ
ラ効果のため受信波の周波数は減少するため、周波数の
差は相対速度がゼロの時に比べてfd だけ大きくなる。
【0008】即ち、ビート信号の周波数は、図7(2)
に示すように、目標物体までの距離によって定まるビー
ト信号の周波数fr に対して、送信波周波数が増加する
区間でfd だけ減少し、送信波周波数が減少する区間で
d だけ増加する。従って、fr とfd とを検出すれ
ば、他車までの距離と相対速度が算出できる。目標物体
の相対速度をvとすると、v=(2fd /c)の関係が
ある。
【0009】ここで送信波発振器2は、印加される三角
波変調信号に応じて発振周波数を変化させる必要があ
り、電圧制御発振器(VCO)を使用することが一般的
である。自動車の車間距離の監視装置として使用される
FM−CWレーダにおいて、前方を走行する他車までの
距離は高々100m、相対速度は100km/hである
から、十分な距離測定精度を確保するためには、最大周
波数偏移量を100MHz程度とし、十分な相対速度測
定精度を確保するためには送信周波数帯としてミリ波帯
を使用することが必要である。
【0010】図8は発振周波数がミリ波帯であるVCO
の回路図であり、21はバラクタダイオード、22は共
振器、23はFETである。なおバラクタダイオード2
1の代わりにFETを使用することもできる。端子に印
加する制御電圧VT に応じて発振周波数が変化するの
で、VT を三角波状に変化することにより、VCOから
出力される信号の周波数は変化する。
【0011】図9は制御電圧VT に対する発振特性図で
あって、一般的には制御電圧VT に応じて線形には変化
しない。即ち制御電圧がVT0であるときの発振周波数を
0 とすると、制御電圧がVT0から偏倚すると発振周波
数と電圧の比率はf0 /VT0より小さくなる。図10は
非線形な変調特性を有するFM−CWレーダの動作説明
図であって、(1)は送信波の周波数および静止してい
る他車で反射される受信波の周波数を、(2)はビート
信号を示す。
【0012】すでに説明したように、FM−CWレーダ
では周波数の変化サイクルにおけるビート信号に基づい
て目標物体までの距離と相対速度が算出されるが、送信
波発振器の発振特性が非線形である場合にはビート信号
の周波数がサイクル内で変化するため、各サイクルにお
けるビート信号の周波数を正確に決定できないという課
題がある。従って、図10(2)のビート信号の周波数
に基づいて目標物体までの距離、相対速度を算出すると
誤差が生じる。
【0013】この課題を解決するために、本出願人は送
信波発振器2の発振特性を線形に補正するために三角波
発振器1と送信波発振器2との間に補正回路を設置した
FM−CWレーダを提案している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この補
正回路は演算増幅器を使用して構成されるため、回路が
複雑になるという新たな課題を生じる。本発明は、上記
課題に鑑みなされたものであって、簡単な構成で変調特
性を補正することが可能なFM−CWレーダを提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかるFM−
CWレーダは、変調波を発振する変調波発振手段と、変
調波発振手段で発振される変調波に基づいて周波数変調
された送信波を発振する送信波発振手段と、送信波発振
手段で発振される送信波を送信する送信手段と、送信手
段から送信された送信波が目標物によって反射された反
射波を受信波として受信する受信手段と、送信波発振手
段で発振される送信波の一部を分岐する方向性結合手段
と、方向性結合手段で分岐された送信波と受信手段で受
信された受信波とを混合してビート波を生成する混合手
段と、混合手段で生成されたビート波に基づいて目標物
までの距離および目標物の相対速度の少なくとも一方を
演算する演算手段と、を具備するFM−CWレーダであ
って、変調波発振手段が送信波発振手段で発振される送
信波の変調特性を線形に補正する補正手段を含む。
【0016】請求項2にかかるFM−CWレーダは、補
正手段が、デューティ比、振幅および周期の少なくとも
1つが変更された矩形波を発振する矩形波発振手段と、
矩形波発振手段で発振される矩形波を積分する積分手段
と、で構成される。請求項3にかかるFM−CWレーダ
は、矩形波発振手段が、予め定められた時間を単位とし
てデューティ比、振幅および周期の少なくとも1つを変
更するものである。
【0017】請求項4にかかるFM−CWレーダは、矩
形波発振手段が2値矩形波を発振するものである。請求
項5にかかるFM−CWレーダは、矩形波発振手段が3
値矩形波を発振するものである。請求項6にかかるFM
−CWレーダは、補正手段が、送信波発振手段で発振さ
れる送信波の変調特性を表すパラメータを検出する検出
手段と、検出手段で検出されたパラメータに応じてデュ
ーティ比、振幅および周期の少なくとも1つが変更され
る矩形波を発振する矩形波発振手段と、矩形波発振手段
で発振される矩形波を積分する積分手段と、で構成され
る。
【0018】請求項7にかかるFM−CWレーダは、検
出手段が、送信波発振手段の温度を検出するものであ
る。請求項8にかかるFM−CWレーダは、検出手段
が、送信波発振手段で発振される送信波を検波して変調
波を出力する検波手段である。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るFM−CWレ
ーダの第1の実施例の構成図であって、変調波発振器1
で発振された変調波に基づいて送信波発振器2の発振周
波数が変調され、送信アンテナ3から送信される。受信
アンテナ4により受信された受信波は方向性結合器5に
よって分岐出力された送信波と混合器6で混合され、混
合器6からはビート波が出力される。
【0020】ビート波は演算装置7に導かれ、目標物ま
での距離および目標物の相対速度が演算される。本実施
例において変調波発振器1は、パルス発振器11とパル
ス発振器11から出力されるパルスを積分する積分器1
2とで構成される。パルス発振器11はパルスのデュー
ティ比、振幅および周期の少なくとも1つを変更するこ
とが可能であり、マイクロコンピュータを適用すること
が有利である。
【0021】なお積分器12は、コンデンサをフィード
バック素子とする演算増幅器で構成することができる。
ここでパルス発振器11はメモリに予め記憶されたシー
ケンスに従ってデューティ比、振幅および周期の少なく
とも1つが変化するパルスを出力するが、シーケンスは
送信波発振器2の発振周波数が線形となるように定めら
れる。
【0022】図2はシーケンスの決定方法の説明図であ
って、送信波発振器2が図9に示す変調特性を有すると
きは変調波発振器1から出力される実線の三角波に対し
て破線で示される変調特性となる。従って送信波発振器
2の変調特性を線形とするためには、破線で示される変
調特性の逆特性、即ち一点鎖線で示される変調波(補正
変調波)を変調波発振器1から出力すればよい。
【0023】図3はパルス発生方法の説明図であって、
パルスのデューティ比を変更することにより補正変調波
する。なお破線はデューティ比50%のパルスを示す。
(1)および(2)は2値パルスを使用する場合であっ
て、デューティ比を50%とすると変調波は一定値とな
る。そしてデューティ比を75%とすると変調波は一定
傾斜で上昇し、25%とすると変調波は一定傾斜で下降
する。
【0024】従って変調波の上昇区間において(1)に
示すように一定傾斜からの偏倚量に応じてデューティ比
を75%以上とし、下降区間において(2)に示すよう
に一定傾斜からの偏倚量に応じてデューティ比を25%
以下とするようにシーケンスを定め、このパルスを積分
すれば補正変調波を発生することができる。(3)は3
値パルスを使用する場合であって、“H”レベルパルス
のデューティ比を50%とすれば変調波は一定傾斜で上
昇し、“L”レベルパルスのデューティ比を50%とす
れば変調波は一定傾斜で下降する。
【0025】従って変調波の上昇区間において(3)前
半に示すように一定傾斜からの偏倚量に応じて“H”レ
ベルパルスのデューティ比を50%以上とし、下降区間
において(3)後半に示すように一定傾斜からの偏倚量
に応じて“L”レベルパルスのデューティ比を50%以
下とするようにシーケンスを定め、このパルスを積分す
れば補正変調波を発生することができる。
【0026】なお、デューティ比の変更を容易にするた
めに、一定時間(例えば2マイクロ秒)を単位とし、パ
ルスのデューティ比を一定時間の整数倍数により変更す
ることが有利である。例えばオン時間を2マイクロ秒の
15倍、即ち30マイクロ秒とし、オフ時間を2マイク
ロ秒の5倍、即ち10マイクロ秒としてデューティ比7
5%のパルスを発生させることが有利である。
【0027】また、パルスの振幅あるいは周期を一定傾
斜からの偏倚量に応じて変更することにより補正変調波
を発生することも可能である。即ち上述のように第1の
実施例は、送信波発振器2の非線形変調特性が予め判っ
ている場合にパルス発振器であるマイクロコンピュータ
に記憶されるデータの設定により送信波発振器2の非線
形変調特性を補正するものであり、簡易な構成で実現す
ることが可能である。
【0028】しかし送信波発振器2の変調特性は環境に
よっても変動することがあり、第1の実施例では変調特
性の非線形性を十分に補正することができない。図4は
本発明にかかるFM−CWレーダの第2の実施例の構成
図であって、第1の実施例に対して送信波発振器2の変
調特性を表すパラメータを検出する検出器8を追加し、
この検出器8の出力をパルス発振器11にフィードバッ
クしてパルスのデューティ比、振幅および周期の少なく
とも1つを制御する。
【0029】即ち、この構成により、送信波発振器2の
変調特性の三角波状の変調特性からの偏倚量に応じてパ
ルスのデューティ比、振幅および周期の少なくとも1つ
が変更されて、変調特性は線形に維持される。なお検出
器8で検出する送信波発振器2の変調特性を表すパラメ
ータとしては、送信波発振器2の温度が適切である。
【0030】また、検出器8を送信波発振器2の出力を
直接検出するとともに、これを検波して変調波を取り出
す構成としてもよい。この構成によれば、非直線性をほ
ぼ完全に補正することが可能となる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるFM
−CWレーダによれば、バルス発振手段のデータを変更
するという簡易な構成により送信波発振手段の変調特性
が線形に維持されるため距離および相対速度を正確に算
出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】FM−CWレーダの第1の実施例の構成図であ
る。
【図2】シーケンスの決定方法の説明図である。
【図3】パルス発生方法の説明図である。
【図4】FM−CWレーダの第2の実施例の構成図であ
る。
【図5】従来のFM−CWレーダの構成図である。
【図6】相対速度がゼロの時の動作説明図である。
【図7】相対速度がゼロでない時の動作説明図である。
【図8】VCOの回路図である。
【図9】VCOの変調特性図である。
【図10】非線形性を有するFM−CWレーダの動作説
明図である。
【符号の説明】
1…変調波発振器 11…パルス発振器 12…積分器 2…送信波発振器 3…送信アンテナ 4…受信アンテナ 5…方向性結合器 6…混合器 7…演算装置 8…検出器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変調波を発振する変調波発振手段と、 前記変調波発振手段で発振される変調波に基づいて周波
    数変調された送信波を発振する送信波発振手段と、 前記送信波発振手段で発振される送信波を送信する送信
    手段と、 前記送信手段から送信された送信波が目標物によって反
    射された反射波を受信波として受信する受信手段と、 前記送信波発振手段で発振される送信波の一部を分岐す
    る方向性結合手段と、 前記方向性結合手段で分岐された送信波と前記受信手段
    で受信された受信波とを混合してビート波を生成する混
    合手段と、 前記混合手段で生成されたビート波に基づいて目標物ま
    での距離および目標物の相対速度の少なくとも一方を演
    算する演算手段と、を具備するFM−CWレーダであっ
    て、 前記変調波発振手段が、前記送信波発振手段で発振され
    る送信波の変調特性を線形に補正する補正手段を含むF
    M−CWレーダ。
  2. 【請求項2】 前記補正手段が、 デューティ比、振幅および周期の少なくとも1つが変更
    された矩形波を発振する矩形波発振手段と、 前記矩形波発振手段で発振される矩形波を積分する積分
    手段と、で構成される請求項1に記載のFM−CWレー
    ダ。
  3. 【請求項3】 前記矩形波発振手段が、予め定められた
    時間を単位としてデューティ比、振幅および周期の少な
    くとも1つを変更するものである請求項2に記載のFM
    −CWレーダ。
  4. 【請求項4】 前記矩形波発振手段が2値矩形波を発振
    するものである請求項3に記載のFM−CWレーダ。
  5. 【請求項5】 前記矩形波発振手段が3値矩形波を発振
    するものである請求項3に記載のFM−CWレーダ。
  6. 【請求項6】 前記補正手段が、 前記送信波発振手段で発振される送信波の変調特性を表
    すパラメータを検出する検出手段と、 前記検出手段で検出されたパラメータに応じてデューテ
    ィ比、振幅および周期の少なくとも1つが変更される矩
    形波を発振する矩形波発振手段と、 前記矩形波発振手段で発振される矩形波を積分する積分
    手段と、で構成される請求項1に記載のFM−CWレー
    ダ。
  7. 【請求項7】 前記検出手段が、前記送信波発振手段の
    温度を検出するものである請求項6に記載のFM−CW
    レーダ。
  8. 【請求項8】 前記検出手段が、前記送信波発振手段で
    発振される送信波を検波して変調波を出力するものであ
    る請求項6に記載のFM−CWレーダ。
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