JPH09207752A - 車両用液圧マスタシリンダ - Google Patents

車両用液圧マスタシリンダ

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JPH09207752A
JPH09207752A JP2106596A JP2106596A JPH09207752A JP H09207752 A JPH09207752 A JP H09207752A JP 2106596 A JP2106596 A JP 2106596A JP 2106596 A JP2106596 A JP 2106596A JP H09207752 A JPH09207752 A JP H09207752A
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JP
Japan
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piston
sub
hydraulic
chamber
cylinder hole
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JP2106596A
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English (en)
Inventor
Kumiko Hatada
久美子 畑田
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Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液圧マスタシリンダ全体を軽量でコンパクト
に形成する。 【解決手段】 空室11に隔壁12を液密に固設し、シ
リンダ孔開口側に主液圧室15を設ける。隔壁12と底
壁3dとの間に副ピストン16を液密且つ移動可能に内
挿し、副ピストン16と底壁3dとの間に副液圧室18
を設ける。主ピストン8と副ピストン16とを、リター
ンスプリング19,20にてシリンダ孔の開口部方向へ
付勢する。主液圧室15と副液圧室18に出力ポート2
9,30を開設する。主ピストン8のシリンダ孔底壁側
に小径軸8aを突設し、隔壁12から副ピストン16の
シリンダ孔開口側へ突出配置する。小径軸8aの先端面
8bと副ピストン16との間に、キャリパボデイ7へ供
給される作動液量が所定よりも増加した際に、小径軸8
aの先端面8bが副ピストン16に当接して、副ピスト
ン16をシリンダ孔底壁方向へ押動するように間隙Cを
設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動二輪車や自動車を
始めとする走行車両のブレーキやクラッチを液圧で作動
する液圧マスタシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車等のブレーキやクラッチに用
いる一般的な液圧マスタシリンダとして、例えば実公平
3−57591号公報や実公昭59−4842号公報に
示されるものがある。これらの液圧マスタシリンダは、
シリンダボディに穿設された有底のシリンダ孔にピスト
ンを内挿して、ピストンとシリンダ孔の底壁との間に液
圧室となる空室を画成し、非作動時のピストンを、ピス
トンとシリンダ孔の底壁との間に縮設されたリターンス
プリングの弾発力によってシリンダ孔の開口部方向へ付
勢し、サークリップとの当接にて後退限を規制されるピ
ストンの後端に、操作レバーの作用腕を臨ませている。
【0003】液圧室となる空室シリンダ孔上部のリザー
バとは、リリーフポートとサプライポートにて連通して
おり、操作レバーの握り操作によって、ピストンがシリ
ンダ孔を底壁方向へ押し込まれて行き、該ピストンがリ
リーフポートを通過して空室とリザーバとの連通が遮断
されると、空室の内部容積の縮小に連れて液圧室内部の
作動液が徐々に昇圧されて行く。昇圧された空室内部の
作動液は、ブレーキホースやクラッチホースを通してブ
レーキやクラッチへ供給され、ディスクブレーキのキャ
リパボディやドラムブレーキのホイールシリンダ,或い
はクラッチのスレーブシリンダ等のアクチュエータを作
動するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の液圧マスタシリ
ンダを用いて、ブレーキやクラッチに所定の液圧力を設
定する場合に、アクチュエータのシリンダ孔に対して、
液圧マスタシリンダのシリンダ孔のみを大径化すると、
液圧マスタシリンダを作動する操作ペダルや操作レバー
に過大な操作力を要し、また固いタッチのブレーキやク
ラッチとなってしまうことから、一般に液圧マスタシリ
ンダのシリンダ孔を小径化して、液圧マスタシリンダと
アクチュエータとの液圧比を大きく採ることにより、ペ
ダルやレバーの操作力を軽減しながら、軽いフィーリン
グが得られるようにしている。
【0005】このようなことから、液圧マスタシリンダ
には、ある程度長いピストンストロークが設定されるこ
ととなるが、アクチュエータのシリンダ孔内部でピスト
ンを保持する角シールやカップシールのほか、ブレーキ
ホースやクラッチホースが、アクチュエータへ供給され
た作動液の高温化によって熱膨脹したり、或いはアクチ
ュエータのピストンが所定の後退位置を越えてシリンダ
孔底部へ押し込まれる、いわゆるノックバックを生じ
て、アクチュエータのピストン抵抗が増大したりするな
どして、液圧マスタシリンダから先の液圧経路の体積が
増大してしまうことがある。
【0006】このため、いずれの場合も、アクチュエー
タに一定の作動力を得るためには、液圧マスタシリンダ
のピストンストロークをより一層長く採って、液圧マス
タシリンダからアクチュエータへ供給する作動液量を増
加する必要から、液圧マスタシリンダのシリンダ孔を長
く設定しなければならず、シリンダボディの長大化と重
量の増加は避けられなかった。
【0007】特に、上述の液圧マスタシリンダをハンド
ルバーに取付けて用いる自動二輪車等のバーハンドル車
両にあっては、液圧マスタシリンダに枢支される操作レ
バーのピボットと、液圧マスタシリンダのピストンをシ
リンダ孔の底壁方向へ押し込む操作レバーの作用腕との
回動長さに制約があるため、液圧マスタシリンダのピス
トンに充分な移動長さを確保しにくいという構造上の規
制がある。
【0008】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、液圧マスタシリンダか
らアクチュエータへ供給される作動液量が、シールやホ
ース類の熱膨張やピストン抵抗の増大等で増加すること
があっても、作動液量の増加を確保しながらピストンの
移動量を小さく抑えて、シリンダボディ長を極力短縮す
ることにより、液圧マスタシリンダ全体を軽量でコンパ
クトに形成できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達成するため、シリンダボディに穿設された有底のシリ
ンダ孔にピストンを内挿して、該ピストンとシリンダ孔
の底壁との間に空室を画成し、シリンダ孔の内周面に別
途のリザーバと連通するリリーフポートとサプライポー
トとを開口し、前記ピストンがリリーフポートを閉塞し
ながらシリンダ孔を底壁方向へ移動して、前記空室内部
の作動液を昇圧し、該作動液をディスクブレーキやドラ
ムブレーキのキャリパボディやホイールシリンダ等のア
クチュエータへ供給して制動作用を行なう車両用液圧マ
スタシリンダにおいて、前記空室に隔壁を液密に固設し
て、該隔壁からシリンダ孔開口側に主液圧室を画成し、
前記ピストンを主ピストンとなすと共に、前記隔壁とシ
リンダ孔の底壁との間に副ピストンを液密且つ移動可能
に内挿して、該副ピストンとシリンダ孔の底壁との間に
副液圧室を画成し、該副ピストンと前記主ピストンと
を、それぞれリターンスプリングにてシリンダ孔の開口
部方向へ付勢し、前記主液圧室と副液圧室のそれぞれ
に、前記アクチュエータと連通する出力ポートを開設
し、前記主ピストンのシリンダ孔底壁側に小径軸を突設
して、該小径軸を前記隔壁から副ピストンのシリンダ孔
開口側へ突出配置し、該主ピストンの小径軸と副ピスト
ンとの間に、前記主液圧室からアクチュエータへ供給さ
れる作動液量が所定よりも増加した際に、前記主ピスト
ンの小径軸が副ピストンに当接して、該副ピストンをシ
リンダ孔底壁方向へ押動する間隙を設定したことを特徴
としている。
【0010】かかる構成により、液圧マスタシリンダの
通常の作動では、主ピストンの小径軸と副ピストンとの
間に設定された間隙によって、主ピストンのみが作動
し、主液圧室で昇圧された作動液がアクチュエータへ供
給され、副液圧室の副ピストンは作動しない。
【0011】また、アクチュエータの角シールやカップ
シール等のシール類が熱膨脹したり、ピストンのノック
バックによって、アクチュエータのピストン抵抗が増大
した場合や、或いはブレーキホースやクラッチホースの
熱膨張によって、液圧マスタシリンダから先の液圧経路
の体積が増大した場合には、主液圧室からアクチュエー
タへ供給される作動液量を増加する必要から、主ピスト
ンが設定された通常の移動量を越えてシリンダ孔の底壁
方向へ移動するため、主ピストンの小径軸が副ピストン
に当接し、副ピストンが主ピストンに連動してシリンダ
孔を底壁方向へ押し込まれ、副液圧室の作動液が昇圧さ
れて行く。
【0012】このようにして、副ピストンの連動後は、
主液圧室と副液圧室で昇圧された双方の作動液がアクチ
ュエータへ供給されて行き、副ピストン連動後の主ピス
トンの進み具合、即ちリードが連動前よりも小さくな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用液圧マスタ
シリンダを、自動二輪車等のバーハンドル車両のフロン
トディスクブレーキ装置に適用した一形態例を図1に基
づいて説明する。液圧マスタシリンダ1は、内部に有底
のシリンダ孔2を穿ったシリンダボディ3の上部に、バ
ックミラー取付け用のミラーボス部3bやバーハンドル
取付け用のブラケット3cと共に、作動液を貯留するリ
ザーバ3aを一体に有するリザーバ一体型で、ブレーキ
レバー4の握り操作によって昇圧した内部の作動液を、
ディスクロータ6と共にフロントディスクブレーキ5を
構成するキャリパボディ7に供給して、図示しない前輪
を制動するようになっている。
【0014】シリンダ孔2の開口部側には、主ピストン
8が、プライマリカップシール9とセコンダリカップ1
0を用いて液密且つ移動可能に内挿され、主ピストン8
とシリンダ孔2の底壁3dとの間に空室11が画成され
る。空室11は、中間部に円板状の隔壁12を係止リン
グ13,13で固設して左右二室に分割され、更にシリ
ンダ孔2との間をOリング14で液密にシールして、隔
壁12からシリンダ孔開口側の一方を主液圧室15とし
ている。また、隔壁12とシリンダ孔2の底壁3dとの
間の他方には、断面ハット型の副ピストン16が、小径
の頭部をシリンダ孔2の底壁方向へ向けながら、カップ
シール17を用いて液密且つ移動可能に内挿され、副ピ
ストン16とシリンダ孔2の底壁3dとの間に副液圧室
18が、また副ピストン16と隔壁12との間に補給室
27がそれぞれ画成される。
【0015】主ピストン8と隔壁12との間にはリター
ンスプリング19が、また副ピストン16とシリンダ孔
2の底壁3dとの間には、リターンスプリング20がそ
れぞれ縮設されていて、各ピストン8,16をシリンダ
孔2の開口部方向へ付勢しており、主ピストン8は、後
退限をシリンダ孔2の開口部に係着した係止リング21
との当接によって規制され、また副ピストン16の後退
限が、副液圧室側の係止リング13との当接によって規
制されるようになっている。
【0016】シリンダ孔2の上部仕切壁3eには、リリ
ーフポート22とサプライポート23とが、主液圧室1
5とリザーバ3a内の貯液室24とに連通して設けら
れ、また連通ポート25とブリーダ孔26とが、副液圧
室18と貯液室24とに連通して設けられている。主ピ
ストン8の後退時には、先端側のカップシール9が、リ
リーフポート22よりもシリンダ孔2の開口側に位置し
ていて、主液圧室15と貯液室24とが連通している。
隔壁12と副ピストン16との間の補給室27は、連通
ポート25を介して常時貯液室24と連通しており、貯
液室24内の作動液を、副ピストン16の移動に伴う補
給室27の拡縮に応じて、随時補給または還流できるよ
うにしている。またブリーダ孔26には、エア抜き用の
ブリーダスクリュ28がリザーバ開口側に螺着されてい
て、常時は副液圧室18と貯液室24との連通が遮断さ
れている。
【0017】シリンダ孔2の下部壁3fには出力ポート
29が、同じくシリンダ孔2の底壁3dには出力ポート
30が、それぞれ主液圧室15と副液圧室18とに連通
して設けられている。主液圧室15の出力ポート29に
はブレーキホース31が、また副液圧室18の出力ポー
ト30にはブレーキホース32が、それぞれユニオンボ
ルト33を用いて接続されており、両ブレーキホース3
1,32は、フロントディスクブレーキ5のキャリパボ
ディ7に接続されたブレーキホース34にジョイント3
5を介して接続されている。
【0018】液圧マスタシリンダ1からキャリパボディ
7に亙るフロントディスクブレーキ1の液圧経路には、
貯液室24に注がれる作動液が、リリーフポート22と
サプライポート23を通して主液圧室15へ充填されて
行き、また補給室27には、同じく貯液室24から連通
ポート25を通して作動液が充填される。主液圧室15
へ導入された作動液は、主液圧室15からブレーキホー
ス31,34とキャリパボディ7のシリンダ孔内部まで
の液圧経路に充填されて行き、その一部はジョイント3
5を分岐して、ブレーキホース32から副液圧室18ま
での液圧経路に充填される。
【0019】主液圧室15からキャリパボディ7までの
液圧経路の作動液に混入するエアは、キャリパボディ7
のシリンダ孔に連通して設けたブリーダ孔より外部へ排
出されて行き、またジョイント35から副液圧室18ま
での液圧経路の作動液に混入するエアは、副液圧室18
上部のブリーダ孔26に集められ、ブリーダスクリュ2
8を緩めることにより、貯液室24の作動液を上昇して
作動液の上面へ排出されて行く。
【0020】前記主ピストン8の前部には小径軸8aが
突設されており、該小径軸8aは、隔壁12のガイド孔
12aに、Oリング36を介して液密に支持されてい
る。小径軸8aの先端面8bは、隔壁12から前記補給
室27へ突出して設けられており、小径軸8aの先端面
8bと副ピストン16の小径頭部の底壁との間に、間隙
Cが設定されている。この間隙Cは、主ピストン8に設
定された通常の移動量よりも長く、且つ主ピストン8の
通常の移動量によって主液圧室15からキャリパボディ
7へ供給される作動液量が所定よりも増加した際に、小
径軸8aの先端面8bが副ピストン16の小径頭部の底
壁に当接して、副ピストン16をシリンダ孔2の底壁方
向へ押動する長さに設定されている。
【0021】次に、このように構成される本形態例の作
動を説明する。
【0022】主ピストン8と副ピストン16は、ブレー
キレバー4を握り操作しない非制動時に、それぞれ図1
に示す後退限位置にあって、主液圧室15は、リリーフ
ポート22を介して貯液室24と連通し、またブレーキ
ホース31,32,34を介して、副液圧室18及びキ
ャリパボディ7にブレーキホース31,32,34を介
して連通している。
【0023】そして、通常の制動では、ブレーキレバー
4の握り操作によって、主ピストン8が、副ピストン1
6との間の間隙Cの範囲でシリンダ孔2を底壁方向へ押
し込まれて行き、プライマリカップ9がリリーフポート
22を閉塞して主液圧室15と貯液室24との連通が遮
断されると、主液圧室15内の作動液が徐々に昇圧され
て行く。主液圧室15で昇圧された作動液は、出力ポー
ト29からブレーキホース31,34を通して、フロン
トディスクブレーキ5のキャリパボディ7へ供給され、
該キャリパボディ7を液圧作動して前輪の制動作用を行
なう。
【0024】出力ポート29から吐出した主液圧室15
の作動液は、その一部がジョイント35を分岐してブレ
ーキホース32から副液圧室18へも供給され、副液圧
室18が主液圧室15と同圧となり、また副ピストン1
6も後退限位置に押し付けられるが、主ピストン8は、
小径軸8aの先端面8bと副ピストン16との間の間隙
Cよりも短い範囲でしかストロークしないため、小径軸
8aの先端面8bは副ピストン16まで届かず、副ピス
トン16自体は作動しない。
【0025】また、主液圧室15からキャリパボディ7
へ供給された作動液が制動熱によって高温化し、キャリ
パボディ7内でピストンを保持する角シール(いずれも
図示しない)が熱膨脹したり、キャリパボディ7のピス
トンにノックバックを生じて、キャリパボディ7のピス
トン抵抗が増大した場合や、ブレーキホース34の熱膨
脹によって、主液圧室15から先の液圧経路の体積が増
加した場合には、液圧経路に作動液を増加して供給する
必要から、主ピストン8が、設定されていた通常の移動
量を越えてシリンダ孔2を底壁方向へ余分に押し込まれ
て行く。
【0026】これにより、小径軸8aの先端面8bが、
副ピストン16との間隙Cを埋めながら副ピストン16
の小径頭部内に入り込み、更に小径頭部の底壁に当接し
て、副ピストン16をシリンダ孔2の底壁方向へ押動
し、副液圧室18を縮小して内部の作動液を昇圧して行
く。副液圧室18の縮小に伴って拡大する補給室27に
は、貯液室24に貯留される作動液が随時補給され、副
ピストン16の背面に負圧がかからないようにして、良
好に作動できるようにしている。
【0027】副液圧室18で昇圧された作動液は、ジョ
イント35で主液圧室15からの作動液と合流して、キ
ャリパボディ7に2倍の作動液量となって供給され、ま
たこれによって、副ピストン連動後の主ピストン8の進
み具合、即ちリードが連動前よりも小さくなる。
【0028】このように、本形態例の液圧マスシリンダ
1は、作動液量の増加に伴う主ピストン8のリードを副
ピストン16が連動する前よりも頗る小さく抑えるの
で、副ピストン16を併用するにも拘らず、シリンダボ
ディ3の全長が短くて済み、液圧マスタシリンダ1の全
体をコンパクトで軽量に形成することができる。また、
シリンダ孔底部の空室11に隔壁12を固設して、主液
圧室15と副液圧室18とを形成するので、液圧室1
5,18にシリンダ孔2をそのまま利用することがで
き、別途に穴加工を要しないので、加工工数が少なく構
造が簡単で済む。
【0029】図2は、本発明の他の形態例を示すもの
で、主ピストン8の小径軸8aは、先端面8bが球面状
に形成されており、断面ハット型に形成される副ピスト
ン16の小径頭部には、主ピストン8の小径軸8aより
も小径の通孔16aが貫通形成されている。非作動時の
主ピストン8と副ピストン16は、それぞれ図2に示す
後退限位置にあって、小径軸8aの先端面8bと副ピス
トン16の小径頭部の底壁との間には、主ピストン8の
通常の移動量よりも長い所定の間隙Cが設定されてお
り、副液圧室18と補給室27とは、副ピストン16の
通孔16aを介して常時連通している。リザーバ3aの
貯液室24と補給室27とをつなぐ連通ポート25に
は、チェック弁40が設けられていて、常時は貯液室2
4から補給室27への補給は許容され、また補給室27
から貯液室24への還流は規制されている。
【0030】そして、通常の制動では、主ピストン8
が、副ピストン16との間の間隙Cの範囲でシリンダ孔
2を底壁方向へ押し込まれて行き、主液圧室15で昇圧
した作動液をキャリパボディ7へ供給して、前輪の制動
作用を行なう。出力ポート29から吐出した主液圧室1
5の作動液は、その一部がジョイント35を分岐してブ
レーキホース32から副液圧室18へ入り、更に通孔1
6aを通ってチェック弁40にて閉塞される補給室27
に入り、副液圧室18と補給室27とが主液圧室15と
同圧となるが、副ピストン16自体は作動しない。
【0031】また、主液圧室15から先の液圧経路の体
積が増加などした場合には、主ピストン8が、設定され
ていた通常の移動量を越えてシリンダ孔2を底壁方向へ
余分に押し込まれて行き、小径軸8aの先端面8bが、
副ピストン16の小径頭部の底壁に当接して通孔16a
が閉塞され、副液圧室18と補給室27との連通が遮断
される。
【0032】副液圧室18の作動液は、主ピストン8に
連動する副ピストン16によって徐々に昇圧されて行
き、ジョイント35で主液圧室15からの作動液と合流
して、キャリパボディ7に2倍の作動液量となって供給
され、副ピストン連動後の主ピストン8のリードが、連
動前よりも短縮される。副液圧室18との連通を遮断さ
れた補給室27は、副ピストン16の作動で縮小する副
液圧室18に伴って拡大するため、チェック弁40のフ
ロート41が下降して、貯液室24に貯留される作動液
が補給されて行き、また副ピストン16が停止した場合
にはフロート41が上昇して、副液圧室18と補給室2
7との連通が遮断される。
【0033】そして、上述の制動操作を解除すると、主
ピストン8の小径軸8aの先端面8bが、副ピストン1
6の小径頭部の底壁から離間し、副液圧室18と補給室
27とが通孔16aを介して再び連通する。この連通に
より、副ピストン8の後退に連れて拡大する副液圧室1
8には、該副液圧室18の拡大に伴って縮小する補給室
27内の作動液が通孔16aを通して補給されて行き、
副ピストン8の後退作動を円滑なものにしている。
【0034】また本形態例は、副ピストン16が上述の
ように連動することによって、貯液室24の作動液が、
チェック弁40を通して補給室27から副液圧室18へ
と一方向へ送られるため、副液圧室18からジョイント
35までの作動液に混入するエアは、制動操作の度に徐
々にジョイント35へ送られ、該ジョイント35で主液
圧室15からキャリパボディ7間の混入エアと一体にな
って、キャリパボディ7のブリーダ孔より外部へ排出さ
れて行くので、専用のブリーダスクリュをマニュアル操
作する先の形態例に較べて、作業性と経済性に優れてい
る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両用液
圧マスタシリンダは、シリンダ孔の底壁とピストンとの
間の空室に隔壁を液密に固設して、該隔壁からシリンダ
孔開口側に主液圧室を画成し、前記ピストンを主ピスト
ンとなすと共に、前記隔壁とシリンダ孔の底壁との間に
副ピストンを液密且つ移動可能に内挿して、該副ピスト
ンとシリンダ孔の底壁との間に副液圧室を画成し、該副
ピストンと前記主ピストンとを、それぞれリターンスプ
リングにてシリンダ孔の開口部方向へ付勢し、前記主液
圧室と副液圧室のそれぞれに、キャリパボディやホイー
ルシリンダ等のアクチュエータと連通する出力ポートを
開設し、前記主ピストンのシリンダ孔底壁側に小径軸を
突設して、該小径軸を前記隔壁から副ピストンのシリン
ダ孔開口側へ突出配置し、該主ピストンの小径軸と副ピ
ストンとの間に、前記主液圧室からアクチュエータへ供
給される作動液量が所定よりも増加した際に、前記主ピ
ストンの小径軸が副ピストンに当接して、該副ピストン
をシリンダ孔底壁方向へ押動する間隙を設定したから、
アクチュエータへの作動液量の増加に伴う主ピストンの
リードを、副ピストンが連動する前よりも頗る小さく抑
えるので、副ピストンを併用するにも拘らず、シリンダ
ボディの全長が短くて済むようになり、液圧マスタシリ
ンダの全体をコンパクトで軽量に形成することができ
る。特に、液圧マスタシリンダをバーハンドル車両のハ
ンドルバーに取付けた場合には、操作レバーのピボット
と作用腕との回動長さに制約があっても、作動液量の増
加分を見込んだ主ピストンの移動長さを充分に確保する
ことができる。
【0036】また、シリンダ孔底部の空室に隔壁を固設
して、主液圧室と副液圧室とを形成するので、シリンダ
孔をそのまま双方の液圧室に利用することができ、別途
に穴加工を要しないので、加工工数が少なく構造が簡単
で済む利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態例を示すフロントディスクブレ
ーキ装置の概略図
【図2】本発明の他の形態例を示すフロントディスクブ
レーキ装置の概略図
【符号の説明】
1…液圧マスタシリンダ 2…有底のシリンダ孔 3…シリンダボディ 3a…リザーバ 3d…シリンダ孔2の底壁 3e…シリンダ孔2の上部仕切壁 3f…シリンダ孔2の下部壁 4…ブレーキレバー(本発明の操作レバー) 5…フロントディスクブレーキ 7…キャリパボディ 8…主ピストン 8a…主ピストン8の小径軸 8b…小径軸8aの先端面 11…空室 12…円板状の隔壁 12a…ガイド孔 15…主液圧室 16…副ピストン 16a…副ピストン16の通孔 17…カップシール 18…副液圧室 19,20…リターンスプリング 22…リリーフポート 23…サプライポート 24…リザーバ3a内の貯液室 25…連通ポート25 26…ブリーダ孔 27…補給室 28…エア抜き用のブリーダスクリュ 29,30…出力ポート 31,32,34…ブレーキホース 33…ユニオンボルト 35…ジョイント 40…チェック弁 41…チェック弁のフロート C…小径軸8aの先端面8bと副ピストン16の小径頭
部の底壁間の間隙

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダボディに穿設された有底のシリ
    ンダ孔にピストンを内挿して、該ピストンとシリンダ孔
    の底壁との間に空室を画成し、シリンダ孔の内周面に別
    途のリザーバと連通するリリーフポートとサプライポー
    トとを開口し、前記ピストンがリリーフポートを閉塞し
    ながらシリンダ孔を底壁方向へ移動して、前記空室内部
    の作動液を昇圧し、該作動液をディスクブレーキやドラ
    ムブレーキのキャリパボディやホイールシリンダ等のア
    クチュエータへ供給して制動作用を行なう車両用液圧マ
    スタシリンダにおいて、前記空室に隔壁を液密に固設し
    て、該隔壁からシリンダ孔開口側に主液圧室を画成し、
    前記ピストンを主ピストンとなすと共に、前記隔壁とシ
    リンダ孔の底壁との間に副ピストンを液密且つ移動可能
    に内挿して、該副ピストンとシリンダ孔の底壁との間に
    副液圧室を画成し、該副ピストンと前記主ピストンと
    を、それぞれリターンスプリングにてシリンダ孔の開口
    部方向へ付勢し、前記主液圧室と副液圧室のそれぞれ
    に、前記アクチュエータと連通する出力ポートを開設
    し、前記主ピストンのシリンダ孔底壁側に小径軸を突設
    して、該小径軸を前記隔壁から副ピストンのシリンダ孔
    開口側へ突出配置し、該主ピストンの小径軸と副ピスト
    ンとの間に、前記主液圧室からアクチュエータへ供給さ
    れる作動液量が所定よりも増加した際に、前記主ピスト
    ンの小径軸が副ピストンに当接して、該副ピストンをシ
    リンダ孔底壁方向へ押動する間隙を設定したことを特徴
    とする車両用液圧マスタシリンダ。
JP2106596A 1996-02-07 1996-02-07 車両用液圧マスタシリンダ Pending JPH09207752A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003525168A (ja) * 2000-03-03 2003-08-26 フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー 車両のための油圧マスターシリンダー
WO2020170509A1 (ja) * 2019-02-22 2020-08-27 本田技研工業株式会社 油圧アクチュエータ構造および鞍乗り型車両

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