JPS6320708Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、例えばコイル状の物体を荷役する
クレーンの改良に関する。

一般にこの種のクレーンにおいては、トレーラ
等で運ばれたコイルの停止位置が固定されてない
ものについては、クレーン運転者の勘によつて、
クレーンをコイルの中心位置に移動してハンドリ
ングを行つている。このためコイル搬送設備で
は、この部分のみの自動化が図れず、ライン全体
の完全自動化の妨げとなつていた。

この考案は上記に鑑み、クレーンに設けたガイ
ドマストに、昇降自在の昇降ビームと、その下端
にコイル位置検出用の検出装置例えば、光電管を
装備し、トレーラ上に置かれたコイル状の物体
が、固定されていない不特定の状態で、クレーン
下に運ばれたとき、前記光電管により、トレーラ
上のコイル位置と、コイル巾とを検出し、この検
出値にもとづいて吊り具を自動的に操作させるよ
うにして、コイル搬送の自動化を図ることを目的
とする。

以下図面に示す実施例に沿つて説明する。

１は走行レール２上に走行自在に支承されたク
レーンガーダを構成するサドル、３はクレーンガ
ーダ上に横行自在に支承されたトロリである。４
はこのトロリ３の下端面に所定の間隔を存して互
いに相対するように垂下された２本のガイドマス
トで、トロリ３の横行方向に対して直角に対向す
るように固設されている。５はこのガイドマスト
４の対向する面に沿つて昇降する吊りビームで、
トロリ３上に設けた吊りビーム５用の巻上げ装置
６に巻回された巻上げロープ７にシーブ８を介し
て吊持され、下面にはトロリ３の横行方向と同方
向に相対する２個のコイル吊り用の吊り具１０
と、該吊り具１０を互いに逆方向への開閉動作を
行わさせる駆動装置９が設けられている。

以上のような構成からなるクレーン自体は従来
公知である。

この考案は、前記コイル搬送設備に使用される
クレーンにおいて、吊りビーム５とは別にガイド
マスト４の対向する面の裏面に沿つて昇降し対向
配置された昇降ビーム１１を、トロリ３上に設け
たシーブ１３を介して昇降ビーム１１用の巻上げ
装置１２に巻回した巻上ロープ１４に吊持すると
共に、昇降ビーム１１の下端にトロリ３の横行方
向に直交するように対向配置してコイル位置とコ
イル巾とをコイルの遮蔽、非遮蔽により検出する
検出装置例えば光電管１５を設けたことを特徴と
する。

なお１６はトレーラ、１７は該トレーラ１６に
搭載されたコイルである。

この考案は以上の構成からなるので、コイル１
７の荷役作業を行うにはコイル１７を固定するこ
となく、不特定の状態に搭載したトレーラ１６
を、所定位置に停止させた後、トレーラ１６の進
入路中心位置にクレーンを走行させ、次に巻上げ
装置１２の巻下駆動により昇降ビーム１１を略々
コイル１７の中心高さ位置まで巻下げる。そし
て、この状態からトロリ３を横行させると、光電
管１５の投光素子と受光素子との間をコイル１７
が遮ることによつて、コイル位置とコイル巾とが
検出され、この光電管出力信号はクレーン制御装
置に入力される。この検出が終わつたならトロリ
３の横行を停止し、しかる後、昇降ビーム１１を
巻上げ、この操作が完了すると前記コイル位置と
コイル巾の検出値に応じて吊り具１０を操作し、
コイル１７のハンドリングを行わせる。

この考案は以上のような構造と作用をもつてい
るので、検出装置によるコイルの位置および巾の
検出作業と、吊り具によるコイルのハンドリング
作業とを別に行える。

このことは、昇降ビームを巻下げて検出装置に
よるコイル位置とコイル巾とを検出中に、吊りビ
ームを巻下げてコイル近傍まで接近させたり、コ
イル位置・巾の検出後に昇降ビームの巻上げと吊
りビームの巻下げとを同時に行いながら検出情報
に基いてクレーンおよび吊り具のハンドリング作
業が行えるので、クレーンのコイルハンドリング
作業を非常に能率良く行うことができる。

しかも、吊りビームによりコイルをハンドリン
グした後、コイルの移送中および目的場所に降ろ
す際、昇降ビームを上方へ巻上げておけば、検出
装置および昇降ビームが他の物体（他のコイル
等）に接触して損傷することがない。

また、昇降ビームを吊りビームに設けたのでは
なく、クレーンのガイドマストへ昇降自在に設け
ているので、吊りビームの巻上げ装置に余分な負
荷がかからず、しかも吊りビーム自体をコンパク
トにすることができる。

さらに、コイル位置とコイル巾とを、コイルの
遮蔽・非遮蔽により検出する検出装置で検出して
いるので、どのような巾のコイルに対してもコイ
ル位置およびコイル巾を検出することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
概略側面図、第２図は正面図である。 １……サドル、３……トロリ、４……ガイドマ
スト、５……吊りビーム、６……巻上げ装置、
７，１４……巻上げロープ、８，１３……シー
ブ、１１……昇降ビーム、１２……巻上げ装置、
１５……検出装置、１６……トレーラ、１７……
コイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コイル搬送設備に使用されるクレーンにおい
   て、 前記クレーンのトロリ下面にその横行方向に対
   し直角に対向するようにして固設した２本のガイ
   ドマストを設け、該両ガイドマストの対向面に沿
   つて昇降動すると共に、前記トロリの横行方向に
   相対するようにして固設されたコイル吊り用の吊
   り具を下部に有する吊りビームと、前記両ガイド
   マストの対向する面の裏面に沿つて昇降するよう
   にそれぞれ対向配置された昇降ビームとを個別の
   巻上げ装置に巻上げロープを介して吊持してな
   り、 前記昇降ビームの下端には、前記トロリの横行
   方向に直交するようにして対向配置された検出装
   置が設けられていることを特徴とする位置決め装
   置を備えたコイル搬送用クレーン。