JPH09204049A - 感光性樹脂層体 - Google Patents

感光性樹脂層体

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JPH09204049A
JPH09204049A JP3013396A JP3013396A JPH09204049A JP H09204049 A JPH09204049 A JP H09204049A JP 3013396 A JP3013396 A JP 3013396A JP 3013396 A JP3013396 A JP 3013396A JP H09204049 A JPH09204049 A JP H09204049A
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JP
Japan
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photosensitive resin
exposure
photosensitive
saponification degree
component
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Application number
JP3013396A
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English (en)
Inventor
Toshiki Okui
俊樹 奥井
Takeshi Iwai
武 岩井
Hiroshi Komano
博司 駒野
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】露光時に露光エネルギー量の増減や温度変化に
よるパターン幅の細りや太りがなく、露光後のホールド
時間に対するマージンが大きい上に、PEBの熱マージ
ンの大きい感光性樹脂積層体を提供すること。 【解決手段】支持体上に、光重合性感光層、および酸素
遮断膜が順次積層された感光性樹脂層体において、前記
酸素遮断膜が(イ)平均ケン化度70以上85%未満の
ポリ酢酸ビニル樹脂、および(ロ)平均ケン化度85以
上100%以下のポリ酢酸ビニル樹脂で形成され、前記
(イ)成分と(ロ)成分とのケン化度の差が絶対値で少
なくとも5以上で、かつ(イ)成分と(ロ)成分との合
計平均ケン化度および配合比が下記数1および数2で表
わされる範囲にあることを特徴とする感光性樹脂層体。 【数1】80≦a×A+b×B≦90 【数2】0.25≦A/B≦4

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂層体、
さらに詳しくは感光性平版などの原版材料である感光性
樹脂層体に関する。
【0002】
【従来技術】従来、オフセット印刷等の分野において感
光性平版印刷版が広く用いられているが、前記感光性平
版印刷版としては陽極酸化処理が施されたアルミニウム
支持体上に、光重合性感光層、および酸素遮断膜を順次
積層した平版印刷版が多く用いられている。この感光性
平版印刷版をはじめとし凸版、凹版等を使用する印刷分
野においてはFA化が進行し、原稿や画像データの入
力、編集、校正までをコンピュータ上で行うことができ
るデスクトップパブリッシングが実用化され、高速の画
像編集が可能となった。この高速の画像編集の実施とと
もに感光性平版印刷版もコンピュータ操作により製版で
きる版材であることが望まれ、ネガマスク不要のレーザ
ーダイレクト印刷版が注目を集め、特に露光域の広さか
ら、アルゴンレーザー、YAGレーザーにより露光可能
な樹脂層体の実用化が望まれている。こうしたレーザー
ダイレクト印刷版の作成に適する感光性樹脂組成物が例
えば、特開昭60−239736号公報、特開平5−7
8410号公報、特開平5−107758号公報、特開
平6−148885号公報、特開平6−34198号公
報等で提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記各公報
記載の感光性樹脂組成物を用いて作成した版材は高感度
ではあるがレーザー露光時の露光量の僅かな変化によっ
てパターン幅が大きく変わったり、或は露光機内の僅か
な温度増減によって感度が大きく変化したりする上に、
露光後のホールド時間に対するマージンやPEB(po
st exposure bake)のマージンが小さ
く、製版作業所内での僅かな環境の変化により作成され
た版面が大きく変化してしまい、取り扱いが極めて難し
いといった欠点があった。
【0004】そこで、本発明者等は上記欠点を解消すべ
く鋭意研究を重ねた結果、特定のケン化度を有するポリ
酢酸ビニル樹脂を2種以上組み合わせて形成した酸素遮
断膜を光重合性感光層の上にトップコート層として設け
ることで、大気中の酸素による感度低下がなく、温度や
露光後のホールド時間、PEB時間の変化による感度変
化の少ない感光性樹脂層体が得られることを見出し、本
発明を完成したものである。
【0005】すなわち、本発明は、露光時に露光エネル
ギー量の増減や温度変化によるパターン幅の細りや太り
がなく、露光後のホールド時間に対するマージンが大き
い上にPEBの熱マージンの大きい感光性樹脂積層体を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、支持体上に、光重合性感光層、および酸素遮断膜
が順次積層された感光性樹脂層体において、前記酸素遮
断膜が(イ)平均ケン化度70以上85%未満のポリ酢
酸ビニル樹脂、および(ロ)平均ケン化度85以上10
0%以下のポリ酢酸ビニル樹脂で形成され、前記(イ)
成分と(ロ)成分とのケン化度の差が絶対値で少なくと
も5以上で、かつ(イ)成分と(ロ)成分との合計平均
ケン化度および配合比が下記数3および数4で表わされ
る範囲にあることを特徴とする感光性樹脂層体
【数3】80≦a×A+b×B≦90
【数4】0.25≦A/B≦4 に係る。
【0007】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
感光性樹脂層体は上述の通り支持体上に、光重合性感光
層、および酸素遮断膜を順次積層した構造を有するが、
前記支持体としては、寸法的に安定な板状物が用いられ
る。前記寸法的に安定な板状物としては、紙、プラスチ
ックがラミネートされた紙、アルミニウム、亜鉛、鉛な
どの金属板、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネートなどのプラスチ
ックフィルムなどが挙げられる。特に陽極酸化処理が施
されたアルミニウム支持体が好ましい。前記陽極酸化処
理が施されたアルミニウム支持体は従来公知の種々の方
法により作成されるが、例えば、アルミニウム板上に機
械的粗面化、化学的エッチング、電解研磨を施したの
ち、硫酸、燐酸、シュウ酸、クロム酸、アミドスルホン
酸などの電解液により陽極酸化処理することにより製造
できる。さらに、前記陽極酸化処理が施されたアルミニ
ウム支持体は米国特許第2,714,066号明細書な
どに記載するように陽極酸化後に表面を親水化処理する
ことができる。前記親水化処理としてはアルカリ金属シ
リケート、例えば珪酸ナトリウム水溶液になどに陽極酸
化したアルミニウム支持体を浸積する方法などが挙げら
れる。
【0008】本発明の感光性樹脂層体において支持体上
に積層される光重合性感光層は、感光性樹脂組成物を支
持体上に塗布することで形成されるが、前記感光性樹脂
組成物としてはレーザー露光可能な感光性樹脂組成物で
あれば使用でき、特に上記各公報記載の感光性樹脂組成
物が好ましい。前記レーザー露光可能な感光性樹脂組成
物としては、基本的にはエチレン性不飽和結合含有化合
物の少なくとも1種、好ましくは2種以上を重合したバ
インダー樹脂、モノマー、光重合開始剤に、さらに必要
に応じて可塑剤、熱重合禁止剤、消泡剤、染料などの添
加成分からなる。前記バインダー樹脂はエチレン性不飽
和結合を含有する化合物を重合してなる樹脂であるが、
前記エチレン性不飽和結合を含有する化合物としては、
エチレン性不飽和基を有するモノマー、プレポリマーす
なわち2量体、3量体およびオリゴマーまたはそれらの
混合物が挙げられる。特にアルカリ現像可能の樹脂が好
ましく、かかる樹脂としては、具体的にアクリル酸、メ
タクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマーと、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−
ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−ブチルアクリ
レート、N−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリ
ート、イソブチルメタクリレート、ベンジルアクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、フェノキシアクリレー
ト、フェノキシメタクリレート、イソボルニルアクリレ
ート、イソボルニルメタクリレート、グリシジルメタク
リレート、スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリ
ル等との共重合体やフェノールノボラック型エポキシア
クリレート樹脂、フェノールノボラック型エポキシメタ
クリレート樹脂、クレゾールノボラック型エポキシアク
リレート樹脂、クレゾールノボラック型エポキシメタク
リレート樹脂、ビスフェノールA型エポキシアクリレー
ト樹脂、ビスフェノールS型エポキシアクリレート樹脂
など樹脂中にアクリロイル基、メタクリロイル基を有す
る樹脂が好ましい。
【0009】また、モノマーとしては、具体的にアクリ
ル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、フマル酸
モノメチル、フマル酸モノエチル、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、エチレングリコールモノメチルエーテルアクリレー
ト、エチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレ
ート、エチレングリコールモノエチルエーテルアクリレ
ート、エチレングリコールモノエチルエーテルメタクリ
レート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタ
クリレート、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルアクリ
レート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、
エチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルアク
リレート、ベンジルメタクリレート等の単官能モノマ
ー、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコ
ールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリ
レート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテト
ラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメ
タクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、カルドエポキシジア
クリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
【0010】さらに、光重合開始剤としては、チタノセ
ン化合物などのメタロセン化合物、トリアジン化合物、
アクリジン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合
物、(p−ジアルキルアミノベンジリデン)ケトンの単
独またはそれらの組合せ、或は前記化合物とメロシアニ
ン色素との組合せ、有機過酸化物と色素との組合せ、ト
リアジン化合物とクマリン色素との組合せなどが挙げら
れる。特にメタロセン化合物とトリアジン化合物との組
合せ、メタロセン化合物とアクリジン化合物との組合
せ、メタロセン化合物とトリアジン化合物とアクリジン
化合物との組合せ、トリアジン化合物とヘキサアリール
ビイミダゾール化合物との組合せ、ヘキサアリールビイ
ミダゾール化合物と(p−ジアルキルアミノベンジリデ
ン)ケトンとの組合せなどが好ましい。前記光重合開始
剤の組み合わせにさらに増感剤として知られる1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメト
キシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチ
ル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフ
ォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチ
ルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン
−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4−ジエチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−
ジメチルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メト
キシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1−クロロ−4
−プロポキシチオキサントン、1−(4−イソプロピル
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−
4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ
安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジ
メチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息
香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチル
ヘキシルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−
イソアミルエステル、2,2−ジエトキシアセトフェノ
ン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキ
シエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロパン
ジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o
−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミ
ノフェニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベ
ンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ベ
ンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、p−ジメ
チルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリ
クロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロ
アセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサ
ントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾス
ベロン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェ
ノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、イ
オシンB(C.I.No.45400)、イオシンB
(C.I.No.45380)、アルコール可溶性イオ
シン(C.I.No.45386)、シアノシン(C.
I.No.45410)、ベンガル・ローズ、エリスロ
シン(C.I.No.45430)、2,3,7−トリ
ヒドロキシ−9−フェニルキサンテン−6−オン、およ
びローダミン6Gなどのキサンテン色素、チオニン
(C.I.No.52000)、アズレA(C.I.N
o.52005)、およびアズレC(C.I.No.5
2002)などのチアジン色素、ピロニンB(C.I.
No.45005)、およびピロニンGY(C.I.N
o.45005)などのピロニン色素などの増感色素を
併用し光重合速度を増大させることができる。
【0011】上記各成分は溶剤に溶解して使用すること
ができるが、該溶剤としては、具体的にアセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケ
トン、メチルアニルケトン、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メト
キシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテー
ト、4−メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−
メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシ
ブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルア
セテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキ
シブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテー
ト、2−メトキシペンチルアセテートなどを挙げること
ができる。
【0012】上記感光性樹脂組成物を用いた光重合性感
光層の形成方法としては、バインダー樹脂、モノマーお
よび光重合開始剤などを含有する感光性樹脂組成物を上
記溶剤に溶解し、それを寸法的に安定な板状物からなる
支持体上に、ホイラー、バーコーター、スピンコーター
等の塗布装置を用いて塗布し、それを室温で数時間〜数
日放置するか、または温風ヒーター、赤外線ヒーター中
に数十分〜数時間入れて溶剤を除去し、乾燥後の塗布量
を0.5〜10g/m2とする方法などが挙げられる。
【0013】本発明を構成する酸素遮断膜は(イ)平均
ケン化度70以上85%未満のポリ酢酸ビニル樹脂およ
び(ロ)平均ケン化度85以上100%以下のポリ酢酸
ビニル樹脂であって、(イ)成分と(ロ)成分のケン化
度の差が絶対値で少なくとも5以上で、かつ(イ)成分
と(ロ)成分との合計平均ケン化度および配合比が下記
数5および数6で表わされる
【数5】80≦a×A+b×B≦90
【数6】0.25≦A/B≦4 範囲内にあるポリ酢酸ビニル樹脂で形成される。この酸
素遮断膜のトップコート層を光重合感光層の上に設ける
ことにより本発明の感光性樹脂層体は露光の際に露光量
や温度の増減による感度変化が起こりにくく、ホールド
時のマージンやPEB時の熱マージンの大きな感光性樹
脂層体となる。前記酸素遮断膜は(イ)成分および
(ロ)成分の混合物で形成されてもまた前記(イ)成分
および(ロ)成分が2層をなして形成されてもよい。酸
素遮断膜を2層に形成する場合には、(イ)成分層が
(ロ)成分層の上になるように形成するのがよい。これ
により感度変化が一段と抑えられる。また、酸素遮断膜
はトップコート層を形成するところからその厚さは光重
合性感光層より薄い層であるのがよく、光重合性感光層
が重量で0.5〜10g/m2に対し酸素遮断膜は重量
で0.1〜5g/m2の範囲が最適である。
【0014】上記(イ)成分および(ロ)成分のケン化
度の差が絶対値で5未満、A/Bの値が0.25未満、
またはケン化度の差が絶対値で5を超え、(イ)成分と
(ロ)成分との平均ケン化度が80未満、あるいは90
を超えると熱的影響により感度変化が起こり易く、また
は酸素減感により感度が低下する。
【0015】上記(イ)成分および(ロ)成分のポリ酢
酸ビニル樹脂の重合度は100〜2000の範囲で選択
されるのが好ましい。
【0016】上記酸素遮断膜の形成は、(イ)成分およ
び(ロ)成分を水、メタノールまたはエタノール等のア
ルコールなどの溶剤に溶解したものをホイラー、バーコ
ーター、スピンコーター等を用いて乾燥後の重量が0.
1〜5g/m2となるように塗布、乾燥するか、または
前記(イ)成分および(ロ)成分を溶解した塗布液を順
次塗布することで形成される。
【0017】本発明の感光性樹脂層体は、波長488n
mのアルゴンレーザーやYAGレーザー等を用いて0.
1〜15mJ/cm2のエネルギー量で露光したのち、
アルカリ現像液で現像して感光性平版印刷版や感光性凹
版印刷版などに製版される。前記アルカリ現像液として
は、リチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属の
水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、ピロリン酸
塩、ベンジルアミン、ブチルアミン等の第1級アミン、
ジメチルアミン、ジベンジルアミン、ジエタノールアミ
ン等の第2級アミン、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリエタノールアミンなどの第3級アミン、モル
ホリン、ピペラジン、ピリジンなどの環状アミン、、エ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのポリア
ミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメ
チルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフ
ェニルベンジルアンモニウムヒドロキシドなどのアンモ
ニウムヒドロキシド類、トリメチルスルホニウムヒドロ
キシド、ジエチルメチルスルホニウムヒドロキシド、ジ
メチルベンジルスルホニウムヒドロキシドなどのスルホ
ニウムヒドロキシド類からなる水溶液やコリン、ケイ酸
塩含有緩衝液などが挙げられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例及び比較例
により詳細に説明するが、本発明はこれらの例により限
定されるものではない。
【0019】〈感光性樹脂層体の製造例1〜15〉 (i)感光性樹脂組成物の調製 下記1〜9の成分をかき混ぜて感光性樹脂組成物を調製
した。 1.アクリル酸/メタクリル酸メチル/2−ヒドロキシエチル メタクリレート共重合体(20/60/20重量比、 重量平均分子量約20000) 60重量部 2.トリメチロールプロパントリアクリレート 10重量部 3.2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(m−ブロモ−p− メトキシ)フェニル−1,3,5−s−トリアジン 3重量部 4.ビス(シクロペンタジエニル)−ビス〔2,6−ジフルオロ −3−(ピル−1−イル)フェニル〕チタン 10重量部 5.9−フェニルアクリジン 3重量部 6.7−ジエチルアミノ−3−(2−ベンゾイミダゾリル) クマリン 1重量部 7.トリクロロアセトアミド 0.1重量部 8.メチルエチルケトン 100重量部 9.3−メトキシブチルアセテート 50重量部
【0020】(ii)感光性樹脂層体の製造 陽極酸化処理が施された0.3mmのアルミニウム板上
にホイラーを用いて上記感光性樹脂組成物を乾燥後の重
量が3g/m2となるように塗布し、60℃で5分間乾
燥させて光重合感光層を積層した支持体を作成した。前
記光重合感光層の上に、表1に示す製造例1〜15の組
成のケン化ポリ酢酸ビニル樹脂を水/メタノール=70
/30の水溶液80重量部に溶解させた組成物を乾燥時
の重量が0.5g/m2となる塗布量にホイラーを用い
て塗布し、60℃で5分間乾燥して感光性樹脂層体を製
造した。
【0021】
【表1】
【0022】
【実施例】
実施例1〜7、比較例1〜8 上記製造例1〜7で製造した感光性樹脂層体を実施例1
〜7とし、製造例8〜15にて製造した感光性樹脂層体
を比較例1〜8として、アルゴンレーザー露光機(「L
PSプロッター」シンクラボラトリー社製)にセット
し、それぞれ20℃、30℃および35℃の雰囲気中で
波長488nmのアルゴンレーザーを1mJ/cm2
エネルギー量で照射して画像露光を行い、露光直後の酸
素遮断膜上の温度を測定した。
【0023】上記露光後、炭酸ナトリウム0.5%水溶
液で25℃、60秒間スプレー現像し、100℃で2分
間乾燥したのち、さらに超高圧水銀灯を用いて1分間紫
外線による全面露光を行って平版印刷版を完成し、熱カ
ブリによる画像の太りの有無を確かめた。
【0024】上記実施例1〜7、および比較例1〜8に
ついて、露光直後の酸素遮断膜の表面温度、現像性、熱
カブリの有無について調べ、その結果を表2に示す。
【0025】
【表2】 現像性の評価について ○:現像液による露光部の膜減りがほとんどなく、未露
光部には感光性樹脂組成物の浅さがない。 ×:現像液による膜減りが大きく、一部に欠け、剥がれ
がみられ、未露光部には感光性樹脂組成物の浅さがみら
れる。 熱カブリの評価について なし:マスクパターンに忠実な再現性の高いパターンが
得られた。 有り:マスクパターンよりもパターン幅が太くなり、部
分的にパターン同士が結合し、画像にツブレがみられ
た。
【0026】実施例8〜14、比較例9〜16 上記製造例1〜7で製造した感光性樹脂層体を実施例8
〜14とし、製造例8〜15にて製造した感光性樹脂層
体を比較例9〜16として、上記実施例1〜7、比較例
1〜8と同様にしてアルゴンレーザー露光機にセット
し、露光直後の温度が25℃となるように、アルゴンレ
ーザーを照射し、画像描画を行った後、それぞれ3分
間、5分間、10分間ホールド(保持)し、炭酸ナトリ
ウム0.5%水溶液で現像、乾燥、全面露光を行った。
【0027】上記実施例8〜14、比較例9〜16につ
いてホールド時間によるパターンの太りの有無について
調べた結果を表3に示す。
【0028】
【表3】 ホールド時間によるパターンの太りの評価 なし:マスクパターンに忠実な再現性の高いパターンが
得られた。 有り:マスクパターンよりもパターン幅が太くなり、部
分的にパターン同士が結合し、画像にツブレがみられ
た。
【0029】実施例5〜21、比較例17〜24 上記製造例1〜7で製造した感光性樹脂層体を実施例1
5〜21とし、製造例8〜15にて製造した感光性樹脂
層体を比較例17〜21として、上記実施例1〜7、比
較例1〜8と同様にしてアルゴンレーザー露光機にセッ
トし、露光直後の温度が25℃となるように、アルゴン
レーザーを照射し、画像描画を行った後、85℃のホッ
トプレート上でそれぞれ30秒、60秒、90秒間PE
Bを行い、炭酸ナトリウム0.5%水溶液で現像、乾
燥、全面露光を行った。
【0030】上記実施例15〜21、比較例17〜24
についてPEB時間によるパターンの太りの有無につい
て調べた結果を表4に示す。
【0031】
【表4】 PEB時間によるパターンの太りの評価 なし:マスクパターンに忠実な再現性の高いパターンが
得られた。 有り:マスクパターンよりもパターン幅が太くなり、部
分的にパターン同士が結合し、画像にツブレがみられ
た。
【0032】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂層体は、従来のレー
ザーダイレクト印刷版と同等の感度を有しながら、露光
時の熱的影響により感度変化が起こりにくく、熱マージ
ンや露光後のホールド時間、PEB時間の大きい感光性
樹脂層体である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、光重合性感光層、および酸素
    遮断膜が順次積層された感光性樹脂層体において、前記
    酸素遮断膜が(イ)平均ケン化度70以上85%未満の
    ポリ酢酸ビニル樹脂、および(ロ)平均ケン化度85以
    上100%以下のポリ酢酸ビニル樹脂で形成され、前記
    (イ)成分と(ロ)成分とのケン化度の差が絶対値で少
    なくとも5以上で、かつ(イ)成分と(ロ)成分との合
    計平均ケン化度および配合比が下記数1および数2で表
    わされる範囲にあることを特徴とする感光性樹脂層体。 【数1】80≦a×A+b×B≦90 【数2】0.25≦A/B≦4
  2. 【請求項2】光重合性感光層の重量が0.5〜10g/
    2であり、酸素遮断膜の重量が0.1〜5g/m2であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂層体。
  3. 【請求項3】支持体が陽極酸化処理を施したアルミニウ
    ム板であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂
    層体。
  4. 【請求項4】酸素遮断膜が(イ)成分および(ロ)成分
    の2層からなることを特徴とする請求項1に記載の感光
    性樹脂層体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011118456A1 (ja) 2010-03-26 2011-09-29 富士フイルム株式会社 平版印刷版原版及びその製造方法

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