JPH09208706A - 合成樹脂,合成ゴム等の高分子物質の硬さ,親水性,機械的強度等の物性制御方法 - Google Patents

合成樹脂,合成ゴム等の高分子物質の硬さ,親水性,機械的強度等の物性制御方法

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JPH09208706A
JPH09208706A JP32021494A JP32021494A JPH09208706A JP H09208706 A JPH09208706 A JP H09208706A JP 32021494 A JP32021494 A JP 32021494A JP 32021494 A JP32021494 A JP 32021494A JP H09208706 A JPH09208706 A JP H09208706A
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JP
Japan
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physical properties
hardness
hydrophilicity
synthetic resin
mechanical strength
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JP32021494A
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Yoshiyuki Shimai
義侑 島居
Toshinori Takagi
俊宜 高木
Taiji Kunishima
泰治 国島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 イオン注入やイオンコーティングの技術を
合成樹脂,合成ゴム等の高分子物質に適用し、その適用
により高分子物質の硬さ,親水性,機械的強度等の物性
を制御し、その物性を向上させることを目的とする。 【構成】 イオン又はラジカルになりうる元素を、イオ
ン化又はラジカル状態にし、その後、少なくともそのイ
オン化又はラジカル状態にされた元素を、合成樹脂,合
成ゴム等の高分子物質の少なくとも表面にコーティング
し、又は高分子物質の内部に注入して該高分子物質の硬
さ,親水性,機械的強度等の物性を制御することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン等のコーティング
又は注入によって合成樹脂,合成ゴム等の高分子物質の
硬さ,親水性,機械的強度等の物性を制御する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、イオンコーティングの技術は、金属の分野等に適用
され、又、イオン注入の技術は、担体としてのイオンを
注入する等、半導体の分野に適用されている。
【0003】しかしながら、このようなイオンのコーテ
ィングや注入の技術の適用は、従来ではいずれも無機物
質に限られ、それも金属の表面処理や半導体等ごく一部
に限定されていたものである。
【0004】一方、合成樹脂,合成ゴム等の高分子物質
の硬さ,親水性,機械的強度等の物性の制御について
は、従来より種々研究がなされているが、その制御の手
段は一般に煩雑である。
【0005】本発明は、上記のようなイオン注入やイオ
ンコーティングの技術を合成樹脂,合成ゴム等の高分子
物質に適用するとの観点のもとになされ、しかもその適
用により高分子物質の硬さ,親水性,機械的強度等の物
性を制御し、その物性を向上させることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、その課題を解決す
るための手段は、イオン又はラジカルになりうる元素
を、イオン化又はラジカル状態にし、その後、少なくと
もそのイオン化又はラジカル状態にされた元素を、合成
樹脂,合成ゴム等の高分子物質の少なくとも表面にコー
ティングし、又は高分子物質の内部に注入して該高分子
物質の硬さ,親水性,機械的強度等の物性を制御するこ
とにある。
【0007】本発明に用いられる高分子物質の種類は特
に限定されるものではない。たとえばポリメチルメタク
リレート(PMMA),ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(HEMA),ポリエチレン、ポリ塩化ビニル,ポリ
プロピレン等の合成樹脂や、ニトリルゴム(NBR),
スチレンブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム等が使
用される。
【0008】また、イオン化又はラジカル状態にする元
素としては、たとえば酸素,窒素,アルゴン等の気体
や、鉄,チタン,銅,銀,アルミニウム,亜鉛等の金属
が使用される。
【0009】
【作用】上記のようにイオン化又はラジカル状態にされ
た元素をコーティング又は注入することによって合成樹
脂,合成ゴム等の高分子物質の硬さ,親水性,機械的強
度等の物性が変化し、その物性の制御が可能となるので
ある。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0011】実施例1 本実施例では、PMMA及びポリプロピレンに対し、チ
タンイオンを注入することによって、そのPMMA等の
硬さを測定した。
【0012】硬さの測定方法は、ロックウエル硬さD−
785により行った。試験は、25℃の条件下で行い、
PMMA,ポリプロピレンの試料は15×15×6mmの
板を使用した。
【0013】またイオン注入は、加速電圧3KVで行っ
た。
【0014】試験結果は次表1,2のとおりである。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】上記表1及び表2からも明らかなように、
チタンイオンを注入することによってPMMAやポリエ
チレンの硬さが硬くなり、またチタンイオンの注入量が
多くなるほど硬くなった。
【0018】実施例2 本実施例では、PMMAに対し、酸素イオンを注入する
ことによって、そのPMMAの液体に対する接触角の測
定を行った。
【0019】試験方法は、Sessile drop法により行っ
た。
【0020】試験は、25℃の条件下で行い、液体とし
ては水を使用した。
【0021】またPMMA,ポリプロピレンの試料は1
5×15×6mmの板を使用した。
【0022】さらにイオン注入は、加速電圧3KVで行っ
た。
【0023】試験結果は次表3のとおりである。
【表3】
【0024】上記表3からも明らかなように、酸素イオ
ンを注入することによってPMMAの水に対する接触角
が小さくなった。これは、酸素イオンの注入により、親
水性が良好となることを裏付けるものである。
【0025】また接触角は酸素イオンの注入量が多くな
るほど小さくなった。従って、酸素イオンの注入量が多
くなるほど親水性が良好となるのである。
【0026】尚、本実施例にいう親水性とは、水に対す
る濡れ、溶解性、分散性等を含む意味である。
【0027】イオン注入の手法 次に、イオン注入又はコーティングを行うための具体的
な装置について説明する。
【0028】すなわち、この装置は、図面に示すよう
に、蒸気を発生させる蒸気発生装置1と、イオンを生成
するイオン生成部2と、イオン化の量を制御できる無極
群のいずれか一方又は両方を備えたイオン源部3と、イ
オンを合成樹脂等に加速照射するためのイオン加速電極
部4と、質量分離装置5と、加速されたイオンが均一に
照射されるようにイオン通路の先端側に設けられた撹拌
装置6を備えた基体活性化容器7とで構成されたもので
ある。そして、この基体活性化容器7とイオン源部3と
蒸気発生装置1とは真空装置(図示せず)により低気圧
雰囲気中に配置されている。
【0029】そして、このような装置により、イオン注
入又はコーティングを行う操作について説明すると、先
ず前記真空装置によって真空にされた領域内において蒸
気発生装置1としての密閉形るつぼの中で元素を加熱し
て蒸気を生成し、前記るつぼに設けた噴射用ノズルによ
り真空領域内へ或いは低圧ガス雰囲気内へ噴射させ、蒸
気の一部或いは全部がイオン化されるように電子ビーム
を照射し、且つイオン加速電極部4でイオンを加速させ
た後、質量分離装置5で必要なイオンのみを分離して取
り出し、その後、その取り出されたイオンを、撹拌装置
6で撹拌されている試料としての合成樹脂等に照射する
ことによって、その合成樹脂等にイオン注入又はコーテ
ィングを行うのである。
【0030】尚、この装置の噴射ノズルの形状、電界に
よる加速状況、さらにはイオン化された物質の混在量等
を調整することにより、合成樹脂,合成ゴム等の高分子
物質の制御が一層自在に行えることとなる。
【0031】その他の実施例 尚、上記実施例ではイオン注入によって高分子物質の物
性が制御されるが、このイオン注入に限らず、イオンコ
ーティングによっても同様に物性が制御されることとな
る。
【0032】また、イオンに代えて、ラジカルを注入又
はコーティングすることも可能である。
【0033】さらに、上記実施例ではイオンを単独で注
入する場合について説明したが、必ずしも単独で使用す
る必要はなく、イオン化又はラジカル状態となっている
元素を、イオン化されていない中性な物質すなわち電荷
をもたない元素と混和し、その混和したものを合成樹脂
等の高分子物質に注入又はコーティングしてもよい。要
は、少なくともイオン化又はラジカル状態となっている
元素を高分子物質に注入又はコーティングすればよいの
である。
【0034】さらに、イオンの注入量も該実施例に限定
されない。
【0035】さらに、上記実施例では、合成樹脂等の高
分子物質の硬さや液体に対する接触角、すなわち親水性
について説明したが、高分子物質の物性としてたとえば
機械的強度や弾性等を制御することも可能である。
【0036】
【発明の効果】叙上のように、本発明は、イオン又はラ
ジカルになりうる元素を、イオン化又はラジカル状態に
し、その後、少なくともイオン化又はラジカル状態にさ
れた元素を、合成樹脂,合成ゴム等の高分子物質の少な
くとも表面にコーティングし、又は高分子物質の内部に
注入して該高分子物質の硬さ,親水性等の物性を制御す
るため、高分子物質の硬さ,親水性,機械的強度等の物
性が変化し、その物性を制御することができる。
【0037】従って、従来では、硬さ,親水性,機械的
強度,弾性等の物性を変化させる場合に、高分子物質の
重合度や硬化剤の量を変化させ、或いは異種材料の組み
合わせ等の方法により制御していたが、本発明ではこの
ような方法によることなく、上記イオン注入やイオンコ
ーティングによって硬さ等の物性を容易に制御すること
が可能になるという効果を得た。
【0038】さらに、イオン等の種類や注入量,注入深
さ等を適宜変えることにより、硬さ等の物性の種類や材
質等に応じた物性制御を行なえるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】イオン注入又はコーティング用の装置の概略説
明図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン又はラジカルになりうる元素を、
    イオン化又はラジカル状態にし、その後、少なくともそ
    のイオン化又はラジカル状態にされた元素を、合成樹
    脂,合成ゴム等の高分子物質の表面にコーティングし、
    又は高分子物質の内部に注入して該高分子物質の硬さ,
    親水性,機械的強度等の物性を制御することを特徴とす
    る合成樹脂,合成ゴム等の高分子物質の硬さ,親水性,
    機械的強度等の物性制御方法。
  2. 【請求項2】 前記イオン化又はラジカル状態にされる
    元素が金属である特許請求の範囲第1項記載の合成樹
    脂,合成ゴム等の高分子物質の硬さ,親水性,機械的強
    度等の物性制御方法。
  3. 【請求項3】 前記イオン化又はラジカル化が、蒸気化
    された元素への電子ビームの照射によってなされる特許
    請求の範囲第1項記載の合成樹脂,合成ゴム等の高分子
    物質の硬さ,親水性,機械的強度等の物性制御方法。
JP32021494A 1994-12-22 1994-12-22 合成樹脂,合成ゴム等の高分子物質の硬さ,親水性,機械的強度等の物性制御方法 Pending JPH09208706A (ja)

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