JPH09202852A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH09202852A
JPH09202852A JP1178096A JP1178096A JPH09202852A JP H09202852 A JPH09202852 A JP H09202852A JP 1178096 A JP1178096 A JP 1178096A JP 1178096 A JP1178096 A JP 1178096A JP H09202852 A JPH09202852 A JP H09202852A
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thermoplastic resin
polyester elastomer
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fine particles
composition
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JP1178096A
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Kaoru Mori
森  薫
Hiroshi Taguchi
博 田口
Kazunari Fukazawa
一成 深沢
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐薬品性と持続性のある芳香性の両者を
満足する熱可塑性樹脂組成物を得る。 【解決手段】ポリエステルエラストマー(A)と、芳香
性天然物を中空多孔質微粒子に封入した徐放性マイクロ
カプセル(B)とを必須成分として含む熱可塑性樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルエラ
ストマーと中空多孔質微粒子によりマイクロカプセル化
された芳香性天然物とを組み合わせた熱可塑性樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、成形品に芳香効果を付与する目的
では、芳香性物質をスプレー等で成形品に塗布するか、
成形用樹脂組成物に芳香性物質を配合して成形する方法
が一般的であった。一方、ポリエステルエラストマー
は、耐熱性、柔軟性、成形性に優れる熱可塑性エラスト
マーとして有用であるが、ポリマー重合工程での副生成
物や、成形加工時の熱分解物、あるいは、種々の目的で
配合される添加剤等の異臭がしばしば問題となってい
る。
【0003】一方、ABS、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート等の非晶性樹脂は、ソリ、ヒケ等の成形欠陥が発
生し難く、各種機器のハウジング材、日用品を初めとす
る種々の用途に使用されているが、有機溶剤、油、ガソ
リン等の耐薬品性に劣っている。
【0004】前述の、芳香性物質をスプレー等で成形品
に塗布したり、成形用樹脂組成物に芳香性物質を配合す
る方法では、芳香効果に持続性が無い場合が多いのみな
らず、成形用樹脂組成物に配合して均一に分散させる工
程や、成形加工時に芳香性物質の殆どが揮散してしまう
などの本質的な問題がある。
【0005】一方、ポリエステルエラストマーを低臭化
するためには、前述の副生成物、熱分解物、添加剤等の
揮散を抑制するために、低温で加工する方法が試みられ
るが、効果が不十分であったり、成形加工性の著しい低
下を招いたりする。
【0006】さらには、ABS,ポリスチレン、ポリカ
ーボネート等の非晶性樹脂の耐薬品性を改良する試みと
して、それらの重合、あるいはコンパウンド工程で種々
の対策が取られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の熱可
塑性樹脂組成物は、優れた耐薬品性と持続性のある芳香
性の両者を満足するものではなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ポリエステ
ルエラストマーと中空多孔質微粒子によりマイクロカプ
セル化された芳香性天然物とから得られるポリエステル
エラストマー組成物により、前述の問題点が解決される
ことを見い出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0009】即ち本発明は、ポリエステルエラストマー
(A)と、芳香性天然物を中空多孔質微粒子に封入した
徐放性マイクロカプセル(B)とを必須成分として含む
熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0010】以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物につい
て、詳しく説明する。本発明で使用するポリエステルエ
ラストマー(A)は、公知慣用のものが使用できるが、
アルキレンテレフタレート単位を主体とするポリエステ
ル高融点ハードセグメントと、脂肪族ポリエーテルおよ
び/又は脂肪族ポリエステルからなる低融点ソフトセグ
メントとのブロック共重合体であることが好ましい。
【0011】アルキレンテレフタレート単位を主体とす
るポリエステル高融点ハードセグメントとしては、例え
ばテレフタル酸もしくはそのジメチルエステルと、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2,
2−ジメチル−トリメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、デカメチレングリコール等のアルキレン
グリコールとからなる単位を主体とするものが挙げられ
る。
【0012】場合によって前記単位には、ジカルボン酸
として、例えばイソフタル酸、無水フタル酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、ビス(p−カルボキシ
フェニル)メタン、4,4'−スルホニルジ安息香酸等
の芳香族ジカルボン酸、炭素数2〜12の脂肪族ジカル
ボン酸、グリコールとしてp−キシリレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール等のジオール、オキシ酸と
してp−オキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸等に基づく単位を含んでいてもさしつかえ
ない。
【0013】また、脂肪族ポリエーテルおよび/または
脂肪族ポリエステルから成る低融点ソフトセグメントと
しては、例えばポリ(エチレンオキサイド)グリコー
ル、ポリ(プロピレンオキサイド)グリコール、ポリ
(テトラメチレンオキサイド)グリコール等のポリエー
テルグリコール、これらポリエーテルグリコール類の混
合物もしくは共重合体、ポリε−カプロラクトン、炭素
数2〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂
肪族グリコールから製造されるポリエステル、例えばポ
リエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペー
ト、ポリエチレンセバケート、ポリネオペンチルセバケ
ート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリテトラメ
チレンアセテート、ポリヘキサメチレンアセテートな
ど、また上記脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリエーテル
を組合せたポリエステルポリエーテル共重合体などが挙
げられる。
【0014】かかるポリエステルエラストマー(A)
は、低融点ソフトセグメントブロックの分子量が通常4
00〜6000、好ましくは400〜3000の範囲で
ある。この低融点ソフトセグメントブロックのポリエス
テルエラストマー(A)中に占める割合としては、通常
5〜80重量%であり、好ましくは20〜70重量%の
範囲である。
【0015】上記ポリエステルエラストマー(A)は、
通常用いられる重縮合法であればいかなる製造法により
製造されてもよいが、本発明において好ましい製造方法
としては、例えば、テレフタル酸またはそのジメチルエ
ステルとアルキレングリコールと、脂肪族ポリエーテル
および/または脂肪族ポリエステルとから成る低融点ソ
フトセグメント成分を触媒の存在下に約150〜250
℃に加熱し、エステル化またはエステル交換反応を行
い、次いで真空下に過剰のアルキレングリコールを除去
しつつ重縮合を行うことにより、ポリエステルブロック
共重合体であるポリエステルエラストマー(A)を得る
方法がある。
【0016】また、その他の製造方法の例としては、予
め調整した高融点ハードセグメント形成プレポリマーお
よび低融点ソフトセグメント形成プレポリマーに、それ
らのプレポリマーの末端官能基と反応する、例えばテト
ラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート;トリレン−2,
4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシア
ネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、ナフ
タレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシ
アネート;ジンクロヘキシルメタンジイソシアネート等
の脂環式ジイソシアネート;粗製ジフェニルメタンジイ
ソシアネートのような一分子中にイソシアネート基を2
以上有する化合物;トリレンジイソシアネートの二量
体、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートの
二量体等のイソシアネート化合物等を混合反応させるこ
とにより変性ポリエーテルエステルブロック共重合体、
または変性ポリエステルエステルブロック共重合体であ
るポリエステルエラストマー(A)を得る方法などがあ
る。
【0017】本発明における、芳香性天然物を中空多孔
質微粒子に封入した徐放性マイクロカプセル(B)と
は、例えば樹木、草花、野菜等の植物から抽出されたエ
キスからなる芳香性天然物を芯物質として、多孔性の殻
体粒子の中空部分にマイクロカプセル化することにより
得られるものである。当該カプセル中に封入された芯物
質は、殻体の孔を通過し、その外部に徐々に放出される
(この性質を徐放性という。)。
【0018】本発明のマイクロカプセル(B)として
は、任意の粒子径のものが使用できるが、通常平均粒子
径0.1〜10μmの粉体が使用できる。
【0019】中空多孔質微粒子(殻体)は、無機質でも
有機質でも良いが、ポリエステルエラストマー(A)の
成形加工温度で形状が保持できる程度の耐熱性を有する
ものが使用される。またポリエステルエラストマー
(A)と相溶性が優れたものであることが最終的に得ら
れる組成物中への均一分散性の点で好ましい。
【0020】芳香性天然物の出発物質として用いられる
植物としては、種々の植物が可能で、例えば、ヒバ、ヒ
ノキ、ユーカリ、杉、カエデ、レモンユーカリ、ハッ
カ、トウガラシ、ミカン、ビャクダン、レモン、バラ、
ラベンダー、アロエ、ヨモギ、フキ、シナモン、ジャス
ミン、ラン、カーネーション、笹、各種ハーブ類などが
挙げられ、これらを単独で、あるいは組み合わせて用い
ることが出来る。
【0021】例えば、ヒバから抽出された精油は、ヒバ
油と称し、ヒノキチオールを成分として含有する。フロ
ウソウ目カンラン科の植物、例えばゲラニアレス、ブル
セラセア、コミフォラエラセラから抽出されたエキス
は、オポポナックス精油と称される。
【0022】本発明におけるマクロカプセル(B)は、
どの様な製造方法で得られたものでもよいが、上記した
様な芳香性天然物を芯物質として、それを、例えばシリ
カ、アルミナ、硅酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライ
トなどの無機質や、ポリウレタン、メラミン等の合成樹
脂を、例えば界面反応により多孔性殻体となしたマイク
ロカプセルの中空部分に芯物質を封入することにより得
られる。
【0023】本発明における抗菌性ゼオライト(C)と
は、抗菌性金属イオンを保持しているゼオライトを言
い、一般的には固体粉末である。マイクロカプセル
(B)と抗菌性ゼオライト(C)とを組み合わせて用い
ると、抗菌性の点で相乗効果が得られる。
【0024】ゼオライトとしては、天然ゼオライト及び
合成ゼオライトがあるが、いずれでも良い。ゼオライト
は、一般的に三次元骨格を有するアルミノシリケートで
あり、一般式として、XM2/nO・Al23・YSiO2
・ZH2Oで表示される。ここで、Mはイオン交換可能
なイオンを表し、通常は1価又は2価の金属イオンであ
る。nは金属イオンの原子価である。X及びYは、それ
ぞれの酸化物、シリカ係数、Zは結晶水の数を示してい
る。
【0025】ゼオライトとしては、例えばA−型、X−
型、Y−型等各種のものがあり、分子中に、Na、C
a、K等の各種イオンを有しており、特定のイオン交換
容量を有しているので、例えば前記イオンを抗菌性金属
イオンで置換することにより、抗菌性ゼオライト(C)
とすることができる。抗菌性金属イオンとしては、銀、
銅、亜鉛等の金属イオンが好適である。
【0026】好適な抗菌性ゼオライト(C)としては、
例えば鐘紡株式会社のバクテキラー、株式会社クラレの
サニター30、ユニチカ株式会社のボルファー等の商品
名のものが市販されている。
【0027】本発明において、前記マイクロカプセル
(B)を必須成分として、前記マイクロカプセル(B)
と抗菌性ゼオライト(C)の添加量は、重量比で(B)
/(C)=100/0〜1/99、前記ポリエステルエ
ラストマー(A)に対する重量比で{(B)+(C)}
/(A)=0.01/99.99〜70/30とすること
が好ましい。
【0028】マイクロカプセル(B)の添加量が、抗菌
性ゼオライト(C)との重量比(B)/(C)≧1/9
9又はポリエステルエラストマー(A)に対する重量比
で{(B)+(C)}/(A)≧0.01/99.99の
場合には、本発明の目的とする芳香性が充分に得られ
る。
【0029】また、中空多孔質微粒子によりマイクロカ
プセル化された芳香性天然物(B)と抗菌性ゼオライト
(C)の添加量が、前記ポリエステルエラストマー
(A)に対する重量比で、{(B)+(C)}/(A)
≦70/30であれば、得られる組成物の機械的特性や
流動性が著しく低下することもなく好ましい。
【0030】この様にして得られる本発明の組成物は、
特にポリエステルエラストマー(A)を主成分とする成
形用熱可塑性樹脂組成物として有用である。
【0031】また本発明の組成物には、ポリエステルエ
ラストマー(A)以外の熱可塑性樹脂(D)をさらに加
えることもできる。前記樹脂(D)としては、エラスト
マー(A)と相溶性に優れたものを選択して用いるのが
好ましい。この場合、ポリエステルエラストマー(A)
と、それ以外の熱可塑性樹脂(D)の混合割合は特に限
定されない。
【0032】例えば、マイクロカプセル(B)と、抗菌
性ゼオライト(C)とから得られ、各成分の割合が重量
比で、(B)/(C)=100/0〜1/99、
{(B)+(C)}/(A)=0.1/99.9〜70/
30からなる本発明の熱可塑性樹脂組成物を、熱可塑性
樹脂(D)に0.1〜30重量%の割合で配合すること
により、例えばいわゆるマスターバッチを調製すること
も出来る。
【0033】熱可塑性樹脂(D)としては、種々のもの
が可能であるが、例えばABS、ポリスチレン、ポリカ
ーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)が特に有用で、
これらの熱可塑性樹脂を単独で、あるいは組み合わせて
使用することができる。前記したマスターバッチは、本
発明のポリエステルエラストマー(A)用のマスターバ
ッチとしても使用しても良い。
【0034】本発明の組成物には、必要に応じて、例え
ば熱安定剤、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、フッ
素系化合物、帯電防止剤、導電性カーボン、カーボンブ
ラック、炭素繊維、各種抗菌剤、難燃剤、結晶核剤、離
型剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、可塑剤、顔料、
染料、着色剤、充填剤、ガラス繊維またはカップリング
剤などの公知の化合物を添加することができる。酸化防
止剤とマイクロカプセルとを併用すると、後者の効果を
損なうことなく前者の異臭が消臭されるという効果もあ
る。
【0035】本発明組成物の製造方法は特に限定される
ものではなく、ポリエステルエラストマー(A)とマイ
クロカプセル(B)とを必須成分として、必要に応じて
その他の成分も含めて混合分散すれば良いが、好ましく
は、組成物の構成成分を予め均一に混合した後に、ポリ
エステルエラストマー(A)の融点以上の温度におい
て、単軸又は多軸押出機を用いて溶融混練され、ついで
カッターでカッティングされペレットとして供される。
【0036】こうして得られた組成物は、通常公知の射
出成形、押出成形などの任意の方法で成形でき、成形品
は天然物による芳香性を示すとともに、流動性、表面平
滑性等の成形加工性、柔軟性、耐衝撃性、耐屈曲性等の
機会的特性、耐薬品性に優れており、工業的価値は極め
て大きく、電話機、パソコン、複写機等の家電・OA機
器ハウジング、ヘアブラシ、櫛、バス・トイレ用品等の
日用品、スポーツ用品、機械機構部品,電気・電子部
品、自動車部品等の用途に幅広く使用できる。
【0037】また本発明の組成物は、例えば台所、トイ
レ、浴槽等の家庭用品、日用品、玩具、ゲーム機、OA
機器、通信機器、スポーツ用品、電機・電子部品、自動
車部品、繊維製品、衣料品、医療器具等の幅広い分野に
利用することが可能な、芳香、消臭、抗菌効果を有し耐
衝撃性、柔軟性、耐屈曲性、耐薬品性、成形加工性に優
れたものである。
【0038】
【発明の実施形態】次に本発明の実施形態を好ましい態
様を例に説明する。テレフタル酸又はその誘導体と、
1,4−ブタンジオールと、分子量800〜2500の
ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコールとを必須
成分として反応させて得られるポリエステルエラストマ
ー100重量部に、0.5〜5重量部の平均粒子径0.
1〜10μmの芳香性天然物を無機質中空多孔質微粒子
に封入した徐放性マイクロカプセル粉末と、必要に応じ
て0.5〜5重量部の平均粒子径0.1〜5μmの抗菌
性ゼオライト粉末、0.05〜1重量部の酸化防止剤を
混合して、前記エラストマーの融点以上の温度で溶融混
練して、前記エラストマー中にマイクロカプセル(B)
が均一に分散した樹脂組成物を得る。
【0039】マスターバッチ用としては、前記エラスト
マー100重量部に、5〜45重量部の平均粒子径0.
1〜10μmの芳香性天然物を無機質中空多孔質微粒子
に封入した徐放性マイクロカプセル粉末を混合して同様
溶融混練してマスターバッチを調製してから、ABS、
ポリスチレン、ポリカーボネート、PBT、PETから
なる群からからなる群から選ばれる1種以上の熱可塑性
樹脂100重量部に、前記マスターバッチ5〜20重量
部を均一に混合して用いることができる。
【0040】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例及び比較例に
より説明する。以下に実施例を挙げて更に上記好ましい
実施形態の本発明を説明する。しかしながら本発明は以
下の実施例に限定されるものではない。また、例中の部
は重量部を示す。
【0041】実施例1および比較例1 高融点ハードセグメントがテレフタル酸ジメチルとテト
ラメチレングリコールとから得られるポリエステルエラ
ストマーと、界面反応法によるシリカの無機質多孔性マ
イクロカプセルに、各種植物から抽出されたエキスを1
/1の重量比で封入したものを用い、表1に示した配合
組成物を予め均一に混合した後、200〜230℃に設
定された40mmφ1軸押出機によって混練し、ストラ
ンドとして引き出し冷却し、ペレタイザーにてカッティ
ングしてペレットを得た。
【0042】これらのペレットを用いて、インラインス
クリュー式射出成形機によりシリンダー温度230℃、
金型温度30℃、射出圧力400〜700kgf/cm2
射出スピード中速にて成形し、厚さ1.6mmのテスト
ピース(ASTM D638タイプIV)を得た。
【0043】これらテストピースは、いずれも良好な外
観光沢を有するものであった。成形品の評価は、これら
テストピースについて、芳香性の官能テストと、耐薬品
性としてのストレスクラックテストを実施した。
【0044】芳香性の官能テストは、10人中の明瞭に
芳香を確認できた人数で判定した。ストレスクラックテ
ストは、両端部の距離が60mmになるようにテストピ
ースを湾曲させ、湾曲頂点部分にアセトンを1滴滴下し
表面のクラック発生状況を観察した。
【0045】抗菌性は、約5mm角に裁断したテストピー
ス0.75gを200cc三角フラスコ入れ、生菌数を
104/mlに調整した菌液75mlを加え1時間振騰し、
生菌数を計数し減菌率を求める。使用菌種は、Spaphylo
coccus Aureus ATCC6538P (黄色葡萄状球菌)である。
【0046】
【表1】
【0047】表中の1)〜4)は次の通りである(以下
同様である。)。 注1)ハードセグメント/ソフトセグメント重量比が3
8/62で、ソフトセグメントが分子量2000のポリ
(テトラメチレンオキサイド)グリコールのポリエステ
ルエラストマー。
【0048】2)青森ヒバの精油(ヒノキチオール1〜
2重量%含有)を、シリカ多孔性粒子に50重量%の濃
度で封入した、平均粒子径ミクロン単位の徐放性マイク
ロカプセル。 3)成形1日後に評価。
【0049】4)成形180日後に評価。
【0050】実施例2〜3 表2の成分を用いる以外は、実施例1と同様な操作を行
って組成物を調製し、同様に評価した。
【0051】
【表2】
【0052】表中の5)〜8)は次の通りである(以下
同様である。)。 注5)ハードセグメント/ソフトセグメント重量比が7
5/25で、ソフトセグメントが分子量1000のポリ
(テトラメチレンオキサイド)グリコールのポリエアス
テルエラストマー。
【0053】6)チバガイギー社製ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤。 7)ラベンダーの抽出液を、シリカ多孔性粒子に50重
量%の濃度で封入した平均粒子径ミクロン単位の徐放性
マイクロカプセル。
【0054】8)鐘紡(株)製銀ゼオライト系抗菌剤。
【0055】実施例4及び5 表3に示した成分を用いて、実施例1と同様にしてマス
ターバッチペレットを得た。この参考例1または2の各
ペレットを、表4に示した熱可塑性樹脂と重量割合で予
め均一に混合した配合組成物を実施例1と同様にして、
同様に評価した。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】表中の9)は次の通りである(以下同様で
ある。)。 注9)日本合成ゴム(株)製ABS樹脂。
【0059】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特に芳
香性と耐薬品性に優れ、電話機、パソコン、複写機等の
家電・OA機器ハウジング、機械機構部品、電気・電子
部品、自動車部品、各種フィルム、シート等、の成形材
料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/00 LEB C08L 25/00 LEB 55/02 LMF 55/02 LMF 69/00 LPR 69/00 LPR 101/00 LTA 101/00 LTA

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルエラストマー(A)と、芳香
    性天然物を中空多孔質微粒子に封入した徐放性マイクロ
    カプセル(B)とを必須成分として含む熱可塑性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】抗菌性ゼオライト(C)を更に含む、請求
    項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】ポリエステルエラストマー(A)と、中空
    多孔質微粒子によりマイクロカプセル化された芳香性天
    然物(B)、および抗菌性ゼオライト(C)とから得ら
    れ、各成分の割合が重量比で(B)/(C)=100/
    0〜1/99、{(B)+(C)}/(A)=0.01
    /99.99〜70/30であることを特徴とする熱可
    塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ポリエステルエラストマー(A)以外の熱
    可塑性樹脂(D)を更に含む、請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂(D)が、ABS、ポリスチ
    レン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレー
    ト、ポリエチレンテレフタレートからなる群からなる少
    なくとも1種の熱可塑性樹脂である請求項4記載の組成
    物。
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Cited By (11)

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