JPH09203447A - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

油圧式オートテンショナ

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JPH09203447A
JPH09203447A JP3281396A JP3281396A JPH09203447A JP H09203447 A JPH09203447 A JP H09203447A JP 3281396 A JP3281396 A JP 3281396A JP 3281396 A JP3281396 A JP 3281396A JP H09203447 A JPH09203447 A JP H09203447A
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    • F16HGEARING
    • F16H7/00Gearings for conveying rotary motion by endless flexible members
    • F16H7/08Means for varying tension of belts, ropes, or chains
    • F16H7/0848Means for varying tension of belts, ropes, or chains with means for impeding reverse motion
    • F16H2007/0859Check valves

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  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧式オートテンショナにおいて、作動油へ
のエア混入を防止し、オートテンショナ機能の低下と異
音の発生とを防止する。 【解決手段】 油圧式オートテンショナ10は、ケーシ
ング11と、ケーシング11内に同心状に設けられたシ
リンダ17と、シリンダ17内に所定のクリアランス3
0をもって摺動可能に進入したピストン18と、シリン
ダ17・ピストン18間に形成された高圧室23と、シ
リンダ17・ケーシング11間に形成された低圧室24
とを備える。シリンダ17内周面の流出溝50と、その
溝底を貫通する流出穴51と、シリンダ17の外周に同
心状に取り付けられた流出管52とからなる流出通路に
よって、高圧室23の作動油Lをクリアランス30から
低圧室24の作動油L中にまで導いてその中へ直接放出
させ、作動油Lへのエア混入を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無端環状の平ベル
ト、Vベルト、歯付ベルト、チェーン等の伝動部材に適
度なテンションを自動的に与えるための油圧式オートテ
ンショナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧式オートテンショナとして
は、特表平2−500210号公報に記載のものが知ら
れている。図9、図10及び図11は同公報記載の構造
を示し、Vベルト1が滑車2と遊び滑車3に巻き掛けら
れている。遊び滑車3はアーム4の先端に回動可能に取
り付けられ、アーム4の基端は軸部5に揺動可能に取り
付けられている。アーム4の中央部には油圧式オートテ
ンショナ100が連結されている。
【0003】油圧式オートテンショナ100は、有底筒
状のケーシング101と、ケーシング101内に嵌入さ
れたシリンダ102と、ケーシング101の開口端部及
びシリンダ102の開放上端を経てシリンダ102内に
摺動可能に進入したピストン103と、ケーシング10
1の開口端部に設けられてピストン103に摺接するシ
ールリング104とを備え、ピストン103の上端が前
記アーム4に連結されている。シリンダ102はケーシ
ング101の内径より一回り小さい外径をもつ筒状をな
し、その下端は常には逆止弁107で塞がれ、該下端と
ケーシング101の内底面との間には通路108が形成
されている。シリンダ102内の高圧室105と、シリ
ンダ102・ケーシング101間の低圧室106とは、
逆止弁107及び通路108を介して連通し、該通路1
08を経て低圧室106から高圧室105へ作動油Lが
流入するとともに、シリンダ102・ピストン103間
のクリアランス109を介しても連通し、該クリアラン
ス109を経て高圧室105から低圧室106へ作動油
Lが流出するようになっている。
【0004】ピストン103の途中部には、係合リング
110が嵌着されるとともに、下方から係合リング11
0に係合するスプリングシートアッパ111が遊嵌され
ている。スプリングシートアッパ111は、ケーシング
101の開口端部にカシメにより固着された蓋112に
当接して抜けないようになっており、該蓋112の内周
に前記シールリング104が取り付けられている。低圧
室106内において、シリンダ102下部に一体形成さ
れたスプリングシートロア113と前記スプリングシー
トアッパ111との間にはリターンスプリング114が
装着され、リターンスプリング114はスプリングシー
トアッパ111及び係合リング110を介してピストン
103をシリンダ退出方向(図では上方)へ付勢してい
る。この付勢されたピストン103が、アーム4を上方
へ傾動させ、遊び滑車3によってVベルト1に適度なテ
ンションを与えることができる。また、過負荷時には、
高圧室105の作動油Lをクリアランス109を経て低
圧室106へ流出させ、ピストン103をシリンダ10
2に深く進入させることができるため、Vベルト1のテ
ンションを軽減すると同時に、ベルト長さの変化を吸収
(自動調整)することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の過負
荷時に、ピストン103の上下ストロークが大きい場合
や周波数が高い場合には、高圧室105からクリアラン
ス109を経て低圧室106へ流出する作動油Lの流速
及び流量が大きくなるため、図11に矢印で示すよう
に、該作動油Lはシリンダ102上端から低圧室106
の作動油Lの上方のエア中へ勢いよく噴出するようにな
り、そのエアを巻き込んで低圧室106の作動油Lに落
下する。従って、低圧室106の作動油Lへのエア11
5の混入量が次第に増加する。このエア115はやがて
作動油Lとともに通路108及び逆止弁107を経て高
圧室105に流入するため、ピストン103にエア11
5の体積分のガタが生じ、Vベルト1の振れが増加し
(オートテンショナ機能の低下)、異音発生の原因にも
なるという問題があった。また、高圧室105に流入し
たエア115は、ピストン103の下面中央部に留まっ
たままになり、クリアランス109から抜けにくいた
め、上記の問題は時間が経過してもなかなか改善されな
い。
【0006】本発明の目的は、上記課題を解決し、作動
油へのエア混入を防止して、オートテンショナ機能の低
下と異音の発生とを防止することができる油圧式オート
テンショナを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、有底筒状のケーシングと、ケーシング
内に同心状に設けられた筒状のシリンダと、ケーシング
の開口端部及びシリンダの開放端を経てシリンダ内に所
定のクリアランスをもって摺動可能に進入したピストン
と、シリンダの内周面とピストンの端面との間に形成さ
れた高圧室と、シリンダの外周面とケーシングの内周面
との間に形成された低圧室とを備え、低圧室の作動油が
シリンダの端壁に設けられた逆止弁を経て高圧室に流入
する一方、高圧室の作動油が前記クリアランスを経て低
圧室へ流出するように構成された油圧式オートテンショ
ナにおいて、高圧室の作動油を前記クリアランスから低
圧室の作動油中にまで導いて該作動油中へ直接放出させ
る流出通路を設けたことを特徴としている。
【0008】前記流出通路は、特定の構造に限定されな
いが、シリンダの内周面に凹設された流出溝と、シリン
ダに流出溝の溝底を貫通するように形成された流出穴
と、シリンダの外周に同心状に取り付けられて低圧室の
作動油中まで延びる流出管とからなる流出通路が好まし
い。
【0009】本発明では、さらに、シリンダに進入した
ピストンの端面を、中央部が突出する凸形状にすること
が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の油圧式オートテン
ショナを実施した形態例について、図1〜図8を参照し
て説明する。この油圧式オートテンショナ10は、無端
環状の平ベルト、Vベルト、歯付ベルト、チェーン等の
伝動部材に適度なテンションを自動的に与えるための汎
用品である。油圧式オートテンショナ10と伝動部材と
の間の構造は、特に限定されず、例えば図9に示すよう
に従来の油圧式オートテンショナ100に代えて使用で
きる。
【0011】本油圧式オートテンショナ10は有底筒状
のケーシング11を備え、ケーシング11の下面に一体
形成された取付部12には、環状のカラー13がドライ
ベアリング14を介して回動可能に設けられている。ケ
ーシング11の内周下部には縮径した被圧入部15が設
けられ、図5に示すように、被圧入部15の内周面とケ
ーシング11の内底面とには油溝16が凹設されてい
る。
【0012】ケーシング11内には、ケーシング11の
内径より一回り小さい外径をもつ有底筒状のシリンダ1
7が同心状に挿入され、その下端部が被圧入部15に圧
入固定されている。棒状のピストン18は、ケーシング
11の開口端部及びシリンダ17の開放上端を経て、シ
リンダ17内に所定のクリアランス30をもって上下摺
動可能に進入している。ピストン18の上端に一体形成
された取付部19には、環状のカラー13がドライベア
リング14を介して回動可能に設けられ、該カラー13
が、例えば図9のアーム4に連結される。ケーシング1
1の開口端部内周の段付き部には、ピストン18に摺接
するシールリング20がリング金具21とともに装着さ
れ、該シールリング20は同開口端部内周の溝に嵌着さ
れたストッパリング22に下方から係止して抜けないよ
うになっている。
【0013】シリンダ17の内周面とピストン18の下
端面との間に高圧室23が形成されている。また、シリ
ンダ17の外周面とケーシング11の内周面との間に低
圧室24が形成され、作動油Lを貯油する構造となって
いる。高圧室23と低圧室24とは、シリンダ17底壁
に設けられた逆止弁25及び前記油溝16を介して一方
向に連通する。逆止弁25は、図6に示すように、シリ
ンダ17底壁に開けられた弁孔26と、弁孔26の上に
設けられたチェックボール27と、チェックボール27
を囲むようにシリンダ17底壁に嵌着されたリテーナ2
8と、リテーナ28・チェックボール27間に装着され
たバネ29とからなる。従って、作動油Lは逆止弁25
及び油溝16を経て低圧室24から高圧室23へのみ流
入し、逆方向の流出は防止される。図1は、ピストン1
8が上昇して、高圧室23に作動油Lが充満したときの
状態を示している。
【0014】また、高圧室23と低圧室24とは、シリ
ンダ17・ピストン18間のクリアランス30を介して
も連通する。図7及び図8に示すように、シリンダ17
の上部内周面には環状の流出溝50が凹設され、シリン
ダ17の該上部には流出溝50の溝底を貫通する4つの
流出穴51が間隔をおいて形成されている。流出穴51
の数は、特に限定されないが、2〜8つが適当である。
また、シリンダ17の外周には、シリンダ17の外径よ
りわずかに大きい内径をもつ流出管52が、その上端の
縮径部53を流出穴51より上の部分に接合することに
よって同心状に取り付けられ、該流出管52の下端は低
圧室24の作動油L中まで延びている。これにより、流
出管52の内周面とシリンダ17の外周面との間には、
上端が前記流出穴51に連通し、下端が低圧室24の作
動油L中に開口した流出間隙54が形成されている。
【0015】従って、図2及び図7に示すように、ピス
トン18がシリンダ17に深く進入したとき、高圧室2
3の作動油Lは、クリアランス30→流出溝50→流出
穴51→流出管52(流出間隙54)という流出通路を
静かに流出し、低圧室24の作動油L中にまで導かれ
て、該作動油L中へ直接放出し得るようになっている。
このため、流出の途中で従来のようなエア中への噴出が
無いため、作動油Lがエアを巻き込むおそれが無い。従
って、低圧室24の作動油Lへのエア混入を防止でき、
ひいては高圧室23の作動油Lへのエア流入を防止で
き、オートテンショナ機能の低下と異音の発生とを防止
することができる。
【0016】さらに、図7に示すように、シリンダ17
に進入したピストン18の下端面31は、中央部が球面
状(円錐状等でもよい)に突出する凸形状に形成されて
いるため、仮に高圧室23に少量のエアが流入したとし
ても、そのエア45はピストン18の下面中央部に留ま
らないで下面周縁部へ浮き上がり、クリアランス30か
ら低圧室24へ抜けやすくなっている。
【0017】ピストン18にはケーシング11の開口端
部を被うカバー32が取り付けられ、該カバー32はピ
ストン18と共に上下動するようになっている。カバー
32は、ケーシング11の外周に配された筒部33と、
該筒部33の上端を塞ぐプレート状の蓋部34とからな
る。蓋部34は、内周がピストン18の上端部に圧入固
定されるとともに、上面が取付部19に下方から係止し
ている。筒部33は、その上端から外周へ折曲形成され
たフランジ部35が蓋部34の下面に合わせられるとと
もに、フランジ部35から突設された二つの爪部36が
蓋部34の上面にカシメ固定されている。
【0018】筒部33の下端には二つの爪部37が内側
へ折曲形成され、該爪部37の上下動を許容するため
に、ケーシング11の外周面の二箇所には所定幅を上端
近くまで平面状に切り落としてなる切欠部38が形成さ
れている。そして、上昇した爪部37が切欠部38上端
の切欠端39に係止することによって、ケーシング11
からのカバー32の抜けと、シリンダ17及びケーシン
グ11からのピストン18の抜けとが防止されるように
なっている。
【0019】カバー32のフランジ部35の下面にはリ
ング状のスプリングシートアッパ41が貼着されてい
る。また、ケーシング11の外周下端部にはリング状の
スプリングシートロア42が外嵌され、該スプリングシ
ートロア42は同外周下端部の溝に嵌着されたストッパ
リング43に上方から係止して抜けないようになってい
る。カバー32の外周において、スプリングシートアッ
パ41とスプリングシートロア42との間にはリターン
スプリング44が圧縮状態で装着され、ピストン18を
シリンダ退出方向(図では上方)へ付勢している。
【0020】以上のように構成された油圧式オートテン
ショナ10を、例えば図9に示すように使用すると、リ
ターンスプリング44の弾発力によって上方へ付勢され
たピストン18が、アーム4を上方へ傾動させ、遊び滑
車3によってVベルト1に適度なテンションを与えるこ
とができる。また、過負荷時には、図2に示すように、
高圧室23の作動油Lをクリアランス30から流出させ
て、ピストン18をシリンダ17に深く進入させること
ができるため、Vベルト1のテンションを軽減すると同
時に、ベルト長さの変化を吸収(自動調整)することが
可能となる。
【0021】さらに、本油圧式オートテンショナ10に
は次のような特徴がある。 ケーシング11の開口端部を被うカバー32をピス
トン18に取り付けて該ピストン18と共に上下動する
ようにしたので、シールリング20・ピストン18間へ
のダスト、水等の浸入や、ピストン18の錆付き等を防
止でき、摩耗に対する信頼性を向上できる。もってシー
ル性が保たれ、作動油Lの流出を防止でき、テンショナ
機能を維持できる。 ピストン18の抜止構造が、カバー32に設けた爪
部37と、ケーシング11に設けた切欠端39との係止
によるものなので、抜け止めが確実になり、また、その
係止を外すだけでピストン18を容易に脱着できる。 リターンスプリング44をカバー32の外周に配し
たので、低圧室24中の作動油Lが攪拌されてエアが混
入するといったことは起こらず、また設計スペースの自
由度が向上する。
【0022】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変
更して具体化することもできる。
【0023】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1又は2の発
明に係る油圧式オートテンショナによれば、作動油への
エア混入を防止して、オートテンショナ機能の低下と異
音の発生とを防止することができる。上記効果に加え、
請求項3の発明に係る油圧式オートテンショナによれ
ば、高圧室に流入したエアを抜けやすくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した油圧式オートテンショナの形
態を示し、図2のI−I線断面図である。
【図2】同油圧式オートテンショナを示す図1のII−
II線断面図である。
【図3】同油圧式オートテンショナの平面図である。
【図4】同油圧式オートテンショナを示す図1のIV−
IV線断面図である。
【図5】同油圧式オートテンショナを示す図1のV−V
線断面図である。
【図6】同油圧式オートテンショナの逆止弁回りを示す
拡大断面図である。
【図7】同油圧式オートテンショナのシリンダ上部回り
を示す拡大断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図である。
【図9】油圧式オートテンショナの一使用例を示す概略
図である。
【図10】従来の油圧式オートテンショナを示す一部破
断正面図である。
【図11】同油圧式オートテンショナのシリンダ上部回
りを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10 油圧式オートテンショナ 11 ケーシング 17 シリンダ 18 ピストン 23 高圧室 24 低圧室 25 逆止弁 30 クリアランス 31 下端面 45 エア 50 流出溝 51 流出穴 52 流出管 54 流出間隙 L 作動油

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状のケーシングと、前記ケーシン
    グ内に同心状に設けられた筒状のシリンダと、前記ケー
    シングの開口端部及びシリンダの開放端を経てシリンダ
    内に所定のクリアランスをもって摺動可能に進入したピ
    ストンと、前記シリンダの内周面とピストンの端面との
    間に形成された高圧室と、前記シリンダの外周面とケー
    シングの内周面との間に形成された低圧室とを備え、前
    記低圧室の作動油がシリンダの端壁に設けられた逆止弁
    を経て高圧室に流入する一方、前記高圧室の作動油が前
    記クリアランスを経て低圧室へ流出するように構成され
    た油圧式オートテンショナにおいて、 前記高圧室の作動油を前記クリアランスから前記低圧室
    の作動油中にまで導いて該作動油中へ直接放出させる流
    出通路を設けたことを特徴とする油圧式オートテンショ
    ナ。
  2. 【請求項2】 前記流出通路は、前記シリンダの内周面
    に凹設された流出溝と、前記シリンダに前記流出溝の溝
    底を貫通するように形成された流出穴と、前記シリンダ
    の外周に同心状に取り付けられて前記低圧室の作動油中
    まで延びる流出管とからなる請求項1記載の油圧式オー
    トテンショナ。
  3. 【請求項3】 前記シリンダに進入したピストンの端面
    を、中央部が突出する凸形状にした請求項1又は2記載
    の油圧式オートテンショナ。
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