JPH1072277A - シリコン単結晶の育成方法及びその装置 - Google Patents

シリコン単結晶の育成方法及びその装置

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JPH1072277A
JPH1072277A JP22915296A JP22915296A JPH1072277A JP H1072277 A JPH1072277 A JP H1072277A JP 22915296 A JP22915296 A JP 22915296A JP 22915296 A JP22915296 A JP 22915296A JP H1072277 A JPH1072277 A JP H1072277A
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JP
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single crystal
silicon single
silicon
inert gas
silicon melt
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JP22915296A
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Yoji Suzuki
洋二 鈴木
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Silicon Corp
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコン単結晶中の長さ方向の酸素濃度を均一
にすることができる。 【解決手段】チャンバ11内の石英るつぼ13に貯留さ
れたシリコン融液12からシリコン単結晶25が引上げ
られ、シリコン単結晶の外周面と石英るつぼの内周面と
の間にシリコン単結晶を囲むように遮蔽部材26が挿入
される。この遮蔽部材の下端はシリコン融液表面近傍ま
で延び、遮蔽部材によりチャンバ内がシリコン単結晶側
とるつぼ内周面側とに区画される。ガス給排手段28に
よりシリコン単結晶側に供給された不活性ガスがシリコ
ン融液表面に沿って流れ、チャンバ外に排出パイプ30
を介して排出される。遮蔽部材に通孔26dが形成さ
れ、シリコン単結晶側に供給された不活性ガスの一部が
上記通孔を通ることにより不活性ガスの一部がシリコン
融液表面を介さずに排出パイプに導かれる。通孔の開口
率は開口率調整手段33により調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン単結晶を
引上げて育成するときの不活性ガスの給排方法及びその
装置に関する。更に詳しくはシリコン単結晶中の酸素濃
度を制御するのに適した育成方法及びその装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置として、チャンバの
上方から供給されるキャリアガスを融液表面に案内して
融液表面から蒸発したSiOガスを排出する整流体を備
えた単結晶引上げ装置が知られている。例えば、この整
流体は、特開平6−219886号公報に示すように、
るつぼの内径より小さい外径であってキャリアガスの流
下方向に沿ってほぼ鉛直に伸延する円筒部と、この円筒
部の下端から縮径して引上げ単結晶との間に下部ギャッ
プを形成する縮径部と、整流体を部分的にチャンバ内に
支持することにより整流体の外部に上部ギャップを形成
する係止部とを有する。この整流体により、キャリアガ
スの流路はこのキャリアガスが整流体の円筒部の上端で
分岐して円筒部の内部に至る第1の流路と、キャリアガ
スが第1の流路から下部ギャップを通過した後に融液表
面と整流体との間を通過する一方で、キャリアガスが整
流体の円筒部の上端で分岐して上部ギャップを通過する
第2の流路とに区画されるようになっている。
【0003】この装置では、第1の流路で整流体の内部
に流下したキャリアガスは整流体によって加熱されて下
部ギャップを通過した後、融液を過剰に冷却することな
く融液表面に導かれ、SiOガスの蒸発を促進する。こ
のSiOガスを含んだキャリアガスは、整流体の外部の
第2の流路を通過するエネルギの大きなキャリアガスの
アスピレーション効果によって均一に外部に引込まれ
る。この結果、より少ないキャリアガス量で融液表面か
ら蒸発するSiOガスを均一に排出することになり、融
液表面における酸素濃度分布が均一に維持され、結晶成
長界面の冷却部が低減され、引上げられる単結晶の酸素
濃度分布が均一で高品質となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の単
結晶引上げ装置では、上部ギャップは一定であるため、
第2の流路を流れるキャリアガスの流量を変えることが
できず、従って融液表面におけるキャリアガスの流速を
変化させることができなかった。このため融液中の酸素
濃度が所定値と比べて変化したときに的確にSiOガス
の蒸発量を制御することができなかった。本発明の目的
は、結晶成長が不安定にならずかつ結晶品質を低下させ
ずに、シリコン単結晶中の酸素濃度、特に単結晶の長さ
方向の酸素濃度を均一にすることができる、シリコン単
結晶の育成方法及びその装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、チャンバ11内の圧力を変化させず
に、チャンバ11内の石英るつぼ13に貯留されたシリ
コン融液12表面を通過する不活性ガスの流量と、シリ
コン融液12表面以外のバイパス部26dを通過する不
活性ガスの流量との割合を、シリコン融液12から引上
げられるシリコン単結晶25の引上げ長さに応じて変え
ることにより、シリコン融液12表面を通過する不活性
ガスの流速を制御するシリコン単結晶の育成方法であ
る。
【0006】この請求項1に係るシリコン単結晶の育成
方法では、シリコン単結晶25として引上げられようと
しているシリコン融液12中の酸素濃度が所定値より高
いときには、シリコン融液12表面を通過する不活性ガ
スの流量を多くし、バイパス部26dを通過する不活性
ガスの流量を少なくする。この結果、シリコン融液12
の表面を通過する不活性ガスの流速が大きくなり、シリ
コン融液12中の酸素がシリコン融液12表面から比較
的大量にSiOガス等となって蒸発する。また上記酸素
濃度が所定値より低いときには、シリコン融液12表面
を通過する不活性ガスの流量を少なくし、バイパス部2
6dを通過する不活性ガスの流量を多くする。この結
果、シリコン融液12の表面を通過する不活性ガスの流
速が小さくなり、シリコン融液12中の酸素がシリコン
融液12表面から比較的少量のSiOガス等となって蒸
発する。従って、シリコン単結晶25中の長さ方向の酸
素濃度を均一することができる。
【0007】請求項2に係る発明は、図1に示すよう
に、チャンバ11内に回転可能に設けられシリコン融液
12が貯留される石英るつぼ13と、石英るつぼ13内
のシリコン融液12から引上げられるシリコン単結晶2
5の外周面と石英るつぼ13の内周面との間にシリコン
単結晶25を囲むように挿入され下端がシリコン融液1
2表面近傍まで延びかつチャンバ11内をシリコン単結
晶側とるつぼ内周面側とに区画する遮蔽部材26と、シ
リコン単結晶側に不活性ガスを供給しこの不活性ガスを
シリコン融液12表面に沿ってかつシリコン単結晶25
の外周面から石英るつぼ13の内周面に向って流し更に
チャンバ11外に排出パイプ29を介して排出するガス
給排手段28とを備えたシリコン単結晶の育成装置の改
良である。その特徴ある構成は、遮蔽部材26に形成さ
れシリコン単結晶側に供給される不活性ガスの一部をシ
リコン融液12表面を介さずに排出パイプ30に導く通
孔26dと、通孔26dの開口率を調整可能な開口率調
整手段33とを備えたところにある。
【0008】この請求項2に係るシリコン単結晶の育成
装置では、シリコン単結晶25として引上げられようと
しているシリコン融液12中の酸素濃度が所定値より高
いときには、通孔26dの開口率を小さくすることによ
り、通孔26dを通過する不活性ガスの流量を減少さ
せ、シリコン融液12の表面を通過する不活性ガスの流
量が増大させる。この結果、シリコン融液12の表面を
通過する不活性ガスの流速が大きくなり、シリコン融液
12中の酸素がシリコン融液12表面から比較的大量に
SiOガス等となって蒸発する。また上記酸素濃度が所
定値より低いときには、通孔26dの開口率を大きくす
ることにより、通孔26dを通過する不活性ガスの流量
を増大させ、シリコン融液12の表面を通過する不活性
ガスの流量を減少させる。この結果、シリコン融液12
の表面を通過する不活性ガスの流速が小さくなり、シリ
コン融液12中の酸素がシリコン融液12表面から比較
的少量のSiOガス等となって蒸発する。従って、シリ
コン単結晶25中の長さ方向の酸素濃度を均一すること
ができる。
【0009】請求項3に係る発明は、図4に示すよう
に、一端がチャンバ11に遮蔽部材76の上端と同一水
平面内に位置するように又は遮蔽部材76の上端より下
方に位置するように接続され他端が排出パイプ30に接
続されシリコン単結晶側に供給される不活性ガスの一部
をシリコン融液12表面を介さずに排出パイプ30に導
くバイパス管71と、バイパス管71に設けられバイパ
ス管71を流れる不活性ガスの流量を調整可能なバイパ
ス流量調整弁72とを備えたことを特徴とする。この請
求項3に係るシリコン単結晶の育成装置では、シリコン
単結晶25として引上げられようとしているシリコン融
液12中の酸素濃度が高いときには、バイパス流量調整
弁72を調整してバイパス管71を流れる不活性ガスの
流量を少なくすることにより、シリコン融液12表面を
通過する流量及び流速を増大させ、引上げられるシリコ
ン単結晶25中の酸素濃度を低減する。また上記酸素濃
度が低いときには、バイパス流量調整弁72を調整して
バイパス管71を流れる不活性ガスの流量を多くするこ
とにより、シリコン融液12表面を通過する流量及び流
速を減少させ、引上げられるシリコン単結晶25中の酸
素濃度を増大させる。この結果、シリコン単結晶25中
の長さ方向の酸素濃度を均一することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図1〜図3に示すように、シ
リコン単結晶育成装置10のチャンバ11内には、シリ
コン融液12を貯留する石英るつぼ13が設けられ、こ
の石英るつぼ13の外面は黒鉛サセプタ14により被覆
される。石英るつぼ13の下面は上記黒鉛サセプタ14
を介して支軸16の上端に固定され、この支軸16の下
部はるつぼ駆動手段17に接続される(図1)。るつぼ
駆動手段17は図示しないが石英るつぼ13を回転させ
る第1回転用モータと、石英るつぼ13を昇降させる昇
降用モータとを有し、これらのモータにより石英るつぼ
13が所定の方向に回転し得るとともに、上下方向に移
動可能となっている。石英るつぼ13の外方にはこの石
英るつぼ13から所定の間隔をあけてヒータ18が設け
られ、このヒータ18とチャンバ11との間には保温筒
19が設けられる。ヒータ18により石英るつぼ13に
投入された高純度のシリコン多結晶が溶融してシリコン
融液12になる。
【0011】またチャンバ11の上面にはチャンバ11
より小径の円筒状のケーシング21が設けられる(図
1)。このケーシング21には引上げ手段22が設けら
れる。引上げ手段22はケーシング21の上端部に水平
状態で旋回可能に設けられた引上げヘッド(図示せず)
と、このヘッドを回転させる第2回転用モータ(図示せ
ず)と、ヘッドから石英るつぼ13の回転中心に向って
垂下されたワイヤケーブル23と、上記ヘッド内に設け
られワイヤケーブル23を巻取り又は繰出す引上げ用モ
ータ(図示せず)とを有する。ワイヤケーブル23の下
端にはシリコン融液12に浸してシリコン単結晶25を
引上げるための種結晶24が取付けられる。
【0012】シリコン単結晶25の外周面と石英るつぼ
13の内周面との間にはシリコン単結晶25を囲むよう
に遮蔽部材26が挿入される(図1〜図3)。この遮蔽
部材26は下方に向うに従って先細りに形成された円錐
筒部26aと、この円錐筒部26aの上端から外方に略
水平方向に張り出すフランジ部26bと、フランジ部2
6bの外周縁下面から垂下された円筒部26cとを有す
る。円錐筒部26aの下端はシリコン融液12表面近傍
まで延び、上端は保温筒19の上端と略同一高さとなる
まで延びる。また円筒部26cが保温筒19に嵌着さ
れ、フランジ部26bが保温筒19の上端に当接するこ
とにより、遮蔽部材26は保温筒19に固定される。こ
の遮蔽部材26によりチャンバ11内がシリコン単結晶
側とるつぼ内周面側とに区画される(図1及び図3)。
【0013】チャンバ11にはこのチャンバ11のシリ
コン単結晶側に不活性ガスを供給しかつ上記不活性ガス
をチャンバ11のるつぼ内周面側から排出するガス給排
手段28が接続される(図1)。ガス給排手段28は一
端がケーシング21の周壁に接続され他端が上記タンク
に接続された供給パイプ29と、一端がチャンバ11の
下壁に接続され他端が真空ポンプ(図示せず)に接続さ
れた排出パイプ30とを有する。供給パイプ29及び排
出パイプ30にはこれらのパイプ29,30を流れる不
活性ガスの流量を調整する第1及び第2流量調整弁3
1,32がそれぞれ設けられる。
【0014】遮蔽部材26のフランジ部26bには円周
方向に延びる円弧状の長孔に形成された複数の通孔26
dが設けられる(図1〜図3)。これらの通孔26dは
この実施形態では等間隔に4つ設けられ(図2)、シリ
コン単結晶側に供給される不活性ガスの一部をシリコン
融液12表面を介さずに排出パイプ30に導くように構
成される。通孔26dの開口率は開口率調整手段33に
より調整される。開口率調整手段33は遮蔽部材26に
軸受34を介して回動可能に取付けられた回動部材36
と、この回動部材36のうち上記通孔26dに対向する
位置に上記通孔26dと同一形状に形成された4つの透
孔36aと、回動部材36の上面のうち外周縁近傍に設
けられた大径の従動傘歯車37と、チャンバ11の外周
面にブラケット38を介して取付けられ出力軸39aが
チャンバ11内に挿入された回動部材用モータ39と、
上記出力軸39aに嵌着され従動傘歯車37に噛合する
駆動傘歯車41とを有する。回動部材36を図2の実線
矢印の方向に回転させると通孔26dの開口率が大きく
なり、破線矢印の方向に回転させると通孔26dの開口
率が小さくなるようになっている。図3中42はシール
部材である。なお、通孔及び透孔の数は3つ以下又は5
つ以上でもよい。
【0015】引上げ用モータの出力軸(図示せず)には
第1ロータリエンコーダ(図示せず)が接続され、るつ
ぼ駆動手段17には石英るつぼ13内のシリコン融液1
2の重量を検出する重量センサ(図示せず)と、支軸1
6の昇降位置を検出するリニヤエンコーダ(図示せず)
とが設けられ、回動部材用モータ39の出力軸39aに
は第2ロータリエンコーダ(図示せず)が設けられる。
第1ロータリエンコーダ、重量センサ、リニヤエンコー
ダ及び第2ロータリエンコーダの各検出出力はコントロ
ーラ(図示せず)の制御入力に接続され、コントローラ
の制御出力は引上げ手段22の引上げ用モータ、るつぼ
駆動手段17の昇降用モータ及び回動部材用モータ39
にそれぞれ接続される。またコントローラにはメモリ
(図示せず)が設けられ、このメモリには第1ロータリ
エンコーダの検出出力に対するワイヤケーブル23の巻
取り長さ、即ちシリコン単結晶25の引上げ長さが第1
マップとして記憶され、重量センサの検出出力に対する
石英るつぼ13内のシリコン融液12の液面レベルが第
2マップとして記憶される。コントローラは重量センサ
の検出出力に基づいて石英るつぼ13内のシリコン融液
12の液面を常に一定のレベルに保つように、るつぼ駆
動手段17の昇降用モータを制御する。
【0016】またシリコン単結晶25を石英るつぼ13
に貯留されたシリコン融液12から引上げるときに、石
英るつぼ13中のシリコン融液12にはこの融液12表
面近傍の融液12中を石英るつぼ13の内周面側からシ
リコン単結晶25の外周面側に向う対流(図1の実線矢
印)が発生し、この対流に乗ってシリコン単結晶25の
外周面に達したシリコン融液12が順次シリコン単結晶
25となって引上げられていく。この対流に乗ったシリ
コン融液12に含まれる酸素濃度を一定にすれば、引上
げられるシリコン単結晶25中に含まれる酸素濃度がそ
の長さ方向に均一になる。よって、予め通孔26dを所
定の開口率に保持した状態でシリコン単結晶25を引き
上げ、このシリコン単結晶25の引上げ長さに対する酸
素濃度を測定してメモリに第3マップとして記憶する。
一方、変化するシリコン単結晶25中の酸素濃度を所定
値にするための通孔26dの開口率がメモリに第4マッ
プとして記憶される。
【0017】このように構成されたシリコン単結晶の育
成装置の動作を説明する。コントローラは第1ロータリ
エンコーダ及び重量センサの各検出出力をメモリの第1
及び第2マップと比較してシリコン単結晶25の引上げ
長さを算出し、この引上げ長さと第3マップと比較して
酸素濃度を算出し、更にこの酸素濃度と第4マップとを
比較して通孔26dの開口率を算出する。
【0018】シリコン単結晶25として引上げられよう
としているシリコン融液12中の酸素濃度が所定値より
高いときには、コントローラは回動部材用モータ39を
駆動して回動部材36を図2の破線矢印の方向に所定の
角度だけ回転させ、通孔26dの開口率を小さくする。
この結果、通孔26dを通過する不活性ガスの流量が減
少し、シリコン融液12の表面を通過する不活性ガスの
流量が増大するので、シリコン融液12の表面を通過す
る不活性ガスの流速が大きくなり、シリコン融液12中
の酸素がシリコン融液12表面から比較的大量にSiO
ガス等となって蒸発する。また上記酸素濃度が所定値よ
り低いときには、コントローラは回動部材用モータ39
を駆動して回動部材36を図2の実線矢印の方向に所定
の角度だけ回転させ、通孔26dの開口率を大きくす
る。この結果、通孔26dを通過する不活性ガスの流量
(図1の破線矢印で示す。)が増大し、シリコン融液1
2の表面を通過する不活性ガスの流量(図1の一点鎖線
矢印で示す。)が減少するので、シリコン融液12の表
面を通過する不活性ガスの流速が小さくなり、シリコン
融液12中の酸素がシリコン融液12表面から比較的少
量のSiOガス等となって蒸発する。従って、シリコン
単結晶25中の長さ方向の酸素濃度を均一することがで
きる。
【0019】図4は本発明の第2の実施の形態を示す。
図4において上記第1の実施の形態と同一符号は同一部
品を示す。この実施の形態のシリコン単結晶育成装置7
0では、シリコン単結晶側に供給される不活性ガスの一
部をシリコン融液12表面を介さずに排出パイプ30に
導くバイパス管71がチャンバ11と排出パイプ30と
の間に接続される。このバイパス管71の一端はチャン
バ11に遮蔽部材76の上端、即ち遮蔽部材76のフラ
ンジ部76bより下方に位置するように接続され、他端
は排出パイプ30のうちチャンバ11と第2流量調整弁
32との間の部分に接続される。またバイパス管71に
はバイパス流量調整弁72が設けられ、このバイパス流
量調整弁72はバイパス管71を流れる不活性ガスの流
量を調整可能に構成される。なお、この実施の形態で
は、バイパス管の一端をチャンバに遮蔽部材のフランジ
部より下方に位置するように接続したが、バイパス管の
一端をチャンバに遮蔽部材のフランジ部と同一平面内に
位置するように接続してもよい。
【0020】またチャンバ11内をシリコン単結晶側と
るつぼ内周面側に区画する遮蔽部材76は下方に向うに
従って先細りに形成された円錐筒部76aと、この円錐
筒部76aの上端から外方に略水平方向に張り出すフラ
ンジ部76bとを有する。円錐筒部76aの下端はシリ
コン融液12表面近傍まで延び、上端は保温筒19の上
端と略同一高さとなるまで延びる。また遮蔽部材76は
フランジ部76bを保温筒19の上端に取付けることに
より固定される。バイパス流量調整弁72にはバイパス
管71の開度を調整する回動可能な弁体(図示せず)が
内蔵され、この弁体は弁体用モータ(図示せず)により
回動される。また弁体用モータの出力軸(図示せず)に
は第3ロータリエンコーダ(図示せず)が設けられる。
第3ロータリエンコーダの検出出力はコントローラ(図
示せず)の制御入力に接続され、コントローラの制御出
力は弁体用モータに接続される。変化するシリコン単結
晶25中の酸素濃度を所定値にするためのバイパス流量
調整弁72の弁体の回動角度がメモリに第5マップとし
て記憶される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構
成される。
【0021】このように構成された育成装置の動作は、
コントローラが各センサの検出出力及びメモリのマップ
に基づいて、シリコン単結晶25として引上げられよう
としているシリコン融液12中の酸素濃度が高いときに
は、バイパス流量調整弁72の弁体を回転させてバイパ
ス管71の開度を小さくし、バイパス管71を流れる不
活性ガスの流量を少なくする。この結果、チャンバ11
内の圧力が変化せずに、シリコン融液12表面を通過す
る流量及び流速が増大するので、引上げられるシリコン
単結晶25中の酸素濃度は低減する。また上記酸素濃度
が低いときには、弁体を回転させてバイパス管71の開
度を大きくし、バイパス管71を流れる不活性ガスの流
量を多くする。この結果、チャンバ11内の圧力が変化
せずに、シリコン融液12表面を通過する流量及び流速
が減少するので、引上げられるシリコン単結晶25中の
酸素濃度は増大する。このようにしてシリコン単結晶2
5中の長さ方向の酸素濃度を均一することができる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、チ
ャンバ内の圧力を変化させずに、チャンバ内の石英るつ
ぼに貯留されたシリコン融液表面を通過する不活性ガス
の流量と、シリコン融液表面以外のバイパス部を通過す
る不活性ガスの流量との割合を、シリコン融液から引上
げられるシリコン単結晶の引上げ長さに応じて変えるこ
とにより、シリコン融液表面を通過する不活性ガスの流
速を制御したので、シリコン単結晶として引上げられよ
うとしているシリコン融液中の酸素濃度が所定値より高
いときには、シリコン融液表面を通過する不活性ガスの
流量を多くバイパス部を通過する不活性ガスの流量を少
なくし、上記酸素濃度が所定値より低いときには、シリ
コン融液表面を通過する不活性ガスの流量を少なくバイ
パス部を通過する不活性ガスの流量を多くする。この結
果、シリコン融液の表面を通過する不活性ガスの流速が
大きく又は小さくなり、シリコン融液中の酸素がシリコ
ン融液表面から比較的大量又は比較的少量のSiOガス
が蒸発する。従って、シリコン単結晶中の長さ方向の酸
素濃度を均一することができる。
【0023】またチャンバ内を遮蔽部材によりシリコン
単結晶側とるつぼ内周面側とに区画し、この遮蔽部材に
形成された通孔がシリコン単結晶側に供給される不活性
ガスの一部をシリコン融液表面を介さずに排出パイプに
導き、この通孔の開口率を開口率調整手段が調整するよ
うに構成すれば、シリコン単結晶として引上げられよう
としているシリコン融液中の酸素濃度が所定値より高い
ときには、通孔の開口率を小さくし、上記酸素濃度が所
定値より低いときには、通孔の開口率を多くする。この
結果、通孔を通過する不活性ガスの流量が減少又は増加
し、シリコン融液の表面を通過する不活性ガスの流量及
び流速が増大又は減少するので、上記と同様の効果が得
られる。また融液表面におけるキャリアガスの流速を変
化させることができず、融液中の酸素濃度が所定値と比
べて変化したときに的確にSiOガスの蒸発量を制御す
ることができなかった従来の単結晶引上げ装置と比較し
て、本発明ではシリコン融液表面を通過する不活性ガス
の流速を制御できるので、結晶品質を低下させることは
ない。
【0024】更に一端がチャンバに遮蔽部材の上端と同
一水平面内に位置するように又は遮蔽部材の上端より下
方に位置するように接続されたバイパス管の他端を排出
パイプに接続し、バイパス管に設けられたバイパス流量
調整弁によりバイパス管を流れる不活性ガスの流量を調
整するように構成すれば、シリコン単結晶として引上げ
られようとしているシリコン融液中の酸素濃度が高いと
きには、バイパス流量調整弁を調整してバイパス管に流
れる不活性ガスの流量を少なくし、上記酸素濃度が低い
ときには、バイパス流量調整弁を調整してバイパス管を
流れる不活性ガスの流量を多くする。この結果、シリコ
ン融液表面を通過する流量及び流速が増大又は減少し、
上記と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のシリコン単結晶の育成装
置の断面構成図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB部拡大断面図。
【図4】本発明の第2実施形態を示す図1に対応する断
面構成図。
【符号の説明】
10,70 シリコン単結晶育成装置 11 チャンバ 12 シリコン融液 13 石英るつぼ 25 シリコン単結晶 26,76 遮蔽部材 26d 通孔(バイパス部) 28 ガス給排手段 29 供給パイプ 30 排出パイプ 33 開口率調整手段 71 バイパス管(バイパス部) 72 バイパス流量調整弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ(11)内の圧力を変化させずに、
    前記チャンバ(11)内の石英るつぼ(13)に貯留されたシリ
    コン融液(12)表面を通過する不活性ガスの流量と、前記
    シリコン融液(12)表面以外のバイパス部(26d,71)を通過
    する不活性ガスの流量との割合を、前記シリコン融液(1
    2)から引上げられるシリコン単結晶(25)の引上げ長さに
    応じて変えることにより、前記シリコン融液(12)表面を
    通過する不活性ガスの流速を制御するシリコン単結晶の
    育成方法。
  2. 【請求項2】 チャンバ(11)内に回転可能に設けられシ
    リコン融液(12)が貯留される石英るつぼ(13)と、前記石
    英るつぼ(13)内のシリコン融液(12)から引上げられるシ
    リコン単結晶(25)の外周面と前記石英るつぼ(13)の内周
    面との間に前記シリコン単結晶(25)を囲むように挿入さ
    れ下端が前記シリコン融液(12)表面近傍まで延びかつ前
    記チャンバ(11)内をシリコン単結晶側とるつぼ内周面側
    とに区画する遮蔽部材(26)と、前記シリコン単結晶側に
    不活性ガスを供給しこの不活性ガスを前記シリコン融液
    (12)表面に沿ってかつ前記シリコン単結晶(25)の外周面
    から前記石英るつぼ(13)の内周面に向って流し更に前記
    チャンバ(11)外に排出パイプ(30)を介して排出するガス
    給排手段(28)とを備えたシリコン単結晶の育成装置にお
    いて、 前記遮蔽部材(26)に形成され前記シリコン単結晶側に供
    給される不活性ガスの一部を前記シリコン融液(12)表面
    を介さずに前記排出パイプ(30)に導く通孔(26d)と、 前記通孔(26d)の開口率を調整可能な開口率調整手段(2
    8)とを備えたことを特徴とするシリコン単結晶の育成装
    置。
  3. 【請求項3】 チャンバ(11)内に回転可能に設けられシ
    リコン融液(12)が貯留される石英るつぼ(13)と、前記石
    英るつぼ(13)内のシリコン融液(12)から引上げられるシ
    リコン単結晶(25)の外周面と前記石英るつぼ(13)の内周
    面との間に前記シリコン単結晶(25)を囲むように挿入さ
    れ下端が前記シリコン融液(12)表面近傍まで延びかつ前
    記チャンバ(11)内をシリコン単結晶側とるつぼ内周面側
    とに区画する遮蔽部材(76)と、前記シリコン単結晶側に
    不活性ガスを供給しこの不活性ガスを前記シリコン融液
    (12)表面に沿ってかつ前記シリコン単結晶(25)の外周面
    から前記石英るつぼ(13)の内周面に向って流し更に前記
    チャンバ(11)外に排出パイプ(30)を介して排出するガス
    給排手段(28)とを備えたシリコン単結晶の育成装置にお
    いて、 一端が前記チャンバ(11)に前記遮蔽部材(76)の上端と同
    一水平面内に位置するように又は前記遮蔽部材(76)の上
    端より下方に位置するように接続され他端が前記排出パ
    イプ(30)に接続され前記シリコン単結晶側に供給される
    不活性ガスの一部を前記シリコン融液(12)表面を介さず
    に前記排出パイプ(30)に導くバイパス管(71)と、 前記バイパス管(71)に設けられ前記バイパス管(71)を流
    れる不活性ガスの流量を調整可能なバイパス流量調整弁
    (72)とを備えたことを特徴とするシリコン単結晶の育成
    装置。
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