JPH09208385A - シリコン単結晶の育成方法及びその装置 - Google Patents

シリコン単結晶の育成方法及びその装置

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JPH09208385A
JPH09208385A JP1371996A JP1371996A JPH09208385A JP H09208385 A JPH09208385 A JP H09208385A JP 1371996 A JP1371996 A JP 1371996A JP 1371996 A JP1371996 A JP 1371996A JP H09208385 A JPH09208385 A JP H09208385A
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JP
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single crystal
quartz crucible
silicon
melt
gas
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JP1371996A
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English (en)
Inventor
Tsunehisa Machida
倫久 町田
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Si融液表面におけるこの融液の流れを制御し
てSi単結晶中の酸素濃度、特に単結晶の長さ方向の酸
素濃度を均一にすることができる。 【解決手段】回転可能な石英るつぼ13にシリコン融液
12が貯留される。このシリコン融液から引上げられる
シリコン単結晶25の外周面と石英るつぼの内周面との
間に、チャンバ11内をシリコン単結晶側とるつぼ内周
面側とに区画する遮蔽部材26が挿入される。ガス給排
手段がシリコン単結晶側に不活性ガスを供給し、この不
活性ガスをシリコン融液表面に沿ってシリコン単結晶の
外周面から石英るつぼの内周面に向って流す。遮蔽部材
の下端近傍にシリコン融液表面から所定の間隔をあけて
石英るつぼの半径方向に延びるガス整流部材27が設け
られ、このガス整流部材に石英るつぼの回転方向と同一
方向に不活性ガスを噴射する噴射孔27cが形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン単結晶を
引上げて育成するときの不活性ガスの給排方法及びその
装置に関する。更に詳しくはシリコン単結晶中の酸素濃
度を制御するのに適した育成方法及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として、引上げ手段
によりチャンバ内の石英るつぼ内のシリコン融液から鉛
直上方にシリコン単結晶が引上げられ、この引上げられ
るシリコン単結晶の外周面を包囲する整流筒の下端がシ
リコン融液表面と間隔をあけて設けられ、この整流筒を
上下動させる間隔調整手段により整流筒の下端とシリコ
ン融液表面との間隔が調整され、更に引上げられるシリ
コン単結晶の長さを検出する長さ検出手段の検出出力に
基づいてコントローラが間隔調整手段を制御するように
構成されたSi単結晶中の酸素濃度調整方法及びその装
置が開示されている(特開平3−122089)。
【0003】この調整方法及びその装置では、整流筒内
周面とシリコン単結晶外周面との間を流下する不活性ガ
スの流量を変化させずに、整流筒下端とシリコン融液表
面との間を通る不活性ガスの流速を安定かつ滑らかに変
化させることにより、シリコン融液に溶け込んだ石英る
つぼの成分SiO2の中の酸素がシリコン融液表面から
SiOガス等となって蒸発する量を安定かつ滑らかに変
化させることができる。この結果、シリコン単結晶に取
り込まれる酸素量を調整することができるので、シリコ
ン単結晶中の酸素濃度を低く均一にすることができるよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のSi単結晶
中の酸素濃度調整方法及びその装置の明細書には具体的
に記載されていないが、通常、シリコン単結晶を引上げ
るときには、石英るつぼを所定の回転速度で回転させな
がら行われる(特公昭57−4019)。上記石英るつ
ぼの回転によりシリコン融液表面におけるこの融液の流
れの大部分は石英るつぼの円周方向に向うのに対し、上
記従来のSi単結晶中の酸素濃度調整方法及びその装置
では、シリコン融液表面上の不活性ガスが石英るつぼの
半径方向外向きに流れる。この結果、上記シリコン融液
表面における融液の流れに与える不活性ガスの効果が不
十分であるため、引上げられるシリコン単結晶の酸素濃
度、特に単結晶の長さ方向の酸素濃度が均一にならない
問題点があった。
【0005】本発明の目的は、シリコン融液表面におけ
るこの融液の流れを制御することによりシリコン単結晶
中の酸素濃度、特に単結晶の長さ方向の酸素濃度を均一
にすることができる、シリコン単結晶の育成方法及びそ
の装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1及び図2に示すようにチャンバ11内の石英るつぼ
13に貯留されたシリコン融液12からシリコン単結晶
25を引上げるときに、チャンバ11内に供給された不
活性ガスをシリコン融液12の表面で石英るつぼ13の
回転方向と同一方向又は逆方向に整流するシリコン単結
晶の育成方法である。
【0007】この育成方法では、不活性ガスをシリコン
融液12の表面で石英るつぼ13の回転方向と同一方向
に整流すれば、シリコン融液12表面におけるこの融液
12の流れを乱さずに効率良く増速できる。この結果、
上記融液12の流れの拡散境界層厚が薄くなり、シリコ
ン融液12中の酸素がシリコン融液12表面から均一に
かつ比較的大量にSiOガス等となって蒸発するので、
シリコン単結晶25中の酸素濃度、特に単結晶25の長
さ方向の酸素濃度が低く均一になる。また不活性ガスを
シリコン融液の表面で石英るつぼの回転方向と逆方向に
整流すれば、シリコン融液表面におけるこの融液の流れ
を乱さずに効率良く減速できる。この結果、上記融液の
流れの拡散境界層厚が厚くなり、シリコン融液中の酸素
がシリコン融液表面から均一にかつ比較的少量だけSi
Oガス等となって蒸発するので、シリコン単結晶中の酸
素濃度、特に単結晶の長さ方向の酸素濃度が比較的高く
均一になる。
【0008】請求項2に係る発明は、図1及び図2又は
図5及び図6に示すようにチャンバ11内に回転可能に
設けられシリコン融液12が貯留される石英るつぼ13
と、石英るつぼ13内のシリコン融液12から引上げら
れるシリコン単結晶25の外周面と石英るつぼ13の内
周面との間にシリコン単結晶25を囲むように挿入され
下端がシリコン融液12表面近傍まで延びかつチャンバ
11内をシリコン単結晶側とるつぼ内周面側とに区画す
る遮蔽部材26又は76と、シリコン単結晶側に不活性
ガスを供給しこの不活性ガスをシリコン融液12表面に
沿ってかつシリコン単結晶25の外周面から石英るつぼ
13の内周面に向って流し更にチャンバ11外に排出す
るガス給排手段28とを備えたシリコン単結晶の育成装
置の改良である。その特徴ある構成は、遮蔽部材26又
は76の下端近傍又は下端にシリコン融液12表面から
所定の間隔をあけて石英るつぼ13の半径方向に延びる
複数のガス整流部材27又は77が設けられ、このガス
整流部材27又は77に石英るつぼ13の回転方向と同
一方向又は逆方向に不活性ガスを噴射可能な噴射孔27
c又は77cが形成されたところにある。
【0009】この育成装置では、ガス整流部材27又は
77に石英るつぼ13の回転方向と同一方向に噴射可能
な噴射孔27c又は77cを形成すれば、この噴射孔2
7c又は77cから噴射される不活性ガスによりガス給
排手段28にて供給された不活性ガスがシリコン融液1
2の表面で石英るつぼ13の回転方向と同一方向に整流
され、シリコン融液12表面におけるこの融液12の流
れを乱さずに効率良く増速できる。この結果、上記融液
12の流れの拡散境界層厚が薄くなり、シリコン融液1
2中の酸素がシリコン融液12表面から均一にかつ比較
的大量にSiOガス等となって蒸発するので、シリコン
単結晶25中の酸素濃度、特に単結晶25の長さ方向の
酸素濃度が低く均一になる。またガス整流部材に石英る
つぼの回転方向と逆方向に噴射可能な噴射孔を形成すれ
ば、この噴射孔から噴射される不活性ガスによりガス給
排手段にて供給された不活性ガスがシリコン融液の表面
で石英るつぼの回転方向と逆方向に整流されるので、シ
リコン融液表面におけるこの融液の流れを乱さずに効率
良く減速できる。この結果、上記融液の流れの拡散境界
層厚が厚くなり、シリコン融液中の酸素がシリコン融液
表面から均一にかつ比較的少量だけSiOガス等となっ
て蒸発するので、シリコン単結晶中の酸素濃度、特に単
結晶の長さ方向の酸素濃度が比較的高く均一になる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の第1の実施の形態を
図面に基づいて詳しく説明する。図1〜図4に示すよう
に、シリコン単結晶育成装置10のチャンバ11内に
は、シリコン融液12を貯留する石英るつぼ13が設け
られ、この石英るつぼ13の外面は黒鉛サセプタ14に
より被覆される。石英るつぼ13の下面は上記黒鉛サセ
プタ14を介して支軸16の上端に固定され、この支軸
16の下部はるつぼ駆動手段17に接続される(図
2)。るつぼ駆動手段17は図示しないが石英るつぼ1
3を回転させる第1回転用モータと、石英るつぼ13を
昇降させる昇降用モータとを有し、これらのモータによ
り石英るつぼ13が所定の方向に回転し得るとともに、
上下方向に移動可能となっている。石英るつぼ13の外
方にはこの石英るつぼ13から所定の間隔をあけてヒー
タ18が設けられ、このヒータ18とチャンバ11との
間には保温筒19が設けられる。ヒータ18により石英
るつぼ13に投入された高純度のシリコン多結晶が溶融
してシリコン融液12になる。
【0011】またチャンバ11の上面にはチャンバ11
より小径の円筒状のケーシング21が設けられる(図
2)。このケーシング21には引上げ手段22が設けら
れる。引上げ手段22はケーシング21の上端部に水平
状態で旋回可能に設けられた引上げヘッド(図示せず)
と、このヘッドを回転させる第2回転用モータ(図示せ
ず)と、ヘッドから石英るつぼ13の回転中心に向って
垂下されたワイヤケーブル23と、上記ヘッド内に設け
られワイヤケーブル23を巻取り又は繰出す引上げ用モ
ータ(図示せず)とを有する。ワイヤケーブル23の下
端にはシリコン融液12に浸してシリコン単結晶25を
引上げるための種結晶24が取付けられる。
【0012】シリコン単結晶25の外周面と石英るつぼ
13の内周面との間にはシリコン単結晶25を囲むよう
に遮蔽部材26が挿入される(図1、図2及び図4)。
この遮蔽部材26は下方に向うに従って先細りに形成さ
れた円錐筒部26aと、この円錐筒部26aの上端から
外方に略水平方向に張り出す上側フランジ部26bとを
有する。円錐筒部26aの下端はシリコン融液12表面
近傍まで延び、上端は保温筒19の上端と略同一高さと
なるまで延びる。また上側フランジ部26bの外径はチ
ャンバ11の内径より僅かに小さく形成される。上記遮
蔽部材26をチャンバ11内に挿入すると、上側フラン
ジ部26bの下面が保温筒19の上面に当接し、遮蔽部
材26によりチャンバ11内がシリコン単結晶側とるつ
ぼ内周面側とに区画されるようになっている(図1及び
図2)。
【0013】遮蔽部材26の円錐筒部26aには鉛直方
向に延びる複数の第1供給パイプ31が貫通して設けら
れ、これらの供給パイプ31はこの実施の形態では円錐
筒部26aの軸芯を中心とする同一円周上に等間隔に4
本設けられる。第1供給パイプ31の上端はチャンバ1
1から突出してアルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス
を貯留するタンク(図示せず)に接続され、この供給パ
イプ31の途中にはこのパイプ31を流れる不活性ガス
の流量を調整する第1流量調整弁41(図2)が設けら
れる。また第1供給パイプ31の下端はシリコン融液1
2近傍まで延び、この供給パイプ31の下端にはガス整
流部材27がシリコン融液12表面から所定の間隔をあ
けて上方にかつ石英るつぼ13の半径方向に延びてそれ
ぞれ設けられる(図1〜図4)。ガス整流部材27は内
部が中空に形成されかつ両端が閉塞された三角筒状に形
成され(図4)、第1供給パイプ31の下端が接続され
た上壁27d(図1)と一対の側底壁27a,27b
(図1、図3及び図4)とを有する。一対の側底壁27
a,27bのうち石英るつぼ13の回転方向側に面した
側底壁27aには不活性ガスを噴射可能な複数の噴射孔
27cが形成される。なお、第1供給パイプ及びガス整
流部材の数は3本以下又は5本以上でもよい。また、複
数の噴射孔の間隔は等間隔でも或いは不等間隔でもよ
く、ガス整流部材の側底壁の長手方向に沿って延びる長
孔に形成してもよい。更に、ガス整流部材は三角筒状で
はなく、他の多角筒状、円筒状又は半円筒状に形成して
もよく、噴射孔は水平方向に対して所定の角度だけ斜め
下方に向く面に形成される。
【0014】チャンバ11にはこのチャンバ11内に上
記不活性ガスを供給しかつこの不活性ガスをチャンバ1
1から排出するガス給排手段28が接続される(図
2)。ガス給排手段28は一端がケーシング21の周壁
に接続され他端が上記タンクに接続された第2供給パイ
プ32と、一端がチャンバ11の下壁に接続され他端が
真空ポンプ(図示せず)に接続された排出パイプ29と
を有する。第2供給パイプ32及び排出パイプ29には
これらのパイプ32,29を流れる不活性ガスの流量を
調整する第2及び第3流量調整弁42,43がそれぞれ
設けられる。
【0015】引上げ用モータの出力軸(図示せず)には
ロータリエンコーダ(図示せず)が接続され、るつぼ駆
動手段17には石英るつぼ13内のシリコン融液12の
重量を検出する重量センサ(図示せず)と、支軸16の
昇降位置を検出するリニヤエンコーダ(図示せず)とが
設けられる。ロータリエンコーダ、重量センサ及びリニ
ヤエンコーダの各検出出力はコントローラ(図示せず)
の制御入力に接続され、コントローラの制御出力は引上
げ手段22の引上げ用モータ、るつぼ駆動手段17の昇
降用モータにそれぞれ接続される。またコントローラに
はメモリ(図示せず)が設けられ、このメモリにはロー
タリエンコーダの検出出力に対するワイヤケーブル23
の巻取り長さ、即ちシリコン単結晶25の引上げ長さが
マップとして記憶され、重量センサの検出出力に対する
石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面レベルがマ
ップとして記憶される。コントローラは重量センサの検
出出力に基づいて石英るつぼ13内のシリコン融液12
の液面を常に一定のレベルに保つように、るつぼ駆動手
段17の昇降用モータを制御する。
【0016】このように構成されたシリコン単結晶の育
成装置の動作を説明する。シリコン単結晶25を引上げ
るときには、るつぼ駆動手段17が支軸16を図2及び
図3の破線矢印の方向に回転させることにより石英るつ
ぼ13を支軸16と同一方向に1〜20rpmの範囲の
回転速度で回転させ、引上げ手段22がワイヤケーブル
23を介してシリコン単結晶25を二点鎖線矢印の方向
に10〜30rpmの回転速度で回転させかつ0.5〜
1.0mm/分の引上げ速度で引上げる。また第2流量
調整弁42を調整することにより第2供給パイプ32か
ら20〜150リットル/分の不活性ガスをチャンバ1
1内に供給し、第1流量調整弁41を調整することによ
り第1供給パイプ31を介して噴射孔27cから5〜1
00リットル/分の不活性ガスをシリコン融液12表面
に供給し、更に第3流量調整弁43を調整することによ
り排出パイプ29からチャンバ11内の不活性ガスを所
定量ずつ排出して、チャンバ11内の不活性ガス圧力を
10〜50Torrの範囲にする。
【0017】第2供給パイプ32からケーシング21内
に供給された不活性ガスは図1の実線矢印で示すよう
に、遮蔽部材26の円錐筒部26a内をシリコン単結晶
25外周面に沿って流下し、シリコン融液12表面及び
石英るつぼ13外周面を通って排出パイプ29から排出
される。上記不活性ガスがシリコン融液12表面に沿っ
てシリコン単結晶25外周面から石英るつぼ13内周面
に向って流れるとき、この不活性ガスは噴射孔27cか
ら噴射される不活性ガス(図3の実線矢印で示す。)に
より石英るつぼ13の回転方向に向う螺旋状に整流され
(一点鎖線矢印で示す。)、この整流された不活性ガス
流は石英るつぼ13の回転に伴ってこの石英るつぼ13
の回転方向と同一方向に流れるシリコン融液12のうち
融液12表面におけるこの融液12の流れを乱さずに効
率良く増速する。このとき上記融液12の流れが速いた
め、この融液12の流れの拡散境界層厚が薄くなる。こ
の結果、シリコン融液12中の酸素がシリコン融液12
表面から均一にかつ比較的大量にSiOガス等となって
蒸発するので、シリコン単結晶25中の酸素濃度、特に
単結晶25の長さ方向の酸素濃度が低く均一になる。
【0018】なお、ガス整流部材の一対の側底壁のうち
石英るつぼの回転方向側に面した側底壁とは反対側の側
底壁に、不活性ガスを噴射可能な噴射孔を形成してもよ
い。この場合、第2供給パイプからケーシング内に供給
された不活性ガスがシリコン融液表面に沿ってシリコン
単結晶外周面から石英るつぼ内周面に向って流れると
き、この不活性ガスはガス整流部材の噴射孔から噴射さ
れる不活性ガスにより石英るつぼの回転方向とは逆方向
に向う螺旋状に整流される。この整流された不活性ガス
流は石英るつぼの回転に伴ってこのるつぼの回転方向と
同一方向に流れるシリコン融液のうち融液表面における
この融液の流れを乱さずに効率良く減速する。このとき
上記融液の流れが遅いため、この融液の流れの拡散境界
層厚が厚くなる。この結果、シリコン融液中の酸素がシ
リコン融液表面から均一にかつ比較的少量だけSiOガ
ス等となって蒸発するので、シリコン単結晶中の酸素濃
度、特に単結晶の長さ方向の酸素濃度が比較的高く均一
になる。
【0019】図5〜図8は本発明の第2の実施の形態を
示す。図5〜図8において上記第1の実施の形態と同一
符号は同一部品を示す。この実施の形態のシリコン単結
晶育成装置70では、遮蔽部材76が下方に向うに従っ
て先細りに形成された円錐筒部76aと、円錐筒部76
aの上端から外方に略水平に張り出す上側フランジ部7
6bと、円錐筒部76aの下端から外方に略水平に張り
出す下側フランジ部76cとを有する。上側フランジ部
76b、円錐筒部76a及び下側フランジ部76cの内
部には第1〜第3通路76d〜76f(図5)がそれぞ
れ形成される。上側フランジ部76bの上面には第1通
路76dに連通する第1供給パイプ81が接続され、こ
の供給パイプ81の上端はチャンバ11から突出して不
活性ガスを貯留するタンク(図示せず)に接続される。
また第1供給パイプの途中には第1流量調整弁が設けら
れる(図6)。
【0020】下側フランジ部76cの下面には複数のガ
ス整流部材77がシリコン融液12表面から所定の間隔
をあけて上方にかつ石英るつぼ13の半径方向に延びて
それぞれ設けられる(図5〜図8)。複数のガス整流部
材77はこの実施の形態では4本であり、内部が第3通
路76fに連通する中空に形成されかつ両端が閉塞され
た三角筒状に形成される(図8)。ガス整流部材77は
一対の側底壁77a,77bを有し、これらの側底壁7
7a,77bのうち石英るつぼ13の回転方向側に面し
た側底壁77aには不活性ガスを噴射可能な複数の噴射
孔77cが形成される。なお、ガス整流部材の数は3本
以下又は5本以上でもよい。また、複数の噴射孔の間隔
は等間隔でも或いは不等間隔でもよく、ガス整流部材の
側底壁の長手方向に沿って延びる長孔に形成してもよ
い。更に、ガス整流部材は三角筒状ではなく、他の多角
筒状又は半円筒状に形成してもよく、噴射孔は水平方向
に対して所定の角度だけ斜め下方に向く面に形成され
る。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
【0021】このように構成された育成装置の動作は、
上記第1の実施の形態の動作と略同様であるので、繰返
しの説明を省略する。なお、ガス整流部材の一対の側底
壁のうち石英るつぼの回転方向側に面した側底壁とは反
対側の側底壁に、不活性ガスを噴射可能な噴射孔を形成
してもよい。この場合、シリコン融液表面に沿って流れ
る不活性ガスが石英るつぼの回転方向とは逆方向に向う
螺旋状に整流されるので、この整流された不活性ガス流
により石英るつぼの回転に伴ってこのるつぼの回転方向
と同一方向に流れるシリコン融液のうち融液表面におけ
るこの融液の流れが乱されずに効率良く減速される。こ
の結果、上記融液の流れの拡散境界層厚が厚くなり、シ
リコン融液中の酸素がシリコン融液表面から均一にかつ
比較的少量だけSiOガス等となって蒸発するので、シ
リコン単結晶中の酸素濃度、特に単結晶の長さ方向の酸
素濃度が比較的高く均一になる。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて比較例
とともに詳しく説明する。 <実施例1>図1〜図4に示すように、シリコン単結晶
25の外周面と石英るつぼ13の内周面との間に遮蔽部
材26を挿入し、この遮蔽部材26によりチャンバ11
内をシリコン単結晶側とるつぼ内周面側とに区画し、更
に遮蔽部材26の下端近傍にシリコン融液12表面から
所定の間隔をあけて上方にかつ石英るつぼ13の半径方
向に延びる4本のガス整流部材27を設けた。これらの
ガス整流部材27を遮蔽部材26の円錐筒部26aを貫
通する4本の第1供給パイプ31を介してアルゴンガス
が貯留されるタンク(図示せず)にそれぞれ接続し、第
1供給パイプ31に第1流量調整弁41を設けた。ガス
整流部材27の一対の側底壁27a,27bのうち石英
るつぼ13の回転方向側の側底壁27aに複数の噴射孔
27cを形成した。またチャンバ11にはこのチャンバ
11内にアルゴンガスを供給しかつ排出するガス給排手
段28を設けた。このガス給排手段28はシリコン単結
晶25の外周面側にアルゴンガスを供給する第2供給パ
イプ32と、チャンバ11内のアルゴンガスを排出する
排出パイプ29とを有し、上記第2供給パイプ32及び
排出パイプ29には第2及び第3流量調整弁42,43
をそれぞれ設けた。
【0023】石英るつぼ13の内径は559mmであ
り、この石英るつぼ13に貯留されたシリコン融液12
の重量は90kgであった。遮蔽部材26の円錐筒部2
6aの上端及び下端の内径はそれぞれ560mm及び3
00mmであり、ガス整流部材27の下面とシリコン融
液12表面との距離は20mmであった。また石英るつ
ぼ13の回転速度は5rpmであり、シリコン単結晶2
5の回転速度及び引上げ速度はそれぞれ15rpm及び
0.8mm/分であった。更に噴射孔27cから噴射さ
れるアルゴンガスの流量及び流速は30リットル/分及
び5m/秒であり、第2供給パイプ32からチャンバ1
1内に供給されるアルゴンガスの流量は60リットル/
分であり、チャンバ11内のアルゴンガス圧力は15T
orrであった。
【0024】<実施例2>図示しないが噴射孔をガス整
流部材の一対の側底壁のうち石英るつぼの回転方向側に
面する側底壁とは反対側の側底壁に形成し、この噴射孔
からアルゴンガスを流速5m/秒で噴射することを除い
て、上記実施例1と同一に構成した。 <比較例1>図示しないが上記実施例1の遮蔽部材、第
1供給パイプ及びガス整流部材を用いないことを除い
て、上記実施例1と同一に構成した。 <比較例2>図示しないが上記実施例1の第1供給パイ
プ及びガス整流部材を用いないことを除いて、上記実施
例1と同一に構成した。
【0025】<比較試験と評価>実施例1、実施例2、
比較例1及び比較例2の装置にて、直径及び直胴部分長
さがそれぞれ203mm及び800mmのシリコン単結
晶をそれぞれ育成し、これらのシリコン単結晶(直胴部
分)の上端から100mmごとにシリコン単結晶中に含
まれる酸素濃度を測定し、その結果を図9に示す。図9
から明らかなように、比較例1及び2ではシリコン単結
晶(直胴部分)の上端からの距離が大きくなるに従って
酸素濃度は次第に低くなったのに対して、実施例1及び
2ではシリコン単結晶(直胴部分)の上端からの距離が
大きくなっても酸素濃度は殆ど変化しなかった。但し、
シリコン単結晶中の酸素濃度は実施例1の方が実施例2
より低くなることが判った。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、チ
ャンバ内の石英るつぼに貯留されたシリコン融液からシ
リコン単結晶を引上げるときに、チャンバ内に供給され
た不活性ガスをシリコン融液の表面で石英るつぼの回転
方向と同一方向に整流したので、シリコン融液表面にお
けるこの融液の流れを乱さずに効率良く増速でき、上記
融液の流れの拡散境界層厚が薄くなるので、シリコン融
液中の酸素がシリコン融液表面から均一にかつ比較的大
量にSiOガス等となって蒸発する。この結果、シリコ
ン単結晶中の酸素濃度、特に単結晶の長さ方向の酸素濃
度が低く均一になる。また、チャンバ内の石英るつぼに
貯留されたシリコン融液からシリコン単結晶を引上げる
ときに、チャンバ内に供給された不活性ガスをシリコン
融液の表面で石英るつぼの回転方向と逆方向に整流すれ
ば、シリコン融液表面におけるこの融液の流れをこの流
れを乱さずに効率良く減速でき、上記融液の流れの拡散
境界層厚が厚くなるので、シリコン融液中の酸素がシリ
コン融液表面から均一にかつ比較的少量だけSiOガス
等となって蒸発する。この結果、シリコン単結晶中の酸
素濃度、特に単結晶の長さ方向の酸素濃度が比較的高く
均一になる。
【0027】また、遮蔽部材の下端近傍又は下端にシリ
コン融液表面から所定の間隔をあけて石英るつぼの半径
方向に延びるガス整流部材を設け、このガス整流部材に
石英るつぼの回転方向と同一方向に不活性ガスを噴射可
能な噴射孔を形成すれば、この噴射孔から噴射される不
活性ガスによりガス給排手段にて供給された不活性ガス
がシリコン融液の表面で石英るつぼの回転方向と同一方
向に整流され、シリコン融液表面におけるこの融液の流
れを乱さずに効率良く増速できる。この結果、上記融液
の流れの拡散境界層厚が薄くなり、シリコン融液中の酸
素がシリコン融液表面から均一にかつ比較的大量にSi
Oガス等となって蒸発するので、シリコン単結晶中の酸
素濃度、特に単結晶の長さ方向の酸素濃度が低く均一に
なる。更に、遮蔽部材の下端近傍又は下端にシリコン融
液表面から所定の間隔をあけて石英るつぼの半径方向に
延びるガス整流部材を設け、このガス整流部材に石英る
つぼの回転方向と逆方向に不活性ガスを噴射可能な噴射
孔を形成すれば、この噴射孔から噴射される不活性ガス
によりガス給排手段にて供給された不活性ガスがシリコ
ン融液の表面で石英るつぼの回転方向と逆方向に整流さ
れ、シリコン融液表面におけるこの融液の流れを乱さず
に効率良く減速できる。この結果、上記融液の流れの拡
散境界層厚が厚くなり、シリコン融液中の酸素がシリコ
ン融液表面から均一にかつ比較的少量だけSiOガス等
となって蒸発するので、シリコン単結晶中の酸素濃度、
特に単結晶の長さ方向の酸素濃度が比較的高く均一にな
る。特に本発明の方法及び装置によれば、上記酸素濃度
の均一化にとどまらずに、育成されたシリコン単結晶の
各種結晶欠陥の発生を抑制することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のシリコン単結晶の育成装
置を示す図2のA部拡大断面図。
【図2】その育成装置の断面構成図。
【図3】図2のB−B線断面図。
【図4】その育成装置の裏返した遮蔽部材及びガス整流
部材の斜視図。
【図5】本発明の第2実施形態を示す図6のC部拡大断
面図。
【図6】その育成装置の断面構成図。
【図7】図6のD−D線断面図。
【図8】その育成装置の裏返した遮蔽部材及びガス整流
部材の斜視図。
【図9】実施例1及び2と比較例1及び2のシリコン単
結晶の上端からの距離に対するこのシリコン単結晶中の
酸素濃度の変化を示す図。
【符号の説明】
10,70 シリコン単結晶育成装置 11 チャンバ 12 シリコン融液 13 石英るつぼ 25 シリコン単結晶 26,76 遮蔽部材 27,77 ガス整流部材 27c,77c 噴射孔 28 ガス給排手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ(11)内の石英るつぼ(13)に貯留
    されたシリコン融液(12)からシリコン単結晶(25)を引上
    げるときに、前記チャンバ(11)内に供給された不活性ガ
    スを前記シリコン融液(12)の表面で前記石英るつぼ(13)
    の回転方向と同一方向又は逆方向に整流するシリコン単
    結晶の育成方法。
  2. 【請求項2】 チャンバ(11)内に回転可能に設けられシ
    リコン融液(12)が貯留される石英るつぼ(13)と、前記石
    英るつぼ(13)内のシリコン融液(12)から引上げられるシ
    リコン単結晶(25)の外周面と前記石英るつぼ(13)の内周
    面との間に前記シリコン単結晶(25)を囲むように挿入さ
    れ下端が前記シリコン融液(12)表面近傍まで延びかつ前
    記チャンバ(11)内をシリコン単結晶側とるつぼ内周面側
    とに区画する遮蔽部材(26,76)と、前記シリコン単結晶
    側に不活性ガスを供給しこの不活性ガスを前記シリコン
    融液(12)表面に沿ってかつ前記シリコン単結晶(25)の外
    周面から前記石英るつぼ(13)の内周面に向って流し更に
    前記チャンバ(11)外に排出するガス給排手段(28)とを備
    えたシリコン単結晶の育成装置において、 前記遮蔽部材(26,76)の下端近傍又は下端に前記シリコ
    ン融液(12)表面から所定の間隔をあけて前記石英るつぼ
    (13)の半径方向に延びる複数のガス整流部材(27,7)が設
    けられ、 前記ガス整流部材(27,77)に前記石英るつぼ(13)の回転
    方向と同一方向又は逆方向に不活性ガスを噴射可能な噴
    射孔(27c,77c)が形成されたことを特徴とするシリコン
    単結晶の育成装置。
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