JPH09206914A - 密閉式給湯装置の給湯方法 - Google Patents

密閉式給湯装置の給湯方法

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JPH09206914A
JPH09206914A JP1744296A JP1744296A JPH09206914A JP H09206914 A JPH09206914 A JP H09206914A JP 1744296 A JP1744296 A JP 1744296A JP 1744296 A JP1744296 A JP 1744296A JP H09206914 A JPH09206914 A JP H09206914A
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JP
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ladle
molten metal
hot water
water supply
injection sleeve
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JP1744296A
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Inventor
Hiroaki Mitsuyoshi
博晃 三吉
Yasuo Mizunaga
康雄 水永
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラドル移送中の溶湯の滴下がほとんど無く、
かつ、給湯精度が高く、酸化物の混入がほとんどない高
品質の鋳造品を連続安定的に供給できる密閉式給湯装置
の給湯方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 密閉式給湯装置を使用する給湯方法にお
いて、溶解保持炉内に浸漬されたラドル内の溶湯液面
が、該ラドルの密閉蓋下面に接するようにラドル懸垂支
持昇降手段を操作して該ラドルを静止させ、ラドル吸入
口を開いて該ラドル内に溶湯を充満させた後、該吸入口
を閉じて該ラドルを移送し、ラドル付設の導管の溶湯吐
出側を射出スリーブ内に挿入した後、該ラドル内に加圧
ガスを注入することにより、ラドル内溶湯の所要量を射
出スリーブ内へ給湯する密閉式給湯装置の給湯方法であ
って、該ラドル内に注入する加圧ガスのラドル内残存量
が皆無か、または、殆ど無い状態まで該ラドル内に溶湯
を充満してから、加圧ガスによる射出スリーブへの給湯
を実施するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
またはマグネシウム合金などの溶湯をダイカストマシン
などの成形装置の射出スリーブへ給湯する密閉式給湯装
置および密閉式給湯装置の給湯方法に係り、特に給湯精
度の向上に配慮した密閉式給湯装置の給湯方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイカストマシンの射出スリーブ
へアルミニウム合金やマグネシウム合金などの溶湯を給
湯するには、従来、図6に示すように、溶解保持炉10
内の溶湯を酌み取ったラドル20を機械的機構を使用し
て上昇、または円弧状軌跡を描きながら横移動して傾斜
した射出スリーブ200の位置まで移動し、しかる後、
ラドル20内の溶湯を射出スリーブ内へ注湯するラドル
反転方式が採用されていた。また、図7に示すような上
部に蓋20aを有し底部に開口部(吸入口20c)を備
え、蓋20aに空気抜き20dを有する密閉式でないラ
ドル20を溶解保持炉10内へ浸漬し、底部の開口部2
0cよりラドル20内へ溶湯を侵入させた後に開口部2
0cを閉塞した後、傾斜した射出スリーブ200の位置
までラドル20を移動し、射出スリーブ200の軸線に
合わせてラドル20を傾斜しつつラドル底部を射出スリ
ーブ200内へ装入してから、底部の開口部20cを閉
塞状態から開放状態にしてラドル内部の溶湯を自然落下
させて射出スリーブ200内へ供給する(給湯する)方
法も採用されていた。この方式は底抜きラドル方式と呼
ばれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ラドル反転方式や底抜きラドル方式のいずれにおいて
も、射出スリーブへの注湯口(ラドルの吐出口)は、溶
湯をラドル内へ入れる場合にラドル本体を溶解保持炉内
へ浸漬するため、ラドル内部に溶湯が入るだけでなくラ
ドルの外周に溶湯が付着し、ラドルを射出スリーブの位
置まで移動し、その後の注湯動作中にラドル外周に付着
した溶湯と空気中の酸素とが反応して酸化物を生成し、
かつ、これが注湯中に滴下してラドル内部の溶湯ととも
に射出スリーブ内へ落下することとなる。この溶湯落下
物は空気に触れて酸化物を形成し、したがって、ダイカ
スト成形後の鋳造品にこの酸化物が混入して、品質の低
下を招くという問題があった。また、上述のラドル反転
方式や底抜きラドル方式のいずれにおいても、ラドル内
へ取り込む給湯量の精度が粗く、毎回の射出スリーブへ
の給湯量がばらつくために成形品品質が一定しないこと
から鋳造品品質を均一に保つことができないという難点
があり、給湯精度の向上が成形品品質の向上に欠かせな
いという背景があった。また、底抜き方式では、開口部
(吸入口20c)が底部中央に下側に向かって開口して
おり、ラドル内への溶湯の取り込み後の開閉装置のシー
ルが不完全であるとき、射出スリーブまでのラドルの移
送時に溶湯の滴下が起こり、危険であるばかりでなく作
業環境を著しく汚染するという問題があった。さらに、
上述のラドル(図6のラドル20や図7のラドル20)
では、給湯の初期に射出スリーブ内に落下する溶湯の落
下高さが大きく、大きな落下高さの際に周囲の空気の巻
き込みを誘発して鋳造品にブローホールなどの鋳造欠陥
を生じる惧れがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明(第1の発明)においては、アルミニウム
合金またはマグネシウム合金の溶湯をダイカストマシン
などの射出スリーブ内へ給湯する密閉式給湯装置であっ
て、溶湯の溶解保持炉内に浸漬されて懸架され底部側方
に突出して設けた上方に開口した連通遮断自在な溶湯の
吸入口を備えるとともに該吸入口を連通遮断する弁棒と
弁棒昇降用の弁棒シリンダとからなる開閉装置をラドル
本体の外部に備えたラドルと、該ラドル懸垂支持昇降手
段と、一端が該ラドル内に収納され他端が該ラドルより
突出して前記射出スリーブ内へ挿入され該ラドル内の溶
湯を前記射出スリーブへ注湯する導管と、該ラドル内溶
湯を排出するため該ラドル内の溶湯液面を加圧する加圧
ガスの注入手段とを備えるとともに、前記導管の溶湯吐
出側は、下方に向かって傾斜させるとともに、前記ラド
ル懸垂支持昇降手段の昇降方向を傾斜した前記射出スリ
ーブと平行に傾斜させた密閉式給湯装置を使用する給湯
方法において、溶解保持炉内に浸漬されたラドル内の溶
湯液面が、該ラドルの密閉蓋下面に接するようにラドル
懸垂支持昇降手段を操作して該ラドルを静止させ、前記
吸入口を開いて該ラドル内に溶湯を充満させた後、該吸
入口を閉じて該ラドルを移送し、前記導管の溶湯吐出側
を射出スリーブ内に挿入した後、該ラドル内に加圧ガス
を注入することにより、ラドル内溶湯の所要量を射出ス
リーブ内へ給湯する密閉式給湯装置の給湯方法であっ
て、該ラドル内に注入する加圧ガスのラドル内残存量が
皆無か、または、殆ど無い状態まで該ラドル内に溶湯を
充満してから、加圧ガスによる射出スリーブへの給湯を
実施するようにした。また、第2の発明の密閉式給湯装
置の給湯方法では、第1の発明の密閉式給湯装置におい
て、導管の吐出側先端を射出スリーブ内底面まで挿入し
て静止した後、給湯を開始し、給湯の進行に伴なう該射
出スリーブ内の溶湯液面上昇により該導管吐出側先端部
の溶湯浸漬深さが所定の値に達したとき該所定の溶湯浸
漬深さを一定に維持するように溶湯液面の上昇と同一速
度で該導管と一体的にラドルを傾斜方向に上昇させる
か、または、射出スリーブを傾斜方向に下降させつつ給
湯するようにした。
【0005】
【発明の実施の態様】本発明の密閉式給湯装置において
は、密閉式給湯装置を使用する給湯方法において、溶解
保持炉内に浸漬されたラドル内の溶湯液面が、該ラドル
の密閉蓋下面に接するようにラドル懸垂支持昇降手段を
操作して該ラドルを静止させ、前記吸入口を開いて該ラ
ドル内に溶湯を充満させた後、該吸入口を閉じて該ラド
ルを移送し、前記導管の溶湯吐出側を射出スリーブ内に
挿入した後、該ラドル内に加圧ガスを注入することによ
り、ラドル内溶湯の所要量を射出スリーブ内へ給湯する
密閉式給湯装置の給湯方法であって、該ラドル内に注入
する加圧ガスのラドル内残存量が皆無か、または、殆ど
無い状態まで該ラドル内に溶湯を充満してから、加圧ガ
スによる射出スリーブへの給湯を実施するようにした。
したがって、ラドルを溶湯の入った溶解保持炉内に浸漬
して、ラドル底部側方に突出して設けた上方開口の溶湯
吸入口を開き溶湯をラドル内に吸入してほぼ充満状態に
溶湯を取り込んだあと、ラドル本体を通過することなく
ラドル本体の側方を上下方向に昇降自在な弁棒と弁棒昇
降用の弁棒シリンダとからなる開閉装置で吸入口を閉塞
する。ラドル内への溶湯の取り込みが完了した後、ラド
ル懸垂支持昇降手段を操作してラドルを移送しラドルに
連結された導管吐出側先端を射出スリーブ底部のプラン
ジャチップ上面近くまで挿入し、不活性ガスなどの加圧
ガスをラドル内に吹き込んでこの押圧力によりラドル内
の溶湯を導管を経由して射出スリーブ内へ給湯する。こ
のとき、ラドル内に充満された溶湯を加圧するためにラ
ドル内に注入される加圧ガスは、該ラドル内に溶湯が充
満状態で余分な空間が無く、したがって余分な気体も無
いので圧力変化がなく、あらかじめ設定した所定の圧力
に保持された加圧ガスがその圧力を保持しつつ溶湯液面
を押圧して排出させ、射出スリーブへ供給されることと
なり、給湯条件が安定化する。一方、加圧ガスの押圧力
によるラドル内溶湯の排出、すなわち射出スリーブへの
溶湯の給湯量の制御は、該ラドル内に設置された溶湯液
面レベル検出センサを使用して、該溶湯液面レベル検出
センサの検出値があらかじめ設定した設定値に達するま
での間不活性ガスなどの加圧ガスを持続して供給する方
法を採用しているので、給湯量の精度が高く、毎回の射
出スリーブへの給湯量が均一化され、鋳造品品質が良好
に保持される。さらに、第2の発明では、導管の吐出側
先端を射出スリーブ内底面まで挿入して静止した後、給
湯を開始し、給湯の進行に伴なう該射出スリーブ内の溶
湯液面上昇により該導管吐出側先端部の溶湯浸漬深さが
所定の値に達したとき該所定の溶湯浸漬深さを一定に維
持するように溶湯液面の上昇と同一速度で該導管と一体
的にラドルを傾斜方向に上昇させるか、または、射出ス
リーブを傾斜方向に下降させつつ給湯するようにしてラ
ドル内溶湯を射出スリーブ内へ給湯するようにしたの
で、溶湯の落下高さが小さく、しかも導管吐出部先端を
溶湯内に浸漬するようにして溶湯を導入するから溶湯の
飛び散りや飛沫が無く、空気の巻き込みを防止できる。
また、その浸漬深さが少なくなるように浸漬深さが、た
とえば20mmになった後は液面の上昇とともに導管
(すなわちラドル)を同一速度で傾斜方向に沿って上昇
させるか、逆に射出スリーブを傾斜方向(軸方向)に沿
って下降させるようにしたので、導管の吐出部先端外側
に付着する溶湯も少なく、また、給湯終了後に毎回、酸
化物除去装置を用いて除去清掃するようにすれば、溶湯
酸化物の成形品混入がほぼ完全に防止される。したがっ
て、本発明の密閉式給湯装置では、従来技術に比べて、
給湯作業が簡便化され、毎回の給湯条件が均一化される
とともに、給湯精度が高く、ラドル移送中の溶湯の滴下
も少なく、かつ溶湯酸化物の混入も少ないので鋳造品品
質が良好に維持できる。
【0006】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図7はいずれも本発明の実施例
に係り、図1は密閉式給湯装置の全体構成図、図2は密
閉式給湯装置(給湯中)の要部拡大縦断面図、図3は密
閉式給湯装置(酸化物除去清掃中)の要部拡大縦断面
図、図4は図2のA−A視を示す非作業中の酸化物除去
装置の正面図、図5は図3のB−B視の作業中の酸化物
除去装置の位置状態を示す密閉式給湯装置の要部拡大縦
断面図、図6はレーザ光による液面レベルセンサの原理
を示す原理説明図、図7は超音波による液面レベルセン
サの使用状況を示す斜視図である。
【0007】図1に示すように、本発明に使用する密閉
式給湯装置1は、直立円筒状のラドル20を建屋(また
は構造物)50に傾斜して固設されたラドル懸垂支持昇
降シリンダ60のピストンロッド60aの先端に接続さ
れて懸架され、溶解保持炉10内にその大部分が浸漬さ
れるように保持したもので、ラドル20は上端部を天蓋
20aと密閉蓋20bとでそれぞれボルトナットを介し
て接合されて密閉されるとともに、底部側方に突出して
設けられ、溶解保持炉10内の溶湯Mがラドル20内へ
吸入するための上方に開口した開口部(吸入口20c)
を備えるとともに、吸入口20cと溶解保持炉10とを
連通遮断するための弁棒22と、天蓋20aに取り付け
られたサポート24aに載置固設された弁棒22の昇降
手段である弁棒シリンダ24とからなる開閉装置40を
備えている。
【0008】一方、天蓋20aと密閉蓋20bには、一
端がラドル20内へ下向きに貫通し、他端が湾曲してダ
イカストマシンの射出スリーブ200の傾斜した軸線X
−Xに沿って傾斜して下降する導管28が取り付けられ
るとともに、N2 ガスやArガス、CO2 ガスなどの不
活性ガス供給装置70から供給される不活性ガスをラド
ル20内へ注入する不活性ガス配管30が設けられる。
密閉蓋20aの上部に取り付けられたラドルサポート2
6は前記したようにラドル懸垂支持昇降シリンダ60の
ピストンロッド60aの先端に連結され、ラドル懸垂支
持昇降シリンダ60の操作によりラドル20や導管28
は一体的に傾斜した軸線X−Xに沿って昇降自在になっ
ている。
【0009】加圧ガスとしては、不活性ガスのほか、工
場内の廃棄ガスや燃焼ガスや通常の空気を使用すること
も出来るが、溶湯の酸化を防止するためには、酸素を含
まない不活性ガス(N2 ガス、Arガス、CO2 ガスな
ど)が望ましい。不活性ガス配管30は、不活性ガス供
給装置70を出た後、温度調節装置90を通過して所望
の温度に昇温されるよう構成され、不活性ガス供給制御
装置80により昇温温度や供給時間を任意に制御できる
よう構成される。また、3つの液圧シリンダである、ラ
ドル懸垂支持昇降シリンダ60と弁棒シリンダ24と後
述する酸化物除去装置100の掃除具昇降シリンダ11
0の油圧配管は、各々独立して図示しない油圧ユニット
に接続されるとともに、該油圧ユニットは、図示しない
プログラマブルコントローラと接続され、動作指令をプ
ログラマブルコントローラから受信して作動する。
【0010】また、図2〜図5に示すように、導管28
の吐出部先端28a外周に付着した溶湯や溶湯酸化物を
除去清掃する酸化物除去装置100が、サポート26の
導管吐出側に配設される。酸化物除去装置100は、図
4〜図5に示すような、導管28の外周を把持して導管
軸方向に摺動する左右一対の掃除具122を備えた掃除
具開閉シリンダ120と掃除具開閉シリンダ120を導
管軸方向に昇降させる掃除具昇降シリンダ110とより
構成され、溶湯の給湯中は掃除具開閉シリンダ120は
図2に示すように上方に後退させて置き、給湯作業終了
後毎回、図3に示すように導管28の吐出側先端部28
aに掃除具122を上下に摺動させて、導管外周に付着
した溶湯や溶湯酸化物を剥離除去する。なお、掃除具昇
降シリンダ110と掃除具開閉シリンダ120は、油圧
シリンダでなくエアシリンダとしてもよい。
【0011】さらに、ラドル20内には、溶湯液面レベ
ル検出センサ150が配設される。溶湯液面レベル検出
センサ150は、溶湯に接したとき通電状態となり溶湯
から離れると非通電状態となる昇降自在な接触棒センサ
(図2に示す湯面検知棒150a)としてもよいが、あ
るいは、たとえばレーザ光センサ160や超音波センサ
170などの非接触型の溶湯液面レベル検出センサ15
0を図3のように密閉蓋20bの上方に取り付け、密閉
蓋に設けた透明ガラスの貫通孔にレーザ光を透過させる
か、微細な貫通孔に超音波を通過させて溶湯液面レベル
を測定するようにすると、簡便で精度もよい。
【0012】レーザ光センサ160は、被測定物にレー
ザ光を照射し、その輝点の位置を受光レンズを通してイ
メージセンサに結像させることにより、被測定物の位置
を検出するものであり、その特徴は被測定物から離れて
被接触で測定可能で、反射光を利用するので色彩に左右
されず安定性が高いことである。一方、超音波センサ1
70は、その測定原理はレーザ光の場合とほぼ同様なも
のであり、レーザ光の代わりに超音波を被測定物に発射
し、その反射波を受信して被測定物までの距離を検出す
るもので、センサヘッド170aとアンプユニット17
0bとからなり、レーザ光センサ160と同様に、被測
定物までの距離を非接触で測定で測定可能で、溶湯の温
度、粘度に影響されず、腐食の問題もない。
【0013】以上のように構成された本発明の密閉式給
湯装置1の作動について説明する。まず、空のラドル2
0を溶解保持炉10内へ入れ、密閉蓋20bの下面と溶
解保持炉内溶湯液面レベルが一致するようにラドル懸垂
支持昇降シリンダ60を操作してラドル20を静止させ
る。次に、溶解保持炉10の溶湯液面レベルをラドル2
0の密閉蓋20b下面に合わせてラドル内に溶湯が充満
するようにし、図2のような状態に保持されたラドル2
0において、弁棒シリンダ24を操作して弁棒22を上
昇して吸入口20cを開状態にしてラドル20内の気体
を排出しつつ溶解保持炉10の溶湯Mをラドル20内に
自然吸入させる。
【0014】次に、ラドル20内への溶湯の充満が完了
した後、吸入口20cを閉じ、ラドル懸垂支持昇降シリ
ンダ60を操作して導管28の吐出部先端(導管吐出側
先端部)28aを下降させ、射出スリーブ200内のプ
ランジャチップ200aの上面に導管28の吐出部先端
28aを近接するよう調節したうえ、あらかじめ、たと
えば1.2kg/cm2 程度の低圧に加圧された不活性
ガスなどの加圧ガスを、不活性供給制御装置80を介し
て不活性ガス供給装置70により不活性ガス配管30を
通じてラドル20内へ注入すると、ラドル20内の溶湯
液面は加圧され導管28を流れ導管28の吐出部先端2
8aより落下して射出スリーブ200内へ注湯され始め
る。このとき、本発明では、ラドル内にほぼ充満状態で
溶湯が入れられており、ラドル内に充満された溶湯を加
圧するためにラドル内に注入される加圧ガスは、該ラド
ル内に溶湯が充満状態で余分な空間が無く、したがって
余分な気体も無いので圧力変化がなく、あらかじめ設定
した所定の圧力に保持された加圧ガスがその圧力を保持
しつつ溶湯液面を押圧して排出させ、射出スリーブへ供
給されることとなり、給湯条件が安定化する。なお、不
活性ガスは、温度調節装置90により溶湯温度に近接し
た、たとえば、250〜700℃の範囲の中の一定の温
度状態に加熱して供給することが望ましい。
【0015】注湯作業が開始されるとともに射出スリー
ブ200内に入った溶湯液面が次第に上昇し始めるので
導管28の吐出部先端28aがこの溶湯液面に約20m
m程浸漬された後、溶湯液面の上昇速度と同一速度で導
管28が上昇するようにラドル20を上昇させる。ある
いは、導管28の吐出部先端28aがこの溶湯液面に約
20mm程浸漬された後、溶湯液面の上昇速度と同一速
度で射出スリーブ200を軸方向(傾斜方向)に下降さ
せてもよい。こうすることにより、吐出部先端28aの
溶湯浸漬深さを前述の約20mmの一定値に保持しなが
ら射出スリーブ200内へ給湯することになる。この浸
漬深さは、通常20mm〜50mmの範囲でできるだけ
少ない方が導管吐出側先端部外周に付着する溶湯を少な
くできるので好ましい。このようにして、ラドル20内
に設置した溶湯液面レベル検出センサ150(具体的に
は、湯面検知棒150aを使用するか、またはレーザ光
センサ160や超音波センサ170を使用する)の検出
値があらかじめ設定した設定値に達するまで加圧ガスの
供給を継続し、設定値に達した時点で加圧ガスの供給を
停止して射出スリーブ200への給湯量を制御する。上
述の給湯量制御方法は、ラドル内に溶湯を充満してか
ら、加圧ガスをラドル内に注入して溶湯を排出を開始
し、排出終了のラドル内溶湯液面レベルのみを溶湯液面
レベル検出センサ150で把握するようにしたが、これ
に対して、図2に示すように、たとえば、湯面検知棒1
50aを2個設置し、排出開始と排出終了の両方のラド
ル内溶湯液面レベルを制御する方法も採用することが出
来る。また、この方法は、湯面検知棒150aばかりで
なく、レーザ光センサ160や超音波センサ170を使
用することも出来る。また、2個の湯面検知棒150a
を使用代わりに、湯面検知棒150aを昇降自在とし、
上方の液面レベル(溶湯排出開始レベル)を検知した
後、溶湯排出作業中に下方の液面レベル(溶湯排出終了
レベル)まで即座に下降させることにより、1個で済ま
せることも出来る。また、別の給湯方法として、前記の
ラドル20内に設置の湯面検知棒150aやレーザ光セ
ンサ160、超音波センサ170などの溶湯液面レベル
検出センサ150を使用して溶湯を規定量だけ供給し、
ラドル20内に射出スリーブ200への1回の給湯量の
みを吸入し、これを全部射出スリーブ200へ供給する
方法を採用することもできる。
【0016】以上述べた一連の作業手順(溶解保持炉1
0へのラドル20の浸漬、弁棒22の上昇によるラドル
内溶湯吸入作業、弁棒下降による吸入口20c閉止、導
管吐出部先端28aの射出スリーブ内挿入、加圧ガス
(不活性ガス)のラドル内注入、給湯中の導管上昇、ガ
スラドル内注入停止など)の順序起動停止プログラムを
あらかじめプログラマブルコントローラに入力して、こ
のプログラムに則り作業を自動的に継続させることもで
きる。なお、数回の給湯の度毎に、定期的に酸化物除去
装置100を使用して、導管吐出側先端部28a外周を
清掃し、発生した溶湯酸化物を除去しておくことが望ま
しい。
【0017】さらに、射出スリーブ200内への給湯時
に、導管28の吐出側先端部28aの浸漬深さをほぼ一
定に保って注湯するようにすれば、溶湯の射出スリーブ
200内への落下による撥ね飛びや飛沫がなく、空気巻
き込みが少ない。また、吐出側先端部28aの外側に付
着する溶湯の状況が毎回一定するとともに、給湯終了の
都度毎回、酸化物除去装置100を使用して吐出側先端
部28aの外側に付着した溶湯や酸化物を除去清掃する
ようにすれば、溶湯酸化物の成形品への混入がほとんど
無くなる。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の密閉式給湯
装置においては、ラドル移送中の滴下がほとんど無く、
かつ、ラドル内溶湯の排出のためにラドル内に注入する
加圧ガスの圧力変動が少ないので給湯条件が均一安定化
し、所定の給湯量の溶湯が正確に射出スリーブへ供給さ
れるので給湯精度が向上するとともに、不活性ガス等の
加圧ガスの吹き込みによる押圧力でラドル内溶湯を射出
スリーブへ給湯するから、酸化物の混入がほとんどな
く、注湯時の空気巻き込みも極力防止されるので、鋳造
欠陥のない高品質の鋳造品を連続安定的に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る密閉式給湯装置の全体構
成図である。
【図2】本発明の実施例に係る密閉式給湯装置(給湯
中)の要部拡大縦断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る密閉式給湯装置(酸化物
除去清掃中)の要部拡大縦断面図である。
【図4】図2のA−A視を示す非作業中の酸化物除去装
置の正面図である。
【図5】図3のB−B視の作業中の酸化物除去装置の位
置状態を示す密閉式給湯装置の要部拡大縦断面図であ
る。
【図6】従来の給湯装置の説明図である。
【図7】従来の給湯装置の説明図である。
【符号の説明】
1 密閉式給湯装置 10 溶解保持炉 10a るつぼ 20 ラドル 20a 天蓋 20b 密閉蓋 20c 吸入口 22 弁棒 24 弁棒シリンダ 24a サポート 26 ラドルサポート 28 導管 28a 吐出部先端(吐出側先端部) 30 不活性ガス配管 40 開閉装置 50 建屋(または構造物) 60 ラドル懸垂支持昇降シリンダ 60a ピストンロッド 70 不活性ガス供給装置 80 不活性ガス供給制御装置 90 温度調節装置 100 酸化物除去装置 102 サポート 110 掃除具昇降シリンダ 120 掃除具開閉シリンダ 122 掃除具 150 溶湯液面レベル検出センサ 150a 湯面検知棒 160 レーザ光センサ 170 超音波センサ 200 射出スリーブ 200a プランジャチップ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金またはマグネシウム合
    金の溶湯をダイカストマシンなどの射出スリーブ内へ給
    湯する密閉式給湯装置であって、溶湯の溶解保持炉内に
    浸漬されて懸架され底部側方に突出して設けた上方に開
    口した連通遮断自在な溶湯の吸入口を備えるとともに該
    吸入口を連通遮断する弁棒と弁棒昇降用の弁棒シリンダ
    とからなる開閉装置をラドル本体の外部に備えたラドル
    と、該ラドル懸垂支持昇降手段と、一端が該ラドル内に
    収納され他端が該ラドルより突出して前記射出スリーブ
    内へ挿入され該ラドル内の溶湯を前記射出スリーブへ注
    湯する導管と、該ラドル内溶湯を排出するため該ラドル
    内の溶湯液面を加圧する加圧ガスの注入手段とを備える
    とともに、前記導管の溶湯吐出側は、下方に向かって傾
    斜させるとともに、前記ラドル懸垂支持昇降手段の昇降
    方向を傾斜した前記射出スリーブと平行に傾斜させた密
    閉式給湯装置を使用する給湯方法において、 溶解保持炉内に浸漬されたラドル内の溶湯液面が、該ラ
    ドルの密閉蓋下面に接するようにラドル懸垂支持昇降手
    段を操作して該ラドルを静止させ、前記吸入口を開いて
    該ラドル内に溶湯を充満させた後、該吸入口を閉じて該
    ラドルを移送し、前記導管の溶湯吐出側を射出スリーブ
    内に挿入した後、該ラドル内に加圧ガスを注入すること
    により、ラドル内溶湯の所要量を射出スリーブ内へ給湯
    する密閉式給湯装置の給湯方法であって、 該ラドル内に注入する加圧ガスのラドル内残存量が皆無
    か、または、殆ど無い状態まで該ラドル内に溶湯を充満
    してから、加圧ガスによる射出スリーブへの給湯を実施
    することを特徴とする密閉式給湯装置の給湯方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載密閉式給湯装置の給湯方法
    において、 導管の吐出側先端を射出スリーブ内底面まで挿入して静
    止した後、給湯を開始し、給湯の進行に伴なう該射出ス
    リーブ内の溶湯液面上昇により該導管吐出側先端部の溶
    湯浸漬深さが所定の値に達したとき該所定の溶湯浸漬深
    さを一定に維持するように溶湯液面の上昇と同一速度で
    該導管と一体的にラドルを傾斜方向に上昇させるか、ま
    たは、射出スリーブを傾斜方向に下降させつつ給湯する
    ことを特徴とする密閉式給湯装置の給湯方法。
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