JPH09202587A - 長尺重量物の吊下移送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の燃料集合体を収容したバスケット等の
重量物を安全に吊り上げて移送する。 【解決手段】 バスケット等の長尺重量物を移送する吊
下移送装置２０は、移動自在の桁２１上を移動するトロ
リ２３、トロリ２３から垂下され両側部にガイドレール
が突出して形成された固定マスト２５、ガイドレールを
挟んで配置されたガイドローラを具備した支持装置３３
及びトロリ２３上の巻取機４１から延びたワイヤ３７に
上部が連結されたグリッパ３５を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ブリッジクレーン
型の吊下移送装置に関し、特に重量の大きい長尺物体所
謂長尺重量物の取り扱いに便なる吊下移送装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】例えば、原子炉で使用される燃料集合体
は、細長い物体であるが、原子炉への装荷、燃料交換、
点検、貯蔵或いは再処理のための取り扱いに際し、ブリ
ッジクレーン型の揚重装置或いは吊下移送装置により吊
り下げて移動される。しかして、燃料集合体は放射能を
帯びる場合が多く、移送時に揺れて他の構造物と衝突、
干渉をしたりすると種々の不具合を生ずる場合があるの
で、特別の工夫がされている。これを図３を参照して説
明すると、燃料集合体Ａを収容するピット１を跨いでブ
リッジクレーンの桁３が可動に架設されていて、その上
を往復動するトロリ５がマストチューブ７を備えてい
る。マストチューブ７は中空角筒状の構造物であり、そ
の中にガイドローラ装置９を備えた支持装置１１がワイ
ヤ１３により吊り下げられていて、ワイヤ１３が巻取機
１５から繰り出され或いは巻き取られると支持装置１１
が昇降する。そして、支持装置１１に連結されて遠隔操
作されるグリッパ１７が、燃料集合体Ａを把持し、支持
装置１１の上昇により燃料集合体Ａがマストチューブ７
内に引き込まれ、その状態で移送される。又、ピット１
の中に置かれたバスケットＢに燃料集合体Ａが出し入れ
される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】以上の従来の装置は、
燃料集合体Ａ単体の取り扱いを専ら指向したものである
が、複数の燃料集合体を収容したバスケットＢ乃至容器
を取り扱おうとすると次のような問題を生ずる。即ち、
支持装置１１はグリッパ１７を直接結合しているため、
重量の大きいバスケットＢが揺れたりすると、マストチ
ューブ７とガイドローラ装置９との隙間裕度が小さいた
め結合部又は案内支持装置を含めた装置全体に作用する
荷重が大きくなり、強度上の問題を生ずる。又、バスケ
ットの製作及び据付精度が悪いためグリッパ乃至掴み装
置の位置決め及び取り扱いに問題がある。従って、本発
明の課題は前述のような問題の無い案内機構を有する吊
下移送装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】如上の課題を解決するた
め、本発明によれば、長尺重量物の吊下移送装置は、基
本的にはブリッジクレーンの構造をとり、移動自在の桁
上を移動するトロリ、同トロリから垂下され両側部にガ
イドレールが突出して形成された固定マスト、そのガイ
ドレールを挟んで配置されたガイドローラを具備した案
内支持装置及びその案内支持装置に連結されると共にト
ロリ上のウィンチ等の巻取機から延びたワイヤに上部が
連結された掴み装置を有してなることを特徴としてい
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の実施形態を説明する。先ず図１を参照するに、両端
に軌道輪を備えた桁２１は、ピット１を跨いで架設さ
れ、ピット１に沿って移動自在に設けられている。桁２
１の上面に設けられたレールの上を移動可能なトロリ２
３は、桁２１の移動方向に対して直交する方向に移動し
得るようになっていて、トロリ２３に固定されて垂下し
た固定マスト２５は、水平面内で任意の位置に移動可能
になっている。

【０００６】図２に固定マスト２５の平断面が示されて
いるが、略長方形の断面を有し、その両側面にガイドレ
ール２７が突出して設けられている。ガイドレール２７
の側面に間隔を置いて対向した一対のガイドローラ２９
とガイドレール２７の頂面に間隔を置いて対向したガイ
ドローラ３１とを２組有する支持装置３３が固定マスト
２５を囲んで設けられ、その前端に掴み装置即ちグリッ
パ３５が支持されている。グリッパ３５は、図示しては
いないが、バスケットＢに係合して把持できる通常の構
造を有し、又支持装置３３のガイドローラ２９，３１と
ガイドレール２７との間隔は、適宜調節し得る構造とな
っている。

【０００７】一方グリッパ３５の上端に連結されたワイ
ヤ３７は、固定マスト２５に平行に上方に延び、滑車３
９に巻かけられたのち巻取機４１のドラムに巻き込まれ
ている。巻取機４１は、ドラムの他にモータ、動力伝達
機構等を有し遠隔制御されるようになっている。

【０００８】以上のような吊下移送装置２０は、ピット
１内のバスケットＢにグリッパ３５を整列するように桁
２１及びトロリ２３を駆動して固定マスト２５を位置決
めする。そして巻取機４１を駆動して、ワイヤ３７を繰
り出すと、グリッパ３５は、自重及び支持装置３３の重
量により下降し、バスケットＢに上方から接近、係合し
てこれを掴む。その後、巻取機４１でワイヤ３７を巻き
取ると、グリッパ３５はバスケットＢと共に上昇し、そ
の際支持装置３３のガイドローラ２９，３１がガイドレ
ール２７によって案内される。以上のような状態では、
バスケットＢ及び収容された燃料集合体の重量は、ワイ
ヤ３７によって支持され、固定マスト２５には直接的に
作用しない。又、バスケットＢの揺れ、衝突干渉等によ
る水平方向変位は、前述の隙間により吸収されて固定マ
スト２５には、大きくは作用しない。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固定マストの両側面に設けられたガイドレールと、これ
に調整自在の隙間を介して配置されたガイドローラとの
案内機構により支持装置が案内されるので、従来のもの
に比し案内能力が向上し、信頼性の高い案内を行うこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の立面図である。

【図２】図１のII−II線に沿う平断面図である。

【図３】従来の装置の立面図である。

【符号の説明】

２０ 吊下移送装置 ２１ 桁 ２３ トロリ ２５ 固定マスト ２７ ガイドレール ２９、３１ ガイドローラ ３３ 支持装置 ３５ グリッパ ３７ ワイヤ ４１ 巻取機

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動自在の桁上を移動するトロリ、同ト
   ロリから垂下され両側部にガイドレールが突出して形成
   された固定マスト、前記ガイドレールを挟んで配置され
   たガイドローラを具備した支持装置及び同支持装置に連
   結され前記トロリ上の巻取機から延びたワイヤに上部が
   連結された掴み装置を有してなることを特徴とする長尺
   重量物の吊下移送装置。