JPH09205774A - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

電力変換器の制御装置

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JPH09205774A
JPH09205774A JP8122500A JP12250096A JPH09205774A JP H09205774 A JPH09205774 A JP H09205774A JP 8122500 A JP8122500 A JP 8122500A JP 12250096 A JP12250096 A JP 12250096A JP H09205774 A JPH09205774 A JP H09205774A
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voltage
inverter
capacitor
reactor
power converter
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JP8122500A
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Satoshi Inarida
聡 稲荷田
Kiyoshi Nakamura
中村  清
Satoru Ito
知 伊東
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 交流側にLCフィルタ等の共振要素を有する
電力変換器において、共振成分を抑制し、電圧制御系の
応答を高め、かつ、基準電圧に対する追従性が高く、定
常偏差のない基準交流電圧指令と一致した交流出力電圧
を得ることにある。 【解決手段】 インバータ装置2の交流側に接続したリ
アクトル31およびコンデンサ32からなるフィルタ装
置を介して負荷に電力を供給する電力変換器の制御装置
において、コンデンサ電圧を基準交流電圧に制御する電
圧制御手段5と、リアクトル電流に流れる電流を検出す
るリアクトル電流検出手段81〜83と、電圧制御手段
の出力するインバータ交流電圧指令値に基づいてインバ
ータ装置を駆動するPWM信号を発生するPWM信号発
生手段7を備え、インバータ交流電圧指令値にリアクト
ルに流れるリアクトル電流を帰還することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流から交流を得
る電力変換器の制御装置に係わり、特に、交流側に共振
要素を有する系における交流電圧の瞬時制御を行う電力
変換器の制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、交流電圧の瞬時制御を行う方式に
は、d−q変換等の座標変換を用いた制御方式や、特開
平7−20906号公報のように、電圧偏差補償要素に
基準交流電圧の周波数と一致する正弦波伝達関数を持た
せることによって、交流電圧を高速かつ定常偏差なしに
制御する方式がある。これらの制御方式は、交流電圧の
基本周波数についての瞬時追従性、定常特性は非常に良
い。しかしながら、電力変換器が交流側にLCフィルタ
のような共振要素を有し、電圧制御を行う場合には、フ
ィルタの共振周波数成分の抑制をすることができないた
め、ゲインを下げる等の処置を行う必要があり、高い追
従性を得ることができない。ところで、LCフィルタの
共振を抑制するもとのとして、特開平7−31156号
公報に記載の例がある。この公知例では、瞬時電圧制御
を用いると共に交流出力電圧を直流レベルに変換し、直
流レベルの電圧を基準値に制御する平均値制御を行って
いる。しかしながら、この公知例の中でも述べられてい
るように、LCフィルタを含む共振系の瞬時電圧制御に
おいては、制御ゲインを高めることができないので、高
い制御応答性を得ることができない。このことは、この
公知例中で論じられている瞬時電圧制御手段についても
言及することができ、この瞬時電圧制御手段は、補助的
な役割にしかすぎず、結果的に交流出力電圧の制御応答
は、平均値レベルにおける制御によって決定することに
なる。また、交流電圧の制御を直流レベルに変換して基
準直流レベルに制御する場合には、この公知例の中でも
述べられているように、制御ゲインを上げることができ
ないので、高い応答性を得ることはできない。また、直
流レベルの制御であるため、交流電圧の位相を制御でき
ない、という問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の事情に鑑み、交流側にLCフィルタ等の共振要素を有
する電力変換器において、共振成分を抑制し、電圧制御
系の応答を高め、かつ、基準電圧に対する追従性が高
く、定常偏差のない基準交流電圧指令と一致した交流出
力電圧を得るに好適な電力変換器の制御装置を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、直流電源か
ら交流電源を得るインバータ装置の交流側にリアクトル
およびコンデンサなどの共振要素を有する電力変換器の
制御装置において、インバータ交流電圧指令値にリアク
トルに流れるリアクトル電流を帰還すること、または、
インバータ交流電圧指令値にリアクトルに流れるリアク
トル電流と負荷に流れ込む負荷電流の差分を帰還するこ
と、または、インバータ交流電圧指令値にコンデンサに
流れるコンデンサ電流を帰還することによって、解決さ
れる。また、インバータの出力電圧とコンデンサ電圧に
基づいて算出したリアクトル電流をインバータ交流電圧
指令値に帰還することによって、解決される。また、コ
ンデンサ電圧をインバータ交流電圧指令値に加算して帰
還することによって、解決される。
【0005】ここで、リアクトル電流またはコンデンサ
電圧を帰還することによって、LCフィルタの振動が永
久振動となる系から減衰振動的な系もしくは非振動的な
系となるので、LCフィルタの共振成分による交流電圧
の振動を抑えることができ、電圧制御手段のゲインを高
めても共振を発生することがなくなる。この結果、高速
応答性を得ることができ、同時に、基準電圧に対する追
従性が高く、定常偏差のない基準交流電圧指令と一致し
た交流出力電圧を得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す
電力変換器の制御装置の構成図である。図1において、
インバータ装置2は、PWM信号発生手段7によって制
御され、直流電源1を交流電圧に変換し、リアクトル3
1およびコンデンサ32によって構成されるLCフィル
タを介し、交流負荷4に交流電圧を供給する。電圧制御
系5は、電圧検出手段84〜86によって検出した電圧
信号vcu,vcv,vcwと位相θを座標変換手段5
1に入力し、検出した電圧信号vcu,vcv,vcw
を座標変換手段51によってd軸成分Vdおよびq軸成
分Vqに変換し、Vdは交流電圧の実効値Vrmsに、
また、Vqは零になるように減算器52,53および電
圧調整手段54,55によって極座標上の電圧指令値V
drおよびVqrを発生し、これを位相θと共に逆座標
変換手段56に入力し、逆座標変換手段56によって3
相成分に変換し、指令値Vu,Vv,Vwを発生する。
ここで、電圧制御系5は、インバータによって3相交流
を得る場合に多く用いられているd−q変換を用いた交
流電圧の瞬時電圧制御方式であり、一般に定常誤差を持
つことなく、交流量を制御できることが知られており、
交流側に共振系がない場合には有効である。しかしなが
ら、この瞬時電圧制御方式ではLCフィルタの共振成分
の振動を抑制することはできない。そこで、本実施形態
では、この瞬時電圧制御方式に電流検出手段81〜8
3、ゲイン調整器61〜63、減算器64〜66を加
え、電流検出手段81〜83の出力電流信号(リアクト
ル電流)iu,iv,iwをゲイン調整器61〜63に
入力し、ゲイン調整器61〜63の出力を減算器64〜
66によって電圧制御系5の出力する指令値Vu,V
v,Vwから減算し、この結果得たインバータ2の相電
圧指令値をPWM信号発生手段7に入力し、インバータ
2を駆動するPWM信号を得る。
【0007】以下、本実施形態において、LCフィルタ
を交流回路側に持つインバータ回路において、LCフィ
ルタの共振周波数の振動を抑制する原理について説明す
る。図2(a)に、インバータからコンデンサ電圧まで
のブロック線図を示す。ここで、インバータは電圧指令
値に準じた電圧を遅れなく出力するものとすると、この
ときの電圧制御系5の出力端からコンデンサ電圧までの
伝達関数は、
【数1】 となる。このような伝達関数は、二次遅れ要素と呼ば
れ、文献:「制御工学」深海他,東京電機大学出版局,
昭和60年9月のP44〜p46によれば、LCフィル
タの共振角周波数成分の振動が発生し、永久に継続され
ることになる。そこで、本実施形態では、リアクトル電
流iu,iv,iwを電圧制御系5の出力に帰還し、イ
ンバータ2の出力電圧指令値を得る。図2(b)に、リ
アクトル電流を帰還した場合のブロック線図を示す。こ
こでは、帰還ゲインの一例として比例分をKdのみの場
合を考える。このときの伝達関数は、
【数2】 となる。この伝達関数は、リアクトル電流の帰還によっ
て分母の成分にsの項が生成され、Kdの選び方によっ
て永久振動の系を非振動的な系(Kd≧2√L/C)ま
たは減衰振動的な系(Kd<2√L/C)とすることが
できる。実際には、共振回路中にも多かれ少なかれ抵抗
分Rが存在することから、これを考慮してKdを設定す
ることになる。しかして、永久振動系を減衰振動もしく
は非振動的にし、共振角周波数成分の振動を抑制するこ
とができる。
【0008】以上のように、本実施形態は、リアクトル
電流のフィードバックによって共振角周波数成分を抑制
した系を制御対象として、先に述べた座標変換を用いる
電圧制御系5によって、定常誤差なく、交流量を制御で
きる交流出力電圧の制御を行う。これによって、本実施
形態では、LCフィルタの共振成分の振動を抑制するた
め、電圧制御手段のゲインを高めても共振を発生するこ
とがなくなり、高速応答を得ることができ、また、基準
電圧に対する追従性が高く、定常偏差のない基準交流電
圧指令と一致した交流出力電圧を得ることができる。
【0009】図1の実施形態では、リアクトル電流を帰
還し、共振角周波数成分の抑制を行っているが、負荷電
流が共振成分の抑制効果に与える影響をなくする必要が
ある場合には、図3に示すように、電流検出手段87,
88,89によって負荷電流iLu,iLv,iLwを
検出し、リアクトル電流iu,iv,iwから負荷電流
iLu,iLv,iLwを減算して帰還する。この結
果、帰還する電流はLCフィルタ内を流れる電流のみに
なるので、負荷電流が共振成分の抑制に与える影響をな
くすることができる。ところで、リアクトル電流から負
荷電流を減算した電流は、コンデンサに流れ込む電流と
等しい。このことから、図4に示すように、電流検出手
段181,182,183によってコンデンサ電流ic
u,icv,icwを検出し、このコンデンサ電流ic
u,icv,icwを帰還しても、図3に示した実施形
態と同様の効果が得られる。
【0010】なお、図1の実施形態では、リアクトル電
流の検出を3相個別に行っているが、2相分についての
み検出し、他の1相については検出した2相から求め、
帰還してもよい。また、図1、図3および図4の実施形
態では、相電圧を検出して電圧の制御を行っているが、
線間電圧を検出してもよい。
【0011】図5は、本発明の他の実施形態を示す。図
5の電圧制御系9は、各相ごとに電圧制御を行う電圧制
御系90を備え、相電圧の瞬時値vcu*を発生する基
準電圧発生器91の出力から電圧検出手段84(図1、
図3および図4)の検出した交流出力電圧の瞬時値信号
vcuを減算器92によって減算することによって、電
圧の偏差を求め、基準電圧周波数と同一の周波数の正弦
波伝達関数を内部に持つ電圧補償回路93に入力し、U
相電圧指令値Vuを得るように構成する。同様に、電圧
制御系90をV相およびW相にも設け、V相電圧指令値
VvおよびW相電圧指令値Vwを得る。このようにして
得た電圧制御系90の指令値Vu,Vv,Vwから、図
1、図3および図4で説明したと同様に、ゲイン調整器
61〜63を介したリアクトル電流iu,iv,iwを
減算し、この結果得たインバータ2の相電圧指令値をP
WM信号発生手段7に入力し、インバータ2を駆動する
PWM信号を得る。
【0012】ここで、電圧補償回路93の正弦波伝達関
数Gs(s)は、
【数3】 (ただし、Ksはゲイン、ωは基準電圧の角周波数であ
る。)とする。この正弦波伝達関数Gs(s)におい
て、基準電圧周波数と同一の周波数ωの場合、分母が
(jω)2+ω2=−ω2+ω2=0となるので、ωに対す
る周波数成分のゲインGs(s)は無限大になる。これ
は、U相電圧指令値Vuと交流出力電圧値が一致するこ
とを意味し、電圧補償回路93に正弦波伝達関数を持た
せることによって、基本波成分の追従性を改善し、定常
誤差のない交流出力電圧を得ることがきる。
【0013】このように、図5の実施形態では、図1に
示した実施形態と同様に、LCフィルタの共振成分の振
動を抑制し、基本波成分の追従性を改善し、基準交流電
圧指令と一致した交流出力電圧を得ることができ、交流
電圧を定常偏差のない瞬時電圧制御を実現できる。
【0014】また、図5の実施形態では電圧制御系90
を3相個別に設けているが、図6の実施形態のように、
3相のうちの2相分(例えば、U相とV相)についての
み電圧制御系90を設け、他の1相分(W相)の指令値
(Vw)については、電圧制御系を持つ2相分の指令値
(Vu,Vv)から求めることが可能である。また、図
7に示すように、正弦波伝達関数を有する電圧制御系9
0を交流電圧の制御に用いた場合には、LCフィルタを
交流側に持つ単相のインバータ装置の制御にも適用でき
る。図7において、減算器97により電圧制御系90の
出力する指令値からリアクトル電流icを減算し、この
結果得たインバータの電圧指令値をPWM信号発生手段
71に入力し、インバータを駆動するPWM信号を得
る。
【0015】図8は、本発明の他の実施形態を示す。本
実施形態は、上述した各実施形態に比し、電流検出器を
設けない点に特徴を有する。一般に、電流検出手段の検
出誤差は、電圧検出手段の検出誤差に比べ大きく、電流
検出手段の発生する検出誤差よって制御の精度が低下す
ることがある。図8において、図1と同一部分は、同一
番号を記して説明を省略する。本実施形態は、PWM信
号発生装置7の出力であるPWM信号を増幅器167〜
169に入力し、直流電源電圧Edを乗じる。さらに、
増幅器167〜169の出力から減算器67〜69を用
いて電圧検出手段84〜86によって検出したコンデン
サ電圧vcu,vcv,vcwを減じ、この結果を積分
器164〜166によって積分し、増幅器191〜19
3を介して電圧制御手段5の出力Vu,Vv,Vwから
減算器64〜66によって減じ、PWM信号発生手段7
に入力する。ここで、PWM信号と直流電圧Edの積つ
まり増幅器167〜169の出力は、インバータ2の出
力電圧であり、これからコンデンサ電圧vcu,vc
v,vcwを減じると、リアクトル電圧となる。また、
リアクトル電圧の積分はリアクトル電流であり、これを
電圧制御手段5の出力から減じ、インバータ2の出力電
圧指令値を算出する。PWM信号発生手段7に入力され
るこの指令値は図1で述べている指令値と等価となる。
なお、vcu*,vcv*,vcw*はU相,V相,W相
のそれぞれの相電圧の瞬時値を表わす。
【0016】本実施形態では、図1の実施形態と同様の
効果、つまり、LCフィルタの共振成分の振動を抑制す
ることができ、電圧制御系のゲインを高くすることによ
って、交流電圧の制御応答を高めることができ、基準交
流電圧指令と一致した交流出力電圧を得ることができ
る。また、本実施形態では、上述した各実施形態のよう
な電流検出手段を新たに設ける必要がなくなるので、電
流検出手段によって発生する検出誤差の影響がなくな
り、制御系の精度を向上できる。また、電流の算出は容
易に実行が可能であるので、装置の価格の低減を図るこ
とができる。
【0017】図8の実施形態は、PWM信号に直流電源
電圧Edを乗じているが、直流電源電圧が変動し、この
電圧の変動による影響を少なくする場合には、図9に示
すように、図8における増幅器167〜169に代わ
り、PWM信号を乗算器161〜163に入力し、直流
電源電圧検出手段11によって検出した直流電源電圧E
dを乗じ、インバータ2の出力電圧を算出する。これに
よって、直流電源1の電圧Edに変動がある場合にも、
正確にインバータの出力電圧およびリアクトル電流を算
出することができるので、電圧Edに変動がある場合に
も、変動の影響を極力少なくすることができ、電圧Ed
に変動があっても、図8に示す実施形態と同様の効果を
得ることができる。
【0018】図8、図9の実施形態では、リアクトル電
流の算出を3相個別に行っているが、3相のうちの2相
分(例えば、U相とV相)についてのみ設け、残りの1
相分(W相)については、他の2相分から求めることが
可能である。また、図8、図9の実施形態は、LCフィ
ルタを交流側に持つ単相のインバータ装置の制御にも適
用できる。
【0019】図10は、本発明の他の実施形態を示す。
本実施形態は、上述した各実施形態に比し、コンデンサ
電圧をインバータの相電圧指令値に正帰還する点に特徴
を有する。図10において、図1と同一部分は、同一番
号を記して説明を省略する。本実施形態は、相電圧の瞬
時値vcu*,vcv*,vcw*から電圧検出手段84
〜86の検出信号vcu,vcv,vcwを減算器17
1〜173により減算して偏差値を求め、この偏差値を
0にするように電圧調整手段57〜59によって指令値
Vu,Vv,Vwを発生する。一方、電圧検出手段84
〜86の検出信号vcu,vcv,vcwをゲイン調整
器174〜176に入力し、ゲイン調整器174〜17
6出力を電圧制御系5の出力する指令値Vu,Vv,V
wに加算し、この結果得たインバータ2の相電圧指令値
をPWM信号発生手段7に入力し、インバータ2を駆動
するPWM信号を得る。すなわち、コンデンサ電圧vc
u,vcv,vcwをインバータ2の相電圧指令値に正
帰還する。
【0020】ここで、本実施形態において、コンデンサ
電圧の正帰還によってLCフィルタの共振周波数の振動
を抑制する原理について説明する。図11は、コンデン
サ電圧をインバータの相電圧指令値に正帰還した場合の
一相分のブロック線図である。ここでは、帰還ゲインの
一例として比例分Kvのみとした場合を考える。このと
きのインバータ電圧指令からコンデンサ電圧までの伝達
関数は、
【数4】 となる。(ただし、Rはフィルタリアクトルの抵抗分で
ある。) 前出の文献:「制御工学」によれば、系の振動特性は、
【数5】
【数6】 の大小関係によって決定する。ここで、これらをKvに
ついて整理すると、
【数7】 のとき、非振動減衰となり、
【数8】 のとき、臨界減衰となり、
【数9】 のとき、で減衰振動となる。そこで、(数7)もしくは
(数8)を満たすように、Kvを設定すると、系を非振
動的にすることができ、系の共振を抑制することができ
る。また、(数9)を満たすように、Kvを設定して
も、振動の減衰を速めることができ、系の安定性を改善
することができる。
【0021】このように、本実施形態では、コンデンサ
電圧を正帰還することによって、LCフィルタの共振を
非振動的もしくは振動の減衰を速めることができ、系の
共振要素があった場合にも系が安定化され、電圧制御系
のゲインを高めても共振することなく、制御応答性を高
めることができる。
【0022】なお、本発明は、図1、図3〜図7もしく
は図8、図9と図10の実施形態をあわせて実施するこ
とによって、LCフィルタによる共振の抑制効果をさら
に改善できることは云うまでもない。また、本発明の実
施形態として、LCフィルタを介して交流負荷が接続さ
れる場合を説明したが、交流側に変圧器が含まれる場合
にも、本発明は容易に適用できる。この場合、電圧検出
および電流検出は変圧器の二次側で行ってもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
交流側に共振要素を有する直流を交流に変換するインバ
ータ装置において、電力変換器の出力電流すなわちフィ
ルタリアクトル電流をフィードバックすることにより、
共振要素の発生する振動を抑制することができ、このた
め、電圧制御系のゲインを高めても共振することなく、
制御応答性を高めることができ、同時に、基準電圧に対
する追従性が高く、定常偏差のない基準交流電圧指令と
一致した交流出力電圧を得ることができる。また、帰還
する電流を共振要素内を流れる電流のみとすることによ
って、特に、負荷電流が共振成分の抑制に与える影響を
なくすることができる。また、フィルタリアクトル電流
を電力変換器の出力電圧から算出することにより、新た
に電流検出手段を設ける必要がなくなるので、電流検出
手段によって発生する検出誤差がなくなり、特に、制御
系の精度の向上を図ることができ、また、装置の価格の
低減を図ることができる。また、コンデンサ電圧を正帰
還することによって、特に、共振要素の共振を非振動的
もしくは振動の減衰を速めることができ、系の共振要素
があった場合にも系が安定化され、電圧制御系のゲイン
を高めても共振することなく、制御応答性を高めること
ができる。また、電圧制御系に正弦波伝達関数を持たせ
ることによって、特に、基本波成分の追従性を改善し、
基準交流電圧指令と一致した交流出力電圧を得ることが
でき、交流電圧を定常偏差のない瞬時電圧制御を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す電力変換器の制御装
置の構成図
【図2】LCフィルタの共振周波数成分を抑制する原理
を説明するためのブロック線図
【図3】本発明の他の実施形態を示す構成図
【図4】本発明の他の実施形態を示す構成図
【図5】本発明の他の実施形態を示す構成図
【図6】本発明の他の実施形態を示す構成図
【図7】本発明を単相の電力変換器に適用した場合の実
施形態
【図8】本発明の他の実施形態を示す構成図
【図9】本発明の他の実施形態を示す構成図
【図10】本発明の他の実施形態を示す構成図
【図11】LCフィルタの共振周波数成分を抑制する原
理を説明するためのブロック線図
【符号の説明】
1 直流電圧源 11 電圧検出手段 2 インバータ装置 31 LCフィルタを構成するリアクトル 32 LCフィルタを構成するコンデンサ 4 電力変換装置の負荷 5 電圧制御系 51 座標変換装置 52,53 減算器 54,55,57,58,59 電圧調整手段 56 逆座標変換装置 61,62,63 ゲイン調整器 64,65,66,67,68,69 減算器 7,71 PWM信号発生装置 81,82,83 電流検出手段 84,85,86 電圧検出手段 87,88,89 電流検出手段 9 電圧制御系 90 電圧制御系 91 基準瞬時交流電圧発生装置 92 減算器 93 電圧補償回路 94,95 基準瞬時交流電圧発生装置 96,97 減算器 161,162,163 乗算器 164,165,166 積分器 167,168,169 増幅器 171,172,173 減算器 174,175,176 ゲイン調整器 177,178,179 加算器 181,182,183 電流検出手段 191,192,193 ゲイン調整器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源から交流電源を得るインバータ
    装置の交流側にリアクトルおよびコンデンサなどの共振
    要素を有する電力変換器の制御装置において、前記コン
    デンサ電圧を基準交流電圧に制御する電圧制御手段と、
    前記電圧制御手段の出力するインバータ交流電圧指令値
    に基づいて前記インバータ装置を駆動するPWM信号を
    発生するPWM信号発生手段を備え、前記インバータ交
    流電圧指令値に前記リアクトルに流れるリアクトル電流
    を帰還することを特徴とする電力変換器の制御装置。
  2. 【請求項2】 直流電源から交流電源を得るインバータ
    装置の交流側にリアクトルおよびコンデンサなどの共振
    要素を有する電力変換器の制御装置において、前記コン
    デンサ電圧を基準交流電圧に制御する電圧制御手段と、
    前記電圧制御手段の出力するインバータ交流電圧指令値
    に基づいて前記インバータ装置を駆動するPWM信号を
    発生するPWM信号発生手段を備え、前記インバータ交
    流電圧指令値に前記リアクトルに流れるリアクトル電流
    と負荷に流れ込む負荷電流の差分を帰還することを特徴
    とする電力変換器の制御装置。
  3. 【請求項3】 直流電源から交流電源を得るインバータ
    装置の交流側にリアクトルおよびコンデンサなどの共振
    要素を有する電力変換器の制御装置において、前記コン
    デンサ電圧を基準交流電圧に制御する電圧制御手段と、
    前記電圧制御手段の出力するインバータ交流電圧指令値
    に基づいて前記インバータ装置を駆動するPWM信号を
    発生するPWM信号発生手段を備え、前記インバータ交
    流電圧指令値に前記コンデンサに流れるコンデンサ電流
    を帰還することを特徴とする電力変換器の制御装置。
  4. 【請求項4】 直流電源から交流電源を得るインバータ
    装置の交流側にリアクトルおよびコンデンサなどの共振
    要素を有する電力変換器の制御装置において、前記コン
    デンサ電圧を基準交流電圧に制御する電圧制御手段と、
    前記電圧制御手段の出力するインバータ交流電圧指令値
    に基づいて前記インバータ装置を駆動するPWM信号を
    発生するPWM信号発生手段を備え、インバータの出力
    電圧と前記コンデンサ電圧に基づいて算出したリアクト
    ル電流を前記インバータ交流電圧指令値に帰還すること
    を特徴とする電力変換器の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、リアクトル電流は、
    インバータの出力電圧とコンデンサ電圧との差分を積分
    して算出することを特徴とする電力変換器の制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5において、イン
    バータの出力電圧は、直流電源の電圧とPWM信号発生
    手段の出力に基づいて演算することを特徴とする電力変
    換器の制御装置。
  7. 【請求項7】 直流電源から交流電源を得るインバータ
    装置の交流側にリアクトルおよびコンデンサなどの共振
    要素を有する電力変換器の制御装置において、前記コン
    デンサ電圧を基準交流電圧に制御する電圧制御手段と、
    前記電圧制御手段の出力するインバータ交流電圧指令値
    に基づいて前記インバータ装置を駆動するPWM信号を
    発生するPWM信号発生手段を備え、前記コンデンサ電
    圧を前記インバータ交流電圧指令値に加算して帰還する
    ことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれかにおい
    て、電圧制御手段は、座標変換を用いた3相交流電圧制
    御手段であることを特徴とする電力変換器の制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項7のいずれかにおい
    て、電圧制御手段は、基準交流電圧の周波数と等しい周
    波数成分の正弦波伝達関数を含んでいることを特徴とす
    る電力変換器の制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、正弦波伝達関数
    は、次式からなることを特徴とする電力変換器の制御装
    置。 Gs(s)=Ks(s/(s2+ω2)) (Ks:ゲイン ω:基準電圧の角周波数)
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