JPH0920592A - 多結晶ダイヤモンド板の製造方法 - Google Patents

多結晶ダイヤモンド板の製造方法

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JPH0920592A
JPH0920592A JP7169395A JP16939595A JPH0920592A JP H0920592 A JPH0920592 A JP H0920592A JP 7169395 A JP7169395 A JP 7169395A JP 16939595 A JP16939595 A JP 16939595A JP H0920592 A JPH0920592 A JP H0920592A
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JP
Japan
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diamond
polycrystalline diamond
single crystal
plate
polycrystalline
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JP7169395A
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English (en)
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Tamaki Iida
玉樹 飯田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 特に切削工具、耐摩工具、精密工具、半導体
材料、電子部品用に有用とされる、板厚の厚い、大型の
多結晶ダイヤモンド板を短時間で容易に得ることができ
る多結晶ダイヤモンド板の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の多結晶ダイヤモンドの製造方法
は、粒度が20μm以上の複数のダイヤモンド単結晶粒を
基板上に、隣り合ったダイヤモンド単結晶間の間隙を50
μm以下、ダイヤモンド単結晶粒の高さの差が50μm以
下となるように並べ、これに多結晶ダイヤモンドを成膜
して板厚が10μm以上の多結晶ダイヤモンド板を製造す
ることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多結晶ダイヤモンド
板の製造方法、特には切削工具、耐摩工具、精密工具、
半導体材料および電子部品用の大型の多結晶ダイヤモン
ド板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、大型の多結晶ダイヤモンド板を得
るには、シリコンウェハ等を基板に気相法ダイヤモンド
の合成法により長時間かけて多結晶ダイヤモンドを成長
させた後、シリコンウェハ等を取り除いて、多結晶ダイ
ヤモンド板を得るのが一般的とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この公知の方
法では、その製造に時間がかかりすぎるし、これにはま
た板厚の大きい多結晶ダイヤモンド板が得られないとい
う欠点があることから、この多結晶ダイヤモンド板の製
造方法については板厚の厚い、大型の多結晶ダイヤモン
ド板を短時間で容易に得ることができる方法が求められ
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、欠点を解決した多結晶ダイヤモンド板の製造方法に
関するもので、これは複数のダイヤモンド単結晶粒を基
台上に並べ、該粒子上に気相からダイヤモンドを成長さ
せる方法において、隣り合ったダイヤモンド単結晶粒間
の間隙及びダイヤモンド単結晶粒子の高さの差をそれぞ
れ50μm以下となるように配置し、その上に一体化した
多結晶ダイヤモンドを成長させることを特徴とするもの
であり、これによれば板厚の厚い大型の多結晶ダイヤモ
ンド板を従来法にくらべて短時間で容易に得ることがで
きるという有利性が与えられる。つぎにこれをさらに詳
述する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明による多結晶ダイヤモンド
板の製造方法は前記したように、複数のダイヤモンド単
結晶粒を並べ、この粒子上に気相で多結晶ダイヤモンド
を成長させる方法で、このときに隣り合ったダイヤモン
ド単結晶粒間の間隙及びダイヤモンド単結晶粒子の高さ
の差をそれぞれ50μm以下となるように配置し、この上
に多結晶ダイヤモンドを10μm以上成長させるものであ
る。
【0006】まず、ここに基材として用いられる複数の
ダイヤモンド単結晶粒は、例えばダイヤモンド研摩材あ
るいは宝飾品用のダイヤモンドから適当にふるいなどで
選定すればよいが、このものは粒度が20μm未満の微細
粒では、得られる多結晶ダイヤモンド板の板厚が薄くな
って利用価値が下がってしまい、また複数のダイヤモン
ド単結晶の表面をダイヤモンドの入ったエタノール等の
分散液でエッチングしてダイヤモンドの核発生密度の向
上を図るときに不都合となるので、これは粒度が20μm
以上のダイヤモンド単結晶から選ばれるが、更に50〜 1
00μmの粒度のものとすることが好ましい。
【0007】また、基台上に並べられているダイヤモン
ド単結晶粒子はその隣り合っている粒子間の距離が50μ
mを超えると、このダイヤモンド単結晶粒子から成長し
た多結晶ダイヤモンド粒子がそれぞれ独立して大きくな
り、隣の結晶との間で一つに結合されることがなくなる
ので、これは50μm以下にして皿状の平坦な基台上に配
置することが必要で、この粒子間距離は好ましくは5〜
20μmで配置することがよい。さらに、この隣り合った
ダイヤモンド単結晶粒子の高さの差が50μmを超える
と、この単結晶上に成長する多結晶ダイヤモンド粒子の
形成が不均一となり、得られる多結晶ダイヤモンド板の
表面の凹凸状態が激しくなるので、このダイヤモンド単
結晶粒子の高さの差は50μm以下とすることが必要とさ
れるが、これは好ましくは0を超えた30μm以下の範囲
とすることがよい。
【0008】なお、この複数のダイヤモンド単結晶粒子
は上記したようにこれらの各粒子を50μm以下の間隔で
基板台上に配置されるが、この基板台はプラズマガスに
耐えられる基材とすることがよいということから、これ
はアルミナ、窒化ほう素、石英ガラス等からなるものと
すればよい。また、ここに並べられたダイヤモンド単結
晶上にダイヤモンドを成長させて多結晶ダイヤモンド板
を得るには、多結晶ダイヤモンドを単結晶上に少なくと
も10μm以上成長させることがよく、更に、好ましく
は、30μm以上成長させる。
【0009】本発明による多結晶ダイヤモンド板の製造
方法は、この基板台上に上記の条件で並べられた上記の
複数のダイヤモンド単結晶粒子上で気相からダイヤモン
ドを成長させるのであるが、この気相からのダイヤモン
ドの成長は従来から知られている熱フィラメント法(特
開昭58-91100号公報参照)、及びμ−CVD法(特開昭
58-110494号公報参照)、高周波CVD法(特開昭 58-
135117号公報参照)、直流CVD法(特開昭 60-221395
号公報参照)等とすればよく、このいずれで行なっても
よい。
【0010】なお、この多結晶ダイヤモンドの発生をプ
ラズマジェット法、火炎法とすると、ダイヤモンド単結
晶粒子間を50μm以下に保つのが不均一になり易く、粒
子間距離が50μmより大きくなると、粒間(粒子同士)
が結びつくのに時間がかかるし、粒間に欠陥ができ易
く、割れ易くなるという不利がある。
【0011】したがって、この多結晶ダイヤモンドの発
生は熱フィラメント法、μ−CVD法、高周波CVD
法、直流CVD法で行なわれるが、その中でもμ−CV
D法が好ましくこのμ−CVD法に使用するガスはガス
状の炭化水素、具体的には炭素数3以下の炭化水素と、
好ましくは水素、酸素、一酸化炭素または二酸化炭素と
からなるものとされ、これらを反応器に供給し、流通さ
せてダイヤモンド多結晶を形成させればよい。このさら
に具体的なガス組成としては、CH4 、H2の2成分系では
CH4= 0.1〜5容量%、H2=残部、CO、H2の2成分系で
はCO= 0.1〜7容量%、H2=残部、CH4 、H2、COの3成
分系では CH4=0〜5容量%、CO= 0.1〜30容量%、H2
=残部、 CH4、H2、CO2 の3成分系では CH4= 0.1〜10
容量%、 CO2=0〜20容量%、H2=残部とすればよい
が、これは CH4、H2、O2、CO2 、COの5成分系としても
よい。
【0012】このガスの組成はこれらのいずれであって
もよいが、成長速度が早いもの程、得ようとしている板
厚の厚い多結晶ダイヤモンド板の成長時間が短くなる
し、多結晶ダイヤモンド板に含まれる炭素の量もシリコ
ンウェハ上に成長させた多結晶ダイヤモンド板に比較し
て非常に少ないものになる。
【0013】このダイヤモンド成長のためのガス流量は
反応管径などにより異なるが、1〜2,000cc/分、好まし
くは10〜500cc/分とすればよく、この反応における反応
器内雰囲気ガスの組成は反応転化率が低いために、流量
ガスの組成は原料混合ガスの流量とほぼ同じとすればよ
い。なお、この場合における基材(ダイヤモンド単結晶
粒子)の温度は 500℃未満ではダイヤモンド析出速度が
遅くなったり、析出物の結晶性、均一性が失われたりす
るし、 1,200℃を超えると析出、形成されたダイヤモン
ド多結晶膜が炭化されてしまうので、 500〜 1,200℃の
範囲、好ましくは 800〜 950℃の範囲とすることがよ
い。
【0014】また、このときの反応圧力は10-2Torr未満
ではダイヤモンドの析出が遅くなったり、析出が見られ
なくなったりするし、103Torr を越えるとプラズマの発
生が困難となるので、通常は10-2〜103Torr とすればよ
い。また、多結晶ダイヤモンドを成長させる為にはプラ
ズマ装置内を一担真空下にし、上記ガス、圧力等の条件
のもと多結晶ダイヤモンドの厚さをコントロールしなが
ら、ダイヤモンドを成長させる。なお、この反応時間は
目的とする多結晶ダイヤモンド板の板厚に直接関係する
ので、この板厚に応じて適宜設定すればよいが、通常は
10〜 200時間、好ましくは20〜 100時間とすればよい。
このことにより、単結晶上に多結晶ダイヤモンドを成長
させるのであるが、肉厚のダイヤモンド層である為、基
台と多結晶ダイヤモンドの熱膨張率の差でダイヤモンド
板の剥離が容易となる。この様にして得られた多結晶ダ
イヤモンド板は表面を研磨して透明にして、有人ロケッ
トの窓材やエレクトロニクス用放熱基板等に利用した
り、また表面を研磨しない場合は、切削工具の刃部(イ
ンサート工具)として利用される。
【0015】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例1 粒度が50〜70μmで高さの最大の差が20μmであるダイ
ヤモンド単結晶粒を粒間が30μmになるように、μ−C
VD装置の石英ガラスからなる基板上に並べ、このμ−
CVD装置の反応器を0.02Torrまで真空にした後、反応
器内にガス組成が CH4=3容量%、H2=96容量%、CO=
1容量%である CH4-H2-CO組成の混合ガスを300cc/分で
導入して 0.2Torrにした。
【0016】ついで、この反応器に 2.45GHzの高周波電
力を5kW投入して多結晶ダイヤモンドを発生させ、多結
晶ダイヤモンドをダイヤモンド単結晶粒の上にその厚さ
が30μmとなるように成膜したところ、25時間後に板厚
が平均90μmである多結晶ダイヤモンド板が得られた。
【0017】比較例1 6Bシリコンウェハの表面を粒度を5μm以下のダイヤモ
ンドパウダーを10重量%混合したエタノール溶液に浸漬
し、超音波洗浄器で粗面化した。ついで、このシリコン
ウェハをμ−CVD装置の反応器内に入れ、反応器内を
0.02Torrまで真空とした後、実施例1と同様の CH4-H2-
CO組成の混合ガスを反応器内に導入し、0.2Torr にし、
ここに実施例1と同様の高周波電力を5kW投入して多結
晶ダイヤモンドをシリコンウェハ上に成膜したところ、
この場合には板厚が平均90μmの多結晶ダイヤモンド板
を得るのに80時間が必要とされた。
【0018】実施例2 粒度が20〜25μmで高さの最大の差が5μmであるダイ
ヤモンド単結晶粒を粒間が6〜8μmになるように、μ
−CVD装置の窒化ほう素からなる基板上に並べ、この
μ−CVD装置の反応器を0.02Torrまで真空にした後、
反応器内に実施例1で使用したものと同一組成の CH4-H
2-CO組成の混合ガスを導入し、0.2Torrとした。つい
で、この反応器に実施例1と同様の高周波電力を5kW投
入して多結晶ダイヤモンドを基板上のダイヤモンド単結
晶粒上に厚さが10μmになるように成膜させたところ、
15時間後に板厚が平均30μmである多結晶ダイヤモンド
板が得られた。
【0019】実施例3 粒度が80〜 100μmで高さの最大の差が20μmであるダ
イヤモンド単結晶粒を粒間が40〜50μmになるように、
μ−CVD装置の石英ガラスからなる基板上に並べ、こ
のμ−CVD装置の反応器を0.02Torrまで真空とした
後、反応器内に実施例1で使用したものと同一組成の C
H4-H2-CO組成の混合ガスを導入し、0.2Torr とした。
【0020】ついで、この反応器に実施例1と同様の高
周波電力を5kW投入して多結晶ダイヤモンドを基板上の
ダイヤモンド単結晶上に厚さが30μmになるように成膜
したところ、25時間後に板厚が平均 100μmである多結
晶ダイヤモンド板が得られた。
【0021】比較例2 粒度が10〜15μmで高さの最大の差が5μmであるダイ
ヤモンド単結晶粒を粒間が1〜2μmとなるように、μ
−CVD装置の窒化ほう素からなる基板に並べ、以下実
施例2と同様の方法で多結晶ダイヤモンドを発生させ、
これをダイヤモンド単結晶粒上に成膜させようとしたと
ころ、この場合にはダイヤモンド単結晶粒が粒度10〜15
μmで20μm未満のためにここに成膜される多結晶ダイ
ヤモンドが成長せず、得られた多結晶ダイヤモンド板は
板厚が20μm以下の薄いものとなり、実用性に欠けるも
のとなった。
【0022】比較例3 実施例3におけるダイヤモンド単結晶粒のμ−CVD装
置の石英ガラスからなる基板への配置を粒間が60〜70μ
mになるように並べたほかは実施例3と同様に処理して
多結晶ダイヤモンド板を作ったところ、この場合にはダ
イヤモンド単結晶粒の粒間が60〜70μmと広いために、
各々の粒部分のダイヤモンドが拡張しても粒同士が結合
されるまでに到らず、多結晶ダイヤモンド板を得ること
ができなかった。
【0023】比較例4 実施例3において、粒度が80〜 130μmで高さの最大の
差が50μmであるダイヤモンド単結晶粒を粒間を60〜70
μmになるように並べたほかは実施例3と同様に処理し
て多結晶ダイヤモンド板を作ったところ、ダイヤモンド
単結晶の1つづつが成長して大きくなっただけで、各々
のダイヤモンド単結晶粒どうしは結合されるまでには至
らなかった。このため多結晶ダイヤモンド板を得ること
ができなかった。
【0024】比較例5 比較例4において、粒度が80〜 140μmで高さの最大の
差が60μmであるダイヤモンド単結晶粒を粒間を10〜20
μmになるよう狭めて並べ、実施例3と同様に処理して
多結晶ダイヤモンド板を作ったところ、非常に凹凸の大
きいものが出来、場所によっては大きい粒子から成長し
た部分が覆いかぶさる様な形状となり、目的とする多結
晶ダイヤモンド板が得られなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明は多結晶ダイヤモンド板の製造方
法に関するものであるが、これによれば基材として少な
くとも20μm以上のダイヤモンド単結晶粒が使用され、
これらがその粒子間の間隙が50μm以下、その高さの差
が50μm以下のものとされ、この上に多結晶ダイヤモン
ドが成膜されるので、板厚の厚い大型の多結晶ダイヤモ
ンド板を短時間で容易に得ることができるという有利性
が与えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 28/14 7202−4G C30B 28/14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のダイヤモンド単結晶粒を基台上に
    並べ、該粒子上に気相からダイヤモンドを成長させる方
    法において、隣り合ったダイヤモンド単結晶粒間の間隙
    及びダイヤモンド単結晶粒子の高さの差をそれぞれ50μ
    m以下となるように配置し、その上に一体化した多結晶
    ダイヤモンドを成長させることを特徴とする多結晶ダイ
    ヤモンド板の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数のダイヤモンド単結晶粒の粒度が少
    なくとも20μm以上である請求項1に記載の多結晶ダイ
    ヤモンド板の製造方法。
  3. 【請求項3】 多結晶ダイヤモンドを10μm以上単結晶
    ダイヤモンド上に成長させることよりなる請求項1又は
    2に記載のダイヤモンド板の製造方法。
JP7169395A 1995-07-05 1995-07-05 多結晶ダイヤモンド板の製造方法 Pending JPH0920592A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006305707A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Disco Abrasive Syst Ltd 切削ブレード及び切削ブレードの製造方法
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