JPH1184648A - 感光性樹脂組成物、それを用いた感光性平版印刷版、および平版印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、それを用いた感光性平版印刷版、および平版印刷版の製造方法

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JPH1184648A
JPH1184648A JP25287097A JP25287097A JPH1184648A JP H1184648 A JPH1184648 A JP H1184648A JP 25287097 A JP25287097 A JP 25287097A JP 25287097 A JP25287097 A JP 25287097A JP H1184648 A JPH1184648 A JP H1184648A
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JP
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photosensitive
photosensitive composition
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JP25287097A
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English (en)
Inventor
Takeshi Iwai
武 岩井
Toshiki Okui
俊樹 奥井
Hiroshi Komano
博司 駒野
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外光、波長488nmのアルゴンレーザー
光、波長532nmのYAG第2高調波レーザー光で直
接描画露光でき、高感度で、保存安定性に優れ、良好な
現像性能を有し、しかも露光エネルギー量や露光時の温
度変化に対するマージンが大きく、再現性よくパターン
を形成できる感光性組成物、感光性平版印刷版、および
平版印刷版の製版方法を提供すること。 【解決手段】付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合
を少なくとも1個含有する化合物、および光重合開始系
を含有する感光性組成物において、前記光重合開始系が
光重合開始剤、増感剤、および電子移動剤または正孔移
動剤からなることを特徴とする感光性組成物、該感光性
組成物を支持体上に積層した感光性平版印刷版、および
平版印刷版の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性組成物、それを
用いた感光性平版印刷版、および平版印刷版の製版方
法、特に紫外光、波長488nmのアルゴンレーザー光
や波長532nmのYAG第2高調波レーザー光などの
可視レーザー光で直接描画露光でき高感度で、かつ保存
安定性に優れた感光性組成物、該感光性組成物を用いた
現像性能に優れ、露光エネルギー量や露光時の温度変化
に対するマージンが大きく、パターンを再現性よく形成
できる感光性平版印刷版、および平版印刷版の製版方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感光性組成物を利用した画像形成
方法は多数知られており、例えば付加重合可能なエチレ
ン性二重結合を含む化合物と光重合開始剤、さらに所望
により用いられる有機高分子バインダー等からなる感光
性組成物を調製し、それを支持体上に塗布して感光層を
設けた感光材料を作成し、ネガマスクを介して所望画像
を像露光し露光部分を重合硬化させたのち、未露光部分
を有機溶剤、あるいはアルカリ水溶液により溶解除去し
てパターン画像を形成する方法などが挙げられる。前記
画像形成方法はオフセット印刷等の分野に用いられ、例
えば陽極酸化処理したアルミニウム板などの支持体上に
感光性組成物を塗布して感光層とし、その上にさらに必
要により酸素遮断膜を形成して感光性平版印刷版を形成
し、それを像露光して印刷版とする製版方法等がある。
【0003】ところが、近年、電子デバイス技術の発達
により、印刷分野においても原稿や画像データの入力、
編集、校正までをコンピュータ上で行うことができるデ
スクトップパブリッシング技術が確立され、高速で画像
編集作業を行うことが可能となったが、平版印刷版の製
版においてもコンピュータ上で管理できることが望まれ
るようになってきている。
【0004】このような事情に鑑み、ネガマスクの不必
要な可視レーザー光などにより直接描画露光できる感光
性平版印刷版が注目を集め、露光強度の強さから実用的
な波長488nmのアルゴンレーザー光、波長532n
mのYAG第2次高調波レーザー光に露光硬化する感光
性組成物が有望視され開発されている。前記レーザー光
を含めた可視領域の光線により速やく硬化可能とするに
は感光性組成物に含有する光重合開始系の開発が重要で
あり、そのためのの各種光重合開始系が提案され、例え
ば特開昭47−2528号、特開昭54−155292
号、特開昭56−166154号、特開昭60−880
05号の各公報にはヘキサアリールビイミダゾールとp
ージアルキルアミノベンジリデンケトンからなる光重合
開始系が、特開昭52−112681号、特開昭58−
15503号、特開昭60−88005号各公報の各公
報にはケトクマリン系化合物とその活性剤からなる光重
合開始系が、特開昭54−151024号、特開昭58
−29803号、特開昭58−40302号の各公報に
は置換トリアジンと増感剤からなる光重合開始系が、特
開昭59−56403号、特開昭58−29803号、
特開昭58−40302号公報の各公報にはビイミダゾ
ール、スチレン誘導体、チオールからなる光重合開始系
が、特開昭59−140203号、特開昭59−189
340号の各公報には有機過酸化物と色素からなる光重
合開始系が、特開昭63−221110号、特開平4−
26154号、特開平4−219756号の各公報には
メタロセン系化合物と増感剤からなる光重合開始系が提
案されている。特にメタロセン化合物と増感剤からなる
光重合開始系、置換トリアジン系化合物と増感剤からな
る光重合開始系が良好で該系を含有する感光性組成物は
高感度でありその将来が有望視されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記メタロセン系化合
物と増感剤からなる光重合開始系および置換トリアジン
系化合物と増感剤からなる光重合開始系を含有する感光
性組成物は高感度であるが、未だ感光速度が充分でなく
実用化できる程のものでなく、また保存安定性、現像性
などの点でも充分なものとはいえない。そこで、本発明
者等は前記メタロセン系化合物と増感剤からなる光重合
開始系および置換トリアジン系化合物と増感剤からなる
光重合開始系を含有する感光性組成物の実用化を図るべ
く鋭意研究を重ねた結果、前記光重合開始系は、増感剤
の種類に関係なく、可視光により励起したエネルギーを
ラジカル発生種であるメタロセン系化合物や置換トリア
ジン系化合物に伝達する過程に問題があることがわか
り、そのエネルギーの伝達を効率的に行えばより高感度
の感光性組成物が得られるとの考えに達した。そして電
子移動剤または正孔移動剤を感光性組成物に添加するこ
とで紫外光のみならず、波長488nmのアルゴンレー
ザー光や波長532nmのYAG第2次高調波レーザー
光で直接描画露光しても高感度に露光ができる上に、保
存安定性に優れることがわかった。さらに前記感光性組
成物で作成した感光性平版印刷版は、良好な現像性能を
有し、露光エネルギー量や露光時の温度変化に対するマ
ージンが大きく、再現性の高いパターンを形成できる上
に、製版が容易であることをも見出した。こうした知見
に基づいて本発明は完成するに至ったものである。すな
わち、
【0006】本発明は、高感度で、保存安定性に優れた
感光性組成物を提供することを目的とする。
【0007】また、本発明は、現像性に優れ、しかも露
光エネルギー量や露光時の温度変化に対するマージンが
大きく、再現性の高いパターンを形成できる感光性平版
印刷版を提供することを目的とする。
【0008】さらに、本発明は、上記感光性平版印刷版
の製版方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少な
くとも1個有する化合物、および光重合開始系を含有す
る感光性組成物において、前記光重合開始系が光重合開
始剤、増感剤、および電子移動剤または正孔移動剤から
なることを特徴とする感光性組成物、それを用いた感光
性平版印刷版、および平版印刷用版の製造方法に係る。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
感光性組成物は、紫外光、波長488nmのアルゴンレ
ーザー光や波長532nmのYAG第2次高調波レーザ
ー光の照射によりラジカルを発生し後述の付加重合可能
なエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化
合物(以下「エチレン性化合物」という)の付加重合反
応をもたらすものであり、前記エチレン性化合物とは、
エチレン性不飽和二重結合を有する単量体、二量体、三
量体またはオリゴマー、および側鎖もしくは主鎖にエチ
レン性不飽和二重結合を有する重合体などが挙げられ
る。かかるエチレン性化合物としては、不飽和カルボン
酸、脂肪族(ポリ)ヒドロキシ化合物と不飽和カルボン
酸とのエステル、芳香族(ポリ)ヒドロキシ化合物と不
飽和カルボン酸とのエステル、不飽和カルボン酸と多価
カルボン酸および前述の脂肪族(ポリ)ヒドロキシ化合
物、芳香族(ポリ)ヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキ
シ化合物とのエステル化反応により得られるエステル、
不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸ニトリルな
どがあり、具体的にはメチルアクリレート、メチルメタ
クリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレー
ト、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルメタクリレート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアクリレート、エチレングリコールモノエ
チルエーテルメタクリレート、グリセロールアクリレー
ト、グリセロールメタクリレート、アクリル酸アミド、
メタクリル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベン
ジルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリ
レート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、
ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリ
コールジアクリレート、プロピレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ト
リメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ
アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリス
リトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタア
クリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリレート、カルドエポキシジアクリレー
ト、カルドエポキシジメタクリレート、前記化合物のア
クリレート、メタクリレートを、フマレート、マレエー
ト、クロトネート、イタコネートに代えた、フマル酸エ
ステル、マレイン酸エステル、クロトン酸エステル、イ
タコン酸エステルや、アクリル酸、メタクリル酸、フマ
ル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、ヒドロキ
ノンモノアクリレート、ヒドロキノンモノメタクリレー
ト、ヒドロキノンジアクリレート、ヒドロキノンジメタ
クリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジ
メタクリレート、ピロガロールジアクリレート、ピロガ
ロールトリアクリレート、アクリル酸とフタル酸および
ジエチレングリコールとの縮合物、アクリル酸とマレイ
ン酸およびジエチレングリコールとの縮合物、メタクリ
ル酸とテレフタル酸およびペンタエリスリトールとの縮
合物、アクリル酸とアジピン酸およびブタンジオールと
グリセリンとの縮合物、エチレンビスアクリルアミド、
エチレンビスメタクリルアミド、フタル酸ジアリルのア
リルエステル、ジビニルフタレートなどが挙げられる。
【0011】また、側鎖もしくは主鎖にエチレン性不飽
和二重結合を有する重合体としては、例えば、不飽和二
価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重縮合反応によ
り得られるポリエステル、不飽和二価カルボン酸とジア
ミンとの重縮合反応により得られるポリアミド、イタコ
ン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸とジ
ヒドロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエ
ステル、イタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデ
ンマロン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポ
リアミド、フェノールノボラック型エポキシアクリレー
ト、フェノールノボラック型エポキシメタクリレート、
クレゾールノボラック型エポキシアクリレート、クレゾ
ールノボラック型エポキシメタクリレート、ビスフェノ
ールA型エポキシアクリレート、ビスフェノールS型エ
ポキシアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマ
ー、ウレタンメタクリレートオリゴマーなどが挙げられ
る。側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化アルキル基のごと
き反応活性を有する官能基を有する重合体、例えばポリ
ビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)、ポチエピクロルヒドリンなどとアクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン
酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反応に
より得られる重合体なども使用できる。中でも、アクリ
ル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単量体が特
に好ましく用いることができる。
【0012】本発明の感光性組成物中のエチレン性化合
物は、エチレン性化合物と光重合開始系の総和100重
量部に対し50〜99重量部の範囲で含有でき、前記範
囲が60重量部未満では可視露光硬化後の被膜の耐摩耗
性や耐薬品性が低下し好ましくなく、また99重量部を
超えると感度が低下することがあり好ましくない。
【0013】本発明の光重合開始系は3成分の組み合せ
からなり、第1成分は光重合開始剤、第2成分は増感
剤、第3成分は電子移動剤または正孔移動剤である。重
合開始系が前記成分の組合せからなることにより高感度
を達成できる上に、感光性素子え物の保存安定性も向上
する。前記第1成分の光重合開始剤としては、具体的に
は1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,
2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オ
ン、2−メチル−−1−〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベン
ジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフ
ェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、
1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサ
ントン、2,4−ジメチルチオキサントン、3,3−ジ
メチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノ
ン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィ
ド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ
安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、
4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸−2−イソアミルエステル、2,2−
ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケター
ル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−フ
ェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシ
カルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチ
ル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,
4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−
ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイ
ンブチルエーテル、p−ジメチルアミノアセトフェノ
ン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、
p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキ
サントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピ
ルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α−ジクロ
ロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジ
メチルアミノベンゾエートや、9−フェニルアクリジ
ン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、
1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,7
−ビス−(9−アクリジニル)プロパンなどのアクリジ
ン化合物、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3
−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、
2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−
4メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス
−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4メトキシ)
スチリルフェニル−s−トリアジン、4−ビス−トリク
ロロメチル−6−(3−ブロモ−4メトキシ)スチリル
フェニル−s−トリアジンなどのハロメチル−s−トリ
アジン系化合物、および一般式化18で表されるメタロ
セン系化合物などが好適である。
【0014】
【化18】 (式中、R16、R17はそれぞれ独立して、非置換または
置換されたシクロペンタジエニル基、インデニル基、又
は4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基を表し、
18、R19は非置換または置換された6員炭素環、5−
もしくは6−員複素環式芳香族環を表わす。)
【0015】上記一般式化18においてMeは周期律表
第IV属元素のチタンとジルコニウムが好ましく、特に
チタンが好適である。メタロセン系化合物としては特に
限定されないが、例えば特開昭59−152386号、
特開昭61−151197号、特開昭63−41483
号、特開昭63−41484号、特開平2−291号、
特開平3−12403号、特開平3−27393号の各
公報等に記載されている各種メタロセン系化合物から適
宜選んで用いることができる。前記メタロセン系化合物
としては具体的に、ビス(シクロペンタジエニル)−ビ
ス〔2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェ
ニル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス
〔2,6−ジフルオロ−2−(ピル−1−イル)フェニ
ル〕チタン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス
(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)チタ
ン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス〔2,5−ジ
フルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル〕チタンな
どが好適である。このメタロセン系化合物と上述のハロ
メチル−s−トリアジン系化合物とを組み合わせること
により波長488nmのアルゴンレーザー光や波長ピー
ク532nmのYAG第2次高調波レーザー光のどの可
視レーザー光で直接描画しても速い感度速度で画像が描
画できる。特に2,4−ビス−トリクロロメチル−6−
(3−ブロモ−4メトキシ)フェニル−s−トリアジン
のハロメチル−s−トリアジン化合物とビス(シクロペ
ンタジエニル)−ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ピ
ル−1−イル)フェニル〕チタンのメタロセン化合物と
の組み合わせが好ましい。前記光重合開始系にさらに、
9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリ
ジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニ
ル)ペンタン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)プ
ロパンなどのアクリジン系化合物を組み合わせると感度
の一層の向上がみられる。
【0016】上記光重合開始剤は光重合開始系100重
量部中10〜98重量部の範囲で用いることができる。
【0017】第2成分の増感剤としては、具体的にはエ
オシンB(C.I.No.45400)、エオシンJ
(C.I.No.45380)、アルコール可溶性エオ
シン(C.I.No.45386)、シアノシン(C.
I.No.45410)、ベンガルローズ、エリスロシ
ン(C.I.No.45430)、2,3,7−トリヒ
ドロキシ−9−フェニルキサンテン−6−オン、および
ローダミン6Gなどのキサンテン色素、チオニン(C.
I.No.52000)、アズレA(C.I.No.5
2005)、およびアズレC(C.I.No.5200
2)などのチアジン色素、ピロニンB(C.I.No.
45005)、およびピロニンGY(C.I.No.4
5005)などのピロニン色素が挙げられるが、特に好
ましいものとしては、一般式化19で表わされるクマリ
ン系化合物、
【0018】
【化19】 [式中,R1、R2はそれぞれ同一または独立して、水素
原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル
基、ヒドロキシアルキル基、アラルキル基、アリール
基、アルコキシカルボニルアルキル基を表わし、骨格内
のアミノ基の置換したベンゼン核と結合して環を形成し
ていてもよく、R3は水素原子、アルキル基、アルコキ
シアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲノアルキ
ル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコ
キシ基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、ハロ
ゲン原子を表わし、R4は水素原子、化20の置換基
【0019】
【化20】 (ここでXは水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ヒドロキシ
基、アリール基、アルケニル基、アリールオキシ基、ア
ルケニルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ
基、アルキルカルボニルアルコキシ基、もしくは化21
〜24の置換基
【0020】
【化21】
【0021】
【化22】
【0022】
【化23】
【0023】
【化24】 (ここでR6、R7はアルキル基、シクロアルキル基、ヒ
ドロキシアルキル基、アルコキ シアルキル基、アルー
ル基を表わし、m、nはそれぞれ1〜5の整数を、R8
は水素原子、アルキル基、R5は水素原子、化25〜2
7の置換基
【0024】
【化25】
【0025】
【化26】
【0026】
【化27】 (ここでR9は水素原子、アルキル基、アルコキシアル
キル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲノアルキル基、
ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ
基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、ハロゲン
原子をを表わす。)を示す。〕および一般式化28で表
わされるプロパンジニトリル系化合物が挙げられる。
【0027】
【化28】 〔式中、Yは−O−、−S−、>NH基を表わし、
12、R13は同一でもまた異なってもよい、水素原子、
ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のア
ルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキ
ル基、アルコキシカルボニル基またはヒドロキシアルキ
ル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたジアルキ
ルアミノ基、置換または無置換スチリルフェニル基、あ
るいはR12とR13が結合して炭素数2〜8の置換または
無置換炭化水素環基、置換または無置換複素環基を表わ
し、R14、R15は同一もしくは異なってもよい、水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6
のアルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシア
ルキル基、アルコキシカルボニル基またはヒドロキシア
ルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたジア
ルキルアミノ基、置換または無置換スチリルフェニル
基、あるいはR14とR15が結合して炭素数2〜8の置換
または無置換炭化水素環基、置換または無置換複素環基
を表わす。〕
【0028】上記クマリン化合物としては具体的には、
化29〜36の化合物を挙げることができる。
【0029】
【化29】
【0030】
【化30】
【0031】
【化31】
【0032】
【化32】
【0033】
【化33】
【0034】
【化34】
【0035】
【化35】
【0036】
【化36】
【0037】また、プロパンジニトリル系化合物として
は具体的に化37、38の化合物を挙げることができ
る。
【0038】光源としてアルゴンレーザー光を用いると
きには、化34で表わされる化合物、またYAG第2高
調波レーザー光を用いるときには化37で表わされる化
合物がそれぞれ高感度を示し効果的である。
【0039】
【化37】
【0040】
【化38】
【0041】上記増感剤は1種また2種以上を組み合わ
せて使用することができ、その含有量は光重合開始系1
00重量部中2〜40重量部の範囲で含有することがで
きる。
【0042】本発明の感光性組成物は光重合開始系の第
3成分として電子移動剤または正孔移動剤を含有する
が、前記電子移動剤としてはトリアゾール系化合物やオ
キサジアゾール系化合物が挙げられ、トリアゾール系化
合物としては具体的に化39の化合物が好ましい。
【0043】
【化39】
【0044】また、オキサゾール系化合物としては、具
体的に化40〜42の化合物が挙げられる。
【0045】
【化40】
【0046】
【化41】
【0047】
【化42】
【0048】さらに、正孔移動剤のトリフェニルアミン
系化合物としては具体的に化43〜45の化合物が挙げ
られる。
【0049】
【化43】
【0050】
【化44】
【0051】
【化45】
【0052】本発明の感光性組成物は上記トリアゾール
系および/またはオキサジアゾール系化合物、もしくは
トリフェニルアミン系化合物を含有することにより、特
に好ましくは、トリアゾール系および/またはオキサジ
アゾール系化合物を用いることにより増感剤から光重合
開始剤へのエネルギー供与効率が高められ、その結果高
感度、保存安定性に優れた感光性組成物、および良好な
現像性能を有し、かつ露光エネルギー量や露光時の温度
変化に対するマージンが大きく、再現性の高いパターン
を形成できる感光性平版印刷版が得られる。
【0053】上記電子移動剤または正孔移動剤の含有量
は、増感剤100重量部に対し、0.01〜200重量
部の範囲がよく、好ましくは0.1〜50重量部の範囲
が好適である。前記電子移動剤または正孔移動剤の含有
量が0.01重量部未満では電子移動剤または正孔移動
剤としての効果が現れず、また200重量部を超えると
保存安定性が低下するため好ましくない。
【0054】本発明の感光性組成物は上記成分に加えて
組成物の塗布性の改善、光硬化後の物性改善のために高
分子バインダーを添加してもよい。前記高分子バインダ
ーとしては相容性、被膜形成性、現像性、接着性など改
善目的に応じて適宜選択すればよいが、具体的にはアク
リル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレー
ト、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリ
レート、N−ブチルアクリレート、N−ブチルメタクリ
レート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、、ベンジルアクリレート、ベンジルメタ
クリレート、フェノキシアクリレート、フェノキシメタ
クリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、スチレ
ン、アクリルアミド、メタアクリルアミド、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリルなどから選ばれた単量体
の共重合体や側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロ
ース変性物、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリ
ドン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン
との共重合体、塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィ
ン、または塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体、ポリ
酢酸ビニル、アクリロニトリルとスチレンとの共重合
体、アクリロニトリルとスチレン、ブタジエンとの共重
合体、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルアルキ
ルケトン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン、
ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、アセチル
セルロースおよびポリビニルブチラールなどを挙げるこ
とができる。特に感光性平版印刷版の現像時に、アルカ
リ性水溶液での現像性を改善するためにアクリル酸、メ
タクリル酸などのカボキシル基を有する単量体を共重合
成分とする高分子バインダーが好ましい。
【0055】上記高分子バインダーはエチレン性化合
物、および光重合開始系を含有する感光性組成物の総和
100重量部に対し、400重量部以下、好ましくは2
00重量部以下の範囲で含有することができる。
【0056】本発明の感光性組成物の使用に当っては塗
布性の改善のために溶剤に溶解するのがよい。前記溶剤
としては、具体的にエチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレ
ングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピ
ルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテー
ト、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチ
ルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテ
ート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3
−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキ
シブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、
4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチ
ルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、メチルシソブチルケトン、エチルイソブチル
ケトンなどが挙げられる。
【0057】上記溶剤はエチレン性化合物、および光重
合開始系を含有する感光性組成物の総和100重量部に
対し、1000重量部以下、好ましくは500重量部以
下の範囲で含有することができる。
【0058】本発明の感光性組成物は、さらに必要に応
じて熱重合禁止剤、着色剤、可塑剤、界面活性剤、消泡
剤、その他の添加剤を添加することができる。熱重合禁
止剤としてはヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエ
ーテル、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテ
コール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾー
ル、β−ナフトールなどが、着色剤としてはフタロシア
ニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタ
ンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオ
レット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン
系染料等、可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジ
ドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリ
レート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジル
ホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケ
ート、トリアセチルグリセリンなどが、界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の各種活性
剤などが、消泡剤としてはシリコーン系、フッ素系各種
消泡剤などが使用できる。
【0059】本発明の感光性平版印刷版は、上記エチレ
ン性化合物、光重合開始剤、増感剤、および電子移動剤
または正孔移動剤を含有する感光性組成物を支持体上に
塗布して設けた感光層を有するが、前記支持体として
は、機械的粗面化、化学的エッチング、電解研磨を施し
たのち、硫酸、燐酸、シュウ酸、クロム酸、アミドスル
ホン酸などの電解液により陽極酸化処理し酸化被膜を形
成したアルミニウム支持体が好ましく使用できる。さら
に、他の金属板、プラスチックフィルムであってもよ
い。本発明の感光性平版印刷版において、陽極酸化被膜
を有するアルミニウム支持体を用いる場合には、陽極酸
化後の表面を必要により親水化処理するのが好ましい。
前記親水化処理に当っては珪酸ナトリウム水溶液などを
スプレーするか、あるいは浸漬処理するのがよい。
【0060】上記感光層の形成は、支持体上に必要によ
り高分子バインダー、溶剤および各種添加剤を加えてよ
くかき混ぜて調整した感光性組成物をホイラー、バーコ
ーター、スピンコーター等で塗布し、それを室温で数時
間〜数日放置するか、温風ヒーター、赤外線ヒーター中
で数十分〜数時間加熱して溶剤を除去し、乾燥後の塗布
量が0.5〜10g/m2程度とすることで行える。
【0061】上記感光層上にはさらに必要により保護お
よび酸素減感作用を防ぐ目的で平均ケン化度70〜95
程度のポリ酢酸ビニル樹脂や水溶性ポリアミド樹脂等を
水、またはエタノール、メタノール等のアルコールなど
の溶剤に溶解した溶液をホイラー、バーコーター、スピ
ンコーターなどを用いて乾燥後の重量を0.1〜5g/
2程度に塗布し、乾燥した酸素遮断膜を設けてもよ
い。
【0062】本発明の平版印刷版の製版方法は、上記感
光性平版印刷版にネガマスクを介して紫外光、波長53
2nmのYAG第2次高調波レーザー光または波長48
8nmのアルゴンレーザー光を0.05〜500mJ/
cm2のエネルギー量で直接描画露光し、それをアルカ
リ現像液、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム等ア
ルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、
ピロリン酸塩、ベンジルアミン、ブチルアミン等の第1
級アミン、ジメチルアミン、ジベンジルアミン、ジエタ
ノールアミン等の第2級アミン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリエタノールアミン等の第3級アミ
ン、モルホリン、ピペラジン、ピリジン等の環状アミ
ン、、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の
ポリアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、
トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメ
チルフェニルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のア
ンモニウムヒドロキシド類、トリメチルスルホニウムヒ
ドロキシド、ジエチルメチルスルホニウムヒドロキシ
ド、ジメチルベンジルスルホニウムヒドロキシド等のス
ルホニウムヒドロキシド類からなる水溶液やコリン、ケ
イ酸塩含有緩衝液等にて現像する方法からなる。前記製
版に当たり、露光中、または露光後30〜45℃の雰囲
気中に10秒〜5分間曝した後、現像処理すると、露光
時のより少ない露光エネルギー量であっても製版が可能
となる上に、露光エネルギー量の僅かな増減によるパタ
ーンの太りが少なく、シャドウ部のつぶれのない再現性
に富む平版印刷版が製版できる。
【0063】
【発明の実施の形態】次に本発明を具体例を用いて説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0064】
【実施例】実施例1 下記に示される(1)〜(10)の成分をかき混ぜて感
光性組成物を得た。 (1)メタクリル酸/メタクリル酸メチル/2−ヒドロキシル エチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート 共重合体(20/50/20/10重量比、重量 平均分子量約20000) 60重量部 (2)トリメチロールプロパントリアクリレート 10重量部 (3)2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3− ブロモ−4−メトキシ)フェニル−1,3,5 トリアジン 3重量部 (4)ビス(シクロペンタジエニル)−ビス〔2,6− ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル〕チタン 10重量部 (5)9−フェニルアクリジン 3重量部 (6)化46で表わされるクマリン 1重量部
【0065】
【化46】 (7)化47で表されるトリフェニルアミン系化合物 5重量部
【0066】
【化47】 (8)トリクロロアセトアミド 0.01重量部 (9)プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 50重量部 (10)メチルイソブチルケトン 50重量部
【0067】上記感光性樹脂組成物を予め陽極酸化処
理、封孔処理を施した厚さ0.3mmのアルミニウム板
上にホイラーを用いて乾燥後の重量が3g/cm2とな
るように塗布し、60℃で5分間乾燥して感光層を形成
した。次いで前記感光層上に平均ケン化度80モル%、
重合度500のポリ酢酸ビニル樹脂を水/メタノール=
70/30の水溶液80重量部に溶解した溶液をホイラ
ーを用いて乾燥時0.5g/m2となるように塗布し、
60℃で5分間乾燥し、酸素遮断膜を有する感光性平版
印刷版を製造した。得られた感光性平版印刷版にアルゴ
ンイオンレーザー露光機(「LPSプロッター」シンク
ラボラトリー社製)を用いて、20℃と30℃の雰囲気
中でそれぞれエネルギー線量80μJ/cm2のアルゴ
ンイオンレーザーを照射し画像露光した。ついで、前記
感光性平版印刷版を0.5%炭酸ナトリウム水溶液を用
いて25℃で60秒間スプレー現像し、100℃で2分
乾燥し印刷パターンを形成し印刷版とした。印刷版にア
ラビヤゴムをガム引きした後、さらに超高圧水銀灯を用
いて1分間紫外線による全面露光を行い平版印刷版を完
成した。得られた平版印刷版を印刷機にかけて印刷した
ところそれぞれ良好な印刷物を約15万枚刷ることがで
きた。
【0068】実施例2 下記に示される(1)〜(11)の成分をかき混ぜて感
光性組成物を作成した。 (1)メタクリル酸/メタクリル酸メチル/2−ヒドロキシ エチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート共重合体 (20/50/20/10重量比、重量平均分子量 約20000) 60重量部 (2)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 10重量部 (3)2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3−ブロモ −4−メトキシ)フェニル−1,3,5トリアジン 3重量部 (4)ビス(シクロペンタジエニル)−ビス〔2,6− ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル〕チタン 10重量部 (5)9−フェニルアクリジン 3重量部 (6)化48で表されるジニトリル系化合物 1重量部
【0069】
【化48】 (7)ロ−ダミン6G 0.5重量部 (8)49で表されるオキサジアゾール系化合物 1重量部
【0070】
【化49】 (9)トリクロロアセトアミド 0.1重量部 (10)プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート 50重量部 (11)メチルイソブチルケトン 50重量部
【0071】上記感光性樹脂組成物を実施例1と同様に
予め陽極酸化処理を施した0.3mm厚のアルミニウム
板上にホイラーを用いて乾燥後の重量が3g/cm2
なるように塗布し、60℃で5分間乾燥させて感光層を
形成した。次いで前記感光層上に平均ケン化度80モル
%、重合度500のポリ酢酸ビニル樹脂を水/メタノー
ル=70/30の水溶液80重量部に溶解した溶液をホ
イラーを用いて乾燥時0.5g/m2となるように塗布
し、60℃で5分間乾燥し、感光性平版印刷版を製造し
た。得られた感光性平版印刷版にYAG第2高調波レー
ザー露光機(「DPSS532」コーヒレント社製)を
用いて、20℃と30℃の雰囲気中でそれぞれエネルギ
ー線量90μJ/cm2のYAG第2高調波レーザーを
照射し画像露光した。ついで、0.5%炭酸ナトリウム
水溶液を用いて25℃で60秒間スプレー現像し、10
0℃で2分乾燥し印刷パターンを形成し印刷版を得た。
印刷版にアラビヤゴムをガム引きした後、さらに超高圧
水銀灯を用いて1分間紫外線による全面露光を行って平
版印刷版を完成させた。前記平版印刷版を印刷機にかけ
て印刷したところそれぞれ良好な印刷物を約15万枚刷
ることができた。
【0072】
【発明の効果】本発明の感光性組成物は、紫外光、波長
488nmのアルゴンレーザー光または波長532nm
のYAG第2次高調波レーザー光などの可視レーザー光
に高感度で、直接描画露光ができる上に保存安定性にも
優れている。前記感光性組成物を用いて形成した感光性
平版印刷版は、良好な現像性能を示とともに露光エネル
ギー量や露光時の温度変化に対するマージンが大きく、
再現性の高いパターンを形成できる。前記感光性平版印
刷版で作成した平版印刷版は耐久性に優れ良好な印刷物
を印刷することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/027 502 G03F 7/027 502 7/028 7/028

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合
    を少なくとも1個有する化合物、および光重合開始系を
    含有する感光性組成物において、前記光重合開始系が光
    重合開始剤、増感剤、および電子移動剤または正孔移動
    剤からなることを特徴とする感光性組成物。
  2. 【請求項2】光重合開始剤がメタロセン系化合物および
    ハロメチル−s−トリアジン系化合物からなることを特
    徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】メタロセン系化合物がビス(シクロペンタ
    ジエニル)−ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(ピル−
    1−イル)フェニル〕チタンであることを特徴とする請
    求項2に記載の感光性組成物。
  4. 【請求項4】ハロメチル−s−トリアジン系化合物が
    2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3−ブロモ
    −4−メトキシ)フェニル−1,3,5トリアジンであ
    ることを特徴とする請求項2に記載の感光性組成物。
  5. 【請求項5】増感剤が一般式化1で表されるクマリン系
    化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光性
    組成物。 【化1】 [式中,R1、R2はそれぞれ同一または独立して、水素
    原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル
    基、ヒドロキシアルキル基、アラルキル基、アリール
    基、アルコキシカルボニルアルキル基を示し、また骨格
    内のアミノ基の置換したベンゼン核と結合して環を形成
    していてもよく、R3は水素原子、アルキル基、アルコ
    キシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲノアル
    キル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアル
    コキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、ハ
    ロゲン原子を示し、R4は水素原子、化2の置換基 【化2】 {ここでXは水素原子、アルキル基、シクロアルキル
    基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ヒドロキシ
    基、アリール基、アルケニル基、アリールオキシ基、ア
    ルケニルオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ
    基、アルキルカルボニルアルコキシ基、もしくは化3〜
    6の置換基 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 (ここでR6、R7はアルキル基、シクロアルキル基、ヒ
    ドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アリール
    基であり、m、nはそれぞれ1〜5の整数である。)を
    表わし、R8は水素原子、アルキル基、R5は水素原子、
    化7〜9の置換基 【化7】 【化8】 【化9】 (ここでR9は水素原子、アルキル基、アルコキシアル
    キル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲノアルキル基、
    ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ
    基、アルコキシカルボニル基、スルホニル基、ハロゲン
    原子である。)}を示す。〕
  6. 【請求項6】増感剤が一般式化10表されるジニトリル
    系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の感光
    性組成物。 【化10】 〔式中、Yは−O−、−S−、>NH基を表わし、
    12、R13は同一でもまた異なってもよい、水素原子、
    ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6のア
    ルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシアルキ
    ル基、アルコキシカルボニル基またはヒドロキシアルキ
    ル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたジアルキ
    ルアミノ基、置換または無置換スチリルフェニル基、あ
    るいはR12とR13が結合して炭素数2〜8の置換または
    無置換炭化水素環基、置換または無置換複素環基を表わ
    し、R14、R15は同一もしくは異なってもよい、水素原
    子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、炭素数1〜6
    のアルキル基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシア
    ルキル基、アルコキシカルボニル基またはヒドロキシア
    ルキル基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されたジア
    ルキルアミノ基、置換または無置換スチリルフェニル
    基、あるいはR14とR15が結合して炭素数2〜8の置換
    または無置換炭化水素環基、置換または無置換複素環基
    を表わす。〕
  7. 【請求項7】電子移動剤が化学式化11で表されるトリ
    アゾール系化合物、または化学式化12〜14で表され
    るオキサジアゾール系化合物から選ばれる少なくとも1
    種であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成
    物。 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】
  8. 【請求項8】正孔移動剤が化学式化15〜17で表され
    るトリフェニルアミン系化合物から選ばれる少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組
    成物。 【化15】 【化16】 【化17】
  9. 【請求項9】支持体上に付加重合可能なエチレン性不飽
    和二重結合を少なくとも1個含有する化合物、光重合開
    始剤、増感剤、および電子移動剤または正孔移動剤を含
    有する感光性組成物からなる感光層を有することを特徴
    とする感光性平版印刷版。
  10. 【請求項10】支持体上に、付加重合可能なエチレン性
    不飽和二重結合を少なくとも1個含有する化合物、光重
    合開始剤、増感剤、および電子移動剤または正孔移動剤
    を含有する感光性組成物を塗布して感光層を形成したの
    ち、得られた感光性平版印刷版に波長488nmのアル
    ゴンレーザー光または波長532nmのYAG第2次高
    調波レーザー光を直接描画露光し、それをアルカリ水溶
    液で現像することを特徴とする平版印刷版の製版方法。
JP25287097A 1997-09-02 1997-09-02 感光性樹脂組成物、それを用いた感光性平版印刷版、および平版印刷版の製造方法 Pending JPH1184648A (ja)

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